JP2000348343A - カレンダー処理装置及びこれを用いる磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

カレンダー処理装置及びこれを用いる磁気記録媒体の製造方法

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JP2000348343A
JP2000348343A JP15681299A JP15681299A JP2000348343A JP 2000348343 A JP2000348343 A JP 2000348343A JP 15681299 A JP15681299 A JP 15681299A JP 15681299 A JP15681299 A JP 15681299A JP 2000348343 A JP2000348343 A JP 2000348343A
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Shigemi Kato
茂己 加藤
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カレンダー処理装置の金属ロール周面に発生
する硬質クロムメッキのマイクロクラックの進行を遅ら
せることにより、金属ロールの清浄や交換のための製造
ライン停止頻度を下げ、生産性を向上させることを可能
とする、カレンダー処理装置及びこれを用いる磁気記録
媒体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 複数個の金属ロールと弾性ロールあるい
は金属ロールと金属ロールとの間に磁気記録媒体を挿通
することにより該磁気記録媒体磁気層の鏡面化を行うカ
レンダー処理装置において、前記金属ロールの表面に施
す硬質クロムメッキの厚みを30〜100μmの範囲と
したことを特徴とするもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カレンダー処理装
置及びこれを用いる磁気記録媒体の製造方法に関し、よ
り詳細には、磁性層の表面平滑処理工程を改善すること
が可能な、カレンダー処理装置及びこれを用いる磁気記
録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体の製造工程の一つに、磁性
層表面の平滑性あるいは充填度を高めるために行うカレ
ンダー処理と呼ばれる表面平滑処理工程がある。このカ
レンダー処理は、加熱金属ロールと樹脂等の弾性体ある
いは金属ロール同士の間に、磁気記録媒体を加熱・加圧
しながら通す処理工程である。このカレンダー処理に関
しては、従来から、本処理工程実施中に、上記加熱金属
ロールに接触する磁性層表面の磁性層形成材料が脱落
し、金属ロールに付着して汚れが発生するという問題が
あった。
【0003】上記金属ロールの表面は、硬さと耐磨耗性
向上の観点から、電解による硬質クロムメッキ(ビッカ
ース硬度700以上)を施している。前述のような、金
属ロール周面に付着した汚れが磁性層表面に転写した状
態を光学顕微鏡で観察したところ、汚れは網目状に転写
していることが確認された。この網目は、硬質クロムメ
ッキ層に発生するマイクロクラックのパターンであると
考えられる。マイクロクラックの発生原因は、金属ロー
ルのメッキ時に、メッキ内部に残留ストレスがあるた
め、メッキ直後から非常に微細なクラックが内在してお
り、この内在クラックが、磁気記録媒体をカレンダー処
理する際の加熱・加圧により拡大し、表面まで進行する
ためといわれている。
【0004】図3(a)に、上述のマイクロクラックの
表面図を、また、図3(b)には、その断面図を、いず
れも模式的に示した。このマイクロクラックは、メッキ
時の残留ストレスから生まれるため、金属ロール10に
施されたメッキ層13の厚みと相関があり、メッキ層1
3の厚みが厚いほど残留ストレスは大きいと考えられ
る。従来、上記金属ロールのメッキは、カレンダー処理
時の磨耗やトラブルで発生するシワ押し傷の除去,マイ
クロクラックの除去のために再研磨して再使用できるよ
う、200μm以上の厚みに施されている。
【0005】ただし、上述のように発生するマイクロク
ラックは、金属ロールのメッキ層のかなり内部まで進行
しているため、マイクロクラックを除去するために金属
ロールの表面を再研磨した場合に、表面上はマイクロク
ラックが除去されたように見えても、クラックは実際は
図3(b)に示すように内部まで進行しているため、再
使用中に、短時間で再びマイクロクラックが発生すると
いう問題がある。この場合には、メッキ層をすべて取り
除き、新たにメッキし直すことで対応する他に手だてが
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】金属ロール面に汚れが
蓄積する原因の一つとして、このマイクロクラックの微
細な凹凸が磁性層とのニップ時に磁性層表面を引き裂い
て蓄積させることがあげられる。このマイクロクラック
と汚れとの関係を調べた結果、クラック幅cが2μm以
上になると磁性層表面に転写し、製品の品質に影響する
ことが判明した。この汚れは、磁気記録媒体の磁性面に
転写されることにより磁気記録媒体のS/Nの低下を招
き、ドロップアウトの原因となる。従来のVHSテープ
を代表とする製品では、このマイクロクラックは品質に
影響しないために問題はなかったが、近年のコンピュー
タバックアップテープを代表する高密度記録媒体(例え
ば、DLT)では、このマイクロクラックが問題となっ
てきた。
【0007】このような事態を回避するには、定期的に
金属ロール周面の汚れを除去する清浄化あるいは金属ロ
ールの交換が必要である。これらの作業に際しては、製
造ラインを停止しなければならず、生産性の低下を招く
ので、汚れの発生をできるだけ抑制することが望まし
い。また、マイクロクラックに蓄積した汚れは、有機溶
剤等による清浄作業で除去することは可能だが、頻繁に
行わなければならないため、生産性の大幅な低下を招
く。
【0008】従来の技術では、汚れを抑制する方法とし
て、特開平9−73627号公報に開示された技術(金
属ロールに潤滑剤を塗布して汚れを防止する方法),特
開平4−258812号公報に開示された技術(金属ロ
ールに潤滑剤を塗布して汚れを防止する方法),特開平
1−312732号公報に開示された技術(金属ロール
に界面活性皮膜を形成して汚れを防止する方法)及び特
開昭61−115240号公報に開示された技術(ロー
ルに揮発性の離型成ガスを吹き付ける方法)において、
いずれも金属ロールに潤滑剤、界面活性剤、離型成ガス
を塗布または吹き付けてロール表面に吸着形成させ、汚
れを抑制する方法が開示されている。
【0009】しかしながら、上記従来技術のうち、特開
平9−73627号公報に開示された技術,特開平4−
258812号公報に開示された技術,特開平1−31
2732号公報に開示された技術は、磁気記録媒体自体
の持つ研磨性により、金属ロール表面に吸着形成した物
質を短時間に脱離させるところから、頻繁に製造ライン
を停止し、吸着処理をしなければならないという欠点が
ある。また、特開昭61−115240号公報に開示さ
れた離型成ガスを吹き付ける方法は、ガスを常に吹き付
け続ける必要があり、生産コストが掛かり、実用的とは
いえない。
【0010】また、もう一つの問題点としては、金属ロ
ールのメッキの磨耗が挙げられる。カレンダー加熱金属
ロールは、ロールとロールとの間で磁気記録媒体を加圧
しながら処理を行うため、接触せん断力により、ロール
表面に施した硬質クロムメッキが磨耗していく。この磨
耗は、ロール幅方向に一定ではなく、不均一に磨耗する
ために、ロール間の圧力の不均一を生ずることになり
(図4参照)、製品の平滑性や充填度に影響を与えると
いう問題が生じる。
【0011】上述のロールの磨耗量は、当然のことなが
ら処理量と相関があり、例えば、処理量が約65,00
0,000m(これは平均的な処理時間では、約12ヶ
月に相当する。)になると、磨耗により加圧不均一が無
視できなくなるため、それ以前にカレンダー処理時のト
ラブルでのシワ押し等の問題がなければ、従来は12ヶ
月で定期的にロールの交換を行っている。
【0012】本発明の目的は、従来の技術における上述
のような問題を解消し、カレンダー処理装置の金属ロー
ル周面に発生する硬質クロムメッキのマイクロクラック
の進行を遅らせることにより、汚れによる金属ロールの
清浄や交換のための製造ライン停止頻度を下げ、生産性
を向上させることを可能とする、カレンダー処理装置及
びこれを用いる磁気記録媒体の製造方法を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るカレンダー処理装置は、複数個の金属
ロールと弾性ロールあるいは金属ロールと金属ロールと
の間に磁気記録媒体を挿通することにより該磁気記録媒
体磁気層の鏡面化を行うカレンダー処理装置において、
前記金属ロールの表面に施す硬質クロムメッキの厚みを
30〜100μmの範囲としたことを特徴とするもので
ある。
【0014】また、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法は、上記カレンダー処理装置を適用するものであっ
て、非磁性層形成用塗布液と磁性層形成用塗布液とを、
乾燥後の非磁性層の厚さ及び磁性層の厚さが所定の厚さ
になるように長尺状の支持体上に塗布し、前記両層がま
だ湿潤状態にあるうちに配向処理を行った後乾燥して非
磁性層及び磁性層を設けた磁気記録媒体を、表面に施す
硬質クロムメッキの厚みを30〜100μmの範囲とし
た金属ロールを含むカレンダー処理装置によりカレンダ
ー処理することを特徴とするものである。
【0015】本発明においては、カレンダー処理装置に
用いる金属ロールを、その表面に施す硬質クロムメッキ
の厚みを30〜100μmの範囲としたことにより、硬
質クロムメッキ層におけるマイクロクラックの発生を押
さえて、クラック幅が品質に影響する2μmに達するま
での処理量を大幅に増加させることが可能になり、生産
性の向上に寄与するようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に示す好適実施例に基づいて、詳細に説明する。
【0017】以下に説明する実施例及び比較例では、図
1に示すような7段のカレンダー処理装置における最上
段の加熱金属ロール1aを、硬質クロムメッキ層の厚み
を10〜200μmの範囲内の種々の厚みに設定して作
成し、このカレンダー処理装置を用いて、以下に説明す
るような磁性層を有する磁気記録媒体をカレンダー処理
したときのマイクロクラック発生状況を比較した。
【0018】まず、磁気記録媒体の製造方法の概要につ
いて説明する。 (1)非磁性層形成用塗布液及び磁性層形成用塗布液の調製 a.研磨剤を含む分散液の組成 α‐Al23 (アルミナ) 100部(重量部) 〔平均粒子サイズ:0.2μm〕 極性基(−SO3Na基)含有塩化ビニル系共重合体 12部 〔−SO3Na基の含有量:5×10-5モル/g、 重合度:350、エポキシ基含有量:モノマー単位で3.5重量%、 (MR−110、日本ゼオン(株)製)〕 メチルエチルケトン 100部 上記の成分をサンドミルを用いて分散させて研磨剤を含
む分散液を調整した。
【0019】 b.非磁性層形成用成分 非磁性粉末 二酸化チタンTiO2(ルチル型) 100部 〔TiO2含有量:90%以上 平均一次粒子径:0.035μm BET法による比表面積:40m2/g pH:7.0 DBP吸油量:27〜38g/100g モース硬度:6.0 表面処理剤(Al23)〕 磁性体表面処理剤 0.3部 〔フェニルホスホン酸〕 極性基(−SO3Na基)含有塩化ビニル系共重合体 12部 〔−SO3Na基含有量:5×10-5モル/g、重合度:350、 エポキシ基含有量:モノマー単位で3.5重量%、 (MR−110、日本ゼオン(株)製)〕 極性基(−SO3Na基)含有ポリエステルポリウレタン樹脂5部 〔ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/ MDI=0.9/2.6/1(重量比) −SO3Na基:1×10-4モル/g含有〕 ポリイソシアネート 3部 〔(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)〕 上記の研磨剤(α−アルミナ)を含む分散液 10部 カーボンブラック 10部 〔(平均粒子サイズ:0.1μm、旭カーボン(株)製)〕 プチルステアレート 0.1部 ステアリン酸 0.2部 オレイン酸 0.1部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 150部
【0020】 c.磁性層形成用成分 強磁性金属粉末 100部 〔(組成/Fe:Co:Y:Al=100:10:3:11 保磁力(Hc):180エルステッド(Oe) BET法による比表面積:57m2/g 結晶子サイズ:170A 飽和磁化量(δs):130emu/g 粒子サイズ(平均長軸長):0.10μm pH:9.3〕 磁性体表面処理剤〔(フェニルスルホン酸)〕 3部 極性基(−SO3Na基)含有塩化ビニル系共重合体 10部 〔−SO3Na基の含有量:5×10-5モル/g、 重合度:350、エポキシ基含有量:モノマー単位で3.5重量%、 (MR−110、日本ゼオン(株)製)〕 極性基(−SO3Na基)含有ポリエステルポリウレタン樹脂 2.5部 〔ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/ MDI=0.9/2.6/1(重量比) −SO3Na基含有量:1×10-4モル/g含有〕 ポリイソシアネート 2.5部 〔(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)〕 上記の研磨剤(α−アルミナ)を含む分散液 10部 カーボンブラック 1部 〔(#50、平均粒子サイズ:0.10μm、旭カーボン(株)製)〕 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 オレイン酸 1部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 50部
【0021】まず、上記磁性層形成用成分及び非磁性層
形成用成分のうち、研磨剤を含む分散液以外の各成分を
それぞれ連続ニーダ(オープンニーダ)で混練し、非磁
性層形成用塗布液及び磁性層形成用塗布液をそれぞれ調
整した。
【0022】 (2)バックコート層形成用塗布液の調製 (バックコート層形成用成分) 微粒子状カーボンブラック粉末 100部 〔(キャボット社製、BP−800、平均粒子サイズ:17μm)〕 粗粒子状カーボンブラック粉末 10部 〔(カーボンカルプ社製、サーマルブラック、平均粒子サイズ:270μm) 〕 炭酸カルシウム(軟質無機粉末) 80部 〔(白石工業(株)製、白艶華0、平均粒子サイズ:40μm、 モース硬度:3)〕 α−アルミナ(硬質無機粉末) 5部 〔(平均粒子サイズ:200μm、モース硬度:9)〕 ニトロセルロース樹脂 140部 ポリウレタン樹脂 15部 ポリイソシアネート 40部 ポリエステル樹脂 5部 分散剤 :オレイン酸銅 5部 銅フタロシアニン 5部 硫酸バリウム 5部 メチルエチルケトン 2200部 酢酸ブチル 300部 トルエン 600部
【0023】上記バックコート層を形成する各成分を連
続ニーダで混練したのち、バックコート層形成用塗布液
を調製した。
【0024】(3)磁気テープの作製 得られた非磁性層形成用塗布液と磁性層形成用塗布液
を、乾燥後の非磁性層の厚さが2.2μmとなるよう
に、またこの上に乾燥後の磁性層の厚さが0.3μmと
なるように長尺状のポリエチレンテレフタレート(PE
T)支持体(厚さ:6.0μm)上に同時重層塗布を行
った。ついで、両層がまだ湿潤状態にあるうちに、30
00ガウスの磁束密度を持つコバルト磁石と1500ガ
ウスの磁束密度を持つソレノイドを用いて配向処理を行
った。その後乾燥を行い、非磁性層及び磁性層を設け
た。
【0025】その後、支持体の他方の側(磁性層とは反
対側)に、上記バックコート層形成用塗布液を乾燥後の
厚さが0.5μmとなるように塗布し、乾燥してバック
コート層を設け、支持体の一方の面に非磁性層と磁性層
とが、そして他方の面にバックコート層がそれぞれ設け
られた磁気記録積層体ロールを得た。得られた磁気記録
積層体ロールを、金属ロールのみから構成される図1に
示したような、金属ロールと樹脂ロールからなる7段構
成のカレンダー処理装置に通してカレンダー処理を行っ
た。
【0026】なお、図1中、1a〜1dは、内部に加熱
手段を備えた金属ロールであり、2a〜2cは樹脂ロー
ルである。また、3は磁気テープであり、3aはその磁
性面を示している。
【0027】カレンダー処理の条件は、以下の通りであ
る。 メッキ厚み変更ロール :加熱金属ロール上段のロール1a 加熱金属ロール温度 :90℃ ニップ圧(線圧) :300kg/cm カレンダー処理速度 :150m/min 定期ロール清浄 :60,000m処理毎に実施
【0028】マイクロクラック発生の判断は、加熱金属
ロール1aの表面変化とカレンダー処理後の磁性層表面
を定期的に観察してクラック幅を測定し、クラック幅が
品質に影響する2μmに達した限界処理量を判定・確認
した。マイクロクラックの進行に関しては、硬質クロム
メッキの厚みとカレンダー処理時間との間に、図2に示
すような相関があることが確認された。全体の傾向とし
ては、硬質クロムメッキ厚みが薄いほど、マイクロクラ
ックが限界幅2μmに達するまでの処理時間は長くな
る。
【0029】〔実施例1〕上述の処理条件下で、メッキ
厚みを100μmに設定した金属ロール1aを使用した
場合、クラック幅が品質に影響する2μmに達したのは
処理長さが64,800,000mに達したときであっ
た。
【0030】〔実施例2〕上述の処理条件下で、メッキ
厚みを70μmに設定した金属ロールを使用した場合、
クラック幅が品質に影響する2μmに達したのは、処理
長さが81,000,000mに達したときであった。
【0031】〔実施例3〕上述の処理条件下で、メッキ
厚みを50μmに設定した金属ロールを使用した場合、
クラック幅が品質に影響する2μmに達したのは、処理
長さが97,200,000mに達したときであった。
【0032】〔実施例4〕上述の処理条件下で、メッキ
厚みを30μmに設定した金属ロールを使用した場合、
クラック幅が品質に影響する2μmに達したのは、処理
長さが102,600,000mに達したときであっ
た。
【0033】〔比較例1〕上述の処理条件下で、メッキ
厚みを20μmに設定した金属ロールを使用した実験の
結果は、メッキ前の鉄芯母材の加工精度は、通常1/1
00mm(10μm)で加工されているため、金属ロー
ル周面でメッキ厚みにばらつきが生まれ、一部のメッキ
厚みが薄いところでは使用時の磨耗によりメッキが無く
なり、錆が発生する事態が発生した。
【0034】〔比較例2〕上述の処理条件下で、メッキ
厚みを10μmに設定した金属ロールを使用した実験に
おいても、比較例1と同様の錆が発生する現象がみられ
た。
【0035】〔比較例3〕上述の処理条件下で、メッキ
厚みを110μmに設定した金属ロールを使用した実験
の結果、磨耗による12ヶ月ごとの定期ロール交換時期
よりも前の59,400,000m処理後の時点で、マ
イクロクラックの幅は品質に影響する2μmに達した。
【0036】〔比較例4〕上述の処理条件下で、メッキ
厚みを150μmに設定した金属ロールを使用した実験
の結果、磨耗による12ヶ月ごとの定期ロール交換時期
よりも前の37,800,000m処理後の時点で、マ
イクロクラックの幅は品質に影響する2μmに達した。
【0037】〔比較例5〕上述の処理条件下で、メッキ
厚みを200μmに設定した金属ロールを使用した実験
の結果、磨耗による12ヶ月ごとの定期ロール交換時期
よりも前の27,000,000m処理後の時点で、マ
イクロクラックの幅は品質に影響する2μmに達した。
【0038】以上の実施例及び比較例により、金属ロー
ルの硬質クロムメッキ厚みを30μmから100μmの
範囲内にすることで、品質に影響するマイクロクラック
は磨耗による定期ロール交換以前には発生せず、生産性
の向上が実現されることが確認できた。また、ロール清
浄作業も頻繁に実施する必要が無くなることが確認でき
た。
【0039】なお、上記実施例は本発明の一例を示すも
のであり、本発明はこれに限定されるべきものではな
い。例えば、上記実施例においては、カレンダー処理装
置として、金属ロールと樹脂ロールからなる7段のロー
ル構成で、そのすべてのロールが金属ロールであるもの
を示したが、本発明は、これ以外にも、構成段数の異な
るもの、あるいは、金属ロールと樹脂ロールとの組み合
わせを変えたものなど、他の構成に係るカレンダー処理
装置及びこれを用いる磁気記録媒体の製造方法にも適用
可能である。さらに、上記実施例においては、カレンダ
ー処理装置の最初の金属ロールのみのメッキ厚みを変化
させた例を示したが、他の加熱金属ロールについても、
同様にメッキ厚みを調整しても良い。
【0040】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、金属ロールの表面に施す硬質クロムメッキの厚
みを30〜100μmの範囲としたので、金属ロール周
面に発生する硬質クロムメッキのマイクロクラックの進
行を遅くし、金属ロールの清浄や交換のための製造ライ
ンの停止頻度を下げることが可能になり、生産性の向上
を実現できるという顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るカレンダー処理装置の
構成の要部を示す断面図である。
【図2】マイクロクラック幅が2μmに達するまでの、
メッキ厚みと処理時間との相関を示す図である。
【図3】硬質クロムメッキのマイクロクラック観察図で
あり、(a)は表面図、(b)は断面図である。
【図4】加熱金属ロールの、導入時点と12ヶ月後の定
期ロール交換時点での磨耗状況の一例を示す図である。
【符号の説明】
1a〜1d 加熱金属ロール 2a〜2c 樹脂ロール 3 磁気テープ 3a 磁気テープの磁性面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の金属ロールと弾性ロールあるい
    は金属ロールと金属ロールとの間に磁気記録媒体を挿通
    することにより該磁気記録媒体磁気層の鏡面化を行うカ
    レンダー処理装置において、 前記金属ロールの表面に施す硬質クロムメッキの厚みを
    30〜100μmの範囲としたことを特徴とするカレン
    ダー処理装置。
  2. 【請求項2】 非磁性層形成用塗布液と磁性層形成用塗
    布液とを、乾燥後の非磁性層の厚さ及び磁性層の厚さが
    所定の厚さになるように長尺状の支持体上に塗布し、前
    記両層がまだ湿潤状態にあるうちに配向処理を行った後
    乾燥して非磁性層及び磁性層を設けた磁気記録媒体を、
    表面に施す硬質クロムメッキの厚みを30〜100μm
    の範囲とした金属ロールを含むカレンダー処理装置によ
    りカレンダー処理することを特徴とする磁気記録媒体の
    製造方法。
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