JP2000347414A - レジストパターン微細化用塗膜形成剤及びそれを用いた微細パターン形成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レジストパターン底部において不必要な架橋
を生じたり、裾ひきが生じるのを抑制し、かつ垂直性の
良好な断面形状をもち、ミキシングベークによる依存性
の小さいパターンを与えるレジストパターン微細化用塗
膜形成剤及び微細パターン形成方法を提供する。 【解決手段】 （Ａ）（イ）水溶性架橋剤や（ロ）水溶
性樹脂と、（Ｂ）水溶性含窒素有機化合物とを含む組成
物をレジストパターン微細化用塗膜形成剤として用いる
こと、及び基板上に化学増幅型レジストを用いてレジス
トパターンを形成したのち、この上に上記パターン微細
化用塗膜形成剤の塗膜を設け、加熱処理してレジストパ
ターンと塗膜との界面に水不溶性の反応層を形成させ、
次いで水系溶剤により塗膜の非反応部分を除去すること
により、微細パターンを形成する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、化学増幅型レジス
トを用いてレジストパターンを形成させる際に、レジス
トパターン底部分においてそれ自体の不必要な架橋や、
裾ひきを生じることなく、垂直性に優れたパターン断面
形状を有し、ミキシングベークの依存性が小さい微細な
パターンを与えることができるレジストパターン微細化
用塗膜形成剤、及びこのものを用いて微細パターンを効
率よく形成する方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、半導体デバイスの製造分野におい
ては、デバイスの集積度の向上に伴い、製造プロセスに
要求される配線層や絶縁層などの分離幅は、非常に微細
化している。そのため、リソグラフィー技術で使用する
活性線の短波長化が進み、遠紫外線、ＫｒＦ又はＡｒＦ
のようなエキシマレーザー光などを用いた技術が中核と
なりつつある。一方、上記リソグラフィー技術において
は、ホトレジストとして、化学増幅型レジストが使用さ
れるようになってきた。この化学増幅型レジストは、放
射線の照射により生成した酸の触媒作用を利用したレジ
ストであって、高い感度と解像性を有し、放射線の照射
により酸を発生する化合物、いわゆる酸発生剤の使用量
が少なくてよいという利点を有している。

【０００３】しかしながら、このようなリソグラフィー
技術においても、露光波長の制約から、微細化には限界
が生じるのを免れない。そのため、波長限界を超える微
細パターンの形成を可能とするために、リソグラフィー
技術で形成されたレジストパターン上に設けられる微細
パターン形成材料やそれを用いた微細パターン形成方法
についての改良が多数提案されている（特許第２７２３
２６０号掲載公報、特開平６−２５０３７９号公報、特
開平７−２８１４４９号公報、特開平１０−７３９２７
号公報、特開平１０−１６３０９３号公報）。

【０００４】この中で、特許第２７２３２６０号掲載公
報に記載されている方法は、ポリメチルメタクリレート
などの電子線レジストをパターン化し、該レジストパタ
ーン上にポジ型レジストを塗布し、加熱処理することに
より、該レジストパターンとポジ型レジスト層の境界に
反応層を設け、ポジ型レジストの非反応部分を除去する
ことにより、レジストパターンを微細化する方法である
し、特開平６−２５０３７９号公報に記載されている方
法は、下層レジストパターンと上層レジストとの間に酸
発生剤や酸による熱架橋を利用して反応層を形成させる
方法であるし、特開平１０−７３９２７号公報に記載さ
れている方法は、上層レジスト塗布液として、感光性成
分を含まず、水溶性樹脂や水溶性架橋剤、あるいはこれ
らの混合物を水溶性溶媒に溶解した微細パターン形成材
料を用いて半導体装置を製造する方法である。

【０００５】これらの方法は、感光性レジスト（下層レ
ジスト）の波長限界を超え、微細パターン形成材料（上
層レジスト）によるパターンの微細化を簡単に行うこと
ができるという点で好ましいものであるが、例えばレジ
ストパターンの底部分の不必要な部分まで微細パターン
形成材料の架橋を生じたり、裾ひき形状となったり、微
細パターン形成材料の断面形状の垂直性が不良になった
り、あるいは上層レジストパターンサイズが架橋を起こ
すための加熱であるミキシングベークにより左右される
などの欠点があり、必ずしも十分に満足しうるものでは
ない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、通常のリソグラフィー技術により形成さ
れたレジストパターンをより微細化するために用いられ
るものであって、レジストパターン底部分においてそれ
自体の不必要な架橋を生じたり、裾ひきを生じるのを抑
制し、かつ垂直性の良好な断面形状をもち、ミキシング
ベークの依存性が小さい微細なパターンを与えるレジス
トパターン微細化用塗膜形成剤、及びこのものを用いて
微細パターンを効率よく形成する方法を提供することを
目的としてなされたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、微細パタ
ーン形成について鋭意研究を重ねた結果、水溶性架橋剤
や水溶性樹脂と共に、水溶性含窒素有機化合物及び場合
により特定の界面活性剤を含むレジストパターン微細化
用塗膜形成剤を用いると、より微細なパターンを形成す
る場合においても、すぐれたパターンが形成されること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。

【０００８】すなわち、本発明は、（Ａ）（イ）水溶性
架橋剤及び（ロ）水溶性樹脂の中から選ばれる少なくと
も１種と、（Ｂ）水溶性含窒素有機化合物と、場合によ
り（Ｃ）分子内にフッ素原子とケイ素原子とを有する界
面活性剤とを含むレジストパターン微細化用塗膜形成
剤、及び基板上に化学増幅型レジストからなる感光層を
設け、画像形成露光後、現像処理してレジストパターン
を形成させる工程、このレジストパターン上に、上記レ
ジストパターン微細化用塗膜形成剤を塗布し、レジスト
パターン微細化用塗膜を形成させる工程、加熱処理によ
り、レジストパターンとレジストパターン微細化用塗膜
との界面に水不溶性の反応層を形成させる工程、及び溶
剤により、レジスト微細化用塗膜の非反応部分を除去す
る工程を順次施すことを特徴とする微細パターン形成方
法を提供するものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明のレジストパターン微細化
用塗膜形成剤においては、（Ａ）成分として、（イ）水
溶性架橋剤及び（ロ）水溶性樹脂のいずれか一方、又は
その両方が用いられる。上記（イ）成分の水溶性架橋剤
としては特に制限はなく、従来公知のものの中から適宜
選択して用いることができる。この水溶性架橋剤の例と
しては、Ｎ位にヒドロキシアルキル基、好ましくはヒド
ロキシメチル基又はアルコキシアルキル基、好ましくは
アルコキシメチル基あるいはこれらの両方を有するメラ
ミン誘導体、尿素誘導体、エチレン尿素誘導体、ベンゾ
グアナミン誘導体及びグリコールウリル誘導体などが挙
げられる。これらは単独で用いてもよいし、２種以上を
組み合わせて用いてもよいが、中でもイミノ基の水素原
子がヒドロキシメチル基で置換されたグリコールウリ
ル、すなわち、ヒドロキシメチル基４個を有するテトラ
（ヒドロキシメチル）グリコールウリルが完全に水溶性
であり、保存安定性に優れ、また、程良い架橋性を示
し、さらに水溶性樹脂との混和性にも優れるので好まし
い。このようなものとしては、例えば市販品「サイメル
１１７２」（三井サイテック社製、商品名）として入手
することができる。

【００１０】一方、（ロ）成分の水溶性樹脂としては特
に制限はなく、従来公知のもの、例えば特開平１０−７
３９２７号公報に記載されているものなどの中から、適
宜選択して用いることができる。特にポリビニルアセタ
ール及びポリビニルピロリドンが好適である。上記ポリ
ビニルアセタールとしては、例えば市販品「エスレック
ＫＷ−１」、「エスレックＫＷ−３」（いずれも積水化
学工業社製、商品名）として入手することができるし、
ポリビニルピロリドンとしては、例えば市販品「Ｌｕｖ
ｉｓｋｏｌ Ｋ−６０（重量平均分子量１６０，００
０）」、「Ｌｕｖｉｓｋｏｌ Ｋ−８０（重量平均分子
量不明）」、「Ｌｕｖｉｓｋｏｌ Ｋ−９０（重量平均
分子量１，２００，０００）」（いずれもビー・エイ・
エス・エフ社製、商品名）として入手することができ
る。これらの（ロ）成分は単独で用いてもよいし、２種
以上を組み合わせて用いてもよい。

【００１１】本発明のレジストパターン微細化用塗膜形
成剤においては、（Ａ）成分として、前記（イ）成分の
みを用いてもよいし、（ロ）成分のみを用いてもよく、
あるいは（イ）成分と（ロ）成分を併用してもよい。
（イ）成分と（ロ）成分を併用する場合には、（イ）成
分１〜３５重量％及び（ロ）成分９９〜６５重量％の割
合で用いるのが好ましく、特に（イ）成分１〜２０重量
％及び（ロ）成分９９〜８０重量％の割合で用いるのが
好ましい。

【００１２】本発明のレジストパターン微細化用塗膜形
成剤において、（Ｂ）成分として水溶性含窒素有機化合
物が用いられるが、このものを配合することによって、
断面形状の垂直性が良好で、より微細なパターンを与え
ることができる。

【００１３】この（Ｂ）成分の水溶性含窒素有機化合物
としては、レジストパターン微細化用塗膜形成剤の調製
に用いられる水系溶媒に溶解し、かつ前記（Ａ）成分と
相容性を有するものであればよく、特に制限はない。こ
のような水溶性含窒素有機化合物としては、脂肪族アミ
ンなどが挙げられる。

【００１４】この脂肪族アミンの例としては、トリメチ
ルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチル
アミン、ｎ‐プロピルアミン、ジ‐ｎ‐プロピルアミ
ン、トリ‐ｎ‐プロピルアミン、イソプロピルアミンな
どの低級アルキルアミン；モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、ジ‐ｎ‐プロ
パノールアミン、トリ‐ｎ‐プロパノールアミン、ジイ
ソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンな
どの低級アルカノールアミンが挙げられる。これらの中
で、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン
などの低級アルキルアミンや低級アルカノールアミンが
パターン断面形状の垂直性の改善及びパターンサイズの
微細化に有効であり、特に好ましい。

【００１５】本発明のレジストパターン微細化用塗膜形
成剤においては、この（Ｂ）成分の水溶性含窒素有機化
合物は単独で用いてもよいし、２種以上を組み合わせて
用いてもよい。その含有量は、前記（Ａ）成分１００重
量部当り、１〜２０重量部の範囲が好ましい。この含有
量が１重量部未満では（Ｂ）成分を添加した効果が十分
に発揮されないおそれがあるし、２０重量部を超えると
酸が失活し、架橋反応が起こらない場合がある。添加効
果及び架橋反応性などを考慮すると、この（Ｂ）成分の
より好ましい含有量は２〜１０重量％の範囲である。

【００１６】本発明のレジストパターン微細化用塗膜形
成剤は、前記（Ａ）成分及び（Ｂ）成分を水系媒体に溶
解した溶液の状態で用いられる。この水系媒体として
は、通常、水が用いられるが、必要に応じ、本発明の目
的が損なわれない範囲で、水と混和性のある有機溶剤例
えばアルコールとの混合物も用いることができる。水系
溶液中の該（Ａ）成分の濃度としては、２〜２０重量
％、特に３〜１０重量％の範囲が好ましい。

【００１７】本発明のレジストパターン微細化用塗膜形
成剤には、塗布性を向上させるために、必要に応じ
（Ｃ）成分として、分子内にフッ素原子とケイ素原子と
を有する界面活性剤を、前記（Ａ）成分１００重量部当
り、０．０１〜１．０重量部、好ましくは０．０３〜
０．１重量部の範囲で含有させることができる。上記界
面活性剤としては、パーフルオロアルキルエステル基と
アルキルシロキサン基とオキシアルキレン基が結合した
非イオン性のフッ素・シリコーン系界面活性剤を好まし
く挙げることができる。このような界面活性剤は、例え
ば市販品「メガファックＲ−０８」（大日本インキ化学
工業社製、商品名）として入手することができる。

【００１８】次に、本発明の微細パターン形成方法は、
レジストパターン形成工程、レジストパターン微細化用
塗膜形成剤からなる塗膜形成工程、加熱処理工程及び非
反応部分の除去工程から構成されている。

【００１９】このレジストパターン形成工程は、基板上
に酸発生剤を含む化学増幅型レジストからなる感光層を
設け、画像形成露光後、現像処理してレジストパターン
を形成させる工程である。上記化学増幅型レジストとし
ては、従来化学増幅型レジストとして慣用されているポ
ジ型又はネガ型の中から、任意のものを適宜選択して用
いることができる。この化学増幅型レジストは、一般に
酸発生剤と、発生する酸の作用によりアルカリ水溶液に
対する溶解性が変化する被膜形成成分とを基本成分とす
るものであって、ポジ型レジストにおいては、被膜形成
成分として、通常ｔｅｒｔ‐ブトキシカルボニル基、テ
トラヒドロピラニル基などの溶解抑制基で水酸基の一部
を保護したポリヒドロキシスチレンなどが用いられてい
る。一方、ネガ型レジストにおいては、被膜形成成分と
して、通常上記溶解抑制基で水酸基の一部を保護したポ
リヒドロキシスチレン、あるいはポリヒドロキシスチレ
ンやノボラック樹脂などの樹脂成分に、メラミン樹脂や
尿素樹脂などの酸架橋性物質を組み合わせたものが用い
られている。

【００２０】このような化学増幅型レジストを用いてレ
ジストパターンを形成させる方法としては、従来慣用さ
れているレジストパターン形成方法を用いることができ
る。例えばシリコンウエーハのような基板上に、化学増
幅型レジストの溶液をスピンナーなどで塗布し、乾燥し
て感光層を形成させ、これに縮小投影露光装置などによ
り、紫外線、ｄｅｅｐ−ＵＶ、エキシマレーザー光など
所望のマスクパターンを介して照射するか、あるいは電
子線により描画し、加熱する。次いで、これを現像液、
例えば１〜１０重量％テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド水溶液のようなアルカリ性水溶液などを用いて現
像処理することにより、レジストパターンを形成する。

【００２１】次に、塗膜形成工程は、上記レジストパタ
ーン形成工程で得られたレジストパターン上に、前記本
発明のレジストパターン微細化用塗膜形成剤の溶液を塗
布し、塗膜を形成させる工程である。塗膜の形成方法と
しては、通常、スピンナーなどにより上記溶液を、レジ
ストパターン上に塗布したのち、８０〜１００℃程度の
温度で３０〜９０秒間程度加熱乾燥処理して、塗膜を形
成させる。この塗膜の厚さとしては、０．１〜０．５μ
ｍ程度が有利である。

【００２２】また、加熱処理工程はミキシングベークと
呼ばれ、加熱処理により、レジストパターンとレジスト
パターン微細化用塗膜との界面に水不溶性の反応層を形
成させる工程である。この際、加熱処理は、一般に９０
〜１３０℃程度の温度において、６０〜１２０秒間程度
行われる。これにより、レジストパターンから酸成分が
上記塗膜に浸出して架橋反応を行い、レジストパターン
と塗膜との界面に水不溶性の反応層が形成される。

【００２３】最後の除去工程は、上記加熱処理工程で形
成された水に不溶性の反応層を残し、上記塗膜の非反応
部分を、水系溶剤により除去する工程である。この際、
水系溶剤としては、一般に純水が用いられ、この純水で
１０〜６０秒間ゆすぐことにより、該非反応部分が除去
される。

【００２４】以上の工程により、レジストパターンより
さらに微細なパターンが形成される。レジストパターン
はラインアンドスペースパターンでもよいし、ホールパ
ターンでもよいが、通常ホールパターンが用いられる。

【００２５】

【発明の効果】本発明のレジストパターン微細化用塗膜
形成剤は、化学増幅型レジストを用いて、通常のリソグ
ラフィー技術により形成されたレジストパターンをより
微細化するために用いられるものであって、レジストパ
ターン底部分においてそれ自体の不必要な架橋を生じた
り、裾ひきが生じるのを抑制し、かつ垂直性の良好な断
面形状を有し、ミキシングベークの依存性の小さいパタ
ーン断面形状が得られると共に、一層のパターンサイズ
の微細化が可能になるという効果を奏する。

【００２６】

【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。

【００２７】実施例１ テトラ（ヒドロキシメチル）グリコールウリル（三井サ
イテック社製、商品名「サイメル１１７２」）２重量
部、ポリビニルアセタール樹脂（積水化学工業社製、商
品名「エスレックＫＷ−３」）９８重量部、トリエチル
アミン６重量部及び非イオン性フッ素・シリコーン系界
面活性剤（大日本インキ化学工業社製、商品名「メガフ
ァックＲ−０８」）０．０５重量部を水２０１４重量部
に溶解し、固形分５重量％の水溶液とした。次いで、孔
径が０．２μｍのメンブランフィルターを用いてろ過す
ることによって、レジストパターン微細化用塗膜形成剤
の溶液を得た。この溶液を密閉した褐色ビンにて２５℃
で放置したところ、１８０日過ぎても析出物の発生はな
い。次に、シリコンウエーハ上に化学増幅型ポジ型レジ
ストの溶液である商品名「ＴＤＵＲ−Ｐ０１５」（東京
応化工業株式会社製、酸発生剤と溶解抑制基で置換され
たポリヒドロキシスチレンを含有する）をスピンナー塗
布して、８０℃で９０秒間乾燥処理を行い、膜厚０．７
μｍのレジスト層を形成した。次に、縮小投影露光装置
ＦＰＡ−３０００ＥＸ３（キャノン社製）により、Ｋｒ
Ｆエキシマレーザー光をマスクを介して選択的に照射し
たのち、１１０℃で９０秒間加熱処理し、次いで２．３
８重量％テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液
で６５秒間パドル現像することにより、０．２２μｍの
ポジ型のレジストホールパターンを得た。次いで、前記
のパターン微細化用塗膜形成剤の溶液を上記レジストホ
ールパターン上にスピンナー塗布して、８５℃で６０秒
間乾燥処理を行い、膜厚０．２μｍの塗膜を形成した。
次に１１８℃で９０秒間ミキシングベークを行い、その
後、純水で２０秒間ゆすぐことにより、０．１３μｍホ
ールパターンが基板から垂直な良好な形状で、基板底部
まで解像された。また、ミキシングベークの１℃当りの
パターンサイズの変化量を求めたところ１０ｎｍ／℃で
あった。

【００２８】実施例２ 実施例１において、トリエチルアミンの代わりにモノエ
タノールアミンを用いた以外は、実施例１と同様にして
固形分５重量％の水溶液とした。次いで、孔径が０．２
μｍのメンブランフィルターを用いてろ過することによ
って、レジストパターン微細化用塗膜形成剤の溶液を得
た。この溶液を密閉した褐色ビンにて２５℃で放置した
ところ、１８０日過ぎても析出物の発生はない。次に、
実施例１と同様にしてシリコンウエーハ上に０．２２μ
ｍのポジ型のレジストホールパターンを形成したのち、
前記パターン微細化用塗膜形成剤の溶液を用い、実施例
１と同様な操作を行ったところ、０．１３μｍホールパ
ターンが基板から垂直な良好な形状で、基板底部まで解
像された。また、パターンサイズの変化量は１０ｎｍ／
℃であった。

【００２９】実施例３ 実施例１において、ポリビニルアセタール樹脂９８重量
部の代わりに、ポリビニルピロリドン（ビー・エイ・エ
ス・エフ社製、商品名「Ｌｕｖｉｓｋｏｌ Ｋ−９
０」）１００重量部を用い、かつテトラ（ヒドロキシメ
チル）グリコールウリルを用いなかったこと以外は、実
施例１と同様にして、固形分５重量％の水溶液とした。
次いで、孔径が０．２μｍのメンブランフィルターを用
いてろ過することによって、レジストパターン微細化用
塗膜形成剤の溶液を得た。この溶液を密閉した褐色ビン
にて２５℃で放置したところ、１８０日過ぎても析出物
の発生はない。次に、実施例１と同様にしてシリコンウ
エーハ上に０．２２μｍのポジ型のレジストホールパタ
ーンを形成したのち、前記パターン微細化用塗膜形成剤
の溶液を用い、ミキシングベーク温度を１１８℃から１
２４℃に変えた以外は、実施例１と同様な操作を行った
ところ、０．１６μｍホールパターンが基板から垂直な
良好な形状で基板底部まで解像された。また、パターン
サイズの変化量は１０ｎｍ／℃であった。

【００３０】比較例１ 実施例１において、テトラ（ヒドロキシメチル）グリコ
ールウリルの量を１５重量部に、ポリビニルアセタール
樹脂の量を８５重量部に変え、かつトリエチルアミンを
用いなかったこと以外は、実施例１と同様にして固形分
５重量％の水溶液とした。次いで、孔径が０．２μｍの
メンブランフィルターを用いてろ過することによって、
レジストパターン微細化用塗膜形成剤の溶液を得た。こ
の溶液を密閉した褐色ビンにて２５℃で放置したとこ
ろ、１８０日過ぎても析出物の発生はない。次に、実施
例１と同様にしてシリコンウエーハ上に０．２２μｍの
ポジ型のレジストホールパターンを形成したのち、前記
パターン微細化用塗膜形成剤の溶液を用い、実施例１と
同様な操作を行ったところ、基板底部分は架橋してお
り、完全には解像されなかった。又、その際のホールパ
ターンのサイズは０．１５μｍであった。また、パター
ンサイズの変化量は２０ｎｍ／℃であった。

【００３１】比較例２ 実施例３において、トリエチルアミンを用いなかったこ
と以外は、実施例３と同様にして固形分５重量％の水溶
液とした。次いで、孔径が０．２μｍのメンブランフィ
ルターを用いてろ過することによって、レジストパター
ン微細化用塗膜形成剤の溶液を得た。この溶液を密閉し
た褐色ビンにて２５℃で放置したところ、１８０日過ぎ
ても析出物の発生はない。次に、実施例１と同様にし
て、シリコンウエーハ上に０．２２μｍのポジ型のレジ
ストホールパターンを形成したのち、前記パターン微細
化用塗膜形成剤の溶液を用い、ミキシングベーク温度を
１１８℃から１２４℃に変えた以外は、実施例１と同様
な操作を行ったところ、基板底部分は架橋しており、完
全には解像されなかった。また、パターンサイズの変化
量は２０ｎｍ／℃であった。

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 （Ａ）（イ）水溶性架橋剤及び（ロ）水
   溶性樹脂の中から選ばれる少なくとも１種と、（Ｂ）水
   溶性含窒素有機化合物とを含むレジストパターン微細化
   用塗膜形成剤。
2. 【請求項２】 （Ｂ）成分の含有量が、（Ａ）成分１０
   ０重量部当り、１〜２０重量部である請求項１記載のレ
   ジストパターン微細化用塗膜形成剤。
3. 【請求項３】 （Ｂ）成分の水溶性含窒素有機化合物
   が、低級アルキルアミン及び低級アルカノールアミンの
   中から選ばれる少なくとも１種である請求項１又は２記
   載のレジストパターン微細化用塗膜形成剤。
4. 【請求項４】 （Ａ）（イ）成分の水溶性架橋剤が、イ
   ミノ基の水素原子がヒドロキシメチル基で置換されたグ
   リコールウリルである請求項１、２又は３記載のレジス
   トパターン微細化用塗膜形成剤。
5. 【請求項５】 水溶性架橋剤がテトラ（ヒドロキシメチ
   ル）グリコールウリルである請求項４記載のレジストパ
   ターン微細化用塗膜形成剤。
6. 【請求項６】 （Ａ）（ロ）成分の水溶性樹脂がポリビ
   ニルアセタール又はポリビニルピロリドンあるいはその
   両方である請求項１ないし５のいずれかに記載のレジス
   トパターン微細化用塗膜形成剤。
7. 【請求項７】 （Ａ）成分が、（イ）成分１〜３５重量
   ％と（ロ）成分９９〜６５重量％との組合せからなるも
   のである請求項１ないし６のいずれかに記載のレジスト
   パターン微細化用塗膜形成剤。
8. 【請求項８】 さらに、（Ｃ）分子内にフッ素原子とケ
   イ素原子とを有する界面活性剤を、（Ａ）成分１００重
   量部当り、０．０１〜１．０重量部の範囲で含む請求項
   １ないし７のいずれかに記載のレジストパターン微細化
   用塗膜形成剤。
9. 【請求項９】 基板上に化学増幅型レジストからなる感
   光層を設け、画像形成露光後、現像処理してレジストパ
   ターンを形成させる工程、このレジストパターン上に、
   請求項１ないし８のいずれかに記載のレジストパターン
   微細化用塗膜形成剤を塗布し、レジストパターン微細化
   用塗膜を形成させる工程、加熱処理により、レジストパ
   ターンとレジストパターン微細化用塗膜との界面に水不
   溶性の反応層を形成させる工程、及び溶剤により、レジ
   ストパターン微細化用塗膜の非反応部分を除去する工程
   を順次施すことを特徴とする微細パターン形成方法。