JP2000347008A - 高光透過・高光拡散薄肉成形体 - Google Patents

高光透過・高光拡散薄肉成形体

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JP2000347008A JP11333976A JP33397699A JP2000347008A JP 2000347008 A JP2000347008 A JP 2000347008A JP 11333976 A JP11333976 A JP 11333976A JP 33397699 A JP33397699 A JP 33397699A JP 2000347008 A JP2000347008 A JP 2000347008A
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Kiyoshi Ishitani
清 石谷
Masao Inoue
雅勇 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い光透過性と高い光拡散性とを両立させた
複合樹脂薄肉成形体を提供すること。 【解決手段】 透明な合成樹脂中に透明なガラスビーズ
が均一に混合されている複合樹脂薄肉成形体であって、
ガラスビーズの平均粒径が1〜10μmであり、該ガラ
スの屈折率nGと樹脂の屈折率nRとの間の比が1.03
<nG/nR<1.08の範囲にあり、更に、透光面の単
位面積あたりのガラスビーズ量が100〜400g/1
2である、JIS K 7105に従って測定したと
き該投光面の全光線透過率が85%以上且つヘーズ値が
86%以上であることを特徴とする高光拡散性且つ高光
透過性の複合樹脂薄肉成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスビーズを含
んだ複合樹脂に関し、更に詳しくは高い光拡散性と高い
光透過性とを兼ね備えたそのような複合樹脂よりなる薄
肉成形体である、シート状その他の光透過・拡散部材、
例えば照明カバー等に関する。
【0002】
【従来の技術】照明器具光源用の光透過・拡散部材、例
えば照明カバーは、照明器具において光源の前面側等を
覆い、光源からの光をカバー全面に拡散させることによ
って、光透過を平均化し透光面に明暗のむらができるの
を防ぐと同時に、光源(蛍光ランプ等)のイメージを隠
蔽して照明器具の品格を高めるのに役立つ。この目的の
ため、照明カバーの成形に用いる樹脂シートには、俗に
「乳半」と呼ばれる白色の顔料が均質に混入される。白
色顔料としては、酸化ケイ素、硫酸バリウム、炭酸カル
シウム、酸化チタン、亜鉛華、雲母、酸化マグネシウ
ム、タルク、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等
が用いられる。
【0003】しかしながら、これら顔料を用いて光源か
らの光を拡散させていた従来の方法では、必要な光の拡
散が得られるように顔料を樹脂に含ませると、樹脂シー
トの光透過性が大きく低下し、その結果、光源から発し
た光のかなりの部分が照明カバーを通過中に失われて、
明るさが低下するのが避けられなかった。このため従来
の照明カバーつき照明器具では、明るさの低下を補うた
め、予め光の損失を考慮に入れて高いワット数の光源を
利用していたが、これは近年特に高まっている省電力の
要請に相反するものであった。
【0004】また、慣用の白色顔料を用いた場合、薄い
肉厚では、光源イメージの隠蔽と高光透過性の両立が取
り分け困難となり、しかも色むらも出やすくなるため、
照明カバーの肉厚を薄くすることが難しいという問題も
あった。照明カバーの肉厚は、原材料の使用量に直結
し、従って肉厚の大きさはコストに直接反映する。ま
た、肉厚が大きいと照明カバーの重量がそれに比例して
増大し、これを安定に支持し続けるために、照明器具本
体により大きな強度が求められ、これも照明器具のコス
ト増大につながった。更には、照明カバーが重くなるた
め、光源の交換に際した取り扱いが面倒となる等の不都
合もあった。
【0005】光の拡散を高めるために白色顔料の量を増
やせば、後方への反射や顔料相互間での度重なる反射に
より、樹脂シートを透過する光量は必然的に低下する。
すなわち、樹脂シートによる光の拡散を向上させること
と光の透過性を向上させることとは、両立困難であり、
そのため、照明カバーにおいては、従来、光の透過性を
かなりの程度犠牲にして光の拡散がはかられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような背景のも
と、本発明は、高い光透過性と高い光拡散性とを両立さ
せた、シート状その他の形状の複合樹脂薄肉成形体を提
供し、特に、高い光透過性と高い光拡散性とを両立させ
た照明器具光源用の光透過・拡散部材、例えば照明カバ
ーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、透明樹脂中
に、所定の粒径及び屈折率の、微細で透明なガラスビー
ズを混入したものを用いて複合樹脂シートを製造し、製
造に際し複合樹脂シートの単位面積あたりのガラスビー
ズ量を所定の範囲になるよう調節しておくことにより、
光の透過性を殆ど低下させることなく光の拡散性を高め
た複合樹脂シートが得られることを見出し、更に検討を
重ねて本発明を完成させた。
【0008】すなわち、本発明は、透明な合成樹脂中に
透明なガラスビーズが均一に混合されている複合樹脂薄
肉成形体であって、該ガラスビーズの平均粒径が1〜1
0μm以下であり、該ガラスビーズを構成するガラスの
屈折率nGと該複合樹脂薄肉成形体のベースとなる樹脂
の屈折率nRとの間の比が1.03<nG/nR<1.0
8の範囲にあり、更に、透光面の単位面積あたりのガラ
スビーズ量が100〜400g/1m2である、JIS
K 7105に従って測定したとき該透光面の全光線
透過率が85%以上且つヘーズ値が86%以上であるこ
とを特徴とする高光拡散性且つ高光透過性の複合樹脂薄
肉成形体、例えばシートを提供する。
【0009】本発明の複合樹脂薄肉成形体シートは、照
明カバー等のような照明器具光源用の光透過・拡散部材
として用いた場合、従来の白色顔料を用いた部材では不
可能であった光の透過性と拡散性とのバランスを大幅に
改善し、光源からの光を十分に拡散させ取り分け背後の
光源(蛍光ランプ等)のイメージを隠蔽する効果が大き
いにも関わらず、優れた光透過性を達成できる。これに
より、同一の光源を用いたときの照明器具の明るさを大
きく改善することができ、従ってまた、従来と同じ明る
さを達成するに必要な照明器具のワット数を大きく引き
下げることができ、省電力の要請に応えることができ
る。また、光の拡散性特に背後の光源イメージの隠蔽性
に優れ、光源イメージが透けて見え難いため、照明カバ
ーと光源との間の距離を従来より接近させることが可能
となり、照明器具の設計における自由度を高めることが
できる。また、本発明の複合樹脂薄肉成形体をシート状
ないし板状の形態としたときは、高い光透過性を実現し
つつ背後の物体のイメージを効果的に隠蔽できるという
特徴を利用して、すりガラスに代わるものとして様々な
分野で用いることができるほか、すりガラスより強靱で
あり且つ表面が濡れても光拡散性が低下することがない
ため、更に一層広い範囲に適用することができる。
【0010】本発明において、該ガラスビーズを構成す
るガラスの屈折率nGと該複合樹脂シートのベースとな
る樹脂の屈折率nRとの比が1.03<nG/nR<1.
08範囲にあるときに、光透過性と光拡散性が共に取り
分け優れる。
【0011】更に、本発明の複合樹脂シート等の薄肉成
形体は、照明カバー等の照明器具光源用の光透過・拡散
部材として用いるとき、透光部の厚みが好ましくは0.
6〜3.0mmの範囲、更に好ましくは0.6〜2.0
mmの範囲で、取り分け優れた効果を発揮する。このよ
うに0.6mmのような従来より薄い肉厚でも高光透過
性及び高光拡散性を有するため、照明カバー等に用いる
場合に原材料を減らし製造コストを低下させることが可
能となる。これは、上述の省電力効果によって可能とな
った低ワット数の電源装置の使用と相まって、照明器具
の製品コストを低下させるのに大きく寄与し、同時に、
照明カバー等の照明器具光源用の光透過・拡散部材自体
としてもまた照明器具全体としても、重量の低減を可能
にして製品の取り扱いやすさを高める効果をもたらす。
【0012】本発明において、照明器具光源用の光透過
・拡散部材は、照明器具前面を覆う球状、椀状、ドーム
状等の種々の形状の照明カバー、照明器具光源の周囲を
囲む笠等の形態のもの、電球形蛍光灯における光源を収
容した電球形の光拡散性ケース等、種々の形態であって
よい。
【0013】本発明の複合樹脂薄肉成形体の製造におい
て使用する透明な合成樹脂としては、透明性及び十分な
強度が得られる限り種々のものを用いてよいが、特に好
ましくは、本発明は、該透明な合成樹脂が、アクリル樹
脂、スチレン系樹脂及びポリエステル樹脂よりなる群よ
り選ばれるものである上記複合樹脂薄肉成形体を提供す
る。
【0014】本発明の複合樹脂薄肉成形体は、その形状
に応じて当業者に周知の任意の方法で成形することがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、「シート状」と
いうときは、面積に比して厚みが薄いものであることを
意味しており、従って板状のものも包含する。
【0016】本発明において、ガラスビーズの平均粒径
は1〜10μmであればよいが、より好ましい範囲は2
〜8μm以下、尚も更に好ましい範囲は4〜7μm、特
に好ましくは例えば約6μmである。ガラスとしては、
石英ガラスやその他の種々の透明なガラス例えばSiO
2−Al23−CaO系、SiO2−Al23−B2
3系、SiO2−Al23−B23−CaO−MgO系ガ
ラス等を、その屈折率が樹脂との関係で本発明に規定の
範囲となる場合に用いることができる。
【0017】複合樹脂薄肉成型物の1m2あたりのガラ
スビーズ量が100〜400gの範囲であれば、種々の
厚みで高光透過性且つ高光拡散性を発揮することができ
る。従って、複合樹脂薄肉成形体(例えばシート)の製
造に際して、ガラスビーズの添加量は、この範囲内で、
複合樹脂シートの厚み及び複合樹脂シートに求められる
所望の強度などを考慮して、適宜選択すればよい。すな
わち一例として、アクリル樹脂(例えば比重1.19)
をベースに用いる場合であって、複合樹脂シートの厚み
を1mm、シート単位面積当たりのガラスビーズ(例え
ば比重2.5)の目標含量を100g/m2と設定した
場合、これはガラスビーズ8.0重量%を含有するアク
リル樹脂を用いることにより達成できる。また別の一例
として、同じアクリル樹脂(比重1.19)をベース
に、複合樹脂シートの厚みを2mm、シート単位面積当
たりの同じガラスビーズ(比重2.5)の目標含量を3
50g/m2と設定した場合、これはガラスビーズ約1
3.7重量%を含有するアクリル樹脂を用いることによ
り達成できる。このような樹脂複合樹脂中のガラスビー
ズの重量比率と、複合樹脂シートのような薄肉成形体の
厚みと、そのような成形体中のガラスビーズ量との間に
は、次の関係が成り立つ。
【0018】複合樹脂シートの重量をWCとし、複合樹
脂シート中に占めるガラスビーズの重量比率をP
(%)、ガラスビーズを構成するガラス自体の密度をd
G(g/cm3)、ベースとなる樹脂の常温での密度をd
R(g/cm3)とすると、複合樹脂シートの体積V
C(cm3)は、 VC=PWC/100dG + (100−P)WC/100dR
【0019】従って、複合樹脂シートの密度dC(g/
cm3)は、 dC=WC/VC=100/{P/dG + (100−P)/
R
【0020】従って、厚さt(mm)の複合樹脂シート
1m2あたりの重量W(g)は、 W=103tdC=105t/{P/dG + (100−P)/
R
【0021】従って、この複合樹脂シート1m2あたり
に含まれるガラスビーズの重量WG(g)は、 WG=WP/100=103Pt/{P/dG + (100−P)
/dR
【0022】従って、1m2あたりWG(g)のガラスビ
ーズを含んだ厚さt(mm)の複合樹脂シートを製造す
るためには、複合樹脂に占めるガラスビーズの重量比率
P(%)は、次の通りに算出されるので、それに応じて
仕込割合を決定すればよい。 P=100WG/dR{103t+WG(1/dR−1/dG)}
【0023】本発明の効果は、樹脂と混入された夥しい
数のガラスビーズとの界面における光の度重なる屈折及
び反射の総合的結果として得られるが、界面における光
の屈折及び反射という2つの挙動は、界面を構成する両
物質の屈折率の比に依存して変動する。この関係で、本
発明においては、ガラスビーズを構成するガラスの屈折
率nGと複合樹脂薄肉成形体のベースとなる樹脂の屈折
率nRとの比が1.03<nG/nR<1.08の範囲内
にあるときに特に優れた効果が得られ、尚も特に好まし
くは、nG/nRは約1.04である。従ってこの範囲に
入るように透明樹脂及びガラスビーズを適宜選択すれば
よい。
【0024】例えば、屈折率nR=1.49のアクリル
樹脂を用いた場合、上記範囲に従い、ガラスビーズを構
成するガラスの屈折率nGについて特に好ましい範囲
は、1.53<nG<1.61(すなわち1.49×
1.03<nG<1.49×1.08)、取り分け好ま
しいのはnG=約1.55(すなわち1.49×1.0
4)である。こうして、ガラスの屈折率nGに要求され
る範囲が算出できるから、採用しようとするガラスの屈
折率をそれらの範囲を参考として適宜設定すればよい。
【0025】更に上記と同様に、例えば、屈折率nR
1.59のポリスチレン樹脂を用いた場合には、ガラス
ビーズを構成するガラスの屈折率nGについての好まし
い範囲は、特に好ましい範囲は、1.64<nG<1.
72(すなわち1.59×1.03<nG<1.59×
1.08)、特に好ましいのはnG=約1.65(すな
わち1.59×1.04)である。
【0026】本発明の複合樹脂シート等の薄肉成形体の
厚みは特に限定されないが、0.6〜3.0mm程度の
厚みで十分な効果を持たせることができる。原材料コス
トや製造の容易さ等の点から、更に例えば0.6〜3.
0mm、更に0.6〜2.0mm、尚も更に0.8〜
1.5mm、更には0.8〜1.2mm等の厚みとして
もよい。
【0027】また、本発明の照明器具光源用の光透過・
拡散部材は、本発明の複合樹脂シートをそのまま照明カ
バーの形状に裁断したもの(平面的な照明カバーの場
合)や、透明な合成樹脂に平均粒径が1〜10μmの透
明なガラスビーズ混合した複合樹脂を、熱成形、例えば
圧空成形、真空成形等を用いて所望の形状に成形したも
のであっても、また射出成形、射出圧縮成型などによっ
て成形したものであってもよい。成形後の光透過・拡散
部材は、光源からの光を透過させるための面(透光面)
が、本発明の複合樹脂シートと同じ特徴を有するもので
あればよい。例えば熱成形によってシート状の複合樹脂
から成形する場合には、一般に元の樹脂シートは延伸さ
れて面積が増大しその分厚みが薄くなると同時に、これ
に比例して単位面積あたりのガラスビーズ含量(g/m
2)が減少する。従って、熱成形に使用する複合樹脂シ
ートとしては、成型後の照明カバーの透光面に求める所
望の肉厚及びガラスビーズ量(g/m2)を基に複合樹
脂が含有すべきガラスビーズの重量比率を算出し、その
ような重量比率でガラスビーズを含有する複合樹脂であ
って、熱成形による薄肉化によって所望の最終肉厚が達
成できる厚みのものを用いればよい。
【0028】本発明においてベースとして用いる透明な
合成樹脂としては、可視光線に対する吸収が小さい透明
な樹脂を用いることができる。そのような樹脂の例とし
ては、ポリアクリル酸樹脂、ポリメタクリル酸樹脂(例
えばPMMA)その他のアクリル系樹脂、ポリスチレン
樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン)樹脂、AS(アクリロニトリル・スチレン)樹脂等
のスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂又はポリエス
テル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂)
や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化
ビニル樹脂等のポリオレフィン系の透明樹脂が挙げら
れ、透明度が高く且つシート状又はその他の薄肉成形体
とするのに不都合がないものであれば他の樹脂でもよ
く、またそのように成形するのに不都合がない限り、透
明度の高い熱硬化性樹脂を用いることもできる。これら
のうち、透明性、成形の容易さ及びコストの点等を総合
して特に好ましいのは、アクリル系樹脂、スチレン系樹
脂、及びポリエステル系樹脂であ、中でも取り分け好ま
しいのはアクリル系樹脂である。
【0029】また本発明の複合樹脂薄肉成形体に、白色
の色調を加え又は光拡散性を一層高める目的で、白色の
顔料、例えば、酸化ケイ素、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、酸化チタン、亜鉛華、雲母、酸化マグネシウム、
タルク、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等を所
望により補助的に添加してもよい。
【0030】
【実施例】以下、シートの形態の実施例により本発明を
更に具体的に説明するが、本発明がこの実施例に限定さ
れることは意図しない。
【0031】下記のアクリル樹脂に、下記の各種ガラス
ビーズを均一に混合し、加熱融解して押出成形により複
合樹脂シートを作成した。各複合シートにつきJIS
K 7105に準じて、光線透過率、全光線反射率、拡
散透過率を測定し、光透過性と光拡散性を検討した。ま
た比較のため、ガラスビーズの代わりに白色顔料を加え
た対照樹脂シートをも作成し、同様に光学特性を測定し
た。用いた材料の物性は以下の通りである。更に、シー
ト背後に光源を置き、そのイメージを隠蔽する能力につ
き肉眼で評価した。
【0032】<アクリル樹脂> 使用樹脂: アクリペットVH(三菱レイヨン(株)) 屈折率(シート成形後): nR=1.49 比重(シート成形後): 1.19
【0033】<ガラスビーズB> 使用ビーズ: UB02NHAC((株)ユニオン) 屈折率nG=2.20 平均粒径=40μm 比重=4.5
【0034】<ガラスビーズC> 使用ビーズ: UB02MAC((株)ユニオン) 屈折率nG=1.93 平均粒径=40μm 比重=4.2
【0035】<ガラスビーズD> 使用ビーズ: FB40S(電気化学工業(株)) 屈折率nG=1.55 平均粒径=38μm 比重=2.2
【0036】<ガラスビーズE> 使用ビーズ: FB6D(電気化学工業(株)) 屈折率nG=1.55 平均粒径=6μm 比重=2.2
【0037】予備試験の測定結果を次の表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1に見られるように、全光線透過率で見
る限り、全光線反射率の特に大きかったB1を除き、残
りのB2、C1、C2、D1、D2、E1及びE2は、
おおむね高い光透過性を示した。しかし、C1では、全
光線反射率がやや大きかった。またB1及びC1で見ら
れた後方への光の反射による損失は、ガラスビーズ量を
減らしたB2及びC2では大幅に改善されたが、今度は
光源イメージに対する隠蔽効果が不足した。また、D2
及びE2も、光源イメージの隠蔽効果はやや不足してい
た。一方、D1及びE1には、大きな隠蔽効果が認めら
れた。これらの結果をもとに、更に検討を行った。その
結果を次の表2に示す。表2において対照は、白色顔料
として、硫酸バリウム(堺化学(株))3.85W/W
%及び酸化チタン(R830:石原産業(株))0.025
W/W%を含有する。
【0040】
【表2】
【0041】表2より、ビーズの屈折率nGとアクリル
樹脂の屈折率nRとの比nG/nR=1.30では、nG/nR
=1.04のときと比べて、反射光の比率がやや大きくなり
同時に全光線透過率が幾分低下したが、それでも対照に
比して遙かに高い全光線透過率を有していた。またC5
では、データ数値上はヘーズ値が幾分低かったものの、
肉眼観察によれば光源イメージ隠蔽効果は十分に認めら
れた。全体として、表2に掲げたガラスビーズ含有の何
れの複合樹脂シートも、対照に比して顕著に高い全光線
透過率を示すと共に十分な光源イメージ隠蔽効果を有し
ていた。また、全光線透過率と光源イメージ隠蔽効果と
の組み合わせは、E5、E7及びE13において特に優
れていた。
【0042】
【発明の効果】本発明は、照明器具等に用いるに適した
高い光透過性と高い光拡散性と兼ね備えた複合樹脂薄肉
成形体を提供することにより、光源イメージを隠蔽する
に十分な光拡散を達成しながら高い光透過を実現するこ
とを可能にし、それにより照明効率を高める。従って、
本発明によれば、従来と同じ明るさの照明を、より少な
いワット数で提供することが可能となり、省電力効果が
大きく、同時にまた、製品コストを低減させる効果も大
きい。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明な合成樹脂中に透明なガラスビーズが
    均一に混合されている複合樹脂薄肉成形体であって、該
    ガラスビーズの平均粒径が1〜10μm以下であり、該
    ガラスビーズを構成するガラスの屈折率nGと該複合樹
    脂薄肉成形体のベースとなる樹脂の屈折率nRとの間の
    比が1.03<nG/nR<1.08の範囲にあり、更
    に、透光面の単位面積あたりのガラスビーズ量が100
    〜400g/m2である、JIS K 7105に従っ
    て測定したとき該透光面の全光線透過率が85%以上且
    つヘーズ値が86%以上であることを特徴とする高光拡
    散性且つ高光透過性の複合樹脂薄肉成形体。
  2. 【請求項2】該透光面の厚みが0.6〜3.0mmの範
    囲にあることを更に特徴とする、請求項1の複合樹脂薄
    肉成形体。
  3. 【請求項3】該透明な熱可塑性樹脂がアクリル系樹脂、
    スチレン系樹脂及びポリエステル系樹脂よりなる群より
    選ばれるものである、請求項1又は2の何れかの複合樹
    脂薄肉成形体。
  4. 【請求項4】シート状である、請求項1ないし3の何れ
    かの複合樹脂薄肉成形体。
  5. 【請求項5】照明器具光源用の光透過・拡散部材である
    請求項1ないし4の何れかの複合樹脂薄肉成形体。
  6. 【請求項6】照明カバーである請求項1ないし5の何れ
    かの複合樹脂薄肉成形体。
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