JP2000346802A - 素子内部検査装置および方法 - Google Patents

素子内部検査装置および方法

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JP2000346802A
JP2000346802A JP2000125002A JP2000125002A JP2000346802A JP 2000346802 A JP2000346802 A JP 2000346802A JP 2000125002 A JP2000125002 A JP 2000125002A JP 2000125002 A JP2000125002 A JP 2000125002A JP 2000346802 A JP2000346802 A JP 2000346802A
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Kaoru Kimura
馨 木村
Nobuhiko Umetsu
暢彦 梅津
Hiroki Kikuchi
啓記 菊池
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ劣化による微小な欠陥を精度良く測定
することを可能とする素子内部検査装置および素子内部
検査方法を提供する。 【解決手段】 レーザ光源1は、被検素子2の内部に微
小な欠陥を発生させることが可能な波長および強度を有
するレーザ光8を出力する。レーザ光8は、被検素子2
に入射し、その内部に欠陥を発生させる。これと同時
に、その生成された欠陥は、同じレーザ光8によって照
明され、そこから散乱光・発光が生ずる。この散乱光・
発光は像としてビデオカメラ5によって捉えられる。結
局、レーザ光8は、被検素子2に損傷を与えて欠陥を発
生または成長させてそこでの散乱強度などを強くすると
いう役割を担うと同時に、発生または成長させた欠陥を
照明する照明光としても作用する。この結果、レーザ光
による被検素子2の劣化現象をリアルタイムに観測する
ことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種結晶の内部の
状態や性質に関する情報を取得するための素子内部検査
装置および素子内部検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、微細なパターンを形成するための
縮小露光技術、情報記録媒体としての各種ディスクのカ
ッティング技術、あるいは半導体プロセスなどにおける
微細加工や成膜技術などの分野において、高出力かつ短
波長のレーザ光源が活発に研究開発されている。しか
し、こうしたレーザ光源にさらされた光学素子は、短波
長光源の高い光子エネルギーを受けて劣化しやすいとい
う問題がある。例えば、長波長レーザ光を400nm
(ナノメートル)以下の紫外域の短波長レーザ光に波長
変換して出力するレーザ装置においては、紫外光による
波長変換結晶の劣化により、レーザ光出力が低下すると
いう問題が指摘されている。あるいは、短波長のレーザ
光が使用される光学系内に配置されるレンズや偏光素子
などの光学素子においても、こうしたレーザ光による劣
化が観測される。
【0003】こうしたレーザ光の照射による素子の劣化
現象としては、素子内部に微小な欠陥が新たに形成さ
れ、その欠陥による散乱光が生じたり、または元々存在
していた微小な欠陥による散乱の散乱強度が大きくなる
といった現象があげられる。その理由としては、例え
ば、レーザの電界破壊による微小クラックの形成、レー
ザ光の入射に伴う化学組成の変化、あるいはカラーセン
ターと呼ばれる着色部の形成などが挙げられる。これら
の現象の発生の程度、あるいは発生しやすさは、素子の
製造条件によって大きく左右される。このため、レーザ
光に対して高い耐久性を示す光学素子を開発するために
は、素子の製造条件(不純物濃度や結晶の均質性など)
を最適化する必要があり、素子のレーザ劣化を極めて精
度よく観察する手段が必要とされる。しかしながら、レ
ーザ照射による素子劣化の初期段階における素子内部の
変化は極めて微弱であり、その観察は容易ではない。
【0004】レーザ照射による劣化は、一般の顕微鏡で
は観察困難な、素子内部の微小散乱として出現すること
が多い。そこで、そのような劣化現象を観察する方法と
して、例えば「応用物理第55巻第6号 542−56
9ページ」などに説明されている光散乱トモグラフィと
よばれる測定方法が使用される。この手法は、レーザ光
源のような直線状の照明光源を用いて面状の領域に関す
る画像情報を取得する方法である。より具体例には、こ
の方法は、素子内部にレーザ光を入射し、素子内部の欠
陥によって散乱されたレーザ光を顕微鏡及びカメラを用
いて検出して、素子内部の欠陥の分布あるいは散乱強度
を測定する方法である。
【0005】従来、このような光散乱トモグラフィにお
いては、主としてヘリウムネオン(波長633nm)な
どの、連続発振する可視域のレーザ光が用いられてき
た。これは、可視波長域のレーザ光であれば、散乱光を
集光するレンズや散乱像を検出する撮像素子などの構成
素子として、一般的な可視光用の素子が利用可能であ
り、特殊なものを必要としないからである。また、レー
ザ光源の価格が安いこともその理由である。この場合、
レーザ光の出力としては100mW(ミリワット)以下
の低パワーの光源が一般的であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】こうした従来の光散乱
による内部欠陥の観察装置においては、基本的に、非破
壊検査、すなわち、被検素子を破壊することなく検査す
ることを主眼としていたため、すでに存在している欠陥
の検出しかできなかった。すなわち、他のレーザ装置に
よって素子にレーザ損傷を与え、その後、光散乱観測装
置によって、そのレーザ損傷を観測するという手法が一
般的であった。ところが、一般に、レーザ損傷が与えら
れる部分は数100ミクロン以下の微小な領域に限定さ
れることが多いので、その損傷位置を捜し出して光散乱
観測装置によって損傷部分からの散乱光の強度や分布を
再現性よく測定することは容易ではなかった。さらに、
レーザ劣化の初期段階においては、極めて微弱な変化を
示すに過ぎず、その測定は容易ではなかった。さらに、
レーザ損傷の発生、成長過程をリアルタイムに観察する
ことは困難であった。
【0007】以上のような理由から、従来の波長または
出力のレーザ光源を用いて、レーザ劣化によって生ずる
素子中の微小散乱を正確に測定することは困難であっ
た。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、レーザ劣化による微小な散乱や発光
を精度良く測定することを可能とする素子内部検査装置
および素子内部検査方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の素子内部検査装
置は、被検素子内部の状態または性質に関する情報を得
るための装置であって、被検素子の内部に入射してそこ
に微小な欠陥を発生させることが可能な特性を有する損
傷光を出力する光源と、損傷光の入射により被検素子の
内部に欠陥が生成される過程と並行して、その欠陥によ
り散乱されまたは発生した検出対象光を検出し、その検
出対象光により形成される像を取得する像取得手段とを
備えている。
【0010】本発明の素子内部検査方法は、被検素子内
部の状態または性質に関する情報を得るための方法であ
って、被検素子の内部に微小な欠陥を発生させることが
可能な特性を有する損傷光を被検素子に入射させるステ
ップと、損傷光の入射により被検素子の内部に欠陥が生
成される過程と並行して、その欠陥により散乱されまた
は発生した検出対象光を検出し、その検出対象光により
形成される像を取得するステップとを含んでいる。
【0011】本発明の素子内部検査装置または素子内部
検査方法では、損傷光によって被検素子の内部に微小な
欠陥が生成され、それと同時にその欠陥部分で散乱され
た散乱光(あるいは、その欠陥部分で発光した発光)な
どの検出対象光が発生し、その像が取得される。
【0012】なお、本発明の素子内部検査装置または素
子内部検査方法では、上記の検出対象光が、欠陥の生成
に寄与した損傷光により生じたものであるようにしてよ
いし、あるいは、光源とは異なる他の光源から出射され
た照明光により生じたものであるようにしてもよい。ま
た、損傷光を出射する光源としては、所定の周波数でパ
ルス発振をするレーザ光源を用いるのが好適である。ま
た、被検素子を損傷光の伝搬方向と直交する方向に移動
させながら像を逐次取得していくことにより、被検素子
内部の欠陥の平面的または空間的な分布状況を取得する
ことが可能である。さらに、検出対象光を複数の異なる
波長帯を持つ光に分離し、分離したそれぞれの光につい
て像を取得するようにすることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0014】[第1の実施の形態]図1および図2は、
本発明の第1の実施の形態に係る素子内部検査装置の構
成を表すものである。ここで、図1は、素子内部検査装
置の全体構成を表す正面図であり、図2は、素子内部検
査装置の要部構成を示す斜視図である。なお、本発明の
一実施の形態に係る素子内部検査方法は本実施の形態に
係る素子内部検査装置によって具現化されるので、以
下、併せて説明する。
【0015】図1に示したように、この素子内部検査装
置は、レーザ光源1と、レーザ光源1から出射したレー
ザ光を所定のビーム径を有する平行なレーザ光8へと集
光して、ステージ9上に載置された被検素子2に入射さ
せる集光レンズ3と、被検素子2の内部を通過するレー
ザ光8によって生じた検出対象光(散乱光、プラズマ光
など)を拡大して結像させるための顕微鏡4と、顕微鏡
4によって拡大された検出対象光を撮像して像を生成す
るビデオカメラ5とを備えている。この素子内部検査装
置はまた、ビデオカメラ5によって生成された検出対象
光を記録するための画像記録装置6と、ビデオカメラ5
によって生成された像を表示するためのディスプレイ装
置7とを備えている。ここで、レーザ光源1が本発明に
おける「光源」の一具体例に対応し、主として顕微鏡4
およびビデオカメラ5が本発明における「像取得手段」
の一具体例に対応し、レーザ光8が本発明における「損
傷光」の一具体例に対応し、画像記録装置6が本発明に
おける「記録手段」に対応する。
【0016】なお、被検素子2に入射したレーザ光は、
被検素子2の内部に存在する欠陥によって散乱され、散
乱光となる。また、被検素子2に入射したレーザ光によ
って被検素子2内部の欠陥が励起され、蛍光あるいはプ
ラズマ光が発生する場合もある。ここでは、被検素子2
の内部欠陥に起因して発生する散乱光、蛍光あるいはプ
ラズマ光などを総称して「検出対象光」と呼ぶ。また、
検出対象光により形成される像(散乱像など)を「検出
対象像」とする。
【0017】レーザ光源1は、被検素子2に対して微小
な光損傷を与えるに十分な波長および出力を有するパル
ス発振レーザである。ここで、微小な光損傷とは、素子
に対して瞬時に与えられるような破壊的な損傷ではな
く、わずかな屈折率変化、着色、散乱などの変化を意味
する。そのようなレーザ光源1としては、例えば、波長
が266nm、発振パルスの繰り返し周波数(発振周波
数)が7kHz、平均出力が300mWという仕様のパ
ルス発振Nd(ネオジウム):YAG(イットリウム・
アルミニウム・ガーネット)レーザ第4高調波レーザが
使用される。ここで、レーザ光源1としては、連続発振
レーザよりも、所定の周波数で発振するパルス発振レー
ザの方が好ましい。その理由は後述する。
【0018】被検素子2は、レーザ損傷に関する情報を
収集すべき対象となる素子である。本実施の形態では、
被検素子2がベータホウ酸バリウム(β−BaB
)である場合について説明する。図2に示したよ
うに、レーザ光8は、被検素子2に、その側面から入射
し、この被検素子2の主表面に近いところを主表面とほ
ぼ平行に通過するようになっている。このベータホウ酸
バリウムは、紫外域で使用される波長変換結晶であり、
より具体例には、波長が532nmのレーザ光を266
nmの波長のレーザ光に波長変換する機能を有する。こ
の波長266nmのレーザ光は、ビームサイズを100
μm(マイクロメートル)以下に集光したときに、図2
に示したように、ベータホウ酸バリウムの結晶に対して
微小な欠陥2aを形成させ、散乱源となることが知られ
ている。したがって、このベータホウ酸バリウムの結晶
に関しては、波長が266nmのレーザ光によるレーザ
損傷現象に特に関心が集まっている。この現象に関して
は、例えば「OSA Trendin Optics
and Photonics vol.17 p79−
83,1998)に報告がなされている。
【0019】顕微鏡4は、レーザ光の波長にて十分に高
い透過率を示す対物レンズ4aと、所定の波長域の光の
みを透過させる帯域透過フィルタ4bとを備え、被検素
子2から出射される検出対象光を拡大して結像させるよ
うになっている。対物レンズ4aとしては、例えば、倍
率が10倍、開口数(NA)が0.20、透過波長域が
230nm以上のものが使用される。帯域透過フィルタ
4bは、波長が主として266nmである検出対象光の
中に混じって顕微鏡4に入射する他の波長の光をカット
するためのものである。これらの他の波長の光は、レー
ザ光8の入射によって被検素子2が発する蛍光やプラズ
マなどに起因するものである。そのような帯域透過フィ
ルタ4bとしては、例えば、280nm以上という透過
波長域のものを使用するのが好適である。
【0020】ビデオカメラ5は、レーザ光8の波長に対
して十分大きな感度を有する撮像管(図示せず)を有
し、これにより、顕微鏡4によって拡大され結像された
像を撮像することにより電子画像に変換するようになっ
ている。そのような撮像管としては、例えば、波長域2
00〜700nmにおいて感度を有すると共に特に波長
266nmにおいて0.1μA/μW以上の感度を有す
るものが使用される。ここで、単位μA/μWは、1μ
W(マイクロワット)の光が入射されたときに発生する
信号出力電流の大きさをμA(マイクロアンペア)で表
したものである。なお、撮像管に代えて、固体撮像素子
であるCCD(電荷結合素子)などを使用することも可
能である。
【0021】画像記録装置6は、ビデオカメラ5によっ
て取得された映像を動画像として長時間にわたって記録
可能なものであり、例えばディジタルビデオテープを用
いた記録装置や、記録可能なDVD(ディジタルビデオ
ディスク)装置などが使用される。あるいは、コンピュ
ータの外部記憶装置であるハードディスクなどを用いて
記録するようにしてもよい。また、通常のアナログ方式
の記録装置であってもよい。
【0022】ディスプレイ装置7は、ビデオカメラ5に
よって取得された映像(検出対象像)を表示するための
もので、例えばCRT(陰極線管)やLCD(液晶表示
装置)などが使用される。
【0023】次に、図1、図2、および図3〜図5を参
照して、以上のような構成の素子内部検査装置の動作お
よび作用を説明する。ここで、図3〜図5は、本装置に
おいて測定された検出対象像の変化の一例を表すもの
で、より詳細には、図3はレーザ照射開始直後における
検出対象像の写真を示し、図4はレーザ照射開始から1
時間経過後における検出対象像の写真を示し、図5はレ
ーザ照射開始から2時間経過後における検出対象像の写
真を示す。
【0024】図1において、レーザ光源1より出射した
紫外線レーザ光は、集光レンズ3により集光されてレー
ザ光8となり、被検素子2に側面から入射する。この被
検素子2の内部におけるレーザビーム8の直径は100
μm程度となっている。
【0025】被検素子2の内部の欠陥2aが存在する領
域をレーザ光が通過すると、レーザ光は、欠陥2aによ
って散乱される。散乱された光は、顕微鏡4によって拡
大され、結像される。顕微鏡4によって拡大結像された
検出対象像は、ビデオカメラ5によって撮像され、検出
対象像は、ディスプレイ装置7に表示されると共に、画
像記録装置6によって長時間にわたって自動的に記録さ
れる。これにより、被検素子2の内部における欠陥2a
の分布や、欠陥2aからの検出対象光の強度などが観測
される。
【0026】本実施の形態においては、レーザ光源1の
出力は、被検素子2に対して瞬時に破壊的な損傷を与え
る程の強度は有しないが、被検素子2の内部に微小な欠
陥2aを形成させる程度の強度を有している。このた
め、ビデオカメラ5により得られる検出対象像は、時間
の経過と共に、例えば図3〜図5に示すように変化す
る。すなわち、図3に示したように、レーザ照射開始直
後においては、被検素子2の内部に初期から存在する欠
陥のみによって散乱が生ずるので、欠陥2aの数は比較
的少なく、また、各欠陥2aのサイズも比較的小さい。
ところが、レーザ照射開始から1時間経過すると、図4
に示したように、欠陥2aの数およびサイズはともに増
加し、レーザ照射開始から2時間経過すると、図5に示
したように、欠陥2aの数およびサイズはさらに増加す
る。
【0027】なお、本実施の形態においては、レーザ光
源1の平均出力を300mWとしたが、被検素子2の劣
化のしやすさ(すなわち、欠陥2aの発生のしやすさ)
に応じて強度を変更するのが好ましい。具体例には、劣
化しやすい素子の場合には平均出力を小さくし、劣化し
にくい素子の場合には平均出力を大きくすればよい。
【0028】また、図3〜図5に示したようなレーザ劣
化による検出対象像を単に表示し記録するにとどまら
ず、図示しないコンピュータ処理により解析して、欠陥
の個数や散乱強度分布などを解析することも可能であ
る。そして、これらの解析結果を基に、被検素子2のレ
ーザ照射に対する耐久性、レーザ劣化のメカニズム、お
よび、被検素子にとって適した入射レーザ光の条件など
の情報を収集するようにすれば、被検素子2の製造方法
の改善に大いに寄与することとなる。また、市販の素子
におけるレーザ耐久性などの特性を評価・比較すること
も可能になる。
【0029】また、レーザ光8の強度が強いために、ビ
デオカメラ5の図示しない撮像素子の撮像可能光量を超
える場合は、適当な減透過フィルタ(NDフィルタ)を
顕微鏡4の内部に挿入して観察すればよい。
【0030】また、本実施の形態では、帯域透過フィル
タ4bを顕微鏡4の内部に挿入することにより、蛍光な
どの影響を除去することとしたが、レーザ入射による蛍
光またはプラズマ光が、被検素子2の劣化現象の解明に
有効な情報を提供する場合は、上記の帯域透過フィルタ
4bに代えて、蛍光またはプラズマ光を選択的に通過さ
せる帯域透過フィルタを顕微鏡4の内部に挿入するのが
好ましい。これにより、散乱光の影響を除去して、蛍光
やプラズマ光のみを検出することが可能となる。
【0031】ところで、本実施の形態では、7kHzと
いう比較的早い繰り返し周波数でパルス発振するレーザ
光源1を使用するようにしている。このようなレーザ光
源が望ましい理由を以下に説明する。
【0032】まず、パルス発振レーザが好ましい理由を
説明する。
【0033】従来技術の項において説明したように、従
来の光散乱測定装置においては、一般に連続的に発振す
るレーザ光が得られていた。これは、ヘリウムネオンレ
ーザなどの安価な連続発振レーザが使用可能だからであ
る。ところが、本装置においては、レーザ光を用いて被
検素子にレーザ損傷を与えることを主眼としているた
め、高いレーザ光出力が必要となる。平均出力が等しい
レーザ光を比較した場合には、連続発振レーザ光よりも
パルス発振レーザ光の方が素子に変化を与えやすいこと
が知られている。これは、極めて短いレーザパルス時間
の間に高い光エネルギーが集中し、極めて高いピーク出
力が得られるからである。言い換えれば、パルス発振レ
ーザを光源として使用した場合には、連続発振レーザよ
りも低いレーザパワーによってレーザ損傷を起こすこと
が可能であり、装置の小型化、低電力消費が可能となる
のである。
【0034】次に、パルス発振レーザの繰り返し周波数
を100Hzないし100MHzとすることが望ましい
理由を説明する。
【0035】低い繰り返し周波数のパルス発振レーザ光
源の場合には、パルス間隔(パルス周期)が長いことか
らパルスデューティ比(パルス間隔に対するパルス幅の
比)が小さく、結果としてレーザ光のピーク強度は極め
て強くなる。こうしたレーザ光を集光レンズ3で集光し
て被検素子2に入射させると、被検素子2の内部におけ
るレーザ電界強度が強くなりすぎて、被検素子2を瞬時
に破壊するおそれがある。例えば、繰り返し周波数が1
0Hz、パルス幅が8nsec(ナノ秒)、出力が30
0mWのパルス発振レーザ光を100μmの直径にまで
集光した場合、レーザ光の強度のピーク密度は50GW
(ギガワット)/cmにまで達する。この値は、Ha
ndbook of Nonlinear Optic
al Crystals(Springer Verl
ag社出版)に記載された、ベータホウ酸バリウムの電
界破壊しきい値(=0.12GW/cm)を大きく上
回っている。このため、被検素子2がベータホウ酸バリ
ウムの結晶であるとすると、この結晶はレーザ光の照射
によって瞬時に破壊されることになる。この場合、レー
ザ光の平均出力を小さくすれば破壊を免れるが、その一
方で、検出対象光の平均強度が低下し、観測が困難とな
る。また、レーザビームの直径を大きくすることによっ
ても結晶の破壊を免れるが、その一方で、測定の空間分
解能が低下する。以上のことから、100Hz以下の低
い繰り返し周波数のパルス発振レーザを使用することは
好ましくない。
【0036】一方、繰り返し周波数が300kHz以上
のパルス発振レーザ光の場合には、ピーク強度の密度が
小さくて、観測対象であるレーザ損傷が発生しにくい。
例えば、繰り返し周波数が300kHz、パルス幅が8
nsec、出力が300mWのパルス発振レーザ光を1
00μmの直径にまで集光した場合、レーザ光の強度の
ピーク密度は1.6MW(メガワット)/cmとな
る。上記した「OSATrend in Optics
and Photonics vol.17p79−
83,1998」によると、この程度のピーク密度にお
ける、ベータホウ酸バリウム結晶の透過率の減少率は、
0.05%/h(毎時0.05パーセント)よりも十分
小さな値である。すなわち、レーザ劣化現象をリアルタ
イムに観察することは困難となる。
【0037】本発明において必要とされるレーザ光源
は、被検素子2に微小な劣化を蓄積させることができ
る、適切な大きさのパルスデューティ比を有するレーザ
光源である。すなわち、以上の考察から、そのような適
度なレーザピーク出力を有する光源としては、繰り返し
周波数が100Hzないし300kHz程度のパルスレ
ーザ光が好ましい。なお、この範囲の繰り返し周波数で
あれば、ビデオカメラ5の取り込み周波数(通常、約3
0Hz)と比べても十分に速いので、リアルタイムで検
出対象像を取り込むことができる。
【0038】また、以上考察した繰り返し周波数よりも
十分大きな繰り返し周波数50MHzないし100MH
zで発振するモード同期レーザがある。このレーザで
は、繰り返し周波数が高いが、パルス幅がピコ秒ないし
フェムト秒のオーダーであり、極めて短い。このため、
レーザ強度のピーク密度は比較的高く、これにより照射
された試料(例えば、石英ガラス)は、短パルスのレー
ザ光源に特有の劣化を示す場合がある。したがって、こ
うした現象を計測する場合には、繰り返し周波数が50
MHzないし100MHzという高い繰り返し周波数で
発振するモード同期レーザを使用することが好ましい。
【0039】次に、本実施の形態において、波長266
nmの紫外線レーザ光を使用する理由を説明する。それ
は、第1に、短波長レーザ光は大きな光子エネルギーを
有し、素子に対して劣化を生じさせやすいからである。
第2に、一般に、散乱源のサイズが波長と同程度以下の
場合、散乱源の散乱光強度は波長の4乗に逆比例して大
きくなることから、光源としては短い波長を使用するこ
とにより、散乱測定の高感度化が期待できるからであ
る。具体的には、266nmのレーザ光は、ヘリウムネ
オンレーザ光(633nm)と比べて、約30倍の散乱
効率を有する。第3に、本実施の形態で被検素子2とし
たベータホウ酸バリウムは、波長266nmにおける劣
化現象に特に関心がもたれており、この波長での劣化を
実際に測定することが重要だからである。
【0040】ただし、本発明において使用する光源は、
パルス発振レーザにのみ限定されるものではない。例え
ば、レーザ光に対する反応性が高く、(例えば、KTP
(KTiOPO)におけるグレイトラック劣化のよう
に)容易に劣化を生じる被検素子に対しては、連続発振
レーザ光を使用するようにしてもよい。
【0041】このように、本実施の形態の素子内部検査
装置または素子内部検査方法によれば、被検素子2の内
部に入射してそこに微小な欠陥を発生させることが可能
な特性(より具体例には、波長および強度)を有するレ
ーザ光源1を用い、この光源から被検素子2に入射した
レーザ光8により被検素子2の内部に欠陥2aを発生さ
せると共に、その生成された欠陥2aを同一のレーザ光
8によって照明し、そこで散乱された(または発光し
た)検出対象光2bを検出対象像としてビデオカメラ5
によって捉えるようにしている。すなわち、レーザ光源
1から発せられるレーザ光は、被検素子2に損傷を与え
て欠陥2aを発生または成長させてそこでの散乱強度な
どを強くするという役割を担うと同時に、発生または成
長させた欠陥2aを照明する照明光源としても作用す
る。この結果、レーザ光による被検素子2の劣化現象を
リアルタイムに観測することが可能となる。これは、被
検素子2に損傷を与えうる特性(ここでは、波長および
強度)の光源を用いて検出対象像を測定することにより
初めて可能となったものである。
【0042】また、本実施の形態によれば、入射するレ
ーザ光8の波長のみを通過させる帯域透過フィルタ4b
を顕微鏡4の内部に挿入するようにしたので、レーザ光
によって被検素子2内部で生ずる検出対象光2bのうち
蛍光やプラズマ光の影響を排除して、本来の散乱光のみ
を観察することができる。また、本実施の形態では、ビ
デオカメラ5で得られた検出対象像を時間軸に沿って画
像記録装置6に記録するようにしたので、その記録され
たデータに基づいて、後から詳細な解析および検討を行
うことができる。
【0043】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。
【0044】上記第1の実施の形態では、被検素子2に
損傷を与えるレーザ光源と、観察(すなわち、欠陥2a
の照明)のためのレーザ光源とが同一であるものとして
説明したが、両者を別々のレーザ光源とすることも可能
である。本実施の形態は、そのような2種類の光源を用
いた場合の構成例を示すものである。
【0045】図6は、本発明の第2の実施の形態に係る
素子内部検査装置の要部構成を表すものである。なお、
本発明の第2の実施の形態に係る素子内部検査方法は本
実施の形態に係る素子内部検査装置によって具現化され
るので、以下、併せて説明する。
【0046】この図に示したように、本実施の形態の素
子内部検査装置は、第1の実施の形態における構成(図
1)に加えて、集光レンズ3と被検素子2との間の光路
中に設けられたダイクロイックミラー11と、可視光域
のレーザ光を出射するレーザ光源12と、レーザ光源1
2から出射されたレーザ光を集光する集光レンズ13と
を備えている。本実施の形態では、レーザ光源1はレー
ザ損傷付与用の光源として機能し、レーザ光源12は観
察用の光源として機能する。また、本実施の形態では、
顕微鏡4内に配置される帯域透過フィルタ4bは、観察
用のレーザ光源12から出射されるレーザ光14の波長
域のみを透過し、レーザ損傷付与用のレーザ光源1から
出射されるレーザ光8やその他の波長の光を遮断するよ
うになっている。その他の構成は、図1の場合と同様で
ある。ここで、レーザ光源12が本発明における「他の
光源」の一具体例に対応に対応し、レーザ光14が本発
明における「照明光」に対応する。
【0047】このような構成とした場合においても、上
記第1の実施の形態の場合と同様に、被検素子2の劣化
現象をリアルタイムに観察することができる。さらに、
本実施の形態によれば、ビデオカメラ5が、損傷付与用
レーザの波長に対して小さい感度しか有しない場合にお
いても、観察用レーザとして、ビデオカメラ5が十分な
感度を有する波長のレーザを選択することにより、被検
素子2の劣化現象のリアルタイム観察が可能となる。例
えば、標準的な撮像管やCCDにおいては、紫外光に対
する感度が低く、紫外域の損傷付与用レーザ光のみを使
用した場合には観測ができないが、観察用レーザとして
可視光域のレーザを使用することにより、標準的なビデ
オカメラ5であっても測定が可能となる。
【0048】[第3の実施の形態]次に、本発明の第3
の実施の形態について説明する。
【0049】図7は、本発明第3の実施の形態に係る素
子内部検査装置の構成を表すものである。なお、本発明
の第3の実施の形態に係る素子内部検査方法は本実施の
形態に係る素子内部検査装置によって具現化されるの
で、以下、併せて説明する。本実施の形態に係る素子内
部検査装置は、上記第1の実施の形態(図1)における
レーザ光源1、画像記録装置6およびステージ9に代え
て、それぞれ、レーザ光源31、コンピュータ36およ
び可動ステージ39を備えている。可動ステージ39
は、被検素子2が搭載された状態でコンピュータ36の
制御によりレーザ光8の進行方向と直交する方向に微小
ステップずつ移動可能になっている。また、レーザ光源
31は、コンピュータ36の制御により、その出力強度
が変化するようになっている。ここで、可動ステージ3
9が本発明における「移動台」の一具体例に対応する。
【0050】図8は、コンピュータ36の概略構成を表
すものである。この図に示したように、コンピュータ3
6は、入力処理部361と、フレームメモリ362と、
画像処理部363と、フレームメモリ364と、出力処
理部365とを備えている。コンピュータ36はまた、
ステージ駆動部366と、レーザ出力可変制御部367
と、画像記録部368と、制御部369とを備えてい
る。
【0051】入力処理部361は、ビデオカメラ5から
出力されたビデオ信号を取り込んでディジタルの画像デ
ータに変換するなどの処理を行う。フレームメモリ36
2は、入力処理部361から入力された1フレーム分の
画像データをそのまま記憶するためのものである。画像
処理部363は、フレームメモリ362から1フレーム
分の画像データを読み出すごとに、そこから1ライン分
の画像データを抽出し、フレームメモリ364に格納す
るという動作を行うようになっている。フレームメモリ
364は、画像処理部363によってフレームごとに抽
出された1ライン分の画像データを逐次蓄積するための
ものである。このフレームメモリ364に所定のライン
数の画像データが蓄積されることによって1枚の合成画
像データが構成されるようになっている。出力処理部3
65は、フレームメモリ364に1フレーム分の画像デ
ータが揃った時点で、それを読み出し、ディスプレイ装
置7に出力すると共に、画像記録部368にも転送する
ようになっている。
【0052】ステージ駆動部366は、可動ステージ3
9を、レーザ光8の進行方向と直交する水平方向に微小
量ずつステップ移動させる駆動制御を行うものである。
レーザ出力可変制御部367は、レーザ光源1の出力を
低出力状態と高出力状態とで切り換える制御を行うもの
である。本実施の形態において、低出力状態とは、被検
素子2に対して損傷を与えることがないレベル(例え
ば、15mW程度)の出力状態をいい、高出力状態と
は、被検素子2に対して損傷を与えることが可能なレベ
ル(例えば、300mW程度)の出力状態をいうものと
する。画像記録部368は、例えばハードディスク装置
などからなり、フレームメモリ362を経由して入力さ
れた生の画像データを記録すると共に、出力処理部36
5から供給された合成画像データを記録するようになっ
ている。制御部369は、上記した各部に接続され、そ
れぞれの動作を制御するようになっている。
【0053】その他の構成は、図1の場合と同様であ
り、その説明を省略する。
【0054】次に、図9〜図13を参照して、本実施の
形態に係る素子内部検査装置の動作および作用を説明す
る。ここで、図9〜図11は、ビデオカメラ5により撮
像された生の画像の変化の様子を表し、図12および図
13は、本実施の形態によって得られた合成画像の一例
を表す。
【0055】本実施の形態ではまず、制御部369は、
レーザ出力可変制御部367により、レーザ光出力を低
出力状態(ここでは、15mW)に設定し、レーザ光8
による被検素子の劣化が起こらないようにしてある。ま
た、初期状態において、可動ステージ39は、レーザ光
8が被検素子2の最端部に入射するように位置決めされ
ている。
【0056】この状態で、レーザ光源1から被検素子2
に入射したレーザ光8は、この被検素子2内に存在する
欠陥2aを照明し、そこで散乱される(または発光が生
じる)。この検出対象光は、ビデオカメラ5により、図
9に示したような線状の像として取得され、デジタル画
像としてコンピュータ36に取り込まれると共に、ディ
スプレイ装置7に表示される。ここで、図9は、ディス
プレイ装置7の表示画面7aを表すもので、被検素子2
に対応する映像部分2cの最端部(この図では上端部)
にレーザ光8による検出対象像を含む照明領域8aが写
し出されている。コンピュータ36に取り込まれた画像
データは、コンピュータ36のフレームメモリ362に
一旦記憶されると共に、画像記録部368に送られ、記
録される。
【0057】このデジタル画像中の照明領域8aのう
ち、最も強く照明されている1本のラインL1(レーザ
の中心部が通過した部分に相当する)の画像データが、
後述するようにコンピュータ36による抽出の対象とな
る。例えば、顕微鏡4によって結像可能な被検素子2の
領域が1mm×1mmという大きさであり、ビデオカメ
ラ5の画素数(すなわち、画面7a上の画素数)が10
00×1000画素であるとすると、フレームメモリ3
62内の1ライン分の画像データは、被検素子2におけ
る1μm幅の検出対象像に対応する。
【0058】コンピュータ36の画像処理部363は、
フレームメモリ362に格納された1フレームの画像か
ら、最も強く照明されている1本のラインL1の画像デ
ータを抽出し、フレームメモリ364の先頭アドレスの
ラインに格納する。
【0059】次に、制御部369は、ステージ駆動部3
66によって可動ステージ39をステップ駆動させ、被
検素子2の位置をレーザ進行方向に対して直交する水平
方向に1μmだけ移動させる。そして、上記の場合と同
様にして、そのフレームの画像データをフレームメモリ
362に格納すると共に、このフレームメモリ362か
ら、照明領域8aのうちの最も強く照明されている1本
のラインL2(図示せず)の画像データを抽出し、フレ
ームメモリ364に蓄積する。
【0060】以下同様にして、可動ステージ39を1μ
mだけステップ移動させるごとに、1ラインL(i)の
画像データを取得して、フレームメモリ364に蓄積す
る動作を繰り返す。なお、図10は、可動ステージ39
を“i”ステップ分移動させた時点における表示画面7
aの状態を表し、図11は、可動ステージ39を“n”
ステップ分(すなわち、ストロークの最終端まで)移動
させた時点における表示画面7aの状熊を表す。こうし
て、フレームメモリ364には、1ラインごとの抽出画
像からなる1フレーム分の合成された画像が生成され
る。なお、上記の画素数の例ではn=1000である。
【0061】コンピュータ36の画像処理部363は、
フレームメモリ364に格納された1フレーム分の画像
データを、ディスプレイ装置7に出力すると共に、画像
記録部368に記録する。これにより、ディスプレイ装
置7には、被検素子2内部の二次元的な欠陥分布が表示
される。
【0062】次に、得られた2次元的欠陥分布図におけ
る、例えば中心部をレーザ光8が通過するように、可動
ステージ39の位置を調整する。この状態で、制御部3
69は、レーザ出力可変制御部367により、レーザ光
8を高出力状態(ここでは、300mW程度)に変化さ
せ、長時間にわたって被検素子2にレーザ光8を照射
し、微小な損傷を発生させる。
【0063】その後、制御部369は、レーザ出力可変
制御部367により、レーザ光8を元の低出力状態へと
戻し、上記と同様の手順により、再び2次元散乱分布を
測定する。
【0064】図12は、初期状態において、低出力状態
のレーザ光8によって被検素子2を走査照明し、ライン
合成をして得られた検出対象像を表し、図13は、高出
力状態のレーザ光8による照射を行った後に、低出力状
態のレーザ光8によって被検素子2を走査照明し、ライ
ン合成をして得られた検出対象像を表す。これらの図に
示したように、被検素子2の内部の同一部分について、
レーザ照射前後の散乱強度の変化や、劣化の発生箇所と
散乱部分との相関などの情報を得ることができ、被検素
子2のレーザ損傷過程のメカニズムを知ることが可能と
なる。
【0065】なお、観測過程(照明過程)におけるレー
ザ光8の平均出力および損傷発生過程におけるレーザ光
8の平均出力は、本実施の形態で設定した値に限定され
るものではなく、被検素子2のレーザ光8に対する耐久
性、ビデオカメラ5の感度、あるいは欠陥2aの散乱強
度などに応じて適宜設定すればよい。
【0066】また、被検素子2は、水平方向だけでな
く、厚さ方向にも移動させるようにしてもよい。この場
合には、被検素子2内部における欠陥2aの3次元分布
を取得することが可能である。但し、被検素子2の表面
からあまりに深いところでは、顕微鏡4の対物レンズ4
aのNAとの関係で、対物レンズ4aが被検素子2と空
間的に重なることとなり、測定不可となる。
【0067】[第4の実施の形態]次に、本発明の第4
の実施の形態について説明する。
【0068】図14は、本発明における第4の実施の形
態に係る素子内部検査装置の全体構成を表す斜視図であ
る。図15は、図14に示した素子内部検査装置におけ
る撮像素子の構成を表す図である。なお、本実施の形態
に係る素子内部検査方法は、本実施の形態に係る素子内
部検査装置によって具現化されるので、以下、併せて説
明する。
【0069】本実施の形態に係る素子内部検査装置は、
被検素子2からの検出対象光を複数(例えば4つ)の波
長帯に分けて受光し、各波長帯における検出対象像をそ
れぞれ取得することができるよう構成されている。本実
施の形態に係る素子内部検査装置において、レーザ光源
1、集光レンズ3,顕微鏡4およびステージ9は、第1
の実施の形態とそれぞれ同様に構成されている。また、
被検素子2は、第1の実施の形態と同様に、例えばベー
タホウ酸バリウムである。
【0070】本実施の形態に係る素子内部検査装置で
は、第1の実施の形態(図1)のビデオカメラ5に代え
て、光を波長帯毎に分けて受光することができるビデオ
カメラ45が配置されている。図15は、ビデオカメラ
45の撮像部を拡大して表すものである。図15に示し
たように、ビデオカメラ45の撮像部には、4つの撮像
素子45a,45b,45c,45dを、例えば2行2
列に配列してなる素子群450が2次元的に多数配列さ
れており、各素子群450が画像の一画素に対応するよ
うになっている。撮像素子45a,45b,45c,4
5dは、それぞれ、例えば200〜300nm,300
〜500nm,500〜650nm,650〜800n
mの波長帯の光に対して選択的に感度を持つようになっ
ている。各撮像素子45a〜45dは、例えばCCD
(電荷結合素子)などを用いて構成することができる。
また、このような撮像素子は、例えば、目的とする波長
帯の光を選択的に透過する無反射膜などをCCD上に成
膜することによって得られる。
【0071】顕微鏡4は、検出対象光を十分に拡大する
ようになっている。また、それぞれの素子群450の面
積は、検出対象光により撮像部に形成される像の大きさ
よりも十分小さくなるようになっている。なお、撮像素
子45a〜45dとしては、被検素子2からの検出対象
光を波長帯毎に受光できるものであれば、CCD以外の
素子を用いても良い。
【0072】画像記録装置46は、ビデオカメラ45に
よって取得された波長帯毎の検出対象像を動画像として
長時間にわたって記録できるよう構成されている。この
画像記録装置46としては、例えばコンピュータの記憶
装置であるハードディスクなどが使用される。画像処理
装置48は、ビデオカメラ45によって取得された波長
帯毎の検出対象像を画像情報としてディスプレイ装置4
7へ送るようになっている。この画像処理装置48とし
ては、例えばコンピュータが用いられる。ここで、ビデ
オカメラ45および画像処理装置48は、本発明におけ
る「分離取得手段」の一具体例に対応する。
【0073】ディスプレイ装置47は、画像処理装置4
8から検出対象像の波長帯毎の画像情報を受け取り、波
長帯毎の複数の画像として表示する、あるいは、それぞ
れ異なる色の濃淡を用いて同一画像に重ね合わせて表示
することができるよう構成されている。ディスプレイ装
置47には、例えばCRTや液晶表示装置を用いること
ができる。
【0074】次に、第4の実施の形態に係る素子内部検
査装置の作用について説明する。図14において、レー
ザ光源1により射出されたレーザ光は、集光レンズ3に
より集光されて被検素子2に入射する。この被検素子2
の内部における、レーザビーム直径は例えば100μm
である。被検素子2に入射したレーザ光は、被検素子2
の内部に存在する欠陥によって散乱される。また、同時
に、被検素子2内部に存在する欠陥などによって、照射
されたレーザ光は励起され蛍光となって発光する。レー
ザ照射によりラマン散乱光やプラズマ光が発生する場合
もある。これらの検出対象光は、顕微鏡4によって拡大
され、ビデオカメラ45の撮像部に結像する。ビデオカ
メラ45により撮像された検出対象像は、画像処理装置
48により画像情報としてディスプレイ装置47に送ら
れ、ディスプレイ装置47により表示され、同時に、画
像記録装置46によって記録される。
【0075】図16,図17,図18,図19は、本実
施の形態における素子内部検査装置による検査結果の例
を模式的に表したものである。図16〜図19におい
て、長方形の枠は、ディスプレイ47の表示画面の外枠
を表している。ここでは、ディスプレイ装置47は、4
つの波長帯毎に画像を表示するようになっている。図1
6は、第1波長帯(200〜300nm)の光により形
成された検出対象像に対応し、図17は、第2波長帯
(300〜500nm)の光により形成された検出対象
像に対応している。また、図18は、第3波長帯(50
0〜650nm)の光により形成された検出対象像に対
応し、図19は、第4波長帯(650〜800nm)の
光により形成された検出対象像に対応している。なお、
図16〜19は、レーザ光を照射開始直後におけるもの
とする。
【0076】図16〜図19のそれぞれにおいて、長方
形の枠の内側に示された黒い点は、対応する波長帯にお
いて検出対象光が検出された領域を示す。図16では、
7個の欠陥が観察されているのに対し、図17では、図
16で観察された7個の欠陥うち、3個の欠陥のみが観
察されている。これは、第1波長帯の光を散乱する(ま
たは発する)欠陥のうち、一部のみが第2波長帯の光を
散乱する(または発する)ことを意味しており、第1波
長帯および第2の波長帯の光を散乱する(または発す
る)3つの欠陥と、第1の波長帯の光のみを散乱する
(または発する)4つの欠陥とは種類が異なることを示
すものである。また、図18では、図16および図17
において検出されていなかった欠陥(図中符号Aで示
す。)が観察されている。これは、欠陥Aが、第1波長
帯および第2波長帯の光よりも、第3波長帯の光を強く
散乱して(あるいは発して)いることを意味するもので
ある。
【0077】図20,図21,図22,図23は、レー
ザ光を被検素子2に照射してから所定時間(時間toと
する。)経過したのちにおける、波長帯毎の検出対象像
を表すものである。図20,図21,図22,図23
は、それぞれ、第1波長帯,第2波長帯,第3波長帯,
第4波長帯の光により形成された像を表している。
【0078】図20では、図16に示した検出対象像に
比べて欠陥の大きさが大きくなっている上、新しい欠陥
も出現している。これは、第1波長帯の光を散乱(また
は発光)する欠陥が、レーザ照射の継続に伴って拡大・
増加していることを意味する。図21では、図17と比
較して、欠陥の大きさが大きくなっている。このことか
ら、第2波長帯の光を散乱(または発光)する損傷が、
レーザ照射に伴って拡大したものと推定される。図22
では、図18に示した欠陥に対する時間的変化は見られ
ない。このことから、第3波長帯の光を散乱(または発
光)する欠陥は、レーザ照射によっては変化しないもの
と推定される。図23では、図19では観察されなかっ
た新たな欠陥が生じており、さらに、この新たな欠陥
は、図20において観察された欠陥と同一であることが
分かる。このことから、レーザ照射によって第1波長帯
および第4波長帯の光を散乱(または発光)する損傷が
生じたことが推定される。なお、それぞれの波長帯の光
について検出される欠陥の分布に関しては、各画像を重
ね合わせることによって、より厳密に比較することがで
きる。
【0079】このように、本実施の形態の素子内部検査
装置または素子内部検査方法によれば、被検素子2によ
り散乱(または発生)される光を複数の異なる波長帯を
もつ光に分離してその像を取得できるようにしたので、
検出対象光の検出される波長帯によって欠陥の種類とそ
の分布、および、素子の劣化に伴う欠陥の種類別の変化
についての情報を得ることができる。この情報は、レー
ザ照射による素子の劣化機構を明らかにする上できわめ
て重要なものである。また、被検素子2の同一部分から
の散乱光により形成された像と、蛍光およびプラズマ光
などの発光により形成された像とを区別してかつ同時に
観察することができる。
【0080】また、本実施の形態によれば、ビデオカメ
ラ45により取得した波長帯毎の画像情報を、時間軸に
沿って画像記録装置46に記録するようにしたので、レ
ーザ劣化による検出対象像を単に表示し記録するにとど
まらず、記録されたデータに基づいて後から詳細な解析
や検討を行うことが可能になる。例えば、記録されたデ
ータから、画像の特定の領域、例えば特定の欠陥を選ん
でその発光強度の波長依存性および時間変化を追うこと
もできる。これらの解析結果を元に、被検素子のレーザ
照射に対する耐久性、レーザ損傷の原因となる欠陥の種
類および損傷の発生メカニズムに関する情報を収集する
ことができる。
【0081】このように被検素子のレーザ照射に対する
耐久性、レーザ損傷の原因となる欠陥の種類および損傷
の発生メカニズムに関する情報を収集すれば、市販の素
子におけるレーザ耐久性などの特性を評価・比較するこ
とが可能になる。また、素子あるいは素子を構成する結
晶の評価も可能になり、その評価結果に基づき、結晶育
成方法の選択、結晶育成時の引き上げ速度、回転数、原
料純度、添加不純物および素子内の均一性といった育成
条件を最適化したり、育成後の熱処理やポーリング処理
などの条件を最適化することができるようになる。
【0082】[第5の実施の形態]次に、本発明の第5
の実施の形態について説明する。
【0083】上記第4の実施の形態では、検出波長帯の
異なる撮像素子45a〜45d(図15)を用いていた
が、本実施の形態では、検出波長帯が十分に広い単一種
類の撮像素子と複数種類の帯域透過フィルタとを用い
て、波長帯の異なる光をそれぞれ検出するようにしてい
る。なお、本実施の形態に係る素子内部検査方法は、本
実施の形態に係る素子内部検査装置によって具現化され
るので、以下、併せて説明する。
【0084】図24は、本発明の第5の実施の形態に係
る素子内部検査装置の全体構成を表す斜視図である。本
実施の形態の素子内部検査装置は、第4の実施の形態と
同様に構成されたレーザ光源1,集光レンズ3,ディス
プレイ装置47およびステージ9を備えている。本実施
の形態の素子内部検査装置の顕微鏡54は、その光路中
に、複数の帯域透過フィルタ51a,51b,51c,
51d,51eが択一的に挿入されるようになってい
る。これら帯域透過フィルタ51a〜51eは、互いに
異なる波長の光のみを選択的に透過するようになってい
る。
【0085】第4の実施の形態のビデオカメラ45(図
14)は、検出帯域が異なる複数種類の撮像素子45a
〜45d(図15)を備えていたが、本実施の形態のビ
デオカメラ55は、単一種類の撮像素子55aを備えて
構成されている。この撮像素子55aは、帯域透過フィ
ルタ51a〜51eのいずれを透過した光も検知できる
ように、十分に広い波長帯の光を検知できるよう構成さ
れている。撮像素子55aは、例えばCCDであって、
顕微鏡54の焦点位置近傍に2次元的に配列されてい
る。
【0086】帯域透過フィルタ51a〜51eは、顕微
鏡54の光路を横断るように移動するホルダ50の上に
一列に配列されている。ホルダ50は、図中ブロックで
示したフィルタ切り替え機構52により駆動される。ホ
ルダ50の構成は任意であるが、例えばボールネジ機構
などを利用したものが考えられる。フィルタ切り替え機
構52は、ホルダ50を、帯域透過フィルタ51a〜5
1eの配列間隔とほぼ同じだけ順次移動し、帯域透過フ
ィルタ51a〜51eを一つずつ顕微鏡54の光路中に
位置させるようになっている。フィルタ切り替え機構5
2は、コンピュータ53により駆動制御される。なお、
帯域透過フィルタ51a〜51eの代わりに、特定の波
長だけを透過する干渉フィルタを用いても良い。また、
図24に示した直進移動型のホルダ50の代わりに、回
転型のホルダを用いてもよい。
【0087】フィルタ切換機構52によってホルダ50
を順次移動させ、顕微鏡54の光路中に位置する帯域フ
ィルタを順次切り替えることにより、ビデオカメラ55
の撮像素子55aに波長帯の異なる光が順次入射するよ
うになっている。そのため、ビデオカメラ55の撮像素
子55aによって、複数の波長帯の光を別々に受光する
ことができる。
【0088】コンピュータ53は、ビデオカメラ55に
よって取得された波長帯毎の検出対象像を記録する機
能、および、波長帯毎の検出対象像を画像情報としてデ
ィスプレイ装置47へ送る機能を有している。さらに、
コンピュータ53は、フィルタ切り換え機構52の駆動
制御も行うようになっている。ディスプレイ装置47
は、第4の実施の形態と同様、コンピュータ53から検
出対象像の波長帯毎の画像情報を受け取り、波長帯毎の
複数の画像として表示する、あるいは、それぞれ異なる
色の濃淡を用いて同一画像に重ね合わせて表示すること
ができるよう構成されている。
【0089】本実施の形態においては、ホルダ50を間
欠的に移動させ、顕微鏡54の光路中に位置する帯域透
過フィルタ51a〜51eを順次切り替えることによ
り、顕微鏡54を透過する光の波長を順次変え、その毎
に、検出対象像をビデオカメラ55の撮像素子55aで
撮像する。これにより、被検素子2のレーザ照射による
劣化現象をリアルタイムに観察することができる。帯域
透過フィルタ51a〜51eの切り換えに要する時間が
被検素子2の劣化と比べて十分に短い時間となるよう、
レーザ光源1の出力や被検素子2での集光条件などを調
整することによって、ほぼ時間的同一性が保たれた検出
対象像を取得することができる。
【0090】このように、本実施の形態によれば、顕微
鏡54の光路中に複数の種類の帯域透過フィルタ51a
〜51eを択一的に挿入するようにしたので、同一の撮
像素子で複数の波長帯の光を検出することができ、第4
の実施の形態のように検出帯域の異なる複数の撮像素子
を設ける必要がない。従って、第4の実施の形態と同様
の効果に加えて、特にビデオカメラの構成や画像信号処
理が簡単になるという効果を奏する。また、検出対象と
する波長帯の選択や変更を、帯域透過フィルタ51a〜
51eの交換により簡単に行うことができる。
【0091】[第5の実施の形態の変形例]図25は、
第5の実施の形態の変形例に係る素子内部検査装置の全
体構成を表す図である。この変形例では、第5の実施の
形態における帯域透過フィルタ51a〜51e(図2
4)の代わりに、顕微鏡54の内部にチューナブルフィ
ルタ56が挿入されている。チューナブルフィルタ56
とは、光を選択的に透過するものであって、さらに、そ
の透過する光の波長帯を連続的に変化させることができ
るものである。チューナブルフィルタ56はコンピュー
タ53に接続されており、コンピュータ53からの電気
信号により制御される。ビデオカメラ55の撮像素子5
5aは、チューナブルフィルタ56を透過した光を受光
する位置に配置されているので、チューナブルフィルタ
56を透過する光の波長帯が変化すると、撮像素子55
aが受光する光の波長帯も変化する。
【0092】コンピュータ53は、チューナブルフィル
タ56に電気信号を送信し、チューナブルフィルタ56
の透過特性を変化させることによって、透過する光の波
長帯を制御するようになっている。このチューナブルフ
ィルタ56としては、例えばLCTF(液晶チューナブ
ルフィルタ)やAOTF(音響光学チューナブルフィル
タ)を用いることができる。第5の実施の形態と同様、
撮像素子55aは、チューナブルフィルタ56の透過す
る光の波長帯を変更しても検出が可能なように、十分広
い波長帯で感度を有することが好ましい。その他の構成
は、第5の実施の形態と同様である。
【0093】この変形例においては、チューナブルフィ
ルタ56の透過波長帯を変更することで顕微鏡54を透
過する光の波長を順次変え、その毎に、検出対象像をビ
デオカメラ55の撮像素子55aで撮像する。これによ
り、被検素子2のレーザ照射による劣化現象をリアルタ
イムに観察することができる。チューナブルフィルタ5
6の透過波長の変更に要する時間が被検素子2の劣化と
比べて十分に短い時間となるよう、レーザ光源1の出力
や被検素子2での集光条件などを調整すれば、ほぼ時間
的同一性が保たれた、波長帯毎の検出対象像を取得する
ことができる。チューナブルフィルタ56の透過特性の
変化は非常に速いので(例えばLCTFでは1ms以
下)、素子の劣化が比較的速い場合でも測定することが
できる。
【0094】この変形例では、また、透過波長帯を連続
的に変化させる(すなわち、掃引する)ようにチューナ
ブルフィルタ56を制御することができるので、被検素
子2の欠陥の一つ一つ(あるいは、いずれか注目する欠
陥)についての連続的なスペクトルを取得することがで
きる。
【0095】このように、この変形例によれば、顕微鏡
54の光路中にチューナブルフィルタ56を挿入するよ
うにしたので、同一の撮像素子55aで複数の波長帯の
光を検出することができ、第4の実施の形態のように検
出帯域の異なる複数の撮像素子を設ける必要がなく、ビ
デオカメラの構成や画像信号処理が簡単になるという効
果を奏する。また、検出対象光のスペクトルを取得する
ことが可能になるため、被検素子における欠陥発生メカ
ニズムのより詳細な解明に役立ち、素子の製造方法の改
善に大いに資することができる。
【0096】[第6の実施の形態]次に、本発明におけ
る第6の実施の形態について説明する。
【0097】第4および第5の実施の形態では、被検素
子からの検出対象光のうち、検出対象光を帯域透過フィ
ルタなどを介してビデオカメラの撮像部に導くようにし
たが、この検出対象光を複数の光路を通る光に分岐し
て、それぞれ別個に検出するようにすることも可能であ
る。第6の実施の形態においては、顕微鏡内部に検出対
象光を分岐する手段を設けている。
【0098】図26は、第6の実施の形態に係る素子内
部検査装置の全体構成を表す図である。本実施の形態に
係る素子内部検査装置は、顕微鏡64の内部にビームス
プリッタ63を備えており、被検素子2からの検出対象
光を透過光と反射光の2つに分岐するようになってい
る。本実施の形態では、ビームスプリッタ63を透過し
た光束をビデオカメラ65に導いて撮像に利用し、ビー
ムスプリッタ63により反射した光束を分光装置66に
導いてスペクトル分析に利用するようになっている。こ
こで、ビームスプリッタ63は、本発明における「分岐
手段」の一具体例に対応する。
【0099】ビデオカメラ65は、ビームスプリッタ6
3を透過した光束が結像する位置に撮像素子(図示せ
ず)を備えており、これにより、検出対象像を取得して
その時間的変化を観察することができるようになってい
る。ビデオカメラ65は、第4の実施の形態のように、
検出波長帯の異なる複数種類の撮像素子を有しているも
のでも良いし、同じ検出波長帯の複数の撮像素子を有し
ているものであってもよい。
【0100】顕微鏡64と分光装置66との間には、光
ファイバ61が設けられており、顕微鏡64内のビーム
スプリッタ63により反射された光束を分光装置66に
導くようになっている。分光装置66は、CCDやフォ
トダイオードなどの受光素子(図示せず)を有してお
り、光ファイバ61を介して分光装置66に入射した光
束を受光できるようになっている。また、受光素子とし
て、光電子像倍管(フォトマルチプライヤ)など検出感
度の非常に高いものを用いれば、微少な光を増幅して検
出することができる。分光装置66の前には、特定の波
長帯の光を選択的に透過する透過帯域フィルタを配置し
ても良い。
【0101】コンピュータ68は、分光装置66により
検出された検出対象光を用いて、そのスペクトルの詳
細、すなわち、発光ピークの数やピーク波長、ピーク強
度、半値幅などを解析することができるようになってい
る。さらに、コンピュータ68は、ビデオカメラ65に
よって取得された波長帯毎の検出対象像を記録する機
能、および、波長帯毎の検出対象像を画像情報としてデ
ィスプレイ装置67へ送る機能を有している。なお、分
光装置66およびコンピュータ68は、本発明における
「分光手段」の一具体例に対応する。
【0102】ディスプレイ装置67は、コンピュータ6
8から検出対象像の画像情報を受け取って、その検出対
象像の画像を表示すると共に、コンピュータ68からス
ペクトルの詳細に関する情報を受け取って、例えば図2
7および図28に示したようにグラフ状に表示すること
ができるよう構成されている。
【0103】図27および図28は、分光装置66によ
り取得された検出対象光のスペクトルの一例を模式的に
表すものである。図27は、被検素子2にレーザ光を照
射した直後のスペクトルを表し、図28は、被検素子2
にレーザ光を照射してから所定時間(時間t)経過し
たときのスペクトルを表している。図27および図28
において、横軸は検出対象光の波長であり、縦軸は検出
対象光の強度である。
【0104】図27および図28に示した例では、レー
ザ照射の継続によって、検出対象光のスペクトルの分布
に変化が現れていることが分かる。図27および図28
に示した例について説明すると、レーザ光(波長が
λ)を被検素子2に照射した直後は、波長λにスペ
クトル強度のピークが観察されるが、レーザ光照射を時
間tだけ継続すると、波長λにおけるスペクトル強
度が大きくなり、さらに波長λに新たなピークが出現
する。また、波長λを中心としたスペクトル分布の半
値幅がΔλからΔλ1aへと大きくなる。
【0105】このように構成されているため、本実施の
形態の素子内部検査装置によれば、検出対象光を分枝
し、ビデオカメラ65により検出対象像を取得すると共
に、分光装置66によりスペクトルを取得するようにし
たので、被検素子のレーザ照射による欠陥の発生および
成長といった劣化現象について、画像とスペクトルの両
方の変化をリアルタイムに観察したり、注目する波長帯
を複数選んで画像をリアルタイムに観察したりすること
が可能である。なお、上記の実施の形態においては、検
出対象光を2つの光路を通るように分岐したが、これを
3以上の光路を通るように分岐して、それぞれに何らか
の検出手段を設けてもよい。また、第4の実施の形態ま
たは第5の実施の形態のように、波長帯毎の検出対象像
を取得する手段を備えても良い。
【0106】[第6の実施の形態の変形例]図29は、
第6の実施の形態の変形例に係る素子内部検査装置の全
体構成を表す図である。この変形例では、ビームスプリ
ッタ63における透過光および反射光を検出できる位置
に、2つのビデオカメラ75a,75bをそれぞれ配置
したものである。第1のビデオカメラ75aとビームス
プリッタ63との間には、第1の帯域透過フィルタ71
が配置され、第2のビデオカメラ75bとビームスプリ
ッタ63との間には、第2の帯域透過フィルタ72が配
置されている。第2の帯域透過フィルタ72は、第1の
帯域透過フィルタ71とは異なる波長帯の光を透過する
ようになっており、これにより、ビデオカメラ75a,
75bは、波長帯の異なる検出対象光についての像を取
得することができるようになっている。例えば、第1の
帯域透過フィルタ71を、散乱光を選択的に透過する狭
帯域透過フィルタとし、第2の帯域透過フィルタ72
を、散乱光を遮断してその他の光(蛍光、プラズマ光な
ど)を透過する広帯域透過フィルタとすれば、時間的・
空間的に完全に同一な散乱像と発光像(蛍光、プラズマ
光により形成される像)を、別に取得することができ
る。
【0107】第1のビデオカメラ75aおよび第2のビ
デオカメラ75bは、別々に感度を調整することができ
る。蛍光、プラズマ光などは散乱光に比べて強度が弱い
ため、第2のビデオカメラ75bの感度を、第1のビデ
オカメラ75aの感度より高くすることにより、蛍光な
どによる像をも確実に取得することができる。
【0108】以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発
明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定さ
れず、種々の変形が可能である。例えば、第4ないし第
6の実施の形態において、第3の実施の形態と同様に自
動ステージを用い、レーザ照射前後の検出対象像の2次
元分布を取得するようにしてもよい。このようにすれ
ば、レーザ照射の前後の散乱・発光源の空間分布やその
強度の変化、スペクトルの変化、それらと劣化の発生箇
所との対応など、詳細な情報の検討によって、被検素子
のレーザ損傷メカニズムを知ることができる。
【0109】また、上述した第4ないし第6の実施の形
態では、被検素子2に損傷を与えるレーザ光源と、観察
のためのレーザ光源とが同一であるものとして説明した
が、図6に示した第2の実施の形態と同様に、両者を別
々のレーザ光源とすることも可能である。この場合、例
えば顕微鏡に、損傷用レーザの波長を遮断し他の波長を
透過するフィルタを挿入することによって、ビデオカメ
ラにより観察用レーザについての検出対象像を取得する
ことが可能になる。また、図26に示したような分光手
段を用いてスペクトルを観察し、スペクトル強度が大き
くなるように観察用レーザの波長を選択することによっ
て、検出対象像の検出感度を向上することができる。こ
の場合、観察用レーザ光源に、発振波長を変化させるこ
とが可能な波長可変レーザを用いることができる。
【0110】また、上述した第1ないし第6の実施の形
態では、被検素子2としてベータホウ酸バリウムを例に
挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、その他の試料にも適用可能である。例えば、本発
明に係る素子内部検査装置および素子内部検査方法は、
固体レーザ結晶、非線形光学結晶、半導体材料など、種
々の材料評価の装置および方法に適用することができ
る。例えば、高出力のレーザ光の入射に対する耐久性が
問題となる材料としては、Nd(ネオジム):YAG
(イットリウムアルミニウムガーネット),Nd:YV
(バナジウム酸イットリウム),Nd:ガラス,Y
b(イッテルビウム):YAG,Nd:YLF(イット
リウム・リチウム・フローライド),Er(エルビウ
ム):YAG,Er:YLF,Ti:Alなどの
固体レーザ結晶、KTP(KTiOPO),RTP
(RbTiOPO),RTA(RbTiOAs
),KTA(KTiOAsO),LiNbO
(ニオブ酸リチウム),LiTaO(タンタル酸リ
チウム),KDP(燐酸二水素カリウム),ADP(燐
酸二水素アンモニウム),LBO(LiB),C
LBO(CsLiB10)などの非線形光学結晶、
さらには、MgF(弗化マグネシウム),CaF
(弗化カルシウム),溶融石英,合成石英などの硝材
がある。本発明は、これら固体レーザ結晶、非線形光学
結晶および硝材に対するレーザ損傷の評価にも適用可能
である。なお、上の材料の説明において、コロン(:)
の後に記載された物質(例えばYAG)は母体結晶を示
し、コロンの前に記載された物質(例えばNd)は母体
結晶に添加された活性物質を示している。
【0111】また、上記第1ないし第6の実施の形態で
は、レーザ光源の発振波長を266nmとしたが、被検
素子に損傷を生じさせるに十分大きな光子エネルギーを
有していれば、他の波長であってもよい。特に、被検素
子の劣化が微少な場合には、より吸収端に近い波長を持
つレーザ光源の方がより大きなあるいは急激な損傷を与
える可能性がある。例えば、被検素子がベータホウ酸バ
リウムである場合には、その吸収端波長は190nm程
度であるので、193nmで発振するArFエキシマレ
ーザを光源として用いることもできる。また、特に、微
細化の進む半導体プロセスなどにおいて、発振波長が1
93nmのレーザが次世代加工検査用として注目されて
おり、その波長で用いられる光学素子の検査において
は、193nmで発振するレーザを用いた検査は欠かせ
ない。また、193nmを発生させる波長変換結晶とし
て、ベータホウ酸バリウムを使用することもできる。さ
らに、短波長で発振する光源を用いることによって、散
乱測定の高感度化も期待することができる。
【0112】表1は、被検素子の種類ごとの吸収端の波
長を表すものである。
【0113】
【表1】
【0114】被検素子の検査に用いるレーザは、表1に
示した被検素子の吸収端波長以上の発振波長を有してい
ることが好ましい。例えば、LBO(吸収端155n
m)およびCLBO(吸収端180nm)のように、バ
ンドギャップエネルギーのより大きな物質を評価する場
合には、より短い波長のレーザ光源を使用できる。KT
P(吸収端350nm)およびLiNbO(吸収端4
00nm)のように波長266nmでも吸収域にありレ
ーザが透過しない場合には、例えば532nmや355
nmで発振するNd:YAGレーザの第2高調波レー
ザ、第3高調波レーザなど、より波長の長いレーザ光源
を使用することができる。表1に示したような被検素子
を検査する上では、レーザの発振波長の好ましい範囲は
150nm〜550nmであり、遠紫外線で使用する光
学素子の検査におけるより好ましい範囲は150nm〜
360nmである。レーザの発振波長を選定する上で
は、被検素子内部をレーザ光が透過できる程度に吸収が
小さくなるように選定することが必要である。また、被
検素子の劣化のし易さ、散乱・発光のし易さ、使用波
長、撮像素子の感度なども考慮してレーザの波長を選定
することが好ましい。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項18のいずれか1項に記載の素子内部検査装置また
は請求項19ないし請求項36のいずれか1項に記載の
素子内部検査方法によれば、損傷光を被検素子の内部に
入射させて被検素子の内部に欠陥を発生させると共に、
その欠陥の生成過程と並行して、その欠陥によって散乱
されまたは発生した検出対象光を検出し、その像を取得
するようにしたので、光の照射による被検素子の劣化メ
カニズムをリアルタイムで解析することができるという
効果を奏する。特に、従来困難であった劣化の初期段階
における微小な変化の観察を容易かつ高感度で行うこと
ができる。
【0116】特に、請求項2記載の素子内部検査装置ま
たは請求項20記載の素子内部検査方法によれば、観測
の対象となる検出対象光が、損傷光によるものであるよ
うにしたので、損傷光が観測用の照明光の役割も果たす
ことになり、光源が単一で済む。したがって、装置構成
が簡略化されるという効果を奏する。
【0117】特に、請求項3記載の素子内部検査装置ま
たは請求項21記載の素子内部検査方法によれば、検出
対象光が、損傷光を出射する光源とは異なる他の光源か
ら出射された照明光によるものであるようにしたので、
損傷光の波長帯に対する像取得手段の検出感度が低い場
合であっても、照明光に対する検出感度が十分な像取得
手段を用いることにより、光の照射による被検素子の劣
化過程と並行して、検出対象像を取得することが可能に
なるという効果を奏する。
【0118】また、請求項5記載の素子内部検査装置ま
たは請求項23記載の素子内部検査方法によれば、損傷
光を出射する光源として、パルス発振をするレーザ光源
を用いるようにしたので、連続発振レーザを用いた場合
よりも低い消費電力によって被検素子などの損傷を付与
することができ、装置の小型化、低消費電力化が可能に
なるという効果を奏する。
【0119】また、請求項8記載の素子内部検査装置ま
たは請求項26記載の素子内部検査方法によれば、損傷
光の波長が150nmから550nmの範囲にあるよう
にしたので、様々な被検素子に損傷を生じさせ、それに
伴って生じた検出対象光を取得することが可能になると
いう効果を奏する。
【0120】また、請求項10記載の素子内部検査装置
または請求項28記載の素子内部検査方法によれば、像
取得手段が、検出対象光のうち、所定の波長帯の光のみ
を選択的に透過させるようにしたので、必要な波長帯の
光のみを選択的に観測することができるという効果を奏
する。例えば、損傷光の入射によって被検素子内部で派
生的に生ずる光(例えば、蛍光やプラズマ光など)の影
響を排除して、生成された欠陥からの散乱光のみを観測
することができるようにしたり、あるいは、逆に、生成
された欠陥からの散乱光の影響を排除して、散乱光以外
の派生光のみを観測するようにすることもできる。
【0121】また、請求項11記載の素子内部検査装置
または請求項29記載の素子内部検査方法によれば、被
検素子を損傷光の伝搬方向と直交する方向に移動させな
がら検出対象像を逐次取得することにより被検素子内部
の欠陥の平面的または空間的な分布状況を取得するよう
にしたので、光照射による被検素子の劣化メカニズムを
平面的または空間的に知ることができるという効果を奏
する。
【0122】また、請求項12記載の素子内部検査装置
または請求項30記載の素子内部検査方法によれば、像
取得手段により取得した検出対象像を時間軸に沿って記
録するようにしたので、得られた検出対象像を基に、後
から詳細な分析および検討を行うことができるという効
果を奏する。具体的には、例えば、検出対象像の強度や
密度、あるいは分布を解析することにより、光照射によ
る被検素子の劣化メカニズムを詳細に解析することがで
きる。
【0123】また、請求項13記載の素子内部検査装置
または請求項31記載の素子内部検査方法によれば、検
出対象光を複数の異なる波長帯を持つ光に分離し、分離
したそれぞれの光により形成される像を取得するように
したので、検出対象光の検出される欠陥の種類を調べる
ことが可能になり、素子の劣化メカニズムを解明し、素
子の製造方法の改善に大いに資することができるという
効果を奏する。
【0124】また、請求項14記載の素子内部検査装置
または請求項32記載の素子内部検査方法によれば、検
出対象光のうち特定の波長帯の光を選択的に透過し、そ
の透過波長帯を変化させながら像の取得を行うようにし
たので、検出対象光の波長帯毎の像の取得が容易になる
という効果を奏する。
【0125】また、請求項15記載の素子内部検査装置
または請求項33記載の素子内部検査方法によれば、検
出対象光を複数の光路を通るように分岐し、その少なく
とも一方の光路を通る光を用いて像を取得するようにし
たので、検出対象光を像の取得以外の用途に利用するこ
とが可能になるという効果を奏する。
【0126】また、請求項16記載の素子内部検査装置
または請求項34記載の素子内部検査方法によれば、検
出対象光のスペクトルを取得するようにしたので、素子
の劣化メカニズムを解明に、より一層資することができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る素子内部検査
装置の概略構成を表す正面図である。
【図2】この素子内部検査装置の要部と被検素子との位
置関係を表す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係る素子内部検査装置によ
るレーザ光の照射開始直後における被検素子内部の状態
を示す顕微鏡写真である。
【図4】第1の実施の形態に係る素子内部検査装置によ
るレーザ光の照射開始から所定時間経過後における被検
素子内部の状態を示す顕微鏡写真である。
【図5】第1の実施の形態に係る素子内部検査装置によ
って得られた、レーザ光の照射開始からさらに他の所定
時間経過後における被検素子内部の状態を示す画像を表
す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る素子内部検査
装置の概略構成を表す平面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る素子内部検査
装置の概略構成を表す正面図である。
【図8】図7におけるコンピュータの構成を表すブロッ
ク図である。
【図9】第3の実施の形態に係る素子内部検査装置の動
作を説明するための図である。
【図10】第3の実施の形態に係る素子内部検査装置の
動作を説明するための他の図である。
【図11】第3の実施の形態に係る素子内部検査装置の
動作を説明するためのさらに他の図である。
【図12】初期状態における、被検素子内部の検出対象
像の顕微鏡写真である。
【図13】高出力状態のレーザ光による照射を行った後
における、被検素子内部の検出対象像の顕微鏡写真であ
る。
【図14】第4の実施の形態に係る素子内部検査装置の
構成を表す図である。
【図15】図14に示した素子内部検査装置における撮
像素子の構成を表す図である。
【図16】被検素子に第1波長帯の損傷光を照射したと
きに撮像された被検素子の像を表す図である。
【図17】被検素子に第2波長帯の損傷光を照射したと
きに撮像された被検素子の像を表す図である。
【図18】被検素子に第3波長帯の損傷光を照射したと
きに撮像された被検素子の像を表す図である。
【図19】被検素子に第4波長帯の損傷光を照射したと
きに撮像された被検素子の像を表す図である。
【図20】被検素子に第1波長帯の損傷光を一定時間照
射し続けたときに撮像された被検素子の像を表す図であ
る。
【図21】被検素子に第2波長帯の損傷光を一定時間照
射し続けたときに撮像された被検素子の像を表す図であ
る。
【図22】被検素子に第3波長帯の損傷光を一定時間照
射し続けたときに撮像された被検素子の像を表す図であ
る。
【図23】被検素子に第4波長帯の損傷光を一定時間照
射し続けたときに撮像された被検素子の像を表す図であ
る。
【図24】第5の実施の形態に係る素子内部検査装置の
構成を表す斜視図である。
【図25】第5の実施の形態の変形例に係る素子内部検
査装置の構成を表す斜視図である。
【図26】第6の実施の形態に係る素子内部検査装置の
構成を表す斜視図である。
【図27】被検素子に損傷光を照射したときの検出対象
光のスペクトル分布の一例を表す図である。
【図28】被検素子に損傷光を一定時間継続して照射し
たときの検出対象光のスペクトル分布の一例を表す図で
ある。
【図29】第6の実施の形態の変形例に係る素子内部検
査装置の構成を表す斜視図である。
【符号の説明】
1,12…レーザ光源、2…被検素子、2a…欠陥、
3,13…集光レンズ、4,54,64…顕微鏡、4a
…対物レンズ、4b…帯域透過フィルタ、5,45,5
5,65,75a,75b…ビデオカメラ、6,46,
…画像記録装置、7,47,67,77…ディスプレイ
装置、8…レーザ光、9…ステージ、11…ダイクロイ
ックミラー、36,53,68,76…コンピュータ、
39…可動ステージ、45a,45b,45c,45d
…撮像素子、48…画像処理装置、50…ホルダ、51
a,51b,51c,51d,51e,71,72…帯
域透過フィルタ、52…フィルタ切替機構、56…チュ
ーナブルフィルタ、63…ビームスプリッタ、66…分
光装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 21/63 G01N 21/63 Z 21/95 21/95 Z

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検素子内部の状態または性質に関す
    る情報を得るための素子内部検査装置であって、 前記被検素子の内部に入射してそこに微小な欠陥を発生
    させることが可能な特性を有する損傷光を出力する光源
    と、 前記損傷光の入射により被検素子の内部に欠陥が生成さ
    れる過程と並行して、その欠陥において散乱されあるい
    は発生した検出対象光を検出し、その検出対象光により
    形成される像を取得する像取得手段とを備えたことを特
    徴とする素子内部検査装置。
  2. 【請求項2】 前記検出対象光は、前記光源から出射
    されて欠陥の生成に寄与した損傷光によるものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の素子内部検査装置。
  3. 【請求項3】 前記検出対象光は、前記光源とは異な
    る他の光源から出射された照明光によるものであること
    を特徴とする請求項1記載の素子内部検査装置。
  4. 【請求項4】 前記光源から出射される損傷光および
    前記他の光源から出射される照明光は、前記被検素子内
    部において互いに重なり合う光路を通るようになされて
    いることを特徴とする請求項3記載の素子内部検査装
    置。
  5. 【請求項5】 前記光源は、所定の周波数でパルス発
    振をするレーザ光源であることを特徴とする請求項1記
    載の素子内部検査装置。
  6. 【請求項6】 前記所定の周波数は、100Hz(ヘ
    ルツ)ないし300kHz(キロヘルツ)の範囲内にあ
    ることを特徴とする請求項5記載の素子内部検査装置。
  7. 【請求項7】 前記所定の周波数は、50MHz(メ
    ガヘルツ)ないし300MHzの範囲にあることを特徴
    とする請求項5記載の素子内部検査装置。
  8. 【請求項8】 前記損傷光の波長は、150nm(ナ
    ノメートル)以上550nm以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の素子内部検査装置。
  9. 【請求項9】 前記光源は、連続発振をするレーザ光
    源であることを特徴とする請求項1記載の素子内部検査
    装置。
  10. 【請求項10】 前記像取得手段は、前記検出対象光の
    うち、所定の波長帯域の光のみを選択的に透過させるフ
    ィルタを備えていることを特徴とする請求項1記載の素
    子内部検査装置。
  11. 【請求項11】 さらに、前記被検素子を前記光源から
    の損傷光の伝搬方向と直交する方向に移動させることが
    可能な移動台を備え、 前記像取得手段は、前記被検素子を前記移動台によって
    損傷光の伝搬方向と直交する方向に移動させながら像を
    逐次取得することにより、被検素子内部の欠陥の平面的
    または空間的な分布状況を取得することを特徴とする請
    求項1記載の素子内部検査装置。
  12. 【請求項12】 さらに、 前記像取得手段により取得した像を時間軸に沿って記録
    する記録手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の
    素子内部検査装置。
  13. 【請求項13】 前記像取得手段は、 前記検出対象光を複数の異なる波長帯を持つ光に分離
    し、分離したそれぞれの光により形成される像を取得す
    る分離取得手段を備えたことを特徴とする請求項1記載
    の素子内部検査装置。
  14. 【請求項14】 前記分離取得手段は、 前記検出対象光のうち特定の波長帯の光を選択的に透過
    し、かつその透過波長帯を変更できるよう構成された可
    変選択透過手段を備えたことを特徴とする請求項13記
    載の素子内部検査装置。
  15. 【請求項15】 さらに、 前記検出対象光を複数の光路を通るように分岐する分岐
    手段をさらに備え、 前記分離取得手段は、前記検出対象光のうち、少なくと
    も一方の光路を通る光について、像を取得するようにな
    っていることを特徴とする請求項13記載の素子内部検
    査装置。
  16. 【請求項16】 さらに、 前記検出対象光のスペクトルを取得するための分光手段
    を備えたことを特徴とする請求項13記載の素子内部検
    査装置。
  17. 【請求項17】 前記損傷光を生ずる光源とは別に、 前記被検素子を照射する照射光を生ずる光源を備えたこ
    とを特徴とする請求項13記載の素子内部検査装置。
  18. 【請求項18】 前記損傷光の波長は、150nmか
    ら550nmの範囲にあることを特徴とする請求項13
    記載の素子内部検査装置。
  19. 【請求項19】 被検素子内部の状態または性質に関
    する情報を得るための素子内部検査方法であって、 前記被検素子の内部に微小な欠陥を発生させることが可
    能な特性を有する損傷光を被検素子に入射させるステッ
    プと、 前記損傷光の入射により被検素子の内部に欠陥が生成さ
    れる過程と並行して、 その欠陥により散乱されまたは発生した検出対象光を検
    出し、その検出対象光により形成される像を取得するス
    テップとを含むことを特徴とする素子内部検査方法。
  20. 【請求項20】 前記検出対象光が、前記損傷光によ
    るものであるようにしたことを特徴とする請求項19記
    載の素子内部検査方法。
  21. 【請求項21】 前記検出対象光が、前記損傷光とは
    異なる他の照明光によるものであるようにしたことを特
    徴とする請求項19記載の素子内部検査方法。
  22. 【請求項22】 前記損傷光および前記照明光が、前
    記被検素子内部において互いに重なり合う光路を通るよ
    うにしたことを特徴とする請求項21記載の素子内部検
    査方法。
  23. 【請求項23】 前記損傷光が、所定の周波数でパル
    ス発振をするレーザ光源であるようにしたことを特徴と
    する請求項19記載の素子内部検査方法。
  24. 【請求項24】 前記所定の周波数が、100Hzな
    いし300kHz(キロヘルツ)の範囲内にあるように
    したことを特徴とする請求項23記載の素子内部検査方
    法。
  25. 【請求項25】 前記所定の周波数が、50MHzな
    いし300MHzの範囲内にあるようにしたことを特徴
    とする請求項23記載の素子内部検査方法。
  26. 【請求項26】 前記損傷光の波長が、150nm以
    上550nm以下であるようにしたことを特徴とする請
    求項19記載の素子内部検査方法。
  27. 【請求項27】 前記光源が、連続発振をするレーザ
    光源であるようにしたことを特徴とする請求項19記載
    の素子内部検査方法。
  28. 【請求項28】 前記像を取得するステップにおいて、
    前記検出対象光のうち、所定の波長帯域の光のみを選択
    的に透過させるようにしたことを特徴とする請求項19
    記載の素子内部検査方法。
  29. 【請求項29】 さらに、前記被検素子を前記損傷光の
    伝搬方向と直交する方向に移動させ、 前記像を取得するステップにおいて、前記被検素子を損
    傷光の伝搬方向と直交する方向に移動させながら像を逐
    次取得することにより、素子内部の欠陥の平面的または
    空間的な分布状況を取得するようにしたことを特徴とす
    る請求項19記載の素子内部検査方法。
  30. 【請求項30】 さらに、 取得した像を時間軸に沿って記録するステップを含むこ
    とを特徴とする請求項19記載の素子内部検査方法。
  31. 【請求項31】 前記像を取得するステップにおい
    て、 前記検出対象光を複数の異なる波長帯を持つ光に分離
    し、分離したそれぞれの光により形成される像を取得す
    るようにしたことを特徴とする請求項19記載の素子内
    部検査方法。
  32. 【請求項32】 前記像を取得するステップにおい
    て、 前記検出対象光のうち特定の波長帯の光を選択的に透過
    する選択透過手段を用いるようにし、かつ、その選択透
    過手段の透過波長帯を変更しながら、前記像の取得を行
    うようにしたことを特徴とする請求項31記載の素子内
    部検査方法。
  33. 【請求項33】 前記像を取得するステップにおい
    て、 前記検出対象光を複数の光路を通るように分岐し、少な
    くとも一方の光路を通る光について、像を取得するよう
    にしたことを特徴とする請求項31記載の素子内部検査
    方法。
  34. 【請求項34】 前記検出対象光のスペクトルを取得
    するステップを含むことを特徴とする請求項31記載の
    素子内部検査方法。
  35. 【請求項35】 前記像を取得するステップにおい
    て、 前記損傷光を生ずる光源とは別に設けた光源を用いて、
    前記被検素子を照射するようにしたことを特徴とする請
    求項31記載の素子内部検査方法。
  36. 【請求項36】 前記損傷光の波長が、150nmか
    ら550nmの範囲にあるようにしたことを特徴とする
    請求項31記載の素子内部検査方法。
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