JP2000346673A5 - - Google Patents
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Description
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する回転側軌道輪と、
前記回転側軌道輪と組合う固定側軌道輪と、
前記回転側軌道輪と前記固定側軌道輪との間に介装された転動体と、
前記回転側軌道輪に取付けられた複数着磁されてなる被検出体と、
前記被検出体の磁束変化を検出する検出器とを有してなる転がり軸受において、
前記被検出体がボンド磁石から構成されることを特徴とした転がり軸受。
【請求項2】
前記ボンド磁石は、ゴムマグネット又はプラスチックマグネットのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
【請求項3】
前記ボンド磁石は、ネオジウム系ボンド磁石、フェライト系ボンド磁石、希土類コバルト系ボンド磁石のいずれかであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転がり軸受。
【請求項4】
前記ボンド磁石は、周面が前記検出器と対向するように、前記回転側軌道輪の軸心周りに設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の転がり軸受。
【請求項5】
前記ボンド磁石は、前記前記検出器と0.2〜0.7mmの隙間を有して対向していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載の転がり軸受。
【請求項6】
前記転動体は、冠型保持器で保持され、
前記ボンド磁石は、前記転動体を挟んだ前記冠型保持器の連続する側とは反対となる回転側軌道輪の端面側に設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一つに記載の転がり軸受。
【請求項7】
前記ボンド磁石は、円周状にN極とS極が交互に着磁、あるいはN極とS極と極無し又はS極とN極と極無しが交互に着磁されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載の転がり軸受。
【請求項8】
前記回転側軌道輪と前記固定側軌道輪との端面間には、両者間を覆うシール部材又はシールド部材が設けられ、
前記検出器は、前記シール部材又はシールド部材に設けられ、
前記被検出体は、前記シール部材又はシールド部材より軌道面側に取付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載の転がり軸受。
【請求項1】
回転する回転側軌道輪と、
前記回転側軌道輪と組合う固定側軌道輪と、
前記回転側軌道輪と前記固定側軌道輪との間に介装された転動体と、
前記回転側軌道輪に取付けられた複数着磁されてなる被検出体と、
前記被検出体の磁束変化を検出する検出器とを有してなる転がり軸受において、
前記被検出体がボンド磁石から構成されることを特徴とした転がり軸受。
【請求項2】
前記ボンド磁石は、ゴムマグネット又はプラスチックマグネットのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
【請求項3】
前記ボンド磁石は、ネオジウム系ボンド磁石、フェライト系ボンド磁石、希土類コバルト系ボンド磁石のいずれかであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転がり軸受。
【請求項4】
前記ボンド磁石は、周面が前記検出器と対向するように、前記回転側軌道輪の軸心周りに設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の転がり軸受。
【請求項5】
前記ボンド磁石は、前記前記検出器と0.2〜0.7mmの隙間を有して対向していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載の転がり軸受。
【請求項6】
前記転動体は、冠型保持器で保持され、
前記ボンド磁石は、前記転動体を挟んだ前記冠型保持器の連続する側とは反対となる回転側軌道輪の端面側に設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一つに記載の転がり軸受。
【請求項7】
前記ボンド磁石は、円周状にN極とS極が交互に着磁、あるいはN極とS極と極無し又はS極とN極と極無しが交互に着磁されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載の転がり軸受。
【請求項8】
前記回転側軌道輪と前記固定側軌道輪との端面間には、両者間を覆うシール部材又はシールド部材が設けられ、
前記検出器は、前記シール部材又はシールド部材に設けられ、
前記被検出体は、前記シール部材又はシールド部材より軌道面側に取付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載の転がり軸受。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載した転がり軸受は、回転側軌道輪に取付けらた被検出体を、焼結磁石でなく、ボンド磁石から構成したことにより、通常の軸受寸法、シール構造を変更せずに、回転パルスを発生させる被検出体、検出器を組込んだ軸受を実現するようにした。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載した転がり軸受は、回転側軌道輪に取付けらた被検出体を、焼結磁石でなく、ボンド磁石から構成したことにより、通常の軸受寸法、シール構造を変更せずに、回転パルスを発生させる被検出体、検出器を組込んだ軸受を実現するようにした。
ボンド磁石を用いることにより、被検出体の断面占有面積は小さく、限られた軸受空間に被検出体を配置することができ、通常の軸受(センサー無しの軸受)と同じ程度にコンパクトとなる。しかも、ボンド磁石だと、センサー用磁石として要求される性能、さらには取付けの容易性、耐久性の大、量産性の大など多くの性能をもつので、小型でありながら、必要な性能は充分に確保される。さらに述べれば、センサー用磁石で最も重要とされる精度は、磁気特性のばらつきが小さく、磁力調整が容易であるという特徴により、充分に満足する。また取付性の点は、焼結磁石だと、脆いので回転側軌道輪への取付けは難しいが、ボンド磁石だと回転側軌道輪への取付けは容易である。しかも、焼結磁石だと、回転中に生じる温度上昇や遠心力で発生する引っ張り応力により割れやすいが、ボンド磁石は、比重が小さく遠心力による影響が少ない上、弾性があるので多少の歪みが生じても弾性限度内で吸収するので、取付後の破損の心配はない。さらに低コストでの量産が可能なので、センサー用磁石としては充分な性能がもたらせられる。
好ましくは、ボンド磁石には、ゴムマグネット、プラスチックマグネット等があり、ネオジウム系ボンド磁石、フェライト系ボンド磁石、希土類コバルト系ボンド磁石のいずれかがよい。ゴムマグネット、プラスチックマグネットは、従来の焼結磁石に比べ、
a.軽い。 b.割れ・欠けが生じにくい。 c.機械的二次加工が容易。
a.軽い。 b.割れ・欠けが生じにくい。 c.機械的二次加工が容易。
このため、被検出体は、焼結磁石に比べ、格段に小形化した部品となり、同部品を利用して軸受空間スペースが広げられる。
好ましくは、ボンド磁石は、同磁石の周面と検出器とが対向(周対向)するように設置するのが望ましい。ボンド磁石は、通常の焼結磁石より密度が小さいため、回転中の遠心力による膨張が小さく、焼結磁石のときのような膨張による検出器との間の距離が小さくなり過ぎたり、検出器と接触したりすることが未然に回避される。またこうしたことにより、ボンド磁石の周面と検出器とは安定して小隙間に保てるから、小隙間が要求されるような着磁ピッチの細かい被検出体でも回転パルスの検出が行なえる。ボンド磁石と検出器との隙間は、0.2〜0.7mmが望ましい。またボンド磁石は、転動体を挟んだ冠型保持器の連続する側とは反対となる回転側軌道輪の端面側に設けることが望ましく、このようにすると、被検出体が中側へ設置しやすくなる。
好ましくは、ボンド磁石は、同磁石の周面と検出器とが対向(周対向)するように設置するのが望ましい。ボンド磁石は、通常の焼結磁石より密度が小さいため、回転中の遠心力による膨張が小さく、焼結磁石のときのような膨張による検出器との間の距離が小さくなり過ぎたり、検出器と接触したりすることが未然に回避される。またこうしたことにより、ボンド磁石の周面と検出器とは安定して小隙間に保てるから、小隙間が要求されるような着磁ピッチの細かい被検出体でも回転パルスの検出が行なえる。ボンド磁石と検出器との隙間は、0.2〜0.7mmが望ましい。またボンド磁石は、転動体を挟んだ冠型保持器の連続する側とは反対となる回転側軌道輪の端面側に設けることが望ましく、このようにすると、被検出体が中側へ設置しやすくなる。
好ましくは、円周状にN極、S極、極なし又はS極、N極、極無しが交互に着磁されたボンド磁石を用いることにより、1つのセンサーだけで、回転方向の識別が行なえる。
好ましくは、着磁は、回転側軌道輪に着磁前の被検出体を回転側軌道輪に取り付けた後、被検出体の外周面に対して行なうことが望ましい。このように取付後、着磁を行なうようにすると、着磁装置の取り外しに伴う着磁性能の劣化が防止される。また球状の転動体を用いた転がり軸受では、ボンド磁石および検出器を含めた高さが、転動体中心からの距離より内側に配置されるように設定することが望ましい。このようにすると、転動体の中央の出っ張りを避けて、軸受の幅方向中央寄りの空間を利用して中側で検出器の設置が行なえるので、軸受幅が広くなることが防げる。
図1は、本発明を適用した転がり軸受、例えば深溝玉軸受を示している。図中1は内輪、2は同内輪1の外周側に配置された外輪、3は両輪間を覆うシール部材、例えば薄板で環状に形成された一対のシール板である。そして、内輪1の外周面に形成された環状の凹面よりなる軌道面1aと、これに向き合うよう外輪2の内周面に形成された環状の凹面よりなる軌道面2aとの間には、保持器、例えば冠型保持器4で環状に配置された複数の転動体、例えば複数の球5が転動自在に介装してある。また外輪2の肩部内側には、周方向に沿って環状の凹溝6(係合溝)が形成されている。この凹溝6は、シール板3の組付性を考慮して、開口が外側に向くように形成されている。そして。この外向きの凹溝6とシール板3の外周端部とが係合して、軸受両側にそれぞれシール板3を取り付けている。具体的には、シール板3は、断面がL字状に形成されていて、短辺部には係止部、例えば爪部6aが形成してある。またこの爪部6aの中心から外側の長辺部で、両輪間を覆う支柱部6bを形成している。そして、このシール板3を直径方向に弾性変形させて爪部6aを凹溝6に係合させることによって、支柱部6bを内外輪間の開口を遮る位置で固定させている。これにより、内外輪両側にシール板3が取り付けてある。この取付けにより、シール板3の内周側の端部は、内輪1の肩部と対向するように配置される。そして、この対向面間が、シール構造でシールされ、軸受の内部空間をシールしている。本実施形態では、シール構造として、例えば内輪1の肩部に周方向に沿って凹溝8aを形成し、同凹溝8a内に支柱部6bの先端に形成してある環状のシール突起8bを挿入配置させてなるラビリンスシール8(非接触式のシール)を用いている。
この構造から、例えば内径φ25mm、外径φ52mm、幅15mmといった寸法をもつ、内輪2を回転側軌道輪とし、外輪3を固定側軌道輪とした深溝玉軸受を構成している。
このうちセンサー用磁石10には、図2にも示されるように例えば円環状に成形され、外周面にN極とS極とが交互に着磁されたボンド磁石、例えばNd(ネオジウム)系ボンド磁石が用いられている。
またシール板3に、ボンド磁石と周面対向するホール素子11を組み付けたことにより、シール板3の取付け時に作用するモーメントの影響が回避される。
すなわち、シール板3を取付ける外輪2の凹溝6は、組付性を考慮して、外向きに形成してあることが多い。このとき、シール板3の組み付けは、直径方向に弾性変形させながら爪部6aを凹溝6に係合させることにより行なわれるが、シール板3の支柱部6bは爪部6aの中心から外側(軸方向)にあるので、組み付け時に発生するシール板3の反力を受けて、モーメント作用により図1中の矢印で示されるように支柱部6b全体が爪部6を支点として外側へ開く方向に変位する。このとき、従来に見られるような被検出体と検出器とを軸受の軸心方向に対向させて組み付ける、いわゆる平面対向の組み合せだと、支柱部6bの変位で、被検出体と検出器との距離が大きくなり、信号の検出エラーが発生しやすくなるが、軸受の直径方向でボンド磁石(被検出体)とホール素子11(検出器)を対向させる構造(周面対向)だと、逆に支柱部5の変位で、ボンド磁石とホール素子の距離が小さくなるので、シール板3の変位を要因とした信号の検出エラーが発生せずにすむようになる。なお、このシール板3が変位して隙間が小さくなっても良好なシール効果が保てるよう、本実施形態ではラビリンスシール8を採用してある。
すなわち、シール板3を取付ける外輪2の凹溝6は、組付性を考慮して、外向きに形成してあることが多い。このとき、シール板3の組み付けは、直径方向に弾性変形させながら爪部6aを凹溝6に係合させることにより行なわれるが、シール板3の支柱部6bは爪部6aの中心から外側(軸方向)にあるので、組み付け時に発生するシール板3の反力を受けて、モーメント作用により図1中の矢印で示されるように支柱部6b全体が爪部6を支点として外側へ開く方向に変位する。このとき、従来に見られるような被検出体と検出器とを軸受の軸心方向に対向させて組み付ける、いわゆる平面対向の組み合せだと、支柱部6bの変位で、被検出体と検出器との距離が大きくなり、信号の検出エラーが発生しやすくなるが、軸受の直径方向でボンド磁石(被検出体)とホール素子11(検出器)を対向させる構造(周面対向)だと、逆に支柱部5の変位で、ボンド磁石とホール素子の距離が小さくなるので、シール板3の変位を要因とした信号の検出エラーが発生せずにすむようになる。なお、このシール板3が変位して隙間が小さくなっても良好なシール効果が保てるよう、本実施形態ではラビリンスシール8を採用してある。
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