JP2000346073A - 縦型回転体用軸受装置 - Google Patents

縦型回転体用軸受装置

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JP2000346073A
JP2000346073A JP11162205A JP16220599A JP2000346073A JP 2000346073 A JP2000346073 A JP 2000346073A JP 11162205 A JP11162205 A JP 11162205A JP 16220599 A JP16220599 A JP 16220599A JP 2000346073 A JP2000346073 A JP 2000346073A
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hydraulic
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Railway Technical Research Institute
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    • F16C32/0681Construction or mounting aspects of hydrostatic bearings, for exclusively rotary movement, related to the direction of load
    • F16C32/0692Construction or mounting aspects of hydrostatic bearings, for exclusively rotary movement, related to the direction of load for axial load only
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 重量の大きい回転体を備える縦型回転体用軸
受装置に適用可能な軸受構造を提供する。 【解決手段】 回転体1の回転中心線Oを略垂直に配置
し、タービンブレード35が回転体1と共に回転するの
に伴って減圧される減圧室37を回転体1の上面18に
よって画成し、タービンブレード35の回転に伴って加
圧される加圧室36を回転体1の下面17によって画成
し、回転体1の下面から突出する回転軸12を形成し、
回転軸12の下端面13を加圧作動油によって浮遊支持
する油圧静圧軸受3を備えるものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦型回転体用軸受
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道車両の制動時、高速運転から
減速していく際に電気ブレーキを使って電力を架線に戻
しているが、低速段階から停止までは機械式ブレーキを
使っている。近年、地球の温暖化対策の一環として低速
段階からの制動エネルギも回生して、エネルギ消費を減
らしたいという要求があった。
【0003】車両の制動エネルギを回生するものとし
て、発電機を駆動したり、あるいは回転体を高速回転さ
せてエネルギを蓄積する回転エネルギ蓄積装置を用いる
ことが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、重量が
大きい回転体の軸受構造としてメカニカルべアリング等
を用いた場合、摩擦損失が大きく、十分な耐久性を確保
することが難しいという問題点があった。
【0005】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
のであり、重量の大きい回転体に適用可能な縦型回転体
用軸受装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、回転体の
回転中心線を略垂直に配置し、回転体と共に回転するタ
ービンブレードを備え、タービンブレードの回転に伴っ
て減圧される減圧室を回転体の上面によって画成し、タ
ービンブレードの回転に伴って加圧される加圧室を回転
体の下面によって画成し、回転体の下面から突出する回
転軸を形成し、回転軸の下端面を油圧によって浮遊支持
する油圧静圧軸受を備えるものとした。
【0007】第2の発明は、第1の発明において、油圧
静圧軸受に連通する油圧源として作動油を吐出する油圧
ポンプと、油圧ポンプによって加圧された作動油を蓄圧
するアキュムレータとを備え、回転体の回転開始時にア
キュムレータに蓄圧された作動油を油圧静圧軸受に導く
構成とした。
【0008】第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、油圧静圧軸受のシール部として回転軸の側面にラ
ビリンス溝を形成し、油圧静圧軸受の作動油を戻すドレ
ン通路をラビリンス溝の下流側に開口するものとした。
【0009】第4の発明は、第1から第3のいずれか一
つの発明において、油圧静圧軸受の軸受隙間に面して放
射状に延びる油溝を形成するものとした。
【0010】第5の発明は、第1から第4のいずれか一
つの発明において、回転体とこれを収装するハウジング
の間にベアリングを介装し、ベアリングが回転体の下面
に当接することにより回転体をスラスト方向に支持する
とともに回転軸の側面に当接することにより回転体をラ
ジアル方向について支持するものとした。
【0011】第6の発明は、第1から第5のいずれか一
つの発明において、回転軸とこれを収装するハウジング
に軸受隙間を挟むようにして永久磁石を固定し、各永久
磁石どうしの反発力によって回転軸をスラスト方向とラ
ジアル方向について支持するものとした。
【0012】第7の発明は、第1から第6のいずれか一
つの発明において、回転体の回転に伴って作動油を軸受
隙間に循環させる循環回路を備えるものとした。
【0013】第8の発明は、第1から第7のいずれか一
つの発明において、回転軸の下端面に永久磁石を固定
し、永久磁石の回転に伴って磁性流体を軸受隙間に循環
させる循環回路を備えるものとした。
【0014】第9の発明は、第1から第8のいずれか一
つの発明において、減圧室に空気を供給する空気供給通
路と、タービンブレードによって加圧された空気を排出
する空気排出通路とを備え、空気供給通路と空気排出通
路の少なくとも一方に可変絞り弁を介装するものとし
た。
【0015】
【発明の作用および効果】第1の発明において、油圧静
圧軸受を構成する回転軸の下端面は回転体から突出形成
されているため十分な剛性が確保され、重量の大きい回
転体に対しても軸受隙間を均一にして回転体を浮遊支持
することが可能となる。
【0016】回転体と共にタービンブレードが回転する
ことにより、減圧室の圧力が低下するとともに、加圧室
の圧力が高められることにより、回転体の下面と上面に
作用する圧力差によって油圧静圧軸受に懸かる荷重が減
らされ、摩擦損失の低減がはかれる。
【0017】そして、減圧室の圧力を低下させることに
より、回転体の空気に対する摩擦損失を減らし、回転体
の運動エネルギを有効に維持することができる。
【0018】第2の発明において、油圧ポンプから吐出
される作動油が油圧静圧軸受に導かれ、回転体が浮遊支
持される。回転体の回転開始時にアキュムレータに蓄圧
された作動油が油圧静圧軸受へと供給され、回転体が浮
遊支持され、摩擦損失の低減がはかれる第3の発明にお
いて、ラビリンス溝は軸受隙間を上昇する作動油の流れ
に抵抗を付与して、軸受隙間の上部を密封するシール機
能を果たす。作動油の一部はラビリンス溝を超えて上昇
して回転体の下面を浮遊支持し、ドレン通路を通して戻
される。
【0019】また、油圧静圧軸受への加圧作動油の供給
が途絶えてもラビリンス溝に溜まった作動油によって回
転軸の摺動部に油膜がつくられて潤滑が維持される。
【0020】第4の発明において、放射状に延びる各油
溝は、回転体の回転に伴って作動油を軸受隙間へと導く
ポンプ機能を果たす。
【0021】第5の発明において、ベアリングが回転体
の下面に当接することにより回転体をスラスト方向に支
持するとともに回転軸の側面に当接することにより回転
体をラジアル方向について支持する。
【0022】回転体が停止状態から回転し始めるとき、
回転体の下面はベアリングに当接して、軸受隙間の上部
を密封するシール機能を果たして油圧静圧軸受の圧力を
高め、回転開始時から回転体が浮遊支持される。
【0023】第6の発明において、各永久磁石が互いに
離れようとする磁力により回転体のスラスト荷重とラジ
アル荷重が支持され、その分だけ油圧静圧軸受に懸かる
荷重が減らされ、摩擦損失の低減がはかれるとともに、
回転体のハウジングに対する同心度が維持される。
【0024】第7の発明において、回転体の回転に伴っ
て作動油が軸受隙間に循環し、軸受隙間に充満する作動
油により回転体が浮遊支持される。この場合、循環回路
にポンプ等を介装する必要がなく、構造の簡素化がはか
れる。
【0025】第8の発明において、回転体と共に永久磁
石が回転するのに伴って、磁性流体が永久磁石の磁力に
よって軸受隙間へと吸い出され、軸受隙間に充満する磁
性流体により回転体が浮遊支持される。この場合、循環
回路にポンプ等を介装する必要がなく、構造の簡素化が
はかれる。
【0026】第9の発明において、可変絞り弁を介して
空気供給通路を絞ることにより、減圧室の圧力を真空に
近い状態に低下させることが可能となり、回転体の空気
に対する摩擦損失を減らすことができる。
【0027】また、可変絞り弁を介して空気排出通路を
開くことにより、装置を通過する空気量が増え、装置の
冷却効果を高められる。
【0028】また、各可変絞り弁を介して空気供給通路
と空気排出通路の両方を絞ることにより、空気排出通路
から外部に排出される空気の吹き出し音を小さくして騒
音の低減がはかれる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0030】図1に示すように、ハウジング20の内部
に回転体1が回転可能に収装され、回転体1を回転させ
て発電するようになっており、例えば鉄道車両の制動エ
ネルギを回生する装置として用いられる。
【0031】回転体1の回転中心線Oは垂直に配置され
るように車両に搭載される。円盤状をした回転体1の上
面18の中央部から動力伝達軸11が突出し、動力伝達
軸11とハウジング20の間にはベアリング33が介装
される。ベアリング33は、ラジアル2重ベアリングで
構成され、動力伝達軸11をラジアル方向に支持する。
動力伝達軸11はその図示しない上端が車輪の駆動軸に
接続されている。車両の制動時に回転体1が発電機とし
て作動することにより、制動エネルギを回収しながら制
動が行われる。一方、車両の発進時や加速時に回転体1
を電動機として作動させ、その回転力を車輪に伝えるこ
とによりエネルギの節約が行われる。
【0032】なお、動力伝達軸11をクラッチを介して
車輪の駆動軸に接続し、回転体1を高速回転させてエネ
ルギを蓄積する回転エネルギ蓄積装置に適用してもよ
い。この場合、車両の制動時にクラッチを接続して回転
体1の回転速度を高めることにより、制動エネルギを蓄
積しながら制動が行われる。一方、車両の発進時や加速
時にクラッチを接続して回転体1の回転力を車輪に伝え
ることによりエネルギの節約が行われる。
【0033】回転体1はその下面17の中央部から回転
軸12が突出する段付きピストン形状をしており、回転
軸12を浮遊支持する油圧静圧軸受3が設けられる。油
圧静圧軸受3は回転軸12の下端面13によって画成さ
れる軸受隙間4と、回転軸12の側面14によって画成
される軸受隙間5と、軸受隙間4に加圧作動油を供給す
る作動油供給通路10とを備える。
【0034】作動油供給通路10は油圧ポンプ7の吐出
側に連通する。油圧ポンプ7は回転体1の回転に連動し
て作動するようになっている。なお、油圧ポンプ7を電
動モータによって駆動してもよい。
【0035】また、油圧ポンプ7から吐出される作動油
の一部をベアリング33等や他のころがり軸受に供給し
てこれらの強制潤滑が行われるように構成してもよい。
【0036】作動油供給通路10の途中にはチェック弁
6が介装され、チェック弁6より下流側に蓄圧用アキュ
ムレータ8が接続される。アキュムレータ8の内部には
ガスが封入されており、このガスを圧縮して加圧された
作動油が蓄えられる。
【0037】作動油供給通路10の途中にはアキュムレ
ータ8の接続部より下流側に電磁開閉弁61が介装さ
れ、電磁開閉弁61は回転体1の回転停止時に閉弁して
作動油を蓄圧し、回転開始時に開弁してアキュムレータ
8に蓄圧された作動油を油圧静圧軸受3に導く構成とす
る。
【0038】軸受隙間4は回転軸下端面13とハウジン
グ20の第一底面21の間に円盤状の空間として画成さ
れ、回転体1のスラスト荷重を支持する。回転軸下端面
13とハウジング第一底面21は回転体1の回転中心線
Oに対して直交する平面にそれぞれ形成される。
【0039】ハウジング第一底面21の中央には作動油
供給通路10を画成する導入ポート19が開口される。
ハウジング第一底面21には導入ポート19から回転体
1の回転径方向に延びる例えば4、5本の油溝23が形
成される。各油溝23はハウジング第一底面21の中央
から放射状に延び、導入ポート19に供給される加圧作
動油は油溝23を介して軸受隙間4に導かれる。各油溝
23の外周端24は回転軸下端面13に対峙する位置に
形成される。
【0040】軸受隙間5は回転軸側面14とハウジング
20の第一側面22の間に円筒状の空間として画成され
る。回転軸側面14とハウジング第一側面22はそれぞ
れ回転体1の回転中心線Oを中心とする円筒面によって
形成される。
【0041】油圧静圧軸受3のシール部として回転軸側
面14の途中には複数の環状溝で構成されるラビリンス
溝16が形成される。ラビリンス溝16は軸受隙間5を
通って上昇する作動油の流れに対して抵抗を付与して、
作動油がハウジング20内の上部へと流れることを抑え
る。
【0042】ハウジング20と回転体1の間にはベアリ
ング30が設けられ、静圧軸受3の油圧低下時に回転体
1がベアリング30を介してハウジング20に回転可能
に支持される。ベアリング30のアウターレースはハウ
ジング20に固定される。ベアリング30のインナーレ
ースは回転体1の回転軸側面14および下面17に当接
可能に対峙して、回転体1のスラスト荷重とラジアル荷
重を支持する。ベアリング30はスラスト2重ベアリン
グとラジアル2重ベアリングを組み合わせた構造となっ
ている。
【0043】ハウジング20の第二底面25にはドレン
通路9が回転体1の下面17に対峙して開口される。ラ
ビリンス溝16を超えて上昇する作動油の一部は回転体
1の下面17を浮遊支持し、ドレン通路9を通して戻さ
れる。
【0044】なお、ドレン通路9を分岐させてラビリン
ス溝16に対峙して開口させてもよい。
【0045】ハウジング20と回転体1には軸受隙間6
0を挟んで互いに対峙する永久磁石31,32がそれぞ
れ固定され、各永久磁石31,32が互いに離れようと
する磁力により回転体1をスラスト方向とラジアル方向
について支持するようになっている。永久磁石31,3
2はそれぞれ径の異なる環状に形成され、大径の永久磁
石31がハウジング20の第二底面25に埋設される一
方、小径の永久磁石32が回転体1の下面17に固定さ
れ、各永久磁石31,32の反発力によって回転体1の
ハウジング20に対する同心度が維持される。
【0046】動力伝達軸11の途中にはタービンブレー
ド35が結合される。ハウジング20には隔壁26が形
成され、隔壁26によって回転体1を収装する減圧室3
7と、タービンブレード35を収装するタービン室27
とが画成される。隔壁26と動力伝達軸11の間には両
室37,27を連通する連通路28が画成される。動力
伝達軸11が図中矢印で示す方向に回転するのに伴っ
て、減圧室37の空気が図中矢印で示すように連通路2
8を通ってタービン室27へと吸い出されるようになっ
ている。
【0047】回転体1の下面17にはその外周部に複数
の環状溝で構成されるラビリンス溝29が形成される。
ハウジング20の内部空間はラビリンス溝29より内周
側に位置する加圧室36と、ラビリンス溝29よって外
周側に位置する減圧室37に分けられる。換言すると、
タービンブレード35の回転に伴って減圧される減圧室
37を回転体1の上面18および側面34によって画成
し、タービンブレード35の回転に伴って加圧される加
圧室36を回転体1の下面17によって画成している。
【0048】減圧室37に空気を取り入れる空気供給通
路41が設けられる。空気導入通路41の途中には可変
絞り弁42が介装される。可変絞り弁42の開度に応じ
て空気の流入量が調節される。
【0049】タービン室27から空気を流出させる空気
排出通路43が設けられる。空気排出通路43の途中に
は可変絞り弁44が介装される。可変絞り弁44の開度
に応じて空気の流出量が調節される。
【0050】空気排出通路43の可変絞り弁44より上
流側と加圧室36を連通する加圧空気供給通路45が設
けられる。加圧室36には加圧空気供給通路45から加
圧空気が導かれることにより、回転体1がスラスト方向
に浮遊支持される。
【0051】加圧室36の上部を画成するハウジング2
0の上壁部47には放熱フィン46が突出形成されると
ともに、加圧室36の下部を画成するハウジング20の
下壁部48には放熱フィン49が突出形成される。これ
により、減圧室37にて回転体1の熱を吸収した空気は
タービン室27を通過する過程で放熱フィン46を介し
て放熱が促されるとともに、加圧室36を通過する過程
で放熱フィン49を介して放熱が促される。
【0052】以上のように構成されて、次に作用につい
て説明する。
【0053】回転体1が停止状態から回転し始めると
き、回転体1の下面17はベアリング30のインナーレ
ースに当接して、軸受隙間5の上部を密封するシール機
能を果たしており、電磁開閉弁61が開弁してアキュム
レータ8に蓄圧された作動油が油圧静圧軸受3へと供給
され、回転体1が浮遊支持され、摩擦損失の低減がはか
れる。
【0054】ハウジング第一底面21に形成された放射
状に延びる各油溝23は、回転軸下端面13の回転に伴
って導入ポート19に供給される加圧作動油を軸受隙間
4へと導くポンプ機能を果たす。
【0055】ラビリンス溝16は軸受隙間を上昇する作
動油の流れに抵抗を付与して軸受隙間5の上部を密封す
るシール機能を果たす。作動油の一部はラビリンス溝1
6を超えて上昇して回転体1の下面17とハウジング第
二底面25の間に介在して回転体1を浮遊支持し、ドレ
ン通路9を通して戻される。
【0056】そして、アキュムレータ8から油圧静圧軸
受3への加圧作動油の供給が途絶えてもラビリンス溝1
6に溜まった作動油によって回転軸12の摺動部に油膜
がつくられて潤滑が維持される。
【0057】減圧室37と油圧静圧軸受3の間には加圧
室36が介在しているため、油圧静圧軸受3はその作動
油が吸い上げられることなく、回転体1を浮遊支持する
ことができる。
【0058】回転体1の回転速度がある程度上昇するま
での間、回転体1のスラスト荷重は油圧静圧軸受3とベ
アリング30とに分担して支持され、回転速度の上昇に
伴って回転体1は主として油圧静圧軸受3によって支持
される。
【0059】回転体1の回転が上昇する過程にて、油圧
静圧軸受3における潤滑状態が回転速度の上昇に伴って
境界潤滑、混合潤滑、流体潤滑へと順に移行する。つま
り、軸受隙間4における潤滑領域はいわゆるストライベ
ック線図にしたがって遷移し、回転体1の高速回転時に
おける摩擦損失を小さくし、車両の制動エネルギを有効
に回生できる。
【0060】油圧静圧軸受3を構成する回転軸下端面1
3は回転体1に一体形成されているため十分な剛性が確
保され、重量の大きい回転体1に対しても軸受隙間4の
隙間を均一にして回転体1を浮遊支持することが可能と
なる。
【0061】各永久磁石31,32が互いに離れようと
する磁力により回転体1のスラスト荷重とラジアル荷重
が支持され、その分だけ油圧静圧軸受3に懸かる荷重が
減らされ、摩擦損失の低減がはかれる。そして、回転体
1のハウジング20に対する同心度が維持される。
【0062】動力伝達軸11の回転に伴ってタービンブ
レード35が回転することにより、冷却空気として外気
が空気供給通路41を通って減圧室37に流入し、減圧
室37から連通路28を通ってタービン室27へと吸い
出され、タービン室27の圧力が高められる。タービン
室27から空気排出通路43へと吐出される加圧空気は
その一部が加圧室36に導かれ、残りが空気排出通路4
3から外部へと排出される。
【0063】回転体1の高速回転時にタービンブレード
35を介して減圧室37の圧力が低下するとともに、加
圧室36の圧力が高められることにより、回転体1の下
面17と上面18に作用する空気圧力差によって油圧静
圧軸受3に懸かる荷重が減らされ、やがて回転体1は空
気圧力差と磁気反発力のみによって荷重分が非接触支持
され、作動油を介さずに支持されるので摩擦損失の大幅
な低減がはかれる。
【0064】可変絞り弁42を介して空気供給通路41
を絞ることにより、減圧室37の圧力を真空に近い状態
に低下させることが可能となり、回転体1の空気に対す
る摩擦損失を減らし、回転体1の運動エネルギを有効に
維持することができる。
【0065】タービン室27の空気が空気排出通路43
から外部へと排出されることにより、回転体1およびハ
ウジング20の熱が持ち去られ、装置の冷却が行われ
る。可変絞り弁42を開くことにより、ハウジング20
を流れる空気量が増え、装置の冷却効果を高められる。
【0066】また、可変絞り弁42と可変絞り弁44を
それぞれ絞ることにより、空気排出通路43から外部に
排出される空気の吹き出し音を小さくして騒音の低減が
はかれる。
【0067】次に図2に示す他の実施の形態を説明す
る。なお、前記実施の形態と同一構成部には同一符号を
付す。
【0068】ハウジング20の第一底面21の中央には
導入穴63が開口される。ハウジング第一底面21には
導入ポート19から回転体1の回転径方向に延びる複数
の油溝23が放射状に形成される。
【0069】導入穴63と軸受隙間4を連通する循環回
路64が設けられ、循環回路64に作動油が充填され
る。
【0070】油圧静圧軸受3のシール部として回転軸側
面14の途中には複数の環状溝で構成されるラビリンス
溝16が形成される。
【0071】ハウジング20の第二底面25には循環回
路64の取り入れ口が回転体1の下面17に対峙して開
口される。ラビリンス溝16を超えて上昇する作動油の
一部は回転体1の下面17を浮遊支持し、循環回路64
を通して戻される。
【0072】なお、循環回路64を分岐させてラビリン
ス溝16に対峙して開口させてもよい。
【0073】以上のように構成されて、ハウジング第一
底面21に形成された放射状の各油溝23は、回転軸下
端面13の回転に伴って作動油を導入穴63から軸受隙
間4へと送るポンプ機能を果たし、回転軸12が浮遊支
持される。
【0074】この場合、循環回路64にポンプ等を介装
する必要がなく、構造の簡素化がはかれる。
【0075】さらに他の実施の形態として、図3に示す
ように、回転軸下端面13に円盤状の永久磁石51を埋
設し、永久磁石51の回転に伴って磁性流体を軸受隙間
4に流入させる構成としてもよい。
【0076】ハウジング20の第一底面21の中央には
導入ポート19が開口される。第一底面21には導入ポ
ート19から回転体1の回転径方向に延びる油溝23が
形成される。
【0077】軸受隙間5は回転軸側面14とハウジング
20の第一側面22の間にはシール部52が設けられ、
軸受隙間5と加圧室36の密封がはかられる。導入ポー
ト19と軸受隙間4を連通する循環回路53が設けら
れ、循環回路53に磁性流体が充填される。
【0078】以上のように構成されて、回転体1と共に
永久磁石51が回転するのに伴って、磁性流体が永久磁
石51の磁力によって導入ポート19から油溝23を介
して軸受隙間4へと吸い出され、軸受隙間4,5に磁性
流体が充満し、回転軸12が浮遊支持される。
【0079】この場合、循環回路53にポンプ等を介装
する必要がなく、構造の簡素化がはかれる。
【0080】さらに他の実施の形態として、永久磁石3
1,32の互いに対峙する面をそれぞれ円錐面状に形成
し、各永久磁石31,32が互いに離れようとする磁力
により回転体1をスラスト方向とラジアル方向について
支持するようにしてもよい。
【0081】なお、本発明は例えば水力発電に用いられ
る縦型回転体の軸受装置等にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す断面図。
【図2】他の実施の形態を示す断面図。
【図3】さらに他の実施の形態を示す断面図。
【符号の説明】
1 回転体 3 油圧静圧軸受 4 軸受隙間 5 軸受隙間 7 油圧ポンプ 8 アキュムレータ 9 ドレン回路 12 回転軸 13 回転軸下端面 14 回転軸側面 16 ラビリンス溝 20 ハウジング 27 タービン室 28 連通路 29 ラビリンス溝 30 ベアリング 31 永久磁石 32 永久磁石 35 タービンブレード 36 加圧室 37 減圧室 41 空気供給通路 42 可変絞り弁 43 空気排出通路 44 可変絞り弁 45 加圧空気供給通路 51 永久磁石 53 循環回路 64 循環回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 32/00 F16C 32/00 C 32/04 32/04 Z F16H 33/02 F16H 33/02 A F16J 15/447 F16J 15/447 (72)発明者 荒井 順一 東京都港区浜松町二丁目4番1号世界貿易 センタービル カヤバ工業株式会社内 (72)発明者 渡邉 朝紀 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 Fターム(参考) 3J042 AA05 AA16 BA01 CA10 DA13 3J102 AA01 AA02 BA03 BA18 BA19 CA01 CA14 DA02 DA07 DA11 DA17 EA03 EA06 EA11 EA13 EA24 GA09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転体の回転中心線を略垂直に配置し、 前記回転体と共に回転するタービンブレードを備え、 前記タービンブレードの回転に伴って減圧される減圧室
    を前記回転体の上面によって画成し、 前記タービンブレードの回転に伴って加圧される加圧室
    を前記回転体の下面によって画成し、 前記回転体の下面から突出する回転軸を形成し、 前記回転軸の下端面を油圧によって浮遊支持する油圧静
    圧軸受を備えたことを特徴とする縦型回転体用軸受装
    置。
  2. 【請求項2】前記油圧静圧軸受に連通する油圧源として
    作動油を吐出する油圧ポンプと、 前記油圧ポンプによって加圧された作動油を蓄圧するア
    キュムレータとを備え、 前記回転体の回転開始時にアキュムレータに蓄圧された
    作動油を前記油圧静圧軸受に導く構成としたことを特徴
    とする請求項1に記載の縦型回転体用軸受装置。
  3. 【請求項3】前記油圧静圧軸受のシール部として前記回
    転軸の側面にラビリンス溝を形成し、 前記油圧静圧軸受の作動油を戻すドレン通路を前記ラビ
    リンス溝の下流側に開口したことを特徴とする請求項1
    または2に記載の縦型回転体用軸受装置。
  4. 【請求項4】前記油圧静圧軸受の軸受隙間に面して放射
    状に延びる油溝を形成したことを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれか一つに記載の縦型回転体用軸受装置。
  5. 【請求項5】前記回転体とこれを収装するハウジングの
    間にベアリングを介装し、 前記ベアリングが前記回転体の下面に当接することによ
    り前記回転体をスラスト方向に支持するとともに前記回
    転軸の側面に当接することにより前記回転体をラジアル
    方向について支持することを特徴とする請求項1から4
    のいずれか一つに記載の縦型回転体用軸受装置。
  6. 【請求項6】前記回転軸とこれを収装するハウジングに
    前記軸受隙間を挟むようにして永久磁石を固定し、 前記各永久磁石どうしの反発力によって前記回転軸をス
    ラスト方向とラジアル方向について支持することを特徴
    とする請求項1から5のいずれか一つに記載の縦型回転
    体用軸受装置。
  7. 【請求項7】前記回転体の回転に伴って作動油を前記軸
    受隙間に循環させる循環回路を備えたことを特徴とする
    請求項1から6のいずれか一つに記載の縦型回転体用軸
    受装置。
  8. 【請求項8】前記回転軸の下端面に永久磁石を固定し、 前記永久磁石の回転に伴って磁性流体を前記軸受隙間に
    循環させる循環回路を備えたことを特徴とする請求項1
    から7のいずれか一つに記載の縦型回転体用軸受装置。
  9. 【請求項9】前記減圧室に空気を供給する空気供給通路
    と、 前記タービンブレードによって加圧された空気を排出す
    る空気排出通路とを備え、 前記空気供給通路と前記空気排出通路の少なくとも一方
    に可変絞り弁を介装したことを特徴とする請求項1から
    8のいずれか一つに記載の縦型回転体用軸受装置。
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