JP2000345765A - ドア開閉装置 - Google Patents

ドア開閉装置

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JP2000345765A
JP2000345765A JP11161706A JP16170699A JP2000345765A JP 2000345765 A JP2000345765 A JP 2000345765A JP 11161706 A JP11161706 A JP 11161706A JP 16170699 A JP16170699 A JP 16170699A JP 2000345765 A JP2000345765 A JP 2000345765A
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door
motor
opening
closing
signal
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JP11161706A
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Kiyoshi Watanabe
清 渡辺
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学式センサ或いは圧力感応式センサ等の安全
機構を用いることなく安全性を向上させ、尚且つドア本
体が多様かつ滑らかな開閉動作となるようにモータを制
御し、しかも低コストで長寿命化を可能とするドア開閉
装置を提供することを目的とする。 【解決手段】ドア21を開閉駆動するモータ41の負荷
トルクs6を位置信号s5と共に検出し、この負荷トル
クs6を予め定めた安全トルク閾値s9と比較して、安
全トルク閾値s9を上回ったときに前記モータ41に安
全動作のための駆動信号s3を出力するようにしたもの
であって、前記モータ41の駆動力を、回転型減速機4
2及びリンク機構5を介してドア21に伝達するように
構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の出入口、
工作機械の開閉口、列車の乗降口及び駅のプラットホー
ムにおける転落や侵入防止等に好適に利用されるドア開
閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ドアを開閉するに際しては、駆動
源となるモータとしてステッピングモータ、サーボモー
タ、パルスモータ等を使用し、このようなモータにボー
ル・スクリュー、ワイヤ又はチェーン等を連結して駆動
させ、ドアを所定の方向にスライドさせつつ開閉動作を
行わせるスライド式のドア開閉装置が知られている。そ
して、このようなドア開閉装置には、安全対策として光
学式センサ或いは圧力感応式センサ等の安全機構が設け
られるとともに、ドアへの進入者が戸当たり又は戸挟み
状態となった時に、これらのセンサに逸早く検出させ、
この検出信号に基づき所定時間毎に決められた速度パタ
ーンとなる開閉パターンを生成させて安全動作をさせる
ようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
光学式センサ或いは圧力感応式センサは、部品コストが
高価である上、ドア外部の露出する付近やドア稼働部に
設置されることが多く、外部からの衝撃等により破損又
は断線を引起こし易く安全性の低下を招来するという問
題が生じる。その上、このようなセンサからの検出信号
に基づいてドア開閉の安全動作をさせているため、開閉
パターンが単調なものとなり多様かつ滑らかな開閉パタ
ーンを生成することもできない。
【0004】また、ドア開閉装置の機構面については、
各種モータとボール・スクリューから構成される機構の
ものは、ボール・スクリューの摺動部分が常時外気にさ
らされているため、防塵、防水等の耐環境性に対して極
めて弱く、そのボール・スクリューの摺動部分を蛇腹等
のカバーで覆って耐環境性を向上させる方法があるが、
この方法によると、ボール・スクリューの動作に伴って
カバーも繰返し伸縮動作をすることになるので損耗が激
しく長寿命化を期待することはできない。その上、ボー
ル・スクリューをカバーで覆うことにより、注油、点検
等のメンテナンスもし難いものとなる。一方、各種モー
タとワイヤ又はチェーンとから構成される機構において
は、ワイヤ又はチェーン機構自体が大きなものとなるた
め、ドア内部に収納することができず、ドア開閉装置の
小形化を図るのが難しいという問題が生じる。
【0005】さらに、ステッピングモータやサーボモー
タ、パルスモータ等は、制御機能が高い反面、高価であ
るという欠点がある。本発明は、このような種々の不具
合を解消することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次のような構成を採用したものであ
る。すなわち、本発明に係るドア開閉装置は、ドアを開
閉駆動するモータの負荷トルクを位置信号と共に検出
し、この負荷トルクを予め定めた安全トルク閾値と比較
して、安全トルク閾値を上回ったときに前記モータに安
全動作のための駆動信号を出力するようにしたものであ
って、前記モータの駆動力を、回転型減速機及びリンク
機構を介してドアに伝達するように構成していることを
特徴とする。
【0007】このように本発明は、ドアを開閉駆動する
モータの負荷トルクを検出して戸挟み或いは戸当りを検
出するようにしているので、ドア外部に光学式センサ或
いはドア先端部に圧力感応式センサ等の安全機構を設け
る必要がなくなり、部品コストの削減と、これらのセン
サの設置に伴って発生する該センサの破損という問題を
解消でき、安全性の向上を図ることができる。また、ド
アの周囲に大量の配線を引き回す必要もないため、これ
らに起因した故障の発生も有効に低減することができ
る。特に、負荷トルクを検出するようにしているので、
多様かつ滑らかな開閉パターンで安全動作をさせること
が可能となる上に、ドアを開閉駆動するだけでもトルク
変動が大きいような伝達機構においても安全トルク閾値
をそのトルク変動を基準にして定めることにより確実に
トルク異常を検出することができ、モータの駆動に応じ
て大きなトルク変動を生じるリンク機構を伝達機構とし
て採用しても問題がなく、このリンク機構を戸袋に収容
して防塵、防水等の耐環境性を向上させたり、ドア開閉
装置の小形化を図ったりすることができる。さらに、こ
のようなモータ及びリンク機構を戸袋の内部に収容した
ときに、注油、点検等のメンテナンスがし易いような戸
袋と組合わせて使用すれば、ドア開閉装置の長寿命化を
も期待することができる。なお、このようなリンク機構
を採用する場合は、モータの回動範囲が小さくなるため
大きな減速比が必要となるが、回転型減速器を用いれ
ば、ドア開閉装置を大型化することなく所要の減速比を
実現することができ、この回転型減速器をモータと連結
させることで密閉構造とすることができ、全ての駆動部
を回転型とすることが可能になるためオイルシールによ
る耐水構造とすることができ、防水、防塵等に対する耐
環境性を向上させることができる。
【0008】また、本発明の他の構成に係るドア開閉装
置は、前述したモータの負荷トルクから戸挟み等を検出
するようにした構成において、前記モータに、DCブラ
シレスモータ及びモータドライバからなるモータユニッ
トを用い、このモータユニットから前記負荷トルク及び
位置信号を検出して、外部に設けた制御部において安全
動作のための制御信号を生成し、この制御信号を前記モ
ータドライバに入力してこのモータドライバからDCブ
ラシレスモータに駆動信号を出力させるように構成して
いることを特徴とする。
【0009】このように構成すると、前述したように部
品コストの削減と、安全性、信頼性の向上とを図ること
ができる上に、DCブラシレスモータそれ自体は安価で
あり、さらに既存のモータユニットをそのまま用い、こ
のモータユニットのモータドライバに外部の制御部から
多様な制御信号を入力するだけで、DCブラシレスモー
タを用いてもACサーボモータ等に匹敵する制御能力を
実現することができるので、ドア開閉装置の低コスト化
を更に促進することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の第一実施例について図1及び
図2を参照して説明する。本発明の第一実施例における
ドア開閉装置1は、ドア部材2と、ドア部材2の一要素
となるドア21の開閉を案内する案内機構3と、前記ド
ア21を開閉駆動するモータ部4と、該モータ部4の一
要素となるモータ41の駆動力をドア21に伝えるリン
ク機構5と、前記モータ部4を制御する制御装置6と、
前記ドア21の全開全閉状態を検出する検出部7とから
構成される。
【0011】ドア部材2は、図1に示すように、ドア2
1と戸袋22から構成される。ドア21は、所定の厚み
を有する略板状のもので、後述する案内機構3の支持部
材32と接合するために、所定寸法だけ後端から突出さ
せた突起片21aを上端部及び下端部となる位置に夫々
設けており、さらに前記下端部に形成された突起片21
aの近傍には後述するリンク機構5を回動可能に支持す
るために所定寸法だけ後端から突出させた突起片21b
が設けてある。また、ドア21は、近接センサで検出可
能な金属板で作成するか、又は検出部分のみ金属板を装
着するようにするのが好ましい。戸袋22は、略矩形状
をなし、ドア21の厚みより大なる幅を有するととも
に、ドア21、リンク機構5、後述するモータ部4及び
検出部7を収容できる空間を形成してなるもので、ドア
21の出入れを可能ならしめるために前端に開口22a
が形成されている。
【0012】案内機構3は、図1に示すように、ドア2
1の開閉を案内する案内部31と、その案内部31に沿
って摺動できるように支持させた支持部材32とから構
成される。案内部31は、スライドレール31aとベア
リング等を内装した支持部材32からなり、支持部材3
2は、図1に示すように、略矩形状をなし、突起片21
aの寸法と略同等の全長を有してなる。さらに、支持部
材32は、戸袋22の上端部内法及び下端部内法に設置
された各々の案内部31に取着されるとともに、案内部
31に沿って自由にスライドできるように、スライドレ
ール31aと係合してあり、尚且つ各々の支持部材32
同士が互いに向かい合う側の面をドア21の対応箇所に
ある突起片21aに接合して、該ドア21を挟持するよ
うにしている。
【0013】モータ部4は、図1及び図2に示すよう
に、モータ41と、該モータ41の前端側の軸に連結さ
れモータ41からの回転数を所定の回転数に変換して減
速させる回転型減速機42と、前記モータ41の後端側
の軸に連結されモータ41の回転数及び回転角を検出す
る回転位置センサ43とから構成され、戸袋22の後端
側の下端近傍となる位置に収容される。モータ41とし
ては、AC,DCモータ等からなるものが挙げられる。
回転型減速機42としては、ハーモニック・ドライブを
用いれば大きな減速比が得られるため好ましいが、遊星
ギア、ハイポイド・ギア等を採用することもできる。回
転位置センサ43としては、ロータリエンコーダ、ホー
ルセンサ、レゾルバ等からなるものが挙げられる。
【0014】リンク機構5は、図1に示すように、一対
のリンクメンバ51の互いの一端同士を回動可能に支持
するとともに、一方のリンクメンバ51の他端をモータ
部4の軸に連結し、他方のリンクメンバ51の他端をド
ア21に形成された突起片21bに回動可能に連結して
ある。これらの連結は、ベアリング接続によっている。
【0015】制御装置6は、図2に示すように、開閉指
令信号s1を発生する指令発生器61と、その開閉指令
信号s1を受けてモータ制御信号s2を送出する関数発
生器62と、そのモータ制御信号s2を受けて駆動信号
s3を送出するモータドライバ63と、そのモータドラ
イバ63から生成される位置信号s5を受けてドア21
の開閉位置に変換する位置変換器64と、その位置変換
器64から生成される開閉位置信号s7及び開閉速度信
号s8に基づいて安全トルク閾値s9を算出する安全関
数発生器65と、この安全トルク閾値s9とモータドラ
イバ63から生成される負荷トルクs6を比較する比較
器66とから構成される。指令発生器61は、ドア21
の開閉をするために外部インターフェース信号や外部ス
イッチ等からの信号をトリガにして開閉指令信号s1を
関数発生器62に送出する。関数発生器62は、指令発
生器61からの開閉指令信号s1を受け、あるいは後述
する開閉位置信号s7及び開閉速度信号s8からの入力
信号に応じて、初期化動作用、通常動作用又は安全動作
用の開閉パターンを作成し、その開閉パターンの要素パ
ラメータとなる位置、速度及びトルクからなるモータ制
御信号s2をモータドライバ63に送出する。モータド
ライバ63は、関数発生器62からのモータ制御信号s
2を受けて、モータ部4を駆動制御させるために駆動信
号s3を送出してモータ部4を回転させ、その回転に同
期してモータ部4の回転位置センサ43が、回転数及び
回転角となる回転信号s4をモータドライバ63にフィ
ードバックする。モータドライバ63は、その回転信号
s4を受けると回転数及び回転角を演算してパルス信号
としての位置信号s5を位置変換器64に送出し、一
方、後述する比較器66に対しては駆動トルクとしての
負荷トルクs6を送出する。位置変換器64は、位置信
号s5を受けとると、その位置信号s5からドア21の
開閉位置を算出して開閉位置信号s7に変換し、尚且つ
この開閉位置信号s7から開閉速度信号s8を算出し
て、これら開閉位置信号s7及び開閉速度信号s8を、
関数発生器62及び安全関数発生器65の双方に送出す
るようにしている。また、位置変換器64は、ドア21
が全開成、若しくは全閉成となる際には、後述する検出
部7からのドア21の全開位置信号s10、あるいは全
閉位置信号s11を受けとり、位置信号s5から算出さ
れたドア21の開閉位置と前記検出部7からのドア21
の開閉位置とが比較され、両者が異なる値をとるときは
位置信号s5から算出されたドア21の開閉位置が正確
でないと判断され、検出部7からのドア21の開閉位置
に校正される。したがって、位置変換器64は、ドア2
1の全開成から全閉成に至るまで、常時ドア21の開閉
位置として誤りのない連続した値としての開閉位置信号
s7及び開閉速度信号s8を、関数発生器62と安全関
数発生器65の双方に送出している。検出部7は、ドア
21の全開成状態を検出する全開位置センサ71と、ド
ア21の全閉成状態を検出する全閉位置センサ72とか
ら構成される。全開及び全閉位置センサ71、72は、
ドア21が全開状態のとき、どちらもON出力をすると
ともに、その位置からドア21が少し閉方向に動作した
時点で全開位置センサ71はOFF出力となり、さらに
ドア21が全閉状態となると全閉位置センサ72もOF
F出力となる。全開又は全閉位置センサ71、72とし
ては、鉄等の金属部材からなるドア21を検出すること
が可能な近接センサ、あるいはドア21の遮光により検
出が可能な透過式及び反射式等の光学式センサが挙げら
れる。全開位置センサ71は、図1に示すように、ドア
21が全開状態のときにその後端側の下端部付近の戸袋
22に設置され、ドア21が全開状態のときにON出力
を、それ以外の状態のときにOFF出力を指令発生器6
1及び位置変換器64の双方に全開位置信号s10とし
て送出するようにしている。全閉位置センサ72は、図
1に示すように、ドア21が全開状態のときにその前端
側の下端部近傍の戸袋22に設置され、ドア21が全閉
成状態のときにOFF出力を、それ以外の状態のときに
ON出力を指令発生器61及び位置変換器64の双方に
全閉位置信号s11として送出するようにしている。ま
た、全開又は全閉位置センサ71、72は、検出範囲に
余裕を持たせるために、ドア21の全開成又は全閉成と
なる位置直前に各々設置させ、ドア21が全開又は全閉
状態となる直前で開閉位置信号s7を校正させるように
するのが好ましい。安全関数発生器65は、位置変換器
64から開閉位置信号s7及び開閉速度信号s8を受け
て、ドア21を駆動させるために必要なトルク値に、ド
ア21への支障外力となるトルク値を加算して安全トル
ク閾値s9を算出し、この安全トルク閾値s9を比較器
66に送出するようにしている。比較器66は、安全関
数発生器65から送出される安全トルク閾値s9とモー
タドライバ63から送出される負荷トルクs6とを比較
演算し、この負荷トルクs6が安全トルク閾値s9より
大なるときに安全動作指令信号s12を関数発生器62
に送出する。
【0016】先ず、このような構成からなるドア開閉装
置1の開閉動作について述べる。図1及び図2に示すよ
うに、戸袋22にドア21が収容されている状態で、ド
ア21を全閉成とする外部スイッチ等からのトリガ信号
が制御装置6内の指令発生器61に入力されると、指令
発生器61からの開閉指令信号s1により関数発生器6
2がドア21を全閉成させるのに必要となる位置及び速
度パラメータから通常用の開閉パターンを作成し、モー
タドライバ63にモータ制御信号s2を送出する。そし
て、モータドライバ63は駆動信号s3をモータ部4に
送出して、モータ部4を回転させる。こうして、モータ
部4が回転しだすとその回転力により、上方に向かって
折り曲げられていたリンク機構5がモータ部4の軸と略
平行になるように引き伸ばされ、ドア21がリンク機構
5の動作に追従して閉成する方向に案内部31をスライ
ドしながら戸袋22より突出し、減速機42によって減
速されつつドア21を閉成させることができる。このと
き、モータ部4は、モータ41に取着してある回転位置
センサ43からの回転信号s4をモータドライバ63に
返送し、モータドライバ63は、位置信号s5を位置変
換器64に返送し、位置変換器64は、開閉速度信号s
8及び開閉位置信号s7の双方を関数発生器62に返送
して、ドア21の開閉位置を常時検知しながらドア21
を正確に全閉成するようにフィードバック制御されてい
る。そして、全閉位置センサ72によりドア21が検出
されて、ドア21が全閉成となる。
【0017】一方、ドア21が全閉成した状態からドア
21を全開成状態とするには、前記同様の制御の流れに
よりモータ部4を逆転させるとその回転により引き伸ば
されていたリンク機構5が、モータ部4の軸に固定され
ているリンクメンバ51の一端とドア21の突起片21
bに回動可能に支持されているリンクメンバ51の一端
とが相寄る方向に近付くとともに、リンクメンバ51同
士が回動可能に支持されている一端は上部に向かって折
り曲げられ、ドア21がリンク機構5の動作に追従して
開成する方向に案内部31をスライドしながら戸袋22
に向かって引き込まれ、減速機42によって減速されつ
つドア21を開成させる。そして、全開位置センサ71
によりドア21が検出されて、ドア21が全開成とな
る。
【0018】さらに、ドア開閉装置1の初動時にドア2
1が全開成と全閉成との間に位置するときは、開閉位置
信号s7の基準位置が校正されていないため、指令発生
器61から関数発生器62に対して初期化用の開閉指令
信号s1を送出し、関数発生器62からモータドライバ
63に対して遅い速度でドア21を開閉させるようなモ
ータ制御信号s2を発生させ、モータ部4を駆動制御す
る。したがって、ドア21が開動作の指令を受けたとき
は、前記位置からドア21が開動作を開始するととも
に、全開位置センサ71により全開成寸前の状態が検出
されて全開位置信号s10を指令発生器61に送出し、
減速停止用の開閉指令信号s1を発生させ、関数発生器
62及びモータドライバ63を介してモータ部4を減速
させつつ停止させ全開するように基準位置の校正を行
う。また、ドア21が閉動作の指令を受けたときも、前
記同様にしてモータ部4を減速させつつ停止させ全閉成
するように基準位置の校正を行っている。
【0019】次に、本実施例におけるドア開閉装置1の
安全動作について述べる。図1及び図2に示すように、
外部スイッチ等によりドア21の開閉指令を受けた指令
発生器61は、関数発生器62に開閉指令信号s1を送
出し、この関数発生器62が通常開閉動作用の開閉パタ
ーンを作成するとともに、モータドライバ63にモータ
制御信号s2を送出して、モータドライバ63が駆動信
号s3を送出してモータ部4を駆動させドア21を閉成
させる。このとき、ドア21の閉成途中に進入者が挟ま
れると、モータドライバ63がその支障外力となる負荷
トルクs6を算出し、この負荷トルクs6が予め通常開
閉動作用の開閉パターンに基づいて安全関数発生器65
によって算出された安全トルク閾値s9と比較器66に
より比較演算され、負荷トルクs6が安全トルク閾値s
9より大なるときに、比較器66は関数発生器62に安
全動作指令信号s12を送出する。次に、安全動作指令
信号s12を受けた関数発生器62は、通常開閉動作用
の開閉パターンに代えて安全動作用の開閉パターンを作
成して、モータ制御信号s2をモータドライバ63に送
出し、モータドライバ63から駆動信号s3を送出して
モータ部4を制御し、ドア21を安全動作させるように
している。このときの安全動作用の開閉パターンとして
は、例えば所定距離だけドア21を開成し再び閉める等
の安全動作が挙げられる。また、ドア21が全閉成状態
のときに強制的にドア21がこじ開けられた場合には、
関数発生器62は開閉位置信号s7の変動を検出し、関
数発生器62は安全動作用の開閉パターンを作成して、
モータ制御信号s2をモータドライバ63に送出し、モ
ータドライバ63から駆動信号s3を送出してモータ部
4を制御し、ドア21を安全動作させるようにしてい
る。このときの安全動作用の開閉パターンとしては、例
えばドア21に紐等が挟まれた場合を想定した時に、前
記した安全動作用と同様の開閉パターンを適用し、また
全閉成完了後の異常なこじ開けに対しては強い閉動作指
令による対抗動作をする等が挙げられる。このこじ開け
動作の識別は、指令発生器61が動作完了のタイミング
を計算するか、外部の指令信号によって行う。このと
き、外部の警報装置により注意を促す等の様々な安全措
置を講ずることができる。
【0020】このような構成であるので、ドア21を開
閉駆動するモータ41の負荷トルクs6を検出して戸挟
み等を検出するので、ドア21に圧力感応式センサを設
けること或いは外部に光学式等の障害物検出センサを設
ける必要がなくなり部品コストの削減と、これらのセン
サの設置に伴って発生する該センサの破損又は断線とい
う問題を解消でき、安全性の向上を図ることができる。
特に、このように負荷トルクs6を検出するようにして
いるため、ドア21を開閉駆動するだけでもトルク変動
が大きいような伝達機構においても安全トルク閾値s9
をそのトルク変動を基準にして定めることにより確実に
トルク異常を検出することができるので、多様かつ滑ら
かな開閉パターンで安全動作をさせることが可能とな
り、しかもモータ41の駆動に応じて折り曲げ自在なリ
ンク機構5を伝達機構として採用しても問題がなく、こ
のリンク機構5を戸袋22に入れて防塵、防水等の耐環
境性を向上させたり、ドア開閉装置1の小形化を図った
りすることができる。なお、このようなリンク機構5を
採用する場合は、モータ部4の回動範囲が小さくなるた
め大きな減速比が必要となるが、ハーモニック・ドライ
ブなどの回転型減速器42を用いれば、ドア開閉装置1
を大型化することなく所要の減速比を実現することがで
き、この回転型減速器42をモータ41と連結させるこ
とで密閉構造とすることができ、防水、防塵等に対する
耐環境性を向上させることができる。
【0021】なお、上記実施例では、片開きのドア開閉
装置1を一例として挙げたが、本実施例の片開きのドア
開閉装置1を対称にして組合せ使用することにより、両
開きのドア開閉装置とすることができる。このとき、ド
ア21の開閉動作を制御させる制御装置6を共用してモ
ータ部4を制御することにより、ドア21同士を同期さ
せて開閉動作できるように構成することが有効である。
また、このような同期動作をさせるための他の態様とし
て、両方のドア開閉装置1の制御装置6間に通信インタ
ーフェースを追加することによって、ドア21同士を同
期させて開閉動作できるような構成であってもよい。同
期動作としては、ドア21同士を同時に開閉させるのみ
ならず、一方のドア21に対する安全動作を他方のドア
21に伝えて、ドア21同士が同時に停止、あるいは開
閉等の動作をすることをも含む。このため、制御装置6
を共用する構成であればドア開閉装置のコストダウンが
図れ、制御装置6間に通信インターフェースを追加する
構成とすれば、配線工数の削減が図れ、共にシンプルな
制御機構を構築することができる。
【0022】また、上記実施例では、案内機構3とし
て、案内部31を戸袋22の上端部内法及び下端部内法
に沿って各々設置し、支持部材32に取着したドア21
を案内部31に沿ってスライド開閉させるように構成し
たが、案内機構3を戸袋22の両側壁内法への取り付
け、あるいは戸袋22の上端部内法、下端部内法又は片
側の側壁内法への取り付けとし、ドア21をスライド開
閉させるような構成であってもよい。このようなもので
あれば、多様な戸袋22の大きさに対応した案内機構3
を構成することができる。さらに、案内機構3として、
案内部31の側壁にスライドレール31aを形成すると
ともに、支持部材32がこのスライドレール31aをレ
ールとしてスライドできるように係合し、ドア21をス
ライド開閉できるようにしたが、戸袋22の上端部外側
に案内部となるレールを設置して、この案内部に沿って
吊り下がりながら転がる戸車からなる回転支持部材を用
いて、ドア21を開閉動作させるようにしてもよい。
【0023】更に、上記実施例では、ドア21が戸袋2
2に引き込まれるように案内部31をスライドさせて収
容できるような構成としたが、ドアがヒンジ軸を中心に
して揺動するような構成であってもよい。このようなも
のであれば、ドア21を戸袋22に引き込むスペースの
ない場合に、極めて有効な構成とすることができる。ま
た、上記実施例では、検出部7として、全開位置センサ
71又は全閉位置センサ72を使用して、ドア21の全
開閉状態を検出させ、その全開又は全閉位置信号s1
0,s11を制御装置6に出力することでドア21の位
置決め完了をさせて、ドア21の基準位置を校正するよ
うにしたが、これら全開又は全閉位置センサ71、72
を使用することなく、ドア21の全開成及び全閉成とな
る位置に機械的なストッパーを設置し、このストッパー
にドア21を当接させることで基準位置の校正をするよ
うにしてもよい。このようなものであれば、全開位置セ
ンサ71及び全閉位置センサ72の破損によって誤った
ドア21の基準位置の校正を行う、という問題が発生し
なくなり、正確なドア21の開閉動作をさせることがで
きる。
【0024】更にまた、上記実施例では、安全関数発生
器65が開閉位置信号s7及び開閉速度信号s8を受け
て安全動作の基準値となる安全トルク閾値s9を算出
し、この安全トルク閾値s9とモータドライバ63から
算出される負荷トルクs6とを比較器66において比較
させ安全動作をするような構成にしたが、該安全トルク
閾値s9が関数発生器62において作成される初期化用
開閉パターン等様々な開閉動作パターンの動作開始時に
収集される値から算出して、負荷トルクs6と比較させ
安全動作をさせるような構成にしてもよい。このような
ものであれば、モータ部4の製品個体差、又は経年変化
による負荷トルクs6の変動を有効に防止することがで
き、適正な安全動作をさせることができる。
【0025】上記実施例では、関数発生器62における
開閉パターンをドア21の位置と速度との対応関係によ
り作成するようにしたが、この開閉パターンが、ドア2
1の位置と負荷トルクs6、又は時刻との対応関係から
作成されるものであってもよい。次に、本発明の第二実
施例について図3〜図5を参照して説明する。
【0026】本発明の第二実施例におけるドア開閉装置
101は、図3に示すように、ドア部材102と、該ド
ア部材102の一要素となるドア102aの開閉を案内
して駆動させる駆動部103と、該駆動部103を制御
する制御装置104と、前記ドア102aの全開閉状態
を検出する検出部105とから構成される。ドア部材1
02は、図3に示すように、ドア102aと戸袋102
bから構成される。ドア102aは、所定の厚みを有す
る略板状のもので、後述する駆動部103の支持部材1
03cに取着するために、所定寸法だけ上端から突出さ
せた突起片102a1 をドア102aの略後端部となる
位置に設けてある。戸袋102bは、略矩形状をなし、
ドア102aの厚みより大なる幅を有してドア102a
を収容できる空間を形成するとともに、ドア102aの
開閉を可能とするために前端に開口102b1 が形成さ
れている。ドア102aは、スライドレール或いは戸車
により、戸袋102bにスライド収納できる様に固定さ
れている。
【0027】駆動部103は、図3に示すように、モー
タ103aと、該モータ103aの回転に追従して回動
するねじ103bと、このねじ103bと共にボール・
スクリュー103b1 を構成する図示しないボールを内
設した支持部材103cとから構成される。また、本実
施例におけるモータ103aは、図4に示すように、D
Cブラシレスモータからなり、U相、V相、W相ステー
タコイル103a1 、103a2 、103a3 と、図示
しない回動軸となる永久磁石製のロータと、U相、V
相、W相コミュテーションセンサ103a4 、103a
5 、103a6 とから構成されるとともに、後述するモ
ータドライバ104aと一体になったモータユニットU
からなる。このモータ103aが回転するとU相、V
相、W相コミュテーションセンサ103a4 、103a
5 、103a6 から位置信号となるU相、V相、W相コ
ミュテーション信号k6、k7、k8が出力されるよう
になっている。U相、V相、W相コミュテーションセン
サ103a4 、103a5 、103a6 としては、ホー
ルセンサ等からなるものが挙げられる。ねじ103b
は、図3に示すように、ロータの径と略同等の直径と、
戸袋102bの略前端から後端近傍位置まで延出した寸
法とを有し、その表面にボール・スクリュー103b1
が形成されている。そして、モータ103aが回動する
と、その駆動力がねじ103bに伝達されてロータの回
転方向に回動するようにモータ103aに支持されてい
る。すなわち、ねじ103bが回動すると、その回転力
により支持部材103cがねじ送りされて直線駆動され
る構成である。さらに、支持部材103cの下端は、前
述したドア102aの突起片102a1 と接合されてい
る。
【0028】制御装置104は、図4に示すように、ド
ア102aの開閉制御の演算を行う制御部104bと、
モータドライバ104aと、制御信号の一要素となるモ
ータ速度指令信号(アナログ値)k5をモータドライバ
104aに出力するDAコンバータ104cと、モータ
ドライバ104aからの駆動信号となるU相、V相、W
相モータ制御信号k21、k22、k23のうちV相、
W相モータ制御信号k22、k23の電流を検出するV
相、W相電流センサ104d、104eと、このV相、
W相電流センサ104d、104eから負荷トルクとな
るV相、W相電流信号(アナログ値)k12、k13を
受けて制御部104bにV相、W相電流信号(デジタル
値)k14、k15を出力するADコンバータ104f
とから構成される。制御部104bは、図5に示すよう
に、開閉指令信号k1を発生する指令発生器104a1
と、その指令発生器104a1 からの開閉指令信号k1
を受けて、開閉パターンを作成するとともに、モータド
ライバ104aにモータ制御信号の他の一要素となる開
指令信号k2及び閉指令信号k3を送出し、DAコンバ
ータ104cにモータ速度指令信号(デジタル値)k4
を送出する関数発生器104a2 と、モータ103aか
らのU相、V相、W相コミュテーション信号k6、k
7、k8が入力されるモータ位置信号生成器104a3
と、そのモータ位置信号生成器104a3 からのモータ
位置信号k9が入力される位置変換器104a4 と、そ
の位置変換器104a4 からの開閉位置信号k10と開
閉速度信号k11を受けて安全トルク閾値k17を算出
する安全関数発生器104a5 と、ADコンバータ10
4fからのV相、W相電流信号(デジタル値)k14、
k15が入力されモータトルク値k16を算出するトル
ク演算器104a6 と、このトルク演算器104a6
ら算出されたモータトルク値k16と前記安全関数発生
器104a5 から算出された安全トルク閾値k17とを
比較し、その結果を指令発生器104a1 へ安全動作指
令信号k18として送出する比較器104a 7 とから構
成される。指令発生器104a1 は、ドア102aの開
閉をするために外部インターフェース信号や外部スイッ
チ等からのトリガ信号と、位置変換器104a4 からの
開閉位置信号k10が入力され、尚且つ比較器104a
7 からの安全動作指令信号k18が入力されて、開閉指
令信号k1を関数発生器104a2 に送出する。関数発
生器104a2 は、指令発生器104a1 からの開閉指
令信号k1を受けて初期化用、通常用又は安全動作用の
開閉パターンを作成し、モータドライバ104aに開指
令信号k2と閉指令信号k3を送出し、DAコンバータ
104cにモータ速度指令信号(デジタル値)k4を送
出する。モータ位置信号生成器104a3 は、モータ1
03aからのU相、V相、W相コミュテーション信号k
6、k7、k8が入力され、モータ103aの電気的な
1回転角当たり6段階のモータ位置信号k9を生成す
る。すなわち、これは1/6回転の分解能に相当し、ロ
ータの1回転が電気的な4回転に相当するモータ103
aを使用した場合は、1/24回転の分解能を実現する
ことができる。位置変換器104a4 は、モータ位置信
号生成器104a3 からのモータ位置信号k9を積算し
てドア102aの直線位置に換算するようにしている。
また、位置変換器104a4 は、後述する検出部105
からの全開位置信号k19、又は全閉位置信号k20を
受けたとき、モータ位置信号k9から算出したドア10
2aの開閉位置を校正することにより、ドア102aの
全閉成から全開成に至まで誤りのない連続値として開閉
位置信号k10を演算し、指令発生器104a1 、関数
発生器104a2 及び安全関数発生器104a5 に送出
するようにしている。さらに、位置変換器104a4
は、前記モータ位置信号k9から開閉速度信号k11を
算出し、関数発生器104a2 及び安全関数発生器10
4a5 に送出している。安全関数発生器104a5 は、
位置変換器104a4 から開閉位置信号k10及び開閉
速度信号k11を受けて、ドア102aの位置及び速度
パラメータからドア102aを駆動させるために必要な
トルク値を算出するとともに、該トルク値とドア102
aへの支障外力となるトルク値を加算して安全トルク閾
値k17を算出し、この安全トルク閾値を比較器104
7 に送出するようにしている。検出部105は、図3
に示すように、全開位置センサ105aと全閉位置セン
サ105bから構成され、全開位置センサ105aがね
じ103bの下方となるモータ103a位置近傍に設置
され、全閉位置センサ105bがねじ103bの下方と
なる戸袋102bの開口102b1 位置近傍に設置され
る。したがって、図4に示すように、ドア102aが全
開成すると全開位置センサ105aによって検出され、
ドア102aが全閉成すると全閉位置センサ105bに
よって検出されて、各々全開位置信号k19、又は全閉
位置信号k20として指令発生器104a1 及び位置変
換器104a4 の双方に開閉完了となる停止信号が送出
される。全開位置センサ105a及び全閉位置センサ1
05bとしては、支持部材103cまたは、それに取り
付けた鉄等の金属部材からなる検出用切辺を検出するこ
とが可能な近接センサ、あるいは支持部材103cの遮
光により検出が可能な透過式及び反射式等の光学式セン
サが挙げられる。トルク演算器104a6 は、図5に示
すように、ADコンバータ104fよりV相、W相電流
信号(デジタル値)k14、k15が入力され、Iu=
U相電流信号、Iv=V相電流信号、Iw=W相電流信
号として、Iu=−Iv−Iu、T=α(Iu2 +Iv
2 +Iw2 )を計算し (αは定数)、Tとなるモータ
トルク値k16を比較器104a7 に送出するようにし
ている。比較器104a7 は、図5に示すように、安全
関数発生器104a5 から送出される安全トルク閾値k
17とトルク演算器104a6 から送出されるモータト
ルク値k16とを比較演算し、このモータトルク値k1
6が安全トルク閾値k17より大きいときに戸当りや戸
挟みと判定し、安全動作指令信号k18を指令発生器1
04a1 に送出する。モータドライバ104aは、図4
及び図5に示すように、関数発生器104a2 から開指
令信号k2、閉指令信号k3及びDAコンバータ104
Cを介してモータ速度指令信号(アナログ値)k5を受
けてU相、V相、W相モータ制御信号k21、k22、
k23をモータ103aのU相、V相、W相ステータコ
イル103a1 、103a2 、103a3に出力してロ
ータを回動させ、PWM(パルス幅変調)による速度制
御を行うようにしている。DAコンバータ104cは、
関数発生器104a2 からのモータ速度指令信号(デジ
タル値)k4を受け、モータ速度指令信号(アナログ
値)k5に変換してモータドライバ104aに送出す
る。V相、W相電流センサ104d、104eは、モー
タ103aのV相、W相ステータコイル103a2 、1
03a3 に流れる電流値に比例した電圧値を含むアナロ
グ信号であり、V相、W相電流信号(アナログ値)k1
2、k13をADコンバータ104fへ送出するように
している。ADコンバータ104fは、V相、W相電流
センサ104d、104eからのV相、W相電流信号
(アナログ値)k12、k13を、V相、W相電流信号
(デジタル値)k14、k15に変換してトルク演算器
104a6 に送出するようにしている。
【0029】先ず、このような構成からなるドア開閉装
置101の開閉動作について述べる。図3、図4及び図
5に示すように、戸袋102bにドア102aが収容さ
れている状態で、ドア102aが全閉成となる外部スイ
ッチ等からのトリガ信号が制御部104b内の指令発生
器104a1 に入力されると、指令発生器104a1
らの開閉指令信号k1により関数発生器104a2 がド
ア102aを全閉成させるのに必要となる位置及び速度
パラメータから通常用の開閉パターンを作成し、モータ
ドライバ104aに開指令信号k2、閉指令信号k3及
びDAコンバータ104cを介してモータ速度指令信号
(アナログ値)k5を送出し、U相、V相、W相ステー
タコイル103a1 、103a2 、103a3 に磁界を
発生させてロータを回転させ、モータ103aを回転さ
せる。こうして、モータ103aが回転すると、その回
転に追従するようにねじ103bも回転し、ドア102
aを支持している支持部材103cが直線駆動し始め、
それに伴ってドア102aは閉成する方向に戸袋102
bより突出し、ドア102aを閉成させる状態とするこ
とができる。このとき、モータ103aは、U相、V
相、W相コミュテーション信号k6、k7、k8をモー
タドライバ104a及びモータ位置信号生成器104a
3 に送出し、モータ位置信号生成器104a3 は、モー
タ位置信号k9を位置変換器104a4 に送出し、位置
変換器104a4 は、開閉速度信号k11及び開閉位置
信号k10を関数発生器104a2 及び安全関数発生器
104a 5 の双方に送出して、ドア102aの開閉位置
を常時検知しながらドア102aを的確に全閉成するよ
うにフィードバック制御している。そして、全閉位置セ
ンサ105bによりドア102aが検出されると、全閉
位置信号k20を指令発生器104a1 及び位置変換器
104a4 に送出してドア102aが全閉成となる。
【0030】一方、ドア102aが全閉成した状態から
ドア102aを全開成状態とするには、前記同様の制御
の流れによりモータ103aを逆転させると、その回転
に追従してねじ103bも回転し、ドア102aを支持
している支持部材103cが直線駆動し始め、それに伴
ってドア102aが戸袋102bに向かって引き込まれ
ながら、ドア102aを開成させる状態とすることがで
きる。そして、全開位置センサ105aによりドア10
2aが検出されると、全開位置信号k19を指令発生器
104a1 に送出してドア102aが全開成となる。
【0031】さらに、ドア開閉装置101の初動時にド
ア102aが全開成と全閉成との間に位置するときは、
開閉位置信号k10の基準位置が校正されていないた
め、指令発生器104a1 から関数発生器104a2
対して初期化用の開閉パターンとなる開閉指令信号k1
を送出し、遅い速度でドア102aを開閉させるように
モータ103aを駆動制御する。したがって、ドア10
2aが開動作の指令を受けたときは、前記位置からドア
102aが開動作を開始するとともに全開位置センサ1
05aにより全開状態が検出されて、全開位置信号k1
9を指令発生器104a1 及び位置変換器104a4
双方に送出し、減速停止用の開閉指令信号k1を発生さ
せ、関数発生器104a2 及びモータドライバ104a
を介してモータ103aを減速させつつ停止させて全開
成するように基準位置の校正を行っている。また、ドア
102aが閉動作の指令を受けたときも、前記同様の制
御の流れによりモータ103aを逆回転させて、減速さ
せつつ停止させ全閉成するように基準位置の校正を行っ
ている。
【0032】次に、本第二実施例におけるドア開閉装置
101の安全動作について述べる。図4及び図5に示す
ように、外部スイッチ等によりドア102aの開閉指令
を受けた指令発生器104a1 は、関数発生器104a
2 に開閉指令信号k1を送出し、この関数発生器104
2 が通常開閉動作用の開閉パターンを作成するととも
に、モータドライバ104aに、開指令信号k2、閉指
令信号k3及びDAコンバータ104cを介してモータ
速度指令信号(アナログ値)k5を送出して、モータ1
03aを駆動させドア102aを閉成させる。このと
き、ドア102aの閉成途中に進入者が挟まれると、ト
ルク演算器104a6 がその支障外力となるモータトル
ク値k16を算出し、このモータトルク値k16が予め
通常開閉動作用の開閉パターンに基づいて安全関数発生
器104a5 によって算出された安全トルク閾値k17
と比較器104a7 により比較演算され、モータトルク
値k16が安全トルク閾値k17より大なるときに、比
較器104a7 は指令発生器104a1 に安全動作指令
信号k18を送出する。次に、安全動作指令信号k18
を受けた指令発生器104a1 は、関数発生器104a
2 に開閉指令信号k1を送出し、関数発生器104a2
は通常開閉動作用の開閉パターンから安全動作用の開閉
パターンを作成して、開指令信号k2、閉指令信号k3
及びDAコンバータ104cを介してモータ速度指令信
号(アナログ値)k5をモータドライバ104aに送出
してモータ103aを制御し、ドア102aの安全動作
をさせるようにしている。このときの安全動作用の開閉
パターンとしては、例えば所定距離だけドア102aを
開成し再び閉める、又は全開する等の安全動作が挙げら
れる。また、ドア102aが全閉状態のときに強制的に
ドア102aがこじ開けられた場合には、関数発生器1
04a2 は、開閉位置信号k10の変動を検出し、指令
発生器104a1 からの開閉指令信号k1により関数発
生器104a2 は安全動作用の開閉パターンを作成し
て、開指令信号k2、閉指令信号k3及びDAコンバー
タ104cを介してモータ速度指令信号(アナログ値)
k5をモータドライバ104aに送出してモータ103
aを制御し、ドア102aの安全動作をさせるようにし
ている。このときの安全動作用の開閉パターンとして
は、例えばドア102aに紐等が挟まれた場合を想定し
た時には前記した安全動作用の開閉パターンを適用し、
また全閉成完了後の異常なこじ開けに対しては、強い閉
動作指令による対抗動作をする等が挙げられる。このこ
じ開け動作の識別は、指令発生器104a1 が動作完了
のタイミングを計算するか、外部の指令信号により行
う。このとき、外部の警報装置により注意を促す等の様
々な安全措置を講ずることができる。
【0033】このような構成であるので、ドア102a
を開閉駆動するモータ103aの負荷トルクを検出して
戸挟み或いは戸当りを検出するので、前記したようにド
ア102aに圧力感応式センサを設けること或いは外部
に光学式等の障害物センサを設ける必要がなくなり部品
コストの削減と、これらのセンサの設置に伴って発生す
る該センサの破損又は断線という問題を解消でき、安全
性の向上を図ることができる。しかも、DCブラシレス
モータは、図4のモータユニットUの構成で安価なもの
が使用できるので、モータユニットUから負荷トルクと
位置信号を取り出し、制御部104bに入力する構成に
することにより、ACサーボモータ等に匹敵する制御能
力を実現することができ、尚且つドア開閉装置101の
低コスト化をも図ることができる。
【0034】なお、上記第二実施例では、片開きのドア
開閉装置101を一例として挙げたが、本発明の第一実
施例と同様にして両開きのドア開閉装置としてもよい。
このとき、本発明の第一実施例と同様にして制御装置1
04を共用してドア102a同士を同期させて開閉動作
できるように構成したり、あるいは両方のドア開閉装置
の制御装置104間に通信インターフェースを追加し
て、ドア102a同士を同期させて開閉動作できるよう
な構成であってもよい。同期動作としては、ドア102
a同士を同時に開閉させるのみならず、一方のドア10
2aに対する安全動作を他方のドア102aに伝えて、
ドア102a同士が同時に停止、あるいは開閉等の動作
をすることをも含む。このため、制御装置104を共用
する構成であればドア開閉装置のコストダウンが図れ、
制御装置104間に通信インターフェースを追加する構
成とすれば、配線工数の削減が図れ、共にシンプルな制
御機構を構築することができる。
【0035】また、上記実施例では、ねじ103bの回
動により支持部材103cがねじ送りされてドア102
aを開閉させる機構にしたが、本発明の第一実施例と同
様にして、リンク機構による方式に適用してもよい。ま
た、上記第二実施例では、制御信号の一部にモータ速度
指令信号(アナログ値)K5を使用してモータドライバ
104aに指令する構成としたが、このモータ速度指令
信号(アナログ値)K5が、パルス型の速度指令信号か
らなるものであってもよい。
【0036】更にまた、上記第二実施例では、検出部1
05として、全開位置センサ105aまたは全閉位置セ
ンサ105bを使用してドア102aの全開成又は全閉
成状態を検出し、その全開又は全閉位置信号k19、k
20を制御部104bに送出することで、ドア102a
の基準位置を校正するようにしたが、本発明の第一実施
例と同様にして、ドア102aの全開成及び全閉成とな
る位置に機械的なストッパーを設置し、このストッパー
にドア102aを当接させることで基準位置の校正を行
うようにしてもよい。
【0037】或いは、上記第二実施例では、駆動部10
3を設けて、ドア102aが戸袋102bに引き込まれ
るように収容できる構成としたが、本発明の第一実施例
と同様にしてドア102aの一端に回動可能な支持部材
を設けて、この支持部材の一端をドア102aの外部と
固着させ、この支持部材を中心にドア102aを揺動さ
せて、進入者が出入りできるような構成にしてもよい。
【0038】また、上記第二実施例では、安全関数発生
器104a5 が開閉位置信号k10及び開閉速度信号k
11を受けて安全動作の基準値となる安全トルク閾値k
17を算出し、この安全トルク閾値k17とトルク演算
器104a6 から算出されるモータトルク値k16とを
比較器104a7 において比較させ安全動作をするよう
な構成にしたが、本発明の第一実施例と同様にして該安
全トルク閾値k17が関数発生器104a2 において作
成される初期化用開閉パターン等様々な開閉動作パター
ンの動作開始時に取り込まれた値から算出するようにし
て、モータトルク値k16と比較させ安全動作をさせる
ような構成にしてもよい。
【0039】更にまた、上記第二実施例では、検出部1
05として、ねじ103bの両端の下方となる位置に全
開及び全閉位置センサ105a、105bを適宜設置し
てドア102aの全開成又は全閉成を検出しドア102
aの位置を校正するようにしたが、これらの全開及び全
閉位置センサ105a、105bを、ドア102aの全
開成又は全閉成となる位置直前に適宜設置させてもよ
い。このようなものであれば、検出範囲に余裕を持たせ
ることができ、より的確にドア102aの位置を校正す
ることができる。さらに、全開又は全閉位置センサ10
5a、105bを1個のみの使用にして、初期化用の開
閉パターン時に最初に動作する方向の終端位置に設置
し、ドア102aの基準位置の校正用として使用するよ
うな構成にしてもよい。
【0040】なお、各部の具体的な構成は、上述した実
施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱し
ない範囲で種々変形が可能である。
【0041】
【発明の効果】本発明に係るドア開閉装置は、負荷トル
クと開閉位置を検出して戸挟み或いは戸当りを検出する
ようにしているので、ドアに圧力感応式センサを設ける
こと或いはドア外部に光学式等の障害物センサを設ける
必要がなくなり部品コストの削減及びセンサの破損又は
断線という問題を解消でき、信頼性及び安全性の向上を
図ることができる。特に、負荷トルクを検出することに
より、多様かつ滑らかな開閉パターンで安全動作をさせ
ることが可能となる上に、トルク変動が大きな伝達機構
においても安全トルク閾値をそのトルク変動を基準にし
て定めることにより確実にトルク異常を検出することが
できるので、ボール・スクリューによる伝達機構或いは
リンク機構を伝達機構としても問題がなく、この伝達機
構を戸袋に収容して防塵、防水等の耐環境性を向上させ
たり、ドア開閉装置の小形化を図ることもできる。さら
に、モータ及び伝達機構を戸袋に収容することで、長寿
命化をも期待することができる。
【0042】なお、リンク機構を採用する場合は、大き
な減速比が必要となるが、薄くて小形のハーモニック・
ドライブなどの回転型減速器を用いれば、ドア開閉装置
を大型化することなく所要の減速比を実現することがで
き、この回転型減速器をモータと連結させて密閉構造と
することが可能であり、全ての駆動部を回転型とするこ
とが可能となるためオイルシールによる耐水構造とする
ことができ耐環境性を向上させることができる。しか
も、DCブラシレスモータとモータドライバが一組とな
った既存のモータユニットを使用すれば、ACサーボモ
ータ等に匹敵する制御機能を容易に実現することがで
き、尚且つ低コストなドア開閉装置にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本第一実施例のドア開閉装置を側面視したとき
の内部構造を示す側面図。
【図2】同第一実施例の制御装置の流れを示すブロック
図。
【図3】本第二実施例のドア開閉装置を側面視したとき
の内部構造を示す側面図。
【図4】同第二実施例の制御装置の流れを示すブロック
図。
【図5】同第二実施例の制御部の流れを示すブロック
図。
【符号の説明】
1…ドア開閉装置 5…リンク機構 41…モータ 42…回転型減速機 21…ドア s3…駆動信号 s5…位置信号 s6…負荷トルク s9…安全トルク閾値 101…ドア開閉装置 102a…ドア 103a…モータ 104a…モ−タドライバ 104b…制御部 k17…安全トルク閾値 U…モータユニット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドアを開閉駆動するモータの負荷トルクを
    位置信号と共に検出し、この負荷トルクを予め定めた安
    全トルク閾値と比較して、安全トルク閾値を上回ったと
    きに前記モータに安全動作のための駆動信号を出力する
    ようにしたものであって、 前記モータの駆動力を、回転型減速機及びリンク機構を
    介してドアに伝達するように構成していることを特徴と
    するドア開閉装置。
  2. 【請求項2】ドアを開閉駆動するモータの負荷トルクを
    位置信号と共に検出し、この負荷トルクを予め定めた安
    全トルク閾値と比較して、安全トルク閾値を上回ったと
    きに前記モータに安全動作のための駆動信号を出力する
    ようにしたものであって、 前記モータに、DCブラシレスモータ及びモータドライ
    バからなるモータユニットを用い、このモータユニット
    から前記負荷トルク及び位置信号を検出して、外部に設
    けた制御部において安全動作のための制御信号を生成
    し、この制御信号を前記モータドライバに入力してこの
    モータドライバからDCブラシレスモータに駆動信号を
    出力させるように構成していることを特徴とするドア開
    閉装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012041715A (ja) * 2010-08-18 2012-03-01 Fuji Electric Co Ltd 電動式ドア制御装置
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JP7400753B2 (ja) 2021-02-22 2023-12-19 株式会社ダイフク 制御装置

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