JP2000345560A - グランドアンカーの構築構造及びその構築方法 - Google Patents
グランドアンカーの構築構造及びその構築方法Info
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- JP2000345560A JP2000345560A JP11159691A JP15969199A JP2000345560A JP 2000345560 A JP2000345560 A JP 2000345560A JP 11159691 A JP11159691 A JP 11159691A JP 15969199 A JP15969199 A JP 15969199A JP 2000345560 A JP2000345560 A JP 2000345560A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 施工性や経済性が良好で、景観性もよく、ま
たコンパクトに形成可能なグランドアンカーの構築構造
及びその構築方法を提供する。 【解決手段】 地盤11中に埋設され、その周面と地盤
11との剪断抵抗によって引張り力を地盤11に伝達す
るアンカー体30と、引張り力をアンカー体30に伝達
する引張り部28と、引張り部28に設けられた支圧板
17を介して受圧体からの引張り力を引張り部28に伝
達するアンカー頭部26を備えたグランドアンカーの構
築構造20において、受圧体は、引張り部28の上部が
挿通して地盤11中に埋設される所定長さの受圧杭15
aからなり、受圧杭15aの周面と地盤11との剪断抵
抗によって引張り力を受ける構成としている。
たコンパクトに形成可能なグランドアンカーの構築構造
及びその構築方法を提供する。 【解決手段】 地盤11中に埋設され、その周面と地盤
11との剪断抵抗によって引張り力を地盤11に伝達す
るアンカー体30と、引張り力をアンカー体30に伝達
する引張り部28と、引張り部28に設けられた支圧板
17を介して受圧体からの引張り力を引張り部28に伝
達するアンカー頭部26を備えたグランドアンカーの構
築構造20において、受圧体は、引張り部28の上部が
挿通して地盤11中に埋設される所定長さの受圧杭15
aからなり、受圧杭15aの周面と地盤11との剪断抵
抗によって引張り力を受ける構成としている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不安定な地形や構
造物の安定化を計るために構築するグランドアンカーの
構築構造及びその構築方法に関する。
造物の安定化を計るために構築するグランドアンカーの
構築構造及びその構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図20に示すように、不安定な地
形や構造物の安定化を計るグランドアンカーの構築構造
70は基本的には、3つの構成要素、即ち地盤72中に
埋設されて地盤72との剪断抵抗によって引張り力を地
盤72に伝達させるアンカー体73と、前記引張り力を
アンカー体73に伝達させる引張り部74と、受圧体の
一例である受圧板71からの力を引張り力として引張り
部74に伝達させるアンカー頭部75とからなってい
る。図21には、グランドアンカーの構築構造70をよ
り具体化したグランドアンカーの構築構造80の一般的
な構造と各部の名称を示す。地中に最低でも7m位の深
さの削孔81を形成し、引張り材82を挿入し、引張り
材82の自由長部分は、その周囲をシース83で被覆さ
れており、引張り材82の周囲にグラウト(注入材8
4)を注入して固めた構造としている。図21中の符号
85は受圧板、符号86は台座、符号87はアンカー
体、符号88はアンカー先端、符号89はアンカー頭部
を表している。注入材84として使用されるのは、セメ
ントが普通であり、水を加えて攪拌してセメントペース
ト(グラウト)としてポンプを使用して注入される。引
張り材82には、PC鋼線、PC鋼より線、多重PC鋼
より線、PC鋼棒が使用され、最近では炭素繊維より線
も使用されている。アンカー頭部89は、受圧板85か
らの力を引張り力として台座86を介して引張り材82
に伝達する部分であり、引張り材82はナット方式又は
くさび方式によって定着されている(図21ではナット
方式)。グランドアンカー工法のアンカー体87におい
て、注入材84への引張り力の伝達方式には各種(引張
型、圧縮型)あるが、いずれにしてもアンカー体87の
周面を地盤72との摩擦抵抗によってアンカー引張り力
を地盤72に伝達するようになっている。受圧板85は
地表に平面的に構築されるもので、矩形板、格子枠、十
字梁(クロスビーム)が普通で、これらは主に鉄筋コン
クリート製である。この他にH型鋼材を使用する親杭工
法がある。
形や構造物の安定化を計るグランドアンカーの構築構造
70は基本的には、3つの構成要素、即ち地盤72中に
埋設されて地盤72との剪断抵抗によって引張り力を地
盤72に伝達させるアンカー体73と、前記引張り力を
アンカー体73に伝達させる引張り部74と、受圧体の
一例である受圧板71からの力を引張り力として引張り
部74に伝達させるアンカー頭部75とからなってい
る。図21には、グランドアンカーの構築構造70をよ
り具体化したグランドアンカーの構築構造80の一般的
な構造と各部の名称を示す。地中に最低でも7m位の深
さの削孔81を形成し、引張り材82を挿入し、引張り
材82の自由長部分は、その周囲をシース83で被覆さ
れており、引張り材82の周囲にグラウト(注入材8
4)を注入して固めた構造としている。図21中の符号
85は受圧板、符号86は台座、符号87はアンカー
体、符号88はアンカー先端、符号89はアンカー頭部
を表している。注入材84として使用されるのは、セメ
ントが普通であり、水を加えて攪拌してセメントペース
ト(グラウト)としてポンプを使用して注入される。引
張り材82には、PC鋼線、PC鋼より線、多重PC鋼
より線、PC鋼棒が使用され、最近では炭素繊維より線
も使用されている。アンカー頭部89は、受圧板85か
らの力を引張り力として台座86を介して引張り材82
に伝達する部分であり、引張り材82はナット方式又は
くさび方式によって定着されている(図21ではナット
方式)。グランドアンカー工法のアンカー体87におい
て、注入材84への引張り力の伝達方式には各種(引張
型、圧縮型)あるが、いずれにしてもアンカー体87の
周面を地盤72との摩擦抵抗によってアンカー引張り力
を地盤72に伝達するようになっている。受圧板85は
地表に平面的に構築されるもので、矩形板、格子枠、十
字梁(クロスビーム)が普通で、これらは主に鉄筋コン
クリート製である。この他にH型鋼材を使用する親杭工
法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
グランドアンカーの構築構造80においては、未だ解決
すべき以下のような問題があった。受圧板85には強大
な力が作用するため、非常に頑丈な構造が要求される。
またグランドアンカーの構築構造80を構築しようとす
る所は急峻な地形が多く、このような場所に地面を覆う
ように頑丈な受圧板85を構築することは極めて困難
で、施工性や経済性が悪く、施工性や経済性に優れてい
ると言われているグランドアンカー工法の特性を阻害し
ていた。すなわち、工事期間も長くなり、また、アンカ
ー施工者とは別の受圧板施工者により施工されるため、
工程の調整が難しいという問題もあった。受圧板85は
アンカー(引張り材82、台座86、アンカー頭部89
を含む)と一体で構築されており、アンカーは強度計算
から得られる所定の間隔で打設され、所定の定着荷重で
定着されている。アンカー打設後、アンカーの状態を調
べるために緊張試験が実施されるが、この試験は定着荷
重の1.5倍で行われ、例えば、定着荷重が40トンで
あれば、試験荷重は60トンにもなり、この試験荷重に
耐える受圧板85は相当頑丈な構造が求められる。なぜ
なら、受圧板85が、図21に示すように、平面的な構
造であるためであり、この結果大きな梁や厚い壁が必要
となっていた。さらにこのために景観性が著しく損なわ
れる問題も発生していた。さらに、図21に示すよう
に、受圧板85が引張り材82に対して直交しておら
ず、傾いているので、角度調整用台座86を必要とし
た。
グランドアンカーの構築構造80においては、未だ解決
すべき以下のような問題があった。受圧板85には強大
な力が作用するため、非常に頑丈な構造が要求される。
またグランドアンカーの構築構造80を構築しようとす
る所は急峻な地形が多く、このような場所に地面を覆う
ように頑丈な受圧板85を構築することは極めて困難
で、施工性や経済性が悪く、施工性や経済性に優れてい
ると言われているグランドアンカー工法の特性を阻害し
ていた。すなわち、工事期間も長くなり、また、アンカ
ー施工者とは別の受圧板施工者により施工されるため、
工程の調整が難しいという問題もあった。受圧板85は
アンカー(引張り材82、台座86、アンカー頭部89
を含む)と一体で構築されており、アンカーは強度計算
から得られる所定の間隔で打設され、所定の定着荷重で
定着されている。アンカー打設後、アンカーの状態を調
べるために緊張試験が実施されるが、この試験は定着荷
重の1.5倍で行われ、例えば、定着荷重が40トンで
あれば、試験荷重は60トンにもなり、この試験荷重に
耐える受圧板85は相当頑丈な構造が求められる。なぜ
なら、受圧板85が、図21に示すように、平面的な構
造であるためであり、この結果大きな梁や厚い壁が必要
となっていた。さらにこのために景観性が著しく損なわ
れる問題も発生していた。さらに、図21に示すよう
に、受圧板85が引張り材82に対して直交しておら
ず、傾いているので、角度調整用台座86を必要とし
た。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、施工性や経済性が良好で、景観性もよく、また
コンパクトに形成可能なグランドアンカーの構築構造を
提供することを目的とする。
もので、施工性や経済性が良好で、景観性もよく、また
コンパクトに形成可能なグランドアンカーの構築構造を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係るグランドアンカーの構築構造は、地盤中に埋設さ
れ、その周面と地盤との剪断抵抗によって引張り力を地
盤に伝達するアンカー体と、引張り力を該アンカー体に
伝達する引張り部と、引張り部に設けられた支圧板を介
して受圧体からの引張り力を引張り部に伝達するアンカ
ー頭部を備えたグランドアンカーの構築構造において、
受圧体は、引張り部の上部が挿通して地盤中に埋設され
る所定長さの管体を備えた受圧杭からなり、受圧杭の周
面と地盤との剪断抵抗によって引張り力を受ける構成と
している。従って、受圧体が地盤中に埋設される受圧杭
からなり、受圧杭の周面と地盤との剪断抵抗によって引
張り力を受けることができ、これによってアンカー打設
時に同時に受圧杭の施工ができると共に、目立たない構
成とすることができる。ここで、受圧杭の管体の支圧板
との当接端面が、受圧杭の軸方向に直交するように構成
することもできる。この結果、引張り力が受圧杭の周方
向に均等に負担できる。
係るグランドアンカーの構築構造は、地盤中に埋設さ
れ、その周面と地盤との剪断抵抗によって引張り力を地
盤に伝達するアンカー体と、引張り力を該アンカー体に
伝達する引張り部と、引張り部に設けられた支圧板を介
して受圧体からの引張り力を引張り部に伝達するアンカ
ー頭部を備えたグランドアンカーの構築構造において、
受圧体は、引張り部の上部が挿通して地盤中に埋設され
る所定長さの管体を備えた受圧杭からなり、受圧杭の周
面と地盤との剪断抵抗によって引張り力を受ける構成と
している。従って、受圧体が地盤中に埋設される受圧杭
からなり、受圧杭の周面と地盤との剪断抵抗によって引
張り力を受けることができ、これによってアンカー打設
時に同時に受圧杭の施工ができると共に、目立たない構
成とすることができる。ここで、受圧杭の管体の支圧板
との当接端面が、受圧杭の軸方向に直交するように構成
することもできる。この結果、引張り力が受圧杭の周方
向に均等に負担できる。
【0006】また、支圧板には、受圧杭の管体の当接端
部が嵌入する嵌入溝が形成されると共に、引張り部の管
体に対する芯出しが可能な挿通孔を形成することもで
き、これによって容易に引張り部の芯出し作業ができ
る。管体の上、下部外周にはそれぞれ複数のスペーサー
が設けられ、管体の下部内周には複数のウイングが設け
られて、管体及びグランドアンカー用削孔の芯出しを行
うこともでき、これによって各芯出し作業が簡略化され
る。管体内部には上、下段パッカー内及び上、下段パッ
カー間にグラウトを注入可能な注入パイプを設けること
もでき、この結果、管体を建て込む削孔の径を小さくで
きる。本発明に係るグランドアンカーの構築方法は、地
盤中に埋設され、その周面と地盤との剪断抵抗によって
引張り力を地盤に伝達するアンカー体と、引張り力をア
ンカー体に伝達する引張り部と、引張り部に設けられた
支圧板を介して受圧体からの引張り力を引張り部に伝達
するアンカー頭部を備えたグランドアンカーの構築方法
において、受圧体用の所定の深さの削孔を形成し、削孔
内に管体を建て込み、次いで管体の外周にグラウトを注
入又は加圧注入して受圧杭を形成後、受圧杭内にグラン
ドアンカーを打設する。従って、アンカー打設時に同時
に受圧杭の施工ができる。
部が嵌入する嵌入溝が形成されると共に、引張り部の管
体に対する芯出しが可能な挿通孔を形成することもで
き、これによって容易に引張り部の芯出し作業ができ
る。管体の上、下部外周にはそれぞれ複数のスペーサー
が設けられ、管体の下部内周には複数のウイングが設け
られて、管体及びグランドアンカー用削孔の芯出しを行
うこともでき、これによって各芯出し作業が簡略化され
る。管体内部には上、下段パッカー内及び上、下段パッ
カー間にグラウトを注入可能な注入パイプを設けること
もでき、この結果、管体を建て込む削孔の径を小さくで
きる。本発明に係るグランドアンカーの構築方法は、地
盤中に埋設され、その周面と地盤との剪断抵抗によって
引張り力を地盤に伝達するアンカー体と、引張り力をア
ンカー体に伝達する引張り部と、引張り部に設けられた
支圧板を介して受圧体からの引張り力を引張り部に伝達
するアンカー頭部を備えたグランドアンカーの構築方法
において、受圧体用の所定の深さの削孔を形成し、削孔
内に管体を建て込み、次いで管体の外周にグラウトを注
入又は加圧注入して受圧杭を形成後、受圧杭内にグラン
ドアンカーを打設する。従って、アンカー打設時に同時
に受圧杭の施工ができる。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係るグランドアンカーの構築構造の概念構成図、図
2は同グランドアンカーの構築構造の詳細構成図、図3
は管体の構成図、図4は図3のA−A断面図、図5は図
3のB−B断面図、図6は図3のC−C断面図、図7は
図3のD−D断面図、図8は締め付けナット付き管体の
構成図、図9は管体と地盤との間にグラウトを加圧注入
する説明図、図10は管体と地盤との間にグラウトを加
圧注入する他の説明図、図11は受圧杭の影響を受けな
い中間部分の表層の説明図、図12は本発明の一実施の
形態に係る同グランドアンカーの構築構造を法面安定化
を考慮して適用した場合の実施例の全体構成図、図13
は同グランドアンカーの構築構造を法面安定化を考慮し
て適用した場合の実施例の要部構成図、図14は同グラ
ンドアンカーの構築構造を法面安定化を考慮して適用し
た場合の実施例の要部構成図、図15は同グランドアン
カーの構築構造を法面安定化を考慮して適用した場合の
実施例の要部構成図、図16は同グランドアンカーの構
築構造を擁壁の補強を考慮して適用した場合の実施例の
全体構成図、図17は同グランドアンカーの構築構造を
擁壁の補強を考慮して適用した場合の実施例の要部構成
図、図18は同グランドアンカーの構築構造を親杭工を
考慮して適用した場合の実施例の全体構成図、図19は
同グランドアンカーの構築構造を親杭工を考慮して適用
した場合の実施例の要部構成図である。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係るグランドアンカーの構築構造の概念構成図、図
2は同グランドアンカーの構築構造の詳細構成図、図3
は管体の構成図、図4は図3のA−A断面図、図5は図
3のB−B断面図、図6は図3のC−C断面図、図7は
図3のD−D断面図、図8は締め付けナット付き管体の
構成図、図9は管体と地盤との間にグラウトを加圧注入
する説明図、図10は管体と地盤との間にグラウトを加
圧注入する他の説明図、図11は受圧杭の影響を受けな
い中間部分の表層の説明図、図12は本発明の一実施の
形態に係る同グランドアンカーの構築構造を法面安定化
を考慮して適用した場合の実施例の全体構成図、図13
は同グランドアンカーの構築構造を法面安定化を考慮し
て適用した場合の実施例の要部構成図、図14は同グラ
ンドアンカーの構築構造を法面安定化を考慮して適用し
た場合の実施例の要部構成図、図15は同グランドアン
カーの構築構造を法面安定化を考慮して適用した場合の
実施例の要部構成図、図16は同グランドアンカーの構
築構造を擁壁の補強を考慮して適用した場合の実施例の
全体構成図、図17は同グランドアンカーの構築構造を
擁壁の補強を考慮して適用した場合の実施例の要部構成
図、図18は同グランドアンカーの構築構造を親杭工を
考慮して適用した場合の実施例の全体構成図、図19は
同グランドアンカーの構築構造を親杭工を考慮して適用
した場合の実施例の要部構成図である。
【0008】図1に概念的に示すように、本発明の一実
施の形態に係るグランドアンカーの構築構造10は、地
盤11中に埋設されたアンカー体12と、引張り力をア
ンカー体12に伝達する引張り部13と、受圧体15か
らの力を引張り力として引張り部13に伝達するアンカ
ー頭部14を有して構成されている。受圧体15は引張
り部13の上部が挿通可能なスリーブ状で、アンカー頭
部14に当接されて地盤11中に所定長さ埋設されてい
る。従って、アンカー頭部14から引張り部13を介し
て伝達される引張り力を、アンカー体12の周面摩擦抵
抗によって地盤11に伝達して地盤11の剪断抵抗力で
支えると共に、地表面16に平面的に構築された従来の
受圧体(図20の受圧板71を参照)に代えて、地盤1
1中に埋設される立体的な構造の受圧体15の周面摩擦
抵抗によって、アンカー体12と同様に、アンカー頭部
14に作用する引張り力の反力を支える構造とした点に
特徴を有する。以下、これらについて詳しく説明する。
なお、同一の構成要素については同一の符号を付し、類
似の構成要素については同一の符号にアルファベットを
付して詳しい説明を省略する。
施の形態に係るグランドアンカーの構築構造10は、地
盤11中に埋設されたアンカー体12と、引張り力をア
ンカー体12に伝達する引張り部13と、受圧体15か
らの力を引張り力として引張り部13に伝達するアンカ
ー頭部14を有して構成されている。受圧体15は引張
り部13の上部が挿通可能なスリーブ状で、アンカー頭
部14に当接されて地盤11中に所定長さ埋設されてい
る。従って、アンカー頭部14から引張り部13を介し
て伝達される引張り力を、アンカー体12の周面摩擦抵
抗によって地盤11に伝達して地盤11の剪断抵抗力で
支えると共に、地表面16に平面的に構築された従来の
受圧体(図20の受圧板71を参照)に代えて、地盤1
1中に埋設される立体的な構造の受圧体15の周面摩擦
抵抗によって、アンカー体12と同様に、アンカー頭部
14に作用する引張り力の反力を支える構造とした点に
特徴を有する。以下、これらについて詳しく説明する。
なお、同一の構成要素については同一の符号を付し、類
似の構成要素については同一の符号にアルファベットを
付して詳しい説明を省略する。
【0009】図2にグランドアンカーの構築構造10を
具体化したグランドアンカーの構築構造20の構成図及
び各部の名称を示す。グランドアンカーの構築構造20
は、図2に示すように、法面21に対して傾斜して地盤
11に形成された削孔22(口径250mm前後で、深
度は地盤強度によって異なるが、3〜5m程度)内に受
圧体の一例である受圧杭15aが配置されている。受圧
杭15aは、主に図3に詳細を示す管体24を備えてお
り、図2及び図3に示すように、管体24は断面パイプ
状の鋼管23(管径は200mm前後)を有している。
鋼管23の地表側の端面に当接する支圧板17、及び支
圧板17の背面25に当接するアンカー頭部の一例であ
るナット26が配置され、引張り部の一例である長尺状
の引張り材28のネジ先端部29とナット26が螺合し
ている。支圧板17には、図2に示すように、鋼管23
の天端部(当接端部)が嵌入可能なリング状の嵌入溝1
8が形成されており、鋼管23の天端部を保護すると共
に、支圧板17が上下左右にずれないように、支圧板1
7の安定化を計っている。また支圧板17の中心部には
図示しない挿通孔(図8の挿通孔17a参照)が形成さ
れており、該挿通孔に引張り材28を挿入することによ
り引張り材28を鋼管23の中心に芯出し可能な構造と
している。
具体化したグランドアンカーの構築構造20の構成図及
び各部の名称を示す。グランドアンカーの構築構造20
は、図2に示すように、法面21に対して傾斜して地盤
11に形成された削孔22(口径250mm前後で、深
度は地盤強度によって異なるが、3〜5m程度)内に受
圧体の一例である受圧杭15aが配置されている。受圧
杭15aは、主に図3に詳細を示す管体24を備えてお
り、図2及び図3に示すように、管体24は断面パイプ
状の鋼管23(管径は200mm前後)を有している。
鋼管23の地表側の端面に当接する支圧板17、及び支
圧板17の背面25に当接するアンカー頭部の一例であ
るナット26が配置され、引張り部の一例である長尺状
の引張り材28のネジ先端部29とナット26が螺合し
ている。支圧板17には、図2に示すように、鋼管23
の天端部(当接端部)が嵌入可能なリング状の嵌入溝1
8が形成されており、鋼管23の天端部を保護すると共
に、支圧板17が上下左右にずれないように、支圧板1
7の安定化を計っている。また支圧板17の中心部には
図示しない挿通孔(図8の挿通孔17a参照)が形成さ
れており、該挿通孔に引張り材28を挿入することによ
り引張り材28を鋼管23の中心に芯出し可能な構造と
している。
【0010】削孔22に接続して、削孔22より小径の
削孔31が引張り材28の先端近傍まで形成されてお
り、引張り材28は、支圧板17から引張り材自由長の
端面32まで、ポリエチレン製のパイプがシース33で
被覆されている。図2に示すように、受圧杭付着長に相
当する鋼管23の外表面と削孔22の内周面との間には
グラウト加圧注入部34が形成され、また、アンカー体
定着長に相当する引張り材28の外表面及びシース33
の外表面と削孔31の内周面との間には、前記グラウト
加圧注入部35が形成されている。グラウト加圧注入部
34の法面21側から法面21までの鋼管23の外表面
と削孔22の内周面との間にはグラウト充填部36が形
成され、その他のシース33の外表面と鋼管23の内表
面及び削孔31との間にはグラウト充填部37が形成さ
れている。なお、符号30はアンカー体である。
削孔31が引張り材28の先端近傍まで形成されてお
り、引張り材28は、支圧板17から引張り材自由長の
端面32まで、ポリエチレン製のパイプがシース33で
被覆されている。図2に示すように、受圧杭付着長に相
当する鋼管23の外表面と削孔22の内周面との間には
グラウト加圧注入部34が形成され、また、アンカー体
定着長に相当する引張り材28の外表面及びシース33
の外表面と削孔31の内周面との間には、前記グラウト
加圧注入部35が形成されている。グラウト加圧注入部
34の法面21側から法面21までの鋼管23の外表面
と削孔22の内周面との間にはグラウト充填部36が形
成され、その他のシース33の外表面と鋼管23の内表
面及び削孔31との間にはグラウト充填部37が形成さ
れている。なお、符号30はアンカー体である。
【0011】図3〜図7に詳細を示す管体24は、鋼管
23の周囲には、グラウトの充填、加圧注入用の上、下
段パッカー42、43や、鋼管23の削孔22に対する
芯出し用として放射状に複数配置された上、下段スペー
サー60、61が取付けられている。上、下段パッカー
42、43は細長い袋で、これを鋼管23に巻き付け
て、袋の中にグラウトが注入できるように、細長い上、
下段パッカー用注入パイプ44、45が接続されてい
る。上、下段パッカー42、43は、その間に形成され
るグラウト加圧注入部34に加圧注入パイプ46を通し
て加圧注入されるグラウトが漏れないようにしている。
なお、図3、図4中の符号47は、グラウト加圧注入部
34内の空気を外部に排出するための排気用パイプを表
している。また鋼管23の下端部の内部には、引張り材
28の削孔31に対する芯出し用として放射状に複数配
置されたウイング62が取付けられている。
23の周囲には、グラウトの充填、加圧注入用の上、下
段パッカー42、43や、鋼管23の削孔22に対する
芯出し用として放射状に複数配置された上、下段スペー
サー60、61が取付けられている。上、下段パッカー
42、43は細長い袋で、これを鋼管23に巻き付け
て、袋の中にグラウトが注入できるように、細長い上、
下段パッカー用注入パイプ44、45が接続されてい
る。上、下段パッカー42、43は、その間に形成され
るグラウト加圧注入部34に加圧注入パイプ46を通し
て加圧注入されるグラウトが漏れないようにしている。
なお、図3、図4中の符号47は、グラウト加圧注入部
34内の空気を外部に排出するための排気用パイプを表
している。また鋼管23の下端部の内部には、引張り材
28の削孔31に対する芯出し用として放射状に複数配
置されたウイング62が取付けられている。
【0012】図12中の符号28a、28bは引張り材
を表している。図13中の符号49は植生工、符号50
は蓋、符号51はコンクリートボックス、符号52は敷
きモルタルを表している。図14中の符号53は吹き付
けモルタル、符号54はコンクリートブロック、符号5
5は敷きモルタルを表している。図15中の符号56は
吹き付けモルタル(又は植生工)を表している。図16
中の符号15cは受圧杭、符号28c〜28eは引張り
材、符号30aはアンカー体(又はアンカー定着体)を
表している。図17中の符号57は角度調整用台座を表
している。図18中の符号15dは受圧杭、符号28f
〜28iは引張り材、符号30bはアンカー体(又はア
ンカー定着体)を表している。図19中の符号58は補
強金網、符号59は吹き付けモルタルを表している。
を表している。図13中の符号49は植生工、符号50
は蓋、符号51はコンクリートボックス、符号52は敷
きモルタルを表している。図14中の符号53は吹き付
けモルタル、符号54はコンクリートブロック、符号5
5は敷きモルタルを表している。図15中の符号56は
吹き付けモルタル(又は植生工)を表している。図16
中の符号15cは受圧杭、符号28c〜28eは引張り
材、符号30aはアンカー体(又はアンカー定着体)を
表している。図17中の符号57は角度調整用台座を表
している。図18中の符号15dは受圧杭、符号28f
〜28iは引張り材、符号30bはアンカー体(又はア
ンカー定着体)を表している。図19中の符号58は補
強金網、符号59は吹き付けモルタルを表している。
【0013】次いで、本発明の一実施の形態に係るグラ
ンドアンカーの構築構造20を適用したグランドアンカ
ーの構築方法について、図2を主に参照しながら説明す
る。 (1)受圧杭用ボーリング 所定のアンカー打設位置に決められた方向、角度で、削
孔径(ボーリング口径)250mm程度、深度(ボーリ
ング長さ)3〜5m程度のボーリングを行って削孔22
を形成する。法面21に近い部分の地盤11は、比較的
軟らかいために、削孔径を大きくしてボーリング長さも
できるだけ深くした方が大きな抵抗力が期待できる。グ
ランドアンカーにおいては、その打設に先立って施工位
置の地盤強度を、計画値と比較するのに基本試験という
強度試験が実施される。実際にアンカーを打設して試験
するためにかなり精度の高い地盤強度を知ることができ
る。受圧杭15aにおいても、実際に施工して、アンカ
ーと同時に基本試験を実施してボーリング口径、ボーリ
ング長さの適否を判定することができる。
ンドアンカーの構築構造20を適用したグランドアンカ
ーの構築方法について、図2を主に参照しながら説明す
る。 (1)受圧杭用ボーリング 所定のアンカー打設位置に決められた方向、角度で、削
孔径(ボーリング口径)250mm程度、深度(ボーリ
ング長さ)3〜5m程度のボーリングを行って削孔22
を形成する。法面21に近い部分の地盤11は、比較的
軟らかいために、削孔径を大きくしてボーリング長さも
できるだけ深くした方が大きな抵抗力が期待できる。グ
ランドアンカーにおいては、その打設に先立って施工位
置の地盤強度を、計画値と比較するのに基本試験という
強度試験が実施される。実際にアンカーを打設して試験
するためにかなり精度の高い地盤強度を知ることができ
る。受圧杭15aにおいても、実際に施工して、アンカ
ーと同時に基本試験を実施してボーリング口径、ボーリ
ング長さの適否を判定することができる。
【0014】(2)鋼管の建て込み 受圧杭15aの主材には、鋼管23を使用するが、所定
の強度があればプラスチック管、コンクリート管も使用
することができる。鋼管23の径は、外径が140、1
65、210mm程度のもので、鋼管23の長さは3〜
5m位で納まる。図8に示すように、鋼管23aに締め
付けナット39を装着したものも使用されており、これ
は図16及び図17に受圧杭の施工例を示すように、擁
壁の補強に使用する場合で、受圧杭38によって躯体4
0の当接面41の土圧を軽減した後で、躯体40を受圧
杭38に締め付けてより安定を計っている。従来工法で
は、躯体に100%アンカー力が作用するために躯体を
補強する必要があった。また、図13、図14に示すよ
うに、アンカー口元の地盤11が弱くて荒れる場合で、
コンクリートボックス51、コンクリートブロック54
で始末する時に、コンクリートボックス51、コンクリ
ートブロック54を受圧杭に締め付けることができる。
なお、図8中符号17aは、引張り材28の芯出し用の
挿通孔を表している。
の強度があればプラスチック管、コンクリート管も使用
することができる。鋼管23の径は、外径が140、1
65、210mm程度のもので、鋼管23の長さは3〜
5m位で納まる。図8に示すように、鋼管23aに締め
付けナット39を装着したものも使用されており、これ
は図16及び図17に受圧杭の施工例を示すように、擁
壁の補強に使用する場合で、受圧杭38によって躯体4
0の当接面41の土圧を軽減した後で、躯体40を受圧
杭38に締め付けてより安定を計っている。従来工法で
は、躯体に100%アンカー力が作用するために躯体を
補強する必要があった。また、図13、図14に示すよ
うに、アンカー口元の地盤11が弱くて荒れる場合で、
コンクリートボックス51、コンクリートブロック54
で始末する時に、コンクリートボックス51、コンクリ
ートブロック54を受圧杭に締め付けることができる。
なお、図8中符号17aは、引張り材28の芯出し用の
挿通孔を表している。
【0015】(3)鋼管の外周にグラウトの加圧注入 図2に示すように、鋼管23の外周には加圧注入部34
を形成して入念にグラウトを注入する。注入は加圧注入
として周囲の地盤11の強化と共に、グラウトの脱水に
よって強度を上げて、鋼管23の地盤11との周面摩擦
抵抗力を増大させることができる。加圧注入をするに
は、図9に模式的に示すように、鋼管23の上下の所定
位置の外表面に上、下段パッカー42、43を取付け、
加圧注入するグラウトが漏れないようにする。
を形成して入念にグラウトを注入する。注入は加圧注入
として周囲の地盤11の強化と共に、グラウトの脱水に
よって強度を上げて、鋼管23の地盤11との周面摩擦
抵抗力を増大させることができる。加圧注入をするに
は、図9に模式的に示すように、鋼管23の上下の所定
位置の外表面に上、下段パッカー42、43を取付け、
加圧注入するグラウトが漏れないようにする。
【0016】上、下段パッカー用注入パイプ44、45
を通してグラウトを上、下段パッカー42、43に加圧
注入すると、上、下段パッカー42、43はしっかり膨
らむので、後で加圧注入パイプ46を介して本加圧注入
されるグラウトを逃すことがない。加圧注入部34の地
表面16側の削孔22内にはグラウトを充填してグラウ
ト充填部36を形成する。 (4)グランドアンカーの打設 従来の施工方法と同様に、グランドアンカーを打設す
る。
を通してグラウトを上、下段パッカー42、43に加圧
注入すると、上、下段パッカー42、43はしっかり膨
らむので、後で加圧注入パイプ46を介して本加圧注入
されるグラウトを逃すことがない。加圧注入部34の地
表面16側の削孔22内にはグラウトを充填してグラウ
ト充填部36を形成する。 (4)グランドアンカーの打設 従来の施工方法と同様に、グランドアンカーを打設す
る。
【0017】(5)アンカーの緊張定着(受圧杭の安全
性) 図2に示すように、鋼管23の天端部に支圧板17の嵌
入溝18を嵌入し、支圧板17の背面にナット26を引
張り材28のネジ先端部29と螺合し、図示しない緊張
用ジャッキを使用して緊張定着作業を行う。支圧板17
は、鋼管23の天端部が嵌入溝18に嵌入され、当接さ
れてセットされた状態で、鋼管23のスリーブとの当接
端面が鋼管23の軸方向に直交すると共に、引張り材2
8を鋼管23の中心に保持可能なように構成している。
従って、引張り材28を周方向に均等に引張ることがで
きる。緊張定着作業では基本試験で得られた資料をもっ
て、引張り材28の変位量と受圧杭15aの変位量が許
容内かどうかの判定ができるので、受圧杭15aについ
ての安全性を確保できる。
性) 図2に示すように、鋼管23の天端部に支圧板17の嵌
入溝18を嵌入し、支圧板17の背面にナット26を引
張り材28のネジ先端部29と螺合し、図示しない緊張
用ジャッキを使用して緊張定着作業を行う。支圧板17
は、鋼管23の天端部が嵌入溝18に嵌入され、当接さ
れてセットされた状態で、鋼管23のスリーブとの当接
端面が鋼管23の軸方向に直交すると共に、引張り材2
8を鋼管23の中心に保持可能なように構成している。
従って、引張り材28を周方向に均等に引張ることがで
きる。緊張定着作業では基本試験で得られた資料をもっ
て、引張り材28の変位量と受圧杭15aの変位量が許
容内かどうかの判定ができるので、受圧杭15aについ
ての安全性を確保できる。
【0018】(6)表面地盤の小崩壊及び浸食の防止作
業 受圧杭15aの周面摩擦抵抗力が周辺地盤に伝達され、
周辺地盤に剪断抵抗力による応力分布圏が発生するが、
図11に示すように、その圏外48の表層が肌落ちによ
り小崩壊したり、また雨水により浸食されることが考え
られる。しかし、この対策として、簡易法枠工法、モル
タル吹き付け工法(図14、図15及び図19を参
照)、植生工法(図13を参照)等を併用することで、
小崩壊及び浸食が防止できる。
業 受圧杭15aの周面摩擦抵抗力が周辺地盤に伝達され、
周辺地盤に剪断抵抗力による応力分布圏が発生するが、
図11に示すように、その圏外48の表層が肌落ちによ
り小崩壊したり、また雨水により浸食されることが考え
られる。しかし、この対策として、簡易法枠工法、モル
タル吹き付け工法(図14、図15及び図19を参
照)、植生工法(図13を参照)等を併用することで、
小崩壊及び浸食が防止できる。
【0019】鋼管の外周にグラウトを加圧注入するの
に、各注入パイプ44、45、46を鋼管23の外側に
配置した実施の形態について説明したが、図10に示す
ように、削孔22aの径を小さくするために、各注入パ
イプ44a、45a、46aを鋼管23c内に配置する
こともできる。図10中矢印はグラウトの移動方向を表
しており、図10(A)は鋼管23cを削孔22aに挿
入した後、下段パッカー43aにグラウトを注入する場
合、図10(B)は下段パッカー43aに充填後、孔口
22bよりグラウトが溢れるまでグラウトを注入する場
合、図10(C)は上段パッカー42aにグラウトを充
填後、上、下段パッカー42a、43a間にグラウトを
加圧注入する場合を表している。
に、各注入パイプ44、45、46を鋼管23の外側に
配置した実施の形態について説明したが、図10に示す
ように、削孔22aの径を小さくするために、各注入パ
イプ44a、45a、46aを鋼管23c内に配置する
こともできる。図10中矢印はグラウトの移動方向を表
しており、図10(A)は鋼管23cを削孔22aに挿
入した後、下段パッカー43aにグラウトを注入する場
合、図10(B)は下段パッカー43aに充填後、孔口
22bよりグラウトが溢れるまでグラウトを注入する場
合、図10(C)は上段パッカー42aにグラウトを充
填後、上、下段パッカー42a、43a間にグラウトを
加圧注入する場合を表している。
【0020】本実施の形態においては、支圧板17に
は、鋼管23の天端部が嵌入可能な嵌入溝18を形成し
たが、嵌入溝18を形成しなくても構わない。支圧板1
7を一体構造としたが、嵌入溝18を形成した芯出し部
材と、該芯出し部材の背面に当接すると共に、ナット2
6に当接する当接部材とに分割して構成することもでき
る。鋼管の断面をパイプ状としたが、状況に応じて断面
3角、4角形又は5角形以上の多角形を有する薄肉の筒
状物でも構わない。アンカー頭部の定着方式はナット方
式としたが、必要に応じて、くさび方式とすることもで
きる。鋼管の外周にはグラウトを加圧注入したが、状況
に応じてグラウトを無圧で注入する場合もある。
は、鋼管23の天端部が嵌入可能な嵌入溝18を形成し
たが、嵌入溝18を形成しなくても構わない。支圧板1
7を一体構造としたが、嵌入溝18を形成した芯出し部
材と、該芯出し部材の背面に当接すると共に、ナット2
6に当接する当接部材とに分割して構成することもでき
る。鋼管の断面をパイプ状としたが、状況に応じて断面
3角、4角形又は5角形以上の多角形を有する薄肉の筒
状物でも構わない。アンカー頭部の定着方式はナット方
式としたが、必要に応じて、くさび方式とすることもで
きる。鋼管の外周にはグラウトを加圧注入したが、状況
に応じてグラウトを無圧で注入する場合もある。
【0021】
【発明の効果】請求項1〜5記載のグランドアンカーの
構築構造においては、受圧体が地盤中に埋設される受圧
杭からなり、受圧杭の周面と地盤との剪断抵抗によって
引張り力を受けることができ、これによってアンカー打
設時に同時に受圧杭の施工ができるので、施工性及び経
済性が向上する。同時に、目立たない構成とすることが
できるので、景観性も向上する。特に、請求項2記載の
グランドアンカーの構築構造においては、引張り力が受
圧杭の周方向に均等に負担できるので、よりコンパクト
な受圧杭の設計が可能となり、さらに経済性が向上す
る。請求項3記載のグランドアンカーの構築構造におい
ては、容易に芯出し作業ができるので、施工性がさらに
向上する。
構築構造においては、受圧体が地盤中に埋設される受圧
杭からなり、受圧杭の周面と地盤との剪断抵抗によって
引張り力を受けることができ、これによってアンカー打
設時に同時に受圧杭の施工ができるので、施工性及び経
済性が向上する。同時に、目立たない構成とすることが
できるので、景観性も向上する。特に、請求項2記載の
グランドアンカーの構築構造においては、引張り力が受
圧杭の周方向に均等に負担できるので、よりコンパクト
な受圧杭の設計が可能となり、さらに経済性が向上す
る。請求項3記載のグランドアンカーの構築構造におい
ては、容易に芯出し作業ができるので、施工性がさらに
向上する。
【0022】請求項4記載のグランドアンカーの構築構
造においては、管体の外周には複数のスペーサーが設け
られ、管体の内周には複数のウイングが設けられて、管
体及びグランドアンカー用削孔の芯出しを行うことがで
きるので、これによって各芯出し作業が簡略化され、精
度の高いグランドアンカーが打設できる。請求項5記載
のグランドアンカーの構築構造においては、管体内部に
グラウトを注入可能な注入パイプを設けているので、管
体を建て込む削孔の径を小さくでき、従って、削孔作業
を簡略化でき、削孔費用を軽減できる。請求項6記載の
グランドアンカーの構築方法においては、所定の深さの
削孔内に管体を建て込み、次いで管体の外周にグラウト
を加圧注入して受圧杭を形成後、受圧杭内にグランドア
ンカーを打設するので、アンカー打設時に同時に受圧杭
の施工ができ、施工性及び経済性が向上すると共に、景
観性も向上する。
造においては、管体の外周には複数のスペーサーが設け
られ、管体の内周には複数のウイングが設けられて、管
体及びグランドアンカー用削孔の芯出しを行うことがで
きるので、これによって各芯出し作業が簡略化され、精
度の高いグランドアンカーが打設できる。請求項5記載
のグランドアンカーの構築構造においては、管体内部に
グラウトを注入可能な注入パイプを設けているので、管
体を建て込む削孔の径を小さくでき、従って、削孔作業
を簡略化でき、削孔費用を軽減できる。請求項6記載の
グランドアンカーの構築方法においては、所定の深さの
削孔内に管体を建て込み、次いで管体の外周にグラウト
を加圧注入して受圧杭を形成後、受圧杭内にグランドア
ンカーを打設するので、アンカー打設時に同時に受圧杭
の施工ができ、施工性及び経済性が向上すると共に、景
観性も向上する。
【図1】本発明の一実施の形態に係るグランドアンカー
の構築構造の概念構成図である。
の構築構造の概念構成図である。
【図2】同グランドアンカーの構築構造の詳細構成図で
ある。
ある。
【図3】管体の構成図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図3のB−B断面図である。
【図6】図3のC−C断面図である。
【図7】図3のD−D断面図である。
【図8】締め付けナット付き鋼管の構成図である。
【図9】鋼管と地盤との間にグラウトを加圧注入する説
明図である。
明図である。
【図10】鋼管と地盤との間にグラウトを加圧注入する
他の説明図である。
他の説明図である。
【図11】受圧杭の影響を受けない中間部分の表層の説
明図である。
明図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る同グランドアン
カーの構築構造を法面安定化を考慮して適用した場合の
実施例の全体構成図である。
カーの構築構造を法面安定化を考慮して適用した場合の
実施例の全体構成図である。
【図13】同グランドアンカーの構築構造を法面安定化
を考慮して適用した場合の実施例の要部構成図である。
を考慮して適用した場合の実施例の要部構成図である。
【図14】同グランドアンカーの構築構造を法面安定化
を考慮して適用した場合の実施例の要部構成図である。
を考慮して適用した場合の実施例の要部構成図である。
【図15】同グランドアンカーの構築構造を法面安定化
を考慮して適用した場合の実施例の要部構成図である。
を考慮して適用した場合の実施例の要部構成図である。
【図16】同グランドアンカーの構築構造を擁壁の補強
を考慮して適用した場合の実施例の全体構成図である。
を考慮して適用した場合の実施例の全体構成図である。
【図17】同グランドアンカーの構築構造を擁壁の補強
を考慮して適用した場合の実施例の要部構成図である。
を考慮して適用した場合の実施例の要部構成図である。
【図18】同グランドアンカーの構築構造を親杭工を考
慮して適用した場合の実施例の全体構成図である。
慮して適用した場合の実施例の全体構成図である。
【図19】同グランドアンカーの構築構造を親杭工を考
慮して適用した場合の実施例の要部構成図である。
慮して適用した場合の実施例の要部構成図である。
【図20】従来例に係るグランドアンカーの構築構造の
概念構成図である。
概念構成図である。
【図21】同グランドアンカーの構築構造の詳細構成図
である。
である。
10:グランドアンカーの構築構造、11:地盤、1
2:アンカー体、13:引張り部、14:アンカー頭
部、15、15a〜15d:受圧杭(受圧体)、16:
地表面、17:支圧板、17a:挿通孔、18:嵌入
溝、20:グランドアンカーの構築構造、21:法面、
22、22a:削孔、22b:孔口、23、23a、2
3b、23c:鋼管、24:管体、25:背面、26:
ナット(アンカー頭部)、28:引張り材(引張り
部)、28a〜28i:引張り材(引張り部)、29:
ネジ先端部、30、30a、30b:アンカー体(アン
カー定着体)、31:削孔、32:端面、33:シー
ス、34:グラウト加圧注入部、35:グラウト加圧注
入部、36:グラウト充填部、37:グラウト充填部、
38:受圧杭、39:締め付けナット、40:躯体、4
1:当接面、42、42a:上段パッカー、43、43
a:下段パッカー、44、44a:上段パッカー用注入
パイプ、45、45a:下段パッカー用注入パイプ、4
6、46a:加圧注入パイプ、47:排気用パイプ、4
8:圏外、49:植生工、50:蓋、51:コンクリー
トボックス、52:敷きモルタル、53:吹き付けモル
タル、54:コンクリートブロック、55:敷きモルタ
ル、56:吹き付けモルタル、57:角度調整用台座、
58:補強金網、59:吹き付けモルタル、60:上段
スペーサー、61:下段スペーサー、62:ウイング
2:アンカー体、13:引張り部、14:アンカー頭
部、15、15a〜15d:受圧杭(受圧体)、16:
地表面、17:支圧板、17a:挿通孔、18:嵌入
溝、20:グランドアンカーの構築構造、21:法面、
22、22a:削孔、22b:孔口、23、23a、2
3b、23c:鋼管、24:管体、25:背面、26:
ナット(アンカー頭部)、28:引張り材(引張り
部)、28a〜28i:引張り材(引張り部)、29:
ネジ先端部、30、30a、30b:アンカー体(アン
カー定着体)、31:削孔、32:端面、33:シー
ス、34:グラウト加圧注入部、35:グラウト加圧注
入部、36:グラウト充填部、37:グラウト充填部、
38:受圧杭、39:締め付けナット、40:躯体、4
1:当接面、42、42a:上段パッカー、43、43
a:下段パッカー、44、44a:上段パッカー用注入
パイプ、45、45a:下段パッカー用注入パイプ、4
6、46a:加圧注入パイプ、47:排気用パイプ、4
8:圏外、49:植生工、50:蓋、51:コンクリー
トボックス、52:敷きモルタル、53:吹き付けモル
タル、54:コンクリートブロック、55:敷きモルタ
ル、56:吹き付けモルタル、57:角度調整用台座、
58:補強金網、59:吹き付けモルタル、60:上段
スペーサー、61:下段スペーサー、62:ウイング
Claims (6)
- 【請求項1】 地盤中に埋設され、その周面と該地盤と
の剪断抵抗によって引張り力を該地盤に伝達するアンカ
ー体と、前記引張り力を該アンカー体に伝達する引張り
部と、該引張り部に設けられた支圧板を介して受圧体か
らの前記引張り力を前記引張り部に伝達するアンカー頭
部を備えたグランドアンカーの構築構造において、前記
受圧体は、前記引張り部の上部が挿通して前記地盤中に
埋設される所定長さの管体を備えた受圧杭からなり、該
受圧杭の周面と前記地盤との剪断抵抗によって前記引張
り力を受ける構成としたことを特徴とするグランドアン
カーの構築構造。 - 【請求項2】 請求項1記載のグランドアンカーの構築
構造において、前記管体の前記支圧板との当接端面が、
該受圧杭の軸方向に直交することを特徴とするグランド
アンカーの構築構造。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のグランドアンカー
の構築構造において、前記支圧板には、前記受圧杭の管
体の当接端部が嵌入する嵌入溝が形成されると共に、前
記引張り部の前記管体に対する芯出しが可能な挿通孔が
形成されていることを特徴とするグランドアンカーの構
築構造。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のグ
ランドアンカーの構築構造において、前記管体の上、下
部外周にはそれぞれ複数のスペーサーが設けられ、前記
管体の下部内周には複数のウイングが設けられて、前記
管体及びグランドアンカー用削孔の芯出しを行うことを
特徴とするグランドアンカーの構築構造。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のグ
ランドアンカーの構築構造において、前記管体内部には
上、下段パッカー内及び上、下段パッカー間にグラウト
を注入可能な注入パイプを設けたことを特徴とするグラ
ンドアンカーの構築構造。 - 【請求項6】 地盤中に埋設され、その周面と該地盤と
の剪断抵抗によって引張り力を該地盤に伝達するアンカ
ー体と、前記引張り力を該アンカー体に伝達する引張り
部と、該引張り部に設けられた支圧板を介して受圧体か
らの前記引張り力を前記引張り部に伝達するアンカー頭
部を備えたグランドアンカーの構築方法において、前記
受圧体用の所定の深さの削孔を形成し、該削孔内に管体
を建て込み、次いで該管体の外周にグラウトを注入又は
加圧注入して受圧杭を形成後、該受圧杭内に前記グラン
ドアンカーを打設することを特徴とするグランドアンカ
ーの構築方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11159691A JP2000345560A (ja) | 1999-06-07 | 1999-06-07 | グランドアンカーの構築構造及びその構築方法 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009221684A (ja) * | 2008-03-14 | 2009-10-01 | Kfc Ltd | 斜面安定化工法 |
JP2010210317A (ja) * | 2009-03-09 | 2010-09-24 | Japan Atomic Energy Agency | 光ファイバ式岩盤内変位計システム |
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JP2015196981A (ja) * | 2014-04-01 | 2015-11-09 | 株式会社国土再生研究所 | 既設土留擁壁の補強構造 |
WO2015176614A1 (zh) * | 2014-05-21 | 2015-11-26 | 苏州市能工基础工程有限责任公司 | 压力分散型扩大头锚杆的施工方法及结构 |
JP2020023818A (ja) * | 2018-08-07 | 2020-02-13 | 鹿島建設株式会社 | 矩形立坑及びその構築方法 |
-
1999
- 1999-06-07 JP JP11159691A patent/JP2000345560A/ja active Pending
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