JP2000343335A - 加熱装置 - Google Patents

加熱装置

Info

Publication number
JP2000343335A
JP2000343335A JP11153819A JP15381999A JP2000343335A JP 2000343335 A JP2000343335 A JP 2000343335A JP 11153819 A JP11153819 A JP 11153819A JP 15381999 A JP15381999 A JP 15381999A JP 2000343335 A JP2000343335 A JP 2000343335A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
opening
heating
cam piece
hole
heated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11153819A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Kihara
均 木原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP11153819A priority Critical patent/JP2000343335A/ja
Publication of JP2000343335A publication Critical patent/JP2000343335A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カムピースを加熱する際の温度制御を容易と
する。 【構成】 加熱手段42をカムピース18の開口26へと挿入
する。複数の板材43はいずれも均等に変形し、開口26の
内周面の全周に渡って均等に接触する。しかも、板材43
が変形することにより生ずる弾性力で、板材43を開口26
の内側面に圧接する。加熱手段42の中心軸が、カムピー
スの開口26の中心に対して芯ズレを起こした状態で挿入
された場合も、各板材43は夫々開口26の内側面に倣って
適切に変形し、全ての板材43が開口26の内側面に密着す
る。すなわち、加熱手段42がカムピースの開口26に挿入
された状態とは無関係に、開口26の内側面に密着する面
積を一定とし、単位時間当りの熱伝導量を常に安定させ
る。いずれの板材43もプラグヒータ37とほぼ同じ温度へ
と加温されているので、開口26の内周面に対し均等に、
かつ短時間で加熱することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カムピース等、貫
通穴を有する部材を加熱膨張せるための、加熱装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの給排気バルブの開閉に用いら
れるカムシャフトは、円柱状(又は円筒状)のシャフト
本体と、カムピースとを別部材とし、これらを組み合わ
せた構造を有するものが多い。このような構造を採る主
な理由は、シャフト本体とカムピースとに異なる機械的
性質が求められることによる。
【0003】ところで、もし、シャフト本体とカムピー
スとの位相にずれが生じると、エンジンを損傷するおそ
れがある。したがって、双方にずれを生じないように固
定することが必要不可欠となる。ここで、シャフト本体
にカムピースを強固に固定するための1つの手法とし
て、「焼きばめ」が行われている。焼きばめは、カムピ
ースを加熱炉に投入して加熱し、膨張によって開口の径
を拡大したカムピースをカムシャフトの組立装置にセッ
トして、シャフト本体に組み付けるものである。そし
て、膨張した状態でシャフト本体に組み付けられたカム
ピースは、その後の冷却により収縮し、シャフト本体に
対し、しまりばめの状態で強固に固定されることにな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この、カムピースを加
熱する手段として、従来より、特開平10-156635 号公報
に開示されているような焼きばめ装置が用いられてい
た。かかる焼きばめ装置は、被加熱物を磁界中に置くこ
とにより、当該被加熱物内に生ずる電流でジュール熱を
発生させ、被加熱物を加熱、膨張させるものである。し
かしながら、ジュール熱を利用して被加熱物を加熱、膨
張させる手法では、磁束を発生させるコイルと被加熱物
との位置ずれや、被加熱物の電気抵抗値等によって、発
生する熱量が著しく異なるものである。よって、特に複
数の被加熱物を同時に加熱する必要がある場合には、各
被加熱物の温度にばらつきが生じ易く、品質管理が困難
であるという欠点があった。この問題は、被加熱物の温
度上昇に十分な時間をかけても解消されるものではなか
った。また、かかる装置は、装置自体のコストが高くな
るという欠点もあった。
【0005】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、複数の被加熱物(カム
ピース等)を同時に加熱する場合であっても、各被加熱
物の温度制御を容易とし、かつ、加熱装置のコストを低
減させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の請求項1に係る加熱装置は、貫通穴を有する
部材を加熱膨張させるための装置であって、前記貫通穴
に挿入してその内周面に対し均等に加熱を行う加熱手段
を有することを特徴とする。
【0007】本発明によると、前記加熱手段を前記部材
の貫通穴に挿入して、その内周面に対し均等に加熱を行
うことで、前記部材に対し内周面から部材内部へと均等
に熱伝導を行い、膨張させる。
【0008】また、本発明の請求項2に係る加熱装置に
よると、前記加熱手段は、前記貫通穴の内周面に対する
距離を均一に保つ保持手段を備える。そして、該保持手
段によって、前記貫通穴の内周面に対する前記加熱手段
の距離を均一に保つことにより、前記貫通穴の内周面に
対し均等な加熱を行う。
【0009】また、本発明の請求項3に係る加熱装置に
よると、前記加熱手段は、前記貫通穴の内周面の全周に
渡って均等に接触する接触手段を備える。該接触手段に
より、前記貫通穴の内周面に対し、前記加熱手段の熱を
均等に伝導することが可能となる。そして、前記部材を
その内周面から均等に熱膨張させる。
【0010】さらに、本発明の請求項4に係る加熱装置
によると、前記加熱手段は、前記貫通穴の内側面形状に
倣い変形する変形部を備える。そして、該変形部が前記
貫通穴の内側面に密着する面積を増加させ、単位時間当
りの熱伝導量を増大させる。また、前記貫通穴に対する
前記加熱装置の挿入、抜き出しの際に、前記変形部が適
切に変形することにより、抜入作業を円滑に行う。
【0011】また、本発明の請求項5に係る加熱装置に
よると、前記変形部は所定の熱伝導性を備え、かつ熱源
にその一部を密着するものである。したがって、前記熱
源の熱が、前記変形部を介して、前記貫通穴の内側面へ
と効率的に伝導される。
【0012】加えて、本発明の請求項6に係る加熱装置
によると、前記貫通穴を有する部材がカムピースであ
り、前記貫通穴がカム軸挿入穴であることが望ましい。
そして、カムピースをカム軸挿入穴の内周面から均等に
加熱し、熱膨張させる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0014】図1には、本発明の実施の形態に係る加熱
装置の適用例として、カムシャフトの組立装置1を示し
ている。カムシャフト組立装置1は、シャフト本体2を
上下に昇降させる昇降装置3と、カムピースを載置する
ための複数のテーブル4と、各カムピースをテーブル4
上に載置した状態で加熱する加熱装置5とを備えてい
る。まず、加熱装置5の説明をする前に、カムシャフト
組立装置1の全体的構造について説明する。
【0015】昇降装置3は、一体的に昇降する上部スラ
イダ6と下部スライダ8とを備える。そして、上部スラ
イダ6にはシャフト本体2の一端部を保持するクランパ
7を備える。また、下部スライダ8は、該下部スライダ
8に対し昇降可能なロッド9を備える。そして、シャフ
ト本体2の両端部をクランパ7とロッド9の先端とで挟
持することにより、シャフト本体2をカムシャフトの組
立装置1の中心軸CL上に支持することができる。な
お、ロッド9の径は、各カムピースの開口(シャフト本
体2を挿通させる開口)よりも小径をなしている。
【0016】テーブル4は、図示のごとくカムシャフト
の組立装置1の中心軸CL を挟んで右側に5個、左側に
4個の合計9個が設けられている。この数は、カムシャ
フトに必要とされるカムピースの数によって決定される
ものである。図2には、中心軸CL を挟んで右側に設け
られた5個のテーブル4を示している。また、図3に
は、図2に示すテーブル4の上面図を示している。図2
に示すように、各テーブル4(4a〜4e)は水平かつ
互いに平行に、しかも階段状に配置されている。このよ
うに、各テーブル4a〜4eが重ならないように離間し
た状態を、本発明の実施の形態では「第2位置」とい
う。各テーブルの上下方向の位置関係は、これらに1つ
づつ載置されるカムピースが、シャフト本体2に固定さ
れる際の、シャフト本体2の長手方向に対する位置関係
と一致するようになっている。互いに隣接するテーブル
間は、水平かつ中心軸CL に対し離間接近する方向に作
動するリニアガイド10(10a〜10d)で連結されてい
る。最も下方に位置するテーブル4eは、支持部材11に
対しリニアガイド10eを介して支持されている。なお、
支持部材11は、図5に示すようにカムシャフトの組立装
置1に固定されており、シャフト本体2の挿通穴17を備
える。
【0017】また、各テーブル4a〜4eの下面には、
コイルバネ等の弾性手段12(12a〜12e)を設けてい
る。各弾性手段12a〜12eは、それが固定される各テー
ブル4a〜4eと共に移動し、隣接するテーブル又は支
持部材11に設けられた位置決めブロック13(13b〜13
f)の右側面に当接する。さらに、各テーブル4a〜4
eに対し中心軸CL を挟んで対向する位置には、位置決
めストッパー14(14a〜14e)を備える。この位置決め
ストッパー14(14a〜14e)は、カムシャフトの組立装
置1に固定されている。この位置決めストッパー14a〜
14eは、各テーブルが図4に示す「第1位置」(後述す
る)にあるとき、各テーブル4a〜4eに設けられた位
置決めブロック13a〜13eの左側面が当接することによ
り、各テーブルの位置を保証するものである。
【0018】さらに、テーブル4aにはジョイント15を
介してリニアアクチュエータ16(図3)が連結されてい
る。リニアアクチュエータ16は、中心軸CL に対し離間
接近する方向に作動する。カムピース18(18a〜18e)
は、各テーブル4a〜4e上に1個づつ載置される。そ
して、各テーブル4a〜4eに設けたクランプ19,20
で、所定の回転角に合わせた状態で保持することができ
る。各クランプ19,20の形状は、各カムピース18a〜18
eの開口が、中心軸CL を通り各リニアガイド10の作動
方向に平行な線上に、1列に整列することができるもの
とする。クランプ20には、開閉作動用の動力源であるア
クチュエータ21(21a〜20e)が接続されている。な
お、説明の便宜上、図2及び図4ではクランプ19,20及
びアクチュエータ21の図示を省略している。
【0019】なお、カムシャフトの組立装置1の中心軸
L を挟んで左側に設けられた各テーブル4について
は、その数が4個である点と、各テーブル等の位置関係
が左右対称である点を除き、中心軸CL の右側にある各
テーブル4a〜4eと同一の構成を有していることか
ら、詳しい説明を省略する。
【0020】さて、リニアアクチュエータ16を中心軸C
L の方向へと駆動すると、その動力はテーブル4aに伝
達され、テーブル4aはリニアガイド10aによってテー
ブル4bの真上へ向けて移動する。すると、テーブル4
aに固定された弾性手段12aの先端が、テーブル4bに
固定された位置決めブロック13bの右側面に当接する。
そして、弾性手段12aが圧縮され、弾性力を発生させ
る。弾性手段12aの弾性力とテーブル4aを介して伝達
されるリニアアクチュエータ16の動力とが均衡すると
(もしくは、弾性手段12aの圧縮限度に達すると)、弾
性手段12aはそれ以上圧縮しなくなる。この位置が、リ
ニアガイド10aによるテーブル4aの移動限度となる。
この後は、テーブル4a、弾性手段12aを介してリニア
アクチュエータ16の動力がテーブル4bに伝達され、テ
ーブル4a,4bは一体となり、リニアガイド10b上を
テーブル4cの真上へ向けて移動する。
【0021】そして、テーブル4bに固定された弾性手
段12bの先端が、テーブル4cに固定された位置決めブ
ロック13cの右側面に当接する。そして、弾性手段12b
が圧縮され、弾性力を発生させる。この後は、テーブル
4a対テーブル4bのときと同様に、テーブル4a〜4
cが一体となって、テーブル4dの真上へ向けて移動す
る。このように、リニアアクチュエータ16の動力が各テ
ーブル4および各弾性手段12を介して順々に伝達され、
各リニアガイド10により水平に移動する。そして、最終
的には各テーブル4a〜4eの位置決めブロック13a〜
13eの左側面が、位置決めストッパー14a〜14eに当接
する。
【0022】最後には、図4に示すように、各テーブル
4a〜4eが同軸上に整列した状態となる。各テーブル
の位置決めブロック13a〜13eの左側面が、位置決めス
トッパー14a〜14eに当接した後は、弾性手段12a〜12
eの弾性力によって、各テーブル4a〜4eを位置決め
ストッパー14a〜14eに押し付け、各テーブルのガタつ
きを抑えることができる。
【0023】なお、中心軸CL を挟んで左側に設けられ
た4個のテーブル4についても、作動方向が左右対称で
ある以外はテーブル4a〜4eと同様に作動し、9個の
テーブル4の全てが同軸上に整列する。このように、各
テーブル4の全てが同軸上に整列した状態(実際には、
各テーブル上に載置されたカムピース18の開口が中心軸
L 上に整列した状態)を、本発明の実施の形態では
「第1位置」という。図5には、図4に示す9個のテー
ブル4を側面から見た状態を示している。図5中斜線で
示す部分は、各テーブル4上に載置されたカムピース18
を示している。
【0024】前述のごとく、各テーブルが第2位置にあ
るときに、各カムピース18は各テーブル4に設けたクラ
ンプ19,20により、所定の回転角に合わせた状態で保持
されている。また、各カムピース18a〜18eの開口は、
中心軸CL を通り各リニアガイド10の作動方向に平行な
線上に、1列に整列されている。したがって、各テーブ
ルが第1位置へと変位した状態では、テーブル上の各カ
ムピース18は、シャフト本体2に固定される際の所定の
回転角が正確に割り出され、かつ、シャフト本体2に対
する長手方向の位置関係も所望の状態に正確に並べられ
た状態で、中心軸CL 上に整列している。
【0025】カムシャフトの組立手順としては、各テー
ブル4が第1位置にあるとき、図1に示す下部スライダ
8のロッド9を上昇させ、各カムピースの開口に挿通す
る。そして、ロッド9の先端とクランパ7との間にシャ
フト本体2を挟み込む。つづいて、シャフト本体2を下
降させて、各カムピース18の開口に挿通することによ
り、カムシャフトの組立作業を終了することができる。
【0026】その後、ロッド9をさらに下方へと待避さ
せ、各カムピースを挟持しているクランプ19,20を解放
し、各テーブル4の切り欠き部29(図3のテーブル4a
にのみ符号を付している。)から、シャフト本体2とこ
れに一体化された各カムピース18を抜き取る。そして、
リニアアクチュエータ16を中心軸CL から離間する方向
へと作動させることにより、各テーブル4は再び図1、
図2に示す第2位置へと復帰する。
【0027】なお、弾性手段12a〜12eのバネレートの
設定については、12aから12eに向かうにつれて低い値
とする。理由は、第2位置から第1位置へと変位する際
に、弾性手段12aにはテーブル4b〜4eの4個のテー
ブル等の荷重がかけられるが、弾性手段12bにはテーブ
ル4c〜4eの3個分の荷重、弾性手段12cにはテーブ
ル4d〜4eの2個分の荷重と、徐々に荷重が減ってい
くことから、負担する荷重に合わせてバネレートを設定
することが望ましいことによる。
【0028】図6には、テーブル4の構造を摸式的に示
している。また図7には、図6のA−A線における断面
図を示している。図示のごとく、クランプ19,20及びア
クチュエータ21は、テーブル4に対し直接的に設けられ
ているのではなく、フローティングプレート22上に設け
られている。このフローティングプレート22は、テーブ
ル4に対し前後左右に摺動可能であり、かつ、テーブル
4との間にスプリング23を介して支持されている。した
がって、フローティングプレート22は、外力を受けると
テーブル4上を前後左右に移動することができる。すな
わち、クランプ19,20、アクチュエータ21は、テーブル
4上でカムピース18を移動可能に支持するフローティン
グホルダを構成している。なお、図7に示すように、テ
ーブル4には開口24、フローティンプレート22には開口
25が夫々設けられており、シャフト本体2の挿通を可能
としている。
【0029】以上のごとく、クランプ19,20、アクチュ
エータ21をフローティングホルダとして構成すると、次
のような利点がある。すなわち、各テーブル4が第1位
置(図4参照)にある状態で、シャフト本体の軸芯CS
と、カムピースの開口26の中心CP とにずれが生じた場
合でも、各カムピース18の開口26にシャフト本体2が挿
通される際に、その位置ずれが受動的に補正される。よ
って、全てのカムピースに対しシャフト本体2を正しく
挿通することが可能となる。
【0030】次に、主に図8〜図14を参照しながら、本
発明の実施の形態に係る加熱装置5についての説明を行
う。加熱装置5は、各テーブル4が前記第2位置にある
とき、各テーブル4の上面に当接し、テーブル上に載置
されたカムピースを覆うようにして、各カムピースを加
熱膨張させるものである。図8には、中心軸CL を挟ん
で右側に配置された加熱装置5を示している。加熱装置
5は、テーブル4と同数(したがって、中心軸CL を挟
んで右側には5個、左側には4個の合計9個)のハウジ
ング30を有する。各ハウジング30は、各テーブル4が前
記第2位置にあるときの位置関係に倣って、ブラケット
31に固定されている。ブラケット31は、中心軸CL と平
行な方向(上下方向)に伸縮する第1アクチュエータ32
と、中心軸CL に対し傾斜する第2アクチュエータ33と
を介して、カムシャフト組立装置1に取付けられてい
る。したがって、第1、第2アクチュエータ32,33を夫
々縮めることにより、各ハウジング30は各テーブル4を
避ける位置へと移動することができる。なお、図8に符
号34で示される部分は、後述するヒータに電力を供給す
るケーブルのトレイである。
【0031】図9には、図8に示される5つのハウジン
グ30をさらに拡大して示している。また、図10にはハウ
ジング30を立体的に示している。各ハウジング30は、ク
ランプ19,20(図3参照)を避けるためにコの字状をな
している。また、図10に示すように、互いに平行な両端
部30a,30bに挟まれる部分30cから、両端部30a,30
bの間へと加熱手段42が延びている。そして、両端部30
a,30bには熱源であるプラグヒータ35,36と、熱電対
等の温度測定手段38,39が設けられている。また、前記
部分30cには、加熱手段42の熱源であるプラグヒータ37
と、熱電対等の温度測定手段40(図10)が設けられてい
る。温度測定手段38,39,40は図示しない温度制御装置
へと測定結果を伝え、これに基づきプラグヒータ35,3
6,37の温度が夫々均一になるように電力供給を行う。
図9中、符号41で示される部分は断熱プレートである。
なお、温度測定手段38,39,40は、各プラグヒータ35,
36,37に直接接触する位置に設けることも、各プラグヒ
ータに内蔵させることも可能である。
【0032】この加熱装置は、カムシャフトを組み立て
る際の準備工程で用いられるものである。すなわち、前
記第1位置にある各テーブル4に、カムピース18を載置
した後、加熱装置5のハウジング30で各テーブル4を覆
い、カムピース18の開口26と、フローティンプレート22
の開口25(図7参照)とに対し加熱手段42を挿通する。
そして、所定の温度に上昇したプラグヒータ35,36,37
の熱で、カムピース18を加熱膨張させる。プラグヒータ
35,36は主に、各テーブル4載置されたカムピース18を
その周辺部から加熱するものとして機能する。また、加
熱手段42は主に、カムピース18を開口26から加熱するも
のとして機能する。
【0033】図11には、図10に示す加熱手段42の単体図
を示している。加熱手段42は、複数の板材43を弓なりに
湾曲させて、両端部をプラグヒータ37に密着、固定(ロ
ウ付け、溶接、接着剤等)したものである。板材43の材
料には、弾性、耐食性(耐酸化性)、熱伝導性に優れた
もの、例えばステンレス鋼等を用いる。したがって、プ
ラグヒータ37を所望の温度に上昇させると、各板材43も
プラグヒータ37とほぼ同じ温度へと素早く加温され、そ
の温度で安定する。また、板材43の数は、被加熱物の大
きさにもよるが、プラグヒータ37の全周を8〜16枚程度
でカバーするものとする。
【0034】また、板材43の形状(長さ、幅、厚さ等)
は、被加熱物の形状に倣い易く、かつ、変形抵抗が小さ
くなることを考慮して決定する。図12には、加熱手段42
の縦断面図を示している。板材43の湾曲形状としては、
(a)に示すような単一のRとしたものや、(b)に示
すように、2つのRをストレート部43aでつないだもの
等が考えられる。いずれの湾曲形状においても、板材43
の最大径Dが、カムピース18の開口26の内径d(図13参
照)よりも若干大きくなるようにする。なお、加熱手段
42をカムピース18の開口26へと挿入した際の、開口26に
対する各板材43の密着性を高めるために、各板材43の横
断面の形状を、開口26の半径r(r=1/2 d)に合わせ
て湾曲させたものとすることが好ましい。
【0035】さて、前述のごとく加熱手段42をカムピー
ス18の開口26へと挿入すると、板材43が図12(a)、
(b)のいずれの形状の場合でも、板材43は図13に示す
ように開口26の内側面形状に倣って弾性変形し、板材43
の最大径Dは、開口26の内径d(d<D)へと縮小す
る。この際、各板材43はいずれも均等に変形し、また、
貫通穴の内周面の全周に渡って均等に接触する。しか
も、板材43が変形することにより生ずる弾性力で、板材
43を開口26の内側面に圧接することができる。
【0036】なお、各カムピース18を十分に加熱、膨張
させた後には、第1、第2アクチュエータ32,33(図
8)を夫々縮め、各ハウジング30を各テーブル4から離
間させる。加熱手段42がカムピース18の開口26から引き
抜かれると、各板材43は自らの弾性復帰力によって、図
12(a)、(b)の形状へと戻る。この際にも、板材43
は適切に弾性変形し、抵抗なく引き抜き作業を行うこと
ができる。よって、カムピース18が加熱手段42に引きず
られて、テーブル4から持ち上げられてしまうおそれも
ない。
【0037】上記構成をなす加熱装置により得られる作
用効果は、以下の通りである。前述のごとく、加熱手段
42をカムピース18の開口26へと挿入すると、各板材43は
いずれも均等に変形し、また、開口26の内周面の全周に
渡って均等に接触する。しかも、板材43が変形すること
により生ずる弾性力で、板材43を開口26の内側面に圧接
することができる。すなわち、板材43は開口26の内側面
形状に倣い変形する変形部として機能し、また、開口26
の全周に渡って均等の圧力でかつ接触面積にばらつきを
生ずることなく接触する接触手段としても機能する。さ
らに、板材43は開口26に対する距離を均一に保つ(各板
材43は開口26の内側面に密着した状態(距離0)で均一
となる。)保持手段としても機能する。
【0038】また、カムピース18の許容範囲内の寸法誤
差、カムシャフト組立装置1全体の組み付け誤差等に起
因して、図14(a)に示すように、加熱手段42の中心軸
Hが、カムピースの開口26の中心CP に対して芯ズレ
を起こした状態で挿入された場合には、各板材43が夫々
開口26の内側面に倣って適切に変形し、全ての板材43が
開口26の内側面に密着する。したがって、加熱手段42
は、開口26の全周に渡って、接触面積にばらつきを生ず
ることなく接触することができる。また、図14(b)に
示すように、加熱手段42の中心軸CH が、カムピースの
開口26の中心CPに対して傾いた状態で挿入された場合
でも、各板材43が夫々開口26の内側面に倣って適切に変
形し、全ての板材43が開口26の内側面に密着する。
【0039】このように、開口26に対する加熱手段42の
挿入状態とは無関係に、開口26の内側面に密着する面積
を一定とし、加熱手段42が単位時間当りの熱伝導量を常
に安定させることができる。しかも、いずれの板材43も
プラグヒータ37とほぼ同じ温度へと加温されていること
から、開口26の内周面に対し均等に、かつ短時間で加熱
することが可能となる。
【0040】また、本実施の形態にかかる加熱手段42
は、熱源として、供給する電流に応じてその温度を正確
に制御することが可能なプラグヒータ37を用い、板材43
を開口26の内側面に直接密着させることによって、プラ
グヒータ37の熱を、カムピース18へと伝導し、カムピー
ス18の温度を上昇させるものである。すなわち、高温の
物体(板材43)を低温の物体(カムピース18の開口26)
に密着させて熱伝導を行うことで、カムピース18を加熱
する手法を用いている。よって、従来のごとくジュール
熱を利用して被加熱物を加熱する手法に比べ、温度にば
らつきが生ずる要因が少なく、複数の被加熱物を同時に
所定の温度へと上昇させる必要がある場合でも、各被加
熱物の温度管理を容易に行うことができる。さらに、カ
ムピース18に対しては、ハウジング30のプラグヒータ3
5,36によって、周辺部からも加熱を行うので、カムピ
ース18の全体を均一に加熱することが可能となる。しか
も、熱源としてプラグヒータ35,36,37を用いる構造を
採ることにより、温度制御の容易な装置を、低コストで
提供することができる。
【0041】加えて、本発明の実施の形態のごとく、カ
ムシャフトの組立装置に適用した場合には、独立した加
熱炉が不要となり、設備費用の低減を図ることができ
る。また、加熱炉から組立装置へのカムピースの移動も
不要となり、組立時間を短縮することができる。
【0042】ところで、本発明の実施の形態では、加熱
手段42として、複数の板材43を弓なりに湾曲させて、両
端部をプラグヒータ37に密着、固定(ロウ付け、溶接、
接着剤等)したものを例示して説明したが、かかる構造
に変えて、例えばプラグヒータ37を、伸縮自在な熱伝導
性のフィルム等で提灯状に覆うことによっても、同様の
作用効果を得ることができる。この場合には、前記フィ
ルムが開口26の内側面形状に倣い変形する変形部とし
て、また、開口26の全周に渡って均等の圧力でかつ接触
面積にばらつきを生ずることなく接触する接触手段とし
て、さらに、開口26に対する距離を均一に保つ保持手段
として機能する。
【0043】さらに、複数の板材43に変えて、熱伝導性
を有する起毛状の部材で加熱手段42の外形を構成した
り、熱伝導性を有する中実の弾性変形可能な部材で加熱
手段42の外形を構成することによっても、同様の作用効
果を得ることができる。
【0044】また、開口よりも最大径の小さな部材が、
開口に挿入した後拡径するように加熱手段42を構成する
ことで、内側面形状に倣って変形し、内周面に熱を均等
に伝導することができる。なお、本発明の実施の形態に
係る加熱手段42は、カムシャフトの組立に際してカムピ
ースを加熱膨張させるために用いることに限定されるも
のではなく、貫通穴を有する部材を加熱膨張させるため
の装置として、広く用いることが可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。まず、本発明の請求項1に係る
発明によれば、被加熱物の温度制御を容易とすることが
できる。また、複数の被加熱物(カムピース等)を同時
に加熱する場合であっても、各被加熱物の温度制御を容
易とし、かつ、加熱装置のコストを低減させることがで
きる。
【0046】また、本発明の請求項2に係る発明によれ
ば、被加熱物の貫通穴の内周面に対し、均等に加熱を行
うことが可能となる。本発明の請求項3に係る発明によ
れば、前記貫通穴の内周面には前記加熱手段の熱を均等
に伝え、被加熱物をその内周面から均等に熱膨張させる
ことができる。
【0047】さらに、本発明の請求項4に係る発明によ
れば、前記変形部が前記貫通穴の内側面に密着する面積
を増加させ、単位時間当りの熱の受渡し量を増大させる
ので、短時間で加熱を行うことが可能となる。
【0048】また、本発明の請求項5に係る発明によれ
ば、前記変形部が熱源とほぼ同じ温度へと素早く加温さ
れ、その温度で安定するので、前記貫通穴の内側面を所
望の温度に加温することができる。
【0049】さらに、本発明の請求項6に係る発明によ
れば、カムピースをカム軸挿入穴の内周面から加熱し、
均等に熱膨張させることで、複数のカムピースを同時に
加熱する場合であっても、各カムピースのの温度制御を
容易とし、かつ、加熱装置のコストを低減させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る加熱装置を備
える、カムシャフトの組立装置である。
【図2】図1に示すカムシャフトの組立装置が備える複
数のテーブルの一部を示すものであり、該テーブルが第
2位置にあるときの様子を示す概略図である。
【図3】図2の上面図である。
【図4】図1に示すカムシャフトの組立装置が備える複
数のテーブルが、第1位置にあるときの様子を示す概略
図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】図1に示すカムシャフトの組立装置が備える複
数のテーブルの構造を示す摸式図である。
【図7】図6のA−A線における断面図である。
【図8】図1に示すカムシャフトの組立装置の加熱装置
を示す拡大図である。
【図9】図8に示す加熱装置のハウジングを示す拡大図
である。
【図10】図9に示すハウジングの立体摸式図である。
【図11】図10に示すハウジングに設けられた加熱手
段を示す単体図である。
【図12】図11に示す加熱手段の、板材の湾曲形状の
例を示す縦断面である。
【図13】図12に示す加熱手段がカムピースの開口に
挿入されたときの様子を示す縦断面図である。
【図14】図12に示す加熱手段の中心軸が、カムピー
スの開口の中心軸に対してずれた状態で挿入されたとき
の様子を示す縦断面図である。
【符号の説明】
5 加熱装置 18 カムピース 26 カムピースの開口 30 ハウジング 30a 両端部 30b 両端部 30c 両端部に挟まれる部分 37 プラグヒータ 39 温度測定手段 42 加熱手段 43 板材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通穴を有する部材を加熱膨張させるた
    めの装置であって、前記貫通穴に挿入してその内周面に
    対し均等に加熱を行う加熱手段を有することを特徴とす
    る加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱手段は、前記貫通穴の内周面に
    対する距離を均一に保つ保持手段を備えることを特徴と
    する請求項1記載の加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱手段は、前記貫通穴の内周面の
    全周に渡って均等に接触する接触手段を備えることを特
    徴とする請求項1又は2記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱手段は、前記貫通穴の内側面形
    状に倣い変形する変形部を備えることを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれか1項記載の加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記変形部は所定の熱伝導性を備え、か
    つ熱源にその一部を密着するものであることを特徴とす
    る請求項4記載の加熱装置。
  6. 【請求項6】 前記貫通穴を有する部材がカムピースで
    あり、前記貫通穴がカム軸挿入穴であることを特徴とす
    る請求項1ないし5のいずれか1項記載の加熱装置。
JP11153819A 1999-06-01 1999-06-01 加熱装置 Pending JP2000343335A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11153819A JP2000343335A (ja) 1999-06-01 1999-06-01 加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11153819A JP2000343335A (ja) 1999-06-01 1999-06-01 加熱装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000343335A true JP2000343335A (ja) 2000-12-12

Family

ID=15570794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11153819A Pending JP2000343335A (ja) 1999-06-01 1999-06-01 加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000343335A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007021706A (ja) * 2005-06-15 2007-02-01 Y S Denshi Kogyo Kk 焼嵌装置
JP2016508887A (ja) * 2013-01-17 2016-03-24 マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテルハフツングMAHLE International GmbH 複合配置物の組付装置
JP2016518547A (ja) * 2013-04-29 2016-06-23 マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMAHLE International GmbH シャフト及び関連実装の複数のエレメントが装備された複合的なハウジングを組み立てる方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007021706A (ja) * 2005-06-15 2007-02-01 Y S Denshi Kogyo Kk 焼嵌装置
JP2016508887A (ja) * 2013-01-17 2016-03-24 マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテルハフツングMAHLE International GmbH 複合配置物の組付装置
JP2016518547A (ja) * 2013-04-29 2016-06-23 マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMAHLE International GmbH シャフト及び関連実装の複数のエレメントが装備された複合的なハウジングを組み立てる方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2258642C (en) Hot runner heating clamp
US20150182064A1 (en) Helical dynamic flow through heater
JP2000073709A (ja) カムシャフトの組立装置
US9987782B2 (en) Hot runner nozzle with a segmented heater
WO2003064830A1 (fr) Thermoelement
JP5383321B2 (ja) 感温アクチュエータ
JP2000343335A (ja) 加熱装置
CN109716226B (zh) 组装sma致动器组件的方法
CN109996482B (zh) 刚度可变装置
JP2007315853A (ja) 歪測定装置
KR20200111619A (ko) 진공 벨로우즈 핫 밸브
KR20180068395A (ko) 차량용 컵홀더
TW201406530A (zh) 熔接裝置
US20170007999A1 (en) Apparatus for determining the temperature of microfluidic devices
JP2019500655A (ja) 形状記憶合金アクチュエータを備える構成要素シフト器具
KR101174235B1 (ko) 배관 히터 장치
JP5567946B2 (ja) 形状記憶合金アクチュエータ
KR20000070298A (ko) 소결방법 및 소결장치
JPH10253273A (ja) ヒートパイプの固定構造
CN106140578A (zh) 连续烘烤线的加热方法及加热装置
JP2018073919A (ja) 保持装置及びその製造方法
KR101736111B1 (ko) 전자식 서모스탯용 히터 및 그 제조 방법
JP2009226778A (ja) 金型用面状カーボンヒータ及びその製造方法ならびに金型装置
JPH0251477A (ja) 金属・セラミックス接合法
JP5245126B2 (ja) 駆動装置