JP2000342420A - 木屑を素材とする容器 - Google Patents

木屑を素材とする容器

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Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 木材の製造中に発生する木屑を原材料とし、
それを更に微細化した状態を素材とする容器の構成を提
供する。 【解決手段】 水に不溶性である接着剤を混入した木屑
１１を相互に圧着状態とすることによって壁部を構成
し、少なくとも一方の表面から当該壁部に対し液体の浸
入及び保持が可能であることに基づき、断熱性を発揮す
る食器用容器、水を自動的に供給できる植木鉢などを実
現できる木屑を素材とする容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本願発明は、木材等によって生ず
る木屑を素材として、飲食用容器、植木鉢などに使用し
得る容器に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】木材の製造においては木屑が発生する
が、これについては廃棄物とするか、精々粉砕して家畜
の餌とすることが行われているが、積極的な工業上の利
用方法としては、精々糸状の木屑を発生させ、これによ
るクッション性を利用して、枕、マットなどに使用され
ているに過ぎない。
【０００３】本願発明の発明者は、既に糸状木屑の製造
方法の発明を行い、これについて特許権を有しているが
（特許第２０８７３９２号：尚当該特許については、本
願発明の場合と同様、宮崎浩治氏との共有に至ってい
る）、このような糸状の木屑を物を内包する容器の素材
として使用することについては、これまで行われている
訳ではない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は前記の如き
従来技術の状況に鑑み、糸状の木屑を、容器として使用
し得る構成を提供することを課題とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、本願発明の構成は、水に不溶性である接着剤を混入
した木屑を相互に圧着状態とすることによって壁部を構
成し、少なくとも一方の表面から当該壁部に対し液体が
浸入できることに基づく木屑を素材とする容器からな
る。
【０００６】
【作用】前記のように、本願発明においては、木屑１１
を素材として使用しており、これに接着剤と一体をなし
て、図４に示すような押圧操作に基づき、圧着状態とす
ることによって、双方に圧着して壁部を構成している。
【０００７】木屑１１の大きさは格別限定されている訳
ではないが、通常厚さとして、０．５ｍｍ〜２ｍｍと
し、面積としては０．２５ｃｍ2〜９．００ｃｍ2の場合
が好都合である。
【０００８】即ち、容器１を構成する木屑１１の平均単
位体積には自ずと適切な範囲が存在するが、これは平均
単位体積が小さくなるに従って、相互の接着性が悪化
し、他方、平均単位体積が大きくなる場合には、壁部の
表面の円滑性が損なわれる傾向にあることに由来する。
【０００９】接着剤と木屑１１との混合の割合、圧着を
行うための圧力の程度は、壁部の厚さに依存して推移す
るが、特に限定される訳ではない。但し、発明者のこれ
までの経験によれば、例えば１ｃｍの厚さの場合には、
１ｍ2当り３トン程度の押圧力を、プレス装置などを使
用して押圧することが適切である。
【００１０】接着剤としての合成樹脂材料としては、エ
ポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、ユリ
ア系樹脂などが使用されるが、特に限定される訳ではな
い。
【００１１】本願発明においては、以下の第１項に述べ
るような作用との関係上、水４が毛細管現象によって浸
透し得る程度の空隙を有することを不可欠としている。
【００１２】本願発明の木屑１１を使用した容器の第１
の特徴点は、素材そのものが木であり、しかも内部に毛
細管現象を生ずるような微細な空隙を有しているため、
軽量であることにある。
【００１３】第２の特徴点は、資源のリサイクルに帰す
ることができ、しかも原材料として極めて安価であり、
廃棄した場合においても、木屑１１を主成分としている
ため、粉砕して肥料などに使用し得ることにある。
【００１４】第３の特徴点は、木材を原材料とし、しか
も壁部表面の少なくとも一方側に露出しているため、当
該木材固有の臭いを発揮し得ることにある。
【００１５】但し本願発明の固有の作用は、以上の如き
点に限定される訳ではない。以下、実施例に即して説明
する。
【００１６】
【実施例１】実施例１は、図１に示すように、容器１の
外側表面に、防水被服膜２を塗布し、これによって食器
用容器として形成した場合を示す。
【００１７】前記防水被服膜２としては、合成樹脂の材
料を使用するが、このように、本願発明の容器１を食器
用容器として使用した場合には、容器１の壁部が毛細管
現象を生ずるような空隙を有しているため、熱を外側に
伝達することを減少・防止するという断熱効果を発揮す
ることができる。
【００１８】他方、実施例１による食器用容器において
は、内側表面では、圧着したことによる木屑１１が露出
していることから、木材固有の臭いを発揮するだけでな
く、液体飲料を注入した場合には、当該飲料中に、木材
固有の芳香が混入し、これによる香を享受することがで
きる。
【００１９】具体的には、木屑１１の原材料として杉を
使用し、しかも、液体飲料として、日本酒を選択した場
合には、所謂杉の樽中に日本酒を注入した場合よりも、
遥かに杉の木の香を伴う日本酒の美味を享受することが
できる。
【００２０】
【実施例２】実施例２は、図２（ａ）に示すように、本
願発明の容器１について、外側及び内側の各表面につ
き、何らの防水加工をせずに、植木鉢として使用する場
合を示す。
【００２１】一般に、植木鉢を用いて植物を栽培する場
合には、所定の間隔に基づいて一定範囲の注水を行うこ
とが要求されている。
【００２２】然るに、実施例２のように、本願発明の容
器１を植木鉢として使用する場合には、図２（ｂ）に示
すように、本願発明の容器１による植木鉢を、水４を貯
溜している皿などの外側容器３中に配置するならば、水
４が順次毛細管現象によって、植木鉢を構成する壁部中
を浸透していくので、栽培する植物に適切な水を順次供
給することが可能となる。
【００２３】即ち、本願発明の容器１による植木鉢の場
合には、栽培する植物の種類において、植木鉢を構成す
る容器１の大きさ及び厚さを設定するならば、定期的な
水４の注入を行わずとも、自動的に水の供給を実現する
ことができる。
【００２４】
【実施例３】実施例３においては、図３に示すように、
木屑１１以外に籾殻、木炭粉５などの何れか又はこれら
の全てを混在させた場合を示す。
【００２５】籾殻５を混在させた場合には、本願発明の
容器の空隙の占める割合はより大きくなり、本願発明の
容器１を更に軽量とすることができる。
【００２６】木炭の粉である木炭粉５は、その粉の粒径
の程度に応じて、空隙の割合の増減の何れにも寄与する
ことができ、通常、木屑１１の平均体積よりも木炭紛５
の平均体積が小さいので、前記空隙の占める割合を小さ
くすることができるが、木炭粉５の混入の場合には、こ
のような空隙の占める割合の調整だけでなく、木炭粉５
の混入により、木炭自身が有している水の浄化・濾過作
用を発揮することが可能となる。
【００２７】
【発明の効果】以上のような、本願発明の容器１は、主
として食器用容器、植木鉢などに利用され得るが、前記
作用及び実施例１、同２及び同３に記載したが如き、多
面的な作用効果を発揮することができ、その価値は絶大
である。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施例１の食器用容器の側断面図を示す。
【図２】実施例２の植木鉢用容器を示し、（ａ）はその
側断面図であり、（ｂ）は水を供給する場合の側断面図
を示す。
【図３】実施例３の構成を示す断面図。
【図４】本願発明の容器を形成するために、壁部を圧着
する状態を示す断面図。
【符号の説明】
１ 容器 １１ 木屑 ２ 防水被服膜 ３ 外側容器 ４ 水 ５ 籾殻又は木炭粉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2B027 NC02 NC22 NC33 NC40 NC56 QA02 2B260 BA02 BA26 CD15 EA03 3B001 AA40 CC11 CC36 CC37

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】水に不溶性である接着剤を混入した木屑を
    相互に圧着状態とすることによって壁部を構成し、少な
    くとも一方の表面から当該壁部に対し液体が浸入できる
    ことに基づく木屑を素材とする容器
  2. 【請求項２】木屑の平均厚さが０．５ｍｍ〜２ｍｍであ
    り、平均面積が０．２５ｃｍ2〜９．０ｃｍ2であること
    を特徴とする請求項１記載の木屑を素材とする容器
  3. 【請求項３】外側表面に防水被覆膜を設け、飲食用容器
    として使用することを特徴とする請求項１記載の木屑を
    素材とする容器
  4. 【請求項４】内側及び外側表面に防水被覆膜を設けず
    に、植木鉢として使用することを特徴とする請求項１記
    載の木屑を素材とする容器
  5. 【請求項５】木屑中に、籾殻、木炭粉の何れか又は双方
    を混入したことを特徴とする請求項１記載の木屑を使用
    した容器
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