JP2000340422A - マグネットロール - Google Patents

マグネットロール

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JP2000340422A
JP2000340422A JP2000084304A JP2000084304A JP2000340422A JP 2000340422 A JP2000340422 A JP 2000340422A JP 2000084304 A JP2000084304 A JP 2000084304A JP 2000084304 A JP2000084304 A JP 2000084304A JP 2000340422 A JP2000340422 A JP 2000340422A
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magnet
magnetic
magnetic powder
resin
magnet roll
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JP2000084304A
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English (en)
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Keitaro Yamashita
恵太郎 山下
Masahiro Tobise
飛世  正博
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Neomax Kiko Co Ltd
Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
Hitachi Metals Kiko Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
    • H01F1/04Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/047Alloys characterised by their composition
    • H01F1/053Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
    • H01F1/055Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
    • H01F1/059Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and Va elements, e.g. Sm2Fe17N2

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高磁力のマグネットロールを提供する。 【解決手段】 表面上に複数個の磁極を有し、少なくと
も一つの磁極部が磁性粉と結着樹脂を含む異方性樹脂磁
石で形成されたマグネットロールにおいて、前記異方性
樹脂磁石はR−T−N系磁性粉(但し、RはYを含めた
希土類元素のいずれか1種または2種以上でありSmを
必ず含む、TはFeまたはFeとCo、不可避のOおよ
びHを含む)と、結着樹脂を含有し、結着樹脂の体積分
率を20〜70%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、電子写真
や静電記録等において現像ロール用として使用されるマ
グネットロールに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真や静電記録等では、画像担体
(感光体、誘電体)の表面に静電荷像を形成し、トナー
を含む磁性現像剤(一成分系磁性トナー又はトナーと磁
性キャリアからなる二成分系現像剤等)を現像ロールに
より現像領域に搬送して静電荷像を現像し、得られたト
ナー像を転写部材(普通紙等)に転写し、次いで加熱及
び/又は加圧により定着して画像が形成される。
【0003】上記の現像ロールとしては、例えば図4に
示す構造のマグネットロールが多用されている。図4に
おいて、1は永久磁石部材であり、表面に軸方向に伸長
する複数個の磁極を有する円筒状永久磁石11とその中
心部に同軸的に固着された軸12とを有する。永久磁石
部材1は、円筒状に形成したスリーブ2の内部に収容さ
れ、軸12の両端部においてフランジ3a、3bに軸受
4,4を介して支持されている。スリーブ2とその両端
に固着されたフランジ3a,3bはアルミニウム合金又
はオーステナイト系ステンレス鋼等の非磁性材料で形成
されている。5はシール部材(オイルシール)である。
上記の構成により、永久磁石部材1とスリーブ2との間
の相対的回転(例えば永久磁石部材1を固定し、フラン
ジ3aを回転させる)により、スリーブ2の表面に磁性
現像剤を吸着し、現像領域(画像担体とスリーブとが対
向する領域)に搬送して静電荷像が顕像化される。
【0004】上記マグネットロールを構成する円筒状永
久磁石は、通常外径(D)が10〜60mm、長さ(L)
が200〜350mmで、L/D≧5といった細長いもの
で、等方性のフェライト磁石又は強磁性粒子(Srフェ
ライト又はBaフェライト等)と樹脂(ポリアミド、塩
素化ポリエチレン等)を主成分とする異方性樹脂磁石で
形成される。この樹脂磁石は、例えば原料混合物を加熱
混練し次いで磁場中で押出又は射出成形した後、所定の
着磁パターンに従って着磁することにより製造される。
近年の高画質の要求を満足するためにトナー及びキャリ
アが小粒径化し、マグネットロールへの吸着力の低下を
カバーするためマグネットロールは高磁力化の傾向にあ
る。すなわち、マグネットロールに要求される磁力はス
リーブ上で500〜800G程度でほとんどの現像プロ
セスをカバーできていたが、1000〜1300G程度
の強い磁力を必要とする現像プロセスも出現してきてい
る。
【0005】等方性のフェライト磁石は任意の磁力分布
の形成が一体着磁で可能であり非常に使いやすい安定性
の良い材料であるが、残留磁束密度(Br)が約200
0(G)程度のため、スリーブ上の磁束密度は900〜
1000G程度が限界でありさらに強い磁場の要求には
対応できないという問題があった。一方異方性の樹脂磁
石は、たとえば残留磁束密度(Br)が約2600
(G)程度は容易に得ることができ等方性のフェライト
磁石よりも強い磁場を形成できるが、磁極の形成はあら
かじめ定められた配向磁場方向(異方性方向)のみに限
定され磁力分布の形成が制約されることと、成形におい
て磁場中で配向せねばならず長さ方向の磁気特性の不均
一性および生産性の低下が課題であった。また、フェラ
イト磁石は硬いセラミックスであるため衝撃に弱い脆性
材料であり、かつ、加工が難しく、ほとんどの場合研磨
加工に頼っている。樹脂磁石はフェライト磁石の欠点を
解消できるが、磁場中で配向された異方性磁石のため円
筒形状であっても磁極形成方向は固定されてしまってお
り、等方性のフェライト磁石のごとく着磁により任意の
磁極配列を形成できるというような自由度を有しておら
ず、また、長尺のため均質な磁場配向は困難でマグネッ
トロールの長さ方向のバラツキも等方性のフェライト磁
石に比較して数倍も大きくなり磁力の均一性に敏感な磁
気ブラシ現像システムでは画質に大きく影響を与えると
いった問題点を有する。また、フェライト磁石のBrの
温度係数は0.2%/℃と大きく現像が大変敏感な高画
質デジタル機などでは使用環境によっても現像条件が変
化し結果として画像が変化することもあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のごとく、従来の
磁石材料の問題点、すなわち表面磁束密度不足、大きな
表面磁束密度バラツキ、磁極形成の任意性、表面磁束密
度の温度による変化などの解決策としては等方性でかつ
高い磁気特性を有する磁石材料が望まれていた。近年こ
れに対応するものとしてNd−Fe−B系の磁性粉を用
いた(BH)maxが3MGOe程度の等方性樹脂磁石を
用いることが提案されている。しかるにNd−Fe−B
系樹脂磁石は耐食性の点で問題がありさびやすくエポキ
シ樹脂やフッ素樹脂などの被覆が必要である。マグネッ
トロールのような長尺物の被覆はコーティング不良が発
生しやすくまたコスト上昇を招く。またマグネットロー
ルの場合は磁石の表面磁束密度を効率良くスリーブ上に
取り出すために磁石とスリーブの内径の間のギャップは
一般的には0.5〜1mm程度と狭く設定されており錆
が発生すると磁石とスリーブの間につまり、ロック事故
につながる危険性が高い。マグネットロールのような長
尺物は押出し成形などで作製されるが、長さ方向に渡っ
て均一な特性を得るためには、磁粉を均一に分散させる
ことが必要であり、磁粉の形状が球形のほうが均一分散
に有利である。フェライト系は磁粉はその粒度が1μm
程度であるので均一な分散に適している。Nd−Fe−
B系磁粉はその形状が薄片状であるため均一な分散が難
しい。より均一に分散させるためにNd−Fe−B系磁
粉を粉砕して100μm以下にすると磁気特性が急激に
劣化してしまう。したがってフェライト系樹脂磁石は成
形性に優れるが表面磁束密度が低く温度安定性も劣る。
Nd−Fe−B系樹脂磁石は表面磁束密度は高いが成形
性に問題があり、また耐食性、温度安定性も低くマグネ
ットロールに適用するためには多くの解決すべき技術課
題がある。このように表面磁束密度、温度安定性、耐食
性、成形性の問題を同時に満足させることが必要であっ
た。
【0007】したがって本発明の目的は、上記従来技術
に存在する問題点を解消し、使い易くかつ高い表面磁束
密度を有するマグネットロールを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、表面に複数個の磁極を有し、少
なくとも1つの磁極部が磁性粉と結着樹脂を含む異方性
樹脂磁石で形成されたマグネットロールにおいて、前記
異方性樹脂磁石はR−T−N系磁性粉(但し、RはYを
含めた希土類元素のいずれか1種または2種以上であり
Smを必ず含む、TはFe又はFeとCo、不可避のO
およびHを含む)と結着樹脂を含有し、結着樹脂の体積
分率を20〜70%とする、という技術手段を採用し
た。R−T−N系磁性粉はNd−Fe−B系磁性粉とほ
ぼ同等の飽和磁化を有するので、表面磁束密度の高いマ
グネットロールを得ることができる。またR−T−Nに
含まれるC量を微量に抑制することによって耐食性を飛
躍的に向上させることができる。本発明においては、樹
脂磁石はその樹脂量を制御することにより 10MGO
e以上の(BH)maxと2800G以上のBrを有する
ことができる。またR−T−N系磁性粉のBrの温度係
数は−0.065(%/℃)でありNd−Fe−B系磁
性粉の温度係数−0.12(%/℃)およびSrフェラ
イト磁石のBrの温度係数0.2(%/℃)よりも極め
て小さいので、過酷な条件(高温、連続印字)でマグネ
ットロールが使用され、樹脂磁石の温度が上昇してもス
リーブ上の磁束密度の変化はわずかであり高品質の画像
が得られる。上記窒化物磁性粉は樹脂磁石表面に露出し
ても錆が発生しないので、高温多湿の環境下でマグネッ
トロールを使用してもロック事故は発生せず信頼性が向
上する。また磁性粉の平均粒径が1μm〜10μmの間
で任意に調節できるため必要な表面磁束密度を得るため
の樹脂量と磁性粉の量が変動しても、磁性粉の大きさを
変化させることによって優れた成形性を実現することが
でき、必要な表面磁束密度と優れた均一性を両立させる
ことが可能である。
【0009】上記磁性粉は、原子%でRα
100−(α+δ)δ(RはYを含めた希土類元素のいず
れか1種または2種以上でありSmを必ず含む、TはF
eまたはFeとCo、5≦α≦18,4≦δ≦30)で
表される主成分組成と、不可避不純物であるO,Hおよ
び磁性粉の単位重量当たり5原子%以下に抑えたCを含
み、磁気特性発現相が実質的にThZn17型構造の
菱面体晶および/またはThNi17型構造の六方晶
からなる硬質磁性相である希土類磁石材料、または原子
%でRα100−(α+β+δ)βδ(RはYを含め
た希土類元素のいずれか1種または2種以上でありSm
を必ず含む、TはFeまたはFeとCo、MはAl、T
i、V、Cr、Mn、Cu、Ga、Zr、Nb、Mo、
Hf、Ta、Wのいずれか1種または2種以上でありT
iを必ず含む、5≦α≦18,1≦β≦30,4≦δ≦
30、)で表される主成分組成と、不可避不純物である
O,Hおよび磁性粉の単位重量当たり5原子%以下に抑
えたCを含み、磁気特性発現相が実質的にThZn
17型構造の菱面体晶および/またはThNi17
構造の六方晶からなる硬質磁性相である希土類磁石材料
であることが好ましい。
【0010】RにはSmを必ず含み、Sm以外にY、L
a、Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb、Luのうちの1種または2種以
上を含むことが許容される。Smミッシュメタルやジジ
ム等の2種以上の希土類元素の混合物を用いてもよい。
Rとして、好ましくはSmとY、Ce、Pr、Nd、G
d、Dy、Erのうちの1種または2種以上との組み合
わせ、さらに好ましくはSmとY、Ce、Pr、Ndの
うちの1種または2種以上との組み合わせ、特に好まし
くは実質的にSmのみの場合である。Smの純度でいえ
ば高い表面磁束密度を得るために、Rに占めるSm比率
を50原子%以上、さらには70原子%以上とすること
がよい。なお、Rには、製造上混入が避けられないO、
H、Al、Si、Na、Mg、Ca等の不可避不純物の
含有が許容される。
【0011】Rは5〜18原子%含有することが好まし
い。Rが5原子%未満あるいは18原子%を越えるとα
Feが多量に生成したり、硬質磁性相以外の相が生成す
るため表面磁束密度が低下する。さらに好ましいR含有
量は6〜12原子%である。
【0012】適量のM元素を添加することによりわずか
に表面磁束密度は低下するものの、耐熱性が著しく向上
し、高温で連続印字する場合に適した高性能マグロール
を供することができる。M元素は1〜30原子%含有す
ることが好ましい。M元素が30原子%を越えて含有さ
れるとThMn12型のSm(Fe,M)12相が生
成し表面磁束密度が低下する。M元素が1原子%未満で
はαFeが生成し、同じく表面磁束密度が低下する。
【0013】Cの含有量(γ)は磁性粉の単位重量当た
り5原子%以下が好ましい。Cの含有量が5原子%を越
えると表面磁束密度が低下するとともに耐食性が低下す
る。
【0014】窒素の含有量(δ)は4〜30原子%が好
ましい。窒素含有量が4原子%未満および30原子%を
越える場合は表面磁束密度が低下する。より好ましい窒
素含有量は10〜20原子%である。
【0015】上記の希土類磁石材料において、Feの
0.01〜30原子%をCoおよび/またはNiで置換
することが好ましい。Coおよび/またはNiの導入に
より温度特性が向上する。しかし、Coおよび/または
Niが30原子%を越えると表面磁束密度が顕著に低下
し、0.01原子%未満では添加効果が認められない。
Coおよび/またはNiによるFe置換量のより好まし
い範囲は1〜20原子%である。
【0016】窒化処理時の窒素単独ガスまたは窒素を含
有したガスの圧力は0.2〜10atmにすることが好
ましい。0.2atm未満では窒化反応が遅く、10a
tmを越えると高圧ガスの設備に多大のコストを要す
る。より好ましい窒化ガスの圧力範囲は1〜10atm
である。ガス窒化の加熱条件は300〜650℃×0.
1〜30時間が好ましい。300℃×0.1時間未満で
は窒化がほとんど進行せず、650℃×30時間を越え
るとRNとFe−M相を生成し表面磁束密度が顕著に低
下する。より好ましいガス窒化の加熱条件は400〜5
50℃×0.5〜30時間であり、400〜550℃×
1〜10時間が特に好ましい。
【0017】窒化を行う前に必要に応じて粉砕、分級を
行い粉末の粒径を調整することは均一な窒化処理を実現
し、かつ樹脂磁石の成形容易性を確保するために好まし
い。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂磁石は、次の方法で
製造される。まず磁性粉と熱可塑性樹脂を、例えばミキ
サにより乾式混合し、この混合物を加熱混練し、次いで
数mm以下に粉砕した後造粒することにより原料が得られ
る。上記の混練及び造粒は、例えば二軸混練押出機によ
り100〜200℃の温度で行うことができる。
【0019】磁性粉としては、上述したR−T−N系磁
性粉を用いることができ、磁気特性、成形性、生産性の
点から平均粒径1〜10μmの粒子を用いることが好ま
しい。樹脂材料との濡れ性を改善するために、磁性粉の
表面を例えば有機ケイ素化合物(シランカップリング
剤)又は有機チタネート化合物(チタンカップリング
剤)で処理してもよい。樹脂成分としては、ポリアミド
樹脂、塩素化ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体(EEA)等を用い得る。
【0020】上記の必須成分の他に、原料中に磁粉分散
剤、滑剤、可塑剤などを添加することができる。これら
の添加量は合計で3重量%以下が好ましく、より好まし
くは1〜2重量%である。分散剤としては、フェノール
系、アミン系などを用い得る。滑剤としては、ワックス
類(パラフィンワックス、マイクロリスタリンワックス
等)、脂肪酸(ステアリン酸、オレイン酸等)、脂肪酸
塩(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等)な
どを用い得る。可塑剤としては、例えばフタル酸ジ2−
エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジブチル(DB
P)等のフタル酸エステルを用い得る。
【0021】上記の原料混合物は成形装置に投入され、
その先端部分に配設された成形金型を通過して異方性化
された円筒状成形体は、冷却、脱磁され次いで所定長さ
に切断される。この円筒状成形体はその中心部に軸が固
着された後、表面に複数個の磁極(通常は3〜8極)が
着磁されて図4に示す永久磁石部材が得られる。ここで
上記の成形装置の構成を図1及び2により説明する。図
1は成形装置の要部を示す縦断面図、図2は図1におけ
るA−A断面図である。図1において、6は二軸混練タ
イプの押出機であり、一端側にホッパー61を有する、
複数個に分割されたバレル62と、その内部に配設され
た2本のスクリュー63(図では1本のみ示す)と、バ
レル62の先端に設置されたアダプタ64とを有する。
アダプタ64の吐出口に、成形金型7が接続される。こ
の金型7は、リング状スペーサ71とマンドレル72と
両者の間に形成された円筒状の成形空間73とを有す
る。更に金型の出口にはリング状スペーサ71の周囲に
配設された磁場発生部材74が設ける。
【0022】磁場界発生部材74は、強磁性体からなる
円筒ヨーク75の内部に、成形空間73を取囲むように
配設された複数個の磁石ユニット76を配設した構成を
有する。各磁石ユニットは強磁性体からなるスペーサ7
7、半径方向に磁化された永久磁石78及び強磁性体か
らなる磁極片79とを含む。
【0023】上記の成形装置によれば次のようにして異
方性樹脂磁石が得られる。ホッパー61を介してバレル
62内に投入された原料は、一対のスクリュー63の回
転によりせん断力が加えられると共に、150〜230
℃の温度で加熱溶融されながら成形金型7に搬送され、
そこで所定の断面積に絞り込まれて成形空間内を通過す
る。押出された成形体は金型から押出されかつ金型の出
口付近で異方性化された後、冷却・固化され、所定長さ
(L/D≧5以上)に切断される。磁性粉を配向させる
ための印加磁場強度は10〜15KOeの範囲がよい。
次いでこの成形体を軸に固着した後異方性化方向と同方
向に着磁を施して図4に示す永久磁石部材1が得られ
る。
【0024】本発明のマグネットロールは、図4に示す
ものに限らず、図5に示すような構造であってもよい。
すなわち本発明では、軸12に等方性フェライト磁石ま
たは、本発明において無配向で成形されたものを含む樹
脂磁石で形成した円筒状永久磁石11を固着し、その現
像磁極部に凹溝13を形成し、そこに上述した樹脂磁石
でブロック状に形成しかつ長手方向に凹部14を有する
磁石片15を固着し、次いで多極着磁を施して作成され
た永久磁石部材1を用いてもよい。
【0025】本発明のマグネットロールは図5に示すよ
うな構造であってもよい。シャフト12に設けられた複数
の縦溝に磁石片51,52…を固着する。このとき現像磁極
の位置に最も磁力の強い窒化型希土類系ボンド磁石から
なる磁石片51がくるようにする。それ以外の磁石片52,5
2…は窒化型希土類系ボンド磁石およびフェライト系ボ
ンド磁石のいずれでもよい。
【0026】次に本発明を次の実施例及び比較例により
更に具体的に説明する。 (実施例1〜7)純度99.9%のSm、FeおよびC
を表1の実施例1〜7の希土類窒化磁石粉末に対応した
母合金組成になるように各々配合し、アルゴンガス雰囲
気の高周波溶解炉で溶解し母合金鋳塊を得た。母合金を
作製するにはこの他、銅製の冷却ロール2本を設置した
双ロール式ストッリップキャスターを用いて得ることが
できる急冷薄片を用いてもよい。あるいはまた希土類酸
化物とFe合金とCaを混合して還元拡散を行なわせて
得ることができるSm-Fe-C合金を用いても良い。得
られた母合金を約100μm以下に粉砕し、窒素ガス雰
囲気中で400〜500℃で1〜10時間熱処理を行な
い窒素を含ませる。さらにジェットミル(ボールミルで
もよい)を用いて平均粒径(dp)1〜10μmに微粉
砕することによって5kOe以上の保磁力を有するSm
-Fe-C-N合金粉末を得た。粉末の平均粒径dpの測
定にはSympatec社製レーザー回折型粒径分布測定装置;
HEROS&RODOSシステムを用いた。窒化処理にはNH
の窒素を含むガスとHの混合ガスを用いても良い。X
線回折によりこの合金粉末の結晶構造はThZn
型またはThNi17型構造あるいはこれらの混相で
あることが確かめられた。各磁性粉を塩素化ポリエチレ
ンからなるバインダー樹脂中に体積分率70%になるよ
うに混合して押出し成形用のペレットを作製した。この
ペレットを用いて成形温度180℃で1OKOeの磁場
中で外径18mm、内径8mmの円柱状に成形して30
0mmの長さに切断し、次いで外径8mmのステンレス
鋼製シャフトに固定した後、対称8極に一体着磁し、外
径20mmのアルミニウム合金製スリーブ内に組み込ん
だ。スリーブ上の磁束密度を測定したところ各磁極とも
約2100Gの強く均一な表面磁束密度であった。同一
寸法の等方性のフェライト磁石を用いた場合にはスリー
ブ上の表面磁束密度は約750Gで、8極の磁場配向金
型で押出成形して製造した異方性のフェライト系ボンド
磁石を用いた場合は表面磁束密度は約900Gであっ
た。また耐食性試験は各組成の10本のマグネットロー
ルを温度60℃、相対湿度95%の環境下に500時間
置き、錆の発生の有無を光学顕微鏡で観察することによ
り行った。耐食性は(錆の発生しているマグネットロー
ルの本数/10)×100(%)の式により評価した。
表面磁束密度の均一性は成形の難易に関連しており、成
形性が良好な場合は磁性粉がまんべんなく行き渡り表面
磁束密度が均一になるが、成形性が低い場合は磁粉の分
布にかたよりが生じ、表面磁束密度が不均一になってし
まう。表面磁束密度の均一性は、各マグネットロールの
軸線方向におけるスリーブ上の磁極の表面磁束密度の分
布を10箇所測定し((表面磁束密度の最大値−表面磁
束密度の最小値)/表面磁束密度の平均値)×100
(%)の式により評価した。 (比較例1〜5)C含有量が過多の組成(比較例1〜
2)、Nを含有しない組成(比較例3〜5)とした以外
は実施例1〜7と同様の条件で窒化磁石粉末を作製し、
これらの磁石粉末を用いて樹脂磁石を作成し、評価した
結果を同じく表1に示す。表1より、Cが過多の比較例
1〜2では表面磁束密度と耐食性の両方が低下すること
がわかる。Nを含有せずCのみの比較例3〜5では表面
磁束密度、耐食性および均一性の何れも低い結果とな
る。
【0027】
【表1】
【0028】(実施例8〜10、比較例6、7)平均粒
径が2〜9μmの磁性粉(実施例8〜10)、平均粒径
が小さい磁性粉(比較例6)、平均粒径が大きい磁性粉
(比較例7)を検討した。実施例1〜7と同様にして窒
化磁石粉末を作製し、各磁石粉末を用いてマグネットロ
ールを作成し、評価した結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2から磁性粉の平均粒径を2〜9μmと
した場合に高い表面磁束密度と高い均一性が得られるこ
とがわかる。平均粒径が小さい場合(比較例6)および
平均粒径が大きい場合(比較例7)は表面磁束密度が低
下するとともに均一性も劣化する。
【0031】(実施例11〜15)純度99.9%のS
m、Fe、Mを表4の実施例11〜15の希土類窒化磁
石粉末に対応した母合金組成になるように各々配合し、
アルゴンガス雰囲気の高周波溶解炉で溶解し母合金鋳塊
を得た以外は実施例1〜7と同様の条件でマグネットロ
ールを作製し特性を調べた。耐熱性はマグネットロール
を80℃×50hの環境下に置いた後表面磁束密度の減
少した割合で示す。
【0032】(比較例8,9)希土類窒化磁石組成を変
更した以外は実施例1〜7と同様にして作製したマグロ
ールを評価した。
【0033】
【表3】
【0034】表3から磁性粉が原子%でRα
100−(α+β+δ)βδ(RはYを含めた希土類元
素のいずれか1種または2種以上でありSmを必ず含
む、TはFeまたはFeとCo、MはAl、Ti、V、
Cr、Mn、Cu、Ga、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a、Wのいずれか1種または2種以上でありTiを必ず
含む、5≦α≦18,1≦β≦30,4≦δ≦30、)
で表される主成分組成と、不可避不純物であるO,Hお
よび磁性粉の単位重量当たり5原子%以下に抑えたCを
含むときに表面磁束密度が高く、耐食性、耐熱性に優れ
たマグロールを得ることができることがわかる。
【0035】
【発明の効果】以上に記述の如く、本発明によれば、樹
脂中にR−T−N系磁性粉を分散した原料混合物を磁場
中で成形した異方性樹脂磁石を用いるので、使い易く、
高磁力でかつ安定性の高いマグネットロールが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマグネットロールを製造するのに使用
できる押出し成形装置の要部縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】(a)は本発明により得られた円筒状樹脂磁石
を含むマグネットロールの縦断面図,(b)は(a)に
おけるB−B断面図である。
【図4】本発明の他の例を示す永久磁石部材の横断面図
である。
【図5】本発明の他の例を示す永久磁石部材の横断面図
である。
【符号の説明】
1 永久磁石部材、 11 円筒状永久磁石、 6 押
出機

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に複数個の磁極を有し、少なくとも
    1つの磁極部が磁性粉と結着樹脂を含む異方性樹脂磁石
    で形成されたマグネットロールにおいて、前記異方性樹
    脂磁石はR−T−N系磁性粉(但し、RはYを含めた希
    土類元素のいずれか1種または2種以上でありSmを必
    ず含む、TはFeまたはFeとCo、不可避のOおよび
    Hを含む)と結着樹脂を含有し、結着樹脂の体積分率を
    20〜70%とすることを特徴とするマグネットロー
    ル。
  2. 【請求項2】 異方性樹脂磁石は10MGOe以上の
    (BH)maxと2800G以上のBrを有することを特
    徴とする請求項1に記載のマグネットロール。
  3. 【請求項3】 磁性粉は原子%でRα100−(α+δ)
    δ(RはYを含めた希土類元素のいずれか1種または
    2種以上でありSmを必ず含む、TはFeまたはFeと
    Co、5≦α≦18,4≦δ≦30)で表される主成分
    組成と、不可避不純物であるO,Hおよび磁性粉の単位
    重量当たり5原子%以下に抑えたCを含み、磁気特性発
    現相が実質的にThZn17型構造の菱面体晶および
    /またはThNi17型構造の六方晶からなる硬質磁
    性相であることを特徴とする請求項1に記載のマグネッ
    トロール。
  4. 【請求項4】 磁性粉は原子%でRα
    100−(α+β+δ)βδ(RはYを含めた希土類元
    素のいずれか1種または2種以上でありSmを必ず含
    む、TはFeまたはFeとCo、MはAl、Ti、V、
    Cr、Mn、Cu、Ga、Zr、Nb、Mo、Hf、T
    a、Wのいずれか1種または2種以上でありTiを必ず
    含む、5≦α≦18,1≦β≦30,4≦δ≦30)で
    表される主成分組成と、不可避不純物であるO,Hおよ
    び磁性粉の単位重量当たり5原子%以下に抑えたCを含
    み、磁気特性発現相が実質的にThZn17型構造の
    菱面体晶および/またはThNi17型構造の六方晶
    からなる硬質磁性相であることを特徴とする請求項1に
    記載のマグネットロール。
  5. 【請求項5】 請求項3または4のいずれかに記載の磁
    性粉の平均粒径が1〜10μmであることを特徴とする
    マグネットロール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010008471A (ja) * 2008-06-24 2010-01-14 Ricoh Co Ltd 磁界発生部材用本体部、現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
CN101673606B (zh) * 2008-09-08 2013-06-12 上海爱普生磁性器件有限公司 各向同性粘结钕铁硼磁体及由其构成的磁辊
JP7405141B2 (ja) 2019-05-31 2023-12-26 株式会社村田製作所 サマリウム鉄窒素系磁性材料

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