JP2000340342A - 面状発熱体 - Google Patents

面状発熱体

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JP2000340342A
JP2000340342A JP15118699A JP15118699A JP2000340342A JP 2000340342 A JP2000340342 A JP 2000340342A JP 15118699 A JP15118699 A JP 15118699A JP 15118699 A JP15118699 A JP 15118699A JP 2000340342 A JP2000340342 A JP 2000340342A
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Japan
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heating element
sheet
electrically insulating
planar
conductive resin
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JP15118699A
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English (en)
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Atsushi Machiya
敦司 町屋
Suteji Takeuchi
捨治 竹内
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Ryoyu Industrial Corp
Original Assignee
Ryoyu Industrial Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便に製作することができ、被加熱物を加熱
する際に、全面が均一な温度分布の得られる面状発熱
体、あるいは所望の発熱分布、所望の温度分布が得られ
る面状発熱体を開発する。 【解決手段】 電気絶縁性基材に導電性樹脂を含浸、塗
布、又は印刷して得られた第一の発熱素子の相対向する
二つの周辺端に電極を設け、該第一の発熱素子に、同様
の方法で得られた第二の発熱素子を通電面が互いに接す
るようにして部分的に重ね合わせて面状発熱素子を構成
し、該面状発熱素子の表裏面を電気絶縁性シートで被覆
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は面状発熱体に関し、
さらに詳細には被加熱物を加熱する際に、面状発熱体が
接している部分の全体が均一な温度分布、あるいは所望
の温度分布が得られるように構成した面状発熱体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から床暖房、鏡の曇り防止、複写機
などの感光ドラムや定着ロールの加熱、パラボラアンテ
ナの凍結防止、ペットの暖房、家庭用サウナ等のヒータ
ーとして各種の面状発熱体が用いられている。例えば、
金属抵抗線を電気絶縁性基材に張り巡らして面状発熱素
子としたもの、あるいはガラスクロスや電気絶縁性シー
トなどの絶縁性基材にカーボン粉末、金属粉末を合成樹
脂に分散させた導電性樹脂を含浸、塗布または印刷など
の方法によって保持させて面状発熱素子を形成し、これ
らを電気絶縁性シートで被覆した面状発熱体が用いられ
ている。
【0003】これらの面状発熱体は、いずれも使用目的
に応じて、矩形状、筒状、円形状等の各種の形状のもの
が製作され、使用されている。
【0004】しかしながら、このような面状発熱体には
次のような不具合点があった。即ち、一般に面状発熱体
は発熱量が均一になるように形成されていることから、
面状発熱体のみの状態で通電加熱した場合には、全面が
比較的均一な温度分布を示す。一方、これらの面状発熱
体を用いて被加熱物を加熱した場合は、面状発熱体の端
面部分に接する被加熱物の周辺では、放熱量が多いこと
により温度が低くなる。このために、被加熱物の中心部
分では温度が高く、周辺部分では温度が低くなり、全面
を均一な温度に保持することができないという不都合が
あった。
【0005】例えば、従来、面状発熱体を床暖房に用い
る場合には、通常は複数の面状発熱体を並べて床材に貼
りつけて、それを複数枚並べて敷きつめるが、面状発熱
体間には、電極と絶縁部があるために、その部分の温度
低下が避けられなかった。そのために、面状発熱体の中
心部分に接しているところは暖かいものの、端に接して
いる部分では温度が上がらず床暖房としての充分な効果
が得られず、一方、端部分が暖かくなるように全体の発
熱量を高く設定した時には、周辺部分も暖かくなるもの
の、中心部分が熱くなり過ぎるという不都合があった。
【0006】また、鏡の全面に面状発熱体を貼りつけて
防曇鏡として加熱する場合には、鏡の中心部分では防曇
効果が得られるものの、周辺部分では放熱量が大きいた
めに温度が上昇せず、このために周辺部分の曇りを防ぐ
ことができないと言う不都合があった。さらにまた、筒
状に形成した面状発熱体で複写機の感光ドラムを加熱保
温する場合では、ドラムの中心部分は適正な温度に加熱
されているものの、面状発熱体の端部分で加熱されてい
るところでは温度が低いために、トナーを複写紙に均一
に添着させることができないという不都合があった。
【0007】これらの問題点の解決策として、例えば、
金属抵抗線を電気絶縁性基材に巻き回して発熱素子とす
る場合には、端部の巻き回しのピッチを密にすることに
よって均一な温度分布にすることもできるが、大きな平
面状の発熱体では簡便に製作することができず、大量生
産には適合しないと言う不都合があった。また、導電性
樹脂を電気絶縁性基材に含浸、塗布あるいは印刷するこ
となどによって保持させて面状発熱体を形成する場合
に、導電性樹脂の保持量を部分的に変えることによって
発熱量を調整する方法も採ることができるが、この場合
には導電性樹脂の保持量を任意に設定することが難し
く、任意の発熱分布を有する面状発熱体を得ることがで
きなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のことから、本発
明の課題は、簡便に製作することができ、被加熱物を加
熱する際に、全面が均一な温度の得られる面状発熱体、
あるいは所望の温度分布、所望の発熱分布が得られる面
状発熱体を開発することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、電気絶縁性
基材に、導電性樹脂を含浸、塗布又は印刷して得られた
均一な抵抗分布を有する発熱素子を部分的に重ね合わ
せ、面状発熱体中に発熱素子の並列部分と直列部分を形
成することによって、比較的容易に任意の温度分布、任
意の発熱分布が得られることを見出し、本発明に到達し
た。
【0010】すなわち本発明は、電気絶縁性基材に導電
性樹脂を含浸、塗布、又は印刷して得られた均一な抵抗
分布を有し、形状が矩形又はその類似形である第一の発
熱素子上の相対向する二つの周辺端に電極が設けられ、
電気絶縁性基材に導電性樹脂を含浸、塗布、又は印刷し
て得られた均一な抵抗分布を有する第二の発熱素子を該
第一の発熱素子に互いに導電面が接するようにして部分
的に重ね合わされて面状発熱素子が構成され、該面状発
熱素子の表裏面が電気絶縁性シートで被覆されているこ
とを特徴とする面状発熱体である。
【0011】また本発明は、電気絶縁性基材に導電性樹
脂を含浸、塗布、又は印刷して得られた均一な抵抗分布
を有し、形状が円筒形又はその類似形である第一の発熱
素子上の相対向する二つの周辺端に電極が設けられ、電
気絶縁性基材に導電性樹脂を含浸、塗布、又は印刷して
得られた均一な抵抗分布を有する第二の発熱素子を該第
一の発熱素子に互いに導電面が接するようにして部分的
に重ね合わされて面状発熱素子が構成され、該面状発熱
素子の表裏面が電気絶縁性シートで被覆されていること
を特徴とする面状発熱体である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明はガラスクロス又は電気絶
縁性フイルム等の電気絶縁性基材に、導電性樹脂を含
浸、塗布又は印刷して得られる面状発熱素子を電気絶縁
性シートによって被覆した面状発熱体に適用される。本
発明における面状発熱体には、発熱する面が面状を形成
するものであればいずれも含まれるものであり、例え
ば、平板状、円筒状、多角筒状などの発熱体が本発明の
面状発熱体に含まれる。
【0013】本発明の例を図2、図3により、具体的に
説明する。図2は、本発明の面状発熱体の平面透視図の
例(2)である。図3は、図2におけるA−A’線断面
図である。本発明の第一の発熱素子1は、電気絶縁性基
材2の表面に導電性樹脂3が均一に塗布されたものであ
る。第一の発熱素子1の対向する周辺端には電極4、
4’が設けられている。また、第一の発熱素子1に第二
の発熱素子5が部分的に重ね合わされて面状発熱素子6
が形成されている。この面状発熱素子6の表裏面が電気
絶縁性シート7、7’で被覆されている。さらに電極
4、4’には電源リード線8、8’が接続されている。
【0014】ここで、図2のA−A’線近傍に沿った部
分の発熱分布について説明する。第一の発熱素子1と第
二の発熱素子5が重ね合わされた部分10は、電極4、
4’に対して並列接続されていることになり、重ね合わ
れていない部分9(即ち第一の発熱素子1のみの部分)
に比べて抵抗値が低い。一方、電極4、4’間に流れる
電流値は重ね合わされていない部分9も、重ね合わされ
た部分10も同じである。したがって、オームの法則に
より、重ね合わされた部分10の発熱量は重ね合わされ
ていない部分9よりも常に小さい。このため、図2にお
いてA−A’線方向に対しては、重ね合わされた部分1
0の面積割合、第一の発熱素子1と第二の発熱素子5の
電気抵抗値の組み合わせによって、所望の発熱量、及び
所望の発熱分布に設定することができる。また、図1に
示すように、第一の発熱素子1に第二の発熱素子5の重
ね合わせを、電極4、4’に跨って電極の設けられてい
ない周辺端(重ね合わせ部分10’)にも行うことによ
り、所望の発熱量、発熱分布に設定することができる。
【0015】図4〜6には、本発明の概念を説明するた
めに、発熱素子の重ね合わせ構成の異なる面状発熱体つ
いて、面状発熱体と同じ大きさで、厚さ5mmの木材合
板を重ね合わせ、25℃の環境下で、木材合板の中心部
温度が40℃となるように通電加熱した時の、A−A’
線部分、B−B’線部分での温度分布の例を示した。ま
た、図7には従来の技術である重ね合わせのない面状発
熱体の場合の温度分布の例を示した。図4〜7におい
て、A−A’線部分の温度分布を面状発熱体の下部に、
B−B’線部分の温度分布を面状発熱体の右側面に示し
た。
【0016】このように面状発熱体を構成することによ
って、面状発熱体を被加熱物に接触させて使用した際
に、全面を均一な温度分布、あるいは任意の温度分布に
設定することができる。例えば、床暖房用のヒーターと
して本発明の面状発熱体を適用することにより、全面を
ほぼ均一な温度分布に設定することができる。
【0017】本発明における第一の発熱体素子は、カー
ボン粉末あるいは金属粉末などを合成樹脂液に分散させ
た導電性樹脂を電気絶縁性基材に含浸、塗布あるいは印
刷などの方法で保持させた後、加熱、乾燥などによって
固定した抵抗体である。
【0018】本発明で用いられる電気絶縁性基材は、導
電性樹脂を均一に保持することができ、機械的強度を有
すると共に、耐熱性及び電気絶縁性を有するものであれ
ばよく、その材質に特に限定されない。例えば、ガラス
クロス、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させた後加
熱乾燥させたもの、ポリエステルシート、ポリイミドシ
ート、又はマイカなどを用いることができる。
【0019】また、導電性樹脂は、電気伝導性を有する
樹脂であり、例えばグラフトカーボン(菱有工業(株)
製、登録商標)、カーボン粉末、金属粉末、金属酸化物
粉末等を合成樹脂液中に分散させたものである。ここで
言う導電性樹脂には、一般に導電性塗料、導電性ペース
ト等と称される物を含むものである。本発明において、
第一の発熱素子上の相対する二つの端部に電極が設けら
れる。電極は、帯状の銅箔などを前記電気絶縁性基材に
保持された導電性樹脂面に重ね合わせて設けられる。
【0020】本発明において、第二の発熱素子は、所望
の発熱量分布が得られるように第一の発熱素子に重ね合
わされるものであり、第一の発熱素子と同様のものが用
いられる。ここで第二の発熱素子は、第一の発熱素子と
同じ材質、同じ構成のものであっても良く、異なる材質
のものであっても良く特に限定されないが、熱的な歪み
を生じない点から、通常は第一の発熱素子と同じ材質で
構成されたものが好ましい。また、第二の発熱素子は抵
抗値が一種類の物を用いてもよく、部分的に抵抗値の異
なる発熱素子を用いても良い。
【0021】第二の発熱素子を第一の発熱素子に重ね合
わせる際に、両者が電気的に導通するように導電性樹脂
の保持された面が互いに接するように重ね合わされ、面
状発熱素子とされる。この面状発熱素子の表裏面を電気
絶縁性シートで被覆して本発明の面状発熱体とされる。
【0022】ここで用いられる電気絶縁性シートとして
は、シリコン、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂
シート、ゴムシート、エポキシ含浸ガラスクロスなどが
用いられる。また、電気絶縁性シートによる被覆は、通
常は加熱圧着などの方法によって行われる。電極には電
源リード線が接続されるが、通常はその接続部を樹脂な
どで埋め込むことによって、絶縁性及び耐水性が持たせ
られる。
【0023】本発明の第一の発熱素子、及び第二の発熱
素子に用いられる電気絶縁性基材の厚さに特に限定はな
いが、通常は0.01〜1.0mm、好ましくは0.0
3〜0.5mm、さらに好ましくは0.05〜0.3m
mである。また、その大きさ形状に特に限定はなく、床
暖房、鏡、情報機器など、その用途及び設置場所などに
応じて任意の大きさとされ、矩形、円筒形、多角筒形及
びそれらに類似の形状とすることができる。
【0024】本発明において、第一の発熱素子の電気絶
縁性基材に保持させる導電性樹脂の量は、電気絶縁性シ
ートの耐熱温度、面状発熱体の用途及び所望の温度範囲
などによって異なり一概に特定できないが、面状発熱体
として使用した際の発熱量が単位面積当たりで通常は
0.005〜1.5watt/cm、好ましくは0.
01〜0.8watt/cmとなるように設定され
る。
【0025】また第一の発熱素子に第二の発熱素子を重
ね合わせる部分の大きさ、形状に特に限定はなく、被加
熱物の熱容量、所望の発熱量、所望の温度分布に応じて
適宜設定される。例えば、一方向に対してのみ均一な温
度分布を保持させればよい場合には、図4に示すよう
に、二つの電極間の中間部分に電極に平行させて重ね合
わせ部分が設けられる。また、図5に示すように二つの
電極間に跨って、且つ電極が設けられていない周辺端に
沿って重ね合わせることもできる。さらに、床暖房のよ
うに全面をほぼ均一な温度に保持するためには、図1、
図6に示すように、第二の発熱素子が、二つの電極間に
跨って、且つ電極が設けられていない周辺端に沿って重
ね合わせ部分を設けるとともに、さらに第一の発熱素子
の重ね合わされた部分を除く部分の二つの電極間の中間
部分に、電極に平行させて重ね合わされる。このほか第
一の発熱素子に重ね合わされる第二の発熱素子の形状が
図1〜6のように連続した一枚の板状であっても良く、
小幅に分割されたものであってもよい。
【0026】本発明において、重ね合わせに用いる第二
の発熱素子の抵抗値に特に限定はなく、第一の発熱素子
に重ね合わせた際に所望の発熱量、温度分布が得られる
ように適宜選定される。重ね合わせのない部分と、重ね
合わせられた部分の発熱量の比、即ちワット密度の比に
特に限定はないが、所望の発熱量、温度分布が得られる
ように適宜選定される。従って(重ね合わせのない部
分)/(重ね合わせ部分)の比は、面状発熱体の用途に
よって定められる。
【0027】電極の材質、幅、厚さは、面状発熱体の大
きさ、所望の発熱量などによって異なり一概に特定でき
ないが、通常は厚さ0.015〜0.1mm、幅3〜1
5mm程度の銅箔が用いられる。
【0028】面状発熱素子を絶縁被覆する際の、電気絶
縁性シートの厚さは、電気絶縁性シートの材質、面状発
熱体の用途、使用条件等によって異なり一概に特定でき
ないが、通常は0.03〜1.5mm、好ましくは0.
05〜1mm、さらに好ましくは0.08〜0.5mm
である。
【0029】電気絶縁性シートで被覆する方法、及び条
件は特に限定はないが、通常は加熱下で圧着することに
よって行われる。例えば、100〜250℃、0.5〜
30kgf/cm程度の加熱圧着によって行うことがで
きる。なお、面状発熱素子を被覆するための電気絶縁性
シートの大きさは、通常は加熱圧着した際に被覆が完全
に行われるように面状発熱素子の大きさよりも若干大き
な面積を有するものが用いられる。
【0030】このように面状発熱体を構成することによ
って、従来、面状発熱体を床暖房に用いた場合には中心
部分のみが暖かく、周辺部分では温度が低く、均一な保
温ができなかったものが、本発明によって効率よく、し
かも過熱部分を生じることなしに均一な温度分布で保温
することができるようになった。また、鏡の曇り防止に
本発明の面状発熱体を用いた場合には、全面を均一に加
熱することができるようになった結果、比較的低い加熱
温度で鏡全面の曇りを防止することができる。このほ
か、飲食品の保温ケースなどに用いた場合には、ケース
の中心部に置かれた飲食品に過剰な熱を与えることなし
に、ケース内全体の飲食品を適度な温度に保温すること
ができる。
【0031】なお、本発明は第一の発熱素子に第二の発
熱素子を重ね合わせることによって、被加熱物を加熱す
る際に均一な温度分布あるいは所望の温度分布が得るた
めのものであるが、第二の発熱素子が表裏面ともに導電
性を有する場合には、第二の発熱素子上の全面、あるい
はその一部にさらに第三の発熱素子を重ね合わせること
もできる。しかし、このような構成は、第一の発熱素子
に重ね合わせる第二の発熱素子として抵抗値の異なる発
熱素子を部分的に用いたことに同じであり、本発明に含
まれるものである。
【0032】また、本発明を円筒形の面状発熱体に適用
した場合にも、図4〜図6に示すような構成を選択する
ことにより、均一な温度分布、あるいは所望の温度分布
に設定することができる。このほか、円筒形の面状発熱
体は、第一の発熱素子の形状として円筒形の物を用いて
製作することができるが、平板状の面状発熱体を製作し
た後に円筒状に成型することによっても製作することが
できる。このほか、多角筒形、円錐台筒形等の物も同様
の方法で製作することができる。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。 (実施例1) (面状発熱体の製作)厚さ0.1mm、幅310mm、
長さ300mmのガラスクロスに、グラフトカーボン
(登録商標、菱有工業(株)製)を合成樹脂液に分散さ
せた導電性樹脂を均一に含浸させた後、乾燥、加熱処理
して、第一の発熱素子を製作した。この第一の発熱素子
の幅方向の両端面に厚さ0.035mm、幅5mm、長
さ300mmの銅箔を重ねて電極とした。第一の発熱素
子と同様にして製作した厚さ0.1mm、幅150m
m、長さ300mmの発熱素子を第二の発熱素子とし
て、図4に示すものと同様の構成で、第一の発熱素子に
重ね合わせて面状発熱素子とした。
【0034】この面状発熱素子の表裏面に厚さ0.2m
m、幅330mm、長さ320mmのポリエステルフイ
ルムを重ね合わせ、加熱圧着して絶縁被覆した。さらに
電極に電源リード線を接続して面状発熱体を得た。な
お、ここで用いた第一の発熱素子の電気抵抗値は約50
Ω/cmであり、第二の発熱素子の抵抗値は約300
Ω/cmであった。上記の面状発熱体を、厚さ5m
m、幅330mm、長さ320mmの木材合板に貼り付
け、木材合板一体型の面状発熱体(試験体1)とした。
【0035】(加熱試験)上記試験体1の木材合板部が
上になるようにして、床から100mm浮かせて水平に
置き、幅、長さ方向それぞれ発熱部端面から内側5mm
の点について50mm間隔で20ヶ所と、それよりも内
側全体を均等に分けた9ヶ所の点に熱電対を取り付け
た。25℃、湿度65%の環境下で、試験体1の中心部
にあたる木材合板表面部が40℃となるように通電加熱
し、面状発熱体の発熱部分について端面より5mm内側
の点とそれよりも内側の点の温度差を測定した。その結
果、木材合板表面部が40℃のとき、面状発熱体の発熱
部分について端面から5mm以内の点は37〜38℃で
あり、いずれの温度側定点も37〜41℃であった。
【0036】(比較例1)実施例1における面状発熱体
の製作を、第二の発熱素子を用いないで行ったほかは実
施例1と同様の方法で面状発熱体を製作した。また、こ
の面状発熱体を用いて実施例1と同様の方法で製作した
木材合板一体型面状発熱体を、実施例1と同様の方法で
加熱試験を行い、面状発熱体の発熱部分について端面よ
り5mm内側の点と、それよりも内側の点の温度差を測
定した。その結果、木材合板表面部が40℃のとき、面
状発熱体の発熱部分について端面から5mm内側の点は
34〜36℃であり、面状発熱体の温度分布は34〜4
0℃の範囲内であり、両端部の温度低下が認められた。
【0037】(実施例2) (床暖パネルの製作)厚さ5mm、幅320mm、長さ
640mmの木材合板に実施例1と同じ方法で製作した
面状発熱体2枚を隙間なく並べて貼り付け、床暖パネル
(試験体2)とした。この結果、2枚の面状発熱体間に
は電極部と絶縁部とを合わせて20mmの非発熱部がで
きた。
【0038】(加熱試験)上記試験体2の木材合板部が
上になるようにして、床から100mm浮かせて水平に
置き、2枚の面状発熱体間の非発熱部の中心線上に50
mm間隔の点、及び面状発熱体の発熱部上の18ヶ所の
均等なる点に熱電対を取り付けた。25℃、湿度65%
の環境下で、面状発熱体の中心部にあたる木材合板表面
部が40℃になるように通電加熱し、面状発熱体の発熱
部分と非発熱部分での木材合板表面の温度差を測定し
た。その結果、面状発熱体の発熱部分の木材合板表面の
温度が40℃に対し、非発熱部は37から38℃であ
り、温度差は3℃であった。
【0039】(比較例2)実施例2における面状発熱体
の製作を、第二の発熱素子を用いないで行ったほかは、
実施例2と同様の方法で面状発熱体を製作した。ここで
得られた床暖パネルを実施例2と同様の方法で加熱試験
を行い、面状発熱体の発熱部分と非発熱部分での木材合
板表面の温度差を測定した。その結果、面状発熱体の発
熱部分の木材合板表面の温度が40℃に対し、非発熱部
分は34℃であり、温度差は6℃であった。
【0040】
【発明の効果】本発明の、第一の発熱素子と第二の発熱
素子を重ね合わせることにより、任意の発熱量分布を持
つ面状発熱体が簡便に得られるようになった。これによ
って、面状発熱体を床暖房、鏡、複写機の感光ドラムな
どのヒーターとして用いた際に、それぞれに均一な温度
分布を持たせることが可能になった。さらに、飲食品保
温ケース等の保温に、局部的に発熱量を大きくした面状
発熱体を用いた場合には、保温ケース内の飲食品全体を
適度、且つ均一な温度に保温することができるようにな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面状発熱体の平面透視図の例(1)で
ある。
【図2】本発明の面状発熱体の平面透視図の例(2)で
ある。
【図3】図2におけるA−A’線断面図である。
【図4】本発明の面状発熱体の平面透視図と温度分布の
例図(1)である。
【図5】本発明の面状発熱体の平面透視図と温度分布の
例図(2)である。
【図6】本発明の面状発熱体の平面透視図と温度分布の
例図(3)である。
【図7】従来の面状発熱体における平面透視図と温度分
布の例図である。
【符号の説明】
1 第一の発熱素子 2 電気絶縁性基材 3 導電性樹脂 4、4’ 電極 5 第二の発熱素子 6 面状発熱素子 7、7’ 電気絶縁性シート 8、8’ 電源リード線 9 発熱素子が重ね合わされていない部分 10、10’ 発熱素子が重ね合わされた部分

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性基材に導電性樹脂を含浸、塗
    布、又は印刷して得られた均一な抵抗分布を有し、形状
    が矩形又はその類似形である第一の発熱素子上の相対向
    する二つの周辺端に電極が設けられ、電気絶縁性基材に
    導電性樹脂を含浸、塗布、又は印刷して得られた均一な
    抵抗分布を有する第二の発熱素子を該第一の発熱素子に
    互いに導電面が接するようにして部分的に重ね合わされ
    て面状発熱素子が構成され、該面状発熱素子の表裏面が
    電気絶縁性シートで被覆されていることを特徴とする面
    状発熱体。
  2. 【請求項2】 電気絶縁性基材に導電性樹脂を含浸、塗
    布、又は印刷して得られた均一な抵抗分布を有し、形状
    が円筒形又はその類似形である第一の発熱素子上の相対
    向する二つの周辺端に電極が設けられ、電気絶縁性基材
    に導電性樹脂を含浸、塗布、又は印刷して得られた均一
    な抵抗分布を有する第二の発熱素子を該第一の発熱素子
    に互いに導電面が接するようにして部分的に重ね合わさ
    れて面状発熱素子が構成され、該面状発熱素子の表裏面
    が電気絶縁性シートで被覆されていることを特徴とする
    面状発熱体。
  3. 【請求項3】 導電性樹脂が、合成樹脂にグラフトカー
    ボン、カーボン粉末、金属粉末及び金属酸化物粉末から
    選ばれる少なくとも1種を含むものである請求項1又は
    請求項2に記載の面状発熱体。
  4. 【請求項4】 第二の発熱素子が、第一の発熱素子上に
    設けられた二つの電極間の中間部分に、電極に平行して
    重ね合わされている請求項1又は請求項2に記載の面状
    発熱体。
  5. 【請求項5】 第二の発熱素子が、第一の発熱素子上に
    設けられた二つの電極間に跨って、且つ電極が設けられ
    ていない周辺端に沿って重ね合わされている請求項1又
    は請求項2に記載の面状発熱体。
  6. 【請求項6】 第二の発熱素子が、第一の発熱素子上に
    設けられた二つの電極間に跨って、且つ電極が設けられ
    ていない周辺端に沿って重ね合わされると共に、さらに
    第一の発熱素子の該重ね合わされた部分を除く二つの電
    極間の中間部分に、電極と平行して重ね合わされている
    請求項1又は請求項2に記載の面状発熱体。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の面状発熱体を円筒状、
    多角筒形、またはそれらに類似する形状に形成した面状
    発熱体。
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