JP2000339590A - 電波反射装置 - Google Patents

電波反射装置

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JP2000339590A
JP2000339590A JP11145889A JP14588999A JP2000339590A JP 2000339590 A JP2000339590 A JP 2000339590A JP 11145889 A JP11145889 A JP 11145889A JP 14588999 A JP14588999 A JP 14588999A JP 2000339590 A JP2000339590 A JP 2000339590A
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康治 田口
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良英 上里
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高さ方向のサイズを縮小化できる電波反射装
置を提供する。 【解決手段】 電波反射装置は、路面に面した第1の反
射面10a、路面に対して略垂直な第2の反射面10
b、第3の反射面10cを有する。反射面10a、10
b、10cはそれぞれ略直角をなし、入射電波を入射方
向に反射する。電波反射装置にポラライザ18と偏波面
20を配置し、左右の分岐路上に配置する。左右の電波
反射装置のポラライザ18の向きを変えることで、車載
のレーダ装置から送信された円偏波の反射の有無を変
え、左右の分岐路を識別可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電波反射装置、特に
3面の反射面を有する電波反射装置に関する。
【従来の技術】従来より、入射電波を入射方向に反射す
る電波反射装置が知られており、レーンマーカ等に用い
られている。
【0002】例えば、特開平10−103963号公報
には、レーン上に角すい型の電波反射装置を設け、車両
から送信した電波を入射方向に反射することで、レーン
に対する車両位置を検出する構成が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電波反
射装置を路面の所定位置、例えば路面中央に配置する場
合、車両走行に支障をきたさないように、高さ方向に制
約を設ける必要がある。もちろん、高さはできるたけ低
くするのが理想であるが、単に高さを低くすると入射電
波を入射方向に反射させる反射効率の低下を招く問題が
生じる。
【0004】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みなされたものであり、その目的は、反射効率を維持し
つつ、高さ方向、すなわち路面に対して直角方向のサイ
ズを縮小できる電波反射装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、入射電波を入射方向に反射する電波反射
装置であって、前記入射電波を反射する3面の反射面を
有し、前記3面は互いに略直角をなし、前記3面の内の
1面は路面に面して配置され、他の2面は路面に対して
略直角に配置されることを特徴とする。3つの反射面を
有し、かつ3面の内の1面を路面に面して配置すること
で、路面に対して入射する方向、すなわち高さ方向の反
射効率を上げ、高さ方向のサイズ縮小化が可能となる。
また、3面のなす角を略直角とすることで、入射電波を
入射方向に反射することが可能となる。
【0006】ここで、前記路面に面して配置される1面
と路面とのなす角度は、前記入射電波の入射角に基づい
て設定される。これにより、路面に対して入射した電波
を路面に面した反射面で反射した後に他の2面でも確実
に反射させ、入射方向に戻すことができる。
【0007】また、本発明では、さらに前記3面の少な
くともいずれかと前記路面との間に配置された傾斜面を
有することができる。これにより、反射面と路面との段
差を解消し、電波反射装置を路面に配置した場合でも車
両等が容易に電波反射装置を乗り越えることが可能とな
り、路面への設置性が向上する。
【0008】また、本発明では、さらに、前記入射電波
の偏波方向を変えるポラライザと、前記ポラライザから
の電波が所定の偏波面を有する場合のみ透過する偏波フ
ィルタとを有する。ポラライザと偏波フィルタを組み合
わせることで、入射円偏波と同一旋回方向を有する同旋
円偏波を反射し、電波反射装置以外の物体からの反射電
波(逆旋円偏波)と区別することが可能となる。また、
ポラライザと偏波フィルタの偏波方向を調整すること
で、入射電波の旋回方向に応じて反射の有無を調整する
ことも可能となる。
【0009】前記ポラライザを、路面に応じて異なる偏
波方向を有するように配置し、配置される路面に応じて
前記偏波フィルタの透過の可否を決定することで反射の
有無を調整できる。すなわち、偏波フィルタを透過する
ことで反射を許可し、偏波フィルタを透過しないことで
反射を禁止できる。ポラライザの偏波方向を右分岐路と
左分岐路で異ならせることで、反射の有無により分岐路
と左分岐路を識別することができる。
【0010】本発明において、前記ポラライザは、前記
路面に面して配置される1面を2分割するように配置さ
れ、前記2分割された1面の一方は、その反射面が絶縁
体で形成され、前記偏波フィルタは、水平偏波のみを透
過するフィルタとすることができる。サイズの制約条件
などから、路面に面して配置される1面を2分割するよ
うに(例えば、矩形状をなす面の対角線上に配置する場
合など)ポラライザを配置した場合、入射電波の経路と
して、まず反射面で反射した後にポラライザ及び偏波フ
ィルタを透過する第1経路と、ポラライザ及び偏波フィ
ルタを透過した後に反射面で反射する第2経路が存在す
ることになる。ポラライザ及び偏波フィルタで所定の偏
波方向を有する円偏波のみを3つの反射面で反射させよ
うとした場合、第1の経路ではポラライザに入射する前
に反射して逆旋円偏波となるので、ポラライザで偏波さ
れた後、偏波フィルタで透過できないことになる。例え
ば、左円偏波をポラライザで直線偏波に変換して偏波フ
ィルタを透過させ3つの反射面で反射させる場合、ポラ
ライザに入射する前に右円偏波となるとポラライザでは
水平偏波に変換されてしまい、偏波フィルタを透過でき
ず3つの反射面で反射できなくなる。そこで、2分割さ
れた1面の一方、具体的には第1経路においてポラライ
ザの前に存在する反射面を絶縁体で形成することで、そ
の反射電波が逆旋円偏波となることを防止し、所定の偏
波方向を有する円偏波のみを3つの反射面で反射させる
ことができる。また、絶縁体で形成した場合、同旋円偏
波で反射することが可能となるが、その位相は180度
ずれるので、第2経路で透過した電波との位相差も18
0度となり、両経路の電波同士が干渉して相殺する(位
相相殺)おそれがある。そこで、反射により位相が18
0度ずれる水平偏波のみを偏波フィルタで透過すること
で、第2経路で透過した水平偏波の位相を反射時に18
0度ずらして第1経路で透過した水平偏波と合わせ、相
殺を防止して反射強度を確保することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
形態について説明する。
【0012】図1には、本実施形態に係る電波反射装置
10の斜視図が示されている。電波反射装置10は、水
平面に対して微小角傾いた第1の反射面10aと、この
第1の反射面10aに対して略直角に立設された第2の
反射面10b及び第3の反射面10cから構成される。
第2の反射面10bと第3の反射面10cとのなす角も
略直角である。第1の反射面10aは路面に面して配置
される。また、第2面の反射面10bと第3の反射面1
0cは、路面に対して略直角に配置される。
【0013】図2には、図1に示された電波反射装置の
縦断面図が示されている。図から分かるように、第1の
反射面10aは水平面、すなわち路面に対して所定角α
だけ傾いて形成されている。傾き角αは、入射電波が水
平面内に平行な方向から到来するのではなく、所定の接
地角(下向き角)をもって入射することを考慮して設定
される。これにより、入射電波に対する高さ方向(鉛直
方向)の指向性が拡大する。
【0014】本実施形態の電波反射装置10は3つの反
射面10a、10b、10cを有しているため、高さ方
向のサイズ、すなわち反射面10b、10cの高さを低
くしても、反射面10aで補うことで十分な反射効率を
得ることができる。
【0015】図3には、本実施形態の電波反射装置10
の一適用例が示されている。電波反射装置10は路面に
沿って所定間隔毎に設けられ、車両12に搭載されたレ
ーダ装置14から円偏波を送信する。円偏波は水平面に
対し所定の接地角θ(θはたとえば3°)で送信され
る。電波反射装置10に対して送信された円偏波は電波
反射装置10で入射方向に反射され、車両12に搭載さ
れたレーダ装置14で受信される。車両12では、反射
電波に基づいて電波反射装置10の距離及び方位を検出
する。この場合、電波反射装置10はレーンマーカとし
て機能することになる。図において、例えばレーダ装置
の設置高さH=0.6m、距離L=10mとすることが
できる。図において、例えばレーダ装置は、設置高さH
=0.6m、電波が路面に到達するまでの距離L=10
mとなるよう車両に取付けられ、この場合、接地角θは
tanθ=0.6/10になる。即ち、接地角θを規格
化し、電波反射装置の形状及び設置をこの規格に合致さ
せ、また、レーダ装置の車両への取付けもこの規格に従
って行うことにより、本実施の形態を好適に実現でき
る。
【0016】図4には、レーダ装置14から送信された
円偏波の電波反射装置10内における反射の様子が示さ
れている。入射した円偏波はまず電波反射装置10の第
1の反射面10aに入射し、反射点R1で反射する。反
射点R1で反射した後、第2の反射面10bに向かう。
第2の反射面10bでは、入射した円偏波を反射点R2
で反射する。第2の反射面10bで反射した円偏波は第
3の反射面10cに向かい、第3の反射面10cの反射
点R3で反射した後、入射方向に戻される。
【0017】図5には、図3の場合におけるレーダ装置
14と電波反射装置10との位置関係が模式的に示され
ている。レーダ装置14の高さをH、レーダ装置14か
ら電波反射装置10までの距離L、電波反射装置10の
長さd、第1の反射面10aの傾き角α、入射電波の入
射角θ、電波反射装置の高さをhとすると、角度αは、
【数1】α={arctan(h/d)−θ}/2 とすることで、入射角θに対して効率的に反射すること
ができる。入射角θは、
【数2】θ=arctan(H/L) で算出することができる。
【0018】このように、本実施形態の電波反射装置
は、3つの反射面を有し、3面の一つは路面に面して配
置されているため、垂直方向の指向性が広く路面勾配変
化に強い利点がある。
【0019】また、路面に面した反射面は路面に対して
所定の傾き角を有しているため、所定距離Lから所定の
接地角を有して送信された電波を効率的に反射すること
ができ、車両12ではこの電波反射装置10からの反射
電波を受信することで、所定距離L先の路面情報を得る
ことができる(プレビュー検出)。なお、車両12に搭
載されるレーダ装置14としては、クルーズコントロー
ル用の前方車認識レーダ装置や障害物レーダを援用する
こともできる。
【0020】また、本実施形態の電波反射装置10は、
路面に埋設された磁気ネイルの上部に配置することも可
能である。これにより、路面に配置する際の施行コスト
低減を図ることができる。
【0021】また、本実施形態の電波反射装置10の反
射に影響を与えない部分に傾斜面(スローブ)を付加す
ることで、車両12が電波反射装置10を乗り越えると
きのショックを低減することも可能である。
【0022】図6には、図1に示された電波反射装置1
0に傾斜面(スローブ)を設けた場合の平面図が示され
ている。第2の反射面10bと路面との間には傾斜面1
6cが付加され、第3の反射面10cと路面との間には
傾斜面16dが付加される。
【0023】また、この図では3つの反射面10a、1
0b、10cで形成される空間、すなわち第1の反射面
10a上で第2の反射面10bと第3の反射面10cで
囲まれた部分には樹脂が充填され、この樹脂面と路面と
の間には傾斜面16a、16b、16eが付加されてい
る。樹脂を充填するのは、反射空間内に水膜が形成され
ることや埃が堆積することを防止するため、及び電波反
射装置10の強度をより高めるためである。特に、水膜
が存在すると反射強度が著しく低下するため、水が入り
込まないように充填は隙間なく行うことが望ましい。な
お、充填材料としては、強度に優れ、かつ電波吸収量が
少ない材料が好ましい。具体的には、ポリカーボネート
やポリプロピレンである。
【0024】これにより、電波装置10の段差部分が解
消され、車両にとって乗り越えることが容易となるの
で、路面に配置し易くなる。傾斜面(スロープ)は反射
面10a、10b、10cの全てに対して付加する必要
はなく、いずれか一つ、例えば傾斜面16aのみでもよ
い。
【0025】図7には、電波反射装置の他の構成が示さ
れている。図1に示された電波反射装置10と同様に、
第1の反射面10a、第2の反射面10b、第3の反射
面10cを有している。第1の反射面10aは路面に面
し、かつ所定の傾き角を有して配置され、第2の反射面
10b及び第3の反射面10cは路面に対して略直角に
配置される。第1の反射面10a、第2の反射面10
b、第3の反射面10cはそれぞれ互いに略直角をな
す。
【0026】さらに、本実施形態の電波反射装置は、第
1の反射面10a上にポラライザ18及び偏波フィルタ
20を有している。第1の反射面10aは矩形であり、
ポラライザ18は矩形上の第1の反射面10aの対角線
上に位置することで第1の反射面10aを10a1と1
0a2の2つに分割している。偏波フィルタ20は電波
の入射方向から見てポラライザ18の背面に配置されて
おり、ポラライザ18で偏波された電波が偏波フィルタ
20に入射する。ポラライザ18は第1の反射面10a
に対して略直角に配置されるが、偏波フィルタ20は第
1の反射面10aに対して傾いて配置される。これは、
偏波フィルタ20で透過せず反射した電波が入射方向に
戻されることを防止するためである(傾いて配置するこ
とで、入射方向とは異なる方向に電波を反射する)。ポ
ラライザ18は、入射電波の偏波方向を変換するもの
で、円偏波が入射した場合にはこれを直線偏波に変換
し、直線偏波が入射した場合にはこれを円偏波に変換す
る。偏波フィルタ20は、所定の偏波方向を有する直線
偏波を透過し、これと垂直な偏波方向を有する直線偏波
を透過せず反射する。
【0027】図8には、ポラライザ18及び偏波フィル
タ20の配置例が示されている。ポラライザ18及び偏
波フィルタ20は図7に示されるように別体で構成する
こともできるが、図に示すように、角柱状の樹脂材の2
側面にポラライザ18及び偏波フィルタ20を設けるこ
とも可能である。これにより、ポラライザ18と偏波フ
ィルタ20の強度を確保することができる。ポラライザ
18は、樹脂材の側面に複数の金属板を互いに平行に埋
め込むことで形成され、偏波フィルタ20は樹脂材の他
の側面に複数の金属ワイヤを一方向に平行に埋め込むこ
とで形成される。上述したように、ポラライザ18が形
成される面と偏波フィルタ20が形成される面は平行で
はない。偏波フィルタ20の傾き角(鉛直方向に対する
傾き角)は例えば30度とすることができる。
【0028】図9には、本実施形態の電波反射装置の配
置例が示されている。電波反射装置は路面の中央に配置
され、左右の分岐路が存在する場合にはそれぞれの分岐
路に配置される。左分岐路上の電波反射装置22と右分
岐路上の電波反射装置24は、有するポラライザ18あ
るいは偏波フィルタ20が互いに異なっている。これに
より、レーダ装置14を搭載した車両12が、左右の分
岐路を認識することが可能となる。例えば、偏波フィル
タ20の向きを調整することで、左分岐路上に配置され
た電波反射装置22はレーダ装置14からの左円偏波を
入射方向に反射するが右円偏波は反射せず、逆に右分岐
路上に配置された電波反射装置24はレーダ装置14か
らの左円偏波は反射しないが右円偏波は入射方向に反射
するように構成すると、車両12が左分岐路を認識する
必要がある場合にはレーダ装置14から左円偏波を送信
することで電波反射装置22のみを検出し、車両12が
右分岐路を認識する必要がある場合にはレーダ装置14
から右円偏波を送信することで電波反射装置24のみを
検出することができるようになる。
【0029】以下、左右分岐路の識別原理について説明
する。図10には、レーダ装置14から右円偏波と左円
偏波が送信された場合の電波反射装置22の反射特性が
示されている。図において、(A)はレーダ装置14か
ら左円偏波(電波源から見て左回り)が送信された場合
である。左円偏波はポラライザ18で水平方向に偏波面
を有する水平偏波に変換され、偏波フィルタ20に入射
する。偏波フィルタ20は、水平偏波を透過するような
偏波面を有しており、従って入射した水平偏波はそのま
ま透過して反射面10a、10b、10cに到達する。
反射面10a、10b、10cで入射方向に反射した水
平偏波は再び偏波フィルタ20に入射し、偏波フィルタ
20を透過してポラライザ18に入射する。ポラライザ
18では、入射した直線偏波を左円偏波に変換してレー
ダ装置14に戻す。レーダ装置14では、反射電波を受
信し、電波反射装置22までの距離や方位を検出でき
る。
【0030】一方、(B)はレーダ装置14から右円偏
波(電波源から見て右回り)が送信された場合である。
右円偏波はポラライザ18で水平方向に偏波面を有する
直線偏波に変換され、偏波フィルタ20に入射する。偏
波フィルタ20は、水平偏波は透過するが垂直偏波は透
過せず反射する偏波面を有しているので、入射した垂直
偏波は偏波フィルタ20を透過できず、反射面10a、
10b、10cにも到達しない。なお、偏波フィルタ2
0は既述したように所定の傾き角を有して配置されてい
るので、偏波フィルタ20を透過せず反射した垂直偏波
はレーダ装置14の方向に反射せず、他の方向に反射さ
れるのでレーダ装置14で受信されることはない。従っ
て、レーダ装置14から右円偏波を送信した場合には、
電波反射装置22は検出されないことになる(このこと
は、右円偏波にとって電波反射装置22は存在しないこ
とと等価である)。
【0031】このように、電波反射装置22は、左円偏
波のみを反射し、右円偏波は反射しない特性に設定でき
る。
【0032】同様にして、電波反射装置24を、左円偏
波を反射せず、右円偏波を反射する特性に設定できる。
すなわち、電波反射装置24のポラライザ18の向き
を、電波反射装置22のポラライザ18の向きと異なら
せ(90度回転させる)、左円偏波を垂直偏波に変換
し、右円偏波を水平偏波に変換すればよい。これによ
り、左円偏波が入射した場合には偏波フィルタ20を透
過しないので反射面10a、10b、10cで反射せ
ず、右円偏波が入射した場合には偏波フィルタ20を透
過して反射面10a、10b、10cで入射方向に反射
してレーダ装置14で受信できる。
【0033】もちろん、ポラライザ18の向きではな
く、偏波フィルタ20の向きを変えることによっても同
様の効果を得ることができる。すなわち、電波反射装置
24の偏波フィルタ20を垂直偏波面を透過するような
向きに設定することで、左円偏波を透過せず、右円偏波
のみを透過して反射面10a、10b、10cで反射す
ることになる。
【0034】以上より、レーダ装置14から右円偏波あ
るいは左円偏波を切り替えて送信することで、左分岐路
あるいは右分岐路を確実に検出することが可能となる。
【0035】なお、路面には電波反射装置のみならず、
他の電波を反射する物体も存在し得るが、電波反射装置
22、24(あるいは10)からの反射電波は同旋円偏
波、すなわち入射電波と同一旋回方向の偏波面を有する
円偏波であり、他の反射物体からの反射電波は逆旋円偏
波となるので、電波反射装置からの反射電波と区別する
ことができる。
【0036】一方、本実施形態では、ポラライザ18
は、図7に示されたように矩形状をなす第1の反射面1
0aの対角線上に配置され、第1の反射面10aを2つ
の領域10a1、10a2に分割している。従って、電
波反射装置に電波が入射する場合、領域10a1で反射
してポラライザ18に入射する場合と、ポラライザ18
(及び偏波フィルタ20)を透過した後に領域10a2
で反射する場合が生じる。
【0037】図11には、電波反射装置22(あるいは
24)に入射する円偏波の様子が示されている。ポララ
イザ18は、図7に示されたように矩形状をなす第1の
反射面10aの対角線上に配置され、第1の反射面10
aを2つの領域10a1、10a2に分割している。図
において、(A)はポラライザ18に対してレーダ装置
14側に位置する反射面10a1でまず反射し(反射点
R)、その後ポラライザ18、偏波フィルタ20に入射
する場合、(B)はポラライザ18に対してレーダ装置
14と反対側に位置する反射面10a2で反射する場合
で、レーダ装置14からの電波はまずポラライザ18及
び偏波フィルタ20に入射し、その後反射面10a2で
反射する場合である。
【0038】(A)の場合には、ポラライザ18に入射
する前に反射面10a1で反射するため、その反射電波
は逆旋円偏波となってポラライザ18に入射する。従っ
て、本来であれば図10に示されたようにポラライザ1
8で垂直偏波に変換されて偏波フィルタ20を透過しな
ければならないところ、(A)の場合ではポラライザ1
8で水平偏波に変換されてしまい(ポラライザ18への
入射前に逆旋円偏波となっているため)、偏波フィルタ
20で反射して透過できす、トータルの反射強度が低下
してしまう。
【0039】したがって、(A)の場合において反射面
10a1で反射して逆旋円偏波とならないように、反射
面10a1を樹脂等の絶縁体で構成し、かつ、入射電波
が絶縁体のブリュースター角より大きい入射角で入射す
るように配置することが望ましい。絶縁体におけるブリ
ュースター角とは、反射電波に含まれる垂直偏波成分が
0となる角度(すなわち、反射電波はすべて水平偏波と
なる)をいい、入射角がブリュースター角より大きい場
合には、垂直偏波成分は位相が180度反転する。一
方、水平偏波成分は絶縁体で反射した場合、入射角によ
らず位相が180度反転する。したがって、入射円偏波
が絶縁体にブリュースター角より大きい角度で入射した
場合には、水平偏波及び垂直偏波がともに180度位相
反転するので、反射電波の旋回方向は変化しない。これ
により、(A)の場合であってもポラライザ18で垂直
偏波に変換できるようになる。
【0040】但し、このように2分割された反射面10
aの一方を絶縁体で構成した場合には、反射電波を同旋
円偏波とすることが可能となるものの、絶縁体で反射し
た電波は入射電波に対して180度位相がずれることに
なるので、本実施形態のようにポラライザ18が存在す
る場合には他の問題が生じ得る。
【0041】いま、仮にポラライザ18が円偏波を垂直
偏波に変換し、偏波フィルタ20が垂直偏波を透過する
ように配置した場合を想定する。このとき、(A)の場
合ではポラライザ18に入射する前に絶縁体で構成され
た反射面10a1に入射して反射するため、その反射電
波は同旋の円偏波ではあるがその位相は180度ずれて
いる。従って、ポラライザ18及び偏波フィルタ20を
通過した垂直偏波の偏波方向は、(B)の場合のように
反射面10a1で反射せず直接ポラライザ18、偏波フ
ィルタ20を通過した電波の偏波方向に対して180度
位相がずれることになり、(A)の場合の反射電波と
(B)の場合の反射電波とで位相相殺が生じ、その結果
トータルの反射電波強度が低下してしまうことになる。
【0042】そこで、反射面10aの一部を絶縁体で構
成した場合には、さらにポラライザ18が円偏波を水平
偏波に変換し、偏波フィルタ20が水平偏波を透過する
ように配置するのが望ましい。このとき、(A)の場合
においてポラライザ18と偏波フィルタ20を通過した
水平偏波の偏波方向と、(B)の場合においてポラライ
ザ18と偏波フィルタ20を通過した水平偏波の偏波方
向は、同様に180度位相がずれているが、(B)の場
合においては偏波フィルタ20を通過した後に反射面1
0a2で反射する。この反射により、(B)の場合の水
平偏波の位相は180度ずれることになるので、結局、
(A)の場合の水平偏波の位相と(B)の場合の水平偏
波の位相は同相となり、反射電波の位相相殺は生じな
い。
【0043】従って、第1の反射面10aの一部を絶縁
体で構成した場合には、反射面10a1で反射する電波
と反射面10a2で反射する電波の位相相殺を防ぐため
に、電波反射装置22、24の偏波フィルタ20は水平
偏波のみ透過し、垂直偏波を透過せず反射するような配
置とすれば良いことになる。すなわち、電波反射装置2
2、24を配置する場合には、偏波フィルタ20の向き
は水平偏波を透過する向きに固定し、ポラライザ18の
向きを互いに異ならせることが望ましい。偏波フィルタ
20の向きを、水平偏波が透過する向きに配置するため
には、複数の金属ワイヤを垂直方向に張ればよい。
【0044】なお、偏波フィルタ20を水平偏波が透過
する向きに配置するのではなく、他の方法によって位相
相殺を防止することも可能である。例えば、反射時に1
80度の位相ずれが生じるような光路長分だけ反射面1
0b、あるいは10cに段差を設ける。これにより、偏
波フィルタ20が垂直偏波を透過する向きに配置されて
いても、(A)の場合と(B)の場合における180度
の位相ずれを解消することができる。段差を反射面10
bあるいは10cに形成する場合、(A)の場合と
(B)の場合とで反射面10bあるいは10cに入射す
る位置(高さ方向位置)の相違を考慮して形成する必要
がある。
【0045】以上、本発明の実施形態について説明した
が、上述した実施形態以外に種々の変形使用が可能であ
る。
【0046】例えば、本実施形態では図1あるいは図7
に示されたように3つの反射面を有する電波反射装置を
示したが、サイズの制約等から3つの反射面を形成する
ことができない場合には、反射面10aと反射面10b
の2つの反射面のみとすることも可能である。この場合
も、反射面10aと10bは略直角をなし、反射面10
aの傾き角αは入射角θに一致させることが効果的であ
る。
【0047】また、電波反射装置以外の他の反射体が存
在しないことが明らかである場合、あるいは何らかの方
法で別途両者を識別することができる場合には、図9の
システムにおいてレーダ装置14から円偏波ではなく直
線偏波を送信することも可能である。この場合、入射電
波は直線偏波であるので、円偏波を直線偏波に変換する
ためのポラライザ18は不要となる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
3つの反射面を有することで、反射効率を維持しつつサ
イズを縮小することができる。
【0049】また、ポラライザと偏波フィルタを組み合
わせることで、入射電波の反射/非反射を制御すること
ができ、複数の経路の識別、例えば左右分岐路の識別に
利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の電波反射装置の斜視図である。
【図2】 図1の縦断面図である。
【図3】 実施形態の電波反射装置のシステム概念図で
ある。
【図4】 実施形態の電波反射装置の反射説明図であ
る。
【図5】 実施形態の電波反射装置の配置説明図であ
る。
【図6】 実施形態の電波反射装置に傾斜面を取り付け
た場合の平面図である。
【図7】 他の実施形態の斜視図である。
【図8】 図7におけるポラライザと偏波フィルタの構
成図である。
【図9】 左右分岐路上に設けられた電波反射装置のシ
ステム概念図である。
【図10】 図9における左右分岐路識別の原理説明図
である。
【図11】 図7の電波反射装置における反射説明図で
ある。
【符号の説明】
10 電波反射装置、10a 第1の反射面、10b
第2の反射面、10c第3の反射面、12 車両、14
レーダ装置、16a〜16e 傾斜面、18 ポララ
イザ、20 偏波フィルタ、22 電波反射装置(左分
岐路上)、24 電波反射装置(右分岐路上)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上里 良英 兵庫県神戸市兵庫区御所通1丁目2番28号 富士通テン株式会社内 Fターム(参考) 5H004 GA31 GB12 MA55 MA58 5H180 BB04 CC12 CC14 CC17 CC24 5J070 AD17 AE07 AF03 AH39 AK14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射電波を入射方向に反射する電波反射
    装置であって、 前記入射電波を反射する3面の反射面を有し、 前記3面は互いに略直角をなし、 前記3面の内の1面は路面に面して配置され、他の2面
    は路面に対して略直角に配置されることを特徴とする電
    波反射装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、 前記路面に面して配置される1面と路面とのなす角度
    は、前記入射電波の入射角に基づいて設定されることを
    特徴とする電波反射装置。
  3. 【請求項3】 請求項1、2のいずれかに記載の装置に
    おいて、さらに、 前記3面の少なくともいずれかと前記路面との間に配置
    された傾斜面を有することを特徴とする電波反射装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の装置に
    おいて、さらに、 前記入射電波の偏波方向を変えるポラライザと、 前記ポラライザからの電波が所定の偏波面を有する場合
    のみ透過する偏波フィルタと、 を有することを特徴とする電波反射装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の装置において、 前記ポラライザは、配置される路面に応じて異なる偏波
    方向を有し、配置される路面に応じて前記偏波フィルタ
    の透過の可否が決定されることを特徴とする電波反射装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の装置において、 前記ポラライザは、右分岐路と左分岐路で異なる偏波方
    向を有することを特徴とする電波反射装置。
  7. 【請求項7】 請求項5、6のいずれかに記載の装置に
    おいて、 前記ポラライザは、前記路面に面して配置される1面を
    2分割するように配置され、 前記2分割された1面の一方は、その反射面が絶縁体で
    形成され、 前記偏波フィルタは、水平偏波のみを透過するフィルタ
    であることを特徴とする電波反射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005198914A (ja) * 2004-01-16 2005-07-28 Inax Corp トイレ設備における人体検知装置

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