JP2000338865A - デジタル道路地図のデータ収集装置 - Google Patents
デジタル道路地図のデータ収集装置Info
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Abstract
行車両位置を高精度に把握できるデジタル道路地図デー
タの収集装置を提供する。 【解決手段】予め設定された所定のサンプリング間隔ご
とに、車両のローリング角度及びピッチング角度と、車
両巾方向の両端の各路面までの距離と、車両の進行方向
距離とをそれぞれのセンサ(5,4,6) により検出すると共
に、各センサにより検出された各種の計測データをサン
プリングし、それらのデータを演算装置(11)に入力し
て、路面延長方向の横断勾配演算及び縦断勾配演算を繰
り返し行う。各演算ごとに車線単位の車両位置データを
区画線センサ(12)、GPS (13)、ビーコン(14)からの各検
出データと重ねて、3 次元的で高精度な走行車両位置デ
ータを収集する。
Description
両の走行位置座標(経度、緯度、標高)のデータを車線
単位ごとに高精度に収集し得るデジタル道路地図のデー
タ収集装置に関し、更には路面の縦・横の延長方向形状
データをも高精度に同時に収集し得て、より精度の高い
3次元道路地図のデータ収集を可能にしたデジタル道路
地図のデータ収集装置に関する。
位システム)が多用され、特にそのデータ精度の高さ
(測位精度:100m、測量精度:数cm)と、デジタ
ルデータ処理が可能であるため、GPSによる測量デー
タは、例えば高精度のカーナビゲータには欠かせないも
のとなっている。一方、現在、我が国において使われる
日本地図及び海図上の緯度及び経度は、天文観測による
「日本測地系」に従った三角点基準による測量データに
基づいて作成されており、「世界測地系」に従ったGP
S測量に基づく国際基準とはずれがあるため、国際基準
に合わせるように、現行の測量法を改正すべく準備がな
されている。このように、近い将来には地球上のあらゆ
る地域の地図情報が汎用化されるようになる。
ータに基づいており、しかも上述の測量精度をもって提
供されることになる。現在でも、デジタル地図の作成は
活発に進んでおり、その用途も単なる地図情報としての
使用に止まらず、あらゆる地理情報の基準データとな
り、例えばコンピュータを介して建設・土木分野や道路
交通分野における各種のデータと組み合わされて、各種
の地理情報システム(GIS)や高度道路交通システム
(ITS)として開発され、効率的な都市計画、資材計
画、施工管理、或いは高度なナビゲーションシステムの
開発、道路交通情報サービスなど広い分野に使われるよ
うになっている。
あたって、その地図データの基礎をなすGPS測量デー
タが数cmの精度をもつ以上は、それ以外から得る他の
地図データ或いは地形データも当然に同様の精度を持つ
ことが望ましい。
例えばレーザ光照射による航空測量法が挙げられる。こ
の航空測量法は、航空機から地上に向けてパルスレーザ
光を照射し、その反射光を検知して、光の往復時間を測
定し航空機からの距離データを得ることにより、この距
離データとGPSの測量データ及びINS(慣性航法シ
ステム)による航空機の空間姿勢に関するデータとを処
理し、1パルスごとの地上における位置座標(緯度・経
度・標高)を与え、樹木や地表面を3次元的に計測す
る。その計測精度は数10cmであり、従来の航空写真
による測量に対して1/500〜1/1000の精度が
得られるというものである。
は著しい。当初は単に道路地図上に自車の走行位置を大
まかに示していたものが、音声による現在位置が知らさ
れるようになり、最近では周辺の道路事情を知らせると
共に、最も効率的に目的地に到達する道路を選択し、或
いはコンビニエンスストアなどの所在場所などのきめの
細かな情報が標示されるようになってきている。また、
ディスプレイ装置に標示する道路地図も単なる平面地図
ではなく、例えば道路の曲率、路幅、車線数、道路交通
標識、立体交差点、沿線の建物などの目標物や名所など
を立体的に標示することも、例えば特開平6−2151
02号公報や特開平10−222056号公報などによ
り提案されている。
した測定装置により路面の横断面プロフィール、縦断面
プロフィール及びひび割れなどを計測することが、例え
ば、特開昭61−112918号公報や特開平10―1
68810号公報に開示されている。これらの公報のう
ち後者によれば、車両に路面までの距離を測定する測距
手段と、鉛直方向の加速度を測定する鉛直加速度測定手
段と、その鉛直加速度測定手段で測定された加速度を積
分して鉛直方向の変位を求める積分手段と、上記車両の
姿勢角を測定する姿勢測定手段と、その姿勢測定手段で
測定された姿勢角と上記測距手段で測定された距離とか
ら上記路面までの鉛直距離を算出し、その算出した鉛直
距離と上記積分手段で求めた変位との差を用いて上記縦
断プロファイルを求める手段とを備えた測定装置を車両
に搭載し、同測定装置により走行する道路の道路縦断プ
ロフィールを測定している。
超音波が使われ、その反射を検出して車両と路面間の距
離を測定する。また、前記姿勢測定手段としては、3軸
ジャイロの他に、3軸加速度計やGPS、或いはGPS
に代えて速度センサが用いられている。前記3軸加速度
計から出力されるX,Y,Z加速度は座標変換手段によ
り慣性座標であるN(北方向),E(東方向),D(地
球中心方向)の各座標の加速度に変換され、これらの
N,E,D加速度を積分して各速度を求めると共に、
N,E,D速度を更に積分して鉛直方向の変位HとN,
E位置(移動距離)を算出している。前記N,E速度を
積分して得られるN,E位置の積分による誤差の増加
は、例えばGPSのN,E位置と比較されて修正され
る。
ィール測定装置によれば、路面に対して車体が上下動す
るような路面の凹凸の測定に加え、車体が路面に沿い、
傾斜して走行するような路面の縦断起伏をも正確に測定
することができるため正確な道路縦断プロファイルを得
ることができるというにある。
ザ光照射による航空測量法は高精度の測量が可能ではあ
るが、コストがかかるばかりでなく、地上の測定位置を
高精度に特定することが難しい。また、上記特開平10
−222056号公報では道路データの収集方法が示さ
れていないため、その具体的手法は明らかでないが、特
開平6−215102号公報に開示されたデータ収集手
法によれば、道路周辺の景色をテレビカメラ等の撮像手
段により収録し、走行位置検出手段から得られた走行中
の一連の位置及び進行方向のデータと撮像手段によって
得られる画像データと集音手段によって得られる音声デ
ータを車載記憶手段に記憶させ、走行後に前記各種デー
タを地図データベースに折り込んでいくものである。
(高度道路交通システム)が完成し、例えば車線の逸脱
を防止すべく道路周辺に設置されたセンサや車両に備え
つけられたセンサからの情報に基づき車両の各種制御を
自動的に或いは補助的に行い、自動走行が実現化され
る。かかるシステムの構築に際して、最も重要な点は道
路周辺環境の高精度なデータ、例えば走行車両の路肩ま
での距離、走行車両と電柱などの路側に設置される構造
物との距離、或いは走行車両と各車線の区画線との距離
等を正確に時々刻々と認識する必要がある。そのために
は、地図データベースに道路周辺の存在物の位置データ
を数cmの精度で収容しておく必要がある。
された道路周辺の収集されるデータは専ら汎用のテレビ
カメラ等により得られる画像データであるため、データ
収集車の路面上における高精度な位置座標を得ることは
難しく、特にデータ収集車がどの車線の如何なる位置を
走行しているのかを把握することは難しい。
は、3軸加速度計及び3軸ジャイロから得られる鉛直上
下変位から、ロール角、ピッチ角、ジャイロ取付高さ、
路車間の測距手段により得られる各データから演算して
求められる鉛直方向の高さを引算した値を路面縦断プロ
フィールとしている。このため、得られるデータは3軸
ジャイロによる鉛直上下変位の精度に依存することにな
るが、この鉛直上下変位は3軸加速度計により得られる
加速度に、刻々と変わる3軸ジャイロのX、Y、Z角加
速度のデータを使用して、そのマトリクス変化分を更新
して座標変換手段に入力している。そして、前記座標変
換手段から出力される鉛直加速度を2重積分(速度に変
換したのち、変位に変換する。)することにより上記鉛
直上下変位を算出することから、以下に挙げるような諸
々の課題が生じる。
ロのデータの発散を少なくするために、上記公報にも記
載されているようにハイパスフィルターを使用する必要
がある。この場合、採用される周波数の範囲により得ら
れる縦断プロフィールの正確な路面のうねり周期が限定
されてしまい、緩やかな坂道の計測は不可能となる。例
えば、ハイパスフィルタのカットオフ周波数を0.4H
z以下とすると、時速100kmで走行する車両からは
69m以上の路面うねり周期の計測は不可能となる。
求めようとする場合には、車両の鉛直方向加速度の変化
が0.4Hzを越える周波数の交流正弦波運動に限ら
れ、一定の加速度の場合や加速度が0.4Hz以下の周
波数で変化する場合には、変位出力が時間とともに零に
収束してしまう。
3軸ジャイロの出力(ロール角、ピッチ角、鉛直上下変
位)データを補正しようとすると、一般にGPSからの
データは1sec間隔ごとにしか得られないため、これ
らのデータを用いて高精度のデータを得ようとすると、
1sec間隔で補正された3軸ジャイロからの出力デー
タしか採用できない。従って、例えば車速が36km/
hの車両上から信頼性の高い縦断プロフィールに使われ
るデータを得ようとすると、10m間隔のデータしか採
用できないことになる。このことは、実際の路面を走行
する計測車両にあっては、限られた条件下における計測
のみが有効になることを意味している。
下鉛直変位成分は、路面の形状、車両のタイヤ、バネ系
を含む各鉛直上下変位成分の上重された高調波成分から
なり、0.4Hz以上の交流正弦波運動とはなり得ない
ため、正確な測定は望めない。
図データの収集装置における上記課題を解決すべくなさ
れたものであり、具体的な目的はGPSによる測量精度
に見合った精度の測定データ、特に多様な利用分野のユ
ーザの要求に適った車線単位の幅員データを数cmの精
度で収集する装置を提供することにあり、更には極めて
短い距離から比較的長い距離に到るまでの路面のうねり
や勾配等の縦・横の延長方向形状データを高精度に収集
する装置を提供することにある。
ば上記特開昭61―112918号公報に記載されてい
るように、車上から道路を横断する方向にパルスレーザ
光を走査させて、その反射光を検出することにより路面
の横方向或いは縦方向のうねりやひび割れなどの路面性
状を検出することが行われているが、例えば上述のごと
く自車が道路上のどの位置、特に何番目の車線のどの位
置を走行しているのかを知り得るための必要な高精度な
データを収集しようとする試みは一切なされていない。
通システム)の構築が進むにつれて、自動走行や制御走
行のために極めて精度の高いきめ細かな道路情報が要求
されるようになり、走行前方の詳しい道路状況を把握す
るための各種の道路情報の他に、特に自車が走行する車
線(中央車線、左車線、右車線等)の認識、他車との車
間距離、走行する車線内における自車の正確な位置座標
(緯度、経度、標高)、路肩や区域線、路肩周辺の障害
物と自車との正確な横断方向距離等の道路情報は、前記
自動走行や制御走行のための安全性を確保するためには
欠くことのできないデータとなる。
面からの検討を積み重ねた結果、前記データとして最も
有効なデータとしては、先ず車線ごとの路幅、つまり車
線単位の幅員を車両の走行位置における正確に把握する
ことが必要であると考えた。しかも、これらのデータは
効率的に且つ高精度に収集されなければならない。その
ためには、道路データの収集車両を実際の道路上を走行
させて、時々刻々と変わる自車の走行位置を車線単位ご
とに正確に収集するように必要がある。このとき、同時
に車線単位の幅員データと路面の性状(道路の縦・横縦
断面データなど)を把握する。これらのデータは、全て
GPS測量データを基礎とする。従って、その精度は数
cmの範囲であることが望ましい。
説明する本件発明である。本件請求項1に係る発明は、
路上における車線単位の自車走行位置の検出手段と、車
両の幅方向同一直線上の両端に所定の傾斜角度(φ)を
もって路面に向けて設置され、路面幅方向の所定の検出
長さ範囲を撮影する左右一対のラインセンサカメラ、C
CDカメラ等の区画線センサと、各区画線センサによる
画像データに基づき車線ごとの幅員を演算する路幅演算
手段とを備えてなることを特徴とするデジタル道路地図
のデータ収集装置にある。
例えばGPSによる座標系(緯度・経度・標高)位置デ
ータと実際の走行距離、地理情報システム(GIS)に
おける基礎データである数値地図2500(空間データ
基盤)のデジタルデータなどを取り込むことにより知る
ことができる。こうしたデータと共に、本発明では車両
の左右に固設した左右一対のラインセンサカメラ又はC
CDカメラ等の区画線センサにより、車両側方の路面状
況を撮影し、例えば車線の区画線である白線や路肩、電
柱などの画像データを収集する。これらの画像データは
即座にデータ処理がなされると共に、幅員等演算手段に
より演算処理がなされて、車線単位の幅員、電柱までの
距離等が正確に算出されて記憶部に記憶される。
の検出手段がGPSデータ及びビーコンの受信手段を含
んでいることを規定している。この他にも、自車走行位
置の検出手段としては、例えば各種のジャイロを搭載し
てもよく、この場合には自車の走行姿勢が把握できる。
自車走行位置の検出手段として3軸加速度計を挙げるこ
ともできるが、その処理が複雑化すると共に、信頼性の
高い項精度のデータが得にくいことから、本発明のよう
にGPSデータ及びビーコンの受信手段を採用するほう
が、自車の走行姿勢を正確に把握することができる。
による所定の検出長さ範囲が最大で片側車線の全幅であ
るとしている。1車線単位での幅員を把握するだけであ
るなら、前記検出長さを車線幅より僅かに大きくすれば
十分であるが、片側複数車線の道路では、自車の走行位
置としていずれの車線を走行中であることを把握するこ
とも重要であるため、ラインセンサカメラ又はCCDカ
メラ等の区画線センサにより撮影する範囲を少なくとも
片側の全道路幅を撮影可能とすることが望ましい。この
ときの撮影は自車が走行する車線を特定するだけでよい
ため、車線単位の幅員データを収集するときの精度は要
求されない。
記検出手段による検出データと前記路幅等演算手段の演
算による路幅データとを複合して走行車線内における走
行位置を算出する走行位置算出手段を備えている。上述
のようにして得られる車線単位の幅員、電柱までの距離
等の各種のデータは、走行位置算出手段に取り込まれ、
走行位置データと複合されて演算処理がなされ、得られ
るデータが数値地図2500のデータファイルに入力さ
れる。こうして作成されたデジタル地図データは、例え
ばナビゲーションシステムに全て取り込まれ、同ナビゲ
ーションシステムとGPS受信機、ビーコン等の自車走
行位置の検出手段及びその他の必要器材を搭載した車両
は、例えば走行中の自車の走行位置を車線単位で刻々と
知ることができるようになる。このときの情報は、例え
ば後述する路面性状データが20cmの走行ごとに得ら
れると共に、他のデータは全て数cm単位で得ることが
できる。
えて更に車両のローリング角度(α)、ピッチング角度
(β)を測定する傾斜角検出手段と、車両の巾方向同一
直線上の両端に設置され、各路面までの距離(Am,B
m)を測定する車高検出手段と、車両の進行方向距離を
測定する走行距離検出手段と、予め設定された所定の距
離(L)ごとに前記各検出手段により検出される各種の
計測データをサンプリングするサンプリング手段と、上
記計測データの入力により、 Rθi =tan-1(bi /l) =tan-1〔{HiL−(HiR−ai )}/l〕 hi+1 =Lsinβi 但し、Rθi :測定点ごとの路面の横断勾配角度 l :左右車高検出手段間の距離 ai :l・tanαi (車幅方向一端の相対車高) bi :HiL−(HiR−ai )(車幅方向他端の相対車
高) hi+1 :測定点Pi+1 における前回の測定点Pi との路
面高低差 i :0〜n(サンプリング回) 上記演算式に基づく路面延長方向の横断勾配演算及び縦
断勾配演算を行う延長方向形状演算手段とを有してなる
ことを特徴とする路面延長方向形状の車載測定装置を搭
載している。
回目)の測定点Pi を基準点として、車両が所定の距離
Lだけ進んだときの次回(i+1回目)の測定点Pi+1
における路面の横断勾配Rθi 及び測定点Pi+1 におけ
る前回の測定点Pi との高低差Hi+1 を、測定点Pi+1
における測定データを車両に搭載した演算装置に入力し
て上記演算式を使ってそれぞれの値を算出し、前回の測
定点Pi を基準点とする次回の測定点Pi+1 までの道路
の縦断プロフィールを求める。次の演算は、測定点P
i+1 を新たな基準点として路面の延長上にある所定の距
離Lを隔てた次回の測定点Pi+2 における路面の横断勾
配Rθi+2 及び同測定点Pi+2 における前回の測定点P
i+1 との高低差Hi+2 を上記演算式に従って求める。こ
の操作が繰り返されることにより、距離Lごとの路面の
縦断面プロフィールが測定される。
示された測定装置では、刻々と変化する鉛直上下変位を
3軸加速度計から得られるZ加速度に3軸ジャイロのZ
軸の角加速度データを利用してマトリックス変化分を計
算し、その値から鉛直加速度を得て、これを2重積分す
ることにより算出している。このときの2重積分による
誤差発散分を回避するため、ハイパスフィルタを介在さ
せている。このハイパスフィルタの介在により、測定条
件などに制限を受けることとなる。
サンプリングのための上記距離Lを任意に決定できるた
め、外乱による影響の少ない距離を選定することにより
実用上は十分な精度の計測が可能であり、しかも上記演
算式が測定回ごとに逐次更新される2測定点間の純幾何
学的な演算式に過ぎず、積分等の格別の操作が不用であ
るため、従来のごとく積分による誤差の発散も避けら
れ、設定距離Lごとの前回の測定との相対的で正確な縦
断面プロフィールが計測できる。また、通常の計測であ
ればGPSデータによる補正等は不用であるが、もし路
面の絶対標高が必要な場合には、上記測定データに対し
てGPSの標高データを使って絶対的な標高に基づく横
断面勾配と縦断面勾配を演算することができる。
である前記所定の距離(L)を20〜30cmの範囲に
設定するものである。路面の多様なラフネス測定装置か
ら得られる平坦性指数を互いに関連付けて、統一的な路
面のラフネスを把握するための指数として国際ラフネス
指数(IRI)がある。このIRIは、縦断プロフィー
ルのサンプリング間隔ごとの車体と車輪の相互変位の変
化量(路面の修正勾配)の縦断プロフィール全長に対す
る平均値であり、縦断プロフィールの延長ごとにその値
が求められ、そのサンプリング間隔はタイヤのエンベロ
ープ特性を考慮して25cmと決められており、車速を
80km/hを標準としている。かかる観点から、本発
明にあっては計測車両の車速60〜100km/hに応
じてサンプリング間隔(L)を20〜30cmの間に設
定している。もちろん、本発明にあって、更に計測精度
を高めたい場合には、前記サンプリング間隔(L)を2
0以下の数cmとすることも可能である。
添付図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明に
係るデジタル道路地図のデータ収集装置を搭載したデー
タ収集車両を模式的に示している。データ収集車両1の
フロントシールドの左右下端隅部の近傍に左右一対のラ
インセンサ又はCCDカメラからなる区画線センサ12
L,12Rが取り付けられており、天井部には測量用G
PSアンテナ13及びビーコン用アンテナ14が取り付
けられている。一方、同車両1の左右の前輪2L,2R
と後輪3L,3Rの各前後方向の接地点間を結ぶ左右の
直線の直上に所定の上下間隔をあけて左右の車高センサ
4L,4Rが固設されている。また図示例では、前記左
右の車高センサ4L,4Rを結ぶ直線上中央に傾斜計で
ある3軸ジャイロ5が固設され、右側後輪3Rには走行
距離センサ6が接触回転するように取り付けられてい
る。前記車高センサ4L,4Rとしては、公知の光セン
サ或いは超音波センサなどが用いられる。
両1には図2に示すようにレーザヘッド7と、同ヘッド
7から出射されるレーザビームを車両1の前方の路面上
の車両1の走行中心線に直交する直線上にレーザビーム
を走査させるスキャナ8とが適宜位置に搭載され、車両
1の前面にはレーザビームの走査線上の路面の反射光を
受光して路面表面のわだち掘れとひび割れ状態を検出す
る左右のわだち掘れセンサ9L,9R及びひび割れセン
サ10L,10Rが取り付けられている。前記わだち掘
れセンサ9L,9R及びひび割れセンサ10L,10R
は路面の左右半部の検出を分担する。図中の符号11は
演算装置であり、同演算装置11には図示を省略したが
車線ごとの幅員や路肩周辺の障害物までの距離等を演算
する幅員等演算部と走行時の現在位置を算出する走行位
置算出部とを備えている。
収集装置のブロック線図であり、図4は同装置による車
線ごとの幅員データの収集例のフローチャートを示し、
図5は車線ごとの区画線を検出する検出方法の説明図、
図6は前記区画線の検出時におけるラインセンサの出力
を示す線図である。
収集の開始と同時に、データ収集車両1に搭載した左右
の車高センサ4L,4R、3軸ジャイロ5、走行距離セ
ンサ6、左右のわだち掘れセンサ9L,9R、左右のひ
び割れセンサ10L,10R、左右の区画線センサ12
L,12R、測量用GPSアンテナ13及びビーコン用
アンテナ14を作動させて、それらから得られる全ての
検出データを収集すると共に、各検出データは上記演算
装置11に入力される。
長方向の横断形状及び縦断形状を延長方向形状演算部1
1aにて演算すると共に、幅員等演算部11bにて左右
の区画線までの距離から走行車線の幅員を算出し、これ
らの演算結果がGPSアンテナ13からの受信データ及
びビーコンアンテナ14からの受信データと共に走行位
置算出部11cに入力されて、最終的なデータ収集車両
1の走行車線内における位置が絶対座標(緯度・経度・
標高)として数cm単位の精度をもって算出され、モニ
タに標示されると共に、記憶装置に入力されて保存さ
れ、必要ならば出力装置を介して外部に出力される。
てのラインセンサやCCDカメラを使う場合には、図5
においてラインセンサの検出方向(路幅方向)に並設さ
れる画素数をn個とし、その撮影幅をWとしたとき、区
画線又は縁石を特定するのに十分な撮影幅Wを3mに設
定すれば十分である。前記画素数nを標準的に600程
度としたとき、その測定精度は画素ごとに得られるデー
タから3000mm÷600÷sinφ≒5cmとな
り、自己車両の位置をcm単位の精度で特定することが
できる。更に精度を高めるには画素数を増加させればよ
い。
収集方法を、図5に示すフローチャートに基づき、対応
する図面を参照しながら具体的に説明する。先ず、図7
〜図11を参照して路面延長方向の横断形状及び縦断形
状をの算出方法を説明する。なお、測定車両1の左右に
配される各センサ類によるデータの演算は、右左のそれ
ぞれについてなされるが、その演算手順は右左で相違し
ないため、以下の説明ではその一方の演算手順について
説明することにする。ただし、同図ではわだち掘れセン
サ9及びひび割れセンサ10による路面の横断方向のう
ねり等の検出手順は省略している。
車高センサ4R,4Lにより路面から各センサ4R,4
Lまでの距離(車高)H0R,H0Lを計測すると共に、傾
斜計5により車両のローリング角α0 及びピッチング角
β0 を検出する。これらのデータのうち、左右の路面か
ら車高センサ4R,4Lまでの車高H0R,H0Lのそれぞ
れのデータと車両のローリング角α0 及びピッチング角
β0 とが車両に装備する演算装置11に入力され、次の
演算式 ai =l・tanαi (車幅方向一端の相対車高) bi =HiL−(HiR−ai )(車幅方向他端の相対車
高) Rθi =tan-1(bi /l) =tan-1〔{HiR−(HiL−ai )}/l〕 hi+1 =Lsinβi 但し、Rθ:路面の横断勾配角度 l :左右車高検出手段間の距離 ai :l・tanαi (車幅方向一端の相対車高) bi :Bi−(Ai−ai )(車幅方向他端の相対車
高) hi+1 :測定点Pi+1 における前回の測定点Pi との路
面高低差 i :0〜n(サンプリング回) を使って車高を補正し、車両1の左右両端におけるそれ
ぞれの路面に対する相対高さa0 ,b0 (ただし、Lは
0である。)を求める。
として、前記演算装置11により前記相対高さa0 ,b
0 から下記の演算式を使って路面の横断勾配角度Rθ0
を算出して路面の横断勾配形状を求め、記憶部15に格
納する。
め設定された距離Lを走行させて、最初の測定点P0 の
上記相対高さa0 ,b0 を基準として、第2の測定点P
1 における車両1の左右両端の路面に対する相対高さa
1 ,b1 を前述の演算式を使って算出すると共に、車両
1の左右両端部における前回の測定点P0 と第2の測定
点P1 との路面高低差h1 を、 演算式 h1 =Lsinβ0 を使って算出する。
定されており、同距離が極めて短いため、最初の縦断勾
配角度は傾斜計5により検出される最初の測定点P0 に
おけるピッチング角β0 に等しいとして取り扱う。こう
して得られた第2測定点P1における車両1の左右両端
の路面に対する相対高さa1 ,b1 と、車両1の右左両
端部における前回の測定点P0 と第2の測定点P1 との
路面高低差h1 とから、第2測定点P1 の横断面形状及
び縦断面形状が求められて、路面の延長方向形状が確定
する。以上のサンプリング及び演算操作を繰り返すこと
により、第3〜第n回の測定が順次なされて、図9に示
すように延長方向の路面形状が測定される。
り得られた実測値をプロットして書かれた路面延長方向
の変化の状態と、本発明装置による演算結果に基づく路
面延長方向の変化の状態とを対比して示した線図であ
る。これらの図から、本発明装置による演算結果が実測
値に近似していることが理解できる。
れば、路面の延長方向における横断面プロフィール及び
縦断面プロフィールを演算するにあたり、積分演算が不
用であるため各データの誤差の発散がなく、しかも測定
のサンプリング間隔(L)を任意に設定し得るため測定
誤差も少なくでき、路面の延長方向における短いうねり
から長い周期のうねりまで高精度の測定が可能となる。
両の進行方向と直交する路面上を走査させることによ
り、路面の幅方向のうねりを逐次測定するようにしてい
るため、更に正確な路面性状を測定し得る。その結果、
路面の3次元形状が得られ、本発明の路面性状の測定車
両のわだち掘りデータを横断勾配の算出結果で補正し、
縦断勾配の算出結果(延長方向形状)上に結ぶことによ
り正確な路面の3次元形状が得られ、道路補修時の工事
量算出や車両の乗り心地評価のため路面データ等の利用
が可能である。なお、こうした路面の幅方向のうねり
(わだち掘れ形態やひび割れ形態)の測定は、例えば特
開昭61−112918号公報により提案された測定装
置により実施が可能である。
両1の走行位置データがラインセンサやCCDカメラ等
の区画線センサ12L,12Rによる画像データとGP
Sデータ等を使って正確に収集される。また、同時に鉛
直上下変位やGPSデータを使って上述のようにして算
出された相対的な路面高低差H1 をGPSの標高データ
により標高補正し、図11(a)及び(b)に示すよう
に絶対的な標高高低差を得ることもできる。
ごとの道路横断勾配形状及び延長方向形状の演算結果
が、前記区画線センサ12L,12Rにより検出された
車両1からの区画線までの距離データに重ねられ、同走
行車線内の3次元路面上の車両位置を算出する。このあ
とで、ビーコンアンテナ14及びGPSアンテナ13の
各受信データを使って標高及び位置補正がなされて、車
線ごとの絶対座標と3次元道路形状が算出される。
搭載したデータ収集車両の概略図である。
タ収集装置の各種センサ類の配置図である。
る。
トである。
を示す説明図である。
る。
明図である。
説明図である。
結んで得られる路面の延長方向形状を示す説明図であ
る。
算値とをプロットして得られる対比線図である。
PSデータを使って補正して得られる路面延長方向の標
高差を対比して示す線図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 路上における車線単位の自車走行位置の
検出手段と、 車両の幅方向同一直線上の両端に所定の傾斜角度(φ)
をもって路面に向けて設置され、路面幅方向の所定の検
出長さ範囲を撮影する左右一対のラインセンサカメラ、
CCDカメラ等の区画線センサと、 各区画線センサによる画像データに基づき車線ごとの路
幅及び/又は路幅方向の路肩とその周辺障害物に到るま
での距離とを演算する幅員等演算手段と、を備えてなる
ことを特徴とするデジタル道路地図のデータ収集装置。 - 【請求項2】 前記自車走行位置の検出手段にGPSデ
ータ及びビーコンの受信手段を含んでなる請求項1記載
のデジタル道路地図のデータ収集装置。 - 【請求項3】 前記カメラによる所定の検出長さ範囲が
最大で片側車線の全幅である請求項1又は2記載のデジ
タル道路地図のデータ収集装置。 - 【請求項4】 前記自車走行位置の検出手段による検出
データと前記幅員等演算手段の演算による路幅データと
を複合して走行車線内における走行位置を算出する走行
位置算出手段を備えてなる請求項1〜3のいずれかに記
載のデジタル道路地図のデータ収集装置。 - 【請求項5】 更に、路面延長方向形状の測定装置を備
えてなり、 前記路面延長方向形状の測定装置が、 車両のローリング角度(αi )、ピッチング角度
(βi )を測定する傾斜角検出手段(5) と、 車両の巾方向同一直線上の両端に設置され、各路面まで
の距離(HiL,HiR)を測定する車高検出手段(4L,4R)
と、 車両の進行方向距離を測定する走行距離検出手段(6)
と、 予め設定された所定の走行距離(L)ごとに前記各検出
手段により検出される各種の計測データをサンプリング
するサンプリング手段と、 上記計測データの入力により、以下の演算式に基づく路
面延長方向の横断勾配演算及び縦断勾配演算を行う延長
方向形状演算手段(11)と、 を有してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
に記載のデジタル道路地図のデータ収集装置。 Rθi =tan-1(bi /l) =tan-1〔{HiL−(HiR−ai )}/l〕 hi+1 =Lsinβi 但し、Rθi :測定点ごとの路面の横断勾配角度 l :右左車高検出手段間の距離 ai :l・tanαi (車幅方向一端の相対車高) bi :HiL−(HiR−ai )(車幅方向他端の相対車
高) hi+1 :測定点Pi+1 における前回の測定点Pi との路
面高低差 i :0〜n(サンプリング回) - 【請求項6】 前記所定の走行距離(L)が20〜30
cmの範囲にある請求項5記載のデジタル道路地図のデ
ータ収集装置。
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JP14719699A JP2000338865A (ja) | 1999-05-26 | 1999-05-26 | デジタル道路地図のデータ収集装置 |
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