JP2000334354A - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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JP2000334354A
JP2000334354A JP11145873A JP14587399A JP2000334354A JP 2000334354 A JP2000334354 A JP 2000334354A JP 11145873 A JP11145873 A JP 11145873A JP 14587399 A JP14587399 A JP 14587399A JP 2000334354 A JP2000334354 A JP 2000334354A
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coating
die
paint
slit
tip
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Toshimi Yuki
利美 結城
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に高速塗布化における塗膜の均一化を図る
ことができ、生産の歩留りを向上させるとともに、多品
種生産における効率化にも対応できる塗布装置を提供す
ること。 【解決手段】 塗料溜り3から先端に塗料を導いて押し
出すためのスリット4が形成されたダイ2を備え、相対
的に連続走行する支持体1上に前記先端から前記塗料を
押し出して塗膜を形成する、エクストルージョン型の塗
布装置において、スリット4の塗布幅方向の両側端部に
塗布幅規制板11、11’が配されており、この規制板
の前記先端側の角部c、c’がアール(R)状又は直線
(d)状に面取りされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に磁気テープな
どの磁気記録媒体の製造装置に使用するいわゆるエクス
トルージョン型の塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、オーディオテープやビデオテー
プ及びコンピュータ機器用の記録媒体としては、ポリエ
ステルフィルム等の非磁性の支持体上に、磁性粉末や結
合剤、分散剤、潤滑剤等を有機溶剤に分散混練してなる
磁性塗料を塗布することにより、磁性層が形成されてい
る、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が多く使用されてい
る。
【0003】このような塗布型の磁気記録媒体を製造す
るに際し、磁性塗料を支持体上に塗布するための装置と
しては、グラビアロールやリバースロール等のロールを
用いた塗布装置や、エクストルージョン(ダイ)型の塗
布装置がある。
【0004】上記グラビアロール方式では、磁性塗料の
構造粘性によっては、ロールから支持体であるベースフ
ィルム上への塗料転写性が損なわれて、塗布厚ムラによ
る出力変動や塗料飛散によるドロップアウト等が起こり
やすい傾向がある。そして、高速塗布になるに従って、
これらの問題が顕著になる傾向にある。
【0005】一方、このような問題を解決し得る塗布装
置として、エクストルージョン型の塗布装置が注目さ
れ、既に実用化されている。
【0006】こうしたエクストルージョン型の塗布装置
は図7、図8に示すように、塗料が供給される塗料溜り
3を有し、先端に該塗料を導いて押し出すための幅広の
スリット4が形成されたダイ2を備え、連続的に走行す
る支持体1上にスリット4(又は先端)から塗料を押し
出して塗布を行うように構成されている。塗料の供給経
路としては、塗料を送り出す装置10から塗料溜り3
に、ダイ側面もしくは背面から供給される。
【0007】図7に示す塗布装置においては、先端部に
てスリット4を構成するリップのうち、支持体走行方向
の上流側のリップ5がフロントブレードとして機能し
て、支持体上に押し出される塗料の量を規制し、支持体
1に当接もしくは接近させて配設される。一方、下流側
のリップ6は、支持体1に当接し、該支持体を抱き込む
ごとくに配設され、ドクターエッジとして機能して、支
持体上に供給された塗料の表面を平坦化する。
【0008】このエクストルージョン型の塗布装置は、
均一な膜厚を有する塗膜を容易に形成することができ
る。そして複数の塗液溜りと複数のスリットを同一のダ
イに設ければ、複数層の塗膜を同時に形成することが可
能となるという利点を有する。
【0009】更に、エクストルージョン型の塗布方式に
は、図7のようにダイ先端部を支持体に当接させるよう
にして塗膜を均す方式の他に、図8のように非接触で支
持体上に塗布する方式などがある。一般に図8の方式の
場合は、主に高速塗布化に優れる特長があり、例えば、
塗布の際に支持体1を挟んでダイ2の対向面に上ヨーク
7、下ヨーク8及び永久磁石9からなる磁石部を設置
し、磁性塗料を支持体1の方向に磁気的に吸引して飛出
させるものである。なお、この方式の場合には、図示は
しないが、塗膜表面を平坦化させるためのスムージング
用ブレードなどを別に設けたり、さらに塗布端部の塗料
を掻き取るための掻き取り用ブレードを配設する必要が
ある。
【0010】このように、近年、塗布型の磁気記録媒体
においては、生産性の向上を図るための高速塗布化や、
磁性塗膜の薄膜化に充分対応できる塗布技術の開発が進
められている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】特に、図8に示す塗布
方式、つまりダイリップ先端を支持体から離して塗布す
る方式の場合、リップから放たれた塗料は、その塗料特
性(粘度、表面張力、構造粘性など)や塗布条件(塗布
速度、厚み構成など)により、幅方向における塗布厚み
の均一性に欠けやすい傾向がある。従って、スムージン
グブレードを塗布面全体に当接するなどのスムージング
機構により、塗膜表面を均す処置を行う。
【0012】しかし、塗布端部においては、塗料の集中
により塗布厚がオーバーとなり易い。この原因は、例え
ば図9及び図10に示すように、塗布幅w1 を規制する
従来のスペーサブレード21、21’におけるリップ先
端面(ダイ先端面)a−a’の角部c、c’に沿って矢
印で示す塗料が集中するからであり、この傾向は角部
c、c’の角度が小さくなるほど顕著となる。なお、こ
こでいうスペーサブレードとは、ダイのスリット部分に
配される板状のスペーサブロックであり、一般にギャッ
プスペーサ、サイドスペーサ、スペーサブレードなど
と、その呼び名はさまざまであるが、ここではスペーサ
ブレードと名称を統一しておく。
【0013】従来のスペーサブレードの形状では、例え
ば図9及び図10のように、ダイリップ先端面a−a’
に臨むスリット幅w1 を塗料溜り面b−b’のスリット
幅w2 より若干幅広になるようにブレード内端面を傾斜
させた構成(w1 >w2 )とするなどの工夫はあった
が、これでも端部における塗料の集中による突出量(ビ
ード量)の増加を十分に防ぐことはできなかった。
【0014】上記のようにして走行する支持体に塗料を
連続塗布してから、乾燥工程を通過させ、ロールとして
巻き取るが、図11に示すように、その巻き取ったロー
ル20の形状としては、上記したように塗布端部23、
23’が厚みオーバーのため、ロール端部22、22’
が塗布幅内側よりも大きく盛り上がった形状になってし
まう。この傾向は、長尺巻きになるにつれて顕著に現れ
る。こうした形状の防止対策のために、塗布後、乾燥前
に端部の塗料を掻き取るなどの処置が必要であり、その
ための手段が必要であった。しかし、このように塗料を
掻き取ることにより、厚みムラを再度発生させたり、塗
料飛散によるドロップアウト不良等が起こりやすい状態
となる。
【0015】他方、ダイリップ先端を支持体に当接する
ような図7の塗布方式では、上述したように塗布面がダ
イリップにより均され、また塗料が放たれることもない
ため、図8の方式ほどの処置やそのための手段は必要な
い場合が多い。しかし、支持体や塗料の性質、その厚み
の構成など、さまざまな塗布条件によっては、上記スペ
ーサブレードの角部c、c’に固形物が付着して突起を
形成しやすく、この場合もやはり塗布端部において塗料
が多く集まり、厚みオーバーを発生させるため、上記と
同様の処置が必要となる。
【0016】このようにして作製したロール20の端部
は、図11のように、支持体(ベースフィルム)に歪み
24、24’を与え、この歪みが残るために、製品とし
ては使えず、形状不良として破棄することになる。ま
た、端部の形状不良の影響が大きく、塗布幅内側にも歪
みが及んでいる場合には、破棄する部分が多くなるた
め、製造の歩留りを低下させていた。従って、塗布端部
の厚み精度を良くし、形状不良をいかに少なくするかの
方策が必要であった。
【0017】完成した塗布ロールはその後工程にて、製
品の仕様に合致した幅に裁断して使用されるが、塗布幅
の設定上、歩留り良く製造するには、破棄される端部の
幅をできるだけ小さくしつつ、製品として使用できる幅
をできるだけ大きく設定する必要がある。例えばフロッ
ピーディスクの原反を製造する場合にも、破棄する端部
の不良部分が大きくなった場合は、必要な製品部分が確
保できなくなる。更に、同一のダイを使用する際、支持
体幅に応じた塗布幅設定の最適化とともに、塗布幅変更
などの作業性の容易さが求められている。
【0018】そこで本発明は、上述した従来の実状に鑑
みて案出されたものであり、特に高速塗布化における塗
膜の均一化を図ることができ、生産の歩留りを向上させ
るとともに、多品種生産における効率化にも対応できる
塗布装置を提供することを目的にしている。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の塗布装置は、ダイのスリットの塗布幅方向
の両側端部にスリット断面と同形状を有する塗布幅規制
板(スペーサブレード)を設けて、塗布幅を規制すると
ともに、塗布幅規制板の形状や構成により、塗布端部の
厚み精度を向上させ、塗布形状を整えることを可能にす
るものである。
【0020】即ち、塗料溜りから先端に塗料を導いて押
し出すためのスリットが形成されたダイを備え、相対的
に連続走行する支持体上に前記先端から前記塗料を押し
出して塗膜を形成する、エクストルージョン型の塗布装
置において、前記スリットの塗布幅方向の両側端部に塗
布幅規制板が配されており、この塗布幅規制板の前記先
端側の角部が面取りされていることを特徴とするもので
ある。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の塗布装置においては、前
記塗布幅規制板がスペーサブレードとして用いられ、前
記先端側の角部(ダイリップ先端角部)及びその近傍が
弧状又は直線状に面取りされているのがよい。
【0022】具体的には、図1〜図3に示すように、ス
リットの塗布幅方向の両端部を形成して塗料の流れを規
制するためのスペーサブレード11、11’の内端面
e、e’が特にリップ先端面に臨む角部c、c’は図1
及び図2のR(弧)形状又は図3のd(角面取り)形状
のように面取りされる(なお、図中のDはスリットの奥
行きを示す)。但し、これらの形状に限らず、面取りの
形状は種々であってよい。
【0023】このように、角部c、c’を上記R形状又
はd形状とすることにより、塗布端部の該角部c、c’
から放たれる塗液の突出量(ビード量)を減少させ、ま
た、その角部において固形物付着などによる突起の形成
を防ぐため、端部の厚みオーバーを低減できるのであ
る。
【0024】また、スリットの塗布幅方向の同一端にお
いて、図4〜図6に示すように、分割された複数のスペ
ーサブレード12、13及び12’、13’がそれぞれ
相前後して配置された分割構成とすることにより、スリ
ットの塗布幅方向の長さを先端a、a’に向けて段階的
に幅広に構成することなどにより、スリット端部の塗料
流れをダイナミックにかつ容易に制御することができ、
塗布端部の厚み精度、幅制御をより向上させることがで
きる。
【0025】さらに、スペーサブレードを、ダイの分解
及び再構成なしに、容易に移動調整(位置調整)される
ことが望ましく、特に図6に示すように、スペーサブレ
ード自体、或いは、それに連結する支持具(図示せず)
がダイ本体の側面の外部に突出した構造とすることによ
り、その突出部を操作して規制板の位置を調整して、塗
布幅を手動又は自動的に可変でき、端部厚みの調整も容
易になる(なお、図中の14、14’はサイドプレー
ト、15はアッパープレートである)。
【0026】即ち、塗布幅の変更(品種変更)や塗布条
件などの変化に際しても、上記したダイの構成とするこ
とにより、端部の厚み調整や、塗布幅の変更、その作業
性を容易にすることができる。このような手段は、図7
のようにダイリップが支持体へ当接するような方式、ま
た、図8のような非接触による方式のどちらにも有効で
ある。
【0027】なお、本発明を適用して、2層以上の塗膜
を同時に形成することも可能で、この場合、2層目以降
の塗膜形成用のダイも、1層目の塗膜形成用のダイと同
様の構成とすることにより、例えば、1層目と2層目の
塗布幅を変えるなど、厚み制御を容易にする。
【0028】ここで、ダイリップと支持体を当接させず
に塗布するいわゆる非接触方式(図8参照)で塗布する
場合、支持体を挟んで、該スリットを構成するダイリッ
プと反対側に、磁石部を配設するのがよい。これは、磁
石部からの磁気フラックスにより、スリットから押し出
された磁性塗料の動きを保持できるためである。この場
合、ダイリップをそれぞれ非磁性材料で形成すると、磁
気フラックスの方向を磁性塗料に集中させることができ
る。
【0029】この磁石は、その先端同士が隣接されて磁
気ギャップが構成されており、また、磁石は、全体が永
久磁石よりなるものであっても、図8のように高透磁率
材料よりなるヨーク7−8間に永久磁石9が挟み込まれ
ていてもよい。なお、永久磁石としてはアルニコ磁石、
希土類磁石、フェライト磁石等に代表される従来公知の
ものがいずれも使用できる。また、永久磁石の代わりに
電磁石を用いてもよい。
【0030】また、磁性塗料の動きを良好に保持するた
めには、磁石部先端とダイリップ先端との隙間は、0.
2〜3mmとなされるのが好適であり、ダイリップに対
する磁石部の配設位置は、磁気ギャップの上端面が、ダ
イリップによって構成されるスリットの上端面の高さを
基準として、±1mmなる範囲に位置するように設定さ
れるのが好適である。また、ダイリップ近傍に持たせる
磁力は、塗布速度や塗料特性(粘度、表面張力等)によ
って便宜選択すればよいが、500〜6000ガウス、
特に、3000〜6000ガウスとして好適である。
【0031】本発明は、図7に示した如き塗布方式にも
勿論適用可能である。
【0032】支持体や磁性材料等を構成する材料は、従
来公知のものがいずれも使用可能であり、何ら限定され
るものではない。
【0033】例示するならば、上記支持体としては、ポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロ
ーストリアセテート、セルロースダイアセテート、セル
ロースブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボ
ネート類、ポリイミド類、ポリアミドイミド等に代表さ
れるような、プラスチックによって形成される高分子基
板や、Al合金、チタン合金からなる金属基板、アルミ
ナガラス等からなるセラミックス基板、ガラス基板等が
あげられる。その形状も何ら限定されるものではない
が、支持体を連続走行させることを考慮すると、テープ
状、シート状の可撓性支持体であることが好ましい。
【0034】一方、磁性塗料を構成する磁性粉末として
は、Fe、Co、Ni等の強磁性金属原料や、Fe−C
o、Fe−Ni、Fe−Co−Ni、Co−Ni、Fe
−Mn−Zn、Fe−Ni−Zn、Fe−Co−Ni−
Cr、Fe−Co−Ni−P、Fe−Co−B、Fe−
Co−Cr−B、Fe−Co−V等のFe、Co、Ni
を主成分とする各種強磁性合金材料、Mn−Bi、Mn
−Al等の合金材料からなる強磁性金属粒子が好適であ
る。また、γ−Fe2 3 、Co含有γ−Fe2 3
Fe3 4 、Co被着γ−Fe3 4 、CrO2 等、従
来公知の酸化物磁性粉末であってもよい。
【0035】上述のような磁性粉末と共に用いられる結
合剤としては、塩化ビニル、酢酸ビリル、ビニルアルコ
ール、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリ
ル等の重合体、或いはこれら二種類以上を組み合わせた
共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂等が例示される。特に、ビニル系共重合体、ポ
リエステル−ポリウレタン系共重合体、ポリカーボネー
ト−ポリウレタン系共重合体、ニトロセルロース等を用
いて好適である。
【0036】また、これら結合剤と磁性粉末とを分散さ
せるための溶剤としては、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン等のケト
ン系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル
系、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチ
ルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキ
サン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
エチレンクロルヒドレン、ジクロルベンゼン等の塩素化
炭化水素等が挙げられる。
【0037】そして、このような磁性塗料中には、添加
剤として、公知の分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止
剤、防錆剤等が加えられてもよい。
【0038】また、磁性塗料以外に、非磁性塗料が塗布
される場合も、この非磁性塗料の材料は従来公知のもの
がいずれも使用できる。
【0039】さらに、上述した支持体には、必要に応じ
て、バックコート層、トップコート層等が形成されても
よい。この場合、バックコート層、トップコート層の成
膜条件は、通常この種の磁気記録媒体の製造方法に適用
される方法であればよく、特に限定されない。
【0040】そして、本発明の塗布装置は、このような
塗布型の磁気記録媒体の製造工程において、磁性塗料の
塗布のみででなく、バックコート層や、トップコート層
を塗布する際に使用することも可能である。
【0041】また、本発明の塗布装置を写真フィルムや
印画紙等の製造分野に適用することも可能である。
【0042】次に、本発明の好ましい実施の形態の例を
詳細に説明する。
【0043】<第1の実施の形態>本実施の形態に係わ
る塗布装置は、スリット内の両端部に配するスペーサブ
レードの形態に関するものである。
【0044】具体的には図7及び図8に示したダイにつ
いて、スリット面に沿った断面の斜視図を図1に示す
が、塗布幅よりも幅広の略直方体の金属ブロックからな
るダイ2において、スリット4の両側端部に塗布幅を規
制するスペーサブレード11、11’を配する。図2及
び図3に本発明のスペーサブレードの形態を示すが、リ
ップ先端面a−a’に臨む位置でのブレード間隔w1
塗布幅を形成する。
【0045】なお、リップの隙間、つまりスリット隙間
(スリット幅)は、塗料が押し出されて塗布膜を形成す
る隙間となるものであって、通常0.01〜2.0mm
程度の非常に狭い隙間とされる。また、図示しないが、
ダイブロックの両側面にサイドプレート(側板)が配さ
れてよい。
【0046】このスペーサブレードの厚み寸法はリップ
先端面a−a’において、スリット隙間と略同じ厚みで
あり、ダイポケット(塗液溜り)3からリップ先端にか
かる端面e、e’の厚みについても、塗液を塞するべき
厚みに形成されている。図7及び図8に示すスリット4
の断面形状は上下の対向面が、略平行であるが、ポケッ
トからリップ先端にかけて狭間隔とするテーパ隙間の場
合は、それに沿ってスペーサブレードの厚みを変化させ
るのが望ましい。また、スペーサブレードは、1枚のブ
レードで構成するのが望ましいが、2枚又はそれ以上を
重ね合わせて使用しても構わない。
【0047】塗料溜り3からリップ先端までの長さは略
10mm〜100mmであり、同一長にスペーサブレー
ドが構成されてよい。さらに、スペーサブレードの形状
は、塗料溜り部分の液封を兼ねた形状としてもよい。
【0048】スペーサブレードの幅は略10mm以上で
あり、かつ、ダイの塗布幅端を構成する位置からダイ側
面までの幅又はそれ以上の寸法を有する。
【0049】スリット幅を構成するスペーサブレードの
間隔は、リップ先端面に臨む位置から、奥行き方向(塗
料溜り方向)につれて狭間隔(w1 >w2 )となるよう
に、該ブレード幅寸法を構成している。
【0050】本発明の特徴である該ブレード形状は、リ
ップ先端面と塗布端面を構成する角部c、c’におい
て、R(弧)形状、もしくはd(角面取り)形状を有し
ており、その角部寸法は10mm角以内、望ましくは2
〜8mm角の範囲内で形成されるのが好適である。
【0051】支持体や塗料の性質、またその構成など、
さまざまな塗布条件により、例えば塗布端部形状の悪化
が大きい場合には、スペーサブレードの上記Rやd寸法
を大きくしたり、リップ先端面a−a’に対するd角度
を大きくするなど、つまり、R形状やd形状の大きさや
角度を適宜設定することにより、上記ビード量も制御で
きる。また、図7や図8のような塗布方式の違いに合わ
せて、設定を変えてもよい。
【0052】また、塗液と接するスペーサブレード端面
e、e’の形状について、上記R形状又はd形状を成す
部分以外は、図10のような傾斜形状をなしていてよい
し、また図5のような湾曲形状でも構わない。
【0053】スペーサブレードの材質は、鉄、鋼、真
鍮、アルミ等の金属、紙やプラスチック類など、どれで
も構わないが、塗液漏れを防ぐための弾力性や耐液性、
加工性に優れたものが好適である。さらに、その固定方
法としては、ダイブロックにより挟み込んだり、また、
固定する場合は接着樹脂等を用いてもよい。
【0054】<第2の実施の形態>本実施の形態に係わ
る塗布装置は、スペーサブレードの構成に関するもので
ある。
【0055】この塗布装置は、第1の実施の形態に示し
たスペーサブレードが配されるとともに、図4に示すよ
うに、スリット4の側端部において、複数のスペーサブ
レード12、13及び12’、13’による分割構成と
する。具体的には図5に示すように同端部においてそれ
ぞれ2枚のスペーサブレードを配する構成とする。
【0056】従って、ポケット部からリップ先端部まで
のスリット幅を段階的に幅広に設定することにより、ス
リット両端部の塗料の流れをよりダイナミックに変え
て、端部の厚み調整をすることができる。また、塗布幅
はスリット先端面に臨むスペーサブレード間隔w1 で設
定すればよく、使用する際は該ブレードをスリット内面
に固定させてもよい。
【0057】<第3の実施の形態>本実施の形態に係わ
る塗布装置は、スペーサブレードの位置調整方法に関す
るものである。
【0058】第1又は第2の実施の形態に示したスペー
サブレードが配されるとともに、該ブレードの塗布幅方
向の端部、或いは該ブレードと連結する支持具をダイの
両側面の外側まで延ばして突出させることにより、該ブ
レードの位置調整を外部より容易にするものである。
【0059】図4は、図5に示すスペーサブレードを配
したダイ断面の斜視図であり、その組立図が図6であ
る。図4〜図6のように、スペーサブレードを塗布幅方
向の端部で複数構成とする場合は、そのすべて又は一部
のブレードを移動可能とすることもよい。さらに、同端
部の該ブレード12、13、12’、13’同士の隙間
は小さくし、塗液の進入をできるだけ防ぐようにするの
が望ましい。
【0060】スペーサブレード位置の調整方法として
は、ダイの外側に出ている該ブレード端又はその支持具
を使い、手動もしくはネジなどの調整機構を用いて移動
してもかまわない。さらに、該ブレードの移動方法につ
いては手動のみならず、エアーや電気的動力源などを用
いて自動的に行ってもかまわない。
【0061】該ブレードの固定方法は、ダイリップによ
り挟みこむ方法でも、また、ダイ外部の支持具による固
定でもかまわない。さらに、液漏れを防止するために、
スペーサブレードとそれを挟むダイとの摺動面、もしく
は、ダイ側面とサイドプレートとの間にシール材を使用
するのが望ましい。
【0062】なお、サイドプレートを使用する場合、上
記スペーサブレードが移動可能とする隙間16を有す
る。また、スペーサブレードを挟むための機構として
は、図示しないが、スリット隙間の微調整を可能とする
調整機構をダイの外部側に備えることで、該ブレードを
移動させる際はスリット隙間を広げ、また固定する際は
ギャップ間隔を狭くする方法で挟むことが可能である。
スリット隙間の設定は、スペーサブレードの厚みを基準
に設定してもよいし、別途、スリット隙間設定用のスペ
ーサなどを使用しても構わない。
【0063】
【実施例】次に、本発明を実施例について更に詳細に説
明する。
【0064】実施例1、2、3 ここでは、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態
にて示した塗布装置の塗布形状を調べるために、図8に
示した非接触塗布方式により磁性塗料を塗布した。
【0065】従来のスペーサブレードを使用したものを
比較例1とし、本発明の第1の実施形態に示す各種スペ
ーサブレードを使用したものを実施例1〜2とし、か
つ、本発明の第2の実施形態に示すものを実施例3とし
た。上記塗布装置により、塗布速度400m/分で連続
塗布し、端部塗料の掻き取りはせず、乾燥後、1000
m巻き取ったロール形状の観察と、ロール塗布端部の段
差測定を行った。この結果を下記の表1に示す。
【0066】塗布装置における設定条件: <ダイ> 全幅 :160mm リップの材質 :超硬合金(非磁性材料) スリットの隙間 :0.26mm 塗布幅 :110mm ダイリップと支持体との距離:1〜2mm
【0067】<磁石部> 全幅 :160mm 永久磁石9 :ネオジウム合金磁石(表面に4000ガ
ウスの磁力を発生) ヨーク7、8:構造用炭素鋼(先端で磁力3800ガウ
ス)
【0068】<磁性層> 磁性塗料:VHSビデオテープの磁性層形成用(酸化鉄
系磁性粉末使用) 塗布厚 :2μm(乾燥後)
【0069】<支持体> 幅 :127mm 厚さ:14.5μm 材料:PET(ポリエチレンテレフタレート)
【0070】<スペーサブレードの形態> 比較例1:図10(w1 :110mm、w2 :105m
m、D:40mm、材料:PET) 実施例1:図2(w1 :110mm、D:40mm、
R:5mm、材料:PET) 実施例2:図3(w1 :110mm、D:40mm、
c,c’:5mm、材料:PET) 尚、図中a−a’面とd面を構成する角度は150度と
した。 実施例3:図5(w1 :110mm、w2 :95mm、
R:5mm、D1 :15mm、D2 :35mm、材料:
ステンレスばね鋼) 尚、スペーサブレードはすべて、スリット内に固定させ
て使用した。
【0071】<測定、評価> 端部段差:塗布、乾燥後、巻き取ったロールを固定さ
せ、塗布幅の両端部に深さ測定用のマイクロゲージを当
て、塗布端部から20mm幅内の部分を基準に、塗布端
部の段差を測定した。
【0072】ロール形状:目視と触感による評価も含
め、塗布端部が上記幅内部分より大きく盛り上がり形状
をなしているもの(具体的には、+0.5mm以上)は
×、盛り上がり程度が微量なもの(具体的には0mmよ
り大きく、+0.5mm未満)は△、盛り上がり形状を
なさないもの(具体的には0mm以下)は○とし、○お
よび△を規格値、×を規格外値とした。
【0073】
【0074】表1に示されるように、スペーサブレード
形状としてR形状又はd面取りを採用した実施例1〜3
においてはいずれも、規格値を満たした。
【0075】実施例4 ここでは、実施例1〜3と同様な塗布方式により、第3
の実施形態である図6によるダイを使い、実施例1〜3
と比べて塗料や支持体、及び厚み構成を変えた場合の塗
布形状を観察した。
【0076】図5のスペーサブレード形態にて、実施例
3と同様の塗布幅設定に対し、リップ先端面のスペーサ
ブレードを塗布幅方向に移動させて(塗料溜り面側のス
ペーサブレードは固定)塗布した実施例4を比較した。
それぞれ、上記塗布装置により塗布速度300m/分で
連続塗布し、乾燥後、4000m巻き取ったロール形状
の観察と、ロール塗布端部の段差を測定した。この結果
を下記表2に示す。
【0077】塗布装置における設定条件: <ダイ> 塗布幅:110mm及び130mmとした以外は、実施
例1〜3に同じ。
【0078】<磁石部>実施例1〜3に同じ。
【0079】<磁性層> 磁性塗料:8ミリビデオテープ等、磁性層形成用(メタ
ル系磁性粉末使用) 塗布厚 :3.0μm(乾燥後)
【0080】<支持体> 幅 :140mm 厚さ:11.0μm 材料:ポリエチレンテレフタレート
【0081】<スペーサブレードの形態> 図5(w1 :130mm(比較例1よりも20mm
大)、w2 :95mm(比較例1と同じ)、R:5m
m、D1 :15mm、D2 :65mm、材料:ステンレ
スばね鋼)
【0082】<測定、評価> 端部段差 :実施例1〜3と同じ測定。 ロール形状:実施例1〜3と同じ評価。
【0083】
【0084】表2に示されるように、塗料や支持体、そ
の厚み構成が変わった場合に、スペーサブレードを移動
させることにより、支持体幅に合った最適な塗布幅に設
定できるとともに、塗布端部の塗料の流れを変えること
により(例えば、w1 −w2の寸法)、端部の厚みを制
御でき、長尺巻きにおいてもロール形状を整えることが
できる。
【0085】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による塗布装置によれば、スリットの塗布幅方向の両側
端部に塗布幅規制板が配されており、この規制板の先端
側の角部が面取りされているので、塗布液がそこに集中
することはなく、塗布端部の塗布形状を整え、形状品質
を良くし、製品の歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスペーサブレードを配したダイの断面
とスリット部の塗料の流れを示す斜視図(第1の実施形
態)である。
【図2】本発明のスペーサブレード−1(第1の実施形
態)の平面図である。
【図3】本発明のスペーサブレード−2(第2の実施形
態)の平面図である。
【図4】本発明のスペーサブレード−3を配したダイの
断面とスリット部の塗料の流れを示す斜視図(第3の実
施形態)である。
【図5】本発明のスペーサブレード−3(第3の実施形
態)の平面図である。
【図6】本発明のスペーサブレード−3を配したダイの
概略斜視図(第3の実施形態)である。
【図7】ダイによる塗布形態−1を示す概略断面図であ
る。
【図8】ダイによる塗布形態−2を示す概略断面図であ
る。
【図9】従来のスペーサブレードを配したダイの断面と
スリット部の塗料の流れを示す斜視図である。
【図10】従来のスペーサブレードの平面図である。
【図11】従来のロール形状を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1…支持体、2…ダイ、3…ポケット(塗料溜り)、4
…スリット、5…リップ(上流側)、6…リップ(下流
側)、7…上ヨーク、8…下ヨーク、9…永久磁石、1
0…塗料供給装置、11、11’12、12’13、1
3’21、21’…スペーサブレード、20…ロール、
22、22’…ロール端部、23、23’…塗布端部、
24、24’…歪み、w1 …塗布幅(ブレード間隔)、
R…アール部、d…面取り部、c、c’…角部、a−
a’…リップ先端面、←…塗料の流れ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料溜りから先端に塗料を導いて押し出
    すためのスリットが形成されたダイを備え、相対的に連
    続走行する支持体上に前記先端から前記塗料を押し出し
    て塗膜を形成する、エクストルージョン型の塗布装置に
    おいて、 前記スリットの塗布幅方向の両側端部に塗布幅規制板が
    配されており、この塗布幅規制板の前記先端側の角部が
    面取りされていることを特徴とする塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記塗布幅規制板がスペーサブレードと
    して用いられ、前記先端側の角部(ダイリップ先端角
    部)及びその近傍が弧状又は直線状に面取りされてい
    る、請求項1に記載した塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記スリットの前記両側端部に、分割さ
    れた複数の塗布幅規制板が相前後して配置されている、
    請求項1に記載した塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記塗布幅規制板が位置調整可能に設け
    られている、請求項1に記載した塗布装置。
  5. 【請求項5】 前記塗布規制板の位置調整を容易にすべ
    く、前記塗布幅規制板自体、或いは前記塗布幅規制板に
    直結する支持具が、ダイ本体の側面の外部に突出して配
    されている、請求項1に記載した塗布装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008073661A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 Toppan Printing Co Ltd 塗布装置および塗膜の形成方法
WO2021049320A1 (ja) * 2019-09-10 2021-03-18 東レエンジニアリング株式会社 塗布器、塗布装置、及び、塗布方法
JP2021045744A (ja) * 2019-09-10 2021-03-25 東レエンジニアリング株式会社 塗布器、塗布装置、及び、塗布方法

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