JP2000334244A - 空気浄化フィルタとその製造方法及び高度清浄装置 - Google Patents

空気浄化フィルタとその製造方法及び高度清浄装置

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JP2000334244A JP11135824A JP13582499A JP2000334244A JP 2000334244 A JP2000334244 A JP 2000334244A JP 11135824 A JP11135824 A JP 11135824A JP 13582499 A JP13582499 A JP 13582499A JP 2000334244 A JP2000334244 A JP 2000334244A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶性NOxの除去性能に優れた空気浄化フ
ィルタを提供する。 【解決手段】 酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガ
ン酸塩の粉末と,アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又は
アルカリ土類金属炭酸塩の粉末を,細孔径が15〜30
0オングストロームである細孔の容積(cc/g)が
0.3cc/g以上である無機物の粉末をバインダとし
て,支持体12の表面に固着させて無機材料層を形成し
たことを特徴とする,空気浄化フィルタ1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,例えばクリーン
ルームやクリーンベンチ,保管庫などといった高度清浄
装置において使用される,雰囲気中のガス状酸性不純物
を除去するための空気浄化フィルタに関する。この発明
は,更に空気浄化フィルタの製造方法と空気浄化フィル
タを使用した高度清浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日,半導体やLCDパネルなどの製造
に高度清浄装置が広く利用されている。半導体等の製造
工程においては,露光装置に代表されるさまざまな光学
機器が用いられるが,半導体製造クリーンルーム内にお
いてそれら光学機器のレンズやミラーの曇りが生ずる
と,光学機器本来の性能が発揮できず,製品歩留まりの
低下を招く。
【0003】このようなレンズやミラーの曇りを生ずる
主な原因は,クリーンルーム中の雰囲気に微量に含まれ
る酸性ガス成分と塩基性ガス成分の化合物(塩)がレン
ズ,ミラー表面に生成することによる。そして塩の一つ
に硝酸アンモニウムがあり,この塩の起源は,雰囲気中
に含まれるガス成分のNOx(窒素酸化物)とNH
ある。
【0004】ガス状のNOxとNHから塩を生成する
には,水の存在が不可欠であり,NOxとNHが水に
溶解することによって初めて塩(硝酸アンモニウム)が
生成される。即ちレンズ等の表面での塩の生成は,NO
xとNHの二つがミラー等の表面の吸着水分中へ溶解
し,NO イオンとNH イオンを生成することに
よるので,NOxとNHのどちらか一方の水分への溶
解を防げば,塩の生成を防止でき,光学機器のレンズや
ミラーの曇りを抑制できる。
【0005】ここでNOxの代表例である一酸化窒素や
二酸化窒素は,クリーンルーム内部の各種製造プロセス
で使用されるプラズマやオゾンが空気と反応して生成す
るものや,クリーンルームの外部から取り込まれる外気
中に大気汚染物質や火山性ガスとして元々含まれていた
ものなどが考えられる。しかしながら,これら一酸化窒
素や二酸化窒素に代表されるNOxの水分への溶解速度
は,NHに比べて小さいので,曇りの原因となる塩の
生成は,NOxの表面吸着水分への溶解速度に比例する
こととなる。
【0006】また通常の状態では,NOxは水分にごく
僅かしか溶解せず,NOxが雰囲気中に含まれる水分な
どによりイオン化され,NO やNO などといっ
た水溶性の化学形態のNOx(以下「水溶性NOx」と
いう)に変化することによって,初めてNOxは容易に
ミラー等の表面の吸着水分中へ溶け込む性質となる。従
って,レンズやミラーの表面を曇らせて半導体等の製造
を劣化させる要因となる塩(硝酸アンモニウム)の生成
は,雰囲気中の水溶性NOxを除去することによって防
止することができる。
【0007】また水溶性NOxは,アンモニアガスと反
応して塩(硫酸アンモニウム)を生成することにより,
シリコンウェハやガラス基板などのデバイス表面も汚
し,製品自体にも悪影響を及ぼす。更に近年のリソグラ
フィ工程では,回路線幅0.25μm以下のデザインル
ールに適用すべく,エキシマレーザで露光する光増幅型
レジストが使用されているが,このタイプのレジストは
酸触媒を含んでおり,レジストに水溶性NOxが付着す
ると擬似的な酸触媒として作用し,元々含有されていた
本来の酸触媒の機能を損なうことになる。
【0008】従来,このような水溶性NOxを除去する
ためには,湿式洗浄が採用されている。また他には,薬
品添着活性炭やイオン交換繊維を利用したケミカルフィ
ルタを用いることにより,雰囲気中の水溶性NOxを除
去することも行われている。更に,NOxの除去を目的
として,特開平7−743号の吸着剤が開示されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし湿式洗浄は,噴
霧装置のイニシャルコストが大きく,噴霧の高圧力損失
によるランニングコストも無視できない。また湿式洗浄
は,高度清浄装置の湿度や温度に影響するから,高度清
浄装置内の空気を湿式洗浄しながら循環する場合,再
度,温湿度制御が必要になり,洗浄直後の空気中からの
水滴除去も必要となる。また,洗浄液の処理やバクテリ
ア類の発生防止,溶解汚染物の濃縮分離といった水処理
も問題になる。
【0010】また薬品添着活性炭やイオン交換繊維を利
用したケミカルフィルタは,防災上の観点から,天井に
配置し難い。また従来のケミカルフィルタは,構成材料
としての不織布,有機系バインダ等や,活性炭をシート
に付着させている接着剤や,シール材などから発生した
ガス状有機不純物がケミカルフィルタ通過後の空気中に
含まれてしまい,半導体の製造に悪影響を与える可能性
がある。またケミカルフィルタ濾材からの発塵もある。
複数のプロセスのクリーンルーム雰囲気が混じり合うよ
うな場合,ガス状無機不純物の除去性能が優れているの
みならず,ケミカルフィルタ自身がガス状有機不純物を
発生してはならない。またケミカルフィルタからの発塵
のため,下流側に粒子状不純物を除去するフィルタを設
けると,粒子状不純物を除去するフィルタに目詰まりが
発生して通気性が損なわれるという問題があった。
【0011】特に塩基性薬品を活性炭に添着した酸性物
質除去用の従来のケミカルフィルタは,水溶性NOxの
除去性能が他の種類の酸性物質の除去性能と比較して著
しく悪く,長期に使用していると水溶性NOxを除去で
きなくなるばかりか,逆に活性炭の触媒作用で水溶性N
Oxの濃度を高めてしまう欠点があった。また塩基性薬
品や金属を含む従来のケミカルフィルタでは,亜硫酸ガ
スを十分に除去し得なかった。
【0012】一方,イオン交換繊維を利用したケミカル
フィルタは,構成材料の高分子繊維に含まれる種々の添
加剤からガス状有機物の脱離が生じ,またイオン交換基
の一部がスルホン酸,カルボン酸,リン酸,アンモニア
やアミンとして脱離することもある。
【0013】また特開平7−743号の吸着剤は,バイ
ンダとしてゼオライト,ベントナイト,陶石,けいそう
土等を用いるものである。バインダとしてのこれら無機
物の粉末に空気の出入りに適した容積の大きい細孔が発
達している場合は,空気浄化フィルタを透過する空気が
吸着剤中の金属やその酸化物と触れ合う機会も多く,水
溶性NOxの除去性能も優れたものになる。しかし合成
ゼオライトを用いると,合成ゼオライトは細孔径がせい
ぜい10オングストローム前後であり,吸着剤中の金属
やその酸化物によって細孔入口が塞がれやすく水溶性N
Oxを効率よく除去することができなくなってしまう難
点がある。バインダとしてのベントナイト,陶石,けい
そう土は,300オングストローム以上の大きな細孔が
発達しているが,細孔容積は小さく細孔に出入りする空
気量は少ない。これらのバインダで支持体に固着した吸
着剤と水溶性NOxの反応性は乏しく,除去効率は悪
い。また,この特開平7−743号に記載されているよ
うな活性炭に炭酸カリウムを添着した吸着剤は,一旦吸
着した水溶性NOxを再放出させる懸念があり,吸着寿
命も短い。
【0014】この発明の目的は,特に水溶性NOxの除
去性能に優れた空気浄化フィルタを提供し,更に,その
製造方法と高度清浄装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に,請求項1の発明は,酸化マンガンの粉末及び/又は
過マンガン酸塩の粉末と,アルカリ金属炭酸塩の粉末及
び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末を,細孔径が1
5〜300オングストロームである細孔の容積(cc/
g)が0.3cc/g以上である無機物の粉末をバイン
ダとして,支持体の表面に固着させて無機材料層を形成
したことを特徴とする,空気浄化フィルタである。
【0016】この請求項1の空気浄化フィルタにおい
て,請求項2に記載したように,前記無機材料層は,酸
化マンガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の粉末を担
持した第1の無機材料層と,アルカリ金属炭酸塩の粉末
及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末を担持した第
2の無機材料層とを積層した構成であっても良い。
【0017】請求項3の発明は,支持体の表面に無機材
料層を形成した空気浄化フィルタであって,前記無機材
料層は,細孔径が15〜300オングストロームである
細孔の容積(cc/g)が0.3cc/g以上である無
機物の粉末をバインダとして,酸化マンガンの粉末及び
/又は過マンガン酸塩の粉末を担持した第1の無機材料
層と,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸ルビジウ
ム,炭酸セシウム,炭酸フランシウムのうちから選択さ
れる少なくとも一つを担持し,前記無機物の粉末を含ま
ない第2の無機材料層とを積層した構成であることを特
徴としている。
【0018】請求項4の発明は,酸化マンガンの粉末及
び/又は過マンガン酸塩の粉末と,アルカリ金属炭酸塩
の粉末及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末を,細
孔径が15〜300オングストロームである細孔の容積
(cc/g)が0.3cc/g以上である無機物の粉末
をバインダとして造粒させたペレットを,支持体の表面
に固着させたことを特徴とする,空気浄化フィルタであ
る。
【0019】これら請求項1〜4の空気浄化フィルタに
おいて,請求項5に記載したように,前記支持体は,ハ
ニカム構造体であっても良い。
【0020】請求項6の発明は,酸化マンガンの粉末及
び/又は過マンガン酸塩の粉末と,アルカリ金属炭酸塩
の粉末及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末を,細
孔径が15〜300オングストロームである細孔の容積
(cc/g)が0.3cc/g以上である無機物の粉末
をバインダとして造粒させたペレットを,ケーシング内
に充填したことを特徴とする,空気浄化フィルタであ
る。
【0021】これら請求項4又は6の空気浄化フィルタ
において,請求項7に記載したように,前記ペレット
は,酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の粉
末を含む第1の無機材料層と,アルカリ金属炭酸塩の粉
末及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末を含む第2
の無機材料層とを積層した構成であっても良い。
【0022】また請求項1〜7の空気浄化フィルタにお
いて,請求項8に記載したように,前記酸化マンガン
は,例えば四酸化三マンガン(Mn),三酸化二
マンガン(Mn),二酸化マンガン(Mn
),酸化マンガン(VII)(Mn)のいず
れかである。また請求項9に記載したように,前記過マ
ンガン酸塩は,例えばMMnO(M:アルカリ金
属),MII(MnO(MII:アルカリ土類金
属)のいずれかである。また請求項10に記載したよう
に,前記無機物は,例えばシリカ,アルミナ,珪酸アル
ミニウム,活性アルミナ,セピオライト及び活性白土の
うちから選択される少なくとも一つである。また請求項
11に記載したように,前記無機材料層,前記第1の無
機材料層,前記第2の無機材料層及び前記ペレットの少
なくとも一つに無機系固着補助剤を混入しても良い。
【0023】請求項12の発明は,酸化マンガンの粉末
及び/又は過マンガン酸塩の粉末と,アルカリ金属炭酸
塩の粉末及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末と,
細孔径が15〜300オングストロームである細孔の容
積(cc/g)が0.3cc/g以上である無機物の粉
末とを分散させた懸濁液に支持体を含浸させた後,乾燥
させて支持体の表面に無機材料層を固着させることを特
徴とする,空気浄化フィルタの製造方法である。
【0024】請求項13の発明は,酸化マンガンの粉末
及び/又は過マンガン酸塩の粉末と,細孔径が15〜3
00オングストロームである細孔の容積(cc/g)が
0.3cc/g以上である無機物の粉末とを分散させた
懸濁液に支持体を含浸させた後,乾燥させて支持体の表
面に第1の無機材料層を固着させ,更に,該第1の無機
材料層を形成した支持体を,アルカリ金属塩の粉末及び
/又はアルカリ土類金属塩の粉末と,細孔径が15〜3
00オングストロームである細孔の容積(cc/g)が
0.3cc/g以上である無機物の粉末とを分散させた
懸濁液に含浸させた後,乾燥させて第1の無機材料層の
表面に第2の無機材料層を形成することを特徴とする,
空気浄化フィルタの製造方法である。
【0025】請求項14の発明は,アルカリ金属塩の粉
末及び/又はアルカリ土類金属塩の粉末と,細孔径が1
5〜300オングストロームである細孔の容積(cc/
g)が0.3cc/g以上である無機物の粉末とを分散
させた懸濁液に含浸させた後,乾燥させて支持体の表面
に第2の無機材料層を固着させ,更に,該第2の無機材
料層を形成した支持体を,酸化マンガンの粉末及び/又
は過マンガン酸塩の粉末と,細孔径が15〜300オン
グストロームである細孔の容積(cc/g)が0.3c
c/g以上である無機物の粉末とを分散させた懸濁液に
支持体を含浸させた後,乾燥させて第2の無機材料層の
表面に第1の無機材料層を形成することを特徴とする,
空気浄化フィルタの製造方法である。
【0026】請求項15の発明は,清浄雰囲気が要求さ
れる空間内の空気を循環させる循環経路を備えた高度清
浄装置において,該循環経路に,請求項1〜11のいず
れかの空気浄化フィルタを配置すると共に,前記空間よ
り上流側であって空気浄化フィルタの下流側に粒子状不
純物を除去するフィルタを配置したことを特徴とする,
高度清浄装置である。
【0027】この請求項15の高度清浄装置において,
請求項16に記載したように,前記空気浄化フィルタと
粒子状不純物を除去するフィルタが,前記空間の天井部
に配置されていても良い。
【0028】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照しながら本発明
の好ましい実施の形態について説明する。なお以下の説
明において,単に”フィルタ”と称する場合はガス状不
純物除去を目的としたフィルタを指し,粒子の除去を目
的とした場合は”粒子除去用フィルタ”と呼んで区別す
る。
【0029】図1は,本発明の実施の形態にかかるフィ
ルタ1の概略的な分解図である。図示のように,隣接す
る波形シート10の間に,凹凸のない薄板シート11を
挟んだ構造のハニカム構造体12を備えている。そし
て,このハニカム構造体12の周囲を,処理空気の流通
方向(図中,白抜き矢印13で示す方向)に開口するよ
うにアルミニウム製の外枠15a,15b,15c,1
5dを組み立て,波形シート10と薄板シート11を,
空気流通方向13に対して略平行に交互に配置した構成
になっている。フィルタ1の外形や寸法などは,設置空
間に合わせて任意に設計することができる。そして,次
の(1)〜(3)のいずれかの構成になっている。
(1)ハニカム構造体12の全体に,酸化マンガンの粉
末及び/又は過マンガン酸塩の粉末と,アルカリ金属炭
酸塩の粉末及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末
を,細孔径が15〜300オングストロームである細孔
の容積(cc/g)が0.3cc/g以上である無機物
の粉末をバインダとして固着させて無機材料層を形成し
た構成。(2)酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガ
ン酸塩の粉末と,アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又は
アルカリ土類金属炭酸塩の粉末を,細孔径が15〜30
0オングストロームである細孔の容積(cc/g)が
0.3cc/g以上である無機物の粉末をバインダとし
て造粒させたペレットを,ハニカム構造体12の全体に
固着させた構成。(3)ハニカム構造体12の全体に固
着される無機材料層を,細孔径が15〜300オングス
トロームである細孔の容積(cc/g)が0.3cc/
g以上である無機物の粉末をバインダとして,酸化マン
ガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の粉末を担持した
第1の無機材料層と,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,
炭酸ルビジウム,炭酸セシウム,炭酸フランシウムのう
ちから選択される少なくとも一つを担持し,前記無機物
の粉末を含まない第2の無機材料層とを積層した構成。
【0030】ここで構成(1)のように,ハニカム構造
体12の全体に無機材料層を形成する場合は,無機材料
層は,酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の
粉末を担持した第1の無機材料層と,アルカリ金属炭酸
塩の粉末及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末を担
持した第2の無機材料層とを積層した構成としても良
い。その場合,前記第1の無機材料層を内側にして支持
体であるハニカム構造体12の表面に接しさせ,更に前
記第1の無機材料層の外側に第2の無機材料層を積層し
ても良い。また,前記第2の無機材料層を内側にして支
持体であるハニカム構造体12の表面に接しさせ,更に
前記第2の無機材料層の外側に第1の無機材料層を積層
しても良い。
【0031】また構成(2)のように,ハニカム構造体
12の全体にペレットを固着させる場合は,前記ペレッ
トは,酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の
粉末を含む第1の無機材料層と,アルカリ金属炭酸塩の
粉末及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末を含む第
2の無機材料層とを積層した構成としても良い。その場
合,前記第1の無機材料層を内側にし,更に前記第1の
無機材料層の外側に前記第2の無機材料層を積層してペ
レットを造粒しても良い。また,前記第2の無機材料層
を内側にし,更に前記第2の無機材料層の外側に前記第
1の無機材料層を積層してペレットを造粒しても良い。
【0032】また構成(3)の場合も,前記第1の無機
材料層を内側にして支持体であるハニカム構造体12の
表面に接しさせ,更に前記第1の無機材料層の外側に第
2の無機材料層を積層しても良い。また,前記第2の無
機材料層を内側にして支持体であるハニカム構造体12
の表面に接しさせ,更に前記第2の無機材料層の外側に
第1の無機材料層を積層しても良い。
【0033】ここで,酸化マンガンは,四酸化三マンガ
ン(Mn),三酸化二マンガン(Mn),
二酸化マンガン(MnO),酸化マンガン(VII)
(Mn)のいずれかとするのが好適である。また
過マンガン酸塩は,例えばM MnO(M:アルカ
リ金属),MII(MnO(MII:アルカリ土
類金属)のいずれかとするのが好適である。
【0034】バインダとして用いられる無機物は,細孔
径が15〜300オングストロームである細孔の容積
(cc/g)が0.3cc/g以上であり,例えばシリ
カ,アルミナ,珪酸アルミニウム,活性アルミナ,多孔
質ガラス,セピオライト及び活性白土のうちから選択さ
れる少なくとも1種の粉末とするのが好適である。シリ
カとしては例えばシリカゾルが使用され,アルミナとし
ては例えばアルミナゾルが使用される。バインダとして
用いられたシリカゾルは,後述するようにフィルタ1を
乾燥させた際には,シリカゲルとなる。またバインダと
して用いられたアルミナゾルは,後述するようにフィル
タ1を乾燥させた際には,アルミナゲルとなる。また,
これらシリカ等の無機物にフライポンタイト鉱物の粉末
を加えても良く,例えば,粒子直径が数十nmの粉末状
の酸処理モンモリナイト(活性白土)に,厚みが数十オ
ングストロームで広がりの直径が100オングストロー
ム〜1μmの円盤状の合成フライポンタイトの微結晶の
粉末を加えて混合したものをバインダとして利用するこ
とができる。フライポンタイト鉱物を加えることによ
り,フライポンタイト鉱物の中に含まれる亜鉛金属が酸
性物質によって酸化されて金属塩を形成し,酸性ガスを
吸着するようになり,ガス状不純物の吸着容量を増やす
ことができる。なお以下において,バインダとして用い
られるこれら無機物の粉末を単に「無機バインダ」と称
する。
【0035】ここで,フィルタ1の製造方法の一例を説
明する。先ず,無機繊維(セラミック繊維,ガラス繊
維,シリカ繊維,アルミナ繊維等)と有機材料(パル
プ,溶融ビニロンの混合物)と珪酸カルシウムの3つの
材料を1:1:1の等重量で配合し,湿式抄紙法により
約0.3mmの厚みに抄造する。なお,珪酸カルシウム
の代わりに,珪酸マグネシウムを主成分とするセピオラ
イト,パリゴルスカイト等の繊維状結晶の粘土鉱物を使
用してもよい。この抄造シートをコルゲータによって波
形加工し,出来上がった波形シート10を,同様の材料
を薄板形状に抄造した薄板シート11に接着剤で接着
し,図1に示すようなハニカム構造体12を得る。この
ハニカム構造体12を,電気炉に入れて約400℃で1
時間程度の熱処理を行い,有機質成分が全て除去され
る。有機質成分が除去された後のハニカム構造体の表面
には無数のミクロンサイズの陥没穴が残って,この陥没
穴を孔とする多孔性のハニカム構造体12を製造するこ
とができる。後にこの陥没穴に吸着剤や無機バインダの
微粒子がはまり込むことになる。
【0036】次に,酸化マンガンの粉末及び/又は過マ
ンガン酸塩の粉末と,アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/
又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末と,細孔径が15〜
300オングストロームである細孔の容積(cc/g)
が0.3cc/g以上である無機物の粉末とを分散させ
た懸濁液に,このハニカム構造体12を数分間浸した後
引き上げ,約300℃で1時間程度の熱処理で乾燥し
て,図2に示すように,ハニカム構造体12の表面に酸
化マンガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の粉末と,
アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又はアルカリ土類金属
炭酸塩の粉末を無機バインダを用いて固着させて無機材
料層20を形成することにより,フィルタ1を得ること
ができる。なお処理空気を通過させる空間の断面形状
は,図2に示すような半月形状に限らず,任意の形状と
することができる。
【0037】前記懸濁液には無機系固着補助剤,例えば
珪酸ソーダ又はシリカ又はアルミナの少なくとも一種を
混入することも可能である。シリカとしては例えばシリ
カゾルが使用される。アルミナとしては例えばアルミナ
ゾルが使用される。無機系固着補助剤の役割は,酸化マ
ンガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の粉末と,アル
カリ金属炭酸塩の粉末及び/又はアルカリ土類金属炭酸
塩の粉末と無機バインダが,ハニカム構造体12の表面
(ハニカム構造体12の要素となるセルの内表面を含む
(以下同様))に強固に固着するための補助剤として機
能する。
【0038】こうして得られたフィルタ1は,構成材料
に可燃物を含まず防災上の安全性は著しく高まる。ま
た,フィルタが熱処理される際に構成材料に含まれてい
た表面汚染の原因となるガス状有機不純物成分が全て脱
離・除去されるため,フィルタ1自身からガス状有機不
純物を発生することもない。
【0039】図3は,こうして得られたフィルタ1にお
ける無機材料層20の部分拡大図である。処理対象ガス
は,無機材料層20の表面(処理対象ガスとの接触面)
から,酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の
粉末と,アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又はアルカリ
土類金属炭酸塩の粉末と,無機バインダの粉末との間に
形成される通気孔20’をかいくぐるように,無機材料
層20の内部に入り込んだり,逆に無機材料層20の内
部から外部に出て行ったりする。その際,酸化マンガン
及び/又は過マンガン酸塩の酸化作用と触媒作用によ
り,処理対象ガス中のNOxが水溶性NOx(NO
とNO )に還元されるのを防止する。また一方,処
理対象ガス中に含まれていた水溶性NOx(NO
NO )は,他の酸性ガスと一緒に,アルカリ金属炭
酸塩の粉末及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩によって
除去される。なおこの場合,酸化マンガン及び/又は過
マンガン酸塩により,処理対象ガス中のSOxを参加さ
せて水溶性SOxに変えられ,また一方で,処理対象ガ
ス中に含まれていた水溶性SOxが,アルカリ金属炭酸
塩の粉末及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩によって除
去される。
【0040】また,フィルタ1の別の製造方法を説明す
る。ハニカム構造体12を製作するまでは,前述の製造
方法と同じであるので省略する。この製造方法では,酸
化マンガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の粉末と,
アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又はアルカリ土類金属
炭酸塩の粉末を造粒させたペレットを,ハニカム構造体
12の表面に接着剤で固着させることを特徴とする。ペ
レットを造粒する際には,酸化マンガンの粉末及び/又
は過マンガン酸塩の粉末と,アルカリ金属炭酸塩の粉末
及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末と無機バイン
ダに,適量の水(例えば市水)を混合すると粘土状の粘
性と可塑性を示すようになり,造粒が可能となる。な
お,無機系固着補助剤をこの過程で混入すれば,より強
固な接合が確保されたペレットが製造できる。ペレット
の直径は,例えば0.3〜0.8mm程度である。無機
バインダや無機系固着補助剤の種類は先に説明した製造
方法と同様である。このように造粒したペレットを,予
め無機系かつ不燃性の接着剤を付着させた支持体に高速
空気を利用して吹き付けることで,ハニカム構造体12
の表面にペレットを付着させ,更に,このようにペレッ
ト21を付着させたハニカム構造体12を,電気炉に入
れて接着剤の耐熱温度以下の約100℃で2時間程度の
熱処理を行うと,前記の不燃性接着剤がたとえ有機系の
ものであったとしても,接着剤に含まれる表面汚染の原
因となるガス状有機不純物成分を全て脱離・除去するこ
とにより,フィルタ1を製造することができる。
【0041】図4は,こうして造粒したペレット21
(無機バインダを用いて酸化マンガンの粉末及び/又は
過マンガン酸塩の粉末と,アルカリ金属炭酸塩の粉末及
び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末を造粒したペレ
ット21)をハニカム構造体12の表面に固着させた構
成のフィルタ1の断面部分拡大図である。波形のシート
10と薄板シート11の表面全体には,ペレット21が
不燃性接着剤を用いることによって隅なく固着されてい
る。処理空気は,この実施の形態では,疑似半月形の断
面形状をした細い筒部17を通過する。
【0042】このようにして製造されるフィルタ1は,
構成材料に可燃物を含まないため,フィルタ1を天井面
に取り付けた場合,可燃物である活性炭やイオン交換繊
維をベースとした従来のケミカルフィルタを天井面に取
り付けた場合と比較して,防災上の安全性は著しく高ま
る。なお,処理空気を通過させる空間の断面形状は,図
4に示すような半月形状に限らず,任意の形状とするこ
とができる。
【0043】先に図3で説明した場合と同様に,処理対
象ガスは,ハニカム構造体12の表面に固着されたペレ
ット21の表面(処理対象ガスとの接触面)から,酸化
マンガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の粉末と,ア
ルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又はアルカリ土類金属炭
酸塩の粉末と無機バインダの粉末との間に形成される通
気孔20’をかいくぐるように,ペレット21の内部に
入り込んだり,逆にペレット21の内部から外部に出て
行ったりする。その際,先と同様に処理対象ガス中のN
Oxが還元されて新たな水溶性NOx(NO とNO
)に変化することを防止し,更に,処理対象ガス中
に元々含まれていた水溶性NOxを除去することができ
る。
【0044】また図5にA−A断面,B−B断面を示す
ように,前述のように造粒したペレット21を,側面に
多数の通気口23を有する二重円筒形状のケーシング2
2内に充填してフィルタ1’を構成することによって
も,本発明の目的を達成できる。処理空気はケーシング
22の内側円筒から流入し,ケーシング22内のペレッ
ト21の充填層を透過した後,ケーシング22の外側円
筒と外筒24に挟まれた空間を通過して出ていく。処理
空気の流通方向は図5中に矢印13で示した。なお,ケ
ーシング22の形態は,図5に示した如き二重円筒形状
に限られない。別のケーシングの形態としては,例え
ば,通気口を多数有する金属平板をプリーツ形状に成型
して,このプリーツ形状の成型板2枚を一定の間隔を空
けて平行に配置し,それら2枚の成型板の間にペレット
21を充填した構造なども考えられる。このように2枚
の成型板の間にペレット21を充填した構成とすれば,
粒子除去用フィルタであるHEPAやULPAと同様
に,通気面積を増やすことによって低い通気抵抗で大風
量を処理できる。
【0045】次に,フィルタ1の別の製造方法の一例を
説明する。先ず,多孔性のハニカム構造体12を製造す
る。ハニカム構造体12の製造方法は先に説明した方法
と同様であり省略する。次に,酸化マンガンの粉末及び
/又は過マンガン酸塩の粉末と無機バインダを分散させ
た懸濁液に,ハニカム構造体12を数分間浸した後,約
300℃で1時間程度の熱処理で乾燥して,第1の無機
材料層25を形成する。次に,アルカリ金属炭酸塩の粉
末及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末と無機バイ
ンダを分散させた懸濁液に,第1の無機材料層25を形
成したハニカム構造体12を数分間浸した後,約300
℃で1時間程度の熱処理で乾燥することにより,第1の
無機材料層25の表面に更に第2の無機材料層26を形
成する。こうして第1の無機材料層25の上に第2の無
機材料層26を積層したフィルタ1を得ることができ
る。
【0046】こうして製造されたフィルタ1は,図6に
示すように,波形シート10と薄板シート11を積層し
たハニカム構造体12の表面に,第1の無機材料層25
と第2の無機材料層26を積層した構成となる。第1の
無機材料層25と第2の無機材料層26を形成する際に
使用される無機物の粉末には無機系固着補助剤,例えば
珪酸ソーダまたはシリカまたはアルミナを少なくとも一
つ混入してもよい。なお,シリカとしては例えばシリカ
ゲルが使用される。アルミナとしては例えばアルミナゲ
ルが使用される。無機系固着補助剤の役割は,第1の無
機材料層25を形成している酸化マンガンの粉末及び/
又は過マンガン酸塩の粉末と無機バインダが,ハニカム
構造体12の孔などに強固に固着するための補助剤とし
て機能したり,第2の無機材料層26と第1の無機材料
層25を強固に固着させるための補助剤として機能す
る。こうして得られたフィルタ1により,先と同様に処
理対象ガス中のNOxが還元されることを防止し,更
に,処理対象ガス中に含まれていた水溶性NOxを除去
することができる。また同様に,構成材料に可燃物を含
まず,フィルタ1自身からガス状有機不純物を発生する
こともない。
【0047】図7は,こうして得られたフィルタ1にお
ける無機材料層20の部分拡大図である。無機材料層2
0の表面(処理対象ガスとの接触面)から無機材料層2
0内に入り込んだ処理対象ガスは,第2の無機材料層2
6と第1の無機材料層25の両方に形成された通気孔2
0’をかいくぐるようにして,第2の無機材料層26か
ら第1の無機材料層25に入ったり,逆に第1の無機材
料層25から第2の無機材料層26に入ったりする。そ
の際,第2の無機材料層26においてアルカリ金属炭酸
塩の粉末及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末によ
りガス状不純物が除去される。また第1の無機材料層2
5において,酸化マンガン及び/又は過マンガン酸塩の
酸化作用と触媒作用により,処理対象ガス中のNOxが
水溶性NOx(NO )に還元されるのを防止し,更
に,処理対象ガス中に含まれていた水溶性NOx(NO
)は,亜硫酸ガスなどの硫黄酸化物と一緒に,第2
の無機材料層26においてアルカリ金属炭酸塩の粉末及
び/又はアルカリ土類金属炭酸塩によって除去される。
【0048】次に,フィルタ1の別の製造方法の一例を
説明する。先ず,多孔性のハニカム構造体12を先に説
明した方法と同様の方法で製造する。次に,アルカリ金
属炭酸塩の粉末及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉
末と無機バインダを分散させた懸濁液に,ハニカム構造
体12を数分間浸した後,約300℃で1時間程度の熱
処理で乾燥して,第2の無機材料層26を形成する。次
に,酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の粉
末と無機バインダを分散させた懸濁液に,第2の無機材
料層26を形成した後のハニカム構造体12を数分間浸
した後,約300℃で1時間程度の熱処理で乾燥するこ
とにより,第2の無機材料層26の表面に更に第1の無
機材料層25を形成する。こうして第2の無機材料層2
6の上に第1の無機材料層25を積層したハニカム構造
体12を得ることができる。こうして製造されたフィル
タ1は,先に図6で説明した場合とは逆に,波形シート
10と薄板シート11を積層したハニカム構造体12の
表面において,第2の無機材料層26の外側に第1の無
機材料層25を積層した構成となる。このように第2の
無機材料層26と第1の無機材料層25の積層順序を入
れ替えても,先に図6,7で説明した場合と同様に,処
理対象ガス中のNOxが還元されることを防止し,更
に,処理対象ガス中に含まれていた水溶性NOxを除去
することができる。また同様に,構成材料に可燃物を含
まず,フィルタ1自身からガス状有機不純物を発生する
こともない。
【0049】次に,フィルタ1の別の製造方法の一例を
説明する。先ず,多孔性のハニカム構造体12を製造す
る。ハニカム構造体12の製造方法は先に説明した方法
と同様であり省略する。次に,酸化マンガンの粉末及び
/又は過マンガン酸塩の粉末と無機バインダを分散させ
た懸濁液に,ハニカム構造体12を数分間浸した後,約
300℃で1時間程度の熱処理で乾燥して,第1の無機
材料層25を形成する。次に,炭酸ナトリウム,炭酸カ
リウム,炭酸ルビジウム,炭酸セシウム,炭酸フランシ
ウムのうちから選択される少なくとも一つの粉末を分散
させた懸濁液に,第1の無機材料層25を形成したハニ
カム構造体12を数分間浸した後,約300℃で1時間
程度の熱処理で乾燥することにより,第1の無機材料層
25の表面に更に第2の無機材料層26を形成する。こ
こに示した炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸ルビジ
ウム,炭酸セシウム,炭酸フランシウムは,いずれも水
に良く溶けて乾燥時に第1の無機材料層25の表面に固
着しやすいため,無機バインダは不要となる。このた
め,第1の無機材料層25の上に,無機バインダを用い
ずに第2の無機材料層26を積層したフィルタ1を得る
ことができる。
【0050】こうして製造されたフィルタ1は,先に図
6で説明した場合と同様に,波形シート10と薄板シー
ト11を積層したハニカム構造体12の表面に,第1の
無機材料層25と第2の無機材料層26を積層した構成
となる。第1の無機材料層25を形成する際に使用され
る無機物の粉末には無機系固着補助剤,例えば珪酸ソー
ダまたはシリカまたはアルミナを少なくとも一つ混入し
てもよい。なお,シリカとしては例えばシリカゲルが使
用される。アルミナとしては例えばアルミナゲルが使用
される。無機系固着補助剤の役割は,第1の無機材料層
25を形成している酸化マンガンの粉末及び/又は過マ
ンガン酸塩の粉末と無機バインダが,ハニカム構造体1
2の孔などに強固に固着するための補助剤として機能す
る。こうして得られたフィルタ1により,先と同様に処
理対象ガス中のNOxが還元されることを防止し,更
に,処理対象ガス中に含まれていた水溶性NOxを除去
することができる。また同様に,フィルタ1は構成材料
に可燃物を含まず,フィルタ1自身からガス状有機不純
物を発生することもない。
【0051】こうして得られたフィルタ1は,先に図7
で説明した場合と同様に,無機材料層20の表面(処理
対象ガスとの接触面)から無機材料層20内に入り込ん
だ処理対象ガスは,第2の無機材料層26と第1の無機
材料層25の両方に形成された通気孔20’をかいくぐ
るようにして,第2の無機材料層26から第1の無機材
料層25に入ったり,逆に第1の無機材料層25から第
2の無機材料層26に入ったりする。その際,第2の無
機材料層26においてアルカリ金属炭酸塩の粉末及び/
又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末によりガス状不純物
が除去される。また第1の無機材料層25において,酸
化マンガン及び/又は過マンガン酸塩の酸化作用と触媒
作用により,処理対象ガス中のNOxが水溶性NOx
(NO )に還元されるのを防止し,更に,処理対象
ガス中に含まれていた水溶性NOx(NO )は,亜
硫酸ガスなどの硫黄酸化物と一緒に,第2の無機材料層
26においてアルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又はアル
カリ土類金属炭酸塩によって除去される。
【0052】次に,フィルタ1の別の製造方法の一例を
説明する。先ず,多孔性のハニカム構造体12を先に説
明した方法と同様の方法で製造する。次に,炭酸ナトリ
ウム,炭酸カリウム,炭酸ルビジウム,炭酸セシウム,
炭酸フランシウムのうちから選択される少なくとも一つ
の粉末を分散させた懸濁液に,ハニカム構造体12を数
分間浸した後,約300℃で1時間程度の熱処理で乾燥
して,第2の無機材料層26を形成する。ここに示した
炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸ルビジウム,炭酸
セシウム,炭酸フランシウムは,水に良く溶けて乾燥時
にハニカム構造体12の表面に固着しやすいため,無機
バインダを用いずに第2の無機材料層26を形成するこ
とができる。次に,酸化マンガンの粉末及び/又は過マ
ンガン酸塩の粉末と無機バインダを分散させた懸濁液
に,第2の無機材料層26を形成した後のハニカム構造
体12を数分間浸した後,約300℃で1時間程度の熱
処理で乾燥することにより,第2の無機材料層26の表
面に更に第1の無機材料層25を形成する。こうして第
2の無機材料層26の上に第1の無機材料層25を積層
したハニカム構造体12を得ることができる。こうして
製造されたフィルタ1は,先に図6で説明した場合とは
逆に,波形シート10と薄板シート11を積層したハニ
カム構造体12の表面において,第2の無機材料層26
の外側に第1の無機材料層25を積層した構成となる。
このように第2の無機材料層26と第1の無機材料層2
5の積層順序を入れ替えても,先に図6,7で説明した
場合と同様に,処理対象ガス中のNOxが還元されるこ
とを防止し,更に,処理対象ガス中に含まれていた水溶
性NOxを除去することができる。また同様に,フィル
タ1は構成材料に可燃物を含まず,フィルタ1自身から
ガス状有機不純物を発生することもない。
【0053】また,フィルタ1の別の製造方法を説明す
る。ハニカム構造体12を製作するまでは,前述の製造
方法と同じであるので省略する。この製造方法では,ハ
ニカム構造体12の表面に固着されるペレット21が,
酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の粉末を
含む第1の無機材料層と,アルカリ金属炭酸塩の粉末及
び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末を含む第2の無
機材料層とを積層した構成になっている。
【0054】ここで図8は,酸化マンガンの粉末及び/
又は過マンガン酸塩の粉末を含む第1の無機材料層27
の外側に,アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又はアルカ
リ土類金属炭酸塩の粉末を含む第2の無機材料層28を
積層した二層構造のペレット21の拡大断面図である。
先ず,第1の無機材料層27を造粒する際には,酸化マ
ンガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の粉末と無機バ
インダを,適量の水(例えば市水)と無機系固着補助剤
を混入させて混合して粘土状とし,0.3〜0.8mm
程度のペレットに造粒機にて造粒する。次に,第1の無
機材料層27の周囲にアルカリ金属炭酸塩の粉末及び/
又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末を無機バインダを用
いて積層し,第2の無機材料層28を形成する。なお,
このように第2の無機材料層28を形成する場合,アル
カリ金属炭酸塩の粉末及び/又はアルカリ土類金属炭酸
塩の粉末として,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸
ルビジウム,炭酸セシウム,炭酸フランシウムのうちか
ら選択される少なくとも一つの粉末を用いる場合は,無
機バインダを省略しても良い。こうして得た二層構造の
ペレット21を,無機系かつ不燃性の接着剤を付着させ
たハニカム構造体12の表面に高速空気を利用して吹き
付けることで,ハニカム構造体12の表面にペレット2
1を固着させることができる。なお,無機バインダや無
機系固着補助剤の種類は先に説明した製造方法と同様で
ある。こうして製造されたフィルタ1によっても,先に
図6,7で説明した場合と同様に,処理対象ガス中のN
Oxが還元されることを防止し,更に,処理対象ガス中
に含まれていた水溶性NOxを除去することができる。
また同様に,構成材料に可燃物を含まず,フィルタ1自
身からガス状有機不純物を発生することもない。
【0055】また図9は,アルカリ金属炭酸塩の粉末及
び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末を含む第2の無
機材料層28の外側に,酸化マンガンの粉末及び/又は
過マンガン酸塩の粉末を含む第1の無機材料層27を積
層した二層構造のペレット21の拡大断面図である。こ
のように第2の無機材料層28の外側に第1の無機材料
層27を積層しても,先に図6,7で説明した場合と同
様に,処理対象ガス中のNOxが還元されることを防止
し,更に,処理対象ガス中に含まれていた水溶性NOx
を除去することができる。また同様に,構成材料に可燃
物を含まず,フィルタ1自身からガス状有機不純物を発
生することもない。
【0056】以上,本発明の実施の形態にかかるフィル
タ1を説明したが,本発明はここで説明した形態に限定
されない。支持体としては必ずしもハニカム構造に限ら
ず,ロックウール等の三次元網目構造体を用いても良
い。支持体としてロックウール等を用いた場合,処理対
象ガスが網目構造体を横切って通過するため,空気抵抗
は大きいが,アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又はアル
カリ土類金属炭酸塩の粉末や酸化マンガンの粉末及び/
又は過マンガン酸塩の粉末に対する処理対象ガスの接触
機会はハニカム構造体よりもむしろ多くなるといった利
点がある。
【0057】次に図10は,本発明の実施の形態にかか
る高度清浄装置100の構成を概略的に示す説明図であ
る。この高度清浄装置100は,具体的には,例えばク
リーンルームやクリーンベンチなどである。高度清浄装
置100は,例えばLSIやLCDなどの製造を行うた
めの処理空間102と,この処理空間102の上下に位
置する天井部(サプライプレナム)103及び床下部
(レターンプレナム)104と,処理空間102の側方
に位置するレタン通路105から構成される。
【0058】天井部103には,ファンユニット110
と,先に説明した本発明の実施の形態にかかるフィルタ
1(もしくはフィルタ1’)と,通気性を有する粒子除
去用のフィルタ112を有するクリーンファンユニット
113が配置されている。フィルタ1は,先に説明した
ように,アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又はアルカリ
土類金属炭酸塩の粉末と,過マンガン酸塩の粉末及び/
又は過マンガン酸塩の粉末を含んでおり,循環空気から
ガス状の酸性不純物(水溶性NOxを含む)を除去す
る。またフィルタ1は不燃性の素材のみで構成され,か
つベーキング処理を行うことによりガス状有機不純物を
発生しない素材のみで構成されている。
【0059】粒子除去用フィルタ112はフィルタ1の
下流側に配されており,このフィルタ112は粒子状不
純物を除去することが可能な機能を有している。また粒
子除去用フィルタ112は,外枠その他の構成要素をア
ルミニウムやセラミックスとし,ガス状有機不純物を発
生しない素材のみで構成されている。
【0060】処理空間102には,熱発生源となる例え
ば半導体の製造装置114が設置されている。床下部1
04は多数の孔が穿孔されたグレーティング115で仕
切られている。また,床下部104には,半導体製造装
置114の熱負荷を処理するための乾き冷却器(結露を
生じさせないように構成された冷却器)116が設置さ
れている。乾き冷却器116は,熱交換表面に結露を生
じさせない条件で空気を冷却する空気冷却器を意味す
る。レタン通路105に温度センサ117が設置されて
おり,この温度センサ117で検出される温度が所定の
設定値となるように,乾き冷却器116の冷水流量調整
弁118が制御される。
【0061】そして,クリーンファンユニット113の
ファンユニット110が稼働することによって,適宜気
流速度が調整されながら,高度清浄装置100内部の空
気は,天井部103→処理空間102→床下部104→
レタン通路105→天井部103の順に流れて循環する
ように構成されている。またこの循環中に,乾き冷却器
116によって冷却され,クリーンファンユニット11
3内のフィルタ1と粒子除去用のフィルタ112によっ
て空気中のガス状不純物(水溶性NOxを含む)と粒子
状不純物が除去されて,適温で清浄な空気が処理空間1
02内に供給されるようになっている。
【0062】また,高度清浄装置100の床下部104
内には,取り入れ外気が空気流路120を経て適宜供給
される。この空気流路120にも,取り入れ外気からガ
ス状不純物(水溶性NOxを含む)を除去するために,
本発明の実施の形態にかかるフィルタ1(もしくはフィ
ルタ1’)が配されており,更にフィルタ1の上流側に
は,取り入れ外気の除塵・調温・調湿を行うユニット型
空調機122が設けられている。また,空気流路120
には湿度センサ127が配置されており,この湿度セン
サ127で検出される湿度が所定の設定値となるよう
に,ユニット型空調機122の調湿部の給水圧調整弁1
29が制御される。一方,処理空間102内には湿度セ
ンサ128が設置されており,この湿度センサ128で
処理空間102内の雰囲気の湿度が検出される。
【0063】空気流路120から高度清浄装置100の
床下部104に供給された取り入れ外気は,レタン通路
105及び天井部103を経由して,処理空間102に
導入される。そして,この取り入れ外気に見合った空気
量が,排気口125から排気ガラリ126を介して室外
に排気される。
【0064】本発明によるフィルタ1は,構成材料に可
燃物を含まないため,図10のようにフィルタ1を天井
面に取り付けても,可燃物である活性炭やイオン交換繊
維をベースとした従来のケミカルフィルタを天井面に取
り付けた場合と比較して,防災上の安全性は著しく高ま
る。なお,図10に示したように,取り入れ外気をフィ
ルタ1によって処理するように構成すれば,防災上の安
全性は更に高まる。
【0065】次に,本発明の他の実施の形態にかかる高
度清浄装置100’を図11に示した。この図11に示
す高度清浄装置100’は,先に説明した本発明の実施
の形態にかかるフィルタ1を高度清浄装置100’の天
井部103全面に取り付けるのではなく,所々間引いて
設置している。図11に示す例では,図10と比較して
天井部103でのフィルタ1の設置台数を半分にした。
その他の点は,先に図10において説明した高度清浄装
置100と同様の構成である。従って,図11に示す高
度清浄装置100’において,先に図10で説明した高
度清浄装置100と同じ構成要素については同じ符号を
付することにより,詳細な説明は省略する。
【0066】空気が1回循環する際に除去されるガス状
不純物(水溶性NOxを含む)は,天井部103の全面
にフィルタ1を取り付けた図10の高度清浄装置100
と,フィルタ1を半分に間引いて取り付けた図11の高
度清浄装置100’を比較すると,2:1の関係があ
り,稼働初期の最高濃度から平衡濃度に達するまでの時
間も,高度清浄装置100’は高度清浄装置100より
も相当に長くなる。また,最終的に到達する平衡濃度
も,高度清浄装置100’は高度清浄装置100よりも
少し高くなる。しかし,イニシャルコストやフィルタ1
の定期的交換に伴うランニングコストを安くしたいとい
う経済的要望から,この図11に示す例のように,フィ
ルタ1の設置台数を間引くことも多い。
【0067】以上,本発明の好適な実施の形態の一例
を,半導体やLCDの製造プロセス全般の高度清浄装置
(いわゆるクリーンルーム)100,100’について
説明したが,本発明はかかる実施の形態に限定されな
い。ミニエンバイロメントと称する局所的な高度清浄装
置やクリーンベンチやクリーンチャンバや清浄な製品を
保管するための各種ストッカなど様々な規模の高度清浄
装置にも本発明は同様に適用できる。またフィルタ1の
処理可能風量,循環風量と外気取り入れ空気量の割合,
高度清浄装置内部からのガス状不純物の発生の有無など
の処理環境に応じて多彩な形態が考えられる。
【0068】
【実施例】先ず,酸化マンガンの粉末及び/又は過マン
ガン酸塩の粉末のみによる水溶性NOxの除去効率を調
べた。無機バインダを用いて酸化マンガンの粉末及び/
又は過マンガン酸塩の粉末を支持体の表面に固着させた
フィルタを構成し,処理対象ガスを処理した。その結
果,酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の粉
末の酸化作用により,処理対象ガス中の水溶性NOx濃
度の増加を大幅に抑制することができた。添加量を多く
すれば,水溶性NOxの除去も可能となった。しかし,
その除去率は十分ではなかった。
【0069】次に,アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又
はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末のみによる水溶性NO
xの除去効率を調べた。無機バインダを用いてアルカリ
金属炭酸塩の粉末及び/又はアルカリ土類金属炭酸塩の
粉末を支持体の表面に固着させたフィルタを構成し,処
理対象ガスを処理した。その結果,処理時間が長くなる
と中和によりアルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ土
類金属炭酸塩が消耗し,長時間継続して処理を行うこと
ができないことが判明した。
【0070】次に,酸化マンガンの粉末及び/又は過マ
ンガン酸塩の粉末とアルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又
はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末の両方を,無機バイン
ダを用いて支持体の表面に固着させたフィルタを構成
し,処理対象ガスを処理した。その結果,処理対象ガス
中の水溶性NOxを長時間に渡り効率よく除去できた。
【0071】次に,無機バインダ(シリカゾルバイン
ダ)を用いてハニカム構造体の表面に種々の吸着剤を固
着してフィルタを構成し,それぞれの水溶性NOxの初
期除去率を調べた。その結果を表1に示す。なお比較の
ため,繊維状活性炭から構成されるハニカム構造体と,
その活性炭ハニカムに炭酸カリウムを添着したケミカル
フィルタの初期除去率も併せて示した。表1中,Fm:
フライポンタイト鉱物,Mn:二酸化マンガン,Na
CO:炭酸ナトリウム,Si:シリカゾルバインダ,
Zeo:ゼオライトである。なお,炭酸ナトリウムはア
ルカリ土類金属塩の一種である。ハニカム構造体の仕様
は,通気方向厚みが50mm,目開き3.1mmのコル
ゲートハニカムであり,ハニカムの嵩密度は0.28g
/cm,通気条件:面風速1.2m/s,温度23
℃,相対湿度45%である。また,添着物質以外の重量
%は,ハニカムのベースとなるセラミックペーパであ
る。
【0072】
【表1】
【0073】ハニカム構造体の表面に二酸化マンガンと
炭酸ナトリウムの両方を固着した本発明の実施例1のフ
ィルタは,83%の除去が得られ,さらにフライポンタ
イト鉱物を加えた本発明の実施例2のフィルタは89%
の除去率が得られ,本発明によるフィルタの水溶性NO
xの除去効率が高いことが分かった。またフライポンタ
イト鉱物を添加すると,水溶性NOx以外の酸性物質の
吸着量が一層増加することも分かった。一方,KCO
を添着した活性炭ハニカムからなる比較例7のフィル
タを除き,比較例1〜6のフィルタはいずれもフィルタ
の下流側において水溶性NOxの濃度を増加させるか,
もしくは水溶性NOxを除去できるものの,除去効率が
本発明のフィルタに比べて低いことが分かった。
【0074】図12は,表1に示した本発明の実施例2
のフィルタ(Fm:Mn:NaCO:Si=33
%:1.2%:18%:14%)と,比較例7のK
を添着した活性炭ハニカムのフィルタの,水溶性N
Oxの除去率の経時変化を比較したグラフである。比較
例7のフィルタは,2.5vol ppbという低濃度
の水溶性NOxを処理する場合,わずか1200時間で
除去能力を失い,2600時間経過後にはフィルタの上
流側の約2倍の濃度の5vol ppbが下流側で検出
された。一方,本発明の実施例2のフィルタでは280
0時間経過後に除去能力を失ったが,その後の除去率は
0%であり,下流側濃度が上流側濃度よりも大きくなる
ことはなかった。なお,除去率は{1−(下流側濃度/
上流側濃度)}×100%で定義している。
【0075】次に,本発明のフィルタについて亜硫酸ガ
スSOの除去効率を調べた。図13は,表1に示した
本発明の実施例2のフィルタ(Fm:Mn:NaCO
:Si=33%:1.2%:18%:14%)と,直
径0.5mmの球形活性炭に炭酸カリウムを添着し,こ
の薬品添着活性炭を通気性のあるウレタンフォームに接
着して作製した比較例8のフィルタと,繊維状活性炭の
ハニカムに過マンガン酸カリウムを添着した比較例9の
フィルタの,二酸化硫黄除去性能を比較したグラフであ
る。除去効率測定の際のハニカムの寸法と目粗さ,面風
速,温室度等の条件は,表1の除去効率の測定条件と全
く同じである。比較例8,9のフィルタ嵩密度は,いず
れも0.2g/cmで炭酸カリウム及び過マンガン酸
カリウムの薬品添着量はフィルタ重量の3%である。5
vol ppbのSOを除去する場合,比較例8で
は,わずか900時間を経過すると,除去効率は50%
以下になり,比較例9では,2600時間経過後に,除
去効率は50%以下になった。一方,本発明の実施例2
のフィルタは,5vol ppb のSOを除去する
場合,7000時間経過後に,除去効率が50%以下に
なった。このように本発明のフィルタは,SOxも効率
よく除去できる。
【0076】次に,本発明のフィルタについて塩化水素
HClの除去効率を調べた。図14は,表1に示した本
発明の実施例1のフィルタ(Mn:NaCO:Si
=1.7%:18%:14%)と,本発明の実施例2の
フィルタ(Fm:Mn:Na CO:Si=33%:
1.2%:18%:14%)と,直径0.5mmの球形
活性炭に炭酸カリウムを添着し,この薬品添着活性炭を
通気性のあるウレタンフォームに接着して作製した比較
例8のフィルタと,繊維状活性炭のハニカムに炭酸カリ
ウムを添着した比較例9のフィルタの,塩化水素除去性
能を比較したグラフである。測定条件は,塩化水素濃
度:2〜3vol ppm,通気風速:0.9m/s,
フィルタの厚み:50mm,温度:23゜C,相対湿
度:45%である。実施例1,2のフィルタは,塩化水
素除去率において比較例8,9のフィルタよりも相当に
優れていることがわかる。また,炭酸ナトリウムのみな
らずフライポンタイト鉱物も添着した実施例2のフィル
タは,炭酸ナトリウムのみを添着した実施例1のフィル
タよりも塩化水素の除去率を一層増加させた。
【0077】次に,先に図6,7で説明したように,ハ
ニカム構造体の表面に形成される無機材料層が,酸化マ
ンガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の粉末を担持し
た第1の無機材料層と,アルカリ金属炭酸塩の粉末及び
/又はアルカリ土類金属炭酸塩の粉末を担持した第2の
無機材料層とを積層した構成の,本発明の実施例3のフ
ィルタについて,水溶性NOxの除去率を測定した。そ
の結果を図15に示す。この実施例3のフィルタの無機
材料層全体の重量構成比は,フライポンタイト:二酸化
マンガン:炭酸ナトリウム:シリカゾルバインダ:ハニ
カムベース(セラミックペーパ)=33%:1.2%:
18%:14%:33.8%であり,第2の無機材料層
は,炭酸ナトリウムで形成した。ハニカム構造体の仕様
は,通気方向厚みが50mm,目開き3.1mmのコル
ゲートハニカムであり,ハニカム全体の嵩密度0.28
g/cm,通気条件:面風速0.3m/s,温度23
℃,相対湿度45%であった。本発明の実施例3のフィ
ルタは,ほぼ4000時間程度まで高い除去効率を維持
できることが分かった。
【0078】次に,バインダとして使用する無機物粉末
について検討した。表2において実施例として示したシ
リカゲル,アルミナゲル,珪酸アルミニウム,活性アル
ミナ,活性白土及びセピオライトは,いずれも本発明に
おいて無機バインダとして利用される,細孔径が15〜
300オングストロームである細孔の容積(cc/g)
が0.3cc/g以上の無機物であり,比較例として示
したけいそう土,多孔質ガラス,タルク,カオリン鉱
物,ベントナイト,活性ベントナイト及び合成ゼオライ
トは,いずれも細孔径が15〜300オングストローム
である細孔の容積(cc/g)が0.3cc/g以下の
無機物である。各無機物の粉末について,15〜300
オングストロームの範囲に分布する細孔の総容積と,各
無機物の細孔の比表面積を,ガス吸着法により実測した
結果を表2に示した。また,ハニカム構造体の表面に,
表1と同様,ハニカム添着物質の構成比(重量%比)が
Mn:NaCO:X=1.7%:18%:14%
(Xは表2に示す各無機物)からなる無機材料層を形成
した各実施例のフィルタと各比較例のフィルタについ
て,水溶性NOxの初期除去率を測定した結果も併せて
示した。本発明の実施例のフィルタは,比較例に比べて
水溶性NOxを効率よく除去できていることが表2から
理解される。
【0079】
【表2】
【0080】
【発明の効果】請求項1〜11の空気浄化フィルタ及び
請求項15,16の高度清浄装置によれば,水溶性NO
xを長寿命で効率よく除去することができ,また水溶性
NOx以外のガス状酸性不純物も一括して除去すること
ができる。このため,半導体その他の電子材料・電子部
品の製造に最適な環境を作り出すことができる。これら
請求項1〜11の空気浄化フィルタは,請求項12〜1
4の製造方法によって好適に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるフィルタの概略的
な分解図である。
【図2】ハニカム構造体の表面に無機材料層を形成した
フィルタの断面部分拡大図である。
【図3】無機材料層の部分拡大図である。
【図4】ハニカム構造体の表面にペレットを固着させた
構成のフィルタの断面部分拡大図である。
【図5】二重円筒形状のケーシング内にペレットを充填
した空気浄化フィルタの横断面図と縦断面図である。
【図6】ハニカム構造体の表面に,第1の無機材料層と
第2の無機材料層を積層した構成のフィルタの断面部分
拡大図である。
【図7】第1の無機材料層と第2の無機材料層の部分拡
大図である。
【図8】第1の無機材料層の外側に第2の無機材料層を
積層した二層構造のペレットの拡大断面図である。
【図9】第2の無機材料層の外側に第1の無機材料層を
積層した二層構造のペレットの拡大断面図である。
【図10】本発明の実施の形態にかかる高度清浄装置の
構成を概略的に示す説明図である。
【図11】本発明の他の実施の形態にかかる高度清浄装
置の構成を概略的に示す説明図である。
【図12】本発明の実施例2によるフィルタと比較例7
のフィルタの,水溶性NOxの除去率の経時変化を比較
したグラフである。
【図13】本発明の実施例2によるフィルタと比較例
8,9のフィルタの,SO除去性能を比較したグラフ
である。
【図14】本発明の実施例2によるフィルタと比較例
8,9のフィルタの,塩化水素除去性能を比較したグラ
フである。
【図15】本発明の実施例3によるフィルタの,水溶性
NOxの除去率の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 フィルタ 10 波形シート 11 薄板シート 12 ハニカム構造体 15a,15b,15c,15d 外枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D012 CA10 CB02 CE01 CF05 CG01 CG02 CG05 CG06 CH01 CK07 4G066 AA20D AA22D AA26B AA30D AA43B AA63D AA64D BA05 BA07 BA24 BA25 BA42 CA07 CA28 CA29 DA03 FA12 FA21

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガン
    酸塩の粉末と,アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又はア
    ルカリ土類金属炭酸塩の粉末を,細孔径が15〜300
    オングストロームである細孔の容積(cc/g)が0.
    3cc/g以上である無機物の粉末をバインダとして,
    支持体の表面に固着させて無機材料層を形成したことを
    特徴とする,空気浄化フィルタ。
  2. 【請求項2】前記無機材料層は,酸化マンガンの粉末及
    び/又は過マンガン酸塩の粉末を担持した第1の無機材
    料層と,アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又はアルカリ
    土類金属炭酸塩の粉末を担持した第2の無機材料層とを
    積層した構成であることを特徴とする,請求項1の空気
    浄化フィルタ。
  3. 【請求項3】支持体の表面に無機材料層を形成した空気
    浄化フィルタであって,前記無機材料層は,細孔径が1
    5〜300オングストロームである細孔の容積(cc/
    g)が0.3cc/g以上である無機物の粉末をバイン
    ダとして,酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガン酸
    塩の粉末を担持した第1の無機材料層と,炭酸ナトリウ
    ム,炭酸カリウム,炭酸ルビジウム,炭酸セシウム,炭
    酸フランシウムのうちから選択される少なくとも一つを
    担持し,前記無機物の粉末を含まない第2の無機材料層
    とを積層した構成であることを特徴とする,空気浄化フ
    ィルタ。
  4. 【請求項4】酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガン
    酸塩の粉末と,アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又はア
    ルカリ土類金属炭酸塩の粉末を,細孔径が15〜300
    オングストロームである細孔の容積(cc/g)が0.
    3cc/g以上である無機物の粉末をバインダとして造
    粒させたペレットを,支持体の表面に固着させたことを
    特徴とする,空気浄化フィルタ。
  5. 【請求項5】前記支持体は,ハニカム構造体であること
    を特徴とする,請求項1,2,3又は4のいずれかの空
    気浄化フィルタ。
  6. 【請求項6】酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガン
    酸塩の粉末と,アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又はア
    ルカリ土類金属炭酸塩の粉末を,細孔径が15〜300
    オングストロームである細孔の容積(cc/g)が0.
    3cc/g以上である無機物の粉末をバインダとして造
    粒させたペレットを,ケーシング内に充填したことを特
    徴とする,空気浄化フィルタ。
  7. 【請求項7】前記ペレットは,酸化マンガンの粉末及び
    /又は過マンガン酸塩の粉末を含む第1の無機材料層
    と,アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又はアルカリ土類
    金属炭酸塩の粉末を含む第2の無機材料層を積層した構
    成であることを特徴とする,請求項4又は6の空気浄化
    フィルタ。
  8. 【請求項8】前記酸化マンガンは,四酸化三マンガン
    (Mn),三酸化二マンガン(Mn),二
    酸化マンガン(MnO),酸化マンガン(VII)
    (Mn)のいずれかであることを特徴とする,請
    求項1,2,3,4,5,6又は7のいずれかの空気浄
    化フィルタ。
  9. 【請求項9】前記過マンガン酸塩は,MMnO(M
    :アルカリ金属),MII(MnO(MII
    アルカリ土類金属)のいずれかであることを特徴とす
    る,請求項1,2,3,4,5,6又は7のいずれかの
    空気浄化フィルタ。
  10. 【請求項10】前記無機物は,シリカ,アルミナ,珪酸
    アルミニウム,活性アルミナ,セピオライト及び活性白
    土のうちから選択される少なくとも一つであることを特
    徴とする,請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は
    9のいずれかの空気浄化フィルタ。
  11. 【請求項11】前記無機材料層,前記第1の無機材料
    層,前記第2の無機材料層及び前記ペレットの少なくと
    も一つに無機系固着補助剤を混入したことを特徴とす
    る,請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9又は1
    0のいずれかの空気浄化フィルタ。
  12. 【請求項12】酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガ
    ン酸塩の粉末と,アルカリ金属炭酸塩の粉末及び/又は
    アルカリ土類金属炭酸塩の粉末と,細孔径が15〜30
    0オングストロームである細孔の容積(cc/g)が
    0.3cc/g以上である無機物の粉末とを分散させた
    懸濁液に支持体を含浸させた後,乾燥させて支持体の表
    面に無機材料層を固着させることを特徴とする,空気浄
    化フィルタの製造方法。
  13. 【請求項13】酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガ
    ン酸塩の粉末と,細孔径が15〜300オングストロー
    ムである細孔の容積(cc/g)が0.3cc/g以上
    である無機物の粉末とを分散させた懸濁液に支持体を含
    浸させた後,乾燥させて支持体の表面に第1の無機材料
    層を固着させ,更に,該第1の無機材料層を形成した支
    持体を,アルカリ金属塩の粉末及び/又はアルカリ土類
    金属塩の粉末と,細孔径が15〜300オングストロー
    ムである細孔の容積(cc/g)が0.3cc/g以上
    である無機物の粉末とを分散させた懸濁液に含浸させた
    後,乾燥させて第1の無機材料層の表面に第2の無機材
    料層を形成することを特徴とする,空気浄化フィルタの
    製造方法。
  14. 【請求項14】アルカリ金属塩の粉末及び/又はアルカ
    リ土類金属塩の粉末と,細孔径が15〜300オングス
    トロームである細孔の容積(cc/g)が0.3cc/
    g以上である無機物の粉末とを分散させた懸濁液に含浸
    させた後,乾燥させて支持体の表面に第2の無機材料層
    を固着させ,更に,該第2の無機材料層を形成した支持
    体を,酸化マンガンの粉末及び/又は過マンガン酸塩の
    粉末と,細孔径が15〜300オングストロームである
    細孔の容積(cc/g)が0.3cc/g以上である無
    機物の粉末とを分散させた懸濁液に支持体を含浸させた
    後,乾燥させて第2の無機材料層の表面に第1の無機材
    料層を形成することを特徴とする,空気浄化フィルタの
    製造方法。
  15. 【請求項15】清浄雰囲気が要求される空間内の空気を
    循環させる循環経路を備えた高度清浄装置において,該
    循環経路に,請求項1,2,3,4,5,6,7,8,
    9,10又は11のいずれかの空気浄化フィルタを配置
    すると共に,前記空間より上流側であって空気浄化フィ
    ルタの下流側に粒子状不純物を除去するフィルタを配置
    したことを特徴とする,高度清浄装置。
  16. 【請求項16】前記空気浄化フィルタと粒子状不純物を
    除去するフィルタが,前記空間の天井部に配置されてい
    ることを特徴とする,請求項15の高度清浄装置。
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