JP2000333908A - 触覚センサ - Google Patents

触覚センサ

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JP2000333908A
JP2000333908A JP11144929A JP14492999A JP2000333908A JP 2000333908 A JP2000333908 A JP 2000333908A JP 11144929 A JP11144929 A JP 11144929A JP 14492999 A JP14492999 A JP 14492999A JP 2000333908 A JP2000333908 A JP 2000333908A
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frequency
circuit
tactile sensor
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depth
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JP11144929A
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English (en)
Inventor
Mineyuki Maezawa
峰雪 前沢
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、センサプローブが接触している粘弾
性対象物の表面とその垂直方向(深部)との粘弾性を分
離して検知することが可能な触覚センサを提供するを提
供する。 【解決手段】本発明の一態様によると、被測定物に振動
を伝達する振動子の振動特性の変化を検出することによ
り、上記被測定物内部に埋もれた異物を検知可能な触覚
センサにおいて、上記振動子と上記異物との距離の変化
に伴う、上記振動子の振動特性の変化を測定する特性変
化測定手段と、上記特性変化測定手段の出力より、上記
異物の埋もれている深さを求める深さ情報検知手段とを
貝備することを特徴とする触覚センサが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は触覚センサに係り、
特に、センサプローブが接触している粘弾性対象物の表
面とその垂直方向(深部)との粘弾性を分離して検知す
る触覚センサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超音波振動するプローブを生体の
ような対象物に接触させ、そのときのプローブの共振周
波数変化や振幅変化を検出することによって対象物の硬
さを計測する触覚センサが提案されている。
【0003】このような触覚センサは、皮膚の粘弾性を
測定したり、内視鏡下で使用して体腔内の粘膜の粘弾性
や粘膜下に存在する腫瘍の位置を同定するために用いる
ことが考えられる。
【0004】例えば、特開平8−308806号公報に
開示された硬さ測定装置は、対象物においてそれぞれ異
なる部位に接触させる第1と第2の圧電振動子を設け、
基準値となる正常組織の硬さを第1の圧電振動子で測定
するとともに、病変部の硬さを第2の圧電振動子で測定
することにより、病変部の硬さを正常部の硬さと比較し
て判定するようにしたものである。
【0005】従来の触覚センサは、該センサプローブが
接触している対象物表面からその垂直方向(深部)を含
めた粘弾性を検知している。
【0006】また、従来の触覚センサは、センサプロー
ブを被測定物表面に接触させてその表面をスライドさせ
ることにより、スライドを行つた領域において被測定物
の粘弾性を測定している。
【0007】例えば、肺臓器(被測定物)の表面または
深部に癌組織等の腫瘍部(異物)が存在する場合、正常
組織の硬さに比べて腫瘍部の組織は通常硬い。
【0008】従って、センサプローブが正常組織から腫
瘍組織にスライドした時点で被測定物の硬さが増加し、
肺臓器に存在する腫瘍部を検出することができるととも
に、腫瘍部の位置を特定することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の触覚センサは、センサプローブが接触し
ている対象物表面とその垂直方向(深部)との粘弾性を
分離して検知することについては何ら考慮されておら
ず、例えば、病変部のような異種部材が存在する場合の
その深度と深部の粘弾性の検知という点ついて対応する
ことができない。
【0010】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、センサプローブが接触している粘弾性対象物の表
面とその垂直方向(深部)との粘弾性を分離して検知す
ることが可能な触覚センサを提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題を解決するために、(1) 被測定物に振動を伝達す
る振動子の振動特性の変化を検出することにより、上記
被測定物内部に埋もれた異物を検知可能な触覚センサに
おいて、上記振動子と上記異物との距離の変化に伴う、
上記振動子の振動特性の変化を測定する特性変化測定手
段と、上記特性変化測定手段の出力より、上記異物の埋
もれている深さを求める深さ情報検知手段と、を具備す
ることを特徴とする触覚センサが提供される。
【0012】また、本発明によると、上記課題を解決す
るために、(2) 上記特性変化測定手段は、上記振動
子の振動周波数の変化又は振動振幅の変化を測定するこ
とを特徴とする(1)記載の触覚センサが提供される。
【0013】また、本発明によると、上記課題を解決す
るために、(3) 上記深さ情報検知手段は、上記特性
変化測定手段の測定した特性値の変化の幅から、上記異
物の埋もれている深さを求めることを特徴とする(1)
または(2)記載の触覚センサが提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。
【0015】(第1の実施形態)まず、この発明の第1
の実施形態による触覚センサの構成について、図1を参
照して説明する。
【0016】図1は、この発明の第1の実施形態の触覚
センサを主たる構成手段によって表した図である。
【0017】すなわち、この触覚センサは、図1に示す
ように、発振回路101により振動を発生する圧電振動
子102を含む(触覚センサ)プローブ103と、前記
圧電振動子102に負荷としての被測定物104が接触
することにより生じる前記圧電振動子102のインピー
ダンス特性変化の一つである共振周波数変化に対応した
前記発振回路101の発振周波数変化を検知する特性変
化測定手段としての周波数測定器105と、前記周波数
測定器105により得られた信号から被測定物104の
深部の粘弾性情報と深度を検知する深さ情報検知手段と
しての深さ情報検知回路106とから構成される。
【0018】この触覚センサの前記周波数測定器105
及び深さ情報検知回路106には、パーソナルコンピュ
ータ(PC)110が接続されている。
【0019】図2は、図1の触覚センサの前記圧電振動
子102の具体例を示している。
【0020】すなわち、この圧電振動子102は、図2
の(a),(b)に示すようなエネルギー閉じ込め型の
圧電振動子であり、厚さが0.12mmで、一辺が1.
5mmの四角形圧電基板の両面に直径0.6mmの円形
に形成されたエネルギー閉じ込め型電極部201が振動
発生源と被測定物104に接触する測定用接触部107
とを兼ねている。
【0021】図3は、図1の深さ情報検知回路106の
具体的な回路構成を示している。
【0022】すなわち、前述した深さ情報検知回路10
6の具体的な回路構成について図3を用いて説明する
と、この深さ情報検知回路106は図3の(a)に示す
ように、前記周波数測定器105の出力から圧電振動子
102に負荷としての被測定物104が非接触状態での
発振周波数を検知する基本周波数検知回路901と、前
記周波数測定器105の出力から最も大きな周波数変化
を検知する最大周波数検知回路301と、前記周波数測
定器105の出力から最も小さな周波数変化を検知する
最小周波数検知回路302と、前記最大周波数検知回路
301と前記最小周波数検知回路302との出力から周
波数の変動量を得る変動量算出回路303と、前記周波
数測定器105の出力と前記変動量算出回路303の出
力及び前記基本周波数検知回路901の出力から被測定
物深部の異物の有無、粘弾性、深さ位置を推定する深部
推定回路304とから構成される。
【0023】また、図3の(b)に示すように、前記深
部推定回路304はさらに、周波数変化の最大値と最小
値から算出した平均値から被測定物深部の異物の粘弾性
を推定する粘弾性推定回路305と、予め用意された関
数に基づいて異物の深さ位置を推定する深さ位置推定回
路306とから構成されている。
【0024】次に、この発明の第1の実施形態の作用に
ついて説明する。
【0025】図4は、前記発振回路101からの出力信
号が、前記圧電振動子102のインピーダンス特性を反
映した連続波となることを示している。
【0026】すなわち、圧電振動子102の等価回路定
数を回路要素とする発振回路101を使用すると、該発
振回路101からの出力信号は図4に実線で示すように
圧電振動子102のインピーダンス特性を反映した連続
波となる。
【0027】前記圧電振動子102に対して、無負荷の
場合、発振回路101からの出力信号は圧電振動子10
2の共振周波数近傍で出力され、且つ、その振幅は圧電
振動子102の共振抵抗に対応する。
【0028】一方、前記圧電振動子102に対し、負荷
としての粘弾性体である被測定物104が付着すると、
前記発振回路101からの出力信号は図4の破線で示す
ようになる。
【0029】これにより、前記周波数測定器105を介
して深さ情報検知回路106では、圧電振動子102の
共振周波数変化を発振回路101の発振周波数変化とし
て検出することができる。
【0030】この場合、圧電振動子102から発生した
振動が被測定物104の内部に入射されると、音響イン
ピ一ダンスが被測定物104の硬さに応じて変化するた
め、発振回路101の発振周波数が高くなる方向つまり
発振周波数がプラス方向にシフトする。
【0031】一般的には、被測定物104の硬さが硬い
ほど、発振回路101の発振周波数のシフト量ΔFは大
きい。
【0032】例えば、図5の(a)に示すように、被測
定物104が生体の正常組織501に対応するとき正常
組織501表面に前記圧電振動子102を接触させた状
態で矢印方向にスライドさせると、正常組織501の粘
膜下腫瘍502のある組織は正常組織501に比べて発
振回路101の発振周波数のシフト量ΔFが大きくなる
とともに、あるバラツキをもって発振回路101の発振
周波数が変動する。
【0033】図5の(b)は、図5の(a)に対応させ
て、発振回路101の周波数変動量SBと周波数シフ
ト量ΔFの一例を示したものである。
【0034】この周波数変動量SBのバラツキの最大
値が、前記深さ情報検知回路106の最大周波数検知回
路301により検知されるとともに、周波数変動量SB
のバラツキの最小値を最小周波数検知回路302によ
り検知される。
【0035】そして、この最大値と最小値の差から変動
量算出回路303によって周波数変動量SBが算出さ
れた後、深部推定回路304を介して周波数変動量SB
に基づいて腫瘍502の有無、深さ位置が推定される
とともに、基本発振周波数及び最大値と最小値との平均
から算出される周波数シフト量ΔFに基づいて腫瘍50
2の粘弾性特性が推定される。
【0036】これらの推定結果は、前記周波数測定器1
05からの周波数計測結果とともに、PC110のモニ
タに被測定物104の表面画像として表示される。
【0037】ここで、周波数変動量SBについて説明
する。
【0038】圧電振動子102から被測定物104に入
射された音波は、被測定物104の内部で空間的な音強
度Iによる音場分布を示すようになる。
【0039】図6は、この音場分布を説明するモデルを
示している。
【0040】いま、被測定物104の背面P(x,o,
z)に異物602(反射率R)が存在しているものとす
る。
【0041】そして、触覚センサプローブ103におい
て、音源601である電極201(半径a)が被測定物
104に接触しているとき、圧電振動子102の電極2
01から被測定物104に入射された音波は異物602
で反射され、再び電極201に戻るため、電極201と
異物602との間には深さ方向zに沿って定在波が発生
する。
【0042】この場合、音波の強度Iは、電極201と
異物602との間に発生する定在波の節で最小となり、
定在波の腹で最大となる。
【0043】ところで、音響インピーダンスZは、音強
度I及び被測定物104の密度ρと次式に示すような関
係にある。
【0044】
【数1】
【0045】これにより、再び電極201に戻った音波
の強度Iが電極表面で最大であるとき被測定物104の
音響インピーダンスンZが見かけ上大きくなり、音波強
度Iが電極表面で最小となるとき音響インピーダンスZ
が見かけ上小さくなる。
【0046】従って、先述のように触覚センサプローブ
103を動かすことにより音源601と異物602の間
の距離zが変動するため、その距離変動に伴って定在波
の腹と節が交互に現れることから、発振回路101の発
振周波数も変動することにより、周波数変動量SB
得られる。
【0047】一方、被測定物104の深部に異物602
が存在しない場合には、このような周波数変動量SB
が得られない。
【0048】次に、深部推定回路304における周波数
変動量SBに基づいた推定方法について説明する。
【0049】この場合、発振周波数変動量SBの大き
さは、音源601と異物602との間の距離z、異物6
02の反射率R、被測定物104における音波の減衰率
αに応じて変化する。
【0050】そこで、例えば、測定する部位が正常組織
501や癌腫瘍502などであるとき、これらについて
の反射率R、減衰率α、距離zと発振周波数変動量SB
との関係を予め測定しておき、これらの関係をテーブ
ル形式としたり、近似式などで関数化して得られるよう
にしておくものとする。
【0051】図7は、ある反射率R、減衰率αの被測定
物104における距離zと発振周波数変動量SBとの
関係を示したものである。
【0052】そして、このような関係(関数)に基づ
き、発振周波数変動量SBから距離zを推定すること
ができる。
【0053】以上から本実施の形態によれば、周波数変
動量SBの有無が被測定物104深部の異物602の
存在を知る手がかりとなり、周波数変動量SBの大き
さから異物602が存在する深部位置zを推定すること
ができるとともに、周波数シフト量ΔFにより異物60
2の硬さを推測できる効果がある。
【0054】なお、この発明の実施形態の各構成は、上
述した第1の実施形態の各構成に限定されることなく、
当然、各種の変形、変更が可能である。
【0055】例えば、周波数測定器105は、圧電振動
子102の共振抵抗変化に対応した振幅変化を検知する
電圧測定器とすることができるとともに、周波数定器1
05と電圧測定器の両方であってもよい。
【0056】また、周波数測定器105の場合に設けら
れた最大周波数検知回路301と最小周波数検知回路3
02は、周波数測定器105が電圧測定器の場合には電
圧測定器でもって最大振幅検知回路と最小振幅検知回路
としてもよい。
【0057】また、圧電振動子102はエネルギー閉じ
込め型振動子である必要はないとともに、測定用接触部
107が圧電振動子102と一体に形成されていなくて
も良い。
【0058】また、測定用接触部107の形状は円形で
ある必要はなく、正方形、長方形、楕円形、三角形など
種々の形状とすることができる。
【0059】また、測定用接触部107は複数の部品か
ら構成され、その一部のみが被測定物104に振動を伝
達する構成であってもよい。
【0060】さらに、PC110はモニタだけであって
もよい。
【0061】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態について説明する。
【0062】まず、この発明の第2の実施形態による触
覚センサの構成について、図8を参照して説明する。
【0063】図8は、この発明の第2の実施形態の触覚
センサを主たる構成手段によって表した図である。
【0064】すなわち、この触覚センサは、図8に示す
ように、発振回路101により振動を発生する圧電振動
子102を含むプローブ103と、前記圧電振動子10
2に負荷としての被測定物104が接触することにより
生じる前記圧電振動子102のインピーダンス特性変化
の一つである共振周波数変化に対応した前記発振回路1
01の発振周波数変化を検知する周波数測定器105
と、前記被測定物104に対して前記圧電振動子102
を一定の変位速度で押込む変位装置801と、前記周波
数測定器105により得られた信号と前記変位装置80
1による変化量から被測定物104の深部の粘弾性情報
と深度を検知する深さ情報検知回路106とから構成さ
れる。
【0065】この触覚センサの前記周波数測定器105
及び深さ情報検知回路106には、パーソナルコンピュ
ータ(PC)110が接続されている。
【0066】図2は、図8の触覚センサの前記圧電振動
子102の具体例を示している。
【0067】すなわち、この圧電振動子102は、前述
した第1の実施形態で説明したと同様に、図2の
(a),(b)に示すようなエネルギー閉じ込め型の圧
電振動子であり、厚さが0.12mmで、一辺が1.5
mmの四角形圧電基板の両面に直径0.6mmの円形に
形成されたエネルギー閉じ込め型電極部201が振動発
生源と被測定物104に接触する測定用接触部107と
を兼ねている。
【0068】図9は、図8の触覚センサの深さ情報検知
回路106の具体的な回路構成を示している。
【0069】すなわち、前述した深さ情報検知回路10
6の具体的な回路構成について図9を用いて説明する
と、この深さ情報検知回路106は、前記周波数測定器
105から前記圧電振動子102に負荷としての被測定
物104が非接触状態での前記発振回路101からの基
本(発振)周波数fを検知する基本周波数検知回路90
1と、前記周波数測定器105の出力から最も大きな周
波数変化を検知する最大周波数検知回路301と、前記
周波数測定器105の出力から最も小さな周波数変化を
検知する最小周波数検知回路302と、前記最大周波数
検知回路301と前記最小周波数検知回路302の出力
から周波数の変動量を得る変動量算出回路303と、最
小周波数変化及び最大周波数変化が検知されたときの変
位量を前記変位装置801から取り込んで音波長λを算
出する波長算出回路902と、前記変動量算出回路30
3、前記波長算出回路902及び前記基本周波数検知回
路901からの出力結果に基づいて前記被測定物104
の深部の異物の有無、粘弾性、深さ位置を検知する深部
検知回路903とから構成される。
【0070】図10は、図9の触覚センサの深部検知回
路903の具体的な回路構成を示している。
【0071】すなわち、前述した深部検知回路903の
具体的な回路構成について図10を用いて説明すると、
この深部検知回路903は、触覚センサプローブ103
における測定用接触部107のサイズ情報aを格納して
おく接触部サイズ格納部1001と、測定用接触部10
7のサイズ情報a、基本発振周波数fおよび音波長λと
から触覚センサによる音強度の分布を解析する音場分布
解析回路1002と、前記周波数測定器105の出力と
前記変動量算出回路303の出力信号とから前記被測定
物104の深部の異物の有無、粘弾性、深さ位置を推定
する深部推定回路304と、前記音場分布解析回路10
02の出力結果を前記深部推定回路304で得られた結
果と比較して異物502の深さ位置を同定する深さ位置
同定回路1003とから構成される。
【0072】次に、この発明の第2の実施形態の作用に
ついて説明する。
【0073】図4は、前述した第1の実施形態で説明し
たと同様に、前記発振回路101からの出力信号が、前
記圧電振動子102のインピーダンス特性を反映した連
続波となることを示している。
【0074】すなわち、圧電振動子102の等価回路定
数を回路要素とする発振回路101を使用すると、該発
振回路101からの出力信号は図4に実線で示すように
圧電振動子102のインピーダンス特性を反映した連続
波となる。
【0075】前記圧電振動子102に対して、無負荷の
場合、発振回路101からの出力信号は圧電振動子10
2の共振周波数近傍で出力され、且つ、その振幅は圧電
振動子102の共振抵抗に対応する。
【0076】一方、前記圧電振動子102に対し、負荷
としての粘弾性体である被測定物104が付着すると、
前記発振回路101からの出力信号は図4の破線で示す
ようになる。
【0077】これにより、前記周波数測定器105を介
して深さ情報検知回路106では、圧電振動子102の
共振周波数変化を発振回路101の発振周波数変化とし
て検出することができる。
【0078】この場合、圧電振動子102から発生した
振動が被測定物104の内部に入射されると、音響イン
ピ一ダンスが被測定物104の硬さに応じて変化するた
め、発振回路101の発振周波数が高くなる方向つまり
発振周波数がプラス方向にシフトする。
【0079】一般的には、被測定物104の硬さが硬い
ほど、発振回路101の発振周波数のシフト量ΔFは大
きい。
【0080】例えば、図5の(a)に示すように、被測
定物104表面に前記圧電振動子102を接触させた状
態で矢印方向にスライドさせると、被測定物104の粘
膜下腫瘍502のある組織は正常組織501に比べて発
振回路101の発振周波数のシフト量ΔFが大きくなる
とともに、発振回路101の発振周波数があるバラツキ
をもって変動する。
【0081】図5の(b)は、図5の(a)に対応させ
て、発振回路101の周波数変動量SBと周波数シフ
ト量ΔFの一例を示したものである。
【0082】図11は、変位装置801により触覚セン
サプローブ103を被測定物104に一定の変位速度で
押込む様子を示している。
【0083】図12は、変位装置801により触覚セン
サプローブ103を被測定物104に一定の変位速度で
押込んだときに、発振回路101の発振周波数がある一
定の周期をもって変動する様子を示している。
【0084】上述した発振回路101の発振周波数のバ
ラツキが観測される部位において、図11に示すように
変位装置801により触覚センサプローブ103を被測
定物104に一定の変位速度で押込むと、図12に示す
ように発振回路101の発振周波数はある一定の周期を
もって変動する。
【0085】このとき最大周波数検知回路301により
周波数変化の最大値を検知し、最小周波数検知回路30
2により周波数変化の最小値を検知し、この最大値と最
小値の差から変動量算出回路303によって周波数変動
量SBが算出される。
【0086】これらの最小周波数変化および最大周波数
変化が検知されたときの変位量は前記変位装置801か
ら波長算出回路902に取り込まれ、正常組織501に
おける音波長λとして算出される。
【0087】図13は、深部検知回路903における一
連の信号処理手順を示すフローチャートである。
【0088】すなわち、深部検知回路903は、深部推
定回路304により前記変動量算出回路303からの周
波数変動量SBに基づき正常組織501の深部に異物
としての腫瘍502の有無と深さ推定を行い(ステップ
S1〜S3)、最大値と最小値の平均から算出される周
波数シフト量ΔFにより腫瘍502の粘弾性特性を推定
し(ステップS4,S5)、基本発振周波数fおよび音
波長λとに基づいて音場分布解析回路1002で圧電振
動子102の理論的平均音強度のピーク位置を検出する
ことによって得られた音場分布と前記深部推定回路30
4での周波数変動量SBによる推定深さを比較するこ
とによって深さ位置同定回路1003が腫瘍502の深
さ位置zを同定検知する(ステップS6〜S10)。
【0089】ここで、深部の異物の距離zは先述の第1
の実施形態と同様に深部推定回路304における周波数
変動量SBに基づいて推定される。
【0090】そして、深部検知回路903の検知結果で
ある腫瘍502の有無、粘弾性、深さ位置は、前記周波
数測定器105からの周波数計測結果とともにPC11
0のモニタに被測定物104の表面画像として表示され
る。
【0091】次に、音場分布解析回路1002における
音場解析法について述べる。
【0092】第1の実施形態で述べたように、圧電振動
子102の電極201から被測定物104に入射された
音波は、測定用接触部107である電極201と異物6
02との間で深さ方向zに沿った波長λの定在波とな
る。
【0093】この音波は被測定物104の内部で空間的
な音強度Iの分布をもつ。
【0094】図6は、音場分布を説明するモデルである
が、任意の点P(x,o,z)のモデルを座標系で用い
て表したものが図14である。
【0095】一般に、音波の音強度Iは以下の式で表さ
れることが知られている。
【0096】
【数2】
【0097】
【数3】
【0098】但し、aは音源601の半径、Xは被測定
物104の表面に沿った音源中心からの距離、zは音源
表面から異物602までの深さ、λは音波長、cは被測
定物の音速、fは非接触時の音源の周波数である。
【0099】ここで、触覚センサプローブ103の場
合、音源はエネルギー閉じ込め構造となっているため測
定中の被測定物104における接触面積は常に一定であ
る。
【0100】このように音源が面積を有する場合、音源
601上の被測定物104中に生じる音強度Iの平均<
0 >は以下のようになる。
【0101】
【数4】
【0102】定在波の場合、異物602の点P(x,
o,z)で音源601から送信された音波は反射により
音源表面に戻って観測される。
【0103】また、実際の被測定物104では、音の減
衰や散乱が起こるため、吸収係数αを考慮に入れる。
【0104】その場合、反射により電極表面に戻って観
測される平均音強度<I>は、異物602における音波
の反射率Rを用いると以下のように表される。
【0105】
【数5】
【0106】図15は、異なる音源サイズにおける異物
602の深さ方向の位置Zと電極表面で得られる乎均音
強度<I>の関係を示したものである。
【0107】図15における各プロットは深さzに対し
て幾つかのピークを持ち、音源サイズが大きくなるほど
ピークの数が増え、そのピーク位置は深くなる。
【0108】すなわち、音源が大きくなると深部であっ
ても音強度のピークの位置に異物602が存在すれば、
音源表面での平均音強度<I>がその影響を強く受ける
と考えられる。
【0109】一方、異物602の反射率Rは、このピー
ク位置に影響しない。
【0110】なお、<I>=1は、電極から送信された
直後の平均音強度に相当する。
【0111】ところで、触覚センサの周波数シフト量Δ
Fのピーク位置と音強度のピーク位置とは一致する。
【0112】これは、第1の実施形態でも述べたよう
に、音強度が触覚センサの周波数変化と関連するためで
ある。
【0113】図5の(a)のような被測定物において、
音強度のピーク位置に癌腫瘍502が存在すれば、その
表面に触覚センサプローブ103が接触すれば周辺の正
常組織の位置での周波数シフト量ΔF1 よりも非常に大
きな周波数シフト量ΔF2 が検知される。
【0114】従って、大きな周波数シフト量ΔF2 が検
知された場合、音源サイズaと音波長λにより求めた音
強度のピーク位置に異物602(腫瘍502)が存在し
ていると推定することができる。
【0115】次に、深さ位置同定回路1003における
異物602の深さ位置を同定する手法について図7と図
15を用いて説明する。
【0116】図15において、音源サイズがφ0.9の
場合、音場分布解析回路1002によりその音場分布か
らp1〜p5の5個のピークが予測される。
【0117】しかしながら、これらのいずれのピーク位
置に異物602が存在するかを決定することはできな
い。
【0118】一方、深部推定回路304において、周波
数変動量SBは異物602の存在する深さに依存する
ため、第1の実施形態と同様、図7に示したように周波
数変動量SBに基づき異物602の距離zが推測され
る。
【0119】そして、先述のピークp1〜p5の中から
推定距離zとほぼ同じ位置で発生するピークを検知し、
そのピーク位置から異物602の深さ位置を検知でき
る。
【0120】以上から本実施の形態によれば、周波数変
動量SBの有無が被測定物104深部の異物602の
存在を知る手がかりとなり、周波数変動量SBの大き
さと音場分布から異物602が存在する深部位置zを同
定することができるとともに、周波数シフト量ΔFによ
り異物602の硬さを推測することができるという効果
がある。
【0121】なお、この発明の実施の形態の各構成は、
当然、上述した第2の実施形態の各構成に限定されるこ
となく、各種の変形、変更が可能である。
【0122】例えば、変位装置の押し込み速度は一定で
なくても良く、被測定物104への押し込み変位量と周
波数変動量SBとが同時に計測できればよい。
【0123】また、周波数測定器105は圧電振動子1
02の共振抵抗変化に対応した振幅変化を検知する電圧
測定器とすることができるとともに、周波数変化測定器
105と電圧測定器の両方であってもよい。
【0124】また、周波数測定器105の場合に設けら
れた最大周波数検知回路301と最小周波数検知回路3
02は、周波数測定器105が電圧測定器の場合には電
圧測定器でもって最大振幅検知回路と最小振幅検知回路
としてもよい。
【0125】また、圧電振動子102はエネルギー閉じ
込め型振動子である必要はないし、測定用接触部107
が圧電振動子102と一体に形成されていなくても良
い。
【0126】また、測定用接触部107の形状は円形で
ある必要はなく、正方形、長方形、楕円形、三角形など
種々の形状とすることができる。
【0127】また、測定用接触部107は複数の部品か
ら構成され、その一部のみが被測定物104に振動を伝
達する構成であってもよい。
【0128】さらに、PC110はモニタだけであって
もよい。
【0129】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態について説明する。
【0130】図16は、本発明の第3の実施形態の触覚
センサを主たる構成手段によって表した図である。
【0131】すなわち、この触覚センサは、複数の圧電
振動子102と、それぞれ各圧電振動子102に接続さ
れ振動を発生させる複数の発振回路101と、それぞれ
被測定物104に対して前記各圧電振動子102を一定
の変位速度で押込む複数の変位装置801と、前記各発
振回路101からの出力をスキャンするスキャナ160
1とからなるプローブ103と、前記発振回路101を
介して前記被測定物104に接触することにより生じる
前記圧電振動子102のインピーダンス特性変化の一つ
である共振周波数変化に対応した発振周波数変化を検知
する周波数測定器105と、前記周波数測定器105に
より得られた信号と前記変位装置801による変化量及
び前記スキャナ1601からスキャンしている振動子情
報を選択し前記被測定物104の深部の粘弾性情報と深
度を検知する深さ情報検知回路106とから構成され
る。
【0132】この触覚センサの前記周波数測定器105
及び深さ情報検知回路106には、PC110が接続さ
れている。
【0133】前記圧電振動子102は、図2に示したよ
うなエネルギー閉じ込め型の圧電振動子であり、電極部
201が振動発生源と被測定物104に接触する測定用
接触部107を兼ねている。
【0134】図17の(a),(b)は、各圧電振動子
102の配列形状及び各々の電極配列形状と、それのA
−A´断面形状を示している。
【0135】すなわち、各圧電振動子102は各々の電
極201(測定用接触部107)サイズが異なってお
り、図17に示すようにアレイ状に複数配列した振動子
により触覚センサプローブ103が構成される。
【0136】図18は、深さ情報検知回路106の具体
的な回路構成を示している。
【0137】次に、前述した深さ情報検知回路106の
具体的な回路構成について図18を用いて説明する。
【0138】すなわち、この深さ情報検知回路106
は、図18に示すように、前記周波数測定器105から
前記圧電振動子102に負荷としての被測定物104が
非接触状態での発振周波数を検知する基本周波数検知回
路901と、前記周波数測定器105の出力から最も大
きな周波数変化を検知する最大周波数検知回路301
と、前記周波数測定器105の出力から最も小さな周波
数変化を検知する最小周波数検知回路302と、前記最
大周波数検知回路301と前記最小周波数検知回路30
2の出力から周波数の変動量を得る変動量算出回路30
3と、最小周波数変化及び最大周波数変化が検知された
ときの変位量を前記変位装置801から取り込み音波長
を算出する波長算出回路902と、前記変動量算出回路
303、前記波長算出回路902及び前記基本周波数検
知回路901からの出力結果とスキャナ1601からの
振動子情報に基づき被測定物深部の異物の有無、粘弾
性、深さ位置を検知する深部検知回路903とから構成
される。
【0139】次に、深部検知回路903の具体的な回路
構成を図19により説明する。
【0140】この深部検知回路903は、触覚センサプ
ローブ103における測定用接触部107のサイズ情報
aを格納しておきスキャナ1601がスキャンした振動
子の測定用接触部107のサイズ情報aを出力する接触
部サイズ選択部1901と、上記サイズ情報a、基本発
振周波数fおよび音波長λとから触覚センサによる音強
度の分布を解析する音場分布解析回路1002と、前記
周波数測定器105の出力と前記変動量算出回路303
の出力信号から被測定物深部の異物の有無、粘弾性、深
さ位置を推定する深部推定回路304と、前記音場分布
解析回路1002の出力結果を前記深部推定回路304
で得られた結果と比較し異物502の深さ位置を同定す
る深さ位置同定回路1003とから構成される。
【0141】次に、この発明の第3の実施形態の作用を
説明する。
【0142】まず、変位装置801により電極201の
サイズが異なる複数の圧電振動子102を一定の変位速
度で前記被測定物104に対して押込むと、各圧電振動
子102から発生した振動は被測定物104の内部に入
射され、被測定物104の硬さに応じて発振周波数がプ
ラス方向にシフトする。
【0143】各圧電振動子102の周波数変化はスキャ
ナ1601により−定間隔でスキャンされ、周波数測定
器105により検知される。
【0144】ここで、異物が存在する場合には、図12
に示したように観測される周波数変動量SBと周波数
シフト量ΔFは、図18における深さ情報検知回路10
6によって第2の実施形態で述べた方法に基づいて算出
される。
【0145】一方、深部の異物の深さ位置zは、深さ位
置同定回路1003において前記音場分布解析回路10
02で得られた音場ピーク位置と各圧電振動子102の
電極サイズとの関係に基づいて同定され、各深部検知回
路903の結果である腫瘍502の有無、粘弾性、深さ
位置は周波数計測結果とともにPC110のモニタに被
測定物104の表面画像として表示される。
【0146】次に、深部検知回路903における深部の
異物深さ位置の同定法について説明する。
【0147】図19において、接触部サイズスキャナと
して機能するスキャナ1601がスキャンしている振動
子の電極サイズ情報aが選択され、この選択された電極
サイズ情報aが、前記波長算出回路902で算出された
音波長λと各圧電振動子の基本発振周波数fとともに、
音場分布解析回路1002に入力される。
【0148】音場分布解析回路1002では各電極サイ
ズごとに図15に示すような音強度ピークの位置が求め
られる。
【0149】電極サイズφ0.9の振動子の場合には音
強度ピークはp1〜p5の5個、電極サイズφ0.6の
振動子の場合には音強度ピークはp1〜p3の3
個、電極サイズφO.3の振動子の場合には音強度ピー
クはp**の1個となるが、このうち幾つかのピーク位
置が一致する。
【0150】例えば、深さ距離zでφ0.6の音強度
ピークp3と、φ0.9の音強度ピークp4とが生じ
る。
【0151】すなわち、深さ距離zに異物602が存
在するとき、φ0.6とφ0.9の振動子において音強
度のピークが観測される。
【0152】図20は、深部に腫瘍502が存在する正
常組織501表面を本実施形態の異なる電極サイズの圧
電振動子102からなる触覚センサプローブ103で走
査した場合における各振動子ごとの周波数変化の一例を
示したものである。
【0153】第2の実施形態でも述べたように、音強度
のピークに対応して周波数シフト量ΔFも大きくなるこ
とから、複数の電極サイズの異なる振動子をスキャンし
た場合にφ0.6とφ0.9の振動子において周波数シ
フト量ΔF2,ΔF3がφ0.3の周波数シフト量ΔF
1よりも大きくなれば異物602の深さ位置zがz
あると同定することができる。
【0154】以上から本実施の形態によれば、周波数変
動量SBの有無が被測定物104深部の異物602の
存在を知る手がかりとなり、複数の電極サイズの異なる
振動子の音場分布を求め周波数シフト量ΔFが大きくな
る電極サイズの組み合わせから異物602が存在する深
部位置zを同定することができるとともに、周波数シフ
ト量ΔFにより異物602の硬さを推測することができ
るという効果が得られる。
【0155】なお、この発明の実施の形態の各構成は、
当然、上述した第3の実施形態の各構成に限定されるこ
となく、各種の変形、変更が可能である。
【0156】例えば、周波数測定器105は圧電振動子
102の共振抵抗変化に対応した振幅変化を検知する電
圧測定器とすることができるとともに、周波数変化測定
器105と電圧測定器の両方であってもよい。
【0157】また、周波数測定器105の場合に設けら
れた最大周波数検知回路301と最小周波数検知回路3
02は、周波数測定器105が電圧測定器の場合には電
圧測定器でもって最大振幅検知回路と最小振幅検知回路
としてもよい。
【0158】また、圧電振動子102はエネルギー閉じ
込め型振動子である必要はないし、測定用接触部107
が圧電振動子102と一体に形成されていなくても良
い。
【0159】また、測定用接触部107の形状は円形で
ある必要はなく、正方形、長方形、楕円形、三角形など
種々の形状とすることができる。
【0160】また、測定用接触部107は複数の部品か
ら構成され、その一部のみが被測定物104に振動を伝
達する構成であってもよい。
【0161】また、発振回路10は圧電振動子ごとに設
ける必要はなく、全ての振動子に共通の発振回路を用い
ても良い。
【0162】さらに、PC110はモニタだけであって
もよい。
【0163】(第4の実施形態)次に、本発明の第4の
実施形態による触覚センサついて、図21乃至図26を
用いて説明する。
【0164】図21は、本発明の第4の実施形態に用い
る触覚センサプローブを主たる構成手段によって表した
図である。
【0165】すなわち、この触覚センサプローブ210
2は、図21の(a),(b)に示すように、複数個の
異なる電極201サイズの圧電振動子102と、それら
の圧電振動子102を個別に配置せしめる面を有しその
面を回転させて任意の圧電振動子102を被測定物10
4に対向させる回転ジグ2101と、それぞれ各圧電振
動子201を振動させる複数の発振回路101と、各発
振回路101からの出力をスキャンするスキャナ160
1とから構成される。
【0166】このように構成された触覚センサプローブ
2102は、図22に示す触覚センサに組み込まれる。
【0167】図22は、本発明の第4の実施形態による
触覚センサを主たる構成手段によって表した図である。
【0168】すなわち、この触覚センサは、図22に示
すように、被測定物104に対向される触覚センサプロ
ーブ2102と、該触覚センサプローブ2102の前記
圧電振動子102に負荷としての被測定物104が接触
することにより生じる前記圧電振動子102のインピー
ダンス特性変化の一つである共振周波数変化に対応した
前記発振回路101の発振周波数変化を検知する周波数
測定器105と、前記周波数測定器105により得られ
た信号から被測定物104の深部の粘弾性情報と深度を
検知する深さ情報検知回路106とから構成される。
【0169】この触覚センサの前記周波数測定器105
及び深さ情報検知回路106には、PC110が接続さ
れている。
【0170】図23は、図22の触覚センサの深さ情報
検知回路106の具体的な回路構成を示している。
【0171】すなわち、この深さ情報検知回路106
は、図23に示すように、前記周波数測定器105の出
力から最も大きな周波数変化を検知する最大周波数検知
回路301と、前記周波数測定器105の出力から最も
小さな周波数変化を検知する最小周波数検知回路302
と、前記最大周波数検知回路301と前記最小周波数検
知回路302の出力から周波数の変動量を得る変動量算
出回路303と、前記変動量算出回路303からの出力
結果とスキャナ1601からの振動子情報に基づき被測
定物深部の異物の有無、粘弾性、深さ位置を検知する深
部検知回路2301とから構成される。
【0172】図24は、前記深部検知回路2301の具
体的な回路構成を示している。
【0173】すなわち、この深部検知回路2301は、
触覚センサプローブ103における測定用接触部107
のサイズ情報aを格納しておきスキャナ1601がスキ
ャンした振動子の測定用接触部107のサイズ情報a、
基本発振周波数fと測定部位の波長λを出力する音場パ
ラメータ選択部2401と、これらのパラメータa,
f,λから触覚センサによる音強度の分布を解析する音
場分布解析回路2402と、基本発振周波数f及び前記
周波数測定器105の出力fmax,fminと前記変
動量算出回路303の出力信号SBから被測定物深部
の異物の有無、粘弾性、深さ位置を推定する深部推定回
路304と、前記音場分布解析回路2402の出力結果
を前記深部推定回路304で得られた結果と比較し異物
502の深さ位置を同定する深さ位置同定回路1003
とから構成される。
【0174】図25は、前記深部推定回路304の具体
的な構成を示している。
【0175】すなわち、この深部推定回路304は、周
波数変動量SBが観測されると音場パラメータ選択部
2401に作用して音場パラメータ選択部2401から
測定用接触部107のサイズ情報a,基本発振周波数f
と測定部位の波長λを出力させる出力指示回路2501
と、前記音場パラメータ選択部2401から出力された
基本発振周波数fを取り込み、該基本発振周波数f及び
周波数変化の最大値と最小値から算出した平均値(周波
数シフト量ΔF)を出力するとともに、被測定物深部の
異物の粘弾性を推定する粘弾性推定回路305とから構
成される。
【0176】次に、この発明の第4の実施形態の作用を
説明する。
【0177】触覚センサプローブ2102を被測定物1
04のある表面に押圧し、回転ジグ2101を回転させ
ることにより、回転ジグ2101の回転面に配置された
各圧電振動子102を順次に被測定物104に接触させ
る。
【0178】そして、スキャナ1601が各発振回路1
01からの出力をスキャンする周期は、回転ジグ210
1の回転周期に同期させる。
【0179】被測定物104に接触している圧電振動子
102の発振周波変化は周波数測定器105で検知され
る。
【0180】例えば、図5の(a)に示したように被測
定物104の表面に前記圧電振動子102が接触する
と、粘膜下腫瘍502のある組織は正常組織501に比
べて周波数シフト量ΔFが大きくなるとともに、あるバ
ラツキをもって発振回路101からの発振周波数が変動
する。
【0181】この周波数変動量は、前記最大周波数検知
回路301、最小周波数検知回路302を介して変動量
算出回路303によってSBとして算出され、深部推
定回路304へ出力される。
【0182】この周波数変動量SBが観測されると、
出力指示回路2501が音場パラメータ選択部2401
に作用し、予め関数として与えられてい各圧電振動子1
02の基本発振周波数fと接触部位のサイズ情報a、音
波長λが音場パラメータ選択部2402から出力され
る。
【0183】これらの基本発振周波数fと接触部位のサ
イズ情報a、音波長λ値は前記音場分布解析回路100
2に入力され、各電極サイズことに図15に示したよう
な音強度ピークの位置が求められる。
【0184】各振動子ごとに推測されたピークデータ
は、深さ位置同定回路1003に一時的に保持される。
【0185】触覚センサプローブ2102上の全ての圧
電振動子102について同様の処理を行った後、深さ位
置同定回路1003において各振動子の音場分布が比較
され、複数の振動子で一致するピークの位置から異物6
02が存在する深さ位置zが同定される。
【0186】例えば、電極サイズφ0.9の振動子の場
合には音強度ピークはp1〜p5の5個、電極サイズφ
0.6の振動子の場合には音強度ピークはp1〜p
3の3個、電極サイズφ0.3の振動子の場合には音強
度ピークはp**の1個となるが、このうち幾つかのピ
ーク位置が一致する。
【0187】例えば、深さ距離zでφ0.6のp
とφ0.9のp4が生じる。
【0188】すなわち、深さ距離zに異物602が存
在するときφ0.6とφ0.9の振動子において音強度
のピークが観測される。
【0189】これは、第2の実施形態でも述べたように
音強度のピークに対応して周波数シフト量ΔFも大きく
なることから、複数の電極サイズの異なる振動子をスキ
ャンした場合にφ0.6とφ0.9の振動子において周
波数シフトΔF2,ΔF3がφ0.3の周波数シフトΔ
P1よりも大きくなれば異物602の深さ位置zがz
であると同定することができる。
【0190】以上から本実施の形態によれば、周波数変
動量SBの有無が被測定物104深部の異物602の
存在を知る手がかりとなり、複数の電極サイズの異なる
振動子の音場分布を求め周波数シフト量ΔFが大きくな
る電極サイズの組み合わせから異物602が存在する深
部位置zを同定することができるとともに、周波数シフ
ト量ΔFにより異物602の硬さを推測することができ
るという効果が得られる。
【0191】なお、この発明の実施形態の各構成は、上
述した第4の実施形態の各構成に限定されることなく、
当然、各種の変形、変更が可能である。
【0192】例えば、周波数測定器105は、圧電振動
子102の共振抵抗変化に対応した振幅変化を検知する
電圧測定器とすることができるとともに、周波数定器1
05と電圧測定器の両方であってもよい。
【0193】また、周波数測定器105の場合に設けら
れた最大周波数検知回路301と最小周波数検知回路3
02は、周波数測定器105が電圧測定器の場合には電
圧測定器でもって最大振幅検知回路と最小振幅検知回路
としてもよい。
【0194】また、圧電振動子102はエネルギー閉じ
込め型振動子である必要はないし、測定用接触部107
が圧電振動子102と一体に形成されていなくても良
い。
【0195】また、測定用接触部107の形状は円形で
ある必要はなく、正方形、長方形、楕円形、三角形など
種々の形状とすることができる。
【0196】また、測定用接触部107は複数の部品か
ら構成され、その一部のみが被測定物104に振動を伝
達する構成であってもよい。
【0197】また、圧電振動子102は、図26に示す
ように、複数の圧電振動子102をセンサプローブ10
3としての円筒状等の曲面に配置し回転させても良い。
【0198】また、発振回路101は圧電振動子ごとに
設ける必要はなく、全ての振動子に共通の発振回路を用
いても良い。
【0199】さらに、PC110はモニタだけであって
もよい。
【0200】そして、上述したような実施の形態で示し
た本発明には、特許請求の範囲の請求項1乃至3に示し
た以外にも以下の付記1乃至19として示すような発明
が含まれている。
【0201】(付記1) 上記特性変化測定手段の測定
する振動特性の変化は、上記振動子と上記異物の距離の
変化にともない、上記振動子と上記異物間に存在する定
在波の異なる部分を測定することに由来することを特徴
とする請求項1乃至3のいずれかに記載の触覚センサ。
【0202】(付記2) 内部に異物を含む被測定物に
振動子を接触させて、上記異物までの距離を求める方法
であり、上記振動子を上記被測定物の表面に接触させる
第1の工程と、上記振動子と被測定物との接触を保つた
まま、上記振動子と上記異物問の距離を変化させ、上記
振動子の振動特性値の変化を検出する第2の工程と、上
記第2の工程の検出結果より、上記振動子と上記異物間
の距離を求める第3の工程と、を具備することを特徴と
する、距離測定方法。
【0203】(付記3) 上記第2の工程で検出する上
記振動子の振動特性値の変化とは、上記振動子の振動周
波数の変化又は振動振幅の変化であることを特徴とする
付記2記載の触覚センサ。
【0204】(付記4) 上記第3の工程において、上
記第2の工程で検出した上記振動子の特性値の変化の幅
から、上記異物の埋もれている深さを求めることを特徴
とする付記2または3記載の触覚センサ。
【0205】(付記5) 上記第2の工程で検出する上
記振動子の振動特性の変化とは、上記振動子と上記異物
の距離の変化にともない、上記振動子と上記異物間に存
在する定在波の異なる部分を測定することに由来するこ
とを特徴とする付記2乃至4のいずれかに記載の触覚セ
ンサ。
【0206】(付記6) 振動子のインピ一ダンス特性
の変化を用いて被測定物の粘弾性特性を検出する触覚セ
ンサにおいて、圧電振動子と、該圧電振動子に振動を発
生させる発振手段と、被測定物に接触させ前記圧電振動
子の振動を伝達する少なくとも一つ以上の測定用接触部
とを有した触覚センサプローブと、前記発振手段からの
出力信号の変化を検出する特性変化測定手段と、前記特
性変化測定手段の出力信号から深部の粘弾性情報と深度
を検知する深さ情報検知手段と、を具備したことを特徴
とする触覚センサ。
【0207】(対応する発明の実施の形態)この発明に
関する実施の形態は、第1、第2、第3及び第4の実施
の形態が対応する。
【0208】この発明の構成中で、特性変化測定手段
は、これらの実施の形態では周波数測定器が該当する
が、電圧測定回路などを含むようにしてもよい。
【0209】(作用)触覚センサプローブの発振手段に
より圧電振動子が振動し、その振動は測定用接触部に伝
達される。
【0210】特性変化測定手段は測定用接触部が被測定
物に接触したときの触覚センサプローブの出力信号の変
化を検出する。
【0211】前記特性変化測定手段の出力信号から深さ
情報検知手段が深部の粘弾性情報と深度を検知する。
【0212】(効果)深さ情報検知手段が特性変化測定
手段の出力に基づき被測定物の粘弾性情報を解析するの
で、被測定物深部の粘弾性情報と深度を検知することが
できる。
【0213】(付記7) 前記深さ情報検知手段が、前
記特性変化測定手段の出力信号を受けて、該出力信号の
最大変化量を検知する最大特性変化検知手段と、前記特
性変化測定手段の出力信号を受けて、該出力信号の最小
変化量を検知する最小特性変化検知手段と、前記最大特
性変化検知手段と前記最小特性変化検知手段の出力から
前記触覚センサプローブの出力変動量を出力する変動量
算出手段と、前記変動量算出手段の出力から粘弾性の異
なる部位の有無および深さ位置を推定し、前記圧電振動
子の基本発振周波数及び前記最大特性変化検知手段と最
小特性変化検知手段の出力から被測定物深部の粘弾性を
推定する深部推定手段と、を具備することを特徴とする
付記6記載の触覚センサ。
【0214】(対応する発明の実施の形態)この発明に
関する実施の形態は、第1、第2、第3及び第4の実施
の形態が対応する。
【0215】(作用・効果)特性変化測定手段からの出
力信号を受けて、最大特性変化検知手段は最大変化量を
検知し、同様に最小特性変化検知手段は最小変化量を検
知する。
【0216】これら最大変化量および最小変化量から変
動量算出手段により出力変動量が算出される。
【0217】この出力変動量から深部推定手段において
被測定物深部の異なる粘弾性部位の存在を検出すること
ができる。
【0218】また、深部推定手段では、前記基本発振周
波数及び前記最大特性変化検知手段と最小特性変化検知
手段の出力から被測定物深部の粘弾性が推定される。
【0219】(付記8) 前記深部推定手段が、前記基
本発振周波数及び前記最大特性変化検知手段で検知され
た最大特性変化と最小特性変化検知手段で検知された最
小特性変化とから平均特性変化を算出し被測定物深部の
異物の粘弾性を推定する粘弾性推定手段と、前記変動量
算出手段の出力から異物の深さ位置を推定する深さ位置
推定手段と、 を具備することを特徴とする付記7記載
の触覚センサ。
【0220】(対応する発明の実施の形態)この発明に
関する実施の形態は、第1、第2、第3及び第4の実施
の形態が対応する。
【0221】(作用・効果)深部推定手段における粘弾
性推定手段では、前記基本発振周波数及び最大特性変化
検知手段からの最大特性変化と最小特性変化検知手段か
らの最小特性変化とから平均特性変化が算出される。
【0222】この平均特性変化は被測定物深部の異物を
反映した信号となり、被測定物深部の異物の粘弾性が推
定される。
【0223】また、変動量算出手段で得られる出力変動
は被測定物深部に異物が存在する場合に観測され、かつ
異物の深さ距離に応じて出力変動量が変化するため、深
さ位置推定手段において出力変動量に基づいた被測定物
深部の異物情報を得ることができる。
【0224】(付記9) 前記特性変化測定手段が、前
記触覚センサプローブの周波数変化を測定する周波数測
定手段と、前記触覚センサプローブの振幅変化を測定す
る電圧測定手段とのうち少なくとも一つから構成される
ことを特徴とする付記6記載の触覚センサ。
【0225】(対応する発明の実施の形態)この発明に
関する実施の形態は、第1、第2、第3及び第4の実施
の形態が対応する。
【0226】(作用・効果)前記特性変化測定手段が、
触覚センサプローブの周波数変化を測定するか、もしく
は振幅変化を測定する。
【0227】(付記10) 前記測定用接触部が、前記
被測定物に接触する面であるとともに、前記被測定物に
前記圧電振動子の振動を伝達する部位が一部のみに限定
されたことを特徴とする付記6記載の触覚センサ。
【0228】(対応する発明の実施の形態)この発明に
関する実施の形態は、第1、第2、第3及び第4の実施
の形態が対応する。
【0229】この発明の構成中で測定用接触部は、これ
らの実施の形態ではエネルギー閉じ込め電極が該当する
が、振動を伝達する部位が測定用接触部を構成する部品
として分離形成されているものも含むようにしてもよ
い。
【0230】(作用)測定用接触部が被測定物に接触し
たときの接触面積が常に一定である。
【0231】(効果)粘弾性の面積効果を除去し、被測
定物における正確な粘弾性情報を検知することができ
る。
【0232】(付記11) 前記圧電振動子の電極がエ
ネルギー閉じ込め型構造であることを特徴とした付記1
0記載の触覚センサ。
【0233】(対応する発明の実施の形態)この発明に
関する実施の形態は、第1、第2、第3及び第4の実施
の形態が対応する。
【0234】(作用・効果)圧電振動子においてエネル
ギー閉じ込め型電極だけが振動し、電極以外の部位では
振動が生じないため、電極以外の部位で振動子を自由に
保持でき、かつ不要振動が発生しにくいプローブ構成と
することができる。
【0235】また、測定用接触部を圧電振動子に一体形
成することができるとともに、触覚センサ構成部品を減
らすことができる。
【0236】(付記12) 前記触覚センサプローブ
が、前記被測定物との接触面に大きさの異なる複数の測
定用接触部を設置したことを特徴とする付記10記載の
触覚センサ。
【0237】(対応する発明の実施の形態)この発明に
関する実施の形態は、第3及び第4の実施の形態が対応
する。
【0238】(作用・効果)複数の異なる大きさの測定
用接触部が被測定物と接触することにより、より多くの
情報を検知することができる。
【0239】(付記13) 前記触覚センサプローブ
が、前記測定用接触部を前記被接触物の表面の同一部位
に対して選択的に接触せしめる駆動手段を具備したを特
徴とする付記12記載の触覚センサ。
【0240】(対応する発明の実施の形態)この発明に
関する実施の形態は、第4の実施の形態が対応する。
【0241】この発明の構成中の駆動手段は、この実施
の形態では回転ジグが該当する。
【0242】(作用・効果)被測定物における音場分布
は測定用接触部の大きさに影響されるため、異なる大き
さの測定用接触部を被測定物の同一部位に断続的かつ個
別に接触させることにより、音場分布変化の検知が可能
になる。
【0243】(付記14) 前記触覚センサプローブ
が、前記被測定物に対して前記測定用接触部を押し込ま
せる変位装置を具備したことを特徴とする付記10記載
の触覚センサ。
【0244】(対応する発明の実施の形態)この発明に
関する実施の形態は、第2及び第3の実施の形態が対応
する。
【0245】(作用・効果)変位装置が被測定物に対し
て測定用接触部を任意の接触条件で押し込むことができ
る。
【0246】(付記15) 前記特性変化測定手段が少
なくとも周波数測定手段からなり、前記深さ情報検知手
段が、前記周波数測定手段に接続され、非接触時におけ
る前記触覚センサプローブの発振周波数を検知する基本
周波数検知手段と、前記特性変化測定手段の出力信号を
受けて、該出力信号の最大変化量を検知する最大特性変
化検知手段と、前記特性変化測定手段の出力信号を受け
て、該出力信号の最小変化量を検知する最小特性変化検
知手段と、前記最大特性変化検知手段と前記最小特性変
化検知手段の出力から前記触覚センサプローブの出力変
動量を出力する変動量算出手段と、前記変位装置により
前記測定用接触部が押し込まれた変位量と前記変動量算
出手段の出力から前記被測定物における振動の波長を算
出する波長算出手段と、を具備したことを特徴とする付
記14記載の触覚センサ。
【0247】(対応する発明の実施の形態)この発明に
関する実施の形態は、第2及び第3の実施の形態が対応
する。
【0248】(作用・効果)周波数測定手段を介して基
本周波数検知手段により基本周波数が検知されるととも
に、一方、変動量算出手段により出力変動量が算出され
る間に前記変位装置により前記測定用接触部が押し込ま
れた変位量が得られる。
【0249】この変位量と基本周波数とから波長算出手
段によって前記被測定物における振動の波長が算出され
る。
【0250】(付記16) 前記深さ情報検知手段が、
前記触覚センサプローブの測定用接触部のサイズと基本
発振周波数及び音波長λとを用いて被測定物における音
強度の分布を解析する音場分布解析手段と、前記最大特
性変化検知手段、前記最小特性変化検知手段、前記変動
量算出手段及び前記音場分布解析手段の出力信号から被
測定物深部の異物の有無、粘弾性を推定し、深さ位置を
同定する深さ位置同定手段と、を具備したことを特徴と
する付記15記載の触覚センサ。
【0251】(対応する発明の実施の形態)この発明に
関する実施の形態は、第2及び第3の実施の形態が対応
する。
【0252】(作用・効果)最大特性変化検知手段と最
小特性変化検知手段からの出力によって前記被測定物の
深部の粘弾性が推定され、変動量算出手段からの出力に
よって前記被測定物の深部の異物の有無、深さ位置が推
定される。
【0253】一方、測定用接触部のサイズと基本発振周
波数fおよび音波長λを用いて音場分布解析手段におけ
る音強度の分布が解析される。
【0254】そして、音強度ピークの位置に異物が存在
するとセンサの特性は大きく変化することから、深さ位
置同定手段においてセンサ特性の変化と音場分布の関係
を解析し、かつ推定された深さ位置データを併用するこ
とにより、より正確に異物の深さ位置を同定することが
できる。
【0255】(付記17) 前記複数の測定用接触部と
前記特性変化検知手段との間に設置され、前記複数の測
定用接触部から得られる被測定物の状態を個別に検知す
るスキャナを具備したことを特徴とする付記12記載の
触覚センサ。
【0256】(対応する発明の実施の形態)この発明に
関する実施の形態は、第3及び第4の実施の形態が対応
する。
【0257】(作用・効果)複数の測定用接触部と特性
変化検知手段との間にスキャナを設置することにより、
このスキャナを介して複数の測定用接触部から得られる
被測定物の状態を個別に検知することができる。
【0258】(付記18) 前記複数の測定用接触部の
物理量を予め格納しておくとともに、前記スキャナによ
りスキャンされた測定用接触部の物理量を前記音場分布
解析手段へ出力する接触部パラメータ選択手段を具備す
ることを特徴とした付記16または17記載の触覚セン
サ。
【0259】(対応する発明の実施の形態)この発明に
関する実施の形態は、第3及び第4の実施の形態が対応
する。
【0260】この発明の構成の中で接触部パラメータ選
択手段は、第3の実施の形態では接触部サイズ選択部が
該当し、第4の実施の形態では音場パラメータ選択手段
が該当する。
【0261】(作用・効果)スキャナによりスキャンさ
れた各測定用接触部に関して、予め格納されているの測
定用接卸部の物理量(例えば、サイズ)が接触部パラメ
ータ選択手段から前記音場分布解析手段へ出力される。
【0262】(付記19) 前記深さ位置推定手段が、
前記被測定物における音波の減衰率α、被測定物深部の
異物の反射率R、音源と異物の間の距離zと前記変動量
算出手段からの出力との関係を予め測定し、関数化した
テーブルまたは近似式を用いることを特徴とする付記8
記載の触覚センサ。
【0263】(対応する発明の実施の形態)この発明に
関する実施の形態は、第1の実施の形態が対応する。
【0264】(作用)変動量算出手段で得られる出力変
動は被測定物の深部に粘弾性の異なる部位(異物)が存
在する場合に観測される。
【0265】この変動量算出手段で得られた変動の大き
さは被測定物における音波の減衰率α、被測定物の深部
の異物の反射率R、音源と異物の間の距離zに応じて変
化する。
【0266】この反射率R、減衰率α、距離zと出力変
動量の関係は予め測定されテーブルや近似式などに関数
化されている。
【0267】このような関数に基づき出力変動量から距
離zが推定される。
【0268】(効果)変動量算出手段からの出力の有無
が被測定物の深部の異物の存在を知る手がかりとなり、
出力変動量の大きさから異物が存在する深部位置zを推
定することができる。
【0269】
【発明の効果】従って、以上説明したように、本発明に
よれば、センサプローブが接触している粘弾性対象物の
表面とその垂直方向(深部)との粘弾性とを分離して検
知することが可能な触覚センサを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の第1の実施形態の触覚セン
サを主たる構成手段によって表した図である。
【図2】図2は、図1の触覚センサの圧電振動子の具体
例を示す図である。
【図3】図3は、図1の触覚センサの深さ情報検知回路
の具体的な回路構成を示す図である。
【図4】図4は、図1の触覚センサの発振回路からの出
力信号が、圧電振動子のインピーダンス特性を反映した
連続波となることを示す図である。
【図5】図5の(a)は被測定物表面に圧電振動子を接
触させて矢印方向にスライドさせる状態を示す図であ
り、図5の(b)は、図5の(a)に対応させて、発振
回路の周波数変動量SBと周波数シフト量ΔFの一例
を示す図である。
【図6】図6は、被測定物と圧電振動子間の音場分布を
説明するためのモデルを示す図である。
【図7】図7は、ある反射率R、減衰率αの被測定物に
おける距離zと発振周波数変動量SBとの関係を示す
図である。
【図8】図8は、この発明の第2の実施形態の触覚セン
サを主たる構成手段によって表した図である。
【図9】図9は、図8の触覚センサの深さ情報検知回路
の具体的な回路構成を示す図である。
【図10】図10は、図9の触覚センサの深部検知回路
の具体的な回路構成を示す図である。
【図11】図11は、変位装置により触覚センサプロー
ブを被測定物に一定の変位速度で押込む様子を示す図で
ある。
【図12】図12は、変位装置により触覚センサプロー
ブを被測定物に一定の変位速度で押込んだときに、発振
回路の発振周波数がある一定の周期をもって変動する様
子を示す図である。
【図13】図13は、深部検知回路における一連の信号
処理手順を示すフローチャートである。
【図14】図14は、図6が音場分布を説明するモデル
を示しているのに対し、任意の点P(x,o,z)のモ
デルを座標系で用いて表した図である。
【図15】図15は、異なる音源サイズにおける異物の
深さ方向の位置Zと電極表面で得られる平均音強度<I
>の関係を示す図である。
【図16】図16は、本発明の第3の実施形態の触覚セ
ンサを主たる構成手段によって表した図である。
【図17】図17の(a),(b)は、各圧電振動子の
配列形状及び各々の電極配列形状と、それのA−A´断
面形状を示す図である。
【図18】図18は、深さ情報検知回路の具体的な回路
構成を示す図である。
【図19】図19は、図18の触覚センサの深部検知回
路の具体的な回路構成を示す図である。
【図20】図20は、深部に腫瘍が存在する正常組織表
面を本実施形態の異なる電極サイズの圧電振動子からな
る触覚センサプローブで走査した場合における各振動子
ごとの周波数変化の一例を示す図である。
【図21】図21は、本発明の第4の実施形態に用いる
触覚センサプローブを主たる構成手段によって表した図
である。
【図22】図22は、本発明の第4の実施形態による触
覚センサを主たる構成手段によって表した図である。
【図23】図23は、図22の触覚センサにおける深さ
情報検知回路の具体的な回路構成を示す図である。
【図24】図24は、図23の深さ情報検知回路におけ
る深部検知回路の具体的な回路構成を示す図である。
【図25】図25は、図24の深部検知回路における深
部推定回路の具体的な構成を示す図である。
【図26】図26は、複数の圧電振動子をセンサプロー
ブとしての円筒状等の曲面に配置する場合を示す図であ
る。
【符号の説明】
101…発振回路、 102…圧電振動子 103…(センサ)プローブ、 104…被測定物、 105…周波数測定器、 106…深さ情報検知回路、 110…パーソナルコンピュータ(PC)、 201…エネルギー閉じ込め型電極部、 107…測定用接触部、 301…最大周波数検知回路、 302…最小周波数検知回路、 303…変動量算出回路、 304…深部推定回路、 305…粘弾性推定回路、 306…位置推定回路、 602…異物、 601…音源、 501…正常組織、 502…癌腫瘍、 801…変位装置、 901…基本周波数検知回路、 902…波長算出回路、 903…深部検知回路、 1001…接触部サイズ格納部、 1002…音場分布解析回路、 1003…深さ位置同定回路、 1601…スキャナ、 1901…接触部サイズ選択部、 1003…深さ位置同定回路、 2102…触覚センサプローブ、 2101…回転ジグ、 2301…深部検知回路 2401…音場パラメータ選択部、 2402…音場分布解析回路、 2501…出力指示回路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物に振動を伝達する振動子の振動
    特性の変化を検出することにより、上記被測定物内部に
    埋もれた異物を検知可能な触覚センサにおいて、 上記振動子と上記異物との距離の変化に伴う、上記振動
    子の振動特性の変化を測定する特性変化測定手段と、 上記特性変化測定手段の出力より、上記異物の埋もれて
    いる深さを求める深さ情報検知手段と、 を具備することを特徴とする触覚センサ。
  2. 【請求項2】 上記特性変化測定手段は、上記振動子の
    振動周波数の変化又は振動振幅の変化を測定することを
    特徴とする請求項1記載の触覚センサ。
  3. 【請求項3】 上記深さ情報検知手段は、上記特性変化
    測定手段の測定した特性値の変化の幅から、上記異物の
    埋もれている深さを求めることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の触覚センサ。
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JP2010528278A (ja) * 2007-05-23 2010-08-19 コミサリア、ア、レネルジ、アトミク、エ、オ、エネルジ、アルテルナティブ 表面上における接触位置を特定する方法、およびその方法を実施するための装置

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