JP2000333041A - 情報処理装置及び情報処理方法 - Google Patents

情報処理装置及び情報処理方法

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JP2000333041A
JP2000333041A JP13712899A JP13712899A JP2000333041A JP 2000333041 A JP2000333041 A JP 2000333041A JP 13712899 A JP13712899 A JP 13712899A JP 13712899 A JP13712899 A JP 13712899A JP 2000333041 A JP2000333041 A JP 2000333041A
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JP
Japan
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mheg
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JP13712899A
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Kazuhiro Fukuda
和浩 福田
Tetsuo Morimoto
哲雄 森本
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MHEGオーサリングツールによるコンテン
ツ作成能率の向上。 【解決手段】 MHEGの規格では定義されていないコ
ンポーネントモジュールをMHEGオーサリングツール
上で定義して、コンポーネントモジュールの作成、及び
コンポーネントモジュールの編集(編集されたコンポー
ネントモジュールは例えばシーン編集に利用される)を
行えるようにする。また、コンポーネントモジュールを
形成する各オブジェクトが有する情報ごとに公開/非公
開の設定を行うようにし、コンポーネントモジュールの
利用(編集)時には、公開として設定された情報につい
てのみ変更が可能なように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるオーサリ
ングツールなどといわれ、例えば、MHEGコンテンツ
など、映像情報とともに放送される放送用コンテンツを
作成するための情報処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル衛星放送の普及が進んで
いる。デジタル衛星放送は、例えば既存のアナログ放送
と比較してノイズやフェージングに強く、高品質の信号
を伝送することが可能である。また、周波数利用効率が
向上され、多チャンネル化も図ることが可能になる。具
体的には、デジタル衛星放送であれば1つの衛星で数百
チャンネルを確保することも可能である。このようなデ
ジタル衛星放送では、スポーツ、映画、音楽、ニュース
などの専門チャンネルが多数用意されており、これらの
専門チャンネルでは、それぞれの専門の企画、内容に応
じたプログラムが放送されている。
【0003】そして、上記のようなデジタル衛星放送シ
ステムを利用して、ユーザが楽曲等の音声データをダウ
ンロードできるようにしたり、いわゆるテレビショッピ
ングとして、例えばユーザが放送画面を見ながら何らか
の商品についての購買契約を結べるようにしたりするこ
とが提案されている。つまりは、デジタル衛星放送シス
テムとして、通常の放送内容と並行したデータサービス
放送を行うものである。
【0004】一例として、楽曲データのダウンロードで
あれば、放送側においては、放送番組(映像情報)と同
期させるようにして、楽曲データを多重化して放送する
ようにする。また、この楽曲データのダウンロードに際
しては、GUI(Graphical User Interface)画面(即ち
ダウンロード用の操作画面である)を表示させることで
インタラクティブな操作をユーザに行わせるようにされ
るが、このGUI画面出力のためのデータも多重化して
放送するようにされる。そして、受信装置を所有してい
るユーザ側では、所望のチャンネルを選局している状態
で、受信装置に対する所定の操作によって楽曲データを
ダウンロードするためのGUI画面を表示出力させるよ
うにする。そして、この表示された操作画面に対してユ
ーザが操作を行うことで、例えば受信装置に接続したデ
ジタルオーディオ機器に対してデータを供給し、これが
録音されるようにするものである。
【0005】ところで、上記のような楽曲データをダウ
ンロードするためのGUI画面としては、例えばGUI
画面を形成するパーツ的な画像データ、テキストデータ
などの情報に加え、更には所定操作に応じた音声出力の
ための音声データなどの単位データ(ファイル)をそれ
ぞれオブジェクトとして扱い、このオブジェクトの出力
態様を所定方式によるシナリオ記述によって制御するこ
とによって、上記操作画面についての所要の表示形態及
び音声等の出力態様を実現するように構成することが考
えられる。つまり、いわゆるマルチメディアコンテンツ
を放送することによって上述のようなGUI画面を実現
するものである。なお、ここでは、上記GUI画面のよ
うにして、記述情報によって規定されることで、或る目
的に従った機能を実現する表示画面(ここでは音声等の
出力も含む)のことを「シーン」というものとする。ま
た、「オブジェクト」とは、記述情報に基づいてその出
力態様が規定される画像、音声、テキスト等の単位情報
をいうものとされる。また、伝送時においては、ここで
は記述情報自体のデータファイルも「オブジェクト」の
1つとして扱われるものとする。
【0006】例えば、上記のようなGUI画面の放送用
コンテンツを記述するための規格としては、MHEG(M
ultimedia Hypermedia Information Coding Experts Gr
oup)方式を採用することが考えられる。MHEGの規格
にあっては、例えば1つのMHEGコンテンツ(MHE
Gアプリケーションファイル)は、1以上のシーンによ
り形成され、これらの例えば放送映像との同期出力やシ
ーン間のトランジションが規定されるようにスクリプト
の記述が行われている。また、1シーンとしては1以上
のオブジェクトが所定の表示形態によって表示されるよ
うに、スクリプトの記述により制御されている。
【0007】そして、放送側においては、上記したMH
EGコンテンツを放送内容に応じて作成することになる
が、このようなMHEGコンテンツの作成は、例えばパ
ーソナルコンピュータ装置上で、いわゆるスクリプト作
成ツールやオーサリングツールとしてのアプリケーショ
ンソフトウェア(以降、纏めてMHEGオーサリングツ
ールという)を起動させることで行うようにされる。
【0008】上記したMHEGオーサリングツールにあ
っては、例えばシーン単位での編集を考えてみれば、シ
ーンに対して表示すべきオブジェクトを選択して、これ
らのオブジェクトがシーンとして所望の表示形態によっ
て表示されるようにシナリオの記述を編集者が行ってい
くようにすることが一般的である。或いは、オーサリン
グツールとしてのGUI画面に対する操作を行ってシー
ンを作成していくと、最終的にはこの編集結果がスクリ
プトとして記述されるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ここで、例えば、シー
ン内において或る特定の動作が実行されるウィンドウを
作成したような場合に、このウィンドウを形成するオブ
ジェクトのグループ単位でデータを管理しようとする場
合を考えてみる。
【0010】現状のMHEGオーサリングツールにあっ
ては、例えばシーンより下の階層において、複数のオブ
ジェクトをグループ化するようにして一括して管理でき
る概念は存在していない。このために、上記のようにし
て、複数のオブジェクトをグループ化して纏めるように
して管理しようとすれば、シーン、若しくはシーンの集
合によるMHEGアプリケーションの単位で行わねばな
らない。この場合には、シーンとして管理するのに必要
となる情報も含めて管理することになってしまい、例え
ばデータ容量としても余分に増えてしまうことになる。
また、シーンは、実際に表示されるべき画面と同サイズ
であるように管理されることから、上記したウィンドウ
のように画面内における占有領域が小さくとも、シーン
としての広い座標系のなかで管理せざるを得ない。つま
り、現行のMHEGオーサリングツールにあっては、シ
ーンの下の階層で複数のオブジェクトをグループ化して
管理するという点では、使い勝手がよいとは言えない状
況にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を考慮して、複数のオブジェクトをグループ化して
管理できるようにすることで、コンテンツ作成のための
オーサリングツールとしての使い勝手の向上を図ること
を目的とする。
【0012】このため、所定の規格によるコンテンツ情
報を作成するための情報処理装置として次のように構成
する。ここで、上記所定の規格によるコンテンツ情報は
オブジェクトを使用して作成されるものとする。このう
えで、所要のオブジェクトの集合によって形成されコン
テンツ情報内にて特定の動作を実行可能な情報単位であ
るモジュール情報を定義するモジュール情報定義手段
と、このモジュール情報定義手段の定義に則って、オブ
ジェクトを使用してモジュール情報を作成することので
きるモジュール情報作成手段とを備えることとした。
【0013】また、所定の規格によるコンテンツ情報を
作成するための情報処理装置として、所定の規格による
コンテンツ情報はオブジェクトを使用して形成されてい
るものとしたうえで、所要のオブジェクトの集合によっ
て形成されコンテンツ情報内にて特定の動作を実行可能
なモジュール情報を定義するモジュール情報定義手段
と、このモジュール情報定義手段の定義に則って、上記
モジュール情報について変更が可能とされると共にモジ
ュール情報を使用してコンテンツ情報についての編集を
行うことができる編集手段とを備えることとした。
【0014】また、所定の規格によるコンテンツ情報を
作成するための情報処理方法としては次のように構成す
る。つまり、所定の規格によるコンテンツ情報はオブジ
ェクトを使用して作成されるものとしたうえで、所要の
オブジェクトの集合によって形成されてコンテンツ情報
内にて特定の動作を実行可能なモジュール情報を定義
し、この定義に則って、オブジェクトを使用してモジュ
ール情報を作成することのできるモジュール情報作成処
理を実行可能に構成するものである。
【0015】また、所定の規格によるコンテンツ情報を
作成するための情報処理方法として、所定の規格による
コンテンツ情報はオブジェクトを使用して形成されてい
るものとしたうえで、所要のオブジェクトの集合によっ
て形成されてコンテンツ情報内にて特定の動作を実行可
能なモジュール情報を定義し、この定義に則って、モジ
ュール情報について変更が可能とされると共にモジュー
ル情報を使用してコンテンツ情報についての編集を行う
ことができる編集処理を実行可能に構成することとし
た。
【0016】上記各構成によれば、オーサリングツール
にあっては、複数のオブジェクトによって或る特定の動
作を実行可能なモジュール情報を扱い可能となり、モジ
ュール情報の作成、又はモジュール情報の編集処理を含
んだMHEGコンテンツの編集処理が可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以降、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の情報処理装置は、デジタル衛星放
送を利用して番組を放送すると共に、受信装置側ではこ
の番組に関連した楽曲データ(音声データ)等の情報を
ダウンロードできるようにしたシステムに対応すること
を前提とする。つまり、デジタル衛星放送等の放送メデ
ィアを利用した番組(映像情報)に同期可能な形態で付
随させるダウンロード操作画面などのためのGUIデー
タを放送(インタラクティブ放送)を行うシステムに対
応するものである。そして、この放送システムにおい
て、放送側が使用する、GUIデータとしてのコンテン
ツを作成するためのオーサリングシステムが本発明の情
報処理装置に該当する。また、本実施の形態のオーサリ
ングシステムとしてはMHEGコンテンツ(MHEGア
プリケーション)を作成するためのシステムであるもの
とする。
【0018】なお、以降の説明は次の順序で行うことと
する。 1.デジタル衛星放送システム 1−1.全体構成 1−2.GUI画面に対する操作 1−3.地上局 1−4.送信フォーマット 1−5.IRD 2.オーサリングシステム 2−1.MHEGコンテンツの構造 2−2.MHEGオーサリングシステムの構成 2−3.コンポーネントモジュールの作成、利用 2−4.処理動作 2−4.処理動作
【0019】1.デジタル衛星放送システムの構成 1−1.全体構成 先ず、本実施の形態のMHEGオーサリングシステムの
説明を行うのに先立ち、このMHEGオーサリングシス
テムにより作成されたMHEGコンテンツが使用される
デジタル衛星放送システムについて説明しておく。
【0020】図1は、本実施の形態としてのデジタル衛
星放送システムの全体構成を示すものである。この図に
示すように、デジタル衛星放送の地上局1には、テレビ
番組素材サーバ6からのテレビ番組放送のための素材
と、楽曲素材サーバ7からの楽曲データの素材と、音声
付加情報サーバ8からの音声付加情報と、GUIデータ
サーバからのGUIデータとが送られる。
【0021】テレビ番組素材サーバ6は、通常の放送番
組の素材を提供するサーバである。このテレビ番組素材
サーバから送られてくる音楽放送の素材は、動画及び音
声とされる。例えば、音楽放送番組であれば、上記テレ
ビ番組素材サーバ6の動画及び音声の素材を利用して、
例えば新曲のプロモーション用の動画及び音声が放送さ
れたりすることになる。
【0022】楽曲素材サーバ7は、オーディオチャンネ
ルを使用して、オーディオ番組を提供するサーバであ
る。このオーディオ番組の素材は音声のみとなる。この
楽曲素材サーバ7は、複数のオーディオチャンネルのオ
ーディオ番組の素材を地上局1に伝送する。各オーディ
オチャンネルの番組放送ではそれぞれ同一の楽曲が所定
の単位時間繰り返して放送される。各オーディオチャン
ネルは、それぞれ独立しており、その利用方法としては
各種考えられる。例えば、1つのオーディオチャンネル
では最新の日本のポップスの数曲を或る一定時間繰り返
し放送し、他のオーディオチャンネルでは最新の外国の
ポップスの数曲を或る一定時間繰り返し放送するという
ようにされる。
【0023】音声付加情報サーバ8は、楽曲素材サーバ
7から出力される楽曲の時間情報等を提供するサーバで
ある。
【0024】GUIデータサーバ9は、ユーザが操作に
用いるGUI画面を形成するための「GUIデータ(放
送用コンテンツのデータ)」を提供する。例えば後述す
るような楽曲のダウンロードに関するGUI画面であれ
ば、配信される楽曲のリストページや各楽曲の情報ペー
ジを形成するための画像データ、テキストデータ、アル
バムジャケットの静止画を形成するためのデータなどを
提供する。更には、受信設備3側にていわゆるEPG(E
lectrical Program Guide)といわれる番組表表示を行う
のに利用されるEPGデータもここから提供される。な
お、「GUIデータ」としては、例えばMHEG(Multi
media Hypermedia Information Coding Experts Group)
方式が採用される。MHEGとは、マルチメディア情
報、手順、操作などのそれぞれと、その組み合わせをオ
ブジェクトとして捉え、それらのオブジェクトを符号化
したうえで、タイトル(例えばGUI画面)として制作
するためのシナリオ記述の国際標準とされる。また、本
実施の形態ではMHEG−5を採用するものとする。
【0025】地上局1は上記テレビ番組素材サーバ6、
楽曲素材サーバ7、音声付加情報サーバ8、及びGUI
データサーバ9から伝送された情報を多重化して送信す
る。本実施の形態では、テレビ番組素材サーバ6から伝
送されたビデオデータはMPEG(Moving Picture Expe
rts Group)2方式により圧縮符号化され、オーディオデ
ータはMPEG2オーディオ方式により圧縮符号化され
る。また、楽曲素材サーバ7から伝送されたオーディオ
データは、オーディオチャンネルごとに対応して、例え
ばMPEG2オーディオ方式と、ATRAC(Adoptive
Tranform Acoustic Coding)方式と何れか一方の方式に
より圧縮符号化される。また、これらのデータは多重化
の際、キー情報サーバ10からのキー情報を利用して暗
号化される。なお、地上局1の内部構成例については後
述する。
【0026】地上局1からの信号は衛星2を介して各家
庭の受信設備3で受信される。衛星2には複数のトラン
スポンダが搭載されている。1つのトランスポンダは例
えば30Mbpsの伝送能力を有している。各家庭の受
信設備3としては、パラボラアンテナ11とIRD(Int
egrated Receiver Decorder)12と、ストレージデバイ
ス13と、モニタ装置14とが用意される。また、この
場合には、IRD12に対して操作を行うためのリモー
トコントローラ64が示されている。
【0027】パラボラアンテナ11で衛星2を介して放
送されてきた信号が受信される。この受信信号がパラボ
ラアンテナ11に取り付けられたLNB(Low Noize Blo
ck Down Converter)15で所定の周波数に変換され、I
RD12に供給される。
【0028】IRD12における概略的な動作として
は、受信信号から所定のチャンネルの信号を選局し、そ
の選局された信号から番組としてのビデオデータ及びオ
ーディオデータの復調を行ってビデオ信号、オーディオ
信号として出力する。また、IRD12では、番組とし
てのデータと共に多重化されて送信されてくる、GUI
データに基づいてGUI画面としての出力も行う。この
ようなIRD12の出力は、例えばモニタ装置14に対
して供給される。これにより、モニタ装置14では、I
RD12により受信選局した番組の画像表示及び音声出
力が行われ、また、後述するようなユーザの操作に従っ
てGUI画面を表示させることが可能となる。
【0029】ストレージデバイス13は、IRD12に
よりダウンロードされたオーディオデータ(楽曲デー
タ)を保存するためのものである。このストレージデバ
イス13の種類としては特に限定されるものではなく、
MD(Mini Disc)レコーダ/プレーヤ、DATレコーダ
/プレーヤ、DVDレコーダ/プレーヤ等を用いること
ができる。また、ストレージデバイス13としてパーソ
ナルコンピュータ装置を用い、ハードディスクのほか、
CD−R等をはじめとする記録が可能なメディアにオー
ディオデータを保存するようにすることも可能とされ
る。
【0030】また、本実施の形態の受信設備3として
は、図2に示すように、データ伝送規格としてIEEE
1394に対応したデータインターフェイスを備えたM
Dレコーダ/プレーヤ13Aを、図1に示すストレージ
デバイス13として使用することができるようになって
いる。この図に示すIEEE1394対応のMDレコー
ダ/プレーヤ13Aは、IEEE1394バス16によ
りIRD12と接続される。これによって、本実施の形
態では、IRD12にて受信された、楽曲としてのオー
ディオデータ(ダウンロードデータ)を、ATRAC方
式により圧縮処理が施されたままの状態で直接取り込ん
で記録することができる。また、MDレコーダ/プレー
ヤ13AとIRD12とをIEEE1394バス16に
より接続した場合には、上記オーディオデータの他、そ
のアルバムのジャケットデータ(静止画データ)及び歌
詞などのテキストデータを記録することも可能とされて
いる。
【0031】IRD12は、例えば電話回線4を介して
課金サーバ5と通信可能とされている。IRD12に
は、後述するようにして各種情報が記憶されるICカー
ドが挿入される。例えば楽曲のオーディオデータのダウ
ンロードが行われたとすると、これに関する履歴情報が
ICカードに記憶される。このICカードの情報は、電
話回線4を介して所定の機会、タイミングで課金サーバ
5に送られる。課金サーバ5は、この送られてきた履歴
情報に従って金額を設定して課金を行い、ユーザに請求
する。
【0032】これまでの説明から分かるように、本発明
が適用されたシステムでは、地上局1は、テレビ番組素
材サーバ6からの音楽番組放送の素材となるビデオデー
タ及びオーディオデータと、楽曲素材サーバ7からのオ
ーディオチャンネルの素材となるオーディオデータと、
音声付加情報サーバ8からの音声データと、GUIデー
タサーバ9からのGUIデータとを多重化して送信して
いる。そして、各家庭の受信設備3でこの放送を受信す
ると、例えばモニタ装置14により、選局したチャンネ
ルの番組を視聴することができる。また、番組のデータ
と共に送信されるGUIデータを利用したGUI画面と
して、第1にはEPG(Electrical Program Guide;電
子番組ガイド)画面を表示させ、番組の検索等を行うこ
とができる。また、第2には、例えば通常の番組放送以
外の特定のサービス用のGUI画面を利用して所要の操
作を行うことで、本実施の形態の場合には、放送システ
ムにおいて提供されている通常番組の視聴以外のサービ
スを享受することができる。例えば、オーディオ(楽
曲)データのダウンロードサービス用のGUI画面を表
示させて、このGUI画面を利用して操作を行えば、ユ
ーザが希望した楽曲のオーディオデータをダウンロード
してストレージデバイス13に記録して保存することが
可能になる。
【0033】なお、本実施の形態では、上記したような
GUI画面に対する操作を伴う、通常の番組放送以外の
特定のサービスを提供するデータサービス放送について
は、インタラクティブ性を有することもあり、「インタ
ラクティブ放送」ともいうことにする。
【0034】1−2.GUI画面に対する操作 ここで、上述しているインタラクティブ放送の利用例、
つまり、GUI画面に対する操作例について、図3及び
図4を参照して概略的に説明しておく。ここでは、楽曲
データ(オーディオデータ)のダウンロードを行う場合
について述べる。
【0035】先ず、図3によりIRD12に対してユー
ザが操作を行うためのリモートコントローラ64の操作
キーについて、特に主要なものについて説明しておく。
図3には、リモートコントローラ64において各種キー
が配列された操作パネル面が示されている。ここでは、
これら各種キーのうち、電源キー101、数字キー10
2、画面表示切換キー103、インタラクティブ切換キ
ー104、EPGキーパネル部105、チャンネルキー
106について説明する。
【0036】電源キー101は、IRD12の電源のオ
ン/オフを行うためのキーである。数字キー102は、
数字指定によりチャンネル切り換えを行ったり、例えば
GUI画面において数値入力操作が必要な場合に操作す
るためのキーである。画面表示切換キー103は、例え
ば通常の放送画面とEPG画面との切り換えを行うキー
である。例えば、画面表示切換キー103によりEPG
画面を呼び出した状態の下で、EPGキーパネル部10
5に配置されたキーを操作すれば、電子番組ガイドの表
示画面を利用した番組検索が行えることになる。また、
EPGキーパネル部105内の矢印キー105aは、後
述するサービス用のGUI画面におけるカーソル移動な
どにも使用することができる。インタラクティブ切換キ
ー104は、通常の放送画面と、その放送番組に付随し
たサービスのためのGUI画面との切り換えを行うため
に設けられる。チャンネルキー106は、IRD12に
おける選局チャンネルをそのチャンネル番号の昇順、降
順に従って順次切り換えていくために設けられるキーで
ある。
【0037】なお、本実施の形態のリモートコントロー
ラ64としては、例えばモニタ装置14に対する各種操
作も可能に構成されているものとされ、これに対応した
各種キーも設けられているものであるが、ここでは、モ
ニタ装置14に対応するキー等の説明は省略する。
【0038】次に、図4を参照してGUI画面に対する
操作の具体例について説明する。受信設備3により放送
を受信して所望のチャンネルを選局すると、モニタ装置
14の表示画面には、図4(a)に示すように、テレビ
番組素材サーバ6から提供された番組素材に基づく動画
像が表示される。つまり、通常の番組内容が表示され
る。ここでは、例えば音楽番組が表示されているものと
する。また、この音楽番組には楽曲のオーディオデータ
のダウンロードサービス(インタラクティブ放送)が付
随されているものとする。そして、この音楽番組が表示
されている状態の下で、例えばユーザがリモートコント
ローラ64のインタラクティブ切換キー104を操作し
たとすると、表示画面は図4(b)に示すような、オー
ディオデータのダウンロードのためのGUI画面に切り
替わる。
【0039】このGUI画面においては、先ず、画面の
左上部のテレビ番組表示エリア21Aに対して、図4
(a)にて表示されていたテレビ番組素材サーバ6から
のビデオデータによる画像が縮小化されて表示される。
また、画面の右上部には、オーディオチャンネルで放送
されている各チャンネルの楽曲のリスト21Bが表示さ
れる。また、画面の左下にはテキスト表示エリア21C
とジャケット表示エリア21Dが表示される。さらに、
画面の右側には歌詞表示ボタン22、プロフィール表示
ボタン23、情報表示ボタン24、予約録音ボタン2
5、予約済一覧表示ボタン26、録音履歴表示ボタン2
7、およびダウンロードボタン28が表示される。
【0040】ユーザは、このリスト21Bに表示されて
いる楽曲名を見ながら、興味のある楽曲を探していく。
そして、興味のある楽曲を見つけたらリモートコントロ
ーラ64の矢印キー105a(EPGキーパネル部10
5内)を操作して、その楽曲が表示されている位置にカ
ーソルを合わせた後、エンター操作を行う(例えば矢印
キー105aのセンター位置を押圧操作する)。これに
よって、カーソルを合わせた楽曲を試聴することができ
る。すなわち、各オーディオチャンネルでは、所定の単
位時間中、同一の楽曲が繰り返し放送されているので、
テレビ番組表示エリア21Aの画面はそのままで、IR
D12により上記操作により選択された楽曲のオーディ
オチャンネルに切り換えて音声出力することで、その楽
曲を聞くことができる。この時、ジャケット表示エリア
21Dにはその楽曲のMDジャケットの静止画像が表示
される
【0041】また、例えば上記の状態で歌詞表示ボタン
22にカーソルを合わせ、エンター操作を行う(以下、
ボタン表示にカーソルを合わせ、エンター操作を行うこ
とを「ボタンを押す」という)と、テキスト表示エリア
21Cに楽曲の歌詞がオーディオデータと同期したタイ
ミングで表示される。同様に、プロフィール表示ボタン
23あるいは情報表示ボタン24を押すと、楽曲に対応
するアーティストのプロフィールあるいはコンサート情
報などがテキスト表示エリア21Cに表示される。この
ように、ユーザは、現在どのような楽曲が配信されてい
るのかを知ることができ、更に各楽曲についての詳細な
情報を知ることができる。
【0042】ユーザは試聴した楽曲を購入したい場合に
は、ダウンロードボタン28を押す。ダウンロードボタ
ン28が押されると、選択された楽曲のオーディオデー
タがダウンロードされ、ストレージデバイス13に記憶
される。楽曲のオーディオデータと共に、その歌詞デー
タ、アーティストのプロフィール情報、ジャケットの静
止画データ等をダウンロードすることもできる。そし
て、このようにして楽曲のオーディオデータがダウンロ
ードされる毎に、その履歴情報がIRD12内のICカ
ードに記憶される。ICカードに記憶された情報は、例
えば1カ月に一度ずつ課金サーバ5により取り込みが行
われ、ユーザに対してデータサービスの使用履歴に応じ
た課金が行われる。これによって、ダウンロードされる
楽曲の著作権を保護することができることにもなる。
【0043】また、ユーザは予めダウンロードの予約を
行いたい場合には、予約録音ボタン25を押す。このボ
タンを押すと、GUI画面の表示が切り換わり、予約が
可能な楽曲のリストが画面全体に表示される。例えばこ
のリストは1時間単位、1週間単位、チャンル単位等で
検索した楽曲を表示することが可能である。ユーザはこ
のリストの中からダウンロードの予約を行いたい楽曲を
選択すると、その情報がIRD12内に登録される。そ
して、すでにダウンロードの予約を行った楽曲を碓認し
たい場合には、予約済一覧表示ボタン26を押すことに
より、画面全体に表示させることができる。このように
して予約された楽曲は、予約時刻になるとIRD12に
よりダウンロードされ、ストレージデバイス13に記憶
される。
【0044】ユーザはダウンロードを行った楽曲につい
て確認したい場合には、録音履歴ボタン27を押すこと
により、既にダウンロードを行った楽曲のリストを画面
全体に表示させることができる。
【0045】このように、本発明が適用されたシステム
の受信設備3では、モニタ装置14のGUI画面上に楽
曲のリストが表示される。そして、このGUI画面上の
表示にしたがって楽曲を選択するとその楽曲を試聴する
ことができ、その楽曲の歌詞やアーティストのプロフィ
ール等を知ることができる。さらに、楽曲のダウンロー
ドとその予約、ダウンロードの履歴や予約済楽曲リスト
の表示等を行うことができる。
【0046】詳しいことは後述するが、上記図4(b)
に示すようなGUI画面の表示と、GUI画面に対する
ユーザの操作に応答したGUI画面上での表示変更、及
び音声出力は、前述したMHEG方式に基づいたシナリ
オ記述により、オブジェクトの関係を規定することによ
り実現される。ここでいうオブジェクトとは、図4
(b)に示された各ボタンに対応するパーツとしての画
像データや各表示エリアに表示される素材データとな
る。そして、本明細書においては、このGUI画面のよ
うな、シナリオ(スクリプト)記述によってオブジェク
ト間の関係が規定されることで、或る目的に従った情報
の出力態様(画像表示や音声出力等)が実現される環境
を「シーン」というものとする。また、1シーンを形成
するオブジェクトとしては、シナリオ記述のファイル自
体も含まれるものとする。
【0047】以上、説明したように、本発明が適用され
たデジタル衛星放送システムでは放送番組が配信される
と共に、複数のオーディオチャンネルを使用して楽曲の
オーディオデータが配信される。そして、配信されてい
る楽曲のリスト等を使用して所望の楽曲を探し、そのオ
ーディオデータをストレージデバイス13に簡単に保存
することができる。なお、デジタル衛星放送システムに
おける番組提供以外のサービスとしては、上記した楽曲
データのダウンロードの他にも各種考えられる。例え
ば、いわゆるテレビショッピングといわれる商品紹介番
組を放送した上で、GUI画面としては購買契約が結べ
るようなものを用意することも考えられる。
【0048】1−3.地上局 これまで、本実施の形態としてのデジタル衛星放送シス
テムの概要について説明したが、以降、このシステムに
ついてより詳しい説明を行っていくこととする。そこ
で、先ず地上局1の構成について図5を参照して説明す
る。
【0049】なお、以降の説明にあたっては、次のこと
を前提とする。本実施の形態では、地上局1から衛星2
を介しての受信設備3への送信を行うのにあたり、少な
くともGUIデータについては、DSM−CC(デジタ
ル蓄積メディア・コマンド・アンド・コントロール;Di
gital Strage Media-Command and Control)プロトコル
を採用する。DSM−CC(MPEG−part6)方
式は、既に知られているように、例えば、何らかのネッ
トワークを介して、デジタル蓄積メディア(DSM)に
蓄積されたMPEG符号化ビットストリームを取り出し
(Retrieve)たり、或いはDSMに対してストリームを蓄
積(Store)するためのコマンドや制御方式を規定したも
のである。そして本実施の形態においては、このDSM
−CC方式がデジタル衛星放送システムにおける伝送規
格として採用されているものである。そして、DSM−
CC方式によりデータ放送サービス(例えばGUI画面
など)のコンテンツ(オブジェクトの集合)を伝送する
ためには、コンテンツの記述形式を定義しておく必要が
ある。本実施の形態では、この記述形式の定義として先
に述べたMHEGが採用されるものである。
【0050】図5に示す地上局1の構成において、テレ
ビ番組素材登録システム31は、テレビ番組素材サーバ
6から得られた素材データをAVサーバ35に登録す
る。この素材データはテレビ番組送出システム39に送
られ、ここでビデオデータは例えばMPEG2方式で圧
縮され、オーディオデータは、例えばMPEG2オーデ
ィオ方式によりパケット化される。テレビ番組送出シス
テム39の出力はマルチプレクサ45に送られる。
【0051】また、楽曲素材登録システム32では、楽
曲素材サーバ7からの素材データ、つまりオーディオデ
ータを、MPEG2オーディオエンコーダ36A、及び
ATRACエンコーダ36Bに供給する。MPEG2オ
ーディオエンコーダ36A、ATRACエンコーダ36
Bでは、それぞれ供給されたオーディオデータについて
エンコード処理(圧縮符号化)を行った後、MPEGオ
ーディオサーバ40A及びATRACオーディオサーバ
40Bに登録させる。MPEGオーディオサーバ40A
に登録されたMPEGオーディオデータは、MPEGオ
ーディオ送出システム43Aに伝送されてここでパケッ
ト化された後、マルチプレクサ45に伝送される。AT
RACオーディオサーバ40Bに登録されたATRAC
データは、ATRACオーディオ送出システム43Bに
4倍速ATRACデータとして送られ、ここでパケット
化されてマルチプレクサ45に送出される。
【0052】また、音声付加情報登録システム33で
は、音声付加情報サーバ8からの素材データである音声
付加情報を音声付加情報データベース37に登録する。
この音声付加情報データベース37に登録された音声付
加情報は、音声付加情報送出システム41に伝送され、
同様にして、ここでパケット化されてマルチプレクサ4
5に伝送される。
【0053】また、GUI用素材登録システム34で
は、GUIデータサーバ9からの素材データであるGU
Iデータを、GUI素材データベース38に登録する。
【0054】GUI素材データベース38に登録された
GUI素材データは、GUIオーサリングシステム42
に伝送され、ここで、GUI画面、即ち図4にて述べた
「シーン」としての出力が可能なデータ形式となるよう
に処理が施される。
【0055】つまり、GUIオーサリングシステム42
に伝送されてくるデータとしては、例えば、楽曲のダウ
ンロードのためのGUI画面であれば、アルバムジャケ
ットの静止画像データ、歌詞などのテキストデータ、更
には、操作に応じて出力されるべき音声データなどであ
る。上記した各データはいわゆるモノメディアといわれ
るが、GUIオーサリングシステム42では、MHEG
オーサリングツールを用いて、これらのモノメディアデ
ータを符号化して、これをオブジェクトとして扱うよう
にする。そして、例えば図4(b)にて説明したような
シーン(GUI画面)の表示態様と操作に応じた画像音
声の出力態様が得られるように上記オブジェクトの関係
を規定したシナリオ記述ファイル(スクリプト)と共に
MHEG−5のコンテンツを作成する。また、図4
(b)に示したようなGUI画面では、テレビ番組素材
サーバ6の素材データを基とする画像・音声データ(M
PEGビデオデータ、MPEGオーディオデータ)と、
楽曲素材サーバ7の楽曲素材データを基とするMPEG
オーディオデータ等も、GUI画面に表示され、操作に
応じた出力態様が与えられる。従って、上記シナリオ記
述ファイルとしては、上記GUIオーサリングシステム
42では、上記したテレビ番組素材サーバ6の素材デー
タを基とする画像・音声データ、楽曲素材サーバ7の楽
曲素材データを基とするMPEGオーディオデータ、更
には、音声付加情報サーバ8を基とする音声付加情報も
必要に応じてオブジェクトとして扱われて、MHEGの
スクリプトによる規定が行われる。
【0056】なお、GUIオーサリングシステム42か
ら伝送されるMHEGコンテンツのデータとしては、ス
クリプトファイル、及びオブジェクトとしての各種静止
画データファイルやテキストデータファイル(更には音
声データファイル)などとなるが、静止画データは、例
えばJPEG(Joint Photograph Experts Group)方式で
圧縮された640×480ピクセルのデータとされ、テ
キストデータは例えば800文字以内のファイルとされ
る。
【0057】GUIオーサリングシステム42にて得ら
れたMHEGコンテンツのデータはDSM−CCエンコ
ーダ44に伝送される。DSM−CCエンコーダ44で
は、MPEG2フォーマットに従ったビデオ、オーディ
オデータのデータストリームに多重できる形式のトラン
スポートストリーム(以下TS(Transport Stream)とも
略す)に変換して、パケット化されてマルチプレクサ4
5に出力される。
【0058】マルチプレクサ45においては、テレビ番
組送出システム39からのビデオパケットおよびオーデ
ィオパケットと、MPEGオーディオ送出システム43
Aからのオーディオパケットと、ATRACオーディオ
送出システム43Bからの4倍速オーディオパケット
と、音声付加情報送出システム41からの音声付加情報
パケットと、GUIオーサリングシステム42からのG
UIデータパケットとが時間軸多重化されると共に、キ
ー情報サーバ10(図1)から出力されたキー情報に基
づいて暗号化される。
【0059】マルチプレクサ45の出力は電波送出シス
テム46に伝送され、ここで例えば誤り訂正符号の付
加、変調、及び周波数変換などの処理を施された後、ア
ンテナから衛星2に向けて送信出力するようにされる。
【0060】1−4.送信フォーマット 次に、DSM−CC方式に基づいて規定された本実施の
形態の送信フォーマットについて説明する。図6は、地
上局1から衛星2に送信出力される際のデータの一例を
示している。なお、前述したように、この図に示す各デ
ータは実際には時間軸多重化されているものである。ま
た、この図では、図6に示すように、時刻t1から時刻
t2の間が1つのイベントとされ、時刻t2から次のイ
ベントとされる。ここでいうイベントとは、例えば音楽
番組のチャンネルであれば、複数楽曲のラインナップの
組を変更する単位であり、時間的には30分或いは1時
間程度となる。
【0061】図6に示すように、時刻t1から時刻t2
のイベントでは、通常の動画の番組放送で、所定の内容
A1を有する番組が放送されている。また、時刻t2か
ら始めるイベントでは、内容A2としての番組が放送さ
れている。この通常の番組で放送されているのは動画と
音声である。
【0062】MPEGオーディオチャンネル(1)〜
(10)は、例えば、チャンネルCH1からCH10の
10チャンネル分用意される。このとき、各オーディオ
チャンネルCH1,CH2,CH3・・・・CH10で
は、1つのイベントが放送されている間は同一楽曲が繰
り返し送信される。つまり、時刻t1〜t2のイベント
の期間においては、オーディオチャンネルCH1では楽
曲B1が繰り返し送信され、オーディオチャンネルCH
2では楽曲C1が繰り返し送信され、以下同様に、オー
ディオチャンネルCH10では楽曲K1が繰り返し送信
されることになる。これは、その下に示されている4倍
速ATRACオーディオチャンネル(1)〜(10)に
ついても共通である。
【0063】つまり、図6において、MPEGオーディ
オチャンネルと4倍速ATRACオーディオチャンネル
のチャンネル番号である( )内の数字が同じものは同
じ楽曲となる。また、音声付加情報のチャンネル番号で
ある( )内の数字は、同じチャンネル番号を有するオ
ーディオデータに付加されている音声付加情報である。
更に、GUIデータとして伝送される静止画データやテ
キストデータも各チャンネルごとに形成されるものであ
る。これらのデータは、図7(a)〜(d)に示すよう
にMPEG2のトランスポートパケット内で時分割多重
されて送信され、図7(e)〜(h)に示すようにして
IRD12内では各データパケットのヘッダ情報を用い
て再構築される。
【0064】また、上記図6及び図7に示した送信デー
タのうち、少なくとも、データサービス(TV放送(又
はオーディオ放送)に同期したMHEGコンテンツの放
送、又はインタラクティブ放送)に利用されるGUIデ
ータは、DSM−CC方式に則って論理的には次のよう
にして形成されるものである。ここでは、DSM−CC
エンコーダ44から出力されるトランスポートストリー
ムのデータに限定して説明する。
【0065】図8(a)に示すように、DSM−CC方
式によって伝送される本実施の形態のデータ放送サービ
スは、Service Gatewayという名称のル
ートディレクトリの中に全て含まれる。Service
Gatewayに含まれるオブジェクトとしては、デ
ィレクトリ(Directory),ファイル(Fil
e),ストリーム(Stream),ストリームイベン
ト(Stream Event)などの種類が存在す
る。
【0066】これらのうち、ファイルは静止画像、音
声、テキスト、更にはMHEGにより記述されたスクリ
プトなどの個々のデータファイルとされる。ストリーム
は例えば、他のデータサービスやAVストリーム(TV
番組素材としてのMPEGビデオデータ、オーディオデ
ータ、楽曲素材としてのMPEGオーディオデータ、A
TRACオーディオデータ等)にリンクする情報が含ま
れる。また、ストリームイベントは、同じくリンクの情
報と時刻情報が含まれる。ディレクトリは相互に関連す
るデータをまとめるフォルダである。
【0067】そして、DSM−CC方式では、図8
(b)に示すようにして、これらの単位情報とServ
ice Gatewayをそれぞれオブジェクトという
単位と捉え、それぞれをBIOPメッセージという形式
に変換する。なお、本発明に関わる説明では、ファイ
ル,ストリーム,ストリームイベントの3つのオブジェ
クトの区別は本質的なものではないので、以下の説明で
はこれらをファイルとしてのオブジェクトに代表させて
説明する。
【0068】そして、DSM−CC方式では、図8
(c)に示すモジュールといわれるデータ単位を生成す
る。このモジュールは、図8(b)に示したBIOPメ
ッセージ化されたオブジェクトを1つ以上含むようにさ
れたうえで、BIOPヘッダが付加されて形成される可
変長のデータ単位であり、後述する受信側における受信
データのバッファリング単位となる。また、DSM−C
C方式としては、1モジュールを複数のオブジェクトに
より形成する場合の、オブジェクト間の関係については
特に規定、制限はされていない。つまり、極端なことを
いえば、全く関係の無いシーン間における2以上のオブ
ジェクトにより1モジュールを形成したとしても、DS
M−CC方式のもとでの規定に何ら違反するものではな
い。
【0069】このモジュールは、MPEG2フォーマッ
トにより規定されるセクションといわれる形式で伝送す
るために、図8(d)に示すように、機械的に「ブロッ
ク」といわれる原則固定長のデータ単位に分割される。
但し、モジュールにおける最後のブロックについては規
定の固定長である必要はないものとされている。このよ
うに、ブロック分割を行うのはMPEG2フォーマット
において、1セクションが4KBを越えてはならないと
いう規定があることに起因する。また、この場合には上
記ブロックとしてのデータ単位と、セクションとは同義
なものとなる。
【0070】このようにしてモジュールを分割して得た
ブロックは、図8(e)に示すようにしてヘッダが付加
されてDDB(Download Data Block)というメッセージ
の形式に変換される。
【0071】また、上記DDBへの変換と並行して、D
SI(Download Server Initiate)及びDII(Download
Indication Information)という制御メッセージが生成
される。上記DSI及びDIIは、受信側(IRD1
2)で受信データからモジュールを取得する際に必要と
なる情報であり、DSIは主として、次に説明するカル
ーセル(モジュール)の識別子、カルーセル全体に関連
する情報(カルーセルが1回転する時間、カルーセル回
転のタイムアウト値)等の情報を有する。また、データ
サービスのルートディレクトリ(Service Ga
teway)の所在を知るための情報も有する(オブジ
ェクトカルーセル方式の場合)。
【0072】DIIは、カルーセルに含まれるモジュー
ルごとに対応する情報であり、モジュールごとのサイ
ズ、バージョン、そのモジュールのタイムアウト値など
の情報を有する。
【0073】そして、図8(f)に示すように、上記D
DB、DSI、DIIの3種類のメッセージをセクショ
ンのデータ単位に対応させて周期的に、かつ、繰り返し
送出するようにされる。これにより、受信機側では例え
ば目的のGUI画面(シーン)を得るのに必要なオブジ
ェクトが含まれているモジュールをいつでも受信できる
ようにされる。本明細書では、このような伝送方式を回
転木馬に例えて「カルーセル方式」といい、図8(f)
に示すようにして模式的に表されるデータ伝送形態をカ
ルーセルというものとする。ここで、1カルーセルに含
まれるモジュールとしては複数とされて構わない。例え
ば、1カルーセルにより1つのデータサービスに必要な
複数のモジュールを伝送するようにしてもよいものであ
る。
【0074】また、図9に、MHEG方式に則ったデー
タサービスとしてのファイル(MHEG applic
ation file)のディレクトリ構造例を示す。
上述のようにオブジェクトカルーセル方式は、このディ
レクトリ構造を扱えることに特徴を有する。通常、Se
rvice Domainの入り口となる(MHEG
application file)は、必ず、Ser
vice Gatewayの直下にある、app0/s
tartupというファイルとなる。基本的には、Se
rvice Domain(Service Gate
way)の下にapplication direct
ory(app0,app1・・・appN)があり、
その下にstartupといわれるアプリケーション・
ファイルと、applicationを構成する各sc
eneのdirectory(scene0,scen
e1・・・)があるようにされる。更にscene d
irectoryの下には、MHEG scene f
ileとsceneを構成する各content fi
leがおかれることとしている。
【0075】ここで、上記した「カルーセル方式」とし
ては、「データカルーセル方式」と「オブジェクトカル
ーセル方式」とに分けられる。特にオブジェクトカルー
セル方式では、ファイル、ディレクトリ、ストリーム、
サービスゲートウェイなどの属性を持つオブジェクトを
データとしてカルーセルを用いて転送する方式で、ディ
レクトリ構造を扱える。これに対して、データカルーセ
ル方式では、例えばMHEGコンテンツに対応する場合
には、例えば実際には1シーンを形成するファイルのデ
ィレクトリ構造を、1つのファイルに纏める(インクル
ードする)ようにして管理し、このファイル単位のデー
タをカルーセルを用いて転送する方式である。
【0076】本実施の形態のシステムでは、データカル
ーセル方式を採用するものとされる。例えば実際に採用
されるデジタル衛星放送でのコンテンツの放送規格であ
れば、同一のシーンで使用する各種オブジェクト(ファ
イル)は256Kbyte以内のサイズであれば、一つ
のシーンファイルとして纏めるべきものとして規定され
ているものである。
【0077】また、上記のようにしてカルーセルにより
送信されるGUIデータを含む放送用のデータ、つま
り、図5のマルチプレクサ45から出力されるデータと
しては、トランスポートストリームの形態により出力さ
れる。このトランスポートストリームは例えば図10に
示す構造を有する。図10(a)には、トランスポート
ストリームが示されている。このトランスポートストリ
ームとはMPEGシステムで定義されているビット列で
あり、図のように188バイトの固定長パケット(トラ
ンスポートパケット)の連結により形成される。
【0078】そして、各トランスポートパケットは、図
10(b)に示すようにヘッダと特定の個別パケットに
付加情報を含めるためのアダプテーションフィールドと
パケットの内容(ビデオ/オーディオデータ等)を表す
ペイロード(データ領域)とからなる。
【0079】ヘッダは、例えば実際には4バイトとさ
れ、図10(c)に示すように、先頭には必ず同期バイ
トがあるようにされ、これより後ろの所定位置にそのパ
ケットの識別情報であるPID(Packet_I
D)、スクランブルの有無を示すスクランブル制御情
報、後続するアダプテーションフィールドやペイロード
の有無等を示すアダプテーションフィールド制御情報が
格納されている。
【0080】これらの制御情報に基づいて、受信装置側
ではパケット単位でデスクランブルを行い、また、デマ
ルチプレクサによりビデオ/オーディオ/データ等の必
要パケットの分離・抽出を行うことができる。また、ビ
デオ/オーディオの同期再生の基準となる時刻情報を再
生することもここで行うことができる。
【0081】また、これまでの説明から分かるように、
1つのトランスポートストリームには複数チャンネル分
の映像/音声/データのパケットが多重されているが、
それ以外にPSI(Program Specific Information)とい
われる選局を司るための信号や、限定受信(個人の契約
状況により有料チャンネルの受信可不可を決定する受信
機能)に必要な情報(EMM/ECM)、EPGなどの
サービスを実現するためのSI(Service Information)
が同時に多重されている。
【0082】PSIは、図11に示すようにして、4つ
のテーブルで構成されている。それぞれのテーブルは、
セクション形式というMPEG Systemに準拠し
た形式で表されている。図11(a)には、NIT(Net
work Informataion Table)及びCAT(Conditional Acc
ess Table)のテーブルが示されている。NITは、全キ
ャリアに同一内容が多重されている。キャリアごとの伝
送諸元(偏波面、キャリア周波数、畳み込みレート等)
と、そこに多重されているチャンネルのリストが記述さ
れている。NITのPIDとしては、PID=0x0010と
されている。
【0083】CATもまた、全キャリアに同一内容が多
重される。限定受信方式の識別と契約情報等の個別情報
であるEMM(Entitlement Management Message)パケッ
トのPIDが記述されている。PIDとしては、PID
=0x0001により示される。
【0084】図11(b)には、キャリアごとに固有の
内容を有する情報として、PATが示される。PATに
は、そのキャリア内のチャンネル情報と、各チャンネル
の内容を表すPMTのPIDが記述されている。PID
としては、PID=0x0000により示される。
【0085】また、キャリアにおけるチャンネルごとの
情報として、図11(c)に示すPMT(Program Map T
able)のテーブルを有する。PMTは、チャンネル別の
内容が多重されている。例えば、図11(d)に示すよ
うな、各チャンネルを構成するコンポーネント(ビデオ
/オーディオ等)と、デスクランブルに必要なECM(E
ncryption Control Message)パケットのPIDが記述さ
れているPMTのPIDは、PATにより指定される。
【0086】また、SIは、図示は省略するが、PSI
と同様にセクション形式のテーブルとされ、ここにEP
Gに関する情報が記述される。IRD側では、このテー
ブルから必要とされる情報を抽出して画面上に表示する
ようにされている。そして、このSIの代表的なテーブ
ルとしては、SDT(Service DescriptionTable)とEI
T(Event Information Table)が挙げられる。SDT
は、チャンネル情報を表すもので、チャンネル番号、チ
ャンネル名、チャンネル内容等が記述される。PIDと
しては、PID=0x0011により示されることになってい
る。EITは、番組情報を表すもので、番組名、番組開
始時刻、番組のあらすじ、ジャンル等が記述されてい
る。PIDとしては、PID=0x0012により示される。
【0087】1−5.IRD 続いて、受信設備3に備えられるIRD12の一構成例
について図12を参照して説明する。
【0088】この図に示すIRD12において、入力端
子T1には、パラボラアンテナ11のLNB15により
所定の周波数に変換された受信信号を入力してチューナ
/フロントエンド部51に供給する。チューナ/フロン
トエンド部51では、CPU(Central Processing Uni
t)80からの伝送諸元等を設定した設定信号に基づい
て、この設定信号により決定されるキャリア(受信周波
数)を受信して、例えばビタビ復調処理や誤り訂正処理
等を施すことで、トランスポートストリームを得るよう
にされる。チューナ/フロントエンド部51にて得られ
たトランスポートストリームは、デスクランブラ52に
対して供給される。また、チューナ/フロントエンド部
51では、トランスポートストリームからPSIのパケ
ットを取得し、その選局情報を更新すると共に、トラン
スポートストリームにおける各チャンネルのコンポーネ
ントPIDを得て、例えばCPU80に伝送する。CP
U80では、取得したPIDを受信信号処理に利用する
ことになる。
【0089】デスクランブラ52では、ICカード65
に記憶されているデスクランブルキーデータをCPU8
0を介して受け取ると共に、CPU80によりPIDが
設定される。そして、このデスクランブルキーデータと
PIDとに基づいてデスクランブル処理を実行し、トラ
ンスポート部53に対して伝送する。
【0090】トランスポート部53は、デマルチプレク
サ70と、例えばDRAM等により構成されるキュー
(Queue)71とからなる。キュー(Queue)71は、モ
ジュール単位に対応した複数のメモリ領域が列となるよ
うにして形成されているものとされ、例えば本実施の形
態では、32列のメモリ領域が備えられる。つまり、最
大で32モジュールの情報を同時に格納することができ
る。
【0091】デマルチプレクサ70の概略的動作として
は、CPU80のDeMUXドライバ82により設定さ
れたフィルタ条件に従って、デスクランブラ52から供
給されたトランスポートストリームから必要なトランス
ポートパケットを分離し、必要があればキュー71を作
業領域として利用して、先に図7(e)〜(h)により
示したような形式のデータを得て、それぞれ必要な機能
回路部に対して供給する。デマルチプレクサ70にて分
離されたMPEGビデオデータは、MPEG2ビデオデ
コーダ55に対して入力され、MPEGオーディオデー
タは、MPEGオーディオデコーダ54に対して入力さ
れる。これらデマルチプレクサ70により分離されたM
PEGビデオ/オーディオデータの個別パケットは、P
ES(Packetized Elementary Stream)と呼ばれる形式で
それぞれのデコーダに入力される。
【0092】また、トランスポートストリームにおける
MHEGコンテンツのデータについては、デマルチプレ
クサ70によりトランスポートストリームからトランス
ポートパケット単位で分離抽出されながらキュー71の
所要のメモリ領域に書き込まれていくことで、モジュー
ル単位にまとめられるようにして形成される。そして、
このモジュール単位にまとめられたMHEGコンテンツ
のデータは、CPU80の制御によってデータバスを介
して、メインメモリ90内のDSM−CCバッファ91
に書き込まれて保持される。
【0093】また、トランスポートストリームにおける
4倍速ATRACデータ(圧縮オーディオデータ)も、
例えばトランスポートパケット単位で必要なデータがデ
マルチプレクサ70により分離抽出されてIEEE13
94インターフェイス60に対して出力される。また、
IEEE1394インターフェイス60を介した場合に
は、オーディオディオデータの他、ビデオデータ及び各
種コマンド信号等を送出することも可能とされる。
【0094】PESとしての形式によるMPEGビデオ
データが入力されたMPEG2ビデオデコーダ55で
は、メモリ55Aを作業領域として利用しながらMPE
G2フォーマットに従って復号化処理を施す。復号化さ
れたビデオデータは、表示処理部58に供給される。
【0095】表示処理部58には、上記MPEG2ビデ
オデコーダ55から入力されたビデオデータと、後述す
るようにしてメインメモリ90のMHEGバッファ92
にて得られるデータサービス用のGUI画面等のビデオ
データが入力される。表示処理部58では、このように
して入力されたビデオデータについて所要の信号処理を
施して、所定のテレビジョン方式によるアナログオーデ
ィオ信号に変換してアナログビデオ出力端子T2に対し
て出力する。これにより、アナログビデオ出力端子T2
とモニタ装置14のビデオ入力端子とを接続すること
で、例えば先に図4に示したような表示が行われる。
【0096】また、PESによるMPEGオーディオデ
ータが入力されるMPEG2オーディオデコーダ54で
は、メモリ54Aを作業領域として利用しながらMPE
G2フォーマットに従って復号化処理を施す。復号化さ
れたオーディオデータは、D/Aコンバータ56及び光
デジタル出力インターフェイス59に対して供給され
る。
【0097】D/Aコンバータ56では、入力されたオ
ーディオデータについてアナログ音声信号に変換してス
イッチ回路57に出力する。スイッチ回路57では、ア
ナログオーディオ出力端子T3又はT4の何れか一方に
対してアナログ音声信号を出力するように信号経路の切
換を行う。ここでは、アナログオーディオ出力端子T3
はモニタ装置14の音声入力端子と接続されるために設
けられているものとされる。また、アナログオーディオ
出力端子T4はダウンロードした楽曲をアナログ信号に
より出力するための端子とされる。また、光デジタル出
力インターフェイス59では、入力されたデジタルオー
ディオデータを光デジタル信号に変換して出力する。こ
の場合、光デジタル出力インターフェイス59は、例え
ばIEC958に準拠する。
【0098】メインメモリ90は、CPU80が各種制
御処理を行う際の作業領域として利用されるものであ
る。そして、本実施の形態では、このメインメモリ90
において、前述したDSM−CCバッファ91と、MH
EGバッファ92としての領域が割り当てられるように
なっている。MHEGバッファ92には、MHEG方式
によるスクリプトの記述に従って生成された画像データ
(例えばGUI画面の画像データ)を生成するための作
業領域とされ、ここで生成された画像データはバスライ
ンを介して表示処理部58に供給される。
【0099】CPU80は、IRD12における全体制
御を実行する。このなかには、デマルチプレクサ70に
おけるデータ分離抽出についての制御も含まれる。ま
た、獲得したMHEGコンテンツのデータについてデコ
ード処理を施すことで、スクリプトの記述内容に従って
GUI画面(シーン)を構成して出力するための処理も
実行する。
【0100】このため、本実施の形態のCPU80とし
ては、主たる制御処理を実行する制御処理部81に加
え、例えば少なくとも、DeMUXドライバ82、DS
M−CCデコーダブロック83、及びMHEGデコーダ
ブロック84が備えられる。本実施の形態では、このう
ち、少なくともDSM−CCデコーダブロック83及び
MHEGデコーダブロック84については、ソフトウェ
アにより構成される。DeMUXドライバ82は、入力
されたトランスポートストリームのPIDに基づいてデ
マルチプレクサ70におけるフィルタ条件を設定する。
DSM−CCデコーダブロック83は、DSM−Man
agerとしての機能を有するものであり、DSM−C
Cバッファ91に格納されているモジュール単位のデー
タについて、MHEGコンテンツのデータに再構築す
る。また、MHEGデコーダブロック84からのアクセ
スに従って所要のDSM−CCデコード等に関連する処
理を実行する。
【0101】MHEGデコーダブロック84は、DSM
−CCデコーダブロック83により得られたMHEGコ
ンテンツのデータ、つまり、DSM−CCバッファ91
にて得られているMHEGコンテンツのデータにアクセ
スして、シーン出力のためのデコード処理を行う。つま
り、そのMHEGコンテンツのスクリプトファイルによ
り規定されているオブジェクト間の関係を実現していく
ことで、シーンを形成するものである。この際、シーン
としてGUI画面を形成するのにあたっては、MHEG
バッファ92を利用して、ここで、スクリプトファイル
の内容に従ってGUI画面の画像データを生成するよう
にされる。
【0102】DSM−CCデコーダブロック83及びM
HEGデコーダブロック84間のインターフェイスに
は、U−U API(DSM−CC U−U API(A
pplivation Portability Interface))が採用される。
U−U APIは、例えばクライアント(MHEGデコ
ーダブロック84)側がDSM Managerオブジ
ェクト(DSMの機能を実現するサーバオブジェクト;
DSM−CCデコーダブロック83)にアクセスするた
めのインターフェイスであり、カルーセルに含まれるS
ervice Gateway,Directory,
File,Stream,Stream Eventな
どの属性を有するオブジェクトをファイルシステムのよ
うにして構造的にアクセスすることができるようにした
APIとされる。
【0103】このAPIを通じてカルーセルに含まれる
オブジェクトへのアクセスを行うことで、カルーセルを
使用するプログラム(クライアント)がカルーセル受信
動作を関知することなく、バス名を使用してオブジェク
トにアクセスすることが可能になる。
【0104】また、このU−U APIは、下層のデー
タ転送方式に関わらず利用することが出来るように規定
されたインターフェイスの集合であることから、このA
PIを利用するプログラムは、U−U APIを提供す
るどのようなデータ転送方式においても利用できるとい
う利点を有する。
【0105】ここで、CPU80の制御によりトランス
ポートストリームから1シーンを形成するのに必要な目
的のオブジェクトを抽出するための動作例について説明
しておく。
【0106】DSM−CCでは、トランスポートストリ
ーム中のオブジェクトの所在を示すのにIOR(Interop
erable Object Reference)が使用される。IORには、
オブジェクトを見つけ出すためのカルーセルに対応する
識別子、オブジェクトの含まれるモジュールの識別子
(以下module_idと表記)、1つのモジュール
中でオブジェクトを特定する識別子(以下object
_keyと表記)のほかに、オブジェクトの含まれるモ
ジュールの情報を持つDIIを識別するためのタグ(a
ssociation_tag)情報を含んでいる。ま
た、モジュール情報を持つDIIには、1つ以上のモジ
ュールそれぞれについてのmodule_id、モジュ
ールの大きさ、バージョンといった情報と、そのモジュ
ールを識別するためのタグ(association_
tag)情報を含んでいる。
【0107】トランスポートストリームから抜き出され
たIORがCPU80において識別された場合に、その
IORで示されたオブジェクトを受信、分離して得るプ
ロセスは、例えば次のようになる。 (Pr1) CPU80のDeMUXドライバ82で
は、IORのassociation_tagと同じ値
を持つエレメンタリーストリーム(以下ESと表記)
を、カルーセルにおけるPMTのESループから探し出
してPIDを得る。このPIDを持つESにDIIが含
まれていることになる。 (Pr2) このPIDとtable_id_exte
nsionとをフィルタ条件としてデマルチプレクサ7
0に対して設定する。これにより、デマルチプレクサ7
0では、DIIを分離してCPU80に対して出力す
る。 (Pr3) DIIの中で、先のIORに含まれていた
module_idに相当するモジュールのassoc
iation_tagを得る。 (Pr4) 上記association_tagと同
じ値を有するESを、PMTのESループ(カルーセ
ル)から探し出し、PIDを得る。このPIDを有する
ESに目的とするモジュールが含まれる。 (Pr5) 上記PIDとmodule_idとをフィ
ルタ条件として設定して、デマルチプレクサ70による
フィルタリングを行う。このフィルタ条件に適合して分
離抽出されたトランスポートパケットがキュー71の所
要のメモリ領域(列)に格納されていくことで、最終的
には、目的のモジュールが形成される。 (Pr6) 先のIORに含まれていたobject_
keyに相当するオブジェクトをこのモジュールから抜
き出す。これが目的とするオブジェクトになる。このモ
ジュールから抜き出されたオブジェクトは、例えば、D
SM−CCバッファ91の所定の領域に書き込みが行わ
れる。例えば、上記動作を繰り返し、目的とするオブジ
ェクトを集めてDSM−CCバッファ91に格納してい
くことで、必要とされるシーンを形成するMHEGコン
テンツが得られることになる。
【0108】マンマシンインターフェイス61では、リ
モートコントローラ64から送信されてきたコマンド信
号を受信してCPU80に対して伝送する。CPU80
では、受信したコマンド信号に応じた機器の動作が得ら
れるように、所要の制御処理を実行する。
【0109】ICカードスロット62にはICカード6
5が挿入される。そして、この挿入されたICカード6
5に対してCPU80によって情報の書き込み及び読み
出しが行われる。
【0110】モデム63は、電話回線4を介して課金サ
ーバ5と接続されており、CPU80の制御によってI
RD12と課金サーバ5との通信が行われるように制御
される。
【0111】ここで、上記構成によるIRD12におけ
るビデオ/オーディオソースの信号の流れを、図4によ
り説明した表示形態に照らし合わせながら補足的に説明
する。図4(a)に示すようにして、通常の番組を出力
する場合には、入力されたトランスポートストリームか
ら必要な番組のMPEGビデオデータとMPEGオーデ
ィオデータとが抽出されて、それぞれ復号化処理が施さ
れる。そして、このビデオデータとMPEGオーディオ
データが、それぞれアナログビデオ出力端子T2と、ア
ナログオーディオ出力端子T3に出力されることで、モ
ニタ装置14では、放送番組の画像表示と音声出力が行
われる。
【0112】また、図4(b)に示したGUI画面を出
力する場合には、入力されたトランスポートストリーム
から、このGUI画面(シーン)に必要なMHEGコン
テンツのデータをトランスポート部53により分離抽出
してDSM−CCバッファ91に取り込む。そして、こ
のデータを利用して、前述したようにDSM−CCデコ
ーダブロック83及びMHEGデコーダブロック84が
機能することで、MHEGバッファ92にてシーン(G
UI画面)の画像データが作成される。そして、この画
像データが表示処理部58を介してアナログビデオ出力
端子T2に供給されることで、モニタ装置14にはGU
I画面の表示が行われる。
【0113】また、図4(b)に示したGUI画面上で
楽曲のリスト21Bにより楽曲が選択され、その楽曲の
オーディオデータを試聴する場合には、この楽曲のMP
EGオーディオデータがデマルチプレクサ70により得
られる。そして、このMPEGオーディオデータが、M
PEGオーディオデコーダ54、D/Aコンバータ、ス
イッチ回路57、アナログオーディオ出力端子T3を介
してアナログ音声信号とされてモニタ装置14に対して
出力される。
【0114】また、図4(b)に示したGUI画面上で
ダウンロードボタン28が押されてオーディオデータを
ダウンロードする場合には、ダウンロードすべき楽曲の
オーディオデータがデマルチプレクサ70により抽出さ
れてアナログオーディオ出力端子T4、光デジタル出力
インターフェイス59、またはIEEE1394インタ
ーフェイス60に出力される。
【0115】ここで、特にIEEE1394インターフ
ェイス60に対して、図2に示したIEEE1394対
応のMDレコーダ/プレーヤ13Aが接続されている場
合には、デマルチプレクサ70ではダウンロード楽曲の
4倍速ATRACデータが抽出され、IEEE1394
インターフェイス60を介してMDレコーダ/プレーヤ
13Aに装填されているディスクに対して記録が行われ
る。また、この際には、例えばJPEG方式で圧縮され
たアルバムジャケットの静止画データ、歌詞やアーティ
ストのプロフィールなどのテキストデータもデマルチプ
レクサ70においてトランスポートストリームから抽出
され、IEEE1394インターフェイス60を介して
MDレコーダ/プレーヤ13Aに転送される。MDレコ
ーダ/プレーヤ13Aでは、装填されているディスクの
所定の領域に対して、これら静止画データ、テキストデ
ータを記録することができるようになっている。
【0116】2.オーサリングシステム 2−1.MHEGコンテンツの構造 続いて、本実施の形態のMHEGコンテンツ編成システ
ムについて説明する。ここで、MHEGコンテンツ編成
システムの説明に先立ち、MHEGコンテンツ(MHE
Gアプリケーション)について説明しておく。
【0117】本実施の形態が対応するMHEGの規格と
しては、実際には、MHEG−5とされる。MHEG−
5は、Multimedia/Hypermedia Coding Expert Groupに
よる5番目の国際標準規格であり、ISO/IEC JTC1/SC 29
/WG12で標準化されたマルチメディアおよびハイパーメ
ディアの符号化方式であり、MHEG−5オブジェクト
と呼ばれるオブジェクトを標準化し、その符号化ならび
に実行方法がISO/IEC 13522-5で規定されている。MH
EG−5としての符号化方式は、異なる機種、システム
間でマルチメディア情報を交換可能とすることを目的と
しており、例えば、放送におけるVideo OnDemandなどの
インタラクティブアプリケーションに柔軟に対応できる
ものである。
【0118】ここでいうところの「マルチメディア」と
は、例えば動画、静止画、音声、文字などのモノメディ
アを組み合わせた概念であり、これら個々のモノメディ
アを、例えばディスプレイ上に対して空間的に自在に配
置し、時間的にも自在に再生/停止、表示/非表示を行
わせることが可能となっている。また、MHEG−5で
使用されるマルチメディアとしては、他にも、ボタン操
作や文字入力などによるインタラクティブ操作機能や、
このインタラクティブ操作の結果に応答して処理を変更
するといった条件判断機能をも有する。なお、以降、本
明細書において「MHEG」という場合には、このMH
EG−5としての規格を指すものとされる。
【0119】MHEGはオブジェクトオリエンテッドな
考え方のもとに、さまざまなオブジェクトを規定し、そ
れらオブジェクトのアトリビュートメソッド、振る舞い
を規定している。MHEGで記述されるマルチメディア
シナリオは、基本的にイベント駆動の考え方によって記
述され、たとえば、ユーザーからのある入力を受け取っ
てビットマップを表示したり、MPEGストリーム(メ
インAVデータ)の或る時点でテキストを表示したりと
いう、さまざまなMHEG−5オブジェクトの時空間に
おける関係情報(マルチメディア同期という)を記述す
ることができるようになっている。
【0120】図13には、MHEGシーン1〜MHEG
シーン3の3つのシーンが示されている。これらの各シ
ーンは、例えば1画面分の画像領域に対して、オブジェ
クトをペーストするようにして組み合わせることで形成
されるものである。
【0121】ここでいうオブジェクトとは、先にも述べ
たように、画像情報(例えばJPEG,GIF、PNG
などの静止画像ファイル)やテキスト情報、及び操作ボ
タンなどのパーツ画像ファイル(更には音声データファ
イルを含む場合もある)等を指している。本実施の形態
の場合、これらのシーンは、例えばTV放送に同期した
切り換えが行われるようにされたり、また、上記操作ボ
タンの操作によって、他のシーンの切り換えが行われる
ようにされる。本実施の形態では、このようなシーンの
遷移を「トランジション」ともいうことにする。そし
て、例えばこれら3つのMHEGシーン1〜MHEGシ
ーン3が、例えばトランジションが可能であるなどの1
纏まりの関係に在るとして、これらの関係は、MHEG
アプリケーション(MHEGコンテンツ)の単位として
纏められることになっている。
【0122】そして、シーンの纏まりであるMHEGコ
ンテンツとして、例えばこれが本実施の形態のようにデ
ジタル衛星放送システムに使用されるなどして放送番組
と関連する場合には、1つの放送番組に対応して付随す
るとされる1以上のMHEGコンテンツ間の関係を規定
することにより、プロジェクトといわれる単位が形成さ
れる。図14では、プロジェクトとしては、MHEGコ
ンテンツ1,MHEGコンテンツ2,MHEGコンテン
ツ3の3つから成る場合が示されている。そして、MH
EGコンテンツ1は、MHEGシーン1,2,3の3つ
のシーンを備え、残るMHEGコンテンツ2,MHEG
コンテンツ3は、それぞれ、MHEGシーン4,5を備
えているものとされる。
【0123】前述したデータカルーセル方式では、MH
EGコンテンツであるマルチメディア情報は、シーンオ
ブジェクトとして符号化されて伝送されてくる。そし
て、各シーンオブジェクト中には、さらに、MHEGオ
ブジェクトとして符号化されたテキスト、ビットマッ
プ、MPEGストリームなどが含まれて、それらの時空
間での配置情報についても記述されているものである。
【0124】そして、MHEGの動作からMHEGアプ
リケーションの構造を見た場合には、例えば図15のよ
うにして示される。この図に示すようにして、MHEG
アプリケーションは、各オブジェクトの動作が記述され
たスクリプトファイル(MHEGスクリプト)と、スク
リプトが外部参照するファイルで構成される。外部参照
ファイルは、MHEGの規格で定められるところの、Bi
tmap ClassやText Class等のオブジェクト(ここでは制
御情報としての記述ファイルを指している)が利用する
ことになる。
【0125】MHEGの動作は、いわゆるイベントドリ
ブンで行われ、予め或る特定の事象(イベント)が発生
したのであれば、これに対応する所定の動作(アクショ
ン)を実行する、という関係を設定しておくものであ
る。この概念を図16に示す。
【0126】MHEGの動作中は、MHEGエンジンと
してのソフトウェアがイベントを全て監視し、イベント
が発生したときには、リンクとして設定されている事象
と同じものが在るか否かをチェックする。もしこれが在
れば、指定されているアクションを実行し(リンクが発
火するともいう)、無ければ、特に何も実行しない。具
体的に図16においては、「ユーザがボタンを押す(Bu
tton Select)」というイベントが発生(図16
(a))したことで、「ユーザがボタンを押す操作を行
ったら、絵を表示する」というように記述されたリンク
(図16(b))によって、「絵」をターゲットとする
「Run」というアクションが実行される(図16
(c);「リンクが発火する」ともいう)という関係が
示されている。
【0127】上記したMHEGスクリプトファイルとし
ては、TN(Textual notation)といわれる形式と、AS
N.1 DER(Abstract Syntax Notation No.1 Disti
nguished Encoding Rule)といわれる形式との、2つの
形式が存在する。
【0128】TNは、テキストで記述されるスクリプト
ファイルとされ、その構造としては全てテキストに依
る。従って、TNはテキストエディタを使用して作成で
きる。ASN.1 DERは、上記TNを所定の規則に
従って、バイナリのデータに変換したものである。AS
N.1 DERの形式によるMHEGスクリプトの作成
は、TNについて変換を行う手法と、例えばGUIが採
用された、MHEGオーサリングツールを用いる手法が
考えられる。いずれにせよ、放送として送出する際に
は、最終的には、ASN.1 DERの形式にエンコー
ドしたうえで、放送規格内でのDSM−CC方式(カル
ーセル方式)で送出される形式のファイル(モジュー
ル)に変換することが行われる。
【0129】2−2.MHEGオーサリングシステムの
構成 続いて、本実施の形態のMHEGオーサリングツールの
構成について説明する。ここで、本実施の形態のMHE
Gオーサリングシステムのとしての処理構成の概念を概
要的に説明すると、次のようになる。MHEGオーサリ
ングツールにおける処理としては、大きくは、MHEG
オーサリングツール内での独自の内部形式に従った処理
によりMHEGアプリケーションファイル(MHEGコ
ンテンツ)を作成する編集処理と、このMHEGオーサ
リングツール内での内部形式に従った編集処理によって
作成されたMHEGコンテンツを、実際のMHEGの規
格に準拠した形式であるMHEG−ISといわれる形式
に変換して出力する変換処理とに分けられる。ここで、
MHEG−ISとは、MHEGの規格に従った内容のM
HEGコンテンツのことをいうものであり、ここでは、
データ放送用コンテンツの送信出力時の形式に対応す
る。
【0130】つまり、本実施の形態のMHEGオーサリ
ングツールとしては、MHEGオーサリングツール内で
は内部形式に従って編集処理を実行するように構成して
いることで、実際のMHEGの規格には無いシェアシー
ンなどを定義して、これらを使用した編集処理を実現す
ることができるものである。逆に言えば、MHEGの規
格に対応して作業者がスクリプトを記述するといった高
度な作業を行わなくとも、例えば、GUI的な操作形態
を実現して、より簡易な操作によっても高度な編集を行
うことができるものである。但し、MHEGオーサリン
グツールの内部形式に従ったMHEGコンテンツの編集
内容(即ち定義文などの記述内容)は、MHEGオーサ
リングツール内のみで有効であるため、これを、受信側
でデコードして表示できるようにするためには、内部形
式に従った記述内容を、MHEGの規格に従った記述内
容に変換する必要がある。このために、内部形式によっ
て作成された記述内容を、MHEG−ISの形式に変換
して出力するように構成されるものである。
【0131】図17は、本実施の形態のMHEGオーサ
リングシステム42としての実際の構成例を示すもので
ある。MHEGオーサリングシステム42としては、例
えば実際には、パーソナルコンピュータ201と、この
パーソナルコンピュータ201上にて起動されるMHE
Gオーサリングソフトウェア210によって構成され
る。
【0132】MHEGオーサリングシステム42を構成
するパーソナルコンピュータ201としては、図に示す
ように、当該パーソナルコンピュータ201を物理的に
構成するハードウェア202が備えられる。ここでは、
ハードウェア202として、CPU(Central Processin
g Unit)202a、RAM(メモリ)202b、ROM
202c、インターフェイス202dが示されている。
CPU202aは、各種制御及び処理動作を実行し、R
AM(メモリ)202bには、起動されたアプリケーシ
ョンプログラムや、CPU202aが実行した処理によ
って発生した情報や演算結果などが保持される。また、
ROM202cは、当該パーソナルコンピュータ201
が動作するための所要の情報が格納される。インターフ
ェイス202dは、後述する外部接続機器や外部操作子
とハードウェア202との間の情報の授受のために設け
られる。なお、ハードウェア202としては、他にも各
種デバイスが設けられて構わないものである。そして、
このハードウェア202上において、オペレーションシ
ステム203としてのプログラムが動作することで、本
実施の形態のMHEGオーサリングソフトウェアが動作
可能な環境を構築している。
【0133】また、この図に示すパーソナルコンピュー
タ201に対しては、外部接続機器又は外部操作子とし
て、ディスプレイ231、マウス232、キーボード2
33、スピーカ234、記録デバイス235、ビデオ機
器236が備えられている。ディスプレイ231には、
パーソナルコンピュータ201が出力する画像が表示さ
れる。特に本実施の形態にあっては、後述するMHEG
オーサリングソフトウェア210としてのGUI画面
(操作画面)も表示される。マウス232及びキーボー
ド233は、編集者が行った操作情報をパーソナルコン
ピュータ201に対して入力するための操作子として設
けられる。スピーカ234は、パーソナルコンピュータ
201から出力される音声信号を外部に音声として出力
するために設けられる。記録デバイス235は、パーソ
ナルコンピュータ201が必要とする情報として、例え
ばオペレーションシステムや、本実施の形態のMHEG
オーサリングソフトウェア210を含む所定のアプリケ
ーションソフトウェア等が記憶される。また、本実施の
形態の場合には、MHEGコンテンツ自体及び、各MH
EGコンテンツを形成するオブジェクト等としての画像
ファイル、音声ファイル、及びテキストファイル等も保
存されることになる。そして、MHEGオーサリングソ
フトウェア210は、これらのオブジェクトとしてのフ
ァイルを作成して、この記録デバイス235に対して保
存したり、この保存されたオブジェクトのファイルを使
用して編集処理を行うようにされる。なお、この記録デ
バイス235の種類としては、ここでは特に限定しない
が、例えばハードディスクドライブをはじめ、比較的大
容量のデータを保存可能なストレージデバイスが用いら
れることが好ましい。
【0134】ビデオ機器236は、例えばVTRなどと
されて、例えばビデオテープやビデオディスクなどに対
応して記録再生が可能な構成を採る。例えばMHEGコ
ンテンツとしては、画像音声による放送番組に同期させ
てシーンチェンジなどを行う場合があるが、このような
放送番組に同期したMHEGコンテンツの編集を行う場
合に、画像音声による放送番組を再生したりするのに用
いることができる。
【0135】続いて、MHEGオーサリングソフトウェ
ア210について説明する。先にも述べたように、MH
EGオーサリングソフトウェア210は、パーソナルコ
ンピュータ201上で動作するアプリケーションソフト
ウェアであり、例えば、そのプログラムは記録デバイス
235に記憶されている。そして、記録デバイス235
から読み出されて起動された状態では、MHEGオーサ
リングソフトウェア210としてのプログラムは、図に
示すような機能ブロックとして表すことができる。な
お、この図に示す各機能ブロック間の関係は示されてい
ないが、実際には各機能ブロック間で相互に情報の授受
を行うような形態を採るものとされ、これによりMHE
Gオーサリングソフトウェア210としての所要の機能
を実行可能なように構成されている。
【0136】この図に示すMHEGオーサリングソフト
ウェア210において、オブジェクト作成部211は、
オブジェクトとしてのファイルを作成するためのプログ
ラムから成る機能ブロックとされる。例えば編集者は、
このオブジェクト作成部211としてのプログラム上
(ディスプレイ231に表示されるGUI画面上)で、
キーボード、マウスなどを使用して、オブジェクトとし
てのファイルを作成することができる。例えば、オブジ
ェクトが画像であれば、オブジェクト作成部211の機
能によって、オブジェクトとしての画像ファイルを描画
して作成することが可能とされる。また、オブジェクト
としては、画像ファイルの他に、テキストファイル(及
び音声ファイル)も含まれるものとして規定されている
のであるが、オブジェクト作成部211においては、こ
れらのテキストファイル(及び音声ファイル)もオブジ
ェクトファイルとして作成可能とされる。このオブジェ
クト作成部211により作成されたオブジェクトファイ
ルは、記録デバイス235に記録して保存することがで
きる。
【0137】シェアシーン作成部212は、上記オブジ
ェクト作成部211により作成されたオブジェクトファ
イルを利用して、シェアシーンを作成するためのプログ
ラムにより構築される。ここでの詳しい説明は省略する
が、本実施の形態のMHEGオーサリングツールでは、
内部形式的な編集処理にあっては、「シェアシーン」が
規定されている。このシェアシーンとは、MHEGにて
定義されているシェアオブジェクト(複数のシーンで共
通に使用できるものとして設定されたオブジェクトを意
味する)についての編集が簡易なものとなることを配慮
して規定された概念で、1以上の任意のオブジェクトを
使用して作成される仮想のシーンであり、用意されたM
HEGシーンに対して重ねるようにして使用(表示)さ
れるレイヤー的な編集素材として扱われ、かつ、1つの
MHEGコンテンツを形成するMHEGシーンに対して
共通に使用可能とされる。そして、編集結果として、M
HEGスクリプト(MHEG−IS)として記述される
場合には、或るMHEGシーンに対して使用したシェア
シーンに含まれるオブジェクトが、そのMHEGシーン
に対して使用されるシェアオブジェクトとして管理され
るものである。例えばこの場合にも、編集者は、シェア
シーン作成部212としてのプログラム上でキーボー
ド、マウスなどを使用して、これまでに作成された1以
上の任意のオブジェクトファイルを選択して使用するこ
とで、例えばMHEGオーサリングソフトウェア上で規
定された上限数以内で、1以上の任意の数のシェアシー
ンを編集することができる。
【0138】コンポーネントモジュール作成部250
は、例えばオブジェクト作成部211で作成されたオブ
ジェクトを複数選択して編集を行うことで、例えば或る
特定の動作を実行するウィンドウなどに代表されるよう
に、シーン内において特定の機能を有するプログラム情
報単位を形成する部位とされる。MHEGにあっては、
オブジェクト等の素材をコンポーネントともいう場合が
あるが、本実施の形態では上記のようなプログラム情報
単位について、「コンポーネントモジュール」というも
のである。
【0139】コンポーネントモジュール処理部251
は、上記コンポーネントモジュール作成部250にて作
成されたコンポーネントモジュールについて、実際の使
用に適合するようにして編集処理を行うためのプログラ
ムとされる。
【0140】なお、コンポーネントモジュール作成部2
50とコンポーネントモジュール処理部251としての
より詳しい機能については後述することとして、ここで
の説明は省略する。また、コンポーネントモジュールに
ついての編集は、例えば本実施の形態にあっては、シー
ン編集画面上で行われるようにされているので、コンポ
ーネントモジュール処理部251は、実際にはMHEG
シーン作成部213としての機能に含まれるものとして
みることもできる。
【0141】MHEGシーン作成部213は、MHEG
シーンについての編集を行う際に用いられるプログラム
としての機能ブロックである。ここでも、MHEGシー
ン作成部213のプログラム上で、オブジェクト作成部
211により作成されたオブジェクトファイル、加えて
コンポーネントモジュール作成部250により作成され
たコンポーネントモジュールのうちから使用すべきもの
を選択し、例えばこれらオブジェクトについての各種設
定等を行うことでMHEGシーンの階層についての編集
を行うことが可能とされる。MHEGシーン作成部21
3にて得られるシーンの編集結果は、例えばそのシーン
に使用される、画像やテキストなどの可視のオブジェク
トと、これら可視のオブジェクトの出力態様を制御する
各種制御情報としてのオブジェクトから成るシーン管理
情報から成る。
【0142】シェアシーン処理部216としてのプログ
ラム上では、編集者が、そのGUI画面上で行った操作
に応じて各MHEGシーンとシェアシーンとの関係を編
集するための処理を行う。つまり、MHEGシーンに対
して使用するシェアシーンの設定や、各MHEGシーン
に対して使用するものとされた複数のシェアシーン間の
重ね順の指定等のための編集を実現するためのプログラ
ムとされる。例えば、ここでの編集結果は、シェアシー
ンを設定するための定義文(シェアシーン定義文)とし
て作成されるものである。
【0143】MHEGアプリケーション作成部214
は、MHEGアプリケーションの階層での編集を行うた
めのプログラムとされる。例えば、1MHEGアプリケ
ーション内における、時間経過やインタラクティブな操
作に応じたシーン間の推移等についての編集も、このM
HEGアプリケーション作成部214としてのプログラ
ムが司る。MHEGアプリケーション作成部214にて
得られる編集結果は、例えばそのMHEGアプリケーシ
ョンに使用されるシーンと、これらシーン間の出力態様
を制御する各種制御情報から成るMHEGアプリケーシ
ョン管理情報から成る。
【0144】ここで、本実施の形態のMHEGオーサリ
ングソフトウェアでは、1つのデジタル放送番組に対応
して付随する1以上のMHEGアプリケーションについ
て「プロジェクト」というのであるが、このプロジェク
ト作成部215は、このプロジェクトとしてのMHEG
アプリケーションの出力態様を編集するためのプログラ
ムである。例えばMHEGアプリケーション作成部21
4によって編集された複数のMHEGコンテンツが、放
送番組の放送時間に同期してシーン出力の切り換えを行
うものである場合には、この同期のための編集がここで
行われるものである。このような編集結果は、プロジェ
クト管理情報として得られる。
【0145】また、時間制御部221は、プロジェクト
作成部215、MHEGアプリケーション作成部21
4,MHEGシーン作成部213等のプログラムと共同
して動作することで、プロジェクト、MHEGアプリケ
ーション、又はMHEGシーンの各階層での、放送番組
の進行時間軸に対応した各種制御についての編集を行う
ために使用されるプログラムとされる。
【0146】また、インタラクティブ制御部222は、
プロジェクト作成部215、MHEGアプリケーション
作成部214,MHEGシーン作成部213等のプログ
ラムと共同して動作することで、プロジェクト、MHE
Gアプリケーション、又はMHEGシーンの各階層で
の、インタラクティブな操作に対応したした各種制御に
ついての編集をおこなうために使用されるプログラムと
される。
【0147】また、プロジェクト管理部220、MHE
Gアプリケーション管理部219、及びMHEGシーン
管理部218は、それぞれ、プロジェクト作成部212
にて作成されたプロジェクトファイル(プロジェクト管
理情報を含む)、MHEGアプリケーション作成部21
4にて作成されたMHEGアプリケーションファイル
(MHEGアプリケーション管理情報)、及びMHEG
シーン作成部213にて作成されたMHEGシーンファ
イル(MHEGシーン管理情報)についてのディレクト
リ管理及び保存処理を実行する際に使用されるプログラ
ムとされる。なお、実際には、プロジェクト管理情報、
また、MHEGアプリケーション管理情報、MHEGシ
ーン管理情報等の各管理情報は、或る1つのプロジェク
ト又は1つのMHEGアプリケーションごとに対応し
て、内部形式によるスクリプトとしての「オーサリング
管理情報」として統合的に管理されるものである。
【0148】ここで、MHEGアプリケーション作成部
214にて作成されたMHEGコンテンツ(MHEGア
プリケーションファイル)としての情報、及びプロジェ
クト作成部215にて作成されたプロジェクトファイル
としての情報(即ちオーサリング管理情報)は、MHE
Gオーサリングソフトウェアとしての独自の内部形式に
より扱われている。そして、本実施の形態にあっては、
この内部形式により作成されたMHEGアプリケーショ
ン(プロジェクト)ファイルは、内部形式ファイル出力
制御部217の処理によって、内部形式ファイルのまま
外部に出力することができる。
【0149】例えば、内部形式ファイル出力制御部21
7から出力した、MHEGアプリケーションの内部形式
ファイルは、記録デバイス235に記録して保存してお
くことができる。このようにしておくことで、以降、こ
の保存された内部形式ファイルをパーソナルコンピュー
タ201に読み込んで、MHEGオーサリングソフトウ
ェア210上で編集内容を変更することが可能になる。
【0150】MHEGスクリプト出力制御部226は、
内部形式によるMHEGアプリケーションファイル(又
はプロジェクトファイル)のデータを受け取り、実際の
MHEGの規格に従ったスクリプト(制御情報)の記述
に変換して外部に出力する。つまり、正規のMHEGア
プリケーションファイル(MHEG−IS)として出力
する。例えば、このMHEGスクリプト出力制御部21
1を介した出力が、図5のDSM−CCエンコーダ44
に対して出力されるものである。なお、このMHEGス
クリプト出力制御部226において得られた、MHEG
−ISとしてのMHEGアプリケーションファイルは、
記録デバイス216に記録して保存しておくこともで
き、実際としては、この記録デバイス216に保存され
たMHEG−ISとしてのMHEGアプリケーションフ
ァイルを、所要の機会でもって、地上局1のDSM−C
Cエンコーダ44に提供するようにされるものである。
【0151】また、TN処理部227は、MHEGスク
リプトを記述するためのソースコードであるTN(Textu
al Notation)についての処理を実行する。このTN処理
部227としてのプログラムによって、例えば内部形式
による「オーサリング管理情報」としての記述ファイ
ル、又は、MHEG−ISの形式により出力されるべき
スクリプトファイルをTNに変換して出力することが可
能となる。また、例えばTNとしての記述によるMHE
Gアプリケーションの編集を行う際にも、このTN処理
部227としてのプログラムが使用される。ここでMH
EGの規格においては、上記TNとしての形式のファイ
ルに対して、MHEGスクリプト出力制御部211によ
って出力されるMHEG−ISとしての形式は、「AS
N.1 DER(Abstract Syntax Notation No.1 Dist
inguished Encoding Rule:ISO/IEC8824,8825)」といわ
れる。いわば、TNがソース言語であるのに対して、A
SN.1 DER(以下単に「DER」と記述する)は
MHEG−ISの形式に従ってコンパイルされたバイナ
リデータとされる。換言すれば、本実施の形態のMHE
Gオーサリングソフトウェア210においては、TNと
しての形式により記述されたスクリプトファイルは、M
HEG−ISとして送信、又はパッケージ化(例えばC
D−ROMなどにMHEGコンテンツがパッケージされ
ることをいう)される場合には、DERに変換されて出
力される。
【0152】また、中間言語処理部228は、本実施の
形態のMHEGオーサリングソフトウェアのために独自
に用意されたプログラム言語を処理するためのプログラ
ムとされる。ここでの中間言語は、上記したTNよりも
簡易な形式の言語とされ、例えばスクリプトによってM
HEGアプリケーション(及びプロジェクト)について
の編集をテキストレベルで行う場合に、編集者がTNよ
りも手軽に扱えることを配慮して用意されたものであ
る。ここでの詳しい説明は省略するが、例えば編集者
は、MHEGオーサリングソフトウェア上で、この中間
言語の記述によるMHEGアプリケーションの編集を行
うことが可能とされている。
【0153】MHEGビューワ240は、作成されたM
HEGアプリケーションを表示出力するためのビューワ
とされ、映像表示制御部223、MHEG再生部22
4、MHEG同期再生部225より成る。このMHEG
ビューワ240は、例えば基本的にはIRDに備えられ
るMHEG情報をデコードして再生出力するための機能
と同様の機能を備えて成るものとされる。
【0154】映像表示制御部223は、例えばサーバ
(ここでは記録デバイス235が相当する)から供給さ
れる放送番組としての情報を読み込んで、例えばこの場
合であればディスプレイ231に対して表示させるため
の表示制御プログラムである。また、MHEG再生部2
24は、サーバ(ここでは記録デバイス235が相当す
る)から供給されるDER(MHEG−IS)の形式に
よるMHEGコンテンツの情報を読み込んでデコードを
行い、例えばこの場合であればディスプレイ231に対
して再生出力するためのプログラムとされる。MHEG
同期再生部225としてのプログラムは、例えば映像表
示制御部223により番組画像を表示出力させている状
態の下で、MHEG再生部224により再生出力される
MHEGアプリケーションについて、この番組画像に同
期させて表示出力させるための制御用プログラムとされ
る。
【0155】なお、ここでは、上記MHEGビューワ2
40は、本実施の形態のオーサリングソフトウェア21
0に含まれるものとして示しているが、現状としては、
MHEGビューワ240と、MHEGビューワ240以
外のプログラムから成るオーサリングソフトウェア21
0とは、それぞれ独立したアプリケーションソフトプロ
グラムとされている。
【0156】2−3.コンポーネントモジュールの作
成、利用 本実施の形態においては、「コンポーネントモジュー
ル」という概念が導入される。例えば或るシーンにおい
て、特定の動作を実現するウィンドウが在るとすると、
このウィンドウとしての情報は、ウィンドウを形成する
画像、ユーザにメッセージを提示するテキストや画像、
更にはユーザの操作に用いられるボタン等の画像等のオ
ブジェクトファイル、そして、これらの時空間における
動作遷移を実現するためのスクリプトとしての各種クラ
スのオブジェクトによって形成される。つまり、各種オ
ブジェクトの集合によって形成されるものである。
【0157】このようなウィンドウを形成するためのオ
ブジェクトのグループのみによっては管理できないもの
とされていたことは、従来として先に述べた通りである
が、本実施の形態のオーサリングツールとしては、この
ような特定の動作を実現することのできるオブジェクト
群をグループ化して、1つのファイルとして扱うように
される。つまり、1つのモジュール単位として管理す
る。これが本実施の形態におけるコンポーネントモジュ
ールとされる。MHEGの規格では、オブジェクトをコ
ンポーネントともいう場合があり、「コンポーネントモ
ジュール」という名称はこれに由来している。
【0158】そして、本実施の形態のMHEGオーサリ
ングツールとしては、このコンポーネントモジュールを
作成し、また作成されたコンポーネントモジュールにつ
いて編集を行って、例えばそこに配置する画像やテキス
トを差し替えたり、若しくは、或るボタン操作に対する
リンク、アクション等を変更することで、実際の使用に
適合したデザインを行うことができる。このような利用
形態からいうと、コンポーネントモジュールは、例えば
シーンより下の階層における素材としての雛形であると
いえる。
【0159】先ず、コンポーネントモジュールを作成す
る場合について説明する。例えばMHEGオーサリング
ツールに対する操作として、コンポーネントモジュール
作成のためのメニューを開く操作を行うと、例えば図1
8に示すようにして、ディスプレイの画面にはコンポー
ネントモジュール編集ウィンドウWD1(ここでの「編
集」は作成としての編集作業を意味している)が開かれ
る。編集者は、このコンポーネントモジュール編集ウィ
ンドウWD1に対してGUI操作によって、任意のオブ
ジェクトを選択して所要の操作手順を踏んでいくこと
で、所望のデザインのコンポーネントモジュールを作成
していくことができるようになっている。このための処
理は、先に図17に示したコンポーネントモジュール作
成部250としてのプログラムによって行われる。
【0160】例えば、図18のコンポーネントモジュー
ル編集ウィンドウWD1内には、完成品としてのコンポ
ーネントモジュールCPMの一例が示されている。この
コンポーネントモジュールCPMはいわゆるダイアログ
ボックスのデザインを採っている。ここでは、コンポー
ネントモジュールCPMを構成する可視のオブジェクト
として、先ず、基礎となる画像であるダイアログボック
スob1が配置される。そして、ダイアログボックスo
b1上の例えば画面上側には、「あなたの情報を入れて
ください」と記述されたテキストob2が配置される。
また、その下においては、「名前」と記述されたテキス
トob2と、その右隣に名前を入力するためのテキスト
フィールドob3が配置される。テキストフィールドは
ユーザが文字入力可能な領域とされる。
【0161】また、その下には、「趣味」と記述された
テキストob2が示され、その選択肢として「スポー
ツ」「映画」と記述されたテキストob2,ob2が配
置される。そして、その選択操作に使用するためのチェ
ックボックスob4,ob4が、「スポーツ」「映画」
のテキストob2の各左側に配置される。
【0162】また、趣味の欄の下には、「性別」記述さ
れたテキストob2が示され、その選択肢として「男
性」「女性」と記述されたテキストob2,ob2が配
置される。そして、その選択操作に使用するためのラジ
オボタンob4,ob4が、「男性」「女性」のテキス
トob2の各左側に配置される。また、その下には、決
定ボタンob6、中止ボタンob6が配置されている。
【0163】そして、このような可視のオブジェクトの
他に、例えば図15及び図16により説明した、リン
ク,アクション等のためのクラスとしてのオブジェクト
も、ここでの編集操作によって設定できるものである。
【0164】そして更に、このようにして作成されるコ
ンポーネントモジュールのファイルに対しては、コンポ
ーネントモジュールを形成し、その特質を決定するオブ
ジェクトごとについての、属性、リンク、アクションの
各情報について、公開とするか非公開とするのかを設定
することができるようになっている。なお、ここでいう
オブジェクトの属性とは、例えば或る位置に表示される
べきボタンオブジェクトを例に採ると、このボタンオブ
ジェクトの画像ファイルとしてどれを使用するのかとい
った情報である。ここで、公開に設定すれば、その情報
は後の編集において変更可能な情報のリストとして提示
(表示)されることになる。また、非公開に設定すれ
ば、その情報は後の編集において変更可能な情報として
は扱われず、例えばリストの提示は行われない、或い
は、提示を行ったとしても変更禁止として設定されて、
編集者の操作によっては変更が出来ないようにされる。
これによって、例えば後述するコンポーネントモジュー
ルの編集段階において、編集者の不注意によって、変更
すべきではないような情報の設定変更が行われてしまう
のを防止するものである。
【0165】このようにして作成されたコンポーネント
モジュールは、例えば1つのファイルとして、コンポー
ネントモジュール管理情報によって管理される。コンポ
ーネントモジュール管理情報としては、例えば下記のよ
うなものとなる。 コンポーネントモジュール名:コンポーネントモジュー
ル1 コンポーネントサイズ:300,100 配置情報(番号、オブジェクト名、x,y,width,height) 1.テキスト1:0,0,250,50 2.静止画:250,0,50,100 3.ホットスポット1:250,0,50,100 4.ホットスポット2:150,100,50,100 5.ホットスポット3:200,100,50,100 6.ホットスポット4:250,100,50,100 7.リンク1: 8.リンク2: 9.リンク3: 公開情報(番号、オブジェクト名、公開する内容) 2.静止画:外部参照ファイル名 7.リンク1:イベントソース 8.リンク2:イベントソース 9.リンク3:イベントソース:アクション なお上記したコンポーネントモジュール管理情報の形式
は、あくまでも一例とされ、また、図18に示した表示
形態を有するコンポーネントモジュールCPMには特に
対応しているものではない。
【0166】続いて、上記のようにして作成されたコン
ポーネントモジュールを利用して編集(変更)を行う場
合について説明する。コンポーネントモジュールの編集
を行うのにあたっては、本実施の形態では、シーン編集
の一環として行うものとされる。従って、コンポーネン
トモジュールの編集を行うときには、所定操作によって
シーン編集メニューを呼び出し、ここで、編集の対象と
なるシーンを選択する。これにより、例えばディスプレ
イの画面には、図19に示すようにして選択したシーン
のシーン編集ウィンドウWD2が表示される。なお、こ
こでは図示していないが、シーン編集ウィンドウWD2
内には、選択されたシーンの画像が表示されているもの
である。
【0167】そして編集者は、例えば、既に作成して保
存されているコンポーネントモジュールのリスト(リス
トウィンドウ)を所定操作によって表示させ、そのリス
トの中から所望のコンポーネントモジュールを選択し
て、例えば図19のシーン編集ウィンドウWD2内のシ
ーン画面上に対して配置させるための操作を行う。例え
ばこのような操作としては、リストウィンドウからシー
ン編集ウィンドウWD2内のシーン画面上に対して、い
わゆるドラッグ・アンド・ドロップ操作によってコンポ
ーネントモジュールを移動させるようなやり方が考えら
れる。例えば、このような操作によって、図19に示す
ようにして、シーン編集ウィンドウWD2内のシーン画
面上における所望の位置にコンポーネントモジュールC
PMを配置表示させることができる。この図に示すコン
ポーネントモジュールCPMは、先に図18に示したコ
ンポーネントモジュールCPMとされている。
【0168】このようにして、シーン編集ウィンドウW
D2内に対してコンポーネントモジュールCPMを配置
表示させることで、以降は、このコンポーネントモジュ
ールCPMに対して編集を行うことができる。編集操作
としては、例えば所定操作を行うと、このコンポーネン
トモジュールCPMを形成するオブジェクトごとについ
て、例えば公開に設定された属性、リンク、アクション
のリストを提示するリストウィンドウが表示されるよう
になっている。なお、非公開に設定された上記各情報に
ついては、ここではリスト内に提示されないものとす
る。そして、上記リストウィンドウとしては、例えば下
記のような内容が所定の表示形態によって示される。 コンポーネントモジュール1 公開情報 2.静止画:c\data\tree.jpg 7.リンク1:User Input 15 8.リンク2:User Input 15 9.リンク3:User Input 15:TransitionTo Scene2
【0169】そして、このリストウィンドウに提示され
る項目のなかから、編集者が所定操作によって所望の項
目を選択すると、この項目について設定変更を行うため
の作業用のウィンドウが表示される。編集者は、このウ
ィンドウに対する操作によって雛形としての設定内容
を、実際の使用に適合するようにして変更させることが
できる。
【0170】例えば、コンポーネントモジュールにおけ
る可視のオブジェクトを例に挙げると、このコンポーネ
ントモジュールにおける可視のオブジェクトの属性に対
応するものとして、例えば、図22に示すようなPNG
ファイルが用意されているものとする。例えば、所定操
作を行えば、このようなボタン属性のリストが表示され
るようになっている。ここではエリアA1が3種の「決
定」ボタンを選択する領域となっており、以降、エリア
A2は「キャンセルボタン」、エリアA3は「中止」ボ
タン、エリアA4は「はい」ボタン、エリアA5は「い
いえ」ボタン、エリアA6は「閉じる」ボタン、エリア
A7は「もどる」ボタン、エリアA8は「次へ」ボタ
ン、エリアA9は「前へ」ボタンを選択する領域となっ
ている。また、エリアA10は4種のチェックボタン、
エリアA11はラジオボタン、エリアA12は2種のテ
キストフィールドを選択する領域となっている。例え
ば、このリストの中から、編集者が所定操作によって所
望のボタンやテキストフィールドを選択することで、可
視のオブジェクトとしての属性を変更設定することがで
きる。
【0171】そして、このような編集が行われた後は、
例えば先に示したコンポーネントモジュール管理情報も
書き換えられて、新規のコンポーネントモジュールが得
られることになる。そして、この編集者による設定結果
は、シーン編集ウィンドウWD2に表示されているコン
ポーネントモジュールにおいても反映され、その表示形
態が設定結果に応じて変化しているものである。
【0172】例えば、図19に示したコンポーネントモ
ジュールを編集して作成されたコンポーネントモジュー
ルの表示形態例を図20及び図21に示す。例えば図2
0に示すコンポーネントモジュールCPMでは、先ず、
シーン上での配置位置が異なっている。例えばシーン上
での配置位置も属性(公開されていれば)として変更可
能とされる。また、ここでは「あなたの情報を入れてく
ださい」とされていたテキストob2が、「確認!」と
いうテキストに置き換えられている。また、「確認!」
以外の、コンポーネントモジュールとしてのフィールド
内のテキストob2としては「前の設定に戻りますか
?」というテキストのみとなっている。また、決定ボタ
ンob6としては以前と異なるデザインのもの(PNG
ファイル)が使用され、中止ボタンob6には以前のも
のと同様のデザインが使用されている。
【0173】また、図21(図19と同一部分には同一
符号を付して説明を省略する)のコンポーネントモジュ
ールCPMに示すようにして、図19に示したコンポー
ネントモジュールとほぼ同様のオブジェクトを使用した
上で、各オブジェクトのレイアウト位置を変更するよう
なことも可能とされる。
【0174】また、図示しないが、ボタンに対して操作
を行ったことによる動作なども、実際に変更設定された
リンク、アクションに対応した動作として、シーン編集
ウィンドウ上で得られるものである。
【0175】そして、本実施の形態においては、このよ
うにしてシーン編集ウィンドウWD2上で行われたコン
ポーネントモジュールに対する編集結果は、コンポーネ
ントモジュールとしてのファイルに反映されるのはもち
ろんのこと、シーンの編集結果としても反映されるもの
である。
【0176】2−4.処理動作 続いて、これまで説明したコンポーネントモジュールの
作成、及び利用(編集)を実現するための処理動作を説
明する。なお、以降説明する処理は、図17に示したパ
ーソナルコンピュータ201のCPU202aが、MH
EGオーサリングソフトウェア210としてのプログラ
ムに従って実行するものである。また、以降説明する処
理にあっては、例えばコンポーネントモジュールの作成
にはコンポーネントモジュール作成部250のプログラ
ムが主として利用され、コンポーネントモジュールの編
集にはコンポーネントモジュール処理部251、MHE
Gシーン作成部213等のプログラムが主として利用さ
れるが、必要に応じて、他のプログラムとしてのブロッ
クも適宜使用される。
【0177】先ず、コンポーネントモジュールの作成処
理について、図23及び図24のフローチャートを参照
して説明する。例えば、MHEGオーサリングソフトウ
ェア210が起動している状態の下で、コンポーネント
モジュール編集ウィンドウWD1を呼び出すための所定
操作が行われたとすると、CPU202aは、コンポー
ネントモジュール作成メニューとしてのプログラムの実
行を開始することになる。そして、図23のステップS
101に移行して、図18に示したプロジェクトスコア
ウィンドウWD1を開く(表示する)ための処理を実行
する。このためのプロセスは、例えば次のステップS1
03として示される。
【0178】次のステップS102においては編集者の
操作に応じて、選択されたオブジェクトをウィンドウ内
に配置していくための処理が実行される。そして、その
配置結果に応じて、次のステップS103によってスク
リプト(例えばTN)を記述していくようにされる。
【0179】そして、次のステップS104において
は、ユーザの操作に応じて、これまでに作成したコンポ
ーネントモジュールを形成する各オブジェクトの属性、
リンク、アクションについて、公開すべき情報を設定す
るための処理が実行される。そして、次のステップS1
05において、例えばここまでに行われた各種設定結果
に対応した設定情報を作成してこれを保持するようにさ
れる。なお、上記ステップS102〜S105の処理
は、実際には、ユーザの編集操作に応じて適宜繰り返し
実行されて構わないものである。
【0180】そして、この後、編集者が設定終了のため
の操作を行ったとすれば、ステップS106の処理によ
って、例えばこれまで開いていたコンポーネントモジュ
ール編集ウィンドウWD1を閉じるなどしてこれまでの
設定環境を終了させるための処理が実行され、ステップ
S107に進む。
【0181】ステップS107はこれまでの設定結果を
管理情報として保存するための処理を、内部形式により
実行するための処理とされ、これは例えば図24のフロ
ーチャートに示すものとなる。
【0182】図24においては、先ずステップS201
において、今回のコンポーネントモジュールの作成が新
規作成であるか、若しくは一旦作成して保存したコンポ
ーネントモジュールについて変更を加える再作成である
のかについて判別する。ここで、新規作成である場合に
は、ステップS202に進んで、スコア管理情報として
のファイルを新規に発生させて例えばRAM202bに
用意する。
【0183】一方、ステップS201において、今回の
コンポーネントモジュールの作成が再作成である場合に
は、ステップS203に進んで、今回の作成(更新)対
象となっていたコンポーネントモジュールに対応するコ
ンポーネントモジュール管理情報を指定して読み込みを
行って、例えばRAM202bに用意する。なお、この
場合には、指定のコンポーネントモジュール管理情報
は、例えばコンポーネントモジュール編集ウィンドウW
D1を開くときに、その表示内容を決定するために既に
使用されているため、このときにRAM202bに用意
しておくようにすれば、ステップS203の処理は省略
できる。
【0184】上記ステップS202又はステップS20
3の処理が終了した後は、ステップS204に進む。ス
テップS204においては、先のステップS105にて
保持された設定情報を、上記ステップS202又はステ
ップS203によって用意されたコンポーネントモジュ
ール管理情報に対して記述する。そして、このようにし
て得られたコンポーネントモジュール管理情報を例えば
記録デバイス235に対して転送して保存させるための
処理を実行する。このようにして図20のステップS1
07としての内部処理が実行され、この処理の実行によ
ってコンポーネントモジュールの作成処理を終了する。
【0185】続いて、コンポーネントモジュールの編集
(利用;変更を指す)処理について、図25を参照して
説明する。コンポーネントモジュールを編集するには、
先にも図19により述べたように、シーン編集ウィンド
ウ上で行う。このため、編集者がコンポーネントモジュ
ールを編集する際には、MHEGオーサリングソフトウ
ェア210が起動している状態の下で、シーン編集ウィ
ンドウWD2を呼び出すための所定操作を行うことにな
る。すると、CPU202aは、図25に示すステップ
S301に移行して、シーン編集メニューとしてのプロ
グラムの実行を開始する。そして、続くステップS30
2において、図19に示したシーン編集ウィンドウを開
く(表示する)ための処理を実行する。
【0186】次のステップS303においては、例えば
先に図19にて説明した操作手順によって選択されたコ
ンポーネントモジュールをシーン編集ウィンドウWD2
内のシーン上に配置するための処理が実行される。この
後、編集者は図19にて説明したようにして、公開され
た情報(各オブジェクトの属性、イベント、アクショ
ン)のうちから、目的の情報についての変更を行うよう
にされる。そして次のステップS304においては、上
記のようにして、編集者の操作によって変更された内容
に対応した編集処理を実行する。つまり、現在選択され
ているコンポーネントモジュールのコンポーネントモジ
ュール管理情報についての書き換え等を行うと共に、こ
の書き換えられた内容に応じて、シーン編集ウィンドウ
WD2内に表示させているコンポーネントモジュールの
表示態様も変更するようにされる。そして、編集者の操
作によって、コンポーネントモジュールの編集を終了さ
せるための操作が行われれば、ステップS305に進ん
で所要の終了処理を実行するようにされる。
【0187】ところで、本実施の形態のMHEGオーサ
リングソフトウェア210としては、先に図17に示し
た中間言語処理部228としてのプログラムによって、
図示は省略するが、中間言語(簡易言語)用のスクリプ
ト編集ウィンドウを表示出力することも可能とされてい
る。このスクリプト編集ウィンドウは、中間言語によっ
て、オブジェクト単位(シーン、シークエンス、コンポ
ーネント(オブジェクトのことである)、コンポーネン
トモジュール)に対するスクリプトを記述するためのウ
ィンドウとされる。ここでの中間言語としてのスクリプ
トとは、複数のイベントハンドラ(on event〜end even
t)を書き並べたものである。つまり、on eventではじま
ってend eventでおわり、そのアクション対象オブジェ
クト、アクション、パラメータ列、バリアブル宣言、バ
リアブル設定、その他if thenなどの構文を並べたもの
である。そして、TNよりも扱いが簡易な言語となって
いる。このような中間言語としてのスクリプトの規則を
図26に示しておく。
【0188】このように本実施の形態にあっては、先に
説明したTNによる編集に加えて、スクリプト編集ウィ
ンドウに、任意のシーン、シークエンス、オブジェクト
に関する中間言語のスクリプトを呼び出して出力させる
ことで、中間言語により編集を行うことも可能とされて
いる。例えば、編集者が、任意に選択したシーン、シー
クエンス、オブジェクトについてのスクリプト編集ウィ
ンドウを呼び出すための操作が実行された場合には、中
間言語処理部228は、例えば選択されたシーン、シー
クエンス、オブジェクトのTNを中間言語に変換して、
スクリプト編集ウィンドウに表示させるように処理を実
行する。そして、編集後においては、この中間言語の形
式による編集結果をTNに変換して扱うようにされる。
そして特に本実施の形態にあっては、これまで説明を行
ってきたコンポーネントモジュールについても、この中
間言語によっても作成、及び利用(編集)を行うことが
可能とされているものである。
【0189】なお、上記実施の形態では、図17に示し
たようにコンポーネントモジュール作成部250とコン
ポーネントモジュール処理部251について、同一のM
HEGオーサリングツール内に装備するようにしている
が、実際の使用形態としては、コンポーネントモジュー
ル作成部250としてのツールは、MHEGオーサリン
グツールからは分離して、独立した専用のツールとして
構築することも考えられる。このようにして専用のアプ
リケーションとすることで、例えばより特化した機能を
装備させるといったことも容易に可能になる。また、本
実施の形態のコンポーネントモジュールは、例えば、コ
ンポーネントモジュールとしての素材を、MHEGオー
サリングツールのユーザに向けて販売するというような
流通形態を採ることが考えられるが、例えば、このよう
にして販売するコンポーネントモジュールに対して、著
作権管理情報を付加するようにすることが考えられる。
そして、MHEGオーサリングツール側としては、コン
ポーネントモジュールの著作権管理情報を参照して、ラ
イセンスがされていれば使用が許可されるようにするこ
とで、コンポーネントモジュールの著作権を保護するこ
とができるものである。
【0190】また、本発明としてのウィンドウの表示、
及び操作手順等は上記各実施の形態に示したものには限
定されるものではなく他にも考えられるものである。ま
た、上記実施の形態では、デジタル衛星放送においてデ
ータ放送用のコンテンツをMHEGの規格に従って作成
する場合を例に挙げているが、特に、本発明により作成
されるコンテンツとしては、デジタル衛星放送システム
以外のメディアで使用されても構わないものである。更
にメディアとしては、放送や、ネットワーク上での配信
等以外に、例えばCD−ROM等の記録媒体(いわゆる
パッケージ品)で再生されるコンテンツを作成する場合
であっても構わない。更に上記実施の形態は、MHEG
コンテンツの編集を行う場合を例に挙げたが、例えば、
シーン−オブジェクトに相当するような階層構造を有す
るコンテンツであればMHEG方式以外にも本発明は適
用可能とされる。
【0191】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、例えばM
HEG等のコンテンツ情報の規格では定義されていない
コンポーネントモジュールをオーサリングツール上で定
義して、コンポーネントモジュールの作成、及びコンポ
ーネントモジュールの編集(編集されたコンポーネント
モジュールは例えばシーン編集に利用される)を行える
ように構成される。これにより、オーサリングツール上
にあっては、例えばシーン単位、若しくはアプリケーシ
ョン単位に依らなくとも、複数のオブジェクトをグルー
プ化して管理することが可能になる。つまり、複数のオ
ブジェクトをグループ化したファイルとしてはデータ量
が小さくて済むことになり、また、例えばシーンとして
の画面サイズよりも小さな表示領域のファイルとして管
理できることになるため、それだけ、オーサリングツー
ル上では扱いやすくなるものである。また、データの受
け渡しも容易で、その処理負担としても軽いものとな
る。
【0192】また、本発明では、コンポーネントモジュ
ールを形成する各オブジェクトの属性、リンク、アクシ
ョン等の情報(特質情報)について公開/非公開の設定
を行うようにされており、コンポーネントモジュールの
編集時には、公開として設定された情報についてのみ変
更が可能とされる。例えば全ての情報を変更可能に公開
してしまうと、特に知識の乏しい編集者は、どの情報を
選択していいのか分からなくなったり、本来はそのまま
にしておくべき情報を不用意に書き換えてしまって誤動
作を引き起こしたりするなどの不都合が生じやすくなる
が、本発明のようにして、編集者が変更できる情報を制
限することで、上記したような不都合が生じる可能性も
著しく低くすることができる。
【0193】また、例えば簡易言語(中間言語)として
のスクリプトを記述することによっても、コンポーネン
トモジュールについての作成、利用が可能なように構成
することで、例えば或る程度の知識を有する編集者であ
れば、その作業内容によっては、GUIを用いた操作よ
りも効率的に編集を行うことができるようになるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のデジタル衛星放送受信シ
ステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態における受信設備の構築例を示す
ブロック図である。
【図3】IRDのためのリモートコントローラの外観を
示す正面図である。
【図4】放送画面とGUI画面との切り換えを示す説明
図である。
【図5】地上局の構成例を示すブロック図である。
【図6】地上局から送信されるデータを示すチャート図
である。
【図7】送信データの時分割多重化構造を示す説明図で
ある。
【図8】DSM−CCによる送信フォーマットを示す説
明図である。
【図9】データサービスのディレクトリ構造の一例を示
す説明図である。
【図10】トランスポートストリームのデータ構造図で
ある。
【図11】PSIのテーブル構造を示す説明図である。
【図12】IRDの構成を示す説明図である。
【図13】MHEGコンテンツの構造を示す説明図であ
る。
【図14】MHEGコンテンツの構造を示す説明図であ
る。
【図15】MHEGコンテンツの動作概念に対応する構
造を示す説明図である。
【図16】MHEGコンテンツの基本動作を示す説明図
である。
【図17】本実施の形態のMHEGオーサリングシステ
ムの構成を示すブロック図である。
【図18】コンポーネントモジュール編集ウィンドウの
表示形態例を示す説明図である。
【図19】コンポーネントモジュールの編集(利用)が
行われるシーン編集ウィンドウの表示形態例を示す説明
図である。
【図20】コンポーネントモジュールの編集(利用)が
行われるシーン編集ウィンドウの表示形態例を示す説明
図である。
【図21】コンポーネントモジュールの編集(利用)が
行われるシーン編集ウィンドウの表示形態例を示す説明
図である。
【図22】PNGファイルのリストを示す説明図であ
る。
【図23】コンポーネントモジュール作成のための処理
動作を示すフローチャートである。
【図24】コンポーネントモジュール作成時における内
部処理を示すフローチャートである。
【図25】コンポーネントモジュール利用時の内部処理
を示すフローチャートである。
【図26】中間言語としてのスクリプトの定義内容を示
す説明図である。
【符号の説明】 1 地上局、2 衛星、3 受信設備、5 課金サー
バ、6 テレビ番組素材サーバ、7 楽曲素材サーバ、
8 音声付加情報サーバ、9 GUIデータサーバ、1
0 キー情報サーバ、11 パラボラアンテナ、13
ストレージデバイス、13A MDレコーダ/プレー
ヤ、14 モニタ装置、16 IEEE1394バス、
21A テレビ番組表示エリア、21B リスト、21
C テキスト表示エリア、21D ジャケット表示エリ
ア、22 歌詞表示ボタン、23 プロフィール表示ボ
タン、24 情報表示ボタン、25 予約録音ボタン、
26予約済一覧表示ボタン、27 録音履歴ボタン、2
8 ダウンロードボタン、31 テレビ番組素材登録シ
ステム、32 楽曲素材登録システム、33 音声付加
情報登録システム、34 GUI用素材登録システム、
35 AVサーバ、36A MPEGオーディオエンコ
ーダ、36B ATRACエンコーダ、37音声付加情
報データベース、38 GUI素材データベース、39
テレビ番組送出システム、40A MPEGオーディ
オサーバ、40B MPEGオーディオサーバ、41
音声付加情報送出システム、42 GUI(MHEG)
オーサリングシステム、43A MPEGオーディオ送
出システム、43B ATRACオーディオ送出システ
ム、44 DSM−CCエンコーダ、45 マルチプレ
クサ、46 電波送出システム、51 チューナ/フロ
ントエンド部、52 デスクランブラ、53 トランス
ポート部、54 MPEG2オーディオデコーダ、54
A メモリ、55 MPEG2ビデオデコーダ、55A
メモリ、56D/Aコンバータ、57 スイッチ回
路、58 表示処理部、59 光デジタル出力インター
フェイス、60 IEEE1394インターフェイス、
61 マンマシンインターフェイス、62 ICカード
スロット、63 モデム、64 リモートコントロー
ラ、65 ICカード、70 デマルチプレクサ、71
キュー、81 制御処理部、82 DeMUXドライ
バ、83 DSM−CCデコーダブロック、84 MH
EGデコーダブロック、90 メインメモリ、91 D
SM−CCバッファ、101 電源キー、102 数字
キー、103 画面表示切換キー、104 インタラク
ティブ切換キー、105a 矢印キー、105EPGキ
ーパネル部、106 チャンネルキー、T1 入力端
子、T2 アナログビデオ出力端子、T3 アナログオ
ーディオ出力端子、T4 アナログオーディオ出力端
子、201 パーソナルコンピュータ、202 ハード
ウェア、202a CPU、202b RAM、202
c ROM、202d インターフェイス、203 オ
ペレーションシステム、210 MHEGオーサリング
ソフトウェア、211オブジェクト作成部、212 シ
ェアシーン作成部、213 MHEGシーン作成部、2
14 MHEGアプリケーション作成部、215 プロ
ジェクト作成部、216 シェアシーン処理部、217
内部形式ファイル出力制御部、218 MHEGシー
ン管理部、219 MHEGアプリケーション管理部、
220 プロジェクト管理部、221 時間制御部、2
22 インタラクティブ制御部、240 MHEGビュ
ーワ、223 映像表示制御部、224MHEG再生
部、225 MHEG同期再生部、226 MHEGス
クリプト出力制御部、227 TN処理部、228 中
間言語処理部、231 ディスプレイ、232 マウ
ス、233 キーボード、234 スピーカ、235
記録デバイス、236 ビデオ機器、240 MHEG
ビューワ、250 コンポーネントモジュール作成部、
251 コンポーネントモジュール処理部、WD1 コ
ンポーネントモジュール編集ウィンドウ、WD2 シー
ン編集ウィンドウ
フロントページの続き Fターム(参考) 5C022 AC11 AC69 CA03 5C023 AA14 AA18 BA01 CA01 CA04 CA08 5C059 MA00 PP01 PP04 RB02 RC32 RC33 RC34 SS02 SS30 5C063 AA11 AB03 AB05 DA01 DA02 DA03 DA05 DA07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】 作成装置
  1. 【請求項1】 所定の規格によるコンテンツ情報を作成
    するための情報処理装置として、 上記所定の規格によるコンテンツ情報はオブジェクトを
    使用して作成されるものとしたうえで、 所要の上記オブジェクトの集合によって形成され、上記
    コンテンツ情報内にて特定の動作を実行可能な情報単位
    であるモジュール情報を定義するモジュール情報定義手
    段と、 上記モジュール情報定義手段の定義に則って、オブジェ
    クトを使用して上記モジュール情報を作成することので
    きるモジュール情報作成手段と、 を備えていることを特徴とする情報処理装置。
  2. 【請求項2】 上記モジュール情報作成手段は、 上記モジュール情報を作成するのに使用された各オブジ
    ェクトの特質を決定する特質情報について、公開とする
    か非公開とするかの設定を行うことができるように構成
    されていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理
    装置。
  3. 【請求項3】 上記モジュール情報作成手段において
    は、 上記所定の規格に従って記述されるスクリプト形式より
    も簡易とされる形式で定義された簡易言語を記述するた
    めの簡易言語記述編集手段を備えていることを特徴とす
    る請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 【請求項4】 所定の規格によるコンテンツ情報を作成
    するための情報処理装置として、 上記所定の規格によるコンテンツ情報は、オブジェクト
    を使用して形成されているものとしたうえで、 所要の上記オブジェクトの集合によって形成され、上記
    コンテンツ情報内にて特定の動作を実行可能なモジュー
    ル情報を定義するモジュール情報定義手段と、 上記モジュール情報定義手段の定義に則って、上記モジ
    ュール情報について変更が可能とされると共に、上記モ
    ジュール情報を使用して上記コンテンツ情報についての
    編集を行うことができる編集手段と、 を備えていることを特徴とする情報処理装置。
  5. 【請求項5】 上記モジュール情報においては、そのモ
    ジュール情報を作成するのに使用された各オブジェクト
    の特質を決定する特質情報について、公開とするか非公
    開とするかを設定した設定情報が付随しているものとさ
    れたうえで、 上記編集手段は、 公開として設定されている特質情報については、変更設
    定が可能であるとして管理すると共に、非公開として設
    定されている特質情報については変更設定が不可である
    として管理するように構成されていることを特徴とする
    請求項4に記載の情報処理装置。
  6. 【請求項6】 所定の規格によるコンテンツ情報を作成
    するための情報処理方法として、 上記所定の規格によるコンテンツ情報はオブジェクトを
    使用して作成されるものとしたうえで、 所要の上記オブジェクトの集合によって形成されて上記
    コンテンツ情報内にて特定の動作を実行可能なモジュー
    ル情報を定義し、この定義に則って、オブジェクトを使
    用して上記モジュール情報を作成することのできるモジ
    ュール情報作成処理、 を実行可能に構成されていることを特徴とする情報処理
    方法。
  7. 【請求項7】 上記モジュール情報作成処理は、 上記モジュール情報を作成するのに使用された各オブジ
    ェクトの特質を決定する特質情報について、公開とする
    か非公開とするかの設定を行うことができるように構成
    されていることを特徴とする請求項6に記載の情報処理
    方法。
  8. 【請求項8】 上記モジュール情報作成処理としては、 上記所定の規格に従って記述されるスクリプト形式より
    も簡易とされる形式で定義された簡易言語を記述するた
    めの簡易言語記述編集処理を実行可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理方法。
  9. 【請求項9】 所定の規格によるコンテンツ情報を作成
    するための情報処理方法として、 上記所定の規格によるコンテンツ情報は、オブジェクト
    を使用して形成されているものとしたうえで、 所要の上記オブジェクトの集合によって形成されて上記
    コンテンツ情報内にて特定の動作を実行可能なモジュー
    ル情報を定義し、この定義に則って、上記モジュール情
    報について変更が可能とされると共に、上記モジュール
    情報を使用して上記コンテンツ情報についての編集を行
    うことができる編集処理、 を実行可能に構成されていることを特徴とする情報処理
    方法。
  10. 【請求項10】 上記モジュール情報においては、その
    モジュール情報を作成するのに使用された各オブジェク
    トの特質を決定する特質情報について、公開とするか非
    公開とするかを設定した設定情報が付随しているものと
    されたうえで、 上記編集処理は、 公開として設定されている特質情報については、変更設
    定が可能であるとして管理すると共に、非公開として設
    定されている特質情報については変更設定が不可である
    として管理することを特徴とする請求項9に記載の情報
    処理方法。
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WO2004002158A1 (ja) * 2002-06-21 2003-12-31 Sony Corporation 送信装置、受信装置
JP2004032110A (ja) * 2002-06-21 2004-01-29 Sony Corp 送信装置、受信装置
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