JP2000332373A - 電子部品実装体およびその製造方法 - Google Patents

電子部品実装体およびその製造方法

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JP2000332373A
JP2000332373A JP14067499A JP14067499A JP2000332373A JP 2000332373 A JP2000332373 A JP 2000332373A JP 14067499 A JP14067499 A JP 14067499A JP 14067499 A JP14067499 A JP 14067499A JP 2000332373 A JP2000332373 A JP 2000332373A
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conductive resin
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力 三谷
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弘輝 竹沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品電極と基板電極との接続部に導電性樹脂
を使用しながら、十分な接続信頼性を確保できる電子部
品実装体およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 回路基板15に形成された基板電極14
と、電子部品11に形成された部品電極12とを導電性
樹脂13aによって接続するとともに、導電性樹脂13
bによって、部品電極12の基板電極14と対向する面
とは反対側の面の少なくとも一部と、基板電極14の少
なくとも一部とを被覆することによって、回路基板15
上に電子部品11を実装した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子部品が回
路基板上に実装された電子部品実装体およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護の観点から、テレ
ビ、携帯電話、ビデオテープレコーダーなど電子機器に
おいても、鉛フリー化などの環境対策が重要な課題とな
っている。電子機器を構成する電子部品実装体において
は、一般に、電子部品の電極と回路基板の所定電極とを
接続する接続材料として共晶半田が使用されているが、
この共晶半田に含まれる鉛が問題となっている。そこ
で、接続材料として、鉛を含有しない鉛フリー半田を使
用する方法や、導電性樹脂を使用する方法が提案されて
いる。
【0003】特に、接続材料として導電性樹脂を用いた
電子部品実装体は、導電性樹脂が半田のような剛体の接
続材料に比べて柔軟性に優れるため、半田を用いた電子
部品実装体よりも高信頼性で長寿命であるという特徴を
有している。更に、導電性樹脂を使用した場合、半田を
使用した場合に比べて低温で実装できるため、プラスチ
ック部品などの弱耐熱性電子部品の使用が可能であり、
電子機器のコスト低減に有効であるという利点を有す
る。
【0004】以下に、接続材料として導電性樹脂を用い
た電子部品実装体の従来例を説明する。
【0005】図9は、接続材料として導電性樹脂を用い
た従来の電子部品実装体の一例を示す断面図である。表
面実装型の電子部品51が有する部品電極52と、回路
基板55の基板電極54とが、導電性樹脂53を介して
互いに対向している。
【0006】また、図10は、特開平9−17601号
公報に開示されている電子部品実装体を示す断面図であ
る。図9と同様に、電子部品61の部品電極62が、回
路基板65の基板電極64と、導電性樹脂63を介して
接続されている。更に、この従来例では、絶縁性樹脂6
6によって、電子部品61と回路基板65との接続が補
強されている。
【0007】図11は、特開平8−238564号公報
およびProc.48th.ETEC、5/1998の
p.1031〜1035に記載の「DEVELOPME
NTOF LOW COST,LOW TEMPERA
TURE CONDUCTIVE ADHESIVE
S」に開示されている電子部品実装体を示す図であり、
部品電極と基板電極との接続部の微視的な構造を示した
断面図である。なお、この電子部品実装体の巨視的な構
造は、図9と同様である。この従来例においては、部品
電極72と基板電極74との間に介在する導電性樹脂7
3としては、銅フィラー73bをスズ層73cで被覆し
てなる金属フィラーが、接着性樹脂73aに分散されて
なるものが使用されている。更に、部品電極72および
基板電極74と導電性樹脂73との界面においては、金
属フィラーと電極とがスズ層73cの融着によって金属
結合を形成しており、且つ、導電性樹脂73内部におい
ては、金属フィラー同士がスズ層73cの融着によって
互いに金属結合を形成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、導電性樹脂は
半田に比べて接続強度が弱く、このことが、電子部品実
装体の接続に導電性樹脂を使用するうえで問題となって
いた。
【0009】図10に示した従来の電子部品実装体にお
いては、絶縁性樹脂66によって電子部品61と回路基
板65との接続面積を増大させることにより、電子部品
と回路基板との接続強度の改善を図っている。しかし、
このような単なる接続面積の増大では、接続強度の十分
な改善を実現することは困難であった。
【0010】一方、図11に示した電子部品実装体にお
いては、スズ層73cを有する金属フィラーを分散した
導電性樹脂73を使用し、金属フィラーと電極との間に
金属結合を形成することによって電子部品と回路基板と
の接続強度が改善されている。しかし、この従来例に用
いられる導電性樹脂においては、樹脂が本来有する柔軟
性が損なわれているため、接続信頼性に乏しいという欠
点を有していた。
【0011】本発明は、電子部品の電極と回路基板の電
極とを接続する接続材料として導電性樹脂を使用しなが
ら、十分な接続強度および信頼性を確保することができ
る電子部品実装体およびその製造方法を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第1の電子部品実装体は、基板電極を備え
た回路基板に、部品電極を備えた電子部品が実装されて
なる電子部品実装体であって、前記基板電極と前記部品
電極とが導電性樹脂である第1の樹脂を介して接合され
ており、前記電子部品の前記回路基板と対向する面とは
反対の面から、前記回路基板の前記電子部品と対向する
面にかけて形成された第2の樹脂を備えていることを特
徴とする。
【0013】発明者らが、部品電極と基板電極との接続
部に導電性樹脂を使用した場合と、半田を使用した場合
とで、その接続強度を比較したところ、導電性樹脂は、
半田と比較して、せん断に対する接続強度には遜色がな
いものの、引っ張りに対する接続強度は非常に弱いこと
が分かった。本発明は、このような知見に基づいて為さ
れたものである。
【0014】電子部品実装体が電子機器に使用された場
合、部品電極と基板電極とを接続する接続部には、電子
部品と回路基板との熱膨張差に起因する熱応力や回路基
板の変形などによって、曲げ力が作用する。この曲げ力
は、単純なせん断力と引っ張り力に分解できる。すなわ
ち、接続部には、せん断と引っ張りのいずれか一方のみ
が単独で作用することはほとんどなく、せん断と引っ張
りの両方の力が作用するのである。このことと、導電性
樹脂は引っ張りに対する接続強度に乏しいということと
を考え合わせれば、電子部品と回路基板との間の接続強
度の改善には、せん断に対する接続強度よりも、むしろ
引っ張りに対する接続強度を向上させることが有効であ
ると考えられる。
【0015】導電性樹脂の引っ張りに対する接続強度が
弱い理由の1つとして、半田による接続ではフィレット
が形成されるため、構造的な効果によって接続部にかか
る応力を緩和することができるが、導電性樹脂による接
続ではフィレットが形成されないため、このような構造
的な効果が期待できないことが挙げられる。
【0016】しかし、本発明の第1の電子部品実装体に
おいては、電子部品の上面から回路基板表面にかけて樹
脂を形成することによって得られる構造的な効果によっ
て、電子部品と回路基板との接続強度、特に引っ張りに
対する接続強度を改善することができる。
【0017】前記第1の電子部品実装体においては、前
記第2の樹脂が、前記部品電極の前記基板電極と対向す
る面とは反対の面から、前記部品電極と対向する前記基
板電極にかけて形成されていることが好ましい。
【0018】また、前記第1の電子部品実装体において
は、前記第2の樹脂を、導電性樹脂とすることができ
る。なお、このような例は、第1の樹脂と第2の樹脂と
が一体化した形態を含む。
【0019】また、前記第1の電子部品実装体において
は、前記第2の樹脂を、絶縁性樹脂とすることができ
る。この場合、前記絶縁性樹脂が、前記電子部品の部品
電極および本体部分に形成されていることが好ましい。
【0020】前記目的を達成するため、本発明の第2の
電子部品実装体は、基板電極を備えた回路基板に、部品
電極を備えた電子部品を実装してなる電子部品実装体で
あって、前記基板電極が、前記回路基板の前記電子部品
と対向する面とは反対の面に形成され、前記部品電極
が、前記回路基板に形成された貫通孔に挿入されてお
り、前記部品電極と前記基板電極とが、導電性樹脂によ
って接合されていることを特徴とする。
【0021】このような構成の電子部品実装体において
は、電子部品実装体に加えられる各種の外力の大部分
が、基板電極と部品電極との接続部にはせん断力として
作用する。前述したように、導電性樹脂は、せん断に対
しては比較的優れた接続強度を示すため、本発明の第2
の電子部品実装体によれば、電子部品と回路基板との接
続強度を良好なものとすることができる。
【0022】前記第2の電子部品実装体においては、前
記部品電極の一部が、前記回路基板の前記基板電極が形
成された面から突出し、且つ、前記導電性樹脂で被覆さ
れていることが好ましい。
【0023】また、前記第2の電子部品実装体において
は、前記部品電極の一部が、前記回路基板の前記基板電
極が形成された面から突出し、且つ、屈曲していること
が好ましい。電子部品と回路基板との接続強度を、より
確実に改善することができるからである。
【0024】前記目的を達成するため、本発明の第3の
電子部品実装体は、基板電極を備えた回路基板に、部品
電極を備えた電子部品を実装してなる電子部品実装体で
あって、前記基板電極と前記部品電極とが金属フィラー
を含む導電性樹脂を介して接合されており、前記導電性
樹脂と前記部品電極との界面および前記導電性樹脂と前
記基板電極との界面の少なくとも一方において、前記金
属フィラーが前記部品電極または前記基板電極と金属結
合を形成しており、且つ、前記導電性樹脂内部の少なく
とも一部において、前記金属フィラー同士が金属結合を
形成することなく接触していることを特徴とする。
【0025】導電性樹脂の引っ張りに対する接続強度が
弱い理由としては、前述した構造的な理由のほかにも、
半田は電極と金属結合という強固な結合を形成するが、
導電性樹脂においては、接着作用を発現する樹脂成分と
電極との間にそのような強固な結合が形成されないこと
が挙げられる。
【0026】しかし、本発明の第3の電子部品実装体に
おいては、導電性樹脂中の金属フィラーが、部品電極お
よび基板電極の少なくとも一方と金属結合を形成してい
るため、電子部品と回路基板との間で良好な接続強度を
得ることができる。
【0027】また、図11に示した従来例においては、
導電性樹脂73内部において金属フィラー同士が金属結
合を結合しているため、樹脂が本来有する柔軟性が損な
われるという問題があった。更に、金属フィラー同士の
結合部はクラブネック形状であるため曲げ力などの外力
により破断し易く、その結果、電気抵抗が変動しやすい
という問題があった。
【0028】しかし、本発明の第3の電子部品実装体に
おいては、導電性樹脂内に金属フィラー同士が金属結合
を形成していない領域が存在するため、導電性樹脂の柔
軟性を十分に維持することができ、且つ、電気抵抗の変
動を抑制し、接続信頼性の高い電子部品実装体とするこ
とができる。
【0029】前記第3の製造方法においては、前記導電
性樹脂内部の少なくとも一部において、前記金属フィラ
ーが、前記部品電極と前記基板電極との間に電流を流し
たとき前記電流が流れる方向に略垂直な方向に隣接する
別の前記金属フィラーと、金属結合を形成することなく
接触していることが好ましい。
【0030】また、前記第3の電子部品実装体において
は、前記金属フィラーの表面が、半田、スズ、亜鉛、
鉛、銀、インジウムおよびビスマスから選ばれる少なく
とも1種の金属で構成されていることが好ましい。ま
た、前記部品電極および前記基板電極の少なくとも一方
の表面が、上記金属で構成されていることが好ましい。
【0031】前記目的を達成するため、本発明の第1の
製造方法は、回路基板に形成された基板電極と、電子部
品に形成された部品電極とを、導電性樹脂である第1の
樹脂を介して接合する工程と、前記回路基板および前記
電子部品の品質を検査する工程と、前記電子部品の前記
回路基板と対向する面とは反対の面から、前記回路基板
の前記電子部品と対向する面にかけて、第2の樹脂を形
成する工程とを、この順で含むことを特徴とする。
【0032】このような構成にしたことにより、電子部
品と回路基板との接続が構造的な効果により補強された
電子部品実装体を得ることができる。また、電子部品実
装体の製造においては、電子部品または回路基板の不
良、電子部品と回路基板との接続不良などが発生する場
合があるため、製造工程では各種検査し、不良な個所の
リペアを実施する必要がある。本発明の第1の製造方法
においては、検査が実施される時点では、電子部品と回
路基板とは引っ張りに対する接続強度の弱い導電性樹脂
で接続されており、接続強度の構造的な補強は為されて
いない。そのため、部品の不良、実装不備が発見されれ
ば、回路基板から電子部品を容易に取り外すことができ
る。
【0033】前記第1の製造方法においては、前記回路
基板および前記電子部品の品質を検査する工程の後であ
って、前記第2の樹脂を形成する工程の前に、前記回路
基板に接合された前記電子部品を、別の電子部品と交換
する工程を実施することが好ましい。
【0034】前記目的を達成するため、本発明の第2の
製造方法は、回路基板に形成された基板電極と、電子部
品に形成された部品電極とを、金属フィラーを含む導電
性樹脂を介して接合する工程と、前記導電性樹脂内部に
前記金属フィラー同士が金属結合を形成することなく接
触している領域を残存させながら、前記基板電極および
前記部品電極の少なくとも一方と、前記金属フィラーと
の間に金属結合を形成させる工程とを含むことを特徴と
する。
【0035】このような構成にしたことにより、電子部
品と回路基板との間の接続強度が良好であり、且つ、導
電性樹脂の柔軟性が十分に確保され、電気抵抗の変動が
抑制された電子部品実装体を得ることができる。
【0036】前記第2の製造方法においては、前記金属
結合を形成させる工程は、前記基板電極および前記部品
電極の少なくとも一方に、赤外線を照射することにより
実施することができる。また、前記金属結合を形成させ
る工程は、前記基板電極および前記部品電極の少なくと
も一方に、超音波を印加することにより実施することが
できる。これらの方法によれば、部品電極および基板電
極の少なくとも一方と金属フィラーとの間に金属結合を
形成しながら、金属フィラー同士が金属結合を形成して
いない領域を確保することが容易である。
【0037】なお、本発明において電子部品実装体と
は、半導体パッケージ、コンデンサ、抵抗器、インダク
タ、センサ、発振子、フィルタ、スイッチ、コネクタな
どの電子部品が実装された実装基板のほか、CSP(チ
ップサイズパッケージ)などの半導体パッケージ単体、
HIC(ハイブリッドIC)、MCM(マルチチップモ
ジュール)などの回路モジュールを包含するものであ
る。
【0038】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、本発
明の第1の実施形態に係る電子部品実装体の一例を示す
断面図である。
【0039】本実施形態に係る電子部品実装体は、回路
基板15上に電子部品11が実装されてなるものであ
る。電子部品11は表面実装型部品であり、実装された
ときに回路基板15に対向するような面を有する部品電
極12を備えている。また、回路基板15は、電子部品
11が実装される面に形成されたパッド電極14を備え
ている。なお、部品電極12およびパッド電極14は、
金、銀、銅、鉛、ニッケルおよびこれらの合金などで構
成することができる。
【0040】電子部品11の部品電極12と、回路基板
15のパッド電極14とは、導電性樹脂13によって電
気的および機械的に接続されている。
【0041】導電性樹脂13には、部品電極12下面と
パッド電極14との間に介在する部分13aが存在す
る。更に、導電性樹脂13には、部品電極12上面およ
び側面から、パッド電極14の露出面にかけてを被覆す
る部分13bが存在する。換言すれば、導電性樹脂13
は、部品電極12とパッド電極14との間に介在すると
ともに、部品電極12およびパッド電極14の少なくと
も一部を、電子部品実装体の上側から被覆するように形
成されている。
【0042】導電性樹脂13としては、樹脂に金属フィ
ラーを分散させたものを使用することができる。樹脂と
しては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シア
ネート樹脂、アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂を使用す
ることができる。また、金属フィラーとしては、金、
銀、銅、鉛、ニッケルおよびこれらの合金などの金属で
構成された粉体、繊維を使用することができる。また、
導電性樹脂13としては、それ自体が導電性を有する樹
脂、いわゆる導電性ポリマーを使用してもよい。更に、
導電性樹脂13は、硬化剤、カップリング剤、分散剤、
着色剤、溶媒などの各種添加剤を含有していてもよい。
【0043】本実施形態に係る電子部品実装体の製造方
法について説明する。まず、回路基板15表面のパッド
電極14の所定箇所に、導電性樹脂13aを印刷する。
次に、回路基板15上に、部品電極12がパッド電極1
4と導電性樹脂13aを介して対向するように電子部品
11を搭載し、導電性樹脂13aを硬化させる。
【0044】次に、回路基板15および電子部品11の
品質検査、および、不良部分のリペアを実施する。不良
部分のリペアは、不良部品および実装不備などの不良部
分に係る電子部品を取り外し、交換することによって為
される。電子部品の取り外しは、電子部品と回路基板と
の接続部に引っ張り力を加えることによって比較的容易
に実施できる。このとき、不良部分を局部的に加熱する
ことが好ましい。その後、電子部品が取り外された部分
に、再び導電性樹脂を形成して新たな電子部品を搭載し
た後、導電性樹脂を硬化し、リペアが終了する。
【0045】続いて、部品電極12上から導電性樹脂を
ディスペンサーで供給し、部品電極12およびパッド電
極14の少なくとも一部を被覆するように導電性樹脂1
3bを形成する。その後、回路基板を加熱炉内に設置
し、導電性樹脂13bを加熱して硬化させる。加熱炉と
しては、特に限定するものではないが、熱風循環炉、遠
赤外線照射炉などを使用することができる。
【0046】また、本実施形態の製造方法においては、
回路基板15上に電子部品11を搭載した後、電極間に
介在する導電性樹脂13aを硬化させない状態で、部品
電極上面を被覆する導電性樹脂13bを形成し、かかる
後に、導電性樹脂13aと導電性樹脂13bとを同時に
硬化してもよい。このような方法によれば、樹脂の硬化
工程が1回で済むため、製造プロセスを簡素化すること
ができる。
【0047】(第2の実施形態)図2は、本発明の第2
の実施形態に係る電子部品実装体の一例を示す断面図で
ある。
【0048】本実施形態に係る電子部品実装体は、第1
の実施形態と同様に、回路基板25上に、表面実装型の
電子部品21が実装されてなる。部品電極22とパッド
電極24との間には導電性樹脂23が介在しており、部
品電極22とパッド電極24との電気的な接続は、この
導電性樹脂23によって確保されている。なお、導電性
樹脂23としては、第1の実施形態と同様のものを使用
することができる。
【0049】本実施形態にかかる電子部品実装体は、部
品電極22の上面および側面と、パッド電極24の少な
くとも一部とを被覆するように形成された絶縁性樹脂2
6を備えている。すなわち、絶縁性樹脂26は、部品電
極22およびパッド電極24の少なくとも一部を、電子
部品実装体の上側から被覆するように形成されている。
更に、絶縁性樹脂26は、電子部品21の本体部分をも
被覆し、電子部品21を保護していることが好ましい。
【0050】絶縁性樹脂26としては、例えば、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、アクリル樹
脂などの熱硬化性樹脂を使用することができる。特に、
アクリル樹脂が、機械的強度および接着強度に優れるた
め好ましい。また、絶縁性樹脂26は、硬化剤、カップ
リング剤、分散剤、着色剤、溶媒などの各種添加剤を含
有していてもよい。
【0051】本実施形態に係る電子部品実装体の製造方
法について説明する。
【0052】まず、第1の実施形態と同様に、回路基板
25に形成されたパッド電極24の所定箇所に導電性樹
脂23を印刷した後、回路基板25上に、電子部品21
を、部品電極22が導電性樹脂23を介して基板電極2
4と対向するように搭載し、導電性樹脂23を硬化す
る。その後、回路基板25および電子部品21の品質検
査を実施し、不良部品および実装不備などの不良部分が
発見された場合、不良部分のリペアを実施する。
【0053】次に、電子部品21を搭載した回路基板2
5に絶縁性樹脂を供給し、部品電極22およびパッド電
極24の少なくとも一部を、更には電子部品21の本体
部分をも被覆するように絶縁性樹脂26を形成する。絶
縁性樹脂26の供給方法は、特に限定するものではない
が、適宜溶媒で希釈した絶縁性樹脂を使用し、これをス
プレーなどによって塗布する方法が採用できる。
【0054】その後、回路基板を加熱炉内に設置し、絶
縁性樹脂26を加熱して硬化させる。加熱炉としては、
第1の実施形態と同様のものを使用できるが、特に、遠
赤外線照射炉を使用することが好ましい。遠赤外線は、
樹脂による吸収率が高く、アクリル樹脂などの透明な樹
脂に対してはその内部まで進入できるため、比較的短時
間の照射で樹脂を硬化させることができるからである。
【0055】なお、本実施形態においては、回路基板2
5上に電子部品21を搭載した後、導電性樹脂23を硬
化させない状態で、部品電極22上面を被覆する絶縁性
樹脂26を形成し、かかる後に、導電性樹脂23と絶縁
性樹脂26とを同時に硬化させてもよい。
【0056】(第3の実施形態)図3は、本発明の第3
の実施形態に係る電子部品実装体の一例を示す断面図で
ある。
【0057】本実施形態に係る電子部品実装体は、回路
基板35上に電子部品31が搭載されてなる。電子部品
31は挿入型部品であり、実装されたときに少なくとも
先端部が回路基板35に対して直交するように形成され
たリード電極32を備えている。また、回路基板35
は、回路基板を貫通するスルーホールと、回路基板裏面
のスルーホールの周囲に形成されたランド電極34とを
備えている。なお、リード電極32およびランド電極3
4としては、金、銀、銅、鉛、ニッケルおよびこれらの
合金などが使用できる。
【0058】電子部品31は、リード電極32がスルー
ホールに挿入されることにより、回路基板35上に搭載
されている。リード電極32は、その先端部が回路基板
35の裏面まで達している。また、リード電極32は、
回路基板35の裏面から突出した先端部が、回路基板3
5裏面のスルーホールが形成された領域から外れた部分
の下方に位置するように、屈曲または湾曲した形状を有
することが好ましい。
【0059】本実施形態に係る電子部品実装体において
は、リード電極32とランド電極34は、導電性樹脂3
3を介して電気的および機械的に接続されている。導電
性樹脂33は、リード電極32の回路基板35の裏面か
ら突出した部分と、ランド電極34の少なくとも一部と
を被覆するように形成されている。更に、導電性樹脂3
3は、一部がスルーホール内部に貫入してもよい。な
お、導電性樹脂33としては、第1の実施形態で例示し
たものと同様の材料を使用できる。
【0060】本実施形態に係る電子部品実装体は、挿入
型電子部品31のリード電極32を、回路基板35のス
ルーホールに挿入するとともに、その回路基板裏面に突
出した部分に導電性樹脂33を供給した後、これを硬化
させることにより作製することができる。なお、回路基
板35は、例えば、ガラス基板およびエポキシ基板など
の絶縁性基板に貫通孔を形成した後、絶縁性基板の表面
および貫通孔の内壁面に、メッキ法または蒸着法により
金属膜を形成し、これをパターニングしてランド電極3
4を形成することにより作製できる。
【0061】(第4の実施の形態)図4は、本発明の第
4の実施形態に係る電子部品実装体を示す図であり、
(a)が電子部品実装体の巨視的な構造を示す断面図、
(b)が部品電極と基板電極との接続部の微視的な構造
を示す断面図である。
【0062】本実施形態に係る電子部品実装体は、第1
の実施形態と同様に、パッド電極44が形成された回路
基板45上に、表面実装型の電子部品41が実装されて
なる。なお、電子部品41の部品電極42およびパッド
電極44は、金、銀、銅、鉛、ニッケルおよびこれらの
合金などで構成することができるが、後述するように、
少なくとも表面を低融点金属で構成することが好まし
い。
【0063】部品電極42とパッド電極44との間に
は、導電性樹脂43が介在しており、部品電極42とパ
ッド電極44との電気的な接続は、この導電性樹脂43
によって確保されている。
【0064】導電性樹脂43は、樹脂43aに金属フィ
ラー(図4(b)においては、43bおよび43cで構
成されている。)が分散されてなるものである。本実施
形態に係る電子部品実装体においては、導電性樹脂43
と部品電極42との界面、および、導電性樹脂43とパ
ッド電極44との界面の少なくとも一方において、金属
フィラーと電極とが金属結合を形成している。
【0065】なお、金属結合を形成している状態とは、
電極を構成する金属と、金属フィラーを構成する金属と
が、互いに融合して結晶または非結晶を形成した状態で
ある。具体的には、電極と金属フィラーとが融着した状
態が挙げられる。
【0066】電極と金属フィラーとの融着を容易にする
ため、電極表面および金属フィラー表面の少なくとも一
方は、低融点金属で構成されていることが好ましい。低
融点金属としては、例えば、半田、スズ、亜鉛、鉛、
銀、インジウムおよびビスマスなどを挙げることができ
る。
【0067】更に、本実施形態においては、導電性樹脂
43内部の少なくとも一部においては、金属フィラー同
士、特に、導電性樹脂と電極との界面に対して略平行な
方向に隣り合う金属フィラー同士は、互いに金属結合を
形成することなく、単に接触している。
【0068】導電性樹脂43を構成する樹脂43aとし
ては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネ
ート樹脂、アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂を使用する
ことができる。金属フィラーとしては、低融点金属層4
3cを備えた金属粉体43bを使用することが好まし
い。低融点金属層43cには、前述したような低融点金
属を使用することができる。また、金属粉体43bとし
ては、例えば、金、銀、銅、鉛、ニッケルおよびこれら
の合金などを使用することができる。更に、導電性樹脂
43は、硬化剤、カップリング剤、分散剤、着色剤、溶
媒などの各種添加剤を含有していてもよい。
【0069】本実施形態に係る電子部品実装体の製造方
法について説明する。まず、回路基板45表面に形成さ
れたパッド電極44の所定の箇所に、導電性樹脂43を
印刷する。導電性樹脂43としては、前述したように、
表面に低融点金属層43cを備えた金属フィラーを含有
するものを使用することが好ましい。続いて、回路基板
45上に、電子部品41を、部品電極42が導電性樹脂
43を介してパッド電極44と対向するように搭載した
後、導電性樹脂43を硬化させる。
【0070】次に、部品電極42およびパッド電極44
の少なくとも一方と、電極と導電性樹脂43との界面に
存在する金属フィラーとの間に、金属結合を形成する工
程を実施する。図5および図6は、各々、この工程の実
施方法の一例を説明するための模式図である。
【0071】図5に示すように、この工程は、部品電極
42およびパッド電極44の少なくとも一方に超音波を
印加することによって実施することができる。超音波の
印加は、超音波印加ツール46を電子部品41および部
品電極42の上部に押し当てることにより実施すること
ができる。このとき、部品電極42には、電極と導電性
樹脂43とを圧接させるような方向の圧力が印加される
が、この圧力は0.5〜50Pa、更には1〜10Pa
とすることが好ましい。
【0072】超音波の振動によって、部品電極42およ
びパッド電極44と、電極と導電性樹脂43との界面に
存在する金属フィラーとの間に摩擦が生じる。この摩擦
によって電極および金属フィラー表面が平滑化されると
ともに、摩擦熱によって電極と金属フィラーとを融着し
て、金属結合が形成される。
【0073】超音波の周波数は、10〜100kHz、
更には30〜70kHzとすることが好ましい。また、
振幅は、1〜30μm、更には3〜10μmとすること
が好ましい。また、処理時間は1〜90秒、更には5〜
10秒とすることが好ましい。
【0074】また、図6に示すように、電極と金属フィ
ラーとの間に金属結合を形成する工程は、部品電極42
およびパッド電極44の少なくとも一方に、赤外線48
を照射することにより実施することができる。赤外線の
照射は、遠赤外線ヒーターユニット47を用いて実施す
ることができるが、このとき、部品電極42およびパッ
ド電極44以外の部分は、赤外線を透過しない遮蔽材4
9で被覆しておくことが好ましい。
【0075】赤外線の照射による熱は、部品電極42お
よびパッド電極44から、電極と導電性樹脂43との界
面に存在する金属フィラー、すなわち電極と接触してい
る金属フィラーに速やかに伝導する。その結果、この金
属フィラーの少なくとも表面が溶融して電極と融着し、
金属結合が形成される。
【0076】赤外線48としては、主な波長が1.0〜
100μm、更には5〜30μmである、中赤外線およ
び遠赤外線を使用することが好ましい。
【0077】また、導電性樹脂43は熱伝導率が小さい
ため、赤外線の照射による熱は導電性樹脂の内部に存在
する金属フィラー、すなわち電極と直接接触していない
金属フィラーには伝導しにくい。よって、赤外線の照射
時間および出力を調整することにより、導電性樹脂と電
極との界面においては、金属フィラーを溶融して電極に
融着させながら、導電性樹脂内部の少なくとも一部にお
いては、金属フィラーの溶融を回避して金属フィラー同
士の融着を回避することが可能である。以上のことか
ら、赤外線の照射時間は、10〜90秒、更には20〜
50秒とすることが好ましい。また、赤外線の出力は
0.5〜10kW、更には3〜7kWとすることが好ま
しい。
【0078】以上の操作により、本実施形態に係る電子
部品実装体が作製されるが、更に、第1および第2の実
施形態と同様に、部品電極42およびパッド電極44の
少なくとも一部を被覆するような、導電性樹脂または絶
縁性樹脂を形成する工程を実施してもよい。
【0079】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて、本発明に係
る電子部品実装体について説明する。なお、作製した電
子部品実装体における回路基板と電子部品の接続強度
は、下記試験により評価した。
【0080】(引張り試験およびせん断試験)図7は、
引張り試験およびせん断試験の試験方法を説明するため
の模式図である。
【0081】引張り試験においては、回路基板2を固定
した状態で、電子部品1を挟持したチャックジグを上方
に引き上げ、電子部品1に、回路基板2の電子部品1が
実装された面に対して鉛直方向(図7のA方向)の引張
荷重を加え、基板電極と部品電極との接続部が破断する
までの最大引張り荷重(以下、「引張り接続強度」とす
る。)を測定した。なお、引張り速度は、60mm/分
とした。
【0082】せん断試験においては、回路基板2を固定
した状態で、電子部品1を挟持したチャックジグを横方
向に移動させ、電子部品1に、回路基板2の電子部品1
が実装された面に対して水平方向(図7のB方向)のせ
ん断荷重を加え、基板電極と部品電極との接続部が破断
するまでの最大せん断荷重(以下、「せん断接続強度」
とする。)を測定した。なお、チャックジグの移動速度
は、60mm/分とした。
【0083】(曲げ試験)図8は、曲げ試験の試験方法
を説明するための模式図である。回路基板2を、電子部
品1が実装された面(表面)を下方に向けて、2つの支
持部3上に水平に設置した。このとき、回路基板2は、
電子部品1が実装された部分が支持部3間のほぼ中央に
位置するように設置した。回路基板2を、支持部3間の
中央に位置する部分に上方から荷重を加えて湾曲させ、
基板電極と部品電極との接続部が破断または剥離し、回
路基板2から電子部品1が脱離したときの回路基板2の
曲げ変位(x;以下、「接続部破断変位」とする。)を
測定した。なお、支持部3間の距離Lは50mm、曲げ
速度は60mm/分とした。また、図8に示した矢印C
は、荷重印加方向を示すものである。
【0084】(落下衝撃試験)回路基板を、鋼鉄製定盤
の上方1.5mの位置に配置した後、定盤上に自由落下
させた。これを、定盤に対向する面が、各々、回路基板
表面(電子部品実装面)、裏面または側面(前後左右の
4面)となるように回路基板の配置方向を変化させて、
合計6回実施した。この一連の操作を10回繰り返し実
施した後、回路基板と電子部品との電気的な接続が破断
されたか否かを確認した。
【0085】(実施例1)図1と同様の構造を有する電
子部品実装体を、以下の要領で作製した。まず、回路基
板として、銅のパッド電極を備えた、0.5mm厚のF
R−4基板を用意した。また、表面実装形電子部品とし
て、表面に半田メッキ層を有する部品電極を備えた、1
608サイズのセラミックコンデンサを用意した。熱硬
化性エポキシ樹脂に銀フィラーを分散させてなる導電性
樹脂を、0.1mm厚のステンレス製メタルマスクを用
いて、回路基板のパッド電極上の所定箇所にスクリーン
印刷した。続いて、回路基板上に表面実装型電子部品
を、部品電極が導電性樹脂を介して基板電極と対向する
ように、チップマウンターで実装した。かかる後、マイ
クロディスペンサーを用いて、部品電極上に導電性樹脂
をディスペンスした。その後、乾燥硬化炉中に回路基板
を設置し、大気雰囲気で温度423K、時間30分で導
電性樹脂を硬化し、電子部品実装体を得た。
【0086】(実施例2)図2と同様の構造を有する電
子部品実装体を、以下の要領で作製した。まず、実施例
1と同様にして、回路基板上に表面実装型電子部品を、
部品電極が導電性樹脂を介して基板電極と対向するよう
に、チップマウンターで実装した。かかる後に、アクリ
ル樹脂をアルコールで希釈した樹脂組成物を部品電極が
実装された回路基板にスプレー法で塗布し、絶縁性樹脂
を形成した。その後、乾燥硬化炉中に回路基板を設置
し、大気雰囲気で温度423K、時間30分で、導電性
樹脂および絶縁性樹脂を硬化し、電子部品実装体を得
た。
【0087】(比較例1)図9と同様の構造を有する電
子部品実装体を、以下の要領で作製した。実施例1と同
様にして、回路基板上に表面実装型電子部品を、部品電
極が導電性樹脂を介して基板電極と対向するように、チ
ップマウンターで実装した。その後、乾燥硬化炉中に回
路基板を設置し、大気雰囲気で温度423K、時間30
分で導電性樹脂を硬化し、電子部品実装体を得た。
【0088】(比較例2)電子部品および回路基板とし
て、実施例1と同様のものを用意した。次に、電子部品
の部品電極表面に半田を形成した後、回路基板上に電子
部品を、部品電極が半田を介して基板電極と対向するよ
うに、チップマウンターで実装した。その後、温度51
3Kで半田をリフローし、電子部品実装体を得た。
【0089】上記の実施例1および2、比較例1および
2で作製した各電子部品実装体について、引張り試験、
せん断試験および曲げ試験を実施し、部品電極と基板電
極との接続強度を評価した。結果を、表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】表1に示すように、実施例1および2と、
比較例1との比較から、部品電極と基板電極との接続部
に導電性樹脂を使用した電子部品実装体においては、部
品電極を樹脂で被覆することにより、部品電極と基板電
極との接続強度、特に引張りに対する接続強度が改善さ
れることが確認できた。
【0092】(実施例3)図3と同様の構造を有する電
子部品実装体を、以下の要領で作製した。まず、回路基
板として、スルーホールと、基板表面のスルーホール周
辺に形成されたランド電極とを備えた、0.5mm厚の
FR−4基板を用意した。なお、ランド電極は銅で構成
した。また、挿入型電子部品として、表面に半田メッキ
層が形成された直径0.76mmのリード電極を備えた
アルミ電解コンデンサを用意した。回路基板上に挿入型
電子部品をチップマウンターで実装し、リード電極を回
路基板のスルーホールに挿入した。このとき、リード電
極の回路基板裏面に突出した部分を屈曲させた。次に、
導電性樹脂にて、リード電極の回路基板裏面に突出した
部分とランド電極とを被覆した。なお、導電性樹脂とし
ては、実施例1と同様のものを使用した。その後、熱風
循環炉中に回路基板を設置し、温度427K、時間30
分で導電性樹脂を硬化し、電子部品実装体を得た。
【0093】(比較例3)電子部品および回路基板とし
て、実施例3と同様のものを用意した。次に、回路基板
上に挿入型電子部品をチップマウンターで実装し、リー
ド電極を回路基板のスルーホールに挿入すると共に、リ
ード電極の回路基板裏面に突出した部分を屈曲させた。
かかる後、半田にて、リード電極の回路基板裏面に突出
した部分とランド電極とを被覆して接続し、電子部品実
装体を得た。
【0094】上記の実施例3および比較例3で作製した
各電子部品実装体について、引張り試験および落下衝撃
試験を実施した。結果を、表2に示す。なお、落下衝撃
試験の結果は、10回の落下試験実施後の接続部破断の
有無を記録したものである。
【0095】
【表2】
【0096】表2に示すように、実施例3の電子部品実
装体は、リード電極とランド電極との接続に導電性樹脂
を使用しながらも、半田を使用した比較例3と比較し
て、その接続強度に著しい遜色はなかった。
【0097】(実施例4)図4と同様の構造を有する電
子部品実装体を、以下の要領で作製した。まず、回路基
板として、銅のパッド電極を備えた、0.5mm厚のF
R−4基板を用意した。また、表面実装形電子部品とし
て、表面に半田メッキ層を有する部品電極を備えた、1
608サイズのセラミックコンデンサを用意した。熱硬
化性エポキシ樹脂に金属フィラーを分散させてなる導電
性樹脂を、0.1mm厚のステンレス製メタルマスクを
用いて、回路基板のパッド電極上の所定箇所にスクリー
ン印刷した。なお、金属フィラーとしては、平均粒径1
0μmの銅粉表面を、厚みが約0.5μmの半田メッキ
層で被覆したものを使用した。なお、半田メッキ層は、
融点が453Kの半田を使用して形成した。続いて、回
路基板上に表面実装型電子部品を、部品電極が導電性樹
脂を介して基板電極と対向するように、チップマウンタ
ーで実装した。その後、大気雰囲気で温度423K、時
間30分で導電性樹脂を硬化した。
【0098】次に、部品電極および基板電極以外の部分
は遠赤外線を透過しないメタルマスクによって遮蔽した
状態で、部品電極および基板電極の一部に遠赤外線を照
射し、電子部品実装体を得た。遠赤外線の照射は、主な
波長が5〜30μmの遠赤外線を放射するヒーターユニ
ットを用い、ヒーターユニットの表面温度を723K
(熱電対による測定値)、照射時間を60秒として実施
した。
【0099】(実施例5)図4と同様の構造を有する電
子部品実装体を、以下の要領で作製した。まず、実施例
4と同様にして、回路基板上に表面実装型電子部品を、
部品電極が導電性樹脂を介して基板電極と対向するよう
に、チップマウンターで実装した。
【0100】かかる後に、電子部品の上部に超音波印加
ツールを押し当て、部品電極に超音波を印加し、電子部
品実装体を得た。超音波の印加は、超音波印加ツールと
して周波数60kHz、振幅10μmの超音波を発信す
るものを使用し、発信出力を50W、電子部品に印加す
る押圧荷重を490N、加圧時間を0.5秒間として実
施した。
【0101】上記実施例4および5で作製した各電子部
品実装体について、曲げ試験を実施し、基板電極と部品
電極との接続強度を評価した。結果を、表3に示す。
【0102】
【表3】
【0103】表2に示すように、実施例4および5にお
いては、導電性樹脂の硬化後、部品電極および基板電極
に遠赤外線の照射または超音波の印加を実施することに
より、部品電極と基板電極との間に十分な接続強度が得
られることが確認できた。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の電
子部品実装体によれば、基板電極を備えた回路基板に、
部品電極を備えた電子部品が実装されてなる電子部品実
装体であって、前記基板電極と前記部品電極とが導電性
樹脂である第1の樹脂を介して接合されており、前記電
子部品の前記回路基板と対向する面とは反対の面から、
前記回路基板の前記電子部品と対向する面にかけて形成
された第2の樹脂を備えているため、電子部品と回路基
板との接続強度が良好な電子部品実装体とすることがで
きる。
【0105】また、本発明の第2の電子部品実装体によ
れば、基板電極を備えた回路基板に、部品電極を備えた
電子部品を実装してなる電子部品実装体であって、前記
基板電極が、前記回路基板の前記電子部品と対向する面
とは反対の面に形成され、前記部品電極が、前記回路基
板に形成された貫通孔に挿入されており、前記部品電極
と前記基板電極とが、導電性樹脂によって接合されてい
るため、電子部品と回路基板との接続強度が良好な電子
部品実装体とすることができる。
【0106】また、本発明の第3の電子部品実装体によ
れば、基板電極を備えた回路基板に、部品電極を備えた
電子部品を実装してなる電子部品実装体であって、前記
基板電極と前記部品電極とが金属フィラーを含む導電性
樹脂を介して接合されており、前記導電性樹脂と前記部
品電極との界面および前記導電性樹脂と前記基板電極と
の界面の少なくとも一方において、前記金属フィラーが
前記部品電極または前記基板電極と金属結合を形成して
おり、且つ、前記導電性樹脂内部の少なくとも一部にお
いて、前記金属フィラー同士が金属結合を形成すること
なく接触しているため、電子部品と回路基板との間の接
続強度が良好であり、導電性樹脂の柔軟性が十分に確保
され、電気抵抗の変動が抑制された電子部品実装体とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る電子部品実装
体の構造を示す断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態に係る電子部品実装
体の構造を示す断面図である。
【図3】 本発明の第3の実施形態に係る電子部品実装
体の構造を示す断面図である。
【図4】 本発明の第4の実施形態に係る電子部品実装
体の構造を示す断面図である。
【図5】 本発明の第4の実施形態に係る電子部品実装
体の製造において、金属フィラーと電極との金属結合を
形成する方法の一例を説明するための模式図である。
【図6】 本発明の第4の実施形態に係る電子部品実装
体の製造において、金属フィラーと電極との金属結合を
形成する方法の別の一例を説明するための模式図であ
る。
【図7】 引張り試験およびせん断試験の試験方法を説
明するための模式図である。
【図8】 曲げ試験の試験方法を説明するための模式図
である。
【図9】 従来の電子部品実装体の構造を示す断面図で
ある。
【図10】 従来の電子部品実装体の構造を示す断面図
である。
【図11】 従来の電子部品実装体の構造を示す断面図
である。
【符号の説明】
11、21、31、41、51、61、71 電子
部品 12、22、32、42、52、62、72 部品
電極 13、23、33、43、53、63、73 導電
性樹脂 14、24、34、44、54、64、74 基板
電極 15、25、35、45、55、65、75 回路
基板 26、66 絶縁
性樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板垣 峰広 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E319 AA02 AA03 AA07 AB01 AB05 AC02 AC11 BB13 CC70 CD17 CD27 GG11 5E336 AA01 AA04 BB01 BB16 BB17 BC04 BC15 BC31 BC34 CC02 CC12 CC32 CC36 EE08 EE15 GG16 GG23

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板電極を備えた回路基板に、部品電極
    を備えた電子部品が実装されてなる電子部品実装体であ
    って、前記基板電極と前記部品電極とが導電性樹脂であ
    る第1の樹脂を介して接合されており、前記電子部品の
    前記回路基板と対向する面とは反対の面から、前記回路
    基板の前記電子部品と対向する面にかけて形成された第
    2の樹脂を備えていることを特徴とする電子部品実装
    体。
  2. 【請求項2】 前記第2の樹脂が、前記部品電極の前記
    基板電極と対向する面とは反対の面から、前記部品電極
    と対向する前記基板電極にかけて形成されている請求項
    1に記載の電子部品実装体。
  3. 【請求項3】 前記第2の樹脂が、導電性樹脂である請
    求項1または2に記載の電子部品実装体。
  4. 【請求項4】 前記第2の樹脂が、絶縁性樹脂である請
    求項1または2に記載の電子部品実装体。
  5. 【請求項5】 基板電極を備えた回路基板に、部品電極
    を備えた電子部品を実装してなる電子部品実装体であっ
    て、前記基板電極が、前記回路基板の前記電子部品と対
    向する面とは反対の面に形成され、前記部品電極が、前
    記回路基板に形成された貫通孔に挿入されており、前記
    部品電極と前記基板電極とが、導電性樹脂によって接合
    されていることを特徴とする電子部品実装体。
  6. 【請求項6】 前記部品電極の一部が、前記回路基板の
    前記基板電極が形成された面から突出し、且つ、前記導
    電性樹脂で被覆されている請求項5に記載の電子部品実
    装体。
  7. 【請求項7】 前記部品電極の一部が、前記回路基板の
    前記基板電極が形成された面から突出し、且つ、屈曲し
    ている請求項5または6に記載の電子部品実装体。
  8. 【請求項8】 基板電極を備えた回路基板に、部品電極
    を備えた電子部品を実装してなる電子部品実装体であっ
    て、前記基板電極と前記部品電極とが金属フィラーを含
    む導電性樹脂を介して接合されており、前記導電性樹脂
    と前記部品電極との界面および前記導電性樹脂と前記基
    板電極との界面の少なくとも一方において、前記金属フ
    ィラーが前記部品電極または前記基板電極と金属結合を
    形成しており、且つ、前記導電性樹脂内部の少なくとも
    一部において、前記金属フィラー同士が金属結合を形成
    することなく接触していることを特徴とする電子部品実
    装体。
  9. 【請求項9】 前記導電性樹脂内部の少なくとも一部に
    おいて、前記金属フィラーが、前記部品電極と前記基板
    電極との間に電流を流したとき前記電流が流れる方向に
    略垂直な方向に隣接する別の前記金属フィラーと、金属
    結合を形成することなく接触している請求項8に記載の
    電子部品実装体。
  10. 【請求項10】 前記金属フィラーの表面が、半田、ス
    ズ、亜鉛、鉛、銀、インジウムおよびビスマスから選ば
    れる少なくとも1種の金属で構成されている請求項8ま
    たは9に記載の電子部品実装体。
  11. 【請求項11】 前記部品電極および前記基板電極の少
    なくとも一方の表面が、半田、スズ、亜鉛、鉛、銀、イ
    ンジウムおよびビスマスから選ばれる少なくとも1種の
    金属で構成されている請求項8または9に記載の電子部
    品実装体。
  12. 【請求項12】 回路基板に形成された基板電極と、電
    子部品に形成された部品電極とを、導電性樹脂である第
    1の樹脂を介して接合する工程と、前記回路基板および
    前記電子部品の品質を検査する工程と、前記電子部品の
    前記回路基板と対向する面とは反対の面から、前記回路
    基板の前記電子部品と対向する面にかけて、第2の樹脂
    を形成する工程とを、この順で含むことを特徴とする電
    子部品実装体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記回路基板および前記電子部品の品
    質を検査する工程の後であって、前記第2の樹脂を形成
    する工程の前に、前記回路基板に接合された前記電子部
    品を、別の電子部品と交換する工程を実施する請求項1
    2に記載の電子部品実装体の製造方法。
  14. 【請求項14】 回路基板に形成された基板電極と、電
    子部品に形成された部品電極とを、金属フィラーを含む
    導電性樹脂を介して接合する工程と、前記導電性樹脂内
    部に前記金属フィラー同士が金属結合を形成することな
    く接触している領域を残存させながら、前記基板電極お
    よび前記部品電極の少なくとも一方と、前記金属フィラ
    ーとの間に金属結合を形成させる工程とを含むことを特
    徴とする電子部品実装体の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記金属結合を形成させる工程が、前
    記基板電極および前記部品電極の少なくとも一方に、赤
    外線を照射する工程である請求項14に記載の電子部品
    実装体の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記金属結合を形成させる工程が、前
    記基板電極および前記部品電極の少なくとも一方に、超
    音波を印加する工程である請求項14に記載の電子部品
    実装体の製造方法。
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