JP2000329962A - 光分岐装置及びこれを用いた光バス回路 - Google Patents

光分岐装置及びこれを用いた光バス回路

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JP2000329962A
JP2000329962A JP11283565A JP28356599A JP2000329962A JP 2000329962 A JP2000329962 A JP 2000329962A JP 11283565 A JP11283565 A JP 11283565A JP 28356599 A JP28356599 A JP 28356599A JP 2000329962 A JP2000329962 A JP 2000329962A
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勉 浜田
紀 ▲高▼梨
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純二 岡田
Shinya Kyozuka
信也 経塚
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秀則 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透光性媒体の長さを長くすることなく各光フ
ァイバに対する分岐比率を概ね均一にすることができ、
しかも構成の簡素化を図ることができる光分岐装置等を
得る。 【解決手段】 導光媒体1の入射側の端面には、出射側
の端面の形状に合わせて拡散特性における広がり角を制
御する光拡散層2が設けられている。光拡散層2によっ
て拡散された拡散信号光51は直接入射光51aと全反
射入射光51b、51cとが重なって光ファイバ3bへ
入射される。他の光ファイバ3a、3c〜3hについて
も同様である。よって、透光性媒体1の長さを長くする
ことなく各光ファイバ3a〜3hに対する分岐比率を概
ね均一にすることができ、しかも構成の簡素化を図るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透光性媒体に入射
された信号光を複数の光伝送線路に分岐させる光分岐装
置及び複数の回路基板間において光信号の伝送を担う光
データバスを構成する光バス回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
複数のマイクロプロセッサを結合したマルチマイクロプ
ロセッサシステムが増加しており、このプロセッサ間の
データ伝送路として、光ファイバが用いられるようにな
った。光ファイバを用いて複数のプロセッサ間を接続す
るためには、複数の光ファイバに分岐したり、複数の光
ファイバからの光信号を1つの光ファイバに集めたりす
る光スターカプラが必要となる。
【0003】この種の光スターカプラの開示例として
は、特開平7−209543号公報に開示された導波路
型光スターカプラがある。この導波路型光スターカプラ
では、低コストで低損失な分岐を可能とするために、屈
折率の大きい矩形板状のコア部を中央に配置すると共に
その上下左右面に当該コア部よりも屈折率が小さい平面
基板状の複数のクラッド部を光学的に接合することで光
導波路を形成し、更に光導波路の一方の端面には複数本
に分岐された光ファイバアレイを接続し、他方の端面に
は反射面を形成することでミキシング部を設けるように
なっている。しかしながら、上記構成による場合、分岐
数が増えた場合において信号光の強度を均等にしようと
すると、ミキシング部の長さを十分に長くしなければな
らないという問題がある。
【0004】また、低コストで低損失な分岐を可能とす
る別の技術として、特開平6−265747号公報に開
示された光分岐伝送路がある。この光分岐伝送路では、
発光素子とバンドル部との間に開口数の大きなレンズと
開口数の小さなレンズを設ける構成をとっている。しか
しながら、上記構成による場合、16分岐の例では、中
央にバンドルされた光ファイバの強度が周辺にバンドル
された光ファイバの強度に比べて高くなり、信号光の強
度にバラツキが生じるという問題がある。
【0005】これに対し、分岐された信号光の強度を均
一化する技術として、特開平9−184941号公報に
開示された光スターカプラがある。この光スターカプラ
は、概略的には、光ファイバの片端を束ねて固定しその
端面を平面に形成したバンドル部と、一方の端面がバン
ドル部の端面に当接しコア部を覆って導波路を構成する
ミキシング部と、ミキシング部の他方の端面に配置され
た光拡散反射手段とを含んで構成されている。前記公報
にはいくつかの実施例が開示されているが、そのいずれ
についても問題点がある。
【0006】第一の実施例では、円形のバンドル部を有
し、光拡散反射手段で反射した光を閉じ込める構造とな
っているが、光ファイバの開口数以上に拡散された光は
光ファイバに効率よく結合されない。また、束ねられた
光ファイバのコア以外の部分には反射手段を設け多重反
射により損失を少なく出来るとあるが、反射損失があ
り、多重反射すると反射損失は大きくなる。第二の実施
例では、ミキシング部に屈折率分布を持たせて均一性を
向上させるものであるが、屈折率分布を精度よく制御す
ることは困難である。第三の実施例では、光ファイバを
円周上に配置しミキシング部を中心からクラッド、コ
ア、クラッドのドーナツ構造としているが、均一性を向
上させるためには光ファイバから出射された光が円周上
を1周以上広がる必要があり、ミキシング部の長さを長
くしなければならないという問題がある。第四の実施例
では、矩形のミキシング部を有する構造を取っている
が、X軸とY軸の長さが違う場合にはZ軸の長さを十分
に取らないと均一にすることは出来ない。第五の実施例
では、第三、第四の実施例において光反射拡散手段を設
けるものであるが、光ファイバの開口数以上に拡散され
た光は光ファイバに効率よく結合されない。
【0007】上述した従来の技術の問題点を整理する
と、信号光を均一に分岐させるためにはミキシング部の
長さを十分長くしなければならないという問題がある。
また、均一化を向上させる手段として屈折率分布型ミキ
シング部を用いる方法があるが、屈折率分布を精度よく
制御することは困難であり、構成の複雑化を招く。さら
に、光拡散反射手段を設けた場合には、ミキシング部の
長さを短く出来るが、光ファイバの開口数以上に拡散さ
れた光は光ファイバに結合されず損失となってしまうと
いう問題がある。
【0008】一方、超大規模集積回路(VSLI)の開
発により、データ処理システムで使用する回路基板(ド
ーターボード)の回路機能が大幅に増大してきている。
回路機能が増大するにつれて各回路基板に対する信号接
続数が増大するため、各回路基板間をバス構造で接続す
るデータバスボード(マザーボード)には多数の接続コ
ネクタと接続線を必要とする並列アーキテクチャが採用
されている。接続線の多層化と微細化により並列化を進
めることにより並列バスの動作速度の向上が計られてき
たが、接続配線間容量や接続配線抵抗に起因する信号遅
延により、システムの処理速度が並列バスの動作速度に
よって制限される。また、並列バス接続配線の高密度化
による電磁ノイズ(EMI:Electromagnetic Interferenc
e) の問題等からも、光インターコネクションと呼ばれ
るシステム内光接続技術が検討されている。
【0009】従来提案された様々な形態の光インターコ
ネクション技術において、発光又は受光素子が搭載され
た回路基板間の光データ伝送方式を行う方式として、特
開平2−41042号では、各回路基板の表裏両面に発
光/受光デバイスを配置し、システムフレームに組み込
まれた隣接する回路基板上の発光/受光デバイス間を空
間的に光で結合した、各回路基板相互間のループ伝送用
の直列光データ・バスが提案されている。この方式で
は、ある1 枚の回路基板から送られた信号光が隣接する
回路基板で光/電気変換され、さらにその回路基板でも
う一度電気/光変換されて、次に隣接する回路基板に信
号光を送るというように、各回路基板が順次直列に配列
され各回路基板上で光電気変換、電気/光変換を繰り返
しながらシステムフレームに組み込まれたすべての回路
基板間に伝達される。
【0010】しかしながら、前記公報に開示された技術
による場合、各回路基板相互間のデータ伝送を行うため
に、各回路基板上に配置された受光/発光デバイスによ
る、自由空間を介在させた光結合を用いているため、隣
接する光データ伝送路間の干渉(クロストーク)が発生
しデータの伝送不良が予想される。また、システムフレ
ーム内の環境、例えば埃などにより信号光が散乱するこ
とによりデータの伝送不良が発生することも予想され
る。
【0011】本発明は上記事実を考慮し、透光性媒体の
長さを長くすることなく各光ファイバに対する分岐比率
を概ね均一にすることができ、しかも構成の簡素化を図
ることができる光分岐装置を得ること、さらには伝送損
失を極力抑えることができる光分岐装置を得ること、さ
らにはデータの伝送不良を防止でき、光の利用効率が高
く、分岐均一性が良好な光バス回路を提供することが目
的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の本発明に係る光分岐装置は、透光性
媒体に入射された信号光を複数の光伝送線路に分岐させ
る光分岐装置であって、前記透光性媒体の入射側の端面
に光拡散部を設け、当該光拡散部の拡散特性における広
がり角を当該透光性媒体の出射側の端面の形状に合わせ
て制御した、ことを特徴としている。
【0013】上記構成の本発明によれば、透光性媒体の
光拡散層へ入射された信号光は、当該光拡散層によって
拡散されながら、透光性媒体内を伝搬していく。透光性
媒体内を伝搬した拡散信号光は、当該透光性媒体の出射
側の端面から出射されて、複数の光伝送線路に分岐され
てそれぞれ入射される。これにより、信号光に担持され
た信号が各光伝送線路に伝送される。
【0014】ここで、本発明では、透光性媒体の入射側
の端面に設けられた光拡散部の拡散特性における広がり
角を当該透光性媒体の出射側の端面の形状に合わせて制
御したので、透光性媒体内で反射せずに出射側の端面の
所定位置に到達する信号光と透光性媒体内で全反射して
から出射側の端面の所定位置に到達する信号光とを重ね
合わせた信号光が各光ファイバに入射される。このとき
の重ね合わせの程度、即ち信号光の結合強度が殆ど同じ
になるようにすれば、各光ファイバに概ね均一に信号光
を分岐させることが可能になる。
【0015】また、本発明では、透光性媒体の入射側の
端面に光拡散部を設け、入射した信号光を当該光拡散部
によって拡散させることとしたので、透光性媒体の長さ
を短くしても、各光ファイバに対する分岐比率を概ね均
一にすることができる。
【0016】さらに、本発明では、透光性媒体の入射側
の端面に光拡散部を設け、当該光拡散部の拡散特性にお
ける広がり角を当該透光性媒体の出射側の端面の形状に
合わせて制御するという構成なので、屈折率分布を精度
よく制御する従来の技術に比べて、構成の簡素化を図る
ことができる。
【0017】また、本発明の目的は請求項1記載の本発
明を具体的にした請求項2以下の発明によっても達成さ
れる。すなわち、請求項2記載の本発明に係る光分岐装
置は、請求項1に記載の発明において、前記光拡散部の
拡散特性における広がり角を、前記光伝送線路の開口数
に対応して決まる損失のない所定角度以下に設定した、
ことを特徴とするものである。
【0018】また、請求項3記載の本発明に係る光分岐
装置は、請求項1に記載の発明において、前記光伝送線
路の入射側の端面の形状を、前記透光性媒体の出射側の
端面の形状に略一致させた、ことを特徴とするものであ
る。
【0019】さらに、請求項4記載の本発明に係る光分
岐装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発
明において、前記光拡散部の拡散特性における広がり角
を、前記透光性媒体の入射側の端面から見た出射側の端
面の最大の見込み角の3倍以上の所定角度に設定した、
ことを特徴とするものである。
【0020】また、請求項5記載の本発明に係る光分岐
装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明
において、前記透光性媒体へ信号光を入射させる複数の
入射光伝送線路及び前記透光性媒体からの信号光を出射
させる複数の出射光伝送線路の少なくとも一方が光ファ
イバで構成されている、ことを特徴とするものである。
【0021】また、上記目的を達成するため、請求項6
記載の本発明に係る光バス回路は、電気信号を光信号に
変換する光送信回路及び光信号を電気信号に変換する光
受信回路を有する複数の回路基板と、各回路基板ごとに
支持基板上に設置された複数の電気コネクタと、各回路
基板の光送信回路が備える発光素子から出射された信号
光を伝送する第1の光ファイバと、この第1の光ファイ
バから伝送されてきた信号光を分岐する請求項1乃至請
求項5のいずれかに記載された光分岐装置と、この光分
岐装置によって分岐された信号光を任意の複数の回路基
板の光受信回路が備える受光素子に伝送する第2の光フ
ァイバと、を含んで構成されている、ことを特徴として
いる。
【0022】上記構成の本発明によれば、各回路基板の
光送信回路の発光素子から信号光が出射されると、当該
信号光は第1の光光ファイバを通って伝送される。伝送
されてきた信号光は、上述した請求項1乃至請求項5の
いずれかに記載された光分岐装置に入射される。この光
分岐装置で拡散・分岐された信号光は、第2の光ファイ
バを通って、任意の複数の回路基板の光受信回路が備え
る受光素子に受光されて伝送される。
【0023】このように本発明では、光送信回路及び光
受信回路を有する複数の回路基板間において、光送信回
路の発光素子から出射された信号光を第1の光ファイバ
を介して伝送した後、光分岐装置で拡散及び分岐させ、
更に当該分岐された信号光を第2の光ファイバを介して
任意の複数の回路基板の光受信回路が備える受光素子に
受光させて伝送させることとしたので、自由空間を介し
た光結合方式の従来構造に比し、隣接する光データ伝送
路間の干渉(クロストーク)が無くなり、システム内の
環境の影響を受ける(即ち、塵や埃などによる信号光の
散乱が生じる)ことも無くなる。従って、本発明によれ
ば、データの伝送不良を防止することができる。
【0024】また、本発明では、第1の光ファイバと第
2の光ファイバとを請求項1乃至請求項5のいずれかに
記載された光分岐装置で接続するため、請求項1乃至請
求項5のいずれかに記載された光分岐装置が奏す作用効
果はそのまま活かされる。よって、本発明によれば、光
の利用効率が高く、分岐均一性が良好な光バス回路を提
供することができる。
【0025】また、本発明の目的は請求項6記載の本発
明を具体的にした請求項7以下の発明によっても達成さ
れる。すなわち、請求項7記載の本発明に係る光バス回
路は、請求項6に記載の発明において、前記光バス回路
における支持基板の表裏両面に前記電気コネクタが設置
されて前記回路基板が接続可能とされている、ことを特
徴とするものである。
【0026】また、請求項8記載の本発明に係る光バス
回路は、請求項6又は請求項7記載の発明において、前
記光バス回路における前記第1の光ファイバ、前記光分
岐装置、及び前記第2の光ファイバの少なくとも一つ
が、前記三者が配設される光バス回路基板に埋設されて
いる、ことを特徴とするものである。
【0027】また、請求項9記載の本発明に係る光バス
回路は、請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の発明
において、前記光バス回路における前記第1の光ファイ
バ及び前記第2の光ファイバは、光ファイバ芯線であ
る、ことを特徴とするものである。
【0028】さらに、請求項10記載の本発明に係る光
バス回路は、請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の
発明において、前記光バス回路における第1の光ファイ
バ及び第2の光ファイバは、複数の光ファイバ芯線が束
ねられたバンドルファイバである、ことを特徴とするも
のである。
【0029】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕以下、図1及び
図2を用いて本発明の第1実施形態に係る光分岐装置1
0について説明する。
【0030】図1には、本実施形態に係る光分岐装置1
0の概略構成が斜視図にて示されている。この図に示さ
れるように、光分岐装置10は、直方体形状の透光性媒
体1を備えている。透光性媒体1の入射側の端面には、
「光拡散部」としての光拡散層2が配設されている。ま
た、透光性媒体1の出射側の端面には、合計8本の「光
伝送線路」としての光ファイバ3a〜3hの端部が上下
各4本ずつ2段に束ねられた状態で配置されている。す
なわち、本実施形態の光分岐装置10は、入射された信
号光5を8分岐させる光分岐装置である。なお、本実施
形態では、透光性媒体1の出射側の端面に配設する光フ
ァイバの本数を8本にしたが、これに限らず複数本であ
ればよい。さらに、透光性媒体1の上面及び下面並びに
左側面及び右側面には、当該透光性媒体1よりも屈折率
が低いクラッド層11(図2参照)がそれぞれ配設され
ている。これにより、クラッド層11によって包囲され
た透光性媒体1は、導波路を形成するコア部として機能
する。
【0031】ここで、本実施形態では、上述した光拡散
層2の拡散特性における広がり角が透光性媒体1の出射
側の端面の形状に合わせて制御されている。より具体的
に説明すると、本実施形態では、透光性媒体1の出射側
の端面の形状が、幅方向(左右方向)の長さが厚さ方向
(上下方向)の長さの2倍である矩形状をなしているこ
とから、左右方向と上下方向とで異なる拡散特性(即
ち、左右方向への拡散による広がり角が上下方向への拡
散による広がり角の2倍となるような拡散特性)を示す
光拡散層2が用いられている。さらに、言及すると、光
拡散層2の拡散特性における広がり角は、光ファイバ3
a〜3hの開口数に対応して決まる損失のない所定角度
以下となるように設定されている。例えば、光ファイバ
3a〜3hの開口数NAが0.5であれば、光拡散層2
の拡散特性における広がり角は30度以下となるように
設定される。
【0032】なお、上記のような個別制御が可能な光拡
散層2としては、例えば、LSD(Physical Optics Co
rporation 製)などがある。或るいは、このような上下
方向と左右方向とで異なる拡散特性を示す光拡散層2
は、米国特許5,365,354号に開示されているよ
うな位相体積型ホログラム媒体にビーム形状が長方形の
スペックルパターンを記録する方法などによって得るこ
とができる。
【0033】次に、本実施形態の作用並びに効果につい
て説明する。
【0034】透光性媒体1の光拡散層2へ入射された信
号光5は、当該光拡散層2によって左右方向及び上下方
向へ拡散されながら、透光性媒体1内を伝搬していく。
透光性媒体1内を伝搬した拡散信号光51は、当該透光
性媒体1の出射側の端面から出射されて、8本の光ファ
イバ3a〜3hに分岐されてそれぞれ入射される。これ
により、信号光5に担持された信号が各光ファイバ3a
〜3hに伝送される。
【0035】ここで、光拡散層2によって拡散された信
号光5の左右方向への広がり角が透光性媒体1の出射側
の端面の左右方向の長さよりも大きければ、図2(A)
に示される如く、光拡散層2によって左右に拡散された
信号光5は、少なくとも1回は透光性媒体1と左右のク
ラッド層11との界面で全反射されることになる。よっ
て、光拡散層2によって拡散された信号光5の左右方向
への広がり角を適宜選択することにより、複数の方向に
拡散された信号光5が各光ファイバ3a〜3hに均等に
入射され、各光ファイバ3a〜3hでの結合強度を殆ど
同じにすることができる。
【0036】一方、透光性媒体1の出射側の端面の上下
方向の長さは左右方向の長さの1/2である。しかし、
この場合においても、光拡散層2によって拡散された拡
散信号光51の上下方向への広がり角が透光性媒体1の
出射側の端面の上下方向の長さよりも大きければ、図2
(B)に示される如く、光拡散層2によって上下に拡散
された拡散信号光51は、少なくとも1回は透光性媒体
1の上下のクラッド層11との界面で反射されることに
なる。よって、光拡散層2によって拡散された拡散信号
光51の上下方向への広がり角を適宜選択することによ
り、複数の方向に拡散された拡散信号光51が各光ファ
イバ3a〜3hに均等に入射され、各光ファイバ3a〜
3hでの結合強度を殆ど同じにすることができる。
【0037】その結果、本実施形態によれば、各光ファ
イバ3a〜3hに対する分岐比率を均一にすることがで
きる。また、本実施形態では、透光性媒体1の入射側の
端面に光拡散層2を設け、入射した信号光5を当該光拡
散層2によって拡散させることとしたので、各光ファイ
バ3a〜3hに対する分岐比率の均一化を図るために透
光性媒体1の長手方向の寸法を長くする必要もない。す
なわち、本実施形態によれば、透光性媒体1の長手方向
の寸法を短くすることができる。さらに、本実施形態で
は、透光性媒体1の入射側の端面に光拡散層2を設け、
当該光拡散層2の拡散特性における広がり角を当該透光
性媒体1の出射側の端面の形状に合わせて制御するとい
う構成なので、屈折率分布を精度よく制御する従来の技
術に比べて、構成の簡素化を図ることができる。加え
て、これらの効果が得られることにより、本実施形態に
よれば、光分岐装置10の小型化をも図ることが可能と
なる。
【0038】また、本実施形態では、光拡散層2の拡散
特性における広がり角を、光ファイバ3a〜3hの開口
数に対応して決まる損失のない所定角度以下となるよう
に設定したので、伝送損失を極力抑えることができる。
つまり、透光性媒体1の出射側の端面から出射された信
号光5が、仮に光ファイバ3a〜3hの開口数に対応し
て決まる損失のない所定角度を超えて入射されると、そ
の信号光5は光ファイバ3a〜3hに入射されても再び
光ファイバ3a〜3hから放出されてしまう。この放出
された信号光5は伝送損失となる。しかし、本実施形態
のように、光拡散層2の拡散特性における広がり角を、
光ファイバ3a〜3hの開口数に対応して決まる損失の
ない所定角度以下となるように設定すれば、当該光ファ
イバ3a〜3h内へ入射された信号光5が放出されるこ
となく光ファイバ3a〜3h内を伝搬していく。よっ
て、本実施形態によれば、上記の如く伝送損失を極力抑
えることができる。
【0039】〔第2実施形態〕次に、図3を用いて、本
発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形
態は基本的には前述した第1実施形態の説明の中で説明
し得る内容であるが、作用・効果をより分かりやすくす
るために第2実施形態として書き起こしたものである。
【0040】図3に示されるように、この実施形態は、
透光性媒体1の入射側の端面から見た出射側の端面の最
大の見込み角をθとした場合に、光拡散層2によって拡
散される拡散信号光51の左右方向への広がり角θ’が
前記見込み角θの3倍以上の所定角度に設定されている
ことが望ましい、ということを主たる内容とするもので
ある。
【0041】上記のように光拡散層2によって拡散され
る拡散信号光51の左右方向への広がり角θ’を見込み
角θの3倍以上の所定角度に設定した場合、光拡散層2
によって左右に拡散された拡散信号光51は、少なくと
も1回は透光性媒体1と左右のクラッド層11との界面
で全反射されて出射側の端面から出射される。このと
き、仮に広がり角θ’が3θより小さい角度の場合に
は、8本ある光ファイバ3a〜3hのうち、真ん中側で
の結合強度が強くなり、周辺側での結合強度が弱くなる
傾向になり、結合強度の均一化が図れなくなる。これに
対して、広がり角θ’を3θとした場合には、前述した
第1実施形態の図2(A)を用いて説明すると、光ファ
イバ3bに入射される拡散信号光51について着目した
とすれば、左右のクラッド層11との界面で反射せずに
出射側の端面の所定位置(即ち、光ファイバ3bの配置
位置)に到達する1本の拡散信号光(直接入射光)51
aと左右のクラッド層11との界面で全反射してから当
該所定位置に到達する2本の拡散信号光(全反射入射
光)51b、51cとを重ね合わせた合計3本の拡散信
号光51a〜51cが光ファイバ3bに入射される。他
の光ファイバ3a、3c〜3hについても全く同様であ
る。よって、このようにすれば、各光ファイバ3a〜3
hでの結合強度を均一にすることができる。その結果、
本実施形態によれば、入射した信号光5の均一な分岐が
可能となる。なお、広がり角θを3θよりも大きくした
場合はどうかというと、結合強度は殆ど均一になる、即
ち効果としては同等の効果が得られることが実験的に判
っている。
【0042】上記においては、左右方向への拡散信号光
51の広がりについてのみ説明したが、上下方向への拡
散信号光51の広がりについても同様に広がり角と見込
み角との関係を設定すれば、同様の効果が得られる。
【0043】以上説明してきた第1実施形態と第2実施
形態を総括的に観た場合、透光性媒体1の入射側の端面
に光拡散層2を設けて、当該光拡散層2の拡散特性にお
ける広がり角を当該透光性媒体1の出射側の端面の形状
に合わせて制御することにより、透光性媒体1の長さを
長くすることなく各光ファイバ3a〜3hに対する分岐
比率を概ね均一にすることができ、しかも構成の簡素化
を図ることができるという効果が得られ、より好ましい
制御の仕方として、光拡散層2の拡散特性における広が
り角を光ファイバ3a〜3hの開口数に対応して決まる
損失の無い所定角度以下に設定し、更に光拡散層2の拡
散特性における広がり角θ’を出射側の端面の最大の見
込み角θの3倍以上の所定角度に設定することにより、
伝送損失を最小限に抑えかつ分岐比率の均一化の精度を
より一層高めることができるということになる。
【0044】〔第3実施形態〕次に、図4を用いて、本
発明の第3実施形態について説明する。なお、前述した
実施形態と同一構成部分については、同一番号を付して
その説明を省略することにする。
【0045】図4に示されるように、この実施形態で
は、「光伝送線路」としての光ファイバ3a’〜3h’
の構成に特徴がある。具体的に説明すると、光ファイバ
3a’〜3h’の端面31a’〜31h’は、透光性媒
体1の出射側の端面の形状(矩形)を8等分した方形に
形成されている。
【0046】上記構成によれば、透光性媒体1の出射側
の端面の形状と光ファイバ3a’〜3h’の端面31
a’〜31h’のトータル形状とが完全に一致するの
で、出射側の端面から出射された信号光5はすべて光フ
ァイバ3a〜3hの端面31a’〜31h’に入射され
る。つまり、前述した第1実施形態等においては、光フ
ァイバ3a〜3hの端面の形状が円形であったため、隙
間7(図1参照)から信号光5が漏れ出るが、本実施形
態ではそのような漏れがなくなる。このため、本実施形
態によれば、伝送損失をより一層少なくすることができ
る。
【0047】〔第4実施形態〕次に、図5〜図12を用
いて、本発明の第4実施形態について説明する。なお、
前述した実施形態と同一構成部分については、同一番号
を付してその説明を省略することにする。
【0048】図5には本実施形態に係る光バス回路10
00の概略構成が斜視図にて示されており、又図6には
当該光バス回路1000の要部が拡大して示されてい
る。これらの図に示されるように、光バス回路1000
の支持基板100の所定位置には、前述した実施形態に
おいて説明した複数の光分岐装置10が搭載された光デ
ータバス300が固定されている。なお、本実施形態で
は、前述した実施形態において説明した光分岐装置10
に対する入射光伝送線路及び出射光伝送線路のいずれも
が光ファイバ30で構成されている。
【0049】また、支持基板100上の所定位置には複
数の電気コネクタ200が所定の間隔で並設されてお
り、これらの電気コネクタ200には光データバス30
0によって光学的に接続された複数の回路基板500、
501、502、503が装着(電気的に接続)されて
いる。さらに、支持基板100上の所定位置には、電子
回路400が設置されている他、電源ラインや電気信号
伝送用の電気配線(図示省略)が設けられており、これ
らの電気配線は電気コネクタ200を介して装着された
回路基板500、501、502、503上の電子回路
(図示省略)と電気的に接続されている。
【0050】また、各回路基板500、501、50
2、503は、電気信号を光信号に変換する「光送信回
路」としての電気・光変換回路600及び光信号を電気
信号に変換する「光受信回路」としての光・電気変換回
路700をそれぞれ備えている。前者の電気・光変換回
路600は、一例として、「発光素子」としてのレーザ
ダイオード601と、レーザダイオード駆動回路602
とで構成されている。また、後者の光・電気変換回路7
00は、一例として、「受光素子」としてのフォトダイ
オード701と、フォトダイオード駆動回路702と、
フォトダイオード701での受光信号をロジック信号と
して変換できるレベルまで増幅する増幅回路703とで
構成されている。
【0051】以上が本実施形態に係る光バス回路100
0の全体構成の概略であるが、更に以下に各部の詳細構
成について説明を加えることにする。
【0052】図5に示される光バス回路1000は、接
続される回路基板数が4枚でチャネル数(ビット数)が
4の場合を示しており、このような複数のチャネル数で
バスを構成する場合に、前述した実施形態において説明
した光分岐装置10が複数個用いられる。
【0053】また、チャネル数が4であることに対応し
て、図7に示されるように、光データバス300は、光
分岐装置10を搭載した光バス回路基板800を4枚積
層することにより構成されている。積層された各々の光
バス回路基板800は、スペーサ900によって適切な
間隔で接続されている。
【0054】さらに、図8に示されるように、各光バス
回路基板800には、プラスチック光ファイバ芯線33
と光分岐装置10とが埋め込まれている。プラスチック
光ファイバ芯線33としては、例えば直径が1mmのプ
ラスチック光ファイバ芯線が使用されている。なお、
「光ファイバ芯線」とは、光ファイバから被覆層を取り
除いた芯材そのものをいう。また、光分岐装置10とし
ては、例えばLSD0.2×40PC10−8(拡散光
の厚さ方向の広がり角が0. 2°、幅方向の広がり角が
40°)の光拡散層2が使用され、又例えば4mm×2
0mm×1mm(w×l×t)の大きさの透光性媒体1
が使用されている。さらに、光バス回路基板800とし
ては、例えば厚さ3mm程度のアクリル基板が用いられ
ており、当該光バス回路基板800の表面を切削加工す
ることにより、プラスチック光ファイバ芯線33及び光
分岐装置10が配置される深さが1mmで幅が1mm乃
至4mmの溝803(図9及び図10参照)が形成され
ている。
【0055】より具体的に説明すると、光バス回路基板
800の平面図である図9及び当該光バス回路基板80
0のA−A’、B−B’、C−C’、D−D’断面図で
ある図10に示されるように、プラスチック光ファイバ
芯線33が配置される溝803の屈曲部801は、曲率
半径15mm程度に設定されており、この屈曲部801
での信号光の損失は殆ど無い。また、光バス回路基板8
00には、矩形状の穴部802が設けられており、図7
に示されるように、複数の光バス回路基板800が積層
された場合、この穴部802を通して下層に位置する光
バス回路基板800のプラスチック光ファイバ芯線33
が複数の回路基板500、501、502、503に導
かれるようになっている。
【0056】次に、本実施形態の作用並びに効果につい
て説明する。
【0057】各回路基板500、501、502、50
3をそれぞれに対応する電気コネクタ200に装着する
と、各レーザダイオード601と各フォトダイオード7
01とが光データバス300を介して光学的に結合され
る。従って、任意の或るレーザダイオード601から出
射された信号光は光データバス300に入射され、複数
のフォトダイオード701に受光される。この構成によ
り、複数ビットから成る並列光信号の送受信や各々のビ
ットで独立した同時送受信が可能となる。
【0058】図12の模式図を使って具体的に説明する
と、入射ノードA1、B1、C1、D1からの電気信号
は、各回路基板500、501、502、503にそれ
ぞれ配設された電気・光変換回路600で処理されて光
信号に変換される。すなわち、レーザダイオード駆動回
路602が起動された後、レーザダイオード601から
データが担持された信号光が発光(出射)される。かか
る信号光は、入射信号線(入射光伝送線路)を構成する
「第1の光ファイバ」としての光ファイバ31を経由し
た後、光分岐装置10の端面に配置された光拡散層2へ
入射される。光拡散層2では入射信号光を拡散・分岐
し、これを透光性媒体1へ入射する。透光性媒体1を透
過した信号光は、出射信号線(出射光伝送線路)を構成
する「第2の光ファイバ」としての光ファイバ32を経
由た後、各回路基板500、501、502、503に
それぞれ配設された光・電気変換回路700で処理され
て再び電気信号に変換される。すなわち、光ファイバ3
2を経由した信号光はフォトダイオード701で受光さ
れ、これによりフォトダイオード駆動回路702が起動
され、更に増幅回路703で受光信号をロジック信号と
して変換できる所定レベルまで増幅される。このように
して光・電気変換されて増幅された電気信号は、出射ノ
ードA2、B2、C2、D2に導かれる。
【0059】例えば、入射ノードA1からの信号光は、
光分岐装置10により、出射ノードA2、B2、C2、
D2に伝送される(入射ノードB1、C1、D1につい
ても同様)。このとき、光分岐装置10は、1つの入射
ノードから信号光を光の拡散を利用することにより複数
の出射ノードに同じ信号を伝送する光バスとして機能
し、全体として、各回路基板500、501、502、
503のバス接続を可能としている。
【0060】このように本実施形態では、電気・光変換
回路600及び光・電気変換回路700を有する複数の
回路基板500、501、502、503間において、
電気・光変換回路600のレーザダイオード601から
出射された信号光を(第1の)光ファイバ31を介して
伝送した後、光分岐装置10で拡散及び分岐させ、更に
当該分岐された信号光を(第2の)光ファイバ32を介
して任意の複数の回路基板500、501、502、5
03の光・電気変換回路700が備えるフォトダイオー
ド701に受光させて伝送させることとしたので、自由
空間を介した光結合方式の従来構造に比し、隣接する光
データ伝送路間の干渉(クロストーク)が無くなり、シ
ステム内の環境の影響を受ける(即ち、塵や埃などによ
る信号光の散乱が生じる)ことも無くなる。従って、本
実施形態によれば、データの伝送不良を防止することが
できる。
【0061】また、本実施形態では、(第1の)光ファ
イバ31と(第2の)光ファイバ32とを前述した実施
形態で説明した光分岐装置10で接続したので、当該光
分岐装置10が奏す作用効果はそのまま活かされる。よ
って、本実施形態によれば、光の利用効率が高く、分岐
均一性が良好な光バス回路を提供することができる。因
みに、図11には本実施形態における光バス回路基板8
00に実装された光分岐装置10の伝送特性(出力均一
性)の一例が示されており、このグラフから判るよう
に、出力均一性(4本の入射光ファイバからの信号光が
分岐され、各出射位置での光ファイバからの信号光の出
射光量均一性)は7%程度と非常に良好である。
【0062】また、本実施形態では、光バス回路基板8
00の表面に溝803を形成し、当該溝803にプラス
チック光ファイバ芯線33を埋設させる構成としたの
で、プラスチック光ファイバ芯線33を曲げて配策する
ことが可能となる。つまり、プラスチック光ファイバ芯
線33は本来的には直線状の部材であるため、曲げると
弾性復元力によって元の状態に戻ろうとする。このた
め、光バス回路基板800の表面にプラスチック光ファ
イバ芯線33を載せた状態で配策する場合には、プラス
チック光ファイバ芯線33を曲げた状態で保持するため
の留め具が必要となる。しかし、本実施形態のように、
光バス回路基板800の表面に屈曲部801を含んだ溝
803を形成しておけば、留め具を用いなくても、プラ
スチック光ファイバ芯線33を任意の曲率半径で曲げた
状態で保持することができる。加えて、光バス回路基板
800に形成された溝803にプラスチック光ファイバ
芯線33を挿入して埋め込むことにより、光バス回路基
板800の表面にプラスチック光ファイバ芯線33を載
せて配策する場合よりも、装置の小型化・コンパクト化
を図ることができる。
【0063】さらに、本実施形態では、(第1の)光フ
ァイバ31及び(第2の)光ファイバ32としてプラス
チック光ファイバ芯線33を用いたので、被覆層が無い
分、例えば本実施形態のように4本並べたときの幅方向
寸法及び高さ方向寸法を短くすることができ、これに伴
って光分岐装置10の幅方向寸法及び高さ方向寸法(厚
さ)も短くすることができる。よって、本実施形態によ
れば、装置の小型化・コンパクト化を図ることができ
る。
【0064】加えて、本実施形態では、直径が1mmの
プラスチック光ファイバ芯線33を用いたので、光バス
回路基板800は、100mm×150mm(w×l)
程度の大きさになるが、直径がより小さいプラスチック
光ファイバ芯線33を用いることで、装置の小型化・コ
ンパクト化をより一層図ることができる。つまり、プラ
スチック光ファイバ芯線33の屈曲部801における損
失を生じない屈曲半径はプラスチック光ファイバ芯線3
3の線径で決まることから、例えば、0. 5mmのプラ
スチック光ファイバ芯線33を用いた場合、光バス回路
基板800は、80mm×120mm(w×l)程度で
構成できる。
【0065】この点につき補足すると、本実施形態で
は、プラスチック光ファイバ芯線33を並列配置する構
成を採ったが、これに限らず、プラスチック光ファイバ
芯線33が束ねられたバンドルファイバを用いてもよ
い。この場合、例えば直径が0.1mmのプラスチック
光ファイバ芯線33が束ねられたバンドルファイバを用
いることで、屈曲部801での信号光を損失すること無
く、微小な屈曲部801が設計可能(曲率半径:1.5
mm程度)となり、更なる装置の小型化・コンパクト化
を実現できる。
【0066】先行技術文献との比較における、上述した
効果以外の本実施形態の効果について付言すると、従来
技術として挙げた特開平2−41042号公報に開示さ
れた技術は、回路基板上の発光/受光デバイス間を自由
空間を介して結合した直列光データバスであり、光/電
気変換と電気/光変換とを繰り返しながらすべての回路
基板に順次伝送する方式であるため、信号伝達速度は各
回路基板上に配置された発光/受光デバイスの光/電気
変換速度及び電気/光変換速度に依存すると同時にその
制約を受ける不利があるが、本実施形態では、各回路基
板500、501、502、503間を光ファイバ3
1、光分岐装置10、光ファイバ32の三者で直接的に
繋ぐ構成であるため、このような不利は本来的に招かな
い。
【0067】また、特開昭61−196210号公報に
は、発光又は受光素子が搭載された回路基板間を光学的
に結合するため、透明なプレート表面に配置された回折
格子、反射素子により構成された光路を介してデータ伝
送を行う方式が開示されている。この方式による場合、
1点から発せられた光を固定された1点にしか接続でき
ない不利があるが、本実施形態によれば、全ての回路基
板500、501、502、503間を網羅的に接続す
ることができる点で伝送方式としては非常に優れてい
る。
【0068】なお、本実施形態では、プラスチック光フ
ァイバ芯線33を用いたが、これに限らず、プラスチッ
ク光ファイバ芯線の周りにポリエチレン等の被覆が施さ
れた光ファイバケーブルを用いても良く、また光ファイ
バの材質として、ガラスファイバ等を用いても良い。
【0069】また、本実施形態では、支持基板100の
片面に4個の電気コネクタ200を配設し、当該電気コ
ネクタ200に4枚の回路基板500、501、50
2、503を接続する構成を採ったが、これに限らず、
支持基板100の両面に電気コネクタ200を例えば2
個ずつ配設(分配)し、片側の電気コネクタ200には
回路基板500、501を接続し、反対側の電気コネク
タ200には回路基板502、503を接続するように
してもよい。この場合、部品レイアウトの関係で、支持
基板100の片面側にのみスペースがあるときは前者の
構成を選択し、支持基板100の両面側にスペースがあ
るときは後者の構成を選択すればよく、選択の自由度を
高めることができるという利点がある。
【0070】さらに、本実施形態では、光バス回路基板
800に溝803を形成し、光ファイバ31、光分岐装
置10、光ファイバ32のすべてを当該溝803内に埋
設する構成を採ったが、これに限らず、前記三者の少な
くとも一つが溝803内に埋設されていればよい。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る光分岐
装置は、透光性媒体の入射側の端面に光拡散部を設け、
当該光拡散部の拡散特性における広がり角を当該透光性
媒体の出射側の端面の形状に合わせて制御することとし
たので、透光性媒体の長さを長くすることなく各光ファ
イバに対する分岐比率を概ね均一にすることができ、し
かも構成の簡素化を図ることができるという優れた効果
を有する。
【0072】また、本発明に係る光バス回路は、発光素
子から出射された信号光を伝送する第1の光ファイバと
受光素子に信号光を受光させて伝送する第2の光ファイ
バとを本発明に係る光分岐装置によって接続したので、
任意の回路基板間での信号伝送が可能となるだけでな
く、データの伝送不良を防止することができ、更には光
の利用効率が高く、分岐均一性を良好にすることができ
るという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る光分岐装置の斜視図であ
る。
【図2】 図1に示される光分岐装置の平面図および縦
断面図である。
【図3】 第2実施形態に係る光分岐装置の平面図であ
る。
【図4】 第3実施形態に係る光分岐装置の斜視図であ
る。
【図5】 第4実施形態に係る光バス回路の斜視図であ
る。
【図6】 第4実施形態に係る光バス回路の要部拡大図
である。
【図7】 図6に示される光データバスの拡大斜視図で
ある。
【図8】 図7に示される光分岐装置が搭載された光バ
ス回路基板の拡大斜視図である。
【図9】 第4実施形態に係る光バス回路基板の平面図
である。
【図10】 図9に示される光バス回路基板の適宜部位
での断面図である。
【図11】 第4実施形態に係る光分岐装置の伝送特性
(出力均一性)の一例を示すグラフである。
【図12】 第4実施形態に係る光データバスの作動を
説明するための概略構成図である。
【符号の説明】
1 透光性媒体 2 光拡散層 3a、3a’ 光ファイバ 3b、3b’ 光ファイバ 3c、3c’ 光ファイバ 3d、3d’ 光ファイバ 3e、3e’ 光ファイバ 3f、3f’ 光ファイバ 3g、3g’ 光ファイバ 3h、3h’ 光ファイバ 30、31、32 光ファイバ 33 プラスチック光ファイバ心線 5 信号光 10 光分岐装置 11 クラッド層 100 支持基板 200 電気コネクタ 500、501、502、503 回路基板 600 電気・光変換回路(光送信回路) 601 レーザダイオード(発光素子) 700 光・電気変換回路(光受信回路) 701 フォトダイオード(受光素子) 800 光バス回路基板 803 溝 1000 光バス回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 純二 神奈川県足柄上郡中井町境430グリーンテ クなかい富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 経塚 信也 神奈川県足柄上郡中井町境430グリーンテ クなかい富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 山田 秀則 神奈川県足柄上郡中井町境430グリーンテ クなかい富士ゼロックス株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性媒体に入射された信号光を複数の
    光伝送線路に分岐させる光分岐装置であって、 前記透光性媒体の入射側の端面に光拡散部を設け、当該
    光拡散部の拡散特性における広がり角を当該透光性媒体
    の出射側の端面の形状に合わせて制御した、 ことを特徴とする光分岐装置。
  2. 【請求項2】 前記光拡散部の拡散特性における広がり
    角を、前記光伝送線路の開口数に対応して決まる損失の
    ない所定角度以下に設定した、 ことを特徴とする請求項1に記載の光分岐装置。
  3. 【請求項3】 前記光伝送線路の入射側の端面の形状
    を、前記透光性媒体の出射側の端面の形状に略一致させ
    た、 ことを特徴とする請求項1に記載の光分岐装置。
  4. 【請求項4】 前記光拡散部の拡散特性における広がり
    角を、前記透光性媒体の入射側の端面から見た出射側の
    端面の最大の見込み角の3倍以上の所定角度に設定し
    た、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか
    に記載の光分岐装置。
  5. 【請求項5】 前記透光性媒体へ信号光を入射させる複
    数の入射光伝送線路及び前記透光性媒体からの信号光を
    出射させる複数の出射光伝送線路の少なくとも一方が光
    ファイバで構成されている、 ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記
    載の光分岐装置。
  6. 【請求項6】 電気信号を光信号に変換する光送信回路
    及び光信号を電気信号に変換する光受信回路を有する複
    数の回路基板と、 各回路基板ごとに支持基板上に設置された複数の電気コ
    ネクタと、 各回路基板の光送信回路が備える発光素子から出射され
    た信号光を伝送する第1の光ファイバと、 この第1の光ファイバから伝送されてきた信号光を分岐
    する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された光分
    岐装置と、 この光分岐装置によって分岐された信号光を任意の複数
    の回路基板の光受信回路が備える受光素子に伝送する第
    2の光ファイバと、 を含んで構成されている、 ことを特徴とする光バス回路。
  7. 【請求項7】 前記光バス回路における支持基板の表裏
    両面に前記電気コネクタが設置されて前記回路基板が接
    続可能とされている、 ことを特徴とする請求項6に記載の光バス回路。
  8. 【請求項8】 前記光バス回路における前記第1の光フ
    ァイバ、前記光分岐装置、及び前記第2の光ファイバの
    少なくとも一つが、前記三者が配設される光バス回路基
    板に埋設されている、 ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の光バス
    回路。
  9. 【請求項9】 前記光バス回路における前記第1の光フ
    ァイバ及び前記第2の光ファイバは、光ファイバ芯線で
    ある、 ことを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれかに記
    載の光バス回路。
  10. 【請求項10】 前記光バス回路における第1の光ファ
    イバ及び第2の光ファイバは、複数の光ファイバ芯線が
    束ねられたバンドルファイバである、 ことを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記
    載の光バス回路。
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