JP2000329243A - リリーフ弁装置 - Google Patents

リリーフ弁装置

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JP2000329243A
JP2000329243A JP11142411A JP14241199A JP2000329243A JP 2000329243 A JP2000329243 A JP 2000329243A JP 11142411 A JP11142411 A JP 11142411A JP 14241199 A JP14241199 A JP 14241199A JP 2000329243 A JP2000329243 A JP 2000329243A
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JP
Japan
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valve
valve body
pair
relief
hole
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JP11142411A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kobayashi
剛 小林
Hitoshi Kagiwada
均 鍵和田
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リリーフ弁装置の部品点数を減らして組立時
の作業性を向上できると共に、装置全体を小型化してコ
ンパクトに形成できるようにする。 【解決手段】 ガイドスリーブ18内にリリーフ弁体2
5A,25Bおよび弁ばね30を組込んだ状態で、その
両端側に弁座筒22A,22Bおよび蓋体24を嵌合等
の手段で取付けることによりバルブアッシ31を構成す
る。このバルブアッシ31をケーシング本体10のスリ
ーブ取付穴12内に弁座筒22A側から挿入し、弁座筒
22Aをスリーブ取付穴12の奥所側で嵌合穴部12A
内に嵌着させると共に、スリーブ取付穴12の開口端側
となるねじ穴部12B内に蓋体24を螺着する。バルブ
アッシ31をケーシング本体10のスリーブ取付穴12
内に組込むだけでリリーフ弁装置8を容易に組立てるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に設けられる慣性体駆動用油圧回路に好
適に用いられるリリーフ弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル、油圧クレーン等
の建設機械は、走行用または旋回用等の慣性体駆動用油
圧回路を備え、この油圧回路には一対のクロスオーバロ
ードリリーフ弁等からなるリリーフ弁装置が設けられて
いる(例えば、実開平1−98975号)。
【0003】この種の従来技術によるリリーフ弁装置
は、例えば走行用油圧モータ等の油圧アクチュエータに
圧油を給排する一対の給排通路と、該一対の給排通路間
に互いに独立して設けられ、いずれか一方の給排通路側
に過剰圧が発生したときに開弁し、この過剰圧を他方の
給排通路側に逃す一対のクロスオーバロードリリーフ弁
とから構成されている。
【0004】このようなリリーフ弁装置が設けられた油
圧ショベル等の走行用油圧回路にあっては、走行途中の
車両を停止させる場合に走行用油圧モータが慣性回転す
ることにより、一対の給排通路のいずれか一方にブレー
キ圧が発生する。そして、このブレーキ圧がリリーフ弁
のリリーフ設定圧まで上昇すると、一方の給排通路側に
設けたリリーフ弁が開弁し、このときの過剰圧を他方の
給排通路側へと逃すものである。
【0005】この場合、一方の給排通路側に発生した過
剰圧状態のブレーキ圧は、開弁したリリーフ弁の弁座側
等を通過する間に、その運動エネルギが熱エネルギに変
換され、これによって、車両の慣性力が徐々に吸収され
ると共に、当該車両には制動力が付与されるものであ
る。
【0006】また、車両を急停車させるような場合に
は、前記リリーフ弁の開弁によって衝撃等が発生するこ
とがあり、車両のオペレータに不快感を与えるばかりで
なく、車両の走行用油圧モータやリリーフ弁装置等の寿
命低下を招く虞れがある。
【0007】そこで、従来技術によるリリーフ弁装置で
は、このような衝撃を防止するために、前記一対のリリ
ーフ弁をそれぞれ主弁体、副弁体およびピストン等を備
えたショックレス機構付きのリリーフ弁を採用してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるリリーフ弁装置は、一対の給排通路間に互
いに独立して作動する一対のリリーフ弁を設ける構成と
しているため、部品点数が増える傾向にあり、装置全体
が大型化するばかりでなく、組立時の作業性が悪い等の
問題がある。
【0009】また、従来技術では、車両の急停車時等に
リリーフ弁が開弁するときの衝撃を緩和するために、主
弁体、副弁体およびピストン等からなるショックレス機
能付きのリリーフ弁を採用しているので、これによって
部品点数がさらに増加し、リリーフ弁装置全体が大型化
するのを避けられないという問題がある。
【0010】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、部品点数を減らして組
立時の作業性を向上できると共に、装置全体を小型化し
てコンパクトに形成できるようにしたリリーフ弁装置を
提供することにある。
【0011】また、本発明の他の目的は、車両等の慣性
体を停止させるときの衝撃を確実に低減でき、部品点数
等を特別に増やすことなく、ショックレス機能を付与す
ることができるようにしたリリーフ弁装置を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明は、油圧アクチュエータに圧油
を給排する一対の給排通路が設けられた弁ケーシング
と、前記一対の給排通路間に位置して該弁ケーシングに
設けられた弁体ガイド穴と、該弁体ガイド穴と一対の給
排通路との間に位置して該弁体ガイド穴の軸方向両端側
に対向配設された一対の弁座と、該一対の弁座間を連通
させるため前記弁体ガイド穴を迂回して該一対の弁座間
に設けられた連絡通路と、前記各弁座に離着座するよう
に前記弁体ガイド穴の軸方向両端側に設けられ、常時は
前記弁座に着座して閉弁し、前記一対の給排通路のうち
いずれか一方の給排通路側に過剰圧が発生したときには
開弁し前記連絡通路を通じて他方の給排通路側に過剰圧
を逃す一対の弁体と、該一対の弁体間に位置して前記弁
体ガイド穴内に形成されたばね室と、該ばね室内に配設
され前記一対の弁体を前記弁座側に向けて常時付勢する
リリーフ圧力設定用の付勢手段とからなる構成を採用し
ている。
【0013】このように構成することにより、油圧アク
チュエータの停止時等に一対の給排通路のうち、いずれ
か一方の給排通路側にブレーキ圧が発生すると、このブ
レーキ圧によって一方の弁体が付勢手段に抗して弁座か
ら離座し、一方の給排通路が弁座等を介して連絡通路に
連通する。そして、前記ブレーキ圧は連絡通路内に導か
れることにより、他方の弁座側で他方の弁体を開弁方向
に押圧し、該弁体が前記付勢手段に抗して他方の弁座か
ら離座したときには、一対の給排通路間が前記連絡通路
を介して互いに連通することになり、高圧のブレーキ圧
は低圧側の給排通路側へとリリーフされる。
【0014】また、請求項2の発明は、弁ケーシングに
は弁体ガイド穴の軸方向両端側と各弁座との間に位置し
て前記弁体ガイド穴よりも大径となった一対の油溝を設
け、連絡通路は該一対の油溝間を常時連通させる構成と
している。
【0015】これにより、弁体ガイド穴を軸方向両側か
ら挟んだ位置に一対の油溝を形成でき、該各油溝を挟ん
で各弁座を弁体ガイド穴の軸方向両側に対向配置でき
る。そして、ブレーキ圧により一方の弁体が付勢手段に
抗して弁座から離座したときには、一方の給排通路を油
溝等を介して連絡通路に連通させ、このブレーキ圧を連
絡通路を通じて他方の油溝側に導くことにより、他方の
弁座側で他方の弁体を開弁方向に押圧できる。
【0016】また、請求項3の発明は、油圧アクチュエ
ータはネガティブ型のブレーキ装置を有し、ばね室には
該ブレーキ装置に給排されるブレーキ解除圧を導く構成
としている。
【0017】これにより、油圧アクチュエータを作動さ
せるためブレーキ装置にブレーキ解除圧を供給したとき
には、このブレーキ解除圧がばね室内にも導かれるの
で、弁体ガイド穴の両端側に設けた一対の弁体をそれぞ
れの弁座側に強く着座させることができ、油圧アクチュ
エータの起動時に各弁体を共に閉弁状態に保持できる。
【0018】また、前記ブレーキ解除圧の供給を停止
し、油圧アクチュエータを停止させるときには、ばね室
内はタンク圧レベルまで圧力が自動的に下がるため、給
排通路内に発生するブレーキ圧により弁体が弁座から離
座して開弁動作するのを許すことができる。
【0019】一方、請求項4の発明は、弁ケーシングに
は弁体ガイド穴の軸方向両端側に位置して弁体が開弁す
るときの開弁速度を遅くする一対のダンパ室を形成して
なる構成としている。これにより、各弁体は比較的ゆっ
くりとタイムラグをもって開弁するために、ブレーキ圧
が急激に昇圧するのを抑えることができ、開弁時の衝撃
を緩和できる。
【0020】また、請求項5の発明は、各弁体を、弁体
ガイド穴内に挿嵌される弁軸部と、前記弁体ガイド穴か
ら突出する該弁軸部の突出端側に設けられ弁座に離着座
する部位が該弁軸部よりも小径となったポペット型の弁
部とから構成し、該弁部は前記弁軸部との境界部側に該
弁軸部よりも大径に形成された環状の段差部を有する構
成としている。
【0021】これにより、一方の給排通路からのブレー
キ圧で一方の弁体が開弁するときの開弁動作を安定さ
せ、この状態で一方の給排通路からのブレーキ圧を連絡
通路内へと円滑に導くことができる。また、この連絡通
路内に導かれたブレーキ圧により他方の弁体が付勢手段
に抗して開弁するときの開弁動作も安定させることがで
きる。そして、弁体の開弁時には環状の段差部を弁体ガ
イド穴の端面側に当接させることにより、弁体を最大開
弁(全開)位置に保つことができる。
【0022】また、請求項6の発明は、弁ケーシング
を、一対の給排通路および連絡通路が設けられたケーシ
ング本体と、該ケーシング本体に着脱可能に設けられ内
周側が弁体ガイド穴となった段付筒状のガイドスリーブ
と、該ガイドスリーブの軸方向両端側にそれぞれ設けら
れ弁体と対向する部位が弁座となった第1,第2の弁座
部材とにより構成している。
【0023】これにより、ガイドスリーブと第1,第2
の弁座部材とを単一の組立体として予め組立ておくこと
ができ、この組立体をケーシング本体内に挿嵌するよう
に組付けることにより当該リリーフ弁装置の組立作業を
容易に行うことができる。
【0024】また、請求項7の発明は、ガイドスリーブ
の軸方向両端側に、弁体ガイド穴を軸方向両側から挟む
ように位置し弁体の段差部よりも僅かに大径に形成され
たダンパ穴部と、該ダンパ穴部と弁座部材との間に位置
して該ダンパ穴部よりも大径に形成され連絡通路側に常
時連通した拡径穴部と、前記ダンパ穴部内を前記連絡通
路側に常時連通させる絞り通路とを設ける構成としてい
る。
【0025】これにより、ガイドスリーブの軸方向両端
側には、弁体ガイド穴を軸方向両側から挟んでダンパ穴
部と拡径穴部とからなる段付穴を形成でき、この段付穴
内で弁体を軸方向に変位させ、該弁体を開,閉弁動作す
ることができる。そして、弁体の開弁時には、段付穴の
小径部側となるダンパ穴部と弁体の段差部との間にダン
パ室を形成でき、該ダンパ室内の圧油を絞り通路を介し
て連絡通路側に流通させることにより、弁体の開弁速度
を絞り通路の流路面積に対応した速度に調整できる。
【0026】さらに、請求項8の発明は、ガイドスリー
ブのダンパ穴部と拡径穴部との間の境界部は、閉弁状態
にある弁体に対し段差部から軸方向に予め決められた寸
法だけ離間した位置に配設する構成としている。
【0027】これにより、弁体は閉弁状態から開弁方向
に変位し始め、段差部が境界部に近接するまでの間はダ
ンパ作用を受けることなく開弁でき、ブレーキ圧が瞬間
的に急上昇してピーク圧が発生するのを良好に抑えるこ
とができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
リリーフ弁装置を、油圧ショベル等の走行用油圧回路に
適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照して詳細に説
明する。
【0029】ここで、図1ないし図4は本発明の第1の
実施の形態を示し、図中、1はタンク2と共に油圧源を
構成する油圧ポンプで、該油圧ポンプ1は油圧ショベル
の原動機(図示せず)によって回転駆動され、タンク2
内から吸込んだ作動油を高圧の圧油として後述の油圧モ
ータ3等に供給するものである。
【0030】3は油圧アクチュエータを構成する走行用
の油圧モータで、該油圧モータ3は一対の主管路4A,
4Bおよび後述の方向制御弁5等を介して油圧ポンプ1
とタンク2とに接続されている。そして、油圧モータ3
は油圧ポンプ1からの圧油が主管路4A,4Bを介して
給排されることにより、図1中の矢示A,B方向に回転
駆動され、油圧ショベル(車両)を前進,後進させるも
のである。
【0031】5は主管路4A,4Bの途中に設けられた
走行用の方向制御弁で、該方向制御弁5は、図1に示す
如く例えば4ポート3位置の方向制御弁として構成さ
れ、油圧ショベルのオペレータが操作レバー5Aを傾転
操作することにより、中立位置(イ)から切換位置
(ロ),(ハ)に切換操作される。
【0032】そして、方向制御弁5は切換位置(ロ)で
油圧ポンプ1からの圧油を主管路4Aを介して油圧モー
タ3に供給し、油圧モータ3を矢示A方向に回転させる
と共に、油圧モータ3からの戻り油を主管路4Bを介し
てタンク2へと排出させる。また、方向制御弁5を切換
位置(ハ)に切換えたときには、圧油の供給方向が逆転
し、油圧モータ3は矢示B方向へと逆向きに回転駆動さ
れる。
【0033】6は油圧モータ3に付設されたブレーキ弁
で、該ブレーキ弁6はカウンタバランス弁7と後述のリ
リーフ弁装置8とにより構成されている。そして、カウ
ンタバランス弁7は方向制御弁5にほぼ連動して中立位
置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)に切換わり、油圧
ポンプ1からの圧油が油圧モータ3に給排されるのを補
償する。また、カウンタバランス弁7は油圧モータ3の
慣性回転時等に中立位置(イ)に復帰し、油圧モータ3
とカウンタバランス弁7との間で主管路4Aまたは4B
内に後述の如くブレーキ圧を発生させるものである。
【0034】8はカウンタバランス弁7と共にブレーキ
弁6を構成するオーバロードリリーフ弁としてのリリー
フ弁装置で、該リリーフ弁装置8は、図2等に示す如く
弁ケーシング9と、後述の弁体25A,25B等とから
なり、弁ケーシング9はケーシング本体10と後述する
ガイドスリーブ18、弁座筒22A,22Bおよび蓋体
24等とにより構成されている。なお、弁ケーシング9
のケーシング本体10は、油圧モータ3のモータハウジ
ングと通常は一体に形成され、カウンタバランス弁7の
ケーシングも兼用しているものである。
【0035】11A,11Bは弁ケーシング9のケーシ
ング本体10に形成された一対の給排通路で、該給排通
路11A,11Bは主管路4A,4Bの一部を構成し、
油圧ポンプ1からの圧油を油圧モータ3に給排するもの
である。
【0036】12はケーシング本体10に形成されたス
リーブ取付穴で、該スリーブ取付穴12は、図2に示す
ように給排通路11A,11B間を左,右方向に延びる
段付穴として形成され、その一端側は小径の嵌合穴部1
2Aとなって給排通路11Aに常時連通している。ま
た、スリーブ取付穴12の他端側はケーシング本体10
の外部ヘと開口する大径のねじ穴部12Bとなり、該ね
じ穴部12Bに近い環状の油溝13の位置で給排通路1
1Bに常時連通しているものである。
【0037】14はスリーブ取付穴12の軸方向中間部
に位置してケーシング本体10に設けられたセンタ油溝
で、該センタ油溝14はスリーブ取付穴12の周壁を環
状に切欠くことにより形成され、後述の油穴21を介し
てばね室29を油路15と常時連通するものである。そ
して、該油路15は図1に示すように後述のドレン管路
32を介してタンク2に接続され、ばね室29をタンク
2に常時連通させるものである。
【0038】16A,16Bはセンタ油溝14から左,
右方向に離間してケーシング本体10に設けられた左,
右一対の油溝で、該油溝16A,16Bは後述の弁体ガ
イド穴20を軸方向両側から挟む位置に配設され、スリ
ーブ取付穴12の周壁を環状に切欠くことによりガイド
スリーブ18よりも大径に形成されている。そして、油
溝16A,16Bは給排通路11A,11Bの間に位置
し、後述の連絡通路17により互いに常時連通している
ものである。
【0039】17はスリーブ取付穴12を迂回して油溝
16A,16B間に設けられた連絡通路で、該連絡通路
17は図2に示す如く略U字状またはコ字状をなす油路
としてケーシング本体10内に形成されている。そし
て、連絡通路17は両端側が油溝16A,16Bに連通
し、油溝16A,16B間を常時等しい圧力状態に保っ
ている。また、図4に示すように弁体25A,25Bが
共に開弁したときには、後述の弁座23A,23B間が
油溝16A,16Bと連絡通路17を通じて互いに連通
し、これによって給排通路11A,11B間をブレーキ
圧が流通することになる。
【0040】18はスリーブ取付穴12内に着脱可能に
挿嵌された段付筒状のガイドスリーブで、該ガイドスリ
ーブ18は両端側に弁部収容筒部18A,18Bが一体
形成され、該弁部収容筒部18A,18Bの突出端側に
は後述の弁座筒22A,22Bが嵌合等の手段を用いて
固着されている。そして、弁部収容筒部18A,18B
は油溝16A,16B内を軸方向に延びるように配設さ
れ、図3に示すように油溝16A,16B内と連通する
径方向の油穴19A,19Bが穿設されている。
【0041】また、ガイドスリーブ18の内周側は弁部
収容筒部18A,18B間が弁体ガイド穴20となり、
該弁体ガイド穴20は弁部収容筒部18A,18Bの内
径よりも小径の軸穴として形成されている。そして、該
弁体ガイド穴20の両端側には弁体25A,25Bがそ
れぞれ摺動可能に挿嵌され、後述の弁部27A,27B
は弁部収容筒部18A,18B内を軸方向に変位するも
のである。さらに、ガイドスリーブ18の軸方向中間部
には、後述のばね室29を油路15に連通させる径方向
の油穴21が穿設されている。
【0042】22A,22Bはガイドスリーブ18の弁
部収容筒部18A,18Bに嵌合して取付けられた第
1,第2の弁座部材としての弁座筒で、該弁座筒22
A,22Bは図2に示す如く内径が寸法D1 の段付筒状
体として形成されている。そして、弁座筒22A,22
Bは、ガイドスリーブ18の弁体ガイド穴20と弁部収
容筒部18A,18B(油溝16A,16B)を挟んで
軸方向に対向配設されている。また、弁座筒22A,2
2Bは弁部27A,27Bと対向する端面側が弁座23
A,23Bとなっている。
【0043】ここで、左側の弁座筒22Aはスリーブ取
付穴12の奥所側で嵌合穴部12A内に着脱可能に嵌着
され、その内周側は給排通路11Aと常時連通してい
る。また、右側の弁座筒22Bは蓋体24に一体形成さ
れ、該蓋体24をスリーブ取付穴12のねじ穴部12B
内に螺着することにより、スリーブ取付穴12内に挿嵌
されるものである。そして、この状態で蓋体24はスリ
ーブ取付穴12の開口端となるねじ穴部12Bを閉塞
し、弁座筒22Bの内周側は油溝13等を介して給排通
路11Bと常時連通することになる。
【0044】25A,25Bはガイドスリーブ18内に
設けられた左,右一対の弁体で、該弁体25A,25B
はポペット弁体からなり、図2に示すように弁体ガイド
穴20の両端側部位に摺動可能に挿嵌された弁軸部26
A,26Bと、該弁軸部26A,26Bの突出側端部に
一体形成され、弁部収容筒部18A,18B内に位置し
て弁座23A,23Bに離着座するポペット型の弁部2
7A,27Bとから構成されている。
【0045】ここで、弁体25A,25Bは、弁軸部2
6A,26Bの外径が弁体ガイド穴20の穴径に対応す
る寸法D2 に形成され、弁部27A,27Bは弁座23
A,23Bに離着座する部位が、前記寸法D2 よりも小
径の寸法D1 となっている(D1 <D2 )。また、弁部
27A,27Bには弁軸部26A,26Bとの境界部側
に環状の段差部28A,28Bが形成され、該段差部2
8A,28Bの外径は弁軸部26A,26Bよりも大径
となり、弁部収容筒部18A,18Bの内径よりも小径
となっている。
【0046】29は弁体25A,25B間に位置してガ
イドスリーブ18の弁体ガイド穴20内に形成されたば
ね室、30は該ばね室29内に縮装状態で配設された付
勢手段を構成するリリーフ圧力設定用の弁ばねを示し、
該弁ばね30は単一のコイルスプリング等からなり、そ
の両端側で弁体25A,25Bを弁座23A,23Bに
向けて常時付勢しているものである。
【0047】31はガイドスリーブ18、弁座筒22
A,22B、蓋体24、弁体25A,25Bおよび弁ば
ね30等からなる予備組立体としてのバルブアッシを示
し、該バルブアッシ31は、ガイドスリーブ18内に弁
体25A,25Bおよび弁ばね30を組込んだ状態で、
その両端側に弁座筒22A,22Bおよび蓋体24を嵌
合等の手段で取付けることにより単一の組立体を構成す
るものである。
【0048】そして、このように組立られたバルブアッ
シ31は、ケーシング本体10のスリーブ取付穴12内
に弁座筒22A側から挿入され、該弁座筒22Aをスリ
ーブ取付穴12の奥所側で嵌合穴部12A内に嵌着させ
ると共に、スリーブ取付穴12の開口端側となるねじ穴
部12B内に蓋体24を螺着することにより、ケーシン
グ本体10内に組込まれる。これによって、バルブアッ
シ31はケーシング本体10と共にリリーフ弁装置8を
構成するものである。
【0049】さらに、32は図1に示す如く油圧モータ
3とタンク2との間に設けられたドレン管路で、該ドレ
ン管路32は油圧モータ3内で発生した漏洩油(ドレ
ン)をタンク2内に排出するものである。また、ドレン
管路32の途中部位には油路15の先端側が接続され、
これにより、リリーフ弁装置8のばね室29内は常時タ
ンク圧状態に保たれている。
【0050】本実施の形態によるリリーフ弁装置8を備
えた油圧ショベルの走行用油圧回路は上述の如き構成を
有するもので、次に、その作動について説明する。
【0051】まず、油圧ショベルのオペレータが車両を
走行駆動するために、図1に示す方向制御弁5を中立位
置(イ)から切換位置(ロ)に切換えると、油圧ポンプ
1からの圧油は主管路4A(給排通路11A)側から油
圧モータ3に供給される。そして、このときにカウンタ
バランス弁7は給排通路11A,11B間の差圧で中立
位置(イ)から切換位置(ロ)側に切換わり、油圧モー
タ3からの戻り油をカウンタバランス弁7を介して主管
路4B(給排通路11B)側からタンク2へと排出させ
る。
【0052】一方、車両を停止させるために、オペレー
タが方向制御弁5を切換位置(ロ)から中立位置(イ)
に戻した場合には、主管路4A(給排通路11A)側の
圧力がタンク圧レベルまで低下する。これによって、カ
ウンタバランス弁7は給排通路11A側の圧力低下に伴
って中立位置(イ)に復帰し、給排通路11A,11B
の圧油は油圧モータ3側から油圧ポンプ1、タンク2側
に向けて流通するのを阻止(遮断)される。
【0053】この場合、油圧モータ3は車両走行時の慣
性力によって慣性回転を続けることが多く、この慣性回
転時には方向制御弁5が中立位置(イ)に復帰した後
も、油圧モータ3が主管路4A側から吸込んだ圧油を主
管路4B側に吐出させるポンプ作用を行う。そして、油
圧モータ3のポンプ作用により給排通路11B側には高
圧のブレーキ圧が発生し、このブレーキ圧は図2中の矢
示C方向で弁座筒22B内から弁体25Bに向けて作用
する。
【0054】そして、このブレーキ圧が下記の数1式に
よる設定圧力値Pa 以上まで上昇すると、弁体25Bは
弁ばね30の付勢力F1 に抗して図3に示す如く開弁す
る。
【0055】
【数1】Pa ≧F1 /(D12×π/4)
【0056】また、弁体25Bが開弁し始めると、給排
通路11B側のブレーキ圧が弁座筒22B側から油溝1
6B等を介して連絡通路17内へと矢示E方向に流通す
る。このとき、ブレーキ圧は弁体25Bの段差部28B
側にも作用するため、弁体25Bは弁軸部26Bの横断
面積(D22×π/4)に相当する受圧面積をもってブレ
ーキ圧を受承する。
【0057】
【数2】Pa =F2 /(D22×π/4)
【0058】そして、弁体25Bは、例えば数2の式を
満たす付勢力F2 またはこれ以上の付勢力をもった弁ば
ね30に抗して開弁状態を保つことになる。この場合、
ブレーキ圧が設定圧力値Pa 以上まで上昇することによ
り、弁体25Bは段差部28Bが図3に示す如く弁体ガ
イド穴20の端面側に当接し、最大開弁(全開)位置に
保持される。
【0059】また、連絡通路17を通じてガイドスリー
ブ18の弁部収容筒部18A側に流通したブレーキ圧
は、弁体25Aに受圧面積(D22−D12)×π/4をも
って作用する。
【0060】
【数3】Pb ≧F3 /{(D22−D12)×π/4}
【0061】そして、このときのブレーキ圧が数3式に
よる設定圧力値Pb 以上までさらに上昇すると、弁体2
5Aは弁ばね30の付勢力F3 に抗して図4に示す如く
開弁する。これにより、給排通路11B側に発生したブ
レーキ圧は、設定圧力値Pb以上まで上昇して弁体25
A,25Bが共に開弁した段階で、連絡通路17を介し
て給排通路11A側へと矢示G方向に流れることによ
り、過剰圧がリリーフされることになる。
【0062】この場合、弁体25A,25Bは、その受
圧面積に関係する径方向の寸法D1,D2 を、D1 <D2
なる関係に設定しているから、弁体25A,25Bが
一旦開弁した後に瞬間的に閉弁する等の不安定な挙動を
防止でき、弁体25A,25Bの開弁動作を安定させる
ことができる。
【0063】また、弁体25A,25Bは受圧面積を、
【数4】(D12×π/4)>(D22−D12)×π/4 なる関係、換言すると、
【0064】
【数5】 なる関係に設定することにより、一方の弁体25Bが開
弁した後にタイムラグをもって他方の弁体25Aを開弁
させることができ、オーバロードリリーフ弁(リリーフ
弁装置8)としての作動を安定させることができる。
【0065】そして、リリーフ弁装置8のリリーフ圧力
を、設定圧力値Pb (Pb >Pa )として設定でき、給
排通路11Bまたは11A内に設定圧力値Pb 以上の過
剰圧が発生するのを防止できると共に、このときの過剰
圧を給排通路11B,11A間で良好にリリーフさせる
ことができる。
【0066】これにより、給排通路11B側に発生した
ブレーキ圧の運動エネルギは、このときの圧油が弁座2
3Bと弁体25Bとの間、さらには弁座23Aと弁体2
5Aとの間を順次通過する間に熱エネルギに変換され、
車両はこのときのブレーキ圧によって徐々に停止され
る。
【0067】一方、走行用の方向制御弁5を中立位置
(イ)から切換位置(ハ)に切換えたときには、給排通
路11B側にモータ駆動圧が供給され、油圧モータ3は
前述の場合とは逆向きに矢示B方向へと回転駆動され
る。そして、その後に方向制御弁5を切換位置(ハ)か
ら中立位置(イ)に復帰させた場合には、例えば給排通
路11A側にブレーキ圧が発生し、弁体25A,25B
が前述の場合とは逆の順番で開弁することによって車両
は停止される。
【0068】かくして、本実施の形態によれば、リリー
フ弁装置8をケーシング本体10とバルブアッシ31と
から構成し、該バルブアッシ31をガイドスリーブ1
8、弁座筒22A,22B、蓋体24、弁体25A,2
5Bおよび弁ばね30等から予備組立する構成としてい
るので、バルブアッシ31をケーシング本体10のスリ
ーブ取付穴12内に組込むだけで当該リリーフ弁装置8
を容易に組立てることができ、組立時の作業性を大幅に
向上できる。
【0069】また、バルブアッシ31は、ガイドスリー
ブ18内に弁体25A,25Bおよび弁ばね30を組込
んだ状態で、その両端側に弁座筒22A,22Bおよび
蓋体24を嵌合等の手段を用いて取付けることにより単
一の組立体として構成でき、その予備組立作業も簡単に
行うことができる。
【0070】このため、従来技術のように、一対のリリ
ーフ弁体等を別々に弁ケーシングに組付けるという面倒
な組立作業を省略でき、組立作業を効率的に行うことが
できる。また、一対の弁体25A,25Bを単一の弁ば
ね30により閉弁方向に付勢し続けることができ、部品
点数を確実に削減できると共に、リリーフ弁装置8全体
をコンパクトに形成でき、小型、軽量化を図ることがで
きる。
【0071】従って、本実施の形態によれば、リリーフ
弁装置8の構成部品を減らして組立時の作業性を確実に
向上できると共に、装置全体を小型化してコンパクトに
形成でき、オーバロードリリーフ弁としての作動を安定
させることができる。
【0072】そして、弁ばね30の付勢力を左,右の弁
体25A,25Bに対して均等に作用させることができ
るため、給排通路11A,11Bのいずれにブレーキ圧
が発生した場合でも、弁体25A,25Bを左,右で均
等に開,閉弁でき、そのリリーフ性能が左,右でバラツ
クのを容易に抑えることができると共に、弁体25A,
25Bによるリリーフ性能を左,右で均一化でき、リリ
ーフ動作の安定性、信頼性を確実に向上できる。
【0073】次に、図5は本発明の第2の実施の形態を
示し、本実施の形態の特徴は、油圧モータの出力軸側に
ネガティブ型のブレーキ装置を設け、該ブレーキ装置に
給排されるブレーキ解除圧をリリーフ弁装置のばね室に
導く構成としたことにある。なお、本実施の形態では前
記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付
し、その説明を省略するものとする。
【0074】図中、41は油圧モータ3の出力軸側に設
けられたネガティブ型のブレーキ装置で、該ブレーキ装
置41は、油圧モータ3のハウジング内に形成されたブ
レーキシリンダ41Aと、該ブレーキシリンダ41A内
に摺動可能に挿嵌され、ブレーキシリンダ41A内に油
圧室41Bを画成したブレーキピストン41Cと、ブレ
ーキシリンダ41A内に配設され、該ブレーキピストン
41Cを制動側に付勢した付勢ばね41Dとから大略構
成されている。
【0075】42はブレーキ装置41の油圧室41B内
にブレーキ解除圧を給排するためのブレーキ制御管路
で、該ブレーキ制御管路42は後述のカウンタバランス
弁43を介して油圧ポンプ1とタンク2とに選択的に接
続されるものである。そして、ブレーキ制御管路42か
らのブレーキ解除圧がブレーキ装置41の油圧室41B
に供給されたときには、ブレーキピストン41Cが付勢
ばね41Dに抗して非制動側に押圧され、油圧モータ3
の制動状態を解除し、油圧モータ3の回転を許すもので
ある。
【0076】ここで、ブレーキ制御管路42は、ブレー
キ装置41とカウンタバランス弁43との間に位置する
途中部位が油路15の先端側に接続されている。そし
て、リリーフ弁装置8のばね室29内には油路15を介
してブレーキ解除圧が導入,導出される構成となってい
る。
【0077】43はリリーフ弁装置8と共にブレーキ弁
6を構成するカウンタバランス弁を示し、該カウンタバ
ランス弁43は第1の実施の形態で述べたカウンタバラ
ンス弁7とほぼ同様に構成されているものの、該カウン
タバランス弁43はセンタバイパス管路等を有する6ポ
ート3位置の方向制御弁等により構成されている。
【0078】そして、カウンタバランス弁43は中立位
置(イ)に復帰している間は、ブレーキ制御管路42を
タンク2に接続し、前記ブレーキ解除圧をタンク圧レベ
ルまで下げる。これにより、ブレーキ装置41は付勢ば
ね41Dでブレーキピストン41Cを制動側に付勢し、
油圧モータ3に制動力を付与すると共に、車両を駐車
(停車)状態に保持する。
【0079】また、カウンタバランス弁43は、方向制
御弁5に連動して中立位置(イ)から切換位置(ロ),
(ハ)に切換えられると、ブレーキ制御管路42を油圧
ポンプ1の吐出側に接続し、油圧ポンプ1からの圧油の
一部をブレーキ解除圧としてブレーキ制御管路42から
ブレーキ装置41の油圧室41Bへと導く。これによ
り、ブレーキ装置41のブレーキピストン41Cは付勢
ばね41Dに抗して非制動側に押圧され、油圧モータ3
の制動状態を解除する。
【0080】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができるが、特に本実施の形態では、リリー
フ弁装置8のばね室29を油路15を通じてブレーキ制
御管路42の途中部位に接続する構成としたから、油圧
モータ3の起動時等にリリーフ弁装置8が誤って開弁動
作する等の不具合を解消できる。
【0081】即ち、油圧モータ3を起動するために方向
制御弁5を中立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)
に切換えた場合には、これに連動してカウンタバランス
弁43が切換位置(ロ),(ハ)に切換わり、油圧ポン
プ1からの圧油の一部がブレーキ解除圧としてブレーキ
制御管路42内に供給される。
【0082】そして、このブレーキ解除圧はブレーキ装
置41の油圧室41Bに導かれると共に、油路15を通
じてリリーフ弁装置8のばね室29にも導かれるため、
左,右の弁体25A,25Bにはブレーキ解除圧をばね
室29内で背圧として作用させることができ、油圧モー
タ3の起動時には弁体25A,25Bを閉弁状態に保つ
ことができる。
【0083】これにより、油圧モータ3を高い応答性を
もって起動できると共に、車両の駆動力を早期に高める
ことができ、発進、走行時の操作性や信頼性を向上でき
る。また、車両の発進時等に弁体25A,25Bが作動
してしまうのを阻止できるから、弁体25A,25Bの
リリーフ圧力(設定圧力値Pb )を車両の制動特性、停
止特性を向上させるために自由に選択でき、弁ばね30
等の選択幅を拡げることが可能となる。
【0084】次に、図6は本発明の第3の実施の形態を
示し、本実施の形態では第1の実施の形態と同一の構成
要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとす
る。しかし、本実施の形態の特徴は、リリーフ弁装置8
のばね室29内に配設する付勢手段を、左,右の弁ばね
51A,51Bと、該弁ばね51A,51B間に配設し
たばね受52とから構成したことにある。
【0085】ここで、ばね受52はガイドスリーブ18
の弁体ガイド穴20内に摺動可能に挿嵌され、左,右の
弁ばね51A,51Bが常に均等に撓み変形するのを補
償している。そして、弁ばね51A,51Bは弁体25
A,25Bを常時閉弁方向に付勢すると共に、弁体25
A,25Bのいずれか一方が開弁する場合にも、両者の
ばね力(付勢力)は均等な大きさに保たれるものであ
る。
【0086】また、ガイドスリーブ18の軸方向中間部
には径方向の油穴53が穿設され、該油穴53によりば
ね室29はセンタ油溝14を介して油路15に常時連通
している。なお、油穴53は第1の実施の形態で述べた
図2に示す油穴21よりも大径に形成しているが、これ
は油穴53がばね受52により塞がれないように形成し
ているもので、油穴53の大きさ、位置等は機種等に応
じて任意に設計変更可能なものである。
【0087】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができるが、特に本実施の形態では、リリー
フ弁装置8のばね室29内に設ける付勢手段を、弁ばね
51A,51Bとばね受52とにより構成したから、弁
ばね51A,51Bをコイル長の短いコイルスプリング
等によって形成でき、コイルスプリング等の選択幅を拡
げることができる。
【0088】次に、図7は本発明の第4の実施の形態を
示し、本実施の形態の特徴は、リリーフ弁装置の弁ケー
シング内にガイドスリーブ等を用いることなく、弁体ガ
イド穴を直接形成し、該弁体ガイド穴の軸方向両端側に
一対の弁体を摺動可能に設ける構成としたことにある。
なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の
構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するもの
とする。
【0089】図中、61は本実施の形態で採用した弁ケ
ーシングで、該弁ケーシング61は前記第1の実施の形
態で述べたケーシング本体10とほぼ同様に油圧モータ
3のハウジングに一体成形され、一対の給排通路62
A,62B等を有している。なお、給排通路62A,6
2Bは第1の実施の形態で述べた給排通路11A,11
Bと同様に主管路4A,4Bの一部を構成するものであ
る。
【0090】63は弁ケーシング61に直接形成された
弁体ガイド穴で、該弁体ガイド穴63は給排通路62
A,62B間を左,右方向に延びる円形の軸穴として形
成され、その穴径は弁軸部26A,26Bの外径(寸法
D2 )にほぼ対応している。そして、弁体ガイド穴63
の両端側は後述の油溝64A,64B内へと開口し、弁
体ガイド穴63内には両端側から弁体25A,25Bの
弁軸部26A,26Bが摺動可能に挿嵌されている。
【0091】64A,64Bは弁体ガイド穴63を軸方
向両側から挟むように弁ケーシング61に設けられた
左,右一対の油溝で、該油溝64A,64Bは弁体ガイ
ド穴63よりも大径の環状油溝として形成され、弁体2
5A,25Bの弁部27A,27B等を径方向外側から
取囲む構成となっている。そして、油溝64A,64B
は給排通路62A,62Bの間に位置し、後述の連絡通
路69により互いに常時連通しているものである。
【0092】65A,65Bは左,右の油溝64A,6
4Bを挟んで弁体ガイド穴63の軸方向両側に配設され
た左,右一対の段付の取付穴で、該取付穴65A,65
Bは弁体ガイド穴63と同軸上に位置して弁ケーシング
61に形成され、弁体ガイド穴63よりも大径となって
いる。
【0093】また、取付穴65A,65Bは左,右の給
排通路62A,62Bを横切るように軸方向に延び、弁
ケーシング61の左,右両側に開口する部位はねじ穴部
66A,66Bとなっている。そして、取付穴65A,
65Bには弁ケーシング61の左,右両側から後述の弁
座筒70A,70Bと蓋体71A,71Bとが螺着等の
手段を用いて取付けられている。
【0094】67A,67Bは左,右の給排通路62
A,62Bを弁座筒70A,70B内に常時連通させる
左,右一対の他の油溝を示し、該油溝67A,67Bは
給排通路62A,62Bと対応する位置で取付穴65
A,65Bの周壁を環状に切欠くことにより形成されて
いる。
【0095】68は弁体ガイド穴63の軸方向中間部に
位置して弁ケーシング61に設けられたセンタ油溝で、
該センタ油溝68は弁体ガイド穴63の周壁を環状に切
欠くことにより形成され、後述のばね室72を油路15
に対して常時連通させるものである。
【0096】69は弁体ガイド穴63を迂回して油溝6
4A,64B間に設けられた連絡通路で、該連絡通路6
9は、第1の実施の形態で述べた連絡通路17とほぼ同
様に構成され、略U字状またはコ字状をなす油路として
弁ケーシング61内に形成されている。そして、連絡通
路69は両端側が油溝64A,64Bに連通し、油溝6
4A,64B間を常時等しい圧力状態に保つものであ
る。
【0097】70A,70Bは弁ケーシング61の取付
穴65A,65Bに嵌合して取付けられた第1,第2の
弁座部材としての弁座筒で、該弁座筒70A,70Bは
内径が寸法D1 の段付筒状体として蓋体71A,71B
と一体に形成されている。そして、弁座筒70A,70
Bは、弁体ガイド穴63と油溝64A,64Bを挟んで
軸方向に対向配設され、弁体25A,25Bの弁部27
A,27Bと対向する端面側が弁座23A,23Bとな
っている。
【0098】71A,71Bは弁座筒70A,70Bと
一体に形成された蓋体で、該蓋体71A,71Bは弁ケ
ーシング61の左,右両側から取付穴65A,65Bの
ねじ穴部66A,66B内に螺着することにより、弁座
筒70A,70Bと一体に取付穴65A,65B内に取
付られるものである。そして、蓋体71A,71Bは取
付穴65A,65Bの開口端となるねじ穴部66A,6
6Bを閉塞し、弁座筒70A,70Bの内周側は油溝6
7A,67Bを介して給排通路62A,62Bと常時連
通することになる。
【0099】72は弁体25A,25B間に位置して弁
体ガイド穴63内に形成されたばね室、73は該ばね室
72内に縮装状態で配設された付勢手段を構成するリリ
ーフ圧力設定用の弁ばねで、該弁ばね73は単一のコイ
ルスプリング等からなり、その両端側で弁体25A,2
5Bを弁座23A,23Bに向けて常時付勢しているも
のである。
【0100】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができるが、特に本実施の形態では、第1の
実施の形態等で用いているガイドスリーブ18等を廃止
でき、リリーフ弁装置8の全体構成を簡素化することが
できる。
【0101】次に、図8ないし図12は本発明の第5の
実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、弁体の開弁
速度を遅くするために一対のダンパ室を形成し、ショッ
クレス機能付きのリリーフ弁装置を提供する構成したこ
とにある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形
態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省
略するものとする。
【0102】図中、81はケーシング本体10のスリー
ブ取付穴12内に着脱可能に挿嵌された段付筒状のガイ
ドスリーブで、該ガイドスリーブ81は第1の実施の形
態で述べたガイドスリーブ18とほぼ同様に構成され、
弁部収容筒部81A,81B、径方向の油穴82A,8
2B、弁体ガイド穴83および油穴84等が形成されて
いる。そして、ガイドスリーブ81には弁部収容筒部8
1A,81Bの突出端側に弁座筒22A,22Bが嵌合
等の手段を用いて固着され、油穴84はばね室29を油
路15に対して常時連通させるものである。
【0103】しかし、本実施の形態で採用したガイドス
リーブ81には、弁部収容筒部81A,81Bの内周側
にダンパ穴部85A,85Bと拡径穴部86A,86B
とからなる段付穴が軸方向に延びるように形成されてい
る。そして、ダンパ穴部85A,85Bは弁体ガイド穴
83を軸方向両側から挟むように位置し、弁体25A,
25Bの段差部28A,28よりも僅かに大径に形成さ
れている。
【0104】また、拡径穴部86A,86Bは、ダンパ
穴85A,85Bと弁座筒22A,22Bとの間に位置
してダンパ穴部85A,85Bよりも大径に形成され、
前記油穴82A,82Bを介して油溝16A,16B、
連絡通路17側に常時連通している。そして、ダンパ穴
部85A,85Bと拡径穴部86A,86Bとの間の境
界部は、閉弁状態にある弁体25A,25Bに対して段
差部28A,28Bから軸方向に予め決められた寸法S
(図9、図10参照)だけ離間した位置に配設されてい
る。
【0105】87A,87Bはダンパ穴部85A,85
B内に弁体25A,25Bによって形成される左,右一
対のダンパ室で、該各ダンパ室87A,87Bは弁軸部
26A,26Bの外周側に位置して環状の段差部28
A,28Bによりダンパ穴部85A,85B内に画成さ
れるものである。
【0106】88A,88Bはガイドスリーブ81の弁
体ガイド穴83とダンパ穴部85A,85Bとの境界部
に位置して弁部収容筒部81A,81Bに穿設された径
方向の絞り通路で、該絞り通路88A,88Bはダンパ
室87A,87B内を油溝16A,16B、連絡通路1
7側に小さな流路面積をもって常時連通させるものであ
る。そして、絞り通路88A,88Bは、弁体25A,
25Bの開弁時にダンパ室87A,87B内から油溝1
6A,16B側に向けて排出される圧油に絞り抵抗を与
え、弁体25A,25Bの開弁速度をダンパ室87A,
87Bと共に緩慢な遅い速度に抑えるものである。
【0107】89は弁体25A,25B間に位置してガ
イドスリーブ81の弁体ガイド穴83内に形成されたば
ね室、90は該ばね室89内に縮装状態で配設された付
勢手段を構成するリリーフ圧力設定用の弁ばねを示し、
該弁ばね90は単一のコイルスプリング等からなり、そ
の両端側で弁体25A,25Bを弁座23A,23Bに
向けて常時付勢しているものである。
【0108】91はガイドスリーブ81、弁座筒22
A,22B、蓋体24、弁体25A,25Bおよび弁ば
ね90等からなる予備組立体としてのバルブアッシで、
該バルブアッシ91は、第1の実施の形態で述べたバル
ブアッシ31とほぼ同様に、ガイドスリーブ81内に弁
体25A,25Bおよび弁ばね90を組込んだ状態で、
その両端側に弁座筒22A,22Bおよび蓋体24を嵌
合等の手段で取付けることにより単一の組立体を構成す
るものである。
【0109】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができるが、特に本実施の形態では、ガイド
スリーブ81の弁部収容筒部81A,81Bにダンパ穴
部85A,85Bを設け、該ダンパ穴部85A,85B
内には弁軸部26A,26Bの外周側に位置して弁体2
5A,25Bの段差部28A,28Bによりダンパ室8
7A,87Bを形成する構成としている。
【0110】そして、ガイドスリーブ81の弁部収容筒
部81A,81Bには径方向に絞り通路88A,88B
を形成し、該絞り通路88A,88Bによりダンパ室8
7A,87Bを油溝16A,16B、連絡通路17側に
小さな流路面積をもって常時連通させる構成としてい
る。
【0111】これにより、弁体25A,25Bの開弁時
にはダンパ室87A,87B内から油溝16A,16B
側に向けて排出される圧油に対し絞り通路88A,88
Bで絞り抵抗を与え、弁体25A,25Bの開弁速度を
緩慢な速度に抑えることができ、リリーフ弁装置8を図
12中に実線で示す特性線92の如く作動させ、ショッ
クレス機能を付与できる。
【0112】即ち、前記第1の実施の形態でも述べたよ
うに、例えば油圧モータ3の慣性回転により給排通路1
1B側に高圧のブレーキ圧が発生し、このブレーキ圧が
図9中の矢示C方向で弁座筒22B内から弁体25Bに
向けて作用すると、弁体25Bは後述の数6式による設
定圧力値Pc 以上までブレーキ圧が上昇した段階で、弁
ばね90の付勢力F11に抗して図10に示すように開弁
する。
【0113】
【数6】Pc ≧ F11/(D12×π/4)
【0114】また、弁体25Bが開弁し始めると、給排
通路11B側のブレーキ圧が弁座筒22B側から油溝1
6B等を介して連絡通路17内へと矢示E方向に流通す
る。このとき、ブレーキ圧は弁体25Bの段差部28B
側にも作用するため、弁体25Bは弁軸部26Bの横断
面積(D22×π/4)に相当する受圧面積をもってブレ
ーキ圧を受承する。
【0115】
【数7】Pc = F12/(D22×π/4)
【0116】そして、弁体25Bは、例えば数7の式を
満たす付勢力F12またはこれ以上の付勢力をもった弁ば
ね90に抗して開弁状態を保つことになる。この場合、
ブレーキ圧が設定圧力値Pc 以上まで上昇することによ
り、弁体25Bは開弁方向に移動する。
【0117】しかし、この状態では段差部28Bがダン
パ室87B内に一時的に圧油を封じ込めることによっ
て、弁体25Bは開弁速度が緩慢となり、段差部28B
が弁体ガイド穴83の端面側に当接し最大開弁(全開)
位置に達するまでの時間は、前記第1の実施の形態より
も僅かに遅れることになる。
【0118】また、連絡通路17を通じてガイドスリー
ブ81の弁部収容筒部81A側へと矢示E方向に流通し
たブレーキ圧は、図10中の左側に位置する弁体25A
に対し受圧面積(D22−D12)×π/4をもって作用す
る。
【0119】
【数8】Pd ≧ F13/{(D22−D12)×π/4}
【0120】そして、このときのブレーキ圧が数8式に
よる設定圧力値Pd 以上までさらに上昇すると、弁体2
5Aは弁ばね90の付勢力F13に抗して図11に示す如
く開弁する。この場合でも、弁体25A,25Bは受圧
面積を前記数4,5の式を満たす関係に設定することに
より、右側の弁体25Bが開弁した後に僅かな時間遅れ
をもって左側の弁体25Aを開弁させることができる。
【0121】また、弁体25Aの開弁動作時にも、段差
部28Aがダンパ室87A内に一時的に圧油を封じ込め
ることによって開弁速度が緩慢となり、弁体25Aは段
差部28Aが弁体ガイド穴83の端面側に当接し最大開
弁(全開)位置に達するまでの時間が僅かに遅れ、図1
2中に示す時間tのタイムラグを発生させることができ
る。
【0122】そして、ブレーキ圧の上昇に伴なって左側
の弁体25Aが開弁方向に変位すると、これに従って弁
ばね90は漸次圧縮され、弁ばね90が付勢力F14に達
した段階で、弁体25Aが完全に開弁する。
【0123】
【数9】Pe =F14/{(D22−D12)×π/4}
【0124】これにより、給排通路11B側に発生した
ブレーキ圧は、図12に示す設定圧力値Pe まで上昇し
て弁体25A,25Bが完全に開弁した段階で、連絡通
路17を介して給排通路11A側へと矢示G方向に流れ
ることにより、過剰圧がリリーフされることになる。
【0125】そして、弁体25A(25B)を緩慢に開
弁動作させることにより、ブレーキ圧を図12中に実線
で示す特性線92に沿って緩やかに上昇させることがで
き、仮想線で示した特性線93のようにピーク圧が発生
するのを抑え、所謂ショックレス機能を発揮することが
できる。
【0126】また、図12中に示す如くブレーキ圧が設
定圧力値Pe に昇圧するまでの時間tを、弁体25A,
25Bの開弁時間、即ち絞り通路88A,88Bの流路
面積に応じて調整でき、絞り通路88A,88Bの大き
さを変えることによって、時間tの調整を簡単に行うこ
とができる。
【0127】かくして、当該リリーフ弁装置8のリリー
フ圧力を、設定圧力値Pe (Pe >Pd >Pc )として
設定でき、給排通路11Bまたは11A内に設定圧力値
Pe以上の過剰圧が発生するのを防止できると共に、こ
のときの過剰圧を給排通路11B,11A間で良好にリ
リーフさせることができる。
【0128】また、弁体25A,25Bの閉弁時にあっ
ては、ダンパ穴部85A,85Bと拡径穴部86A,8
6Bとの間の境界部を弁体25A,25Bの段差部28
A,28Bから軸方向に所定の寸法Sだけ離間した位置
に配設する構成としている。
【0129】このため、弁体25A,25Bが閉弁位置
から開弁方向に寸法Sだけ変位した後に、弁体25A,
25Bの開弁速度をダンパ室87A,87Bにより遅く
するように制御でき、弁体25A(25B)によるブレ
ーキ圧のリリーフ作用を安定させることができる。
【0130】そして、弁体25A(25B)の開弁動作
がダンパ室87A(87B)によって阻害されるのを防
止でき、図12中に仮想線で示した特性線93の如くピ
ーク圧が発生するのを良好に抑えることができる。
【0131】なお、前記第1〜第3および第5の実施の
形態では、蓋体24を弁座筒22Bと一体に形成するも
のとして述べたが、本発明はこれに限るものではなく、
例えば蓋体24を弁座筒22Bと別部材として形成し、
ケーシング本体10のスリーブ取付穴12内に弁座筒2
2B挿嵌した後に、ねじ穴部12B内に蓋体24を螺着
する構成としてもよいものである。
【0132】また、前記第4の実施の形態で採用した弁
座筒70A,70Bについても、蓋体71A,71Bと
は別部材として形成し、例えば弁ケーシング61の取付
穴65A,65B内に弁座筒70A,70Bを予め挿嵌
した後に、ねじ穴部66A,66B内に蓋体71A,7
1Bを螺着する構成としてもよい。
【0133】また、前記第3〜第5の実施の形態にあっ
ても、第2の実施の形態で述べたように油路15の先端
側をブレーキ制御管路42に接続し、油圧モータ3の起
動時等にリリーフ弁装置8が開弁動作するのを阻止する
構成としてもよい。
【0134】さらに、前記各実施の形態では、油圧アク
チュエータとして走行用の油圧モータ3を用いる場合を
例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば
旋回用の油圧モータまたはロープウインチ用の油圧モー
タ等を用いた油圧回路等にも適用できるものである。そ
して、本発明は、油圧ショベル、油圧クレーン等に限る
ことなく、走行用または旋回用の油圧モータ等を備える
他の建設機械のリリーフ弁装置等にも広く適用しうるも
のである。
【0135】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、弁ケーシングには、一対の給排通路間に位
置して軸方向両端側に各弁体が挿嵌される弁体ガイド穴
と、該弁体ガイド穴の軸方向両端側に弁体を挟んで対向
配設された一対の弁座と、前記弁体ガイド穴を迂回して
該各弁座間を連通させる連絡通路とを設けると共に、前
記弁体ガイド穴内には各弁体間に位置してばね室を形成
し、該ばね室内には各弁体を弁座側に向けて常時付勢し
たリリーフ圧力設定用の付勢手段を設ける構成としてい
るため、リリーフ弁装置の部品点数を減らして組立時の
作業性を向上できると共に、装置全体を小型化してコン
パクトに形成できる。そして、一対の弁体には付勢手段
による付勢力を均等に作用させることができ、一対の給
排通路のうちいずれの給排通路側にブレーキ圧が発生し
た場合でも、左,右で均等なリリーフ性能を発揮するこ
とができる。
【0136】また、請求項2に記載の発明は、弁体ガイ
ド穴の軸方向両端側と各弁座との間に一対の油溝を設け
る構成としているため、弁体ガイド穴の軸方向両端側に
位置する油溝内で弁体を円滑に開,閉弁動作させること
ができ、弁体の開弁時にはブレーキ圧を各弁座間で油溝
を通じて連絡通路内へと滑らかに流通させることができ
る。
【0137】また、請求項3に記載の発明によると、油
圧アクチュエータはネガティブ型のブレーキ装置を有
し、ばね室には該ブレーキ装置に給排されるブレーキ解
除圧を導く構成としているため、油圧アクチュエータの
起動時にはブレーキ解除圧によって各弁体を共に閉弁状
態に保持でき、各弁体が誤って開弁する等の不具合を良
好に解消できる。
【0138】一方、請求項4に記載の発明は、弁体の開
弁速度を遅くするためのダンパ室を備える構成としてい
るため、一対の弁体を比較的ゆっくりとタイムラグをも
って順次開弁させることができ、ブレーキ圧が急激に昇
圧するのを抑え開弁時の衝撃を緩和できる。従って、車
両等の慣性体を停止させるときの衝撃を確実に低減で
き、部品点数等を特別に増やすことなく、当該リリーフ
弁装置にショックレス機能を付与することができる。
【0139】また、請求項5に記載の発明では、弁体を
弁軸部と弁部とから構成し、該弁部は弁座に離着座する
部位を弁軸部よりも小径に形成すると共に、弁軸部との
境界部側に該弁軸部よりも大径に形成された環状の段差
部を有する構成としているため、弁体の開弁動作を安定
させることができ、給排通路からのブレーキ圧を連絡通
路内へと円滑に導くことができる。そして、弁体の開弁
時には環状の段差部を弁体ガイド穴の端面側に当接させ
ることにより、弁体を最大開弁(全開)位置に保つこと
ができる。
【0140】また、請求項6に記載の発明では、弁ケー
シングのケーシング本体に、内周側が弁体ガイド穴とな
ったガイドスリーブを設けると共に、該ガイドスリーブ
の軸方向両端側には弁体と対向する部位が弁座となった
第1,第2の弁座部材を設ける構成としているため、ガ
イドスリーブと第1,第2の弁座部材とを単一の組立体
として予め組立ておくことができ、この組立体を弁ケー
シングのケーシング本体内に挿嵌するように組付けるこ
とにより当該リリーフ弁装置の組立作業を容易に行うこ
とができる。
【0141】また、請求項7に記載の発明によると、ガ
イドスリーブの軸方向両端側には、弁体ガイド穴を軸方
向両側から挟み弁体の段差部よりも僅かに大径に形成さ
れたダンパ穴部と、該ダンパ穴部と弁座部材との間に位
置して連絡通路側に常時連通した拡径穴部と、前記ダン
パ穴部内を前記連絡通路側に常時連通させる絞り通路と
を設ける構成としているため、ガイドスリーブの軸方向
両端側にはダンパ穴部と弁体の段差部との間にダンパ室
を形成でき、該ダンパ室内の圧油を絞り通路を介して連
絡通路側に流通させることにより、弁体の開弁速度を絞
り通路の流路面積に対応した速度に調整できる。そし
て、一対の弁体を比較的ゆっくりとタイムラグをもって
開弁させることができ、ブレーキ圧が急激に昇圧するの
を抑え開弁時の衝撃を緩和できると共に、車両等の慣性
体を停止させるときの衝撃を確実に低減でき、部品点数
等を特別に増やすことなく、当該リリーフ弁装置にショ
ックレス機能を付与することができる。
【0142】さらに、請求項8に記載の発明によると、
ガイドスリーブのダンパ穴部と拡径穴部との間の境界部
を、閉弁状態にある弁体に対し段差部から軸方向に予め
決められた寸法だけ離間した位置に配設する構成として
いるため、弁体は閉弁状態から開弁方向に変位し始め、
段差部が境界部に近接するまでの間はダンパ作用を受け
ることなく開弁でき、ブレーキ圧が瞬間的に急上昇して
ピーク圧が発生する等の不具合を解消することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるリリーフ弁装
置が適用された油圧ショベルの走行用油圧回路図であ
る。
【図2】図1中のリリーフ弁装置を示す縦断面図であ
る。
【図3】一方の弁体が開弁した状態を示す図2とほぼ同
様の縦断面図である。
【図4】両方の弁体が開弁した状態を示す図2とほぼ同
様の縦断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態によるリリーフ弁装
置が適用された油圧ショベルの走行用油圧回路図であ
る。
【図6】本発明の第3の実施の形態によるリリーフ弁装
置を示す縦断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態によるリリーフ弁装
置を示す縦断面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態によるリリーフ弁装
置を示す縦断面図である。
【図9】図8中のガイドスリーブ、弁体ガイド穴、弁体
およびダンパ室等を拡大して示す要部断面図である。
【図10】一方の弁体が開弁した状態を示す図8とほぼ
同様の縦断面図である。
【図11】両方の弁体が開弁した状態を示す図8とほぼ
同様の縦断面図である。
【図12】第5の実施の形態によるリリーフ弁装置のリ
リーフ特性を示す特性線図である。
【符号の説明】 1 油圧ポンプ 3 油圧モータ(油圧アクチュエータ) 4A,4B 主管路 5 方向制御弁 8 リリーフ弁装置 9,61 弁ケーシング 10 ケーシング本体 11A,11B,62A,62B 給排通路 12 スリーブ取付穴 15 油路 16A,16B,64A,64B 油溝 17,69 連絡通路 18,81 ガイドスリーブ 18A,18B,81A,81B 弁部収容筒部 20,63,83 弁体ガイド穴 22A,22B,70A,70B 弁座筒(弁座部材) 23A,23B 弁座 25A,25B 弁体 26A,26B 弁軸部 27A,27B 弁部 28A,28B 段差部 29,72,89 ばね室 30,51A,51B,73,90 弁ばね(付勢手
段) 31,91 バルブアッシ 41 ブレーキ装置 42 ブレーキ制御管路 85A,85B ダンパ穴部 86A,86B 拡径穴部 87A,87B ダンパ室 88A,88B 絞り通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H059 BB06 BB22 BB30 CA12 CB12 CD05 EE01 FF03 FF13 FF16 3H060 AA02 BB01 CC22 CC29 DC05 DD02 DD12 FF03 FF06 HH04 HH18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧アクチュエータに圧油を給排する一
    対の給排通路が設けられた弁ケーシングと、 前記一対の給排通路間に位置して該弁ケーシングに設け
    られた弁体ガイド穴と、 該弁体ガイド穴と一対の給排通路との間に位置して該弁
    体ガイド穴の軸方向両端側に対向配設された一対の弁座
    と、 該一対の弁座間を連通させるため前記弁体ガイド穴を迂
    回して該一対の弁座間に設けられた連絡通路と、 前記各弁座に離着座するように前記弁体ガイド穴の軸方
    向両端側に設けられ、常時は前記弁座に着座して閉弁
    し、前記一対の給排通路のうちいずれか一方の給排通路
    側に過剰圧が発生したときには開弁し前記連絡通路を通
    じて他方の給排通路側に過剰圧を逃す一対の弁体と、 該一対の弁体間に位置して前記弁体ガイド穴内に形成さ
    れたばね室と、 該ばね室内に配設され前記一対の弁体を前記弁座側に向
    けて常時付勢するリリーフ圧力設定用の付勢手段とによ
    り構成してなるリリーフ弁装置。
  2. 【請求項2】 前記弁ケーシングには前記弁体ガイド穴
    の軸方向両端側と前記各弁座との間に位置して前記弁体
    ガイド穴よりも大径となった一対の油溝を設け、前記連
    絡通路は該一対の油溝間を常時連通させる構成としてな
    る請求項1に記載のリリーフ弁装置。
  3. 【請求項3】 前記油圧アクチュエータはネガティブ型
    のブレーキ装置を有し、前記ばね室には該ブレーキ装置
    に給排されるブレーキ解除圧を導く構成としてなる請求
    項1または2に記載のリリーフ弁装置。
  4. 【請求項4】 前記弁ケーシングには前記弁体ガイド穴
    の軸方向両端側に位置して前記弁体が開弁するときの開
    弁速度を遅くする一対のダンパ室を形成してなる請求項
    1,2または3に記載のリリーフ弁装置。
  5. 【請求項5】 前記各弁体は、前記弁体ガイド穴内に挿
    嵌される弁軸部と、前記弁体ガイド穴から突出する該弁
    軸部の突出端側に設けられ前記弁座に離着座する部位が
    該弁軸部よりも小径となったポペット型の弁部とから構
    成し、該弁部は前記弁軸部との境界部側に該弁軸部より
    も大径に形成された環状の段差部を有する構成としてな
    る請求項1,2,3または4に記載のリリーフ弁装置。
  6. 【請求項6】 前記弁ケーシングは、前記一対の給排通
    路および連絡通路が設けられたケーシング本体と、該ケ
    ーシング本体内に着脱可能に設けられ内周側が前記弁体
    ガイド穴となった段付筒状のガイドスリーブと、該ガイ
    ドスリーブの軸方向両端側にそれぞれ設けられ前記弁体
    と対向する部位が前記弁座となった第1,第2の弁座部
    材とにより構成してなる請求項5に記載のリリーフ弁装
    置。
  7. 【請求項7】 前記ガイドスリーブの軸方向両端側に
    は、前記弁体ガイド穴を軸方向両側から挟むように位置
    し前記弁体の段差部よりも僅かに大径に形成されたダン
    パ穴部と、該ダンパ穴部と前記弁座部材との間に位置し
    て該ダンパ穴部よりも大径に形成され前記連絡通路側に
    常時連通した拡径穴部と、前記ダンパ穴部内を前記連絡
    通路側に常時連通させる絞り通路とを設ける構成として
    なる請求項6に記載のリリーフ弁装置。
  8. 【請求項8】 前記ガイドスリーブのダンパ穴部と拡径
    穴部との間の境界部は、閉弁状態にある前記弁体に対し
    前記段差部から軸方向に予め決められた寸法だけ離間し
    た位置に配設する構成としてなる請求項7に記載のリリ
    ーフ弁装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005140324A (ja) * 2003-11-10 2005-06-02 Sauer Danfoss Inc 複式逆止め逃がし弁
JP2009537763A (ja) * 2006-05-18 2009-10-29 ホワイト・ドライブ・プロダクツ・インコーポレーテッド 油圧装置用ショックバルブ

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