JP2000328901A - クランクレスエンジン機構 - Google Patents

クランクレスエンジン機構

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JP2000328901A
JP2000328901A JP2000129027A JP2000129027A JP2000328901A JP 2000328901 A JP2000328901 A JP 2000328901A JP 2000129027 A JP2000129027 A JP 2000129027A JP 2000129027 A JP2000129027 A JP 2000129027A JP 2000328901 A JP2000328901 A JP 2000328901A
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piston
output shaft
swing member
engine
joint
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JP2000129027A
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Hiromasa Kitaguchi
弘正 北口
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/32Engines characterised by connections between pistons and main shafts and not specific to preceding main groups

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単であり、作動効率が高く、実用的
なクランクレスエンジンを容易に実現する。 【解決手段】 各外周結合部31をピストン8に連結す
る揺動部材3と、揺動部材3を揺動可能に支持する球面
軸受4と、揺動部材3の揺動運動によって回転する出力
軸1とを設ける。揺動部材3は、複数のピストン8を順
に作動させることにより球面軸受4を介して揺動し、出
力軸1を回転させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、作動効率が良好
な実用的なクランクレスエンジンを容易に実現すること
ができるクランクレスエンジン機構に関する。
【0002】
【従来の技術】クランクシャフトを使用しないクランク
レスエンジンとして、円筒カム形や斜板式の他、筒形ク
ランクレスエンジンが考案されている(たとえば大道寺
達、クランクレス機関、日刊工業新聞社(昭和36年5
月25日))。
【0003】また、クランクレスエンジンとして唯一実
用化されているものは、マツダ社のロータリーエンジン
である。このエンジンは、通常のレシプロエンジンに比
して、回転の円滑性、小形軽量化、少ない部品点数、構
造の単純化などの点において優れているが、アペックス
シールやサイドシールのガス漏れに起因する燃料消費量
の悪さに大きな問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術による
ときは、クランクレスエンジンは、各種のものが考案さ
れているが、ロータリーエンジンを除く殆どのものが実
用化に至っておらず、ロータリーエンジンも、必ずしも
満足すべきものとはいい難い。
【0005】クランクレスエンジンが実用化されない理
由は、たとえば次のような点にあると考えられる。 (1)円筒カムとローラーとの組合せのように、当り面
が点接触または線接触の箇所が生じ、摩耗が早く、実用
に耐えられない。 (2)滑り速度が大きいために高速回転が得られず、性
能向上が望めない。 (3)同じ排気量の従来形のエンジンに比して、全体体
積や重量が過大になり易い。 (4)部品加工が困難であり、生産に支障を来たす。 (5)構造が複雑に過ぎ、製造コストが高く、採算性に
問題がある。
【0006】そこで、この発明の目的は、かかる従来技
術の問題に鑑み、揺動部材と自在軸受と出力軸とを組み
合わせることによって、構造が簡単であり、作動効率が
高く、実用的なクランクレスエンジンを容易に実現する
ことができるクランクレスエンジン機構を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めのこの発明の構成は、ジョイントを介して各外周結合
部をピストンに連結する揺動部材と、揺動部材を揺動可
能に支持する自在軸受と、揺動部材の揺動運動によって
回転する出力軸とを備えてなり、揺動部材のピン部は、
シリンダーヘッドと同一側に配設する出力軸の軸端の斜
め穴に挿入することをその要旨とする。
【0008】なお、ピン部は、球面軸受を介して斜め穴
に挿入し、揺動部材は、自在軸受を介し、ピストンの作
動方向に移動可能であってもよい。
【0009】
【作用】かかる発明の構成によるときは、揺動部材は、
各外周結合部を介して複数のピストンに連結され、自在
軸受を介して揺動自在に支持されている。そこで、揺動
部材は、複数のピストンを順に作動させることにより、
自在軸受を介して揺動し、出力軸を回転させることがで
きる。
【0010】なお、揺動部材は、それ自体が自転するこ
とがなく、揺動運動のみによって出力軸に動力を伝達す
るため、滑り速度が低く、伝達効率がよくなる上、従来
のクランクシャフトが小形の揺動部材に置き替えられる
ので、全体として小形軽量となり、軸受数が多くて作動
効率を悪くするクランクシャフトを排除するので、燃料
消費量を節約することができる。また、従来の多気筒エ
ンジンにおいては、クランクシャフトが長くなるために
ねじり振動が生じ、それを防ぐためにダンパーを設ける
などの対策が必要であるのに対し、揺動部材は、多気筒
であっても長くする必要がなく、振動発生の原因となる
こともない。
【0011】ただし、この発明において、自在軸受と
は、球面軸受の他、十字形自在軸受を含むものとする。
自在軸受は、揺動部材をシリンダーの作動方向に拘束
し、したがって、揺動部材は、出力軸に対し、不要なス
ラスト荷重を負荷させることなく、ラジアル荷重のみを
伝達することができる。
【0012】なお、揺動部材をピストンの作動方向に移
動可能とすることにより、燃焼室の圧縮比を可変し、作
動効率を一層向上させることができる。一般に、エンジ
ンは、圧縮比を高めることにより熱効率を向上させて出
力を上げるとともに、燃料消費量の低減を図ることがで
きるが、高圧縮比において低速回転時に高負荷をかけた
場合、異常燃焼によるノッキングが発生して出力が低下
したり、エンジンを損傷したりすることがある。そこ
で、圧縮比を可変し得る構造とすれば、高圧縮比と低圧
縮比との双方の利点を生かし、性能を向上させて燃料消
費量を低減させることができる。
【0013】また、この発明は、外部の駆動源によって
出力軸を回転駆動することにより、揺動部材を介して複
数のピストンを順に作動させることができ、コンプレッ
サーや真空ポンプなどとして作動させることも可能であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を以って発明の実施の
形態を説明する。
【0015】クランクレスエンジン機構は、複数のピス
トン8に連結する揺動部材3と、球面軸受4と、出力軸
1とを備えてなる(図1)。
【0016】出力軸1は、ベアリング111、112を
介し、ケース11内に回転自在に支持されている。出力
軸1の先端は、ケース11の内側に突出しており、出力
軸1の先端面には、斜め穴113が設けられ、斜め穴1
13には、ベアリング2が挿入されている。また、出力
軸1の先端面には、揺動部材3の偏心運動によって生じ
る遠心力をバランスするために、バランサー114が斜
め穴113の軸対称位置に形成されている。一方、ケー
ス11の外側に突出する出力軸1の出力取出部115に
は、スプライン、セレーション、キー溝などが加工され
ている。また、出力軸1の中間部には、カムシャフト駆
動用のねじ歯車116が形成されている。なお、ねじ歯
車116は、補機駆動用としても利用することができ
る。
【0017】揺動部材3は、球面軸受4を介し、全方向
に揺動可能に支持されている。また、球面軸受4は、ブ
ラケット5に取り付けられている。揺動部材3は、出力
軸1側にピン部32が突設されており、ピン部32は、
ベアリング2を介し、斜め穴113に回転自在に挿入さ
れている。
【0018】揺動部材3の外周結合部31には、球面軸
受72を介してジョイント7が取り付けられている。ま
た、ジョイント7の他端には、球面軸受62、ピストン
ピン6を介してピストン8が連結されている。ピストン
8は、シリンダー9内に摺動可能に収納されており、シ
リンダー9を塞ぐシリンダーヘッド92には、点火プラ
グ91、吸・排気弁93が付設されている。ピストン8
は、シリンダー9内において往復運動可能である。
【0019】なお、ピストン8は、図1に示すように、
シリンダー9の両側に燃焼室90を有するもの、図5の
ように、片側にのみ燃焼室90を有するもののいずれで
あってもよく、前者は、後者の2倍の気筒数を有する。
ただし、出力軸1は、揺動部材3のピン部32ととも
に、シリンダーヘッド92と同一側に配設されている。
【0020】図1の補機用出力軸10は、揺動部材3を
介し、出力軸1とは別の系統に回転力を取り出すことが
できる。すなわち、揺動部材3は、補機用出力軸10側
にピン22を有し、ピン22は、補機用出力軸10の先
端のピン受23を介し、補機用出力軸10の先端面に斜
めに挿入されている。補機用出力軸10は、冷却ファ
ン、発電機、ポンプ、冷房用コンプレッサー等の駆動用
として利用することができ、軸端には、プーリー101
が取り付けられている。
【0021】なお、揺動部材3には、各摺動面に潤滑油
を注油するための油穴20が形成されている。
【0022】4サイクルガソリンエンジンに適用すると
して、図1の作動は、次のようになる。
【0023】ピストン8により圧縮されたガスは、点火
プラグ91によって点火されて燃焼膨脹し、その圧力に
よってピストン8を押圧し、対向する燃焼室90側へピ
ストン8を移動させる。ピストン8の押圧力は、ジョイ
ント7を介して揺動部材3の外周結合部31を押す力に
なるが、球面軸受4を支点にしている揺動部材3のピン
部32は、出力軸1の回転方向にのみ動き得るように拘
束されているので、揺動部材3は、ピストン8の押圧力
を出力軸1を回転させる回転力に変換することになる。
そこで、このような燃焼行程を他の燃焼室90において
順に行ない、一つの燃焼室90においては、燃焼行程−
排気行程−吸気行程−圧縮行程を順に1サイクルとして
作動させる。すなわち、一方の燃焼室90で燃焼圧力を
受けて押されるピストン8は、他方の燃焼室90におい
て圧縮行程または排気行程を行なうことができる。
【0024】出力軸1に形成するねじ歯車116には、
カムシャフト94上のねじ歯車117が直交して噛み合
っている。カムシャフト94は、吸・排気弁93を直接
作動させたり、ロッカーアームを介して作動させたりす
る。カムシャフト94には、タイミングギヤー119が
固着されており、タイミングギヤー119は、図示しな
いチェーンまたはタイミングベルトを介して別のタイミ
ングギヤー119に連結し、対向するシリンダーヘッド
120側の弁機構を作動させる。なお、ねじ歯車11
6、117の歯数比は、1対2とする。4サイクルエン
ジンでは、出力軸1に対してカムシャフト94の回転数
を1/2にする必要があるからである。ただし、2サイ
クルエンジンでは、ねじ歯車116、117の歯数比は
1対1でよい。
【0025】なお、シリンダー9には、水冷用のウオー
タージャケットが形成されている。また、出力軸1の軸
端には、フライホイール18が付設されており、フライ
ホイール18には、スターターモータのピニオンと噛み
合う始動用のリングギヤー19が固定されている。
【0026】図1のジョイント7は、ピン15、スライ
ダー14を組み合わせて構成してもよい(図2)。ピス
トン8には、スライド穴81が形成されており、スライ
ド穴81には、ピストン8の作動方向(図2の矢印方
向)に直角にスライド可能な円筒形のスライダー14が
収納されている。この方式は、図3(A)、(B)のシ
リンダー配列に適しているが、同図(C)、(D)にも
使用可能である。ただし、後者の場合は、揺動部材3の
外周結合部31がピン15の軸方向にも移動可能にする
ものとする。なお、図3(B)は、なるべくフラットな
形状にして多くのシリンダー数を有するエンジンであ
り、たとえばエンジンルームに制限を受ける高級乗用車
に装着し易いように構成されている。このものは、同図
(A)のエンジンを2段に重ね、出力軸1、1bに取り
付ける歯車1c、1cを介して各段のエンジン回転位相
を90度ずらせて連結することにより、エンジンルーム
内にコンパクトに収納し得る4気筒または8気筒エンジ
ンを構成している。
【0027】図4は、揺動部材3を揺動可能に支持する
自在軸受として、球面軸受4に代えて、十字形自在軸受
を採用する例である。十字形自在軸受は、十字主軸12
と、ブラケット5によって支持する十字副軸13とを組
み合わせて構成されている。
【0028】揺動部材28には、軸受29を介して十字
主軸12が貫通しており、揺動部材28は、十字主軸1
2のまわりに揺動自在である。したがって、揺動部材2
8は、十字主軸12、十字副軸13の交点を支点とし
て、全方向に揺動可能に支持されている。なお、ピスト
ン8は、十字主軸端部30に対し、ジョイント7、ピス
トンピン6を介して連結されている。
【0029】図5は、燃焼室90をピストン8の片側だ
けに配設する例であり、7〜9気筒またはそれ以上の筒
形多気筒エンジンを構成することができる。出力軸1の
斜め穴113に挿入しているピン部32の軸受外面を球
面軸受からなるベアリング21とすることにより、揺動
部材3が力を受けたときに生ずる歪や工作精度誤差を吸
収することができ、ベアリング21の内面とピン部32
との当りがよくなり、耐久性を向上させることができ
る。また、揺動部材3は、安定な揺動運動を実現するた
めに、傘歯車からなる安定用歯車16を使用している。
【0030】なお、揺動部材3は、傘歯車からなる安定
用歯車16を使用するに代えて、各球面軸受72の頭部
に円筒歯73を設けてもよい(図7)。円筒歯73は、
歯車の歯の役目をし、9シリンダーの場合、歯数9枚の
歯車に匹敵するから、それに噛みあうリング状のクラウ
ンギヤー74をシリンダースカート部50に取り付けて
噛み合わせることにより、揺動部材3の揺動運動を安定
化することができる。
【0031】また、特定の球面軸受72にスライドピン
75を突設してもよい(図8)。スライドピン75は、
ピストン8の作動方向に配設するガイド76に係合し、
揺動部材3の揺動運動を安定させることができる。な
お、このときのスライドピン75は、ガイド76に対す
る当り面を平面にしたスライダー79を付設することに
より、耐久性を一層向上させることができる。
【0032】さらに、図9は、図8のガイド76と同様
なガイド78を設け、円弧面を有するスライド面77を
揺動部材3に形成し、ガイド78に沿ってスライドさせ
て安定な揺動運動を得る方式を示す。
【0033】一方、図5のピストン8は、従来のエンジ
ンのものとほぼ同じであるが、ピストン8とジョイント
7との連結部、揺動部材3とジョイント7との連結部に
は、それぞれ球面軸受62、72が使用されている。ま
た、出力軸1には、ピニオン35が直接形成されてい
る。
【0034】ギヤー36は、ピニオン35と噛み合って
おり、第2ピニオン37は、ギヤー36と一体の第2ギ
ヤー38と噛み合っている。また、カムシャフト94に
固着するベベルピニオン95は、第2ギヤー38と一体
のベベルギヤー39と噛み合っている。そこで、4サイ
クルエンジンの場合、出力軸1に対してカムシャフト9
4の回転数を1/2にする必要があるので、第2ピニオ
ン37と第2ギヤー38の歯数比をベベルギヤー39と
ベベルピニオン95の歯数比と同一にすれば、ピニオン
35とギヤー36の歯数比を1対2にすることにより、
カムシャフト94の回転数を1/2に落すことができ
る。ただし、ベベルギヤー39とベベルピニオン95は
増速方向であるから、第2ピニオン37と第2ギヤー3
8は減速方向とすればよい。
【0035】なお、図5の例は、シリンダーヘッド92
が片側のみの方式であるため、吸気管、排気管をまとま
りよく取り付けることができ、総体的に小形化すること
ができるから、エンジンルームが小さい乗用車などに適
している。また、同図において、補機用出力軸34は、
図1の補機用出力軸10と同様にして揺動部材3に連結
されている。
【0036】揺動部材3、球面軸受4は、その構造を簡
略化することができる(図6)。すなわち、揺動部材3
が球面軸受4から脱落することを防ぐため、図5の球面
抑え51に代えて、球面摺動面52をケース11、揺動
部材3に形成することにより、組立てやメンテナンスを
容易にすることができる。球面摺動面52は、燃焼によ
る膨張圧力によって揺動部材3が球面軸受4側に押し付
けられることにより、過大な滑り損失や摩耗を生じるお
それがない。
【0037】図1、図5、図6において、球面軸受4
は、耐焼付性があること、摩耗が少なく、耐久性のある
材質を選択することが重要である。たとえば、ファイン
セラミックス材料を利用し、濡れ性が少なく焼付き難い
ことや耐摩耗性が大きいことを生かすとともに、適正な
油圧を与えることにより安定な長寿命の軸受を作ること
ができる。また、摩耗係数の少ない材質であることも大
切であり、炭化ケイ素のファインセラミックス材料は、
資料によれば、摩耗係数0.04程度のものもできてい
る(日経メカニカル、1989年9月18日付、日経B
P社)。
【0038】ファインセラミックスの欠点といわれる脆
性の問題は、たとえば母体を靭性のある特殊鋼とし、表
面に厚さ数ミリの多角形小片形のファインセラミックス
を並べて張り付けることにより解決し得る。これによれ
ば、外形の精度がよくなり、仕上げ時間を短縮すること
ができる上、間隙が油の通路にもなり、高度の耐摩耗性
と高精度とを実現することができる。また、超硬合金や
特殊合金鋼を浸炭焼入れしたものなども使用可能である
が、相手材料を選ぶことが重要である。
【0039】次に、ジョイント7の結合方法について説
明する。
【0040】図3(C)、(D)のようにシリンダー9
が3か所以上にある場合、図1、図5、図6の揺動部材
3の外周結合部31の揺動運動は、ピストン8の作動方
向の動きだけでなく、同図(C)、(D)の矢印K方向
にも僅かな動きをする。そこで、ジョイント7は、2次
元的な動きしか出来ないピン結合ではなく、球面軸受7
2のような球面形状のものを採用する必要がある。一
方、図3(A)、(B)のシリンダー配列によれば、揺
動部材3の外周結合部31は、ピストン8の作動方向に
のみ揺動運動し、同図の矢印J方向の動きがなく、2次
元的な動きをする。よって、この場合は、ピン結合を採
用することができる。
【0041】すなわち、揺動部材3、ジョイント7の取
合い部分は、シリンダー9の配列が図3(A)、(B)
の場合、その断面M−N上におけるピストン8の作動方
向のみの動きになってピン結合を採用することができ、
図3(C)、(D)のような多気筒形の場合、球面軸受
による球面結合を採用する必要がある。なお、図3
(A)〜(D)に示すシリンダー9の配列は偶数のみを
図示しているが、2サイクルの場合はこれでよいとして
も、4サイクルの場合は、奇数のシリンダー9を配列す
る方がガスの点火順序の流れがよくなり、シリンダー9
を奇数にすることが好ましい。
【0042】揺動部材3は、球面軸受4を介し、ピスト
ン8の作動方向に移動可能としてもよい(図10、図1
1)。
【0043】球面軸受4は、それを可動形とするため
に、筒状の軸45に対して摺動可能に嵌合されている。
一方、球面軸受4には、ピストンロッド46を一体的に
設け、ピストンロッド46は、軸45の中央部に摺動自
在に貫通させ、シリンダー44に摺動自在に収納するピ
ストン43に連結する。なおシリンダー44は、シリン
ダーカバー47によって閉蓋し、作動油口48、49を
連通しておく。作動油口48から油圧をかけて作動油口
49から排油すると、ピストン43が前進し、球面軸受
4は、揺動部材3を介してピストン8を最も高い圧縮比
となる位置にまで移動させることができる(図10)。
一方、作動油口48から排油し、作動油口49に油圧を
かけると、ピストン43が後退し(図11)、ピストン
8は、揺動部材3、球面軸受4を介して図示の位置に移
動するから、圧縮比が最も低い状態になる。
【0044】なお、図10、図11において、揺動部材
3のピン部32は、球面軸受21を介し、出力軸1の軸
端の斜め穴113に前後動可能に挿入されている(図5
参照)。
【0045】このように、油圧によって高低の圧縮比を
任意に制御することが可能であり、エンジンの回転と、
回転を制御するアクセルの状態とを検知し、負荷の程度
により油圧を介してピストン8の位置を自動的にコント
ロールすることによりエンジンの圧縮比を可変し、快適
な状態で高出力を得るとともに燃料消費量を低減するこ
とができる。また、ピストンロッド46は、シリンダー
カバー47を貫通して外部に突出しているため、この部
分の出入り量によって圧縮比がどの様な状態であるかの
検知も容易である。さらに、多気筒のエンジンであって
も、1か所にのみシリンダー44、ピストン43、ピス
トンロッド46を含む球面軸受4、揺動部材3の可動機
構を設ければよく、揺動部材3の位置を移動制御するの
みの単純な構造になるので、圧縮比の可変装置を簡単に
付加することができる。
【0046】以上の説明において、ピストン8、燃焼室
90、点火プラグ91、吸・排気弁93、カムシャフト
94は、従来の技術をそのまま応用できるので、ロータ
リーエンジンのようなガス漏れによる燃料消費率の悪さ
がない。また、この発明は、4サイクルガソリンエンジ
ンの他、ディーゼルエンジン、2サイクルエンジンにも
応用可能である。
【0047】さらに、この発明は、シリンダー9内の吸
・排気弁93を輪形弁、フラッパー弁のような自動弁と
し、圧縮機や真空ポンプとして使用することができ、気
筒数を多くすることができるので、大形高圧多段のコン
プレッサーや真空ポンプとしても好適である。ただし、
このときの出力軸1は、外部の駆動源により回転駆動す
るものとする。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、揺動部材と、揺動部材を支持する自在軸受と、出力
軸とを組み合わせることによって、出力軸以外を回転運
動させず、揺動部材のみを揺動運動させるから、回転滑
り軸受部が少なく、滑り損失が減少し、作動効率が向上
して燃料消費量の低減を図ることができる上、構造が簡
単であり、全体として大幅な小形軽量化が可能であり、
したがって、実用的なクランクレスエンジンを容易に実
現することができるという優れた効果がある。
【0049】なお、自在軸受を介して揺動部材をピスト
ンの作動方向に移動可能とすれば、燃焼室の圧縮比を任
意に可変して高圧縮比、低圧縮比の双方の利点を有効に
実現することができる上、多気筒エンジンであっても、
共通の揺動部材のみを移動制御すればよいから、極めて
簡単な構造により圧縮比可変形のエンジンを構成するこ
とができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体構成縦断面図
【図2】 要部断面図
【図3】 シリンダー配列例を示す概略説明図
【図4】 図1相当図(1)
【図5】 図1相当図(2)
【図6】 要部断面図(1)
【図7】 要部断面図(2)
【図8】 要部断面図(3)
【図9】 要部断面図(4)
【図10】 要部断面図(5)
【図11】 図10の作動説明図
【符号の説明】
1…出力軸 3、28…揺動部材 7…ジョイント 8…ピストン 21…球面軸受 31…外周結合部 32…ピン部 92…シリンダーヘッド 113…斜め穴

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジョイントを介して各外周結合部をピス
    トンに連結する揺動部材と、該揺動部材を揺動可能に支
    持する自在軸受と、前記揺動部材の揺動運動によって回
    転する出力軸とを備えてなり、前記揺動部材のピン部
    は、シリンダーヘッドと同一側に配設する前記出力軸の
    軸端の斜め穴に挿入することを特徴とするクランクレス
    エンジン機構。
  2. 【請求項2】 前記ピン部は、球面軸受を介して前記斜
    め穴に挿入し、前記揺動部材は、前記自在軸受を介し、
    ピストンの作動方向に移動可能であることを特徴とする
    請求項1記載のクランクレスエンジン機構。
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