JP2000325431A - 非球形カプセルの製造方法および製造装置 - Google Patents

非球形カプセルの製造方法および製造装置

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JP2000325431A
JP2000325431A JP14130799A JP14130799A JP2000325431A JP 2000325431 A JP2000325431 A JP 2000325431A JP 14130799 A JP14130799 A JP 14130799A JP 14130799 A JP14130799 A JP 14130799A JP 2000325431 A JP2000325431 A JP 2000325431A
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capsule
spherical
cooling
diameter
capsules
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Mamoru Sugiyama
守 杉山
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Freund Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 煩雑な設定や微妙な制御を行うことなく、高
品質の非球形シームレスカプセルを生産性良く製造す
る。 【解決手段】 予め製造しゲル化させたシームレスカプ
セル10を必要に応じてバッチ処理にて非球形化する。
ゲル状態のシームレスカプセル10を加温部2に収容し
て加温しゾル化する。ゾル状態となったシームレスカプ
セル10を変形加工部3のホース14を通して非球形形
状に変形させる。ホース14は、カプセル径よりも小径
の内径を有する。変形処理されたカプセルは冷却部4に
て冷却されてゲル状態とされ、回収部5にて非球形カプ
セル10’として回収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非球形カプセルの
製造技術に関し、特に、シームレスカプセルに適用して
有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、いわゆるシームレスカプセル
は、二重ノズルの先端からカプセル充填物質と皮膜物質
を冷却水中に流出させてカプセル化する滴下法と呼ばれ
る製法によって製造されている。この滴下法では、液滴
がその表面張力によって球形となる性質を利用してお
り、ノズルから放出された液滴は一定速度で還流する冷
却液中で凝固し、球形のシームレスカプセルとなる。
【0003】一方、このようなシームレスカプセルにお
いても、近年、飲み易さや取り扱い性の向上、あるいは
商品差別化等の要請から、楕円形や長円形(オブロング
形)等の非球形カプセルが求められてきた。ところが、
前述の滴下法は表面張力を利用した製造方法であるため
球形カプセルしか製造できず、楕円形のカプセルは通常
のシート方式で製造されていた。そこで、シームレスの
非球形カプセルを製造すべく、特公昭61−17541
号公報や特公昭60−46980号公報、特公昭60−
46981号公報などのように、滴下法を用いつつカプ
セルをラグビーボール状あるいは楕円形状に形成する方
法が種々提案されてきた。
【0004】この場合、特公昭61−17541号公報
では、ノズル先端において液滴にくぼみを形成し、これ
により滴下凝固後のカプセルをラグビーボール状に変形
させている。また、特公昭60−46980号公報で
は、ノズルから滴下された液滴がゾル状態にある間に液
滴形より細い管に通して冷却し、液滴を楕円形状に凝固
させている。さらに、特公昭60−46981号公報で
は、ノズルから滴下された液滴がゾル状態にある間に絞
り状の成形型に通して冷却し、液滴を楕円形状に凝固さ
せている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな非球形カプセルの製造方法は、次のような問題があ
りその改善が望まれていた。すなわち、まず特公昭60
−46980号公報の方式では、くぼみを形成する冷却
流の調整が非常に微妙であり、切断流とくぼみ形成流を
最適な状態に調整するのが難しいという問題があった。
また、この調整は、カプセルの大きさや成分を変えるた
びに行う必要があり、そのたびに煩わしい調整作業を余
儀なくされ、その改善が望まれていた。
【0006】次に、特公昭60−46980号公報およ
び特公昭60−46981号公報では、カプセルの冷却
液の流量調節や温度コントロールが難しいという問題が
ある。ここで、滴下式のシームレスカプセル製造装置に
てカプセルを製造する場合、カプセルの品質(重量、精
度、粒径、油滴、偏肉の度合い)は、カプセル製造時の
冷却流の流量(流速)コントロールに依るところが大き
い。ところが、前記公報の方式では、液滴を細管や成形
型に通すため、液滴変形時の抵抗により冷却液の流れに
脈動や詰まりを生じることが多い。この結果、出来上が
ったカプセルの品質が安定せず、重量のバラツキや、カ
プセル剤皮の偏肉が生じるのみならず、生産量の低下が
生じ、工業化が難しいという問題があった。
【0007】また、滴下式の装置では、ノズルより滴下
されたゾル状の剤皮が冷却液によって冷却され、ゲル状
となり成形される。このため、ゾル状のカプセルを十分
に冷却する冷却能力が必要となる。ところが、前記公報
の方式では、ノズルより滴下させた直後のノズル出口温
度(ゼラチンなどをゾルとして使用するため40〜60
℃程度)が高い間に細管や成形型に通している。従っ
て、冷却液の温度コントロールが難しく、また、冷却液
の絶対量が確保できないため冷却能力も小さい。このた
め、液滴が十分にゲル化されないまま回収されることが
多く、回収後に製品が球形に戻ってしまったり、連続生
産ができないなどの問題があった。
【0008】この場合、装置の冷却部を長くして液滴を
十分に冷却できるようにした上で、脈動をなくすような
装置を組み込むか、冷却液の流量や温度をきわめて精緻
に制御すれば前述のような問題を改善することも可能で
ある。しかしながら、かかる条件を満たすような装置
は、その構成が非常に複雑となり、装置自体の大型化も
免れない。また、その操作においても熟練した技術が必
要となる。
【0009】本発明の目的は、煩雑な設定や微妙な制御
を行うことなく、高品質の非球形シームレスカプセルを
生産性良く製造し得る非球形カプセルの製造方法および
装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の非球形カプセル
の製造方法は、ゲル状態のシームレスカプセルを加温し
てゾル状態とし、前記ゾル状態となったカプセルを前記
カプセルの径よりも小径の部位を有する成形治具を通し
て非球形形状に変形し、前記非球形形状に変形されたカ
プセルを冷却してゲル状態とすることを特徴としてい
る。
【0011】前記方法では、予め製造しゲル化させて安
定な状態で保存しておいたカプセルを、必要に応じて非
球形化処理を行う。すなわち、バッチ処理にて非球形化
処理を実施でき、カプセル製造後に数日置いてから処理
を行うこともでき、生産計画が立て易く、生産性も向上
する。
【0012】また、個々のカプセルを均一に加温して非
球形化処理を行うことができ、カプセル間の温度のバラ
ツキが少なくなり、冷却条件の設定が容易となる。さら
に、成形治具内における流速(流量)が安定するため、
変形処理条件やそのコントロールが容易となり、脈動も
生じにくい。
【0013】一方、本発明による他の非球形カプセルの
製造方法は、カプセル充填物質と皮膜物質とを有する液
滴を冷却水中に滴下してゲル状態のカプセルを一旦形成
した後、前記ゲル状態のカプセルを加温してゾル状態と
し、前記ゾル状態となったカプセルを前記カプセルの径
よりも小径の部位を有する成形治具を通して非球形形状
に変形し、前記非球形形状に変形されたカプセルを冷却
してゲル状態とすることを特徴としている。
【0014】本発明による方法では、従来の方法と異な
り一旦ゲル化したカプセルを加温して非球形化処理を行
う。このため、個々のカプセルを均一に加温でき、カプ
セル間の温度のバラツキが少なくなり、冷却条件の設定
が容易となる。また、非球形化処理がカプセル製造直後
に連続して実施されないため、成形治具内における流速
(流量)が安定するため、変形処理条件やそのコントロ
ールが容易となり、脈動も生じにくい。
【0015】前述の方法においては、前記成形治具とし
て、前記カプセルの径よりも小径の内径を有する管や、
前記カプセルの径よりも小径の絞り部を備えた成形型を
用いることができる。
【0016】次に、本発明の非球形カプセルの製造装置
は、ゲル状態のシームレスカプセルを加温してゾル状態
とする加温部と、前記カプセルの径よりも小径の部位を
有する成形治具を備え、ゾル状態となった前記カプセル
を前記成形治具を通して非球形形状に変形させる変形加
工部と、前記非球形形状に変形されたカプセルを冷却し
てゲル状態とする冷却部とを有することを特徴としてい
る。
【0017】前記装置では、予め製造しゲル化させて安
定な状態で保存しておいたカプセルを、必要に応じて非
球形化処理を行うことができるため、バッチ処理にて非
球形化処理を実施できる。従って、カプセル製造後に数
日置いてから処理を行うこともでき、生産計画が立て易
く、生産性も向上する。
【0018】また、加温部において個々のカプセルを均
一に加温した後に非球形化処理を行うことができるた
め、カプセル間の温度のバラツキが少なくなり、冷却条
件の設定が容易となる。さらに、成形治具内における流
速(流量)が安定するため、変形処理条件やそのコント
ロールが容易となり、脈動も生じにくい。
【0019】一方、本発明による他の非球形カプセルの
製造装置は、カプセル充填物質と皮膜物質とを有する液
滴を冷却水中に滴下してゲル状態のカプセルを形成する
カプセル形成部と、前記ゲル状態のシームレスカプセル
を加温してゾル状態とする加温部と、前記カプセルの径
よりも小径の部位を有する成形治具を備え、ゾル状態と
なった前記カプセルを前記成形治具を通して非球形形状
に変形させる変形加工部と、前記非球形形状に変形され
たカプセルを冷却してゲル状態とする冷却部とを有する
ことを特徴としている。
【0020】本発明による装置では、従来の装置と異な
り一旦ゲル化したカプセルを加温部に収容して加温した
後、非球形化処理を行う。このため、個々のカプセルを
均一に加温でき、カプセル間の温度のバラツキが少なく
なり、冷却条件の設定が容易となる。また、非球形化処
理がカプセル製造直後に連続して実施されないため、成
形治具内における流速(流量)が安定し、変形処理条件
やそのコントロールが容易となり、脈動も生じにくい。
【0021】前述の装置においては、前記成形治具とし
て、前記カプセルの径よりも小径の内径を有する管や、
前記カプセルの径よりも小径の絞り部を備えた成形型を
用いることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、
本発明の実施の形態1である非球形カプセル製造装置の
システム構成を示す説明図、図2は図1のシステムを備
えた非球形カプセル製造装置の斜視図、図3は図2の装
置の内部構成を示す説明図である。
【0023】本発明による非球形カプセル製造装置1
は、凝固してゲル状態となっている球形のシームレスカ
プセルを加温してゾル若しくは半ゾル状態とした上で、
長円形等の非球形カプセルに変形させるようになってい
る。すなわち、当該装置1ではゲル状態にある球形のシ
ームレスカプセル(以下、カプセルと略記する)10
を、加温部2にてゾル状態として変形加工部3、冷却部
4と処理を進めることにより、回収部5にて非球形のカ
プセル10’が得られるようになっている。
【0024】そこで、装置1にはまず第1段階として、
ゲル状態のカプセル10を収容し、所定温度に加温して
ゾル化する加温部2が設けられている。加温部2には、
図1〜3に示したように加温槽11が設けられており、
カプセル10は植物オイルと共にこの加温槽11内に収
容される。この場合、カプセル10と植物オイルは、概
ね4:1〜3:1の割合で加温槽11内に投入され、マ
グネット式の撹拌器13によって撹拌される。
【0025】ここで、当該装置1では、予め製造しゲル
化させて安定な状態で保存しておいたカプセル10を、
必要に応じて加温槽11に投入して非球形化処理を行
う。このため本発明による装置を適用すれば、カプセル
製造後に4日程度の間隔を置いて非球形化処理を行うこ
とが可能となる。従って、カプセルの非球形化をバッチ
処理することが可能となり、生産計画が組み易くなり生
産性の向上を図ることができる。
【0026】加温槽11の外側には温水ジャケット12
が配設されており、図示しないヒータによりその中の水
の温度を調節できるようになっている。そして、この温
水ジャケット12によって加温槽11内が所定温度(例
えば、15〜30℃)に加温され、槽内に収容されたゲ
ル状態のカプセル10がゾル化される。
【0027】加温部2の後段には、加温槽11内にてゾ
ル状態となったカプセル10を非球形形状に変形する変
形加工部3が設けられている。変形加工部3には、成形
治具として、カプセル10の径よりも小さな内径を有す
るホース14が設けられている。このホース14は、ポ
リプロピレンやテフロン、塩化ビニル等の可撓性を有す
る合成樹脂によって形成されており、製品によって一概
には定め得ないが、例えば、内径がφ4〜6mmで全長5
〜20m程度の管が用いられる。なお、このホース14
に代えて、ガラス管や鉄管、ステンレス管等を用いるこ
とも可能である。
【0028】ホース14の一端側は、加温槽11内に開
口して設置されており、そこからカプセル10が植物オ
イルと共にホース14内に導入される。この際、カプセ
ル10は加温槽11内にてゾル状態となって軟化してい
るため、カプセル10はホース14の端部において小径
に変形されつつホース14内に入り込む。そして、カプ
セル10は、その後ホース14内を移動しつつ長円球状
や楕円球状等に非球形化される。
【0029】この場合、当該装置1では、製品に応じて
適宜、成形治具であるホース14を交換すれば種々のサ
イズの非球形カプセルを製造することが可能である。従
って、当該非球形カプセル製造装置1では、ホース14
の交換だけで1種類の球形カプセルから複数種類の非球
形カプセルを得ることも可能である。
【0030】なお、成形治具としては、均一の内径を有
する管のみならず、カプセル10より大径の管の一部
に、カプセル10より小さな内径の部位を設けたものを
用いても良い。図4は、そのような成形治具の例であ
る。ここではホース21の一部に、カプセル10より小
さな内径の絞り部22を形成し、そこでカプセル10を
非球形に変形させている。
【0031】変形加工部3の後段にはさらに冷却部4が
設けられている。冷却部4には冷却槽15が配設されて
おり、その中をホース14が通っている。すなわち、冷
却部4においては、ホース14内のカプセル10は冷媒
と非接触状態で冷却されて固化されるようになってい
る。冷却槽15は、冷媒の冷却機能と送給機能を併せ持
った冷却装置16と接続されており、その内部は加温槽
11内の温度よりも10℃ほど低い温度(例えば−10
〜15℃程度)になるように設定されている。そして、
この冷却槽15により、カプセル10は非球形形状に変
形された状態で冷却されてゲル化し、非球形カプセル1
0’が出来上がる。
【0032】ここで当該装置1では、加温槽11におけ
るゾル化温度がカプセル製造時の温度よりも低く(15
〜30℃)、また、加温処理が連続ではなくバッチ処理
によって行われる。従って、個々のカプセルが均一に加
温され、カプセル間の温度のバラツキが少なくなる。こ
のため、冷却槽15での冷却温度やホース14の長さ等
の冷却能力の計算が容易となる。また、ホース14内の
流速(流量)が安定するため、変形処理条件やそのコン
トロールが簡素化されるのみならず、脈動などの問題も
生じにくくなる。この結果、熟練した技術を要すること
なく、品質(重量精度、粒径、油滴、偏肉の度合い)の
安定した非球形カプセルを得ることが可能となる。
【0033】冷却部4にてゲル化されたカプセル10’
は、冷却部4の後段に設けられた回収部5にて回収され
る。回収部5には回収槽17が配設されており、ホース
14の一端がその内部に開口し、そこからカプセル1
0’が回収槽17内に放出される。この場合、回収槽1
7は密閉状態に形成されており、そこには真空ポンプ1
8が接続されている。そして、この真空ポンプ18によ
り回収槽17内を真空状態とし、加温槽11内のカプセ
ル10を植物オイルと共にホース14内に吸引する。こ
れにより、前述のようにゾル状態のカプセル10が非球
形に変形されてカプセル10’となり回収槽17へと引
き込まれる。なお、回収槽17中の植物オイルは、ギア
ポンプ19により加温槽11に戻され循環使用されるよ
うになっている。
【0034】このような構成からなる非球形カプセル製
造装置1では、まず、加温槽11内にゲル化したカプセ
ル10が植物油と共に投入される。加温槽11では、こ
のカプセル10を加温し、それらがホース14内に変形
して入り込める程度に軟化させる。すなわち、カプセル
10を15〜30℃に加温してゾル若しくは半ゾル状態
とする。そして、カプセル10がこのような状態となっ
たところで、真空ポンプ18を作動させる。これによ
り、軟化したカプセル10はホース14内に次々に吸引
され、その中を移動して行く。
【0035】ホース14内のカプセル10は、ホース1
4の内径に合わせて変形されつつ移動し冷却槽15に至
る。このとき、カプセル10は冷却槽15内を移動中に
冷却されてゲル化する。そして、ゲル化したカプセル1
0は、回収槽17に引き込まれ回収される。この際、同
時に回収される植物オイルはギアポンプ19により加温
槽11に戻される。
【0036】(実施の形態2)次に、実施の形態2とし
て、本発明による非球形カプセル製造装置1をカプセル
製造装置に接続したシステムを説明する。図5は、本発
明の実施の形態2である非球形カプセル製造装置のシス
テム構成を示す説明図である。なお、実施の形態1と同
様の部分については同一の符号を付しその詳細は省略す
る。
【0037】当該システムは、カプセル製造装置(カプ
セル形成部)31と非球形カプセル製造装置1を別途形
成してそれらを連続的に接続した構成となっている。こ
こでは、カプセル製造装置31として、二重ノズル32
を用いた従来より公知の滴下法による装置が用いられて
いる。すなわち、カプセル製造装置31では、二重ノズ
ル32から、カプセル充填物質33と皮膜物質34と
が、一定速度で還流する冷却液35中に滴下される。そ
して、その液滴が、冷却液35が還流する冷却管路36
にてゲル化されて凝固し、球形のシームレスカプセル1
0が形成される。
【0038】このようにして一旦ゲル化されたカプセル
10は、カプセル製造装置31の製品回収部を兼ねて設
けられた、非球形カプセル製造装置1の加温槽11に供
給される。そして、カプセル10は、実施の形態1と同
様に、加温部2から変形加工部3、冷却部4と非球形化
処理がなされ、非球形のカプセル10’となって回収部
5に集められる。
【0039】この場合も、従来の装置と異なり、本発明
の非球形カプセル製造装置1は、一旦ゲル化したカプセ
ル10を加温槽11に集めて非球形化処理を行う。この
ため、加温部2におけるゾル化温度はカプセル製造時の
温度よりも低くなり、また、非球形化処理もバッチ処理
に行うことができる。従って、個々のカプセルが均一に
加温され、カプセル間の温度のバラツキが少なくなり、
冷却槽15での冷却温度やホース14の長さ等の冷却能
力の計算が容易となる。
【0040】また、非球形化処理がカプセル製造直後に
連続して実施されないため、ホース14内の流速(流
量)が安定し、変形処理条件やそのコントロールが簡素
化され、脈動も生じにくくなる。この結果、品質(重量
精度、粒径、油滴、偏肉の度合い)の安定した非球形カ
プセルを得るために、従来の装置のように熟練した技術
は必要とされず、製造過程の効率化を図ることが可能と
なる。
【0041】
【実施例】次に、実施の形態1の装置において実際にシ
ームレスカプセルの非球形化処理を行った際の実験結果
について説明する。図6はその際の実験条件を示す表で
あり、図7は実験結果をまとめた表である。
【0042】図7に示したように、何れのサンプルでも
球形のカプセルを楕円形の非球形カプセルに変形するこ
とができた。この際、非球形化処理においては、各工程
の温度条件が重要であることが分かった。そして、最も
重要な条件は、加温部2におけるカプセル10の温度で
あり、次に重要な条件は冷却部4における温度であるこ
とが確認できた。この場合、加温部2の温度が低いとホ
ース14の入り口にてブロッキングを生じ、割れやバラ
ツキ発生の原因となる。また、生産数やホース14の長
さによっても異なるが、加温部2と冷却部4との温度差
が10℃必要であることも分かった。
【0043】以上、本発明者によってなされた発明を実
施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実
施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0044】たとえば、実施の形態1では、カプセル1
0と共に植物オイルを投入する例を示したが、植物オイ
ル以外にも、例えば、流動パラフィンや鉱物油など、カ
プセル10の皮膜が溶解しない物質であれば適宜他の物
質を用いることも可能である。また、前述のホース14
も、全長に亘って均一な内径とする必要はなく、内径を
テーパー状に形成して徐々に径を小さくして行くように
しても良い。さらに、実施の形態2では、カプセル製造
装置31と非球形カプセル製造装置1を別途形成して接
続したシステムを示したが、これらを一体化してひとつ
の装置とすることも勿論可能である。
【0045】なお、前述の実施の形態においては、ゲル
状態のカプセルをゾル状態として非球形化処理する例を
示したが、カプセルを必ずしも完全にゾル化する必要は
ない。すなわち、カプセルが成形治具に通せる程度に軟
化していれば良く、いわゆる半ゾル状態にて処理を行う
ことも可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明の非球形カプセルの製造方法およ
び装置によれば、ゲル状態にあるカプセルを加温してゾ
ル状態として非球形形状に変形、冷却して非球形カプセ
ルを得るようにしているため、予め製造して保存してお
いたゲル状態のカプセルを、必要に応じて非球形化させ
ることが可能となる。従って、非球形化処理をバッチ処
理にて行うことができ、生産計画の立案が容易となり、
生産性の向上も図ることができる。
【0047】また、バッチ処理によりカプセルを均一に
加温して非球形化処理を行うことができるため、カプセ
ル間の温度のバラツキが少なくなり、冷却条件の設定が
容易となる。さらに、成形治具内における流速(流量)
が安定するため、変形処理条件やそのコントロールが容
易となり、脈動も生じにくい。従って、熟練した技術を
要することなく、品質の安定した非球形カプセルを得る
ことが可能となる。
【0048】一方、本発明による他の非球形カプセルの
製造方法および装置では、ゲル状態のカプセルを一旦形
成した後、カプセルを加温してゾル状態として非球形形
状に変形、冷却して非球形カプセルを得るようにしてい
るため、カプセルを均一に加温することが可能となり、
カプセル間の温度のバラツキが少なくなり、冷却条件の
設定が容易となる。また、非球形化処理がカプセル製造
直後に連続して実施されないため、成形治具内における
流速(流量)が安定し、変形処理条件やそのコントロー
ルが容易となり、脈動も生じにくい。従って、熟練した
技術を要することなく、品質の安定した非球形カプセル
を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1である非球形カプセル製
造装置のシステム構成を示す説明図である。
【図2】図1のシステムを備えた非球形カプセル製造装
置の斜視図である。
【図3】図2の装置の内部構成を示す説明図である。
【図4】成形治具の一変形例を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態2である非球形カプセル製
造装置のシステム構成を示す説明図である。
【図6】実施例の実験条件を示す表である。
【図7】実験結果をまとめた表である。
【符号の説明】
1 非球形カプセル製造装置 2 加温部 3 変形加工部 4 冷却部 5 回収部 10 シームレスカプセル 10’ 非球形カプセル 11 加温槽 12 温水ジャケット 13 撹拌器 14 ホース 15 冷却槽 16 冷却装置 17 回収槽 18 真空ポンプ 19 ギアポンプ 21 ホース 22 絞り部 31 カプセル製造装置 32 二重ノズル 33 カプセル充填物質 34 皮膜物質 35 冷却液 36 冷却管路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲル状態のシームレスカプセルを加温し
    てゾル状態とし、前記ゾル状態となったカプセルを前記
    カプセルの径よりも小径の部位を有する成形治具を通し
    て非球形形状に変形し、前記非球形形状に変形されたカ
    プセルを冷却してゲル状態とすることを特徴とする非球
    形カプセルの製造方法。
  2. 【請求項2】 カプセル充填物質と皮膜物質とを有する
    液滴を冷却水中に滴下してゲル状態のカプセルを一旦形
    成した後、前記ゲル状態のカプセルを加温してゾル状態
    とし、前記ゾル状態となったカプセルを前記カプセルの
    径よりも小径の部位を有する成形治具を通して非球形形
    状に変形し、前記非球形形状に変形されたカプセルを冷
    却してゲル状態とすることを特徴とする非球形カプセル
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の非球形カプセル
    の製造方法であって、前記成形治具が、前記カプセルの
    径よりも小径の内径を有する管であることを特徴とする
    非球形カプセルの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の非球形カプセル
    の製造方法であって、前記成形治具が、前記カプセルの
    径よりも小径の絞り部を備えた成形型であることを特徴
    とする非球形カプセルの製造方法。
  5. 【請求項5】 ゲル状態のシームレスカプセルを加温し
    てゾル状態とする加温部と、 前記カプセルの径よりも小径の部位を有する成形治具を
    備え、ゾル状態となった前記カプセルを前記成形治具を
    通して非球形形状に変形させる変形加工部と、 前記非球形形状に変形されたカプセルを冷却してゲル状
    態とする冷却部とを有することを特徴とする非球形カプ
    セルの製造装置。
  6. 【請求項6】 カプセル充填物質と皮膜物質とを有する
    液滴を冷却水中に滴下してゲル状態のカプセルを形成す
    るカプセル形成部と、 前記ゲル状態のシームレスカプセルを加温してゾル状態
    とする加温部と、 前記カプセルの径よりも小径の部位を有する成形治具を
    備え、ゾル状態となった前記カプセルを前記成形治具を
    通して非球形形状に変形させる変形加工部と、 前記非球形形状に変形されたカプセルを冷却してゲル状
    態とする冷却部とを有することを特徴とする非球形カプ
    セルの製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の非球形カプセル
    の製造装置であって、前記成形治具が、前記カプセルの
    径よりも小径の内径を有する管であることを特徴とする
    非球形カプセルの製造装置。
  8. 【請求項8】 請求項5または6記載の非球形カプセル
    の製造装置であって、前記成形治具が、前記カプセルの
    径よりも小径の絞り部を備えた成形型であることを特徴
    とする非球形カプセルの製造装置。
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