JP2000323040A - 表示パネルおよび表示装置 - Google Patents

表示パネルおよび表示装置

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JP2000323040A
JP2000323040A JP13134599A JP13134599A JP2000323040A JP 2000323040 A JP2000323040 A JP 2000323040A JP 13134599 A JP13134599 A JP 13134599A JP 13134599 A JP13134599 A JP 13134599A JP 2000323040 A JP2000323040 A JP 2000323040A
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silicon
discharge
electrode
partition
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JP13134599A
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Inventor
Koichi Moriya
宏一 森谷
Atsuo Osawa
敦夫 大沢
Yasuhiro Ota
康博 太田
Akitsuna Yuhara
章綱 湯原
Masaharu Ishigaki
正治 石垣
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電遅れによる境界ノイズの低減。 【解決手段】 隔壁に含まれるハロゲン元素の含有率
(重量ppm)とSiの含有率(原子%)を(α,β)
としてαβ平面図を想定した場合、A:(100,1
5)とB:(1000,0)を結ぶ直線とα軸、β軸で
囲まれた領域で表現される組成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガス放電形式のプラ
ズマディスプレイパネル(PDP)等の表示パネル及び
表示装置に関するものであり、特に誤消灯動作を低減す
るのに好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】表示パネル、例えばプラズマディスプレ
イパネル(以下、PDPと言う)は、カラー化を機にテ
レビジョン映像やコンピュータのモニターなどの用途で
広く用いられるようになってきており、ハイビジョン用
の大画面フラットディスプレイとしても注目されてい
る。特にAC型PDPでは、電極を誘電体で被覆するこ
とにより構造的にメモリ機能を有するように構成されて
いる。すなわち、AC型PDPによる表示に際しては、
点灯(発光)すべきセルのみに壁電荷を蓄積させるライ
ン順次のアドレッシングを行なって点灯セルの選択を行
い、その後に全てのセルに対して一斉に交番極性の電圧
(サステイン電圧)を印加する。このサステイン電圧は
放電開始電圧より低い所定の電圧であるが、壁電荷の存
在するセルでは、壁電圧がサステイン電圧に重畳するの
で、アドレッシングを行ったセルでのみ、セルに加わる
実効電圧が放電開始電圧を越えて放電(発光)が生じ
る。サステイン電圧の印加周期を短くすれば、見かけの
上で連続的な点灯状態が得られ、画面の明るさも向上す
る。
【0003】例えば商品化されているAC型PDPで
は、マトリクス表示のライン毎に画面の全長にわたって
延びる一対のサステイン電極(サステインX電極及びサ
ステインY電極から構成される)が平行に配置され、列
毎にアドレス電極(X電極及びY電極に垂直に配置され
た電極)が配置されている。各ラインにおけるサステイ
ン電極を構成するサステインX電極(X電極)及びサス
テインY電極(Y電極)間の間隙は“放電ギャップ”と
呼称されており、その幅は200〜250ボルト程度の
実効電圧の印加で面放電が生じる値(例えば50〜10
0μm)に選定されている。一方、隣接するライン同士
の間におけるサステインX電極及びサステインY電極間
の間隙は“隣接ギャップ”と呼称されている。隣接ギャ
ップの幅は放電ギャップよりも十分に大きい値(200
μm程度)に選定されており、隣接ギャップを隔てて並
ぶサステインX電極とサステインY電の間での放電が生
じにくいように構成されている。このように、放電ギャ
ップ及び隣接ギャップを設けてサステインX電極とサス
テインY電極を配列することにより、各ラインを選択的
に発光させることができる。
【0004】サステイン電極を被覆する誘電体層(例え
ば低融点ガラス)の表面には保護膜が設けられる。この
保護膜としては、二次電子放出率が高く、放電開始電圧
の低下を担うとともに、放電時のイオン衝撃の影響を軽
減する耐スパッタ性が高いという理由で、一般に酸化マ
グネシウム(MgO)が用いられている。MgOは耐ス
パッタ性に優れ且つ二次電子放出係数の大きい絶縁物で
ある。つまり、MgO膜は、PDPの放電特性を左右す
る重要な部材である。このMgO膜は、PDPにおける
表示性能を大きく左右する部材ではあるが、放電ガスと
の界面で生じる現象が、最終的に表示性能を決定するも
のであり、両者の相互作用が問題となる。
【0005】放電ガスは、ネオンにキセノンを数%混合
したものが一般的ではあるが、パネル内壁を構成する材
料、更にはそれらを作製する条件などにより、放電ガス
中には、極微量の不純物が混入する可能性は十分あり、
この不純物がパネル性能を劣化させる。この放電ガス中
の不純物の影響については、「IBM J.RES.D
EVELOP.Vol.22,No.6,NOVEMB
ER 1978」に記載されている。また、「IEEE
TRANSACTION ON ELECTRON
DEVICES,Vol.ED−22,No.9,SE
PTEMBER1975,P685〜691」には、低
融点ガラスを放電空間に露出させ、保護膜を形成しない
タイプのPDPにおいて、内壁を構成する材料のうち、
この低融点ガラス層に塩素汚染があった場合、放電開始
電圧が経時的に上昇するという記載がある。
【0006】また、特開平10−334809号公報に
は、シリコン(Si)などを微量添加したMgO膜によ
り、黒ノイズを低減できるという記載がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のPDPにおいて
は、“境界ノイズ”と呼称される表示の乱れが生じると
いう問題があった。境界ノイズは、点灯すべきセル(選
択セル)が点灯しない現象である。この境界ノイズ現象
は、画面のうちの点灯領域と非点灯領域との境界、例え
ば、黒い画面の中央部に白い領域がある場合に、その上
部の境界で生じ、特に暗い微弱な発光を行う際に生じや
すい。目視では、点灯領域の境界が、直線ではなく、本
来点灯する領域側に凹んだ矩型となりこれが時間的に形
を変えることから、境界ノイズと呼称されている。この
境界ノイズは、1つのライン又は1つの列における複数
の選択セルの全てが点灯しないというものではなく、発
生部位が散在することから、境界ノイズの原因はアドレ
ス放電が生じないか又は生じても強度が足りないアドレ
スミスであると言える。アドレスミスの原因としては、
MgO表面の不純物による汚染が考えられる。
【0008】本発明の目的は、点灯すべきセルが点灯し
ない境界ノイズの発生量を低減し、表示品質を高めるこ
とができる表示パネル及び表示装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】PDPの放電空間、保護
膜表面の汚染源としては、隔壁が考えられる。本発明
は、この隔壁中の不純物であるハロゲン元素の含有量
と、Si濃度をある範囲内に納めることで、放電特性を
改善するものである。隔壁は、放電空間にあり、荷電粒
子の衝突や高エネルギー光照射により、構成材料、不純
物のガス放出源となる可能性がある。実際には、この隔
壁には蛍光体が形成されるため、放電空間に露出する隔
壁は、面積的には少ない。しかし、より荷電粒子等の作
用を受けやすく、放電特性を左右する保護膜に距離的に
近い位置で露出されていることから、微量のガス放出が
問題となることが考えられる。発明者らは、境界ノイズ
の発生量が隔壁を汚染源としたMgO等の保護膜表面の
汚染と相関があることを確認した。
【0010】この隔壁中の脱ガス成分としては、フッ素
(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)又はヨウ素(I)
等のハロゲン元素と隔壁中のシリコン(Si)との反応
により生成されたハロゲン化シリコンが挙げられる。実
際にこれら成分を有する隔壁を備えた背面板を用いたP
DPを試作し、境界ノイズの発生量と隔壁中の含有率と
の関係を求めた。この結果、一定範囲の含有率で、境界
ノイズ量を小さくできることがわかった。
【0011】境界ノイズの原因であるアドレスミスが抑
制される理由としては、MgO等の保護膜の表面の汚染
が無くなったことによって、アドレス放電直前における
アドレス電極と対向する電極上のMgO表面電荷の残留
が軽減されたためと考えられる。
【0012】上記の実験の結果から、隔壁に含有される
ハロゲン元素の含有率(重量ppm)とシリコン(S
i)の含有率(原子%)を(α,β)としてαβ平面図
を想定した場合、点A(100,15)と点B(100
0,0)を結ぶ直線と、α軸、β軸で囲まれた領域で表
現される組成を含むように隔壁を構成した。
【0013】本発明の目的を達成するために、本発明に
よる表示パネルは、放電領域を区画、または仕切る隔壁
が放電空間内に設けられた表示パネルにおいて、隔壁に
含有されるハロゲン元素の含有率(重量ppm)をαと
し、シリコン(Si)の含有率(原子%)をβとし、
(α,β)としてαβ平面図を想定した場合、点A(1
00,15)と点B(1000,0)を結ぶ直線と、シ
リコンがゼロのα軸と、ハロゲン元素がゼロのβ軸とで
囲まれた領域であって、前記点Aと前記点Bを結ぶ線上
を含み、前記α軸と前記β軸上を含まない領域内にある
前記ハロゲン元素の含有率と前記シリコン元素の含有率
で表現される組成を含む隔壁を備える。
【0014】前記隔壁は、鉛(Pb)、シリコン(S
i)、アルミニウム(Al)、酸素(O)、チタン(T
i)、銅(Cu)、ホウ素(B)、亜鉛(Zn)のうち
少なくともシリコンを含有した3元素以上から構成され
ると好適である。また、前記隔壁に含まれれハロゲン元
素は、塩素(Cl)及びフッ素(F)である。
【0015】本発明の目的を達成するために、本発明の
表示装置は、放電空間内に設けられ、放電領域を区画、
または仕切る隔壁に含有されるハロゲン元素の含有率
(重量ppm)をαとし、シリコン(Si)の含有率
(原子%)をβとし、(α,β)としてαβ平面図を想
定した場合、点A(100,15)と点B(1000,
0)を結ぶ直線と、シリコンがゼロのα軸と、ハロゲン
元素がゼロのβ軸とで囲まれた領域であって、前記点A
と前記点Bを結ぶ線上を含み、前記α軸と前記β軸上を
含まない領域内にある前記ハロゲン元素の含有率と前記
シリコン元素の含有率で表現される組成を含む隔壁を備
える表示パネルを用いて、自己消去放電によって表示パ
ネル全体の帯電状態を均一化した後にアドレス放電とサ
ステイン放電とを行う駆動手段により表示動作を行う。
【0016】前記隔壁は、鉛(Pb)、シリコン(S
i)、アルミニウム(Al)、酸素(O)、チタン(T
i)、銅(Cu)、ホウ素(B)、亜鉛(Zn)のうち
少なくともシリコンを含有した3元素以上から構成され
ると好適である。また、前記隔壁に含まれれハロゲン元
素は、塩素(Cl)及びフッ素(F)である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につい
て、実施例を用い、図面を参照して説明する。
【0018】図1は本発明に係るプラズマ表示装置のブ
ロック図である。プラズマ表示装置2は、マトリクス形
式のカラー表示デバイスであるAC型のPDP1と、画
面(スクリーン)を構成する多数のセルを選択的に点灯
させるための駆動ユニット3とからなる。PDP1は、
一対のサステイン電極を構成するサステインX電極X、
サステインY電極Yが平行に配置され、更に、各セルに
サステインX電極XとサステインY電極Yに垂直にアド
レス電極Aとが配置された3電極構造を有している。サ
ステインX電極X、サステインY電極Yは画面のライン
方向(水平方向)に延びており、サステインY電極Yは
アドレッシングに際してライン単位にセルを選択するた
めのスキャン電極として用いられる。アドレス電極Aは
列単位にセルを選択するためのデータ電極であり、列方
向(垂直方向)に延びている。駆動ユニット3は、コン
トローラ4、フレームメモリ5、Xドライバ回路6、Y
ドライバ回路7、アドレスドライバ回路8、及び図示し
ない電源回路を有している。駆動ユニット3には外部装
置から各ピクセルのRGBの輝度レベル(階調レベル)
を示す多値の映像データDR、DG、DBが、各種の同
期信号とともにフレームメモリ5に入力される。映像デ
ータDR、DG、DBは、フレームメモリ5に一旦格納
された後、コントローラ4によって各色毎にサブフレー
ムデータDsfに変換され、再びフレームメモリ5に格
納される。サブフレームデータDsfは、階調表示のた
めに1フレームを分割した各サブフレームにおけるセル
の点灯の要否を示す2値データの集合である。ドライバ
回路6はサステインX電極Xに対する電圧印加を担い、
ドライバ回路7はサステインY電極Yに対する電圧印加
を担う。アドレスドライバ回路8は、フレームメモリ5
から転送されたサブフレームデータDsfに応じて、ア
ドレス電極Aに選択的にアドレス電圧を印加する。
【0019】次に、PDP1に適用する駆動方法を説明
する。図2はフレームをサブフレームに分割する場合の
一例を示す模式図であり、図3は駆動シーケンスを示す
電圧波形図である。セルの発光の2値制御によって階調
再現を行うために、外部からの入力画像である時系列の
各フレームFをサブフレームに分割している。図2にお
いて、(j−1)番目のフレーム、(j)番目の各フレ
ームは、例えば6個のサブフレームSF1、SF2、S
F3、SF4、SF5、SF6に分割される。各サブフ
レームSF1〜SF6における輝度の相対比率を例えば
1:2:4:8:16:32となるように重み付けし
て、各サブフレームSF1〜SF6のサステインの発光
回数を設定する。サブフレーム単位の発光の有無の組合
せでRGBの各色毎にレベル「0」〜「63」の64段
階の輝度設定を行うことができるので、表示可能な色の
数は64となる。なお、サブフレームSF1〜SF6を
輝度の重みの順に表示する必要はない。例えば重みの大
きいサブフレームSF6を表示期間の中間に配置すると
いった最適化を行うことができる。
【0020】図3はフレームをサブフレームSF1〜S
F6に分割した場合のサブフレームSF1において、各
電極へ印加される電圧波形を示す波形図であり、図3
(a)はフレームをサブフレームに分割した場合の模式
図であり、図3(b)はアドレス電極Aに印加される電
圧波形図であり、図3(c)はサステインX電極に印加
される電圧波形図であり、図3(d)はサステインY電
極の第1のY電極に印加される電圧波形図であり、図3
(e)はサステインY電極の第2のY電極に印加される
電圧波形図であり、図3(f)はサステインY電極の第
3のY電極に印加される電圧波形図であり、図3(g)
はサステインY電極の第nのY電極に印加される電圧波
形図である。
【0021】図に示すように、各サブフレームSF1〜
SF6に対して、リセット期間TR、アドレス期間T
A、及びサステイン期間TSが割り当てられる。リセッ
ト期間TR及びアドレス期間TAの長さは輝度の重みに
係わらず一定であるが、サステイン期間TSの長さは輝
度の重みが大きいほど長い。つまり、各サブフレームS
F1〜SF6の表示期間の長さは互いに異なる。リセッ
ト期間TRは、それ以前の点灯状態の影響を防ぐため、
画面全体の壁電荷の消去(初期化)を行う期間である。
図3(c)に示すように、全てのライン(ライン数は
n)のX電極Xに波高値が面放電開始電圧を越える正極
性のリセットパルスPwを印加し、同時に背面側の帯電
とイオン衝撃を防ぐために、図3(b)に示すように、
全てのアドレス電極Aに正極性のパルスを印加する。リ
セットパルスPwの立上がりに呼応して全てのラインで
強い放電が生じ、MgO表面に多量の壁電荷が生じる。
壁電圧と印加電圧との相殺によって実効電圧が下がる。
リセットパルスPwが立下がると、壁電圧がそのまま実
効電圧となって自己放電が生じ、全てのセルにおいてほ
とんどの壁電荷が消失し、画面全体が一様な非帯電状態
となる。
【0022】アドレス期間TAは、アドレッシング(点
灯/非点灯の設定)を行う期間である。図3(c)に示
すように、サステインX電極Xを接地電位に対して正電
位にバイアスし、図3(d)〜図3(g)に示すよう
に、第1のY電極、第2のY電極、第3のY電極、…第n
のY電極を順次負電位にバイアスする。即ち、先頭のラ
インから1ラインずつ順に各ラインを選択し、該当する
Y電極Yに負極性のスキャンパルスPyを印加する。ラ
インの選択と同時に、サブフレームデータDsfが示す
点灯すべきセルに対応したアドレス電極Aに対して、図
3(b)に示すように、正極性のアドレスパルスPaを
印加する。選択されたラインにおいて、アドレスパルス
Paの印加されたセルでは、サステインY電極Yとアド
レス電極Aとの間で対向放電が起こり、それが面放電に
移行する。これら一連の放電がアドレス放電である。サ
ステインX電極XがアドレスパルスPaと同極性の電位
にバイアスされているので、そのバイアスでアドレスパ
ルスPaが打ち消され、サステインX電極Xとアドレス
電極Aとの間では放電は起きない。
【0023】サステイン期間TSは、階調レベルに応じ
た輝度を確保するために、設定された点灯状態を維持す
る期間である。図3(b)に示すように、不要の放電を
防止するため、全てのアドレス電極Aを正極性の電位に
バイアスし、図3(d)〜図3(g)に示すように、最
初に全てのサステインY電極Yに正極性のサステインパ
ルスPsを印加する。その後、図3(c)〜図3(g)
に示すように、サステインX電極XとサステインY電極
Yとに対して交互にサステインパルスPsを印加する。
サステインパルスPsの印加毎に、アドレス期間TAに
おいて壁電荷の蓄積したセルで面放電が生じる。サステ
インパルスPsの印加周期は一定であり、輝度の重みに
応じて設定された個数のサステインパルスPsが印加さ
れる。
【0024】図4は本発明による表示パネルの内部構造
を示す斜視図である。図において、表示パネルとしてP
DP1が示されており、PDP1は放電空間41を挟む
基板対のうちの前面側のガラス基板42の内面に、画面
の水平方向のセル列であるラインL毎に一対ずつサステ
インX電極X、サステインY電極Yが配列されている。
サステインX電極X、サステインY電極Yは、それぞれ
が透明導電膜43と抵抗値を低減するための金属膜44
とからなり、AC駆動のための誘電体層45で被覆され
ている。誘電体層45の材料は酸化鉛(PbO)系低融
点ガラスである。誘電体層45の表面には保護膜46と
してMgO膜が被着されており、その膜厚は約7000
Åである。誘電体層45及び保護膜(MgO膜)46は
透光性を有している。なお、サステインX電極X、サス
テインY電極Y、誘電体層45、保護膜46の積層体が
形成された基板は、前面板と呼称されている。背面側の
ガラス基板47の内面には、アドレス電極A、絶縁層4
8、隔壁49、及びカラー表示のための3色(R、G、
B)の蛍光体層50R、50G、50Bが設けられてい
る。各隔壁49は平面視において直線状である。これら
隔壁49によって放電空間41がライン方向にサブピク
セル(単位発光領域)毎に区画され、且つ放電空間41
の間隙寸法が一定値(100μm程度)に規定されてい
る。放電空間41には、ネオンに微量のキセノンを混合
した放電ガスが約500torr充填されている。蛍光
体層50R、50G、50Bは、放電で生じた紫外線
(147nm、173nm)で局部的に励起されて所定
色の可視光を放つ。表示の1ピクセルはライン方向に並
ぶ3つのサブピクセルG、B、Rで構成される。各サブ
ピクセルの範囲内の構造体がセルである。隔壁49の配
置パターンがストライプパターンであることから、放電
空間41のうちのサステインX電極とサステインY電極
に直交する部分は、アドレス電極方向に連続している。
従って、各列内のサブピクセルの発光色は同一となる。
【0025】以上の構造を有するPDP1は、各ガラス
基板42、47は別個に所定の構成要素が設けられて前
面板及び背面板として作製され、その後、前面板と背面
板とを重ね合わせて対向間隙の周縁を封止し、内部の排
気及び放電ガスの充填を行う一連の工程によって製造さ
れる。
【0026】本発明は上記の構造を有するPDPにおい
て、良好な隔壁49の材料を得るために、種々の実験を
行った。この実験結果に対してその評価基準を明確にす
る必要がある。以下に、PDPの評価基準について示
す。
【0027】PDPの画質評価に当たり、画面を9つの
領域に分けて表示する。そして1領域の点灯領域を一対
のサステイン電極で30本、アドレス電極60本で構成
した。また、評価は目視検査によって行った。表示は、
輝度レベルを最小輝度の「1」すなわち、重みが「1」
のサブフレームSF1のみを点灯させた。点灯させるサ
ブフレーム数が1であれば、1回のアドレスミスがフレ
ーム全体の消灯として現れる。
【0028】上述のようにアドレス電極の先頭ラインか
ら順に各ラインを選択してアドレッシングを行う場合に
は、各点灯ラインにおける先頭ラインでまず誤消灯が発
生する。そして先頭ラインでアドレスミスによる誤消灯
が発生した場合、同一列の次にアドレスするアドレス電
極のラインでも誤消灯が発生する確率が高くなる。よっ
て、この誤消灯は、目視では本来直線として見られるは
ずの境界線が、列毎に(サステイン電極方向に)境界と
なるラインが異なることから、境界線が点灯領域側に凹
んだ矩型として観察できる。そしてこの矩型境界が、時
間的に形を変える。そこで、境界から誤消灯するセルの
数の最大値をカウントし、表1に示す6段階の評価を行
うことにした。
【0029】
【表1】
【0030】まず、図4において、隔壁49に含まれる
シリコン(Si)含有率をかえた背面板を多数作製し、
これを用いてPDP1を試作し、試作した各PDPの画
質に対して表1に示す6段階の評価を行った。
【0031】一般的な隔壁材料は、原子%で表すと、ア
ルミニウム(Al)20%、鉛(Pb)10%、シリコ
ン(Si)10%、ホー素(B)10%、酸素(O)5
0%で構成されている。この様な材料で隔壁49を製造
する場合、その製造過程で塩素(Cl)及びフッ素
(F)が混入される。本実験においては、隔壁49に含
まれる塩素(Cl)及びフッ素(F)の含有率を、事前
に試作した背面板と同じ隔壁材料を用いて形成したテス
トピースを分析して、約500重量ppmとし、このよ
うな含有量を有する隔壁の背面板のみを選別し使用し
た。
【0032】図5にシリコン(Si)の含有量を変えて
試作したPDPの境界ノイズによる画質を表1を用いて
評価した結果を示す。図5はシリコン含有量と画質の評
価レベルを示す特性図であり、横軸にシリコン(Si)
含有率(原子%)を示し、縦軸に画質評価レベルを示
す。評価レベルは表1に示すレベルを採用した。この結
果、図5より明らかなように、Si含有率が少ない背面
板を用いたPDPのほうがより境界ノイズが少ないこと
が分かった。但し、隔壁49にシリコンを全く混入しな
いと、PDPの温度が上がった場合の熱的な特性等の観
点から問題が生じる。
【0033】また、これらPDPを破壊し、隔壁中の塩
素(Cl)及びフッ素(F)の総含有率を測定したとこ
ろ、約500重量ppmで、テストピースの値と一致し
た。
【0034】さらに、隔壁49のSi含有率を10原子
%に固定した背面板を用い、多数のPDPを試作して、
それらの境界ノイズの評価を行った。その結果、Si含
有率を一定にしたにもかかわらず、境界ノイズが変動し
ていることが分かった。そこでこれらPDPを破壊し、
Cl、Fの含有量を測定した。これらの結果を図6に示
す。
【0035】図6は塩素及びフッ素の含有率と画質評価
レベルを示す特性図であり、横軸に塩素(Cl)とフッ
素(F)の含有量(質量ppm)を示し、縦軸に画質評
価レベルを示す。画質評価レベルは表1の通りであり、
境界ノイズの多少によって画質評価レベルが異なる。図
6に示すように、Cl、Fの含有率が高くなるにしたが
い、境界ノイズが増加している。以上のことから、境界
ノイズを安定的に無くすには、隔壁49に含まれるSi
含有率とCl、Fの含有率を所定範囲内に納める必要が
あることがわかった。
【0036】そこで、Si含有率を変えた隔壁を形成し
た背面板を用いてPDPを作製し、境界ノイズを評価し
た。この時、Cl、F含有率については、事前の選別は
行わず、パネルを作製して、境界ノイズを測定後、パネ
ルを破壊後に測定を行った。つまり、パネル選別を行わ
ないため、Cl、F含有率は、図6に示した程度の変動
が発生することが予想される。
【0037】図7はシリコン含有率と、塩素及びフッ素
の含有率の特性図であり、横軸にシリコン(Si)の含
有率(原子%)で示し、縦軸に塩素及びフッ素(Cl,
F)の総含有量(質量ppm)を示した。図7は、上述
のようにSi含有率を変えた隔壁を形成した背面板を用
いPDPを作製し、境界ノイズを評価した後、画質評価
結果が「3」になるSi含有率と、パネル破壊後に測定
したCl、F含有率の関係を示した。この結果から、
(Cl、Fの含有率(重量ppm)、Siの含有率(原
子%))が、点A:(100,15)と点B:(100
0,0)を結ぶ直線とSiの含有量がゼロの軸であるα
軸、ClとFの総含有量がゼロの軸であるβ軸で囲まれ
た領域で、点Aから点Bの線上を含み、α軸とβ軸上を
含まない領域で表現される組成の隔壁を形成した背面板
によりPDPを作製することで、境界ノイズレベルが安
定的に低いPDPを得ることができることが分かった。
【0038】隔壁49を上記の条件を満足させるように
製造するには、何台かのPDPを試作してこの隔壁に含
まれるClとFの値を分析して、これらの総含有量(質
量ppm)の範囲を求め、このClとFの総含有量から
上記条件を満足するSiの含有量(原子%)を求める。
Siの含有量(質量%)は隔壁49の材料に含まれるS
iの量を調整することによって制御することができる。
【0039】本発明の実施例ではハロゲン元素である塩
素(Cl)とフッ素(F)の総含有量(質量ppm)に
ついて示したが、ハロゲン元素の総含有量(質量pp
m)を上記の範囲内に設定しても同様な結果が得られる
ことが分かった。ハロゲン元素としては、Cl,Fの外
に、例えば臭素(Br)やヨウ素(I)がある。
【0040】また、本発明においては、表示パネルの隔
壁は鉛(Pb)、シリコン(Si)、アルミニウム(A
l)、酸素(O)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ホウ
素(B)、亜鉛(Zn)のうち少なくともSiを含有し
た3元素以上から構成されていれば良い。
【0041】上記実施例においては、PDPの場合につ
いて示したが、本発明の範囲は、これに限定されるもの
ではなく、他の表示パネル及び表示装置にも適用でき
る。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、点灯すべきセルが点灯
しない境界ノイズの発生を抑圧でき、表示品質を高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ表示装置のブロック図で
ある。
【図2】フレームをサブフレームに分割する場合の一例
を示す模式図である。
【図3】フレームをサブフレームSF1〜SF6に分割
した場合のサブフレームSF1において、各電極へ印加
される電圧波形を示す波形図である。
【図4】本発明による表示パネルの内部構造を示す斜視
図である。
【図5】シリコン含有量と画質の評価レベルを示す特性
図である。
【図6】塩素及びフッ素の含有率と画質評価レベルを示
す特性図である。
【図7】シリコン含有率と、塩素及びフッ素の含有率の
特性図である。
【符号の説明】
1…PDP、3…駆動ユニット、49…隔壁、41…放
電空間、46…MgO膜、A…アドレス電極(第3の電
極)、TA…アドレス期間、TR…リセット期間、TS
…サステイン期間、X…サステインX電極(X電極)、
Y…サステインY電極(Y電極)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 康博 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所マルチメディアシステム 開発本部内 (72)発明者 湯原 章綱 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所マルチメディアシステム 開発本部内 (72)発明者 石垣 正治 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所情報メディア事業本部内 Fターム(参考) 5C040 FA01 GB03 GB14 GF02 GF18 KA10 KA11 KB03 MA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電領域を区画、または仕切る隔壁が放電
    空間内に設けられた表示パネルにおいて、隔壁に含有さ
    れるハロゲン元素の含有率(重量ppm)をαとし、シ
    リコン(Si)の含有率(原子%)をβとし、(α,
    β)としてαβ平面図を想定した場合、点A(100,
    15)と点B(1000,0)を結ぶ直線と、シリコン
    がゼロのα軸と、ハロゲン元素がゼロのβ軸とで囲まれ
    た領域であって、前記点Aと前記点Bを結ぶ線上を含
    み、前記α軸と前記β軸上を含まない領域内にある前記
    ハロゲン元素の含有率と前記シリコン元素の含有率で表
    現される組成を含む隔壁を備えることを特徴とする表示
    パネル。
  2. 【請求項2】請求項1記載の表示パネルにおいて、前記
    隔壁は、鉛(Pb)、シリコン(Si)、アルミニウム
    (Al)、酸素(O)、チタン(Ti)、銅(Cu)、
    ホウ素(B)、亜鉛(Zn)のうち少なくともシリコン
    を含有した3元素以上から構成されることを特徴とする
    表示パネル。
  3. 【請求項3】請求項1記載の表示パネルにおいて、前記
    隔壁に含まれれハロゲン元素が、塩素(Cl)及びフッ
    素(F)であることを特徴とする表示パネル。
  4. 【請求項4】放電空間内に設けられ、放電領域を区画、
    または仕切る隔壁に含有されるハロゲン元素の含有率
    (重量ppm)をαとし、シリコン(Si)の含有率
    (原子%)をβとし、(α,β)としてαβ平面図を想
    定した場合、点A(100,15)と点B(1000,
    0)を結ぶ直線と、シリコンがゼロのα軸と、ハロゲン
    元素がゼロのβ軸とで囲まれた領域であって、前記点A
    と前記点Bを結ぶ線上を含み、前記α軸と前記β軸上を
    含まない領域内にある前記ハロゲン元素の含有率と前記
    シリコン元素の含有率で表現される組成を含む隔壁を備
    える表示パネルを用いて、自己消去放電によって表示パ
    ネル全体の帯電状態を均一化した後にアドレス放電とサ
    ステイン放電とを行う駆動手段により表示動作を行うこ
    とを特徴とする表示装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の表示装置において、前記隔
    壁は、鉛(Pb)、シリコン(Si)、アルミニウム
    (Al)、酸素(O)、チタン(Ti)、銅(Cu)、
    ホウ素(B)、亜鉛(Zn)のうち少なくともシリコン
    を含有した3元素以上から構成されることを特徴とする
    表示装置。
  6. 【請求項6】請求項4記載の表示装置において、前記隔
    壁に含まれれハロゲン元素が、塩素(Cl)及びフッ素
    (F)であることを特徴とする表示装置。
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