JP2000321127A - 積分球およびそれを用いた分光測定装置 - Google Patents

積分球およびそれを用いた分光測定装置

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JP2000321127A
JP2000321127A JP11134030A JP13403099A JP2000321127A JP 2000321127 A JP2000321127 A JP 2000321127A JP 11134030 A JP11134030 A JP 11134030A JP 13403099 A JP13403099 A JP 13403099A JP 2000321127 A JP2000321127 A JP 2000321127A
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phosphor
integrating sphere
coating
reflection
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Masashi Okubo
昌視 大久保
Hideo Kato
日出夫 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠紫外、真空紫外領域に於て測定精度の優れ
た積分球を提供する。 【解決手段】 光を入射する入射窓8及び検知器に光を
受光する受光窓9を各々少なくとも1つ有する中空球体
14の内面の直接光線の照射を受ける光照射領域15蛍
光体を含有する蛍光体被膜10を設け、該光照射領域以
外の光反射拡散領域16に光反射拡散性粒子を含有する
反射拡散性被膜17が設られている積分球。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の分光エネルギ
ー強度及び分布を測定する分光測定装置に用いられる積
分球および分光測定装置に関し、特に紫外領域の光の測
定評価に、その中でも従来測定が困難で精度の低かった
遠紫外領域、真空紫外領域での測定精度の向上の為に有
効な積分球および分光測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光のエネルギーの測定は、分光エ
ネルギー分布、分光透過率、分光反射率などの測定が行
なわれ、これ等の測定は可視領域が主体で行われてい
た。分光測定装置は、光源から発せられた光線を分光器
によって単色光とし、該単色光はセクターミラーにより
参照光と試料光に分割し、参照光は反射ミラーによって
直接積分球に導かれ、一方、試料光は反射ミラーによっ
て試料を介して積分球に導かれ、積分球から取り出され
た各々の光の光束を比較することにより光のエネルギー
の測定が行なわれる。
【0003】分光測定装置における分光に使用される分
光器は、光学プリズム、回折格子、波長カットフィルタ
ー、干渉フィルター等が用途、精度によって使い分けら
れている。
【0004】また、測定に使用される光源としては、タ
ングステン電球を中心にハロゲンランプ等の比較的安定
したものが使用させている為に問題は起こらなかった。
分光特性を測定するために用いられて来た積分球は、内
面に硫酸バリウム等の白色粉末が塗工されて使用されて
きた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
可視領域が主体で行われてきた分光測定装置に対して、
最近、紫外領域の光線を利用した装置が各方面で使用さ
れるようになってきている。特に半導体の製造に用いら
れるステッパー等の光源には水銀灯のg線(λ=435
8Å)からi線(λ=3650Å)に、更に最近ではガ
スレーザーのKrF(λ=2486Å)レーザーへと移
行して来ている。このことは半導体の加工の限界が線幅
0.35μmから0.16μmに、そして更に0.12
μm以下へと移行しようとしていることを示している。
更に近い将来、そこで使用される光源としては真空紫外
領域のレーザーとなることは必定で、ArF(λ=19
34Å)、F2レーザー(λ=1570Å)が有望とさ
れている。
【0006】ここで大きな問題となっているのがそこに
使用される光学系である。硝材として、KrFレーザー
に使用している石英が使用出来るかどうか、蛍石がどこ
まで対応出来るか等の問題が山積しているからである。
また、測定評価に用いる分光スペクトル測定装置等にし
ても、真空紫外領域には対応しておらず、精度ある測定
評価が望めそうにない。
【0007】紫外領域の測定には従来から硫酸バリウム
等の白色顔料を積分球内面に塗工して用いられている。
従来は可視領域の光が主体であったので問題は見られな
かったが、紫外領域、特に遠紫外、真空紫外領域に於て
は吸収が大きく十分に性能を発揮することができなかっ
た。
【0008】本発明は、この様な従来技術の問題に鑑み
てなされたものであり、特に紫外領域の光、特に遠紫
外、真空紫外領域に於て測定精度の優れた積分球および
それを用いた分光測定装置を提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、光の分
光エネルギー強度及び分布を測定する分光測定装置に用
いられる積分球であって、光を入射する入射窓及び光を
受光する受光窓を各々少なくとも1つ有する中空球体の
内面の一部に蛍光体を含有する蛍光体被膜が設られてい
ることを特徴とする積分球である。
【0010】また、本発明は、上記の積分球を用いた光
の分光エネルギー強度及び分布を測定する分光測定装置
である。
【0011】前記光の波長領域が300nm以下である
のが好ましい。前記蛍光体が無機蛍光体または有機蛍光
体であるのが好ましい。前記無機蛍光体がBaMg2
1627:Eu、(SrCaBa)5 (PO43
l:Eu、BaSi25 :Pb、YPO4 :Ce、S
227 :Eu、ZnS:Cu,Alから選ばれた
少なくとも1種であるのが好ましい。
【0012】前記蛍光体被膜が蛍光体と蛍光体を懸架支
持するバインダーを、蛍光体100重量部に対してバイ
ンダー0〜10重量部含有するのが好ましい。前記バイ
ンダーが水溶性樹脂からなるのが好ましい。前記蛍光体
被膜は反射率は90%以上の光拡散反射材からなるのが
好ましい。前記蛍光体被膜が中空球体の内面の入射する
光の直接照射を受ける光照射領域に設けられているのが
好ましい。
【0013】前記中空球体の内面の入射する光の直接照
射を受ける光照射領域以外の領域に光反射拡散性粒子を
含有する反射拡散性被膜が設られているのが好ましい。
前記光反射拡散性粒子が硫酸バリウム、酸化チタン、酸
化亜鉛およびアルミナから選ばれた少なくとも一種の顔
料の粒子、またはセラミックス粒子であるのが好まし
い。前記反射拡散性被膜が光反射拡散性粒子と光反射拡
散性粒子を懸架支持するバインダーを、光反射拡散性粒
子100重量部に対してバインダー0〜10重量部含有
するのが好ましい。前記バインダーが水溶性樹脂からな
るのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者等は、光のエネルギーの
測定において、紫外領域、特に遠紫外、真空紫外領域の
光に、上記の従来の硫酸バリウム等の白色顔料を内面に
塗工した積分球を用いた場合に発生する問題を改善、解
決して、精度の高い測定評価と技術の進展を図る為に分
光エネルギーの測定、評価の要点である積分球の改良改
善を試みた。その結果、従来の積分球は可視光線の測定
に対応した硫酸バリウム等の白色顔料が塗工されている
が、遠紫外領域の光線に対して吸収が大きい為に十分な
反射光量が得られず、低応答の測定となることが精度の
悪い原因となっていることを見出した。
【0015】従来、積分球に要求される特性として、
1.高反射率、2.均一な拡散(散乱)、3.均一な分
光特性が挙げられる。これに加えて遠紫外、真空紫外の
光エネルギーを測定するためには、4.測定器の感応波
長域への変換、5.環境、雰囲気による汚染の防止など
が挙げられる。しかし、従来の可視光線の測定に用いら
れている光測定器の感応波長域への変換は、分光測定用
の光電管等の受光器が窓材を含めて遠紫外、真空紫外の
領域に対応していないために、その結果として遠紫外、
真空紫外の直接測定は困難である。
【0016】従って、本発明は、積分球の中空球体の内
面の一部の光照射領域に蛍光体を用いることにより、紫
外光の短波長を変換して受光器の特性に合わせた可視光
の長波長領域で測定を行うことを特徴とする。また、本
発明は、大きな問題となっている積分球の反射率、反射
特性の低下の問題を、前記光照射領域以外の領域に白色
反射拡散材を使用して測定する。特徴を上げれば、1.
長波長に発光する蛍光体の採用、2.直接光照射領域の
みに蛍光体の設置、3.紫外線非吸収性の懸架支持用の
バインダ−樹脂の採用、4.環境に優しい(配慮した)
塗工、4.蛍光体の再利用(リサイクル)等である。
【0017】図1は、本発明の分光測定装置の一例を示
す説明図である。同図1において、1は光源、2は光
線、3は分光器、4は単色光、5はセクターミラー、1
1は参照光、12は試料光、6a、6bは反射ミラー、
7は積分球、sは試料を示す。
【0018】図1に示す光の分光エネルギー強度及び分
布を測定する分光測定装置において、光源1から発せら
れた光線2は分光器3によって単色光4化される。単色
光4はセクターミラー5により参照光11と試料光12
に分割される。参照光11は反射ミラー6bによって積
分球7に導かれる。一方、試料光12は反射ミラー6a
によって試料sを介して積分球7に導かれる。
【0019】図2は本発明の分光測定装置に用いられる
積分球の概略図であり、図2(a)は光の照射方向に対
して直角方向から見た断面図、図2(b)は光の照射方
向から見た断面図である。図1に示す分光測定装置の試
料sを介して導かれた試料光12は、積分球7の入射窓
8を通って、試料光の直接照射を受ける光照射領域15
である、蛍光体を含有する蛍光体被膜10に照射され
る。試料光12の照射により発光した蛍光光線22はさ
らに積分球7の内面の前記光照射領域15以外の光反射
拡散領域16である、光反射拡散性粒子を含有する反射
拡散性被膜17の表面で反射拡散しながら受光窓9を通
って光電管(フォトマル)からなる検知器13に達して
測定に供される。一方、図1に示す分光測定装置の反射
ミラー6bから導かれた参照光11は図2(a)の入射
窓8に対して90度ずれた角度(紙面に対して上方)か
ら別の入射窓(不図示)を通って積分球7の内面の位置
(紙面に対して下方)の蛍光体被膜10に照射され、同
様に発光した蛍光光線は積分球の内面の反射拡散性被膜
17の表面を反射拡散しながら光電管(フォトマル)か
らなる検知器13に達して測定に供される。
【0020】本発明の分光測定装置には、光の波長領域
が300nm以下、好ましくは120〜250nmの遠
紫外、真空紫外領域の光のエネルギーの測定を行う積分
球が用いられのが望ましい。
【0021】図2に示す様に、本発明の積分球は、光を
入射する入射窓8及び検知器に光を受光する受光窓9を
各々少なくとも1つ有する中空球体14の内面の一部の
入射する光の直接照射を受ける光照射領域15に蛍光体
を含有する蛍光体被膜10が設られ、また該光照射領域
15以外の領域である光反射拡散領域16に光反射拡散
性粒子を含有する反射拡散性被膜17が設けられている
ことを特徴とする。
【0022】積分球は、通常検知器と組み合わせて用い
られ、検知器に光を受光する受光窓9と、光束を中空球
体内に入れる入射窓8の大きさは、球の内径の1/10
程度が好ましい。
【0023】積分球の中空球体は、特に制限はなく通常
使用されているものを用いることができ、例えば基材と
してはアルミニウム、ジュラルミン、黄銅等の金属、セ
ラミックス、プラスチックなどが使用出来る。高反射特
性を得るためには内面にアルミニウム、銀等の金属を真
空蒸着、鍍(メッキ)等の成膜法を用いて成膜する。耐
候性を向上させる為に弗化マグネシウム等の弗化金属を
更に積層した後、塗工することも効果がある。
【0024】本発明の蛍光体被膜10に使用する蛍光体
は、紫外領域の光、特に遠紫外、真空紫外領域の光によ
り刺激を受けて発光し蛍光光線を発生する蛍光体が用い
られる。光電管の特性(分光感度)と蛍光体の分光感度
を合致させれば高感度の高性能の測定を行なうこがで
き、光電管の種類に対応して蛍光体の種類を選択すれば
よい。蛍光体に要求される条件としては、発光時間、残
光特性、安定性、耐候性が良好なものが好ましい。
【0025】蛍光体には無機蛍光体または有機蛍光体が
用いられる。特にその種類を限定する必要は無いが、無
機蛍光体としては、例えばBaMg2 Al1627:E
u、(SrCaBa)5 (PO43 Cl:Eu、Ba
Si25 :Pb、YPO4 :Ce、Sr227
Eu、ZnS:Cu,Al等が挙げられる。また、有機
蛍光体としては、例えばサリチル酸ナトリウム、エオシ
ン、アントラセン、ジアミノスチルベン誘導体、テルフ
ェニル、リュモゲン、コローネン等が挙げられる。ま
た、無機蛍光体は、耐久性において有機蛍光体よりも優
れているので好ましい。
【0026】本発明において、積分球の中空球体の内面
の光照射領域には上記の蛍光体を塗布して蛍光体被膜を
形成して用いる。蛍光体被膜は、蛍光体の単独からなる
被膜、および蛍光体と蛍光体を懸架支持するバインダー
を含有する被膜のいずれでもよい。
【0027】蛍光体の単独からなる蛍光体被膜は、蛍光
体の粉末をアルコール等の溶媒に分散して積分球の中空
球体の内面に塗布して乾燥させることにより形成するこ
とができる。
【0028】また、蛍光体と蛍光体を懸架支持するバイ
ンダーを含有する蛍光体被膜は、蛍光体の粉末、バイン
ダーおよび溶媒を含有する溶液を積分球の中空球体の内
面に塗布して乾燥させることにより形成することができ
る。
【0029】蛍光体を懸架支持する為のバインダーとし
ては、特に限定する必要は無いが水溶性樹脂が好まし
い。水溶性樹脂として、例えばポリビニルアルコール
(PVA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、
ポリビニルピロリドン(PVP)等が挙げられる。蛍光
体被膜中のバインダーの含有量は、乾燥重量基準で蛍光
体100重量部に対してバインダー0〜10重量部、好
ましくは0.1〜2重量部が望ましい。
【0030】蛍光体被膜の膜厚は約0.5〜2mmの範
囲が好ましい。また、上記の蛍光体被膜は反射率は90
%以上の光反射拡散材からなるのが好ましい。
【0031】積分球の中空球体の内面に蛍光体被膜を形
成する方法は、上記の塗布方法に限定されることはな
く、蛍光体を蒸着、堆積することにより形成することも
できる。
【0032】他方、本発明の光反射拡散領域16の反射
拡散性被膜17に使用する光反射拡散性粒子には、白色
反射拡散材としては従来から用いられているものが使用
される。特にその種類を限定する必要は無いが、例えば
硫酸バリウムを代表として酸化チタン、酸化亜鉛および
アルミナから選ばれた少なくとも一種の顔料の粒子、ま
たはセラミックス粒子が挙げられる。これらの白色反射
拡散材は、可視領域においては吸収が少なく良好な性能
が得られる。
【0033】本発明において、積分球の中空球体の内面
に反射拡散性被膜を形成して用いるが、中空球体の内面
への塗工には、蛍光体と同様の上記水溶性バインダ−樹
脂が適用出来る。
【0034】また、光反射拡散性粒子と光反射拡散性粒
子を懸架支持するバインダーを含有する反射拡散性被膜
は、光反射拡散性粒子の粉末、バインダーおよび溶媒を
含有する溶液を積分球の中空球体の内面に塗布して乾燥
させることにより形成することができる。
【0035】反射拡散性被膜中のバインダーの含有量
は、乾燥重量基準で光反射拡散性粒子100重量部に対
してバインダー0〜10重量部、好ましくは0.1〜2
重量部が望ましい。反射拡散性被膜の膜厚は約0.5〜
2mmの範囲が好ましい。また、上記の反射拡散性被膜
は反射率は90%以上の光反射拡散材からなるのが好ま
しい。
【0036】積分球の中空球体の内面に反射拡散性被膜
を形成する方法は、上記の塗布方法に限定されることは
ない。
【0037】図2(b)に示す様に、入射窓を通って照
射された波長領域が300nm以下低波長の遠紫外、真
空紫外領域の光(試料光12)は、積分球の中空球体の
内面の一部に設けられた蛍光体を含有する蛍光体被膜1
0からなる光照射領域15に直接照射して波長領域が3
50〜500nmの高波長の蛍光光線22を発光し、該
蛍光光線22はさらに積分球7の内面の光反射拡散領域
16の、光反射拡散性粒子を含有する反射拡散性被膜1
7の表面で反射拡散し、さらに、蛍光光線22は光反射
拡散領域16で反射拡散を繰り返し受光窓9を通って光
電管(フォトマル)からなる検知器13に達して測定に
供される。
【0038】検知器で測定される蛍光光線22の波長
は、通常350nm以上、好ましくは400〜500n
mの範囲である。本発明の分光測定装置は、上記の積分
球を用いることにより、光の波長領域が300nm以下
の遠紫外、真空紫外領域の光の分光エネルギー強度及び
分布等のエネルギーの測定を行うことができる。
【0039】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0040】実施例1 本実施例の積分球は、アルミニウムのブロックを切削、
研磨により内面が鏡面に加工されている中空球体を用い
た。先ず、蛍光体を積分球の中空球体の内面の一部に塗
工する前に直接紫外光線照射を受けない領域に白色顔料
を塗工した。
【0041】白色顔料として硫酸バリウムを用いた。硫
酸バリウムの塗工液は硫酸バリウム10重量部、エチル
アルコ−ル10重量部、カルボキシメチルセルロ−ス2
%溶液5重量部で調整した。直接紫外線の照射受ける領
域には予め粘着紙で覆い、この塗工液をスプレ−ガンを
用いて全面に塗工した。乾燥した後、粘着紙を剥離除去
して、次いでそこに蛍光体を塗工した。
【0042】蛍光体の塗工の為の塗工液の調整は、蛍光
体として、BaMg2 Al1627:Eu粉末(中心粒径
6.2μm、粒径4.5〜8.5μmの粒子が85%以
上)を10重量部、ポリビニルアルコ−ルの2%水溶液
を5重量部、エチルアルコ−ルを10重量部用意した。
【0043】蛍光体を容器に秤量した後、エチルアルコ
ールを加えて攪拌した。十分に粉粒が分散した後、ポリ
ビニルアルコール水溶液を加え更に攪拌することにより
塗工液を調製した。
【0044】予め恒温槽で一定の温度(一例として50
℃)に保った中空球体の半球を回転板の上にセットした
後、回転させながら塗工液を硫酸バリウムの未塗工領域
に刷毛を用いて塗工した。
【0045】乾燥して出来上がった半球の内面は白色の
無光択のむらの無い均一な仕上がりであった。塗布膜の
膜厚は1〜2mmであった。両半球を合わせて(積分
球)、図1に示す分光測定装置をセットした。試料には
20mm厚のCaF2 を用いて、波長140〜200n
mの紫外光を用いて光の各波長に対する透過率を測定し
た。その結果を図3に示す。
【0046】紫外光が蛍光体により450nm中心の可
視光に変換され、光電管の分光感度と相まって、理論値
とほぼ近い値で、ノイズの少ない安定した測定結果が得
られた。
【0047】実施例2 積分球の中空球体にポリカーボネート樹脂で内面にアル
ミニウム蒸着膜を成膜してあるものを用いた。本実施例
では蛍光体として、(SrCaBa) 5(PO43
l:Euを使用した。
【0048】実施例1と同様に塗工液を調整した。蛍光
体10重量部、エチルアルコール20重量部、ポリビニ
ルアルコール5%水溶液4重量部を実施例1と同様に攪
拌して均一に分散し塗工液を調製した。
【0049】予め粘着紙で紫外光線の直接照射を受ける
光照射領域を覆った後、実施例1と同様の白色顔料とし
て硫酸バリウムを用いて調整された塗工液をスプレ−ガ
ンを用いて中空球体の半球ずつ塗工、乾燥して均一に塗
工された白色の無光択の半球が得られた。
【0050】粘着紙を剥離除去した後、その剥離領域に
蛍光体の塗工液を刷毛を用いて塗工した。十分に乾燥し
た後、両半球を合わせて図1に示す分光測定装置をセッ
トし、試料には20mm厚のCaF2 を用いて、波長1
40〜200nmの紫外光を用いて光の各波長に対する
透過率を測定した。その結果、実施例1と同様の透過率
で、ノイズの少ない安定した測定結果が得られた。
【0051】実施例3 実施例1において、白色顔料にアルミナの粉末を用い
た。蛍光体にはBaSi 25 :Pbを用いて塗工液を
調整した。実施例1と同様の工程を経て均一に塗工され
た白色無光択の積分球が得られた。測定の結果も実施例
1と同様に良好でノイズの少ない測定結果が得られた。
【0052】実施例4 実施例1に於て、白色顔料に酸化チタンを用いた。蛍光
体としてZnS:Cu,Alを用いて塗工液を調整し
た。実施例1と同様の工程を経て均一に塗工された積分
球が得られた。測定の結果も実施例1と同様に良好でノ
イズの少ない測定結果が得られた。
【0053】実施例5 実施例1に於て、白色顔料に酸化亜鉛等を用いた。蛍光
体としてZnS:Cu,Alを用いて塗工液を調整し
た。実施例1と同様の工程を経て均一に塗工された積分
球が得られた。測定の結果も実施例1と同様に良好でノ
イズの少ない測定結果が得られた。
【0054】実施例6 実施例1の光学系全体を窒素置換により無酸素雰囲気に
して分光測定を行った。測定の結果は、実施例1と同様
に良好で、200nm以下の波長領域に於てもノイズの
少ない高精度の測定ができた。
【0055】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、特
に紫外領域の光、特に遠紫外、真空紫外領域に於て分光
エネルギー分布、分光透過率、分光反射率などの測定精
度の優れた積分球を得ることができた。また、本発明の
積分球を用いた分光測定装置により、紫外領域の光、特
に遠紫外、真空紫外領域の光の分光エネルギー強度及び
分布の測定を精度よく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分光測定装置の一例を示す説明図であ
る。
【図2】本発明の積分球を示す概略図である。
【図3】実施例1の積分球を用いて波長140〜200
nmの紫外光を用いた透過率を測定した結果を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 光源 2 光線 3 分光器 4 単色光 5 セクターミラー 6a、6bは反射ミラー 7 積分球 8 入射窓 9 受光窓 10 蛍光体被膜 11 参照光 12 試料光 13 検知器 14 中空球体 15 光照射領域 16 光反射拡散領域 17 光反射拡散性被膜 22 蛍光光線 s 試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G020 AA05 CB23 CB43 CB44 CB55 CC02 CC13 CC26 CC49 CD04 CD13 CD23 2G065 AA04 AB05 AB09 AB23 BA17 BA18 BA29 BB27 BB28 BB29 BB42 DA05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光の分光エネルギー強度及び分布を測定
    する分光測定装置に用いられる積分球であって、光を入
    射する入射窓及び光を受光する受光窓を各々少なくとも
    1つ有する中空球体の内面の一部に蛍光体を含有する蛍
    光体被膜が設られていることを特徴とする積分球。
  2. 【請求項2】 前記光の波長領域が300nm以下であ
    る請求項1記載の積分球。
  3. 【請求項3】 前記蛍光体が無機蛍光体または有機蛍光
    体である請求項1または2記載の積分球。
  4. 【請求項4】 前記無機蛍光体がBaMg2 Al
    1627:Eu、(SrCaBa)5 (PO43 Cl:
    Eu、BaSi25 :Pb、YPO4 :Ce、Sr2
    27 :Eu、ZnS:Cu,Alから選ばれた少な
    くとも1種である請求項3記載の積分球。
  5. 【請求項5】 前記蛍光体被膜が蛍光体と蛍光体を懸架
    支持するバインダーを、蛍光体100重量部に対してバ
    インダー0〜10重量部含有する請求項1乃至4のいず
    れかの項に記載の積分球。
  6. 【請求項6】 前記バインダーが水溶性樹脂からなる請
    求項5記載の積分球。
  7. 【請求項7】 前記蛍光体被膜は反射率は90%以上の
    光拡散反射材からなる請求項1乃至6のいずれかの項に
    記載の積分球。
  8. 【請求項8】 前記蛍光体被膜が中空球体の内面の入射
    する光の直接照射を受ける光照射領域に設けられている
    請求項1乃至7のいずれかの項に記載の積分球。
  9. 【請求項9】 前記中空球体の内面の入射する光の直接
    照射を受ける光照射領域以外の領域に光反射拡散性粒子
    を含有する反射拡散性被膜が設られている請求項1また
    は8に記載の積分球。
  10. 【請求項10】 前記光反射拡散性粒子が硫酸バリウ
    ム、酸化チタン、酸化亜鉛およびアルミナから選ばれた
    少なくとも一種の顔料の粒子、またはセラミックス粒子
    である請求項9に記載の積分球。
  11. 【請求項11】 前記反射拡散性被膜が光反射拡散性粒
    子と光反射拡散性粒子を懸架支持するバインダーを、光
    反射拡散性粒子100重量部に対してバインダー0〜1
    0重量部含有する請求項9または10に記載の積分球。
  12. 【請求項12】 前記バインダーが水溶性樹脂からなる
    請求項11記載の積分球。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれかに記載の
    積分球を用いた光の分光エネルギー強度及び分布を測定
    する分光測定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006510027A (ja) * 2002-12-16 2006-03-23 アクセリス テクノロジーズ インコーポレーテッド 紫外線(uv)光の強度を測定するための装置及び方法
US7754339B2 (en) 2000-10-03 2010-07-13 Corob S.P.A. Reflective paint and a method for its use
CN102830088A (zh) * 2012-08-30 2012-12-19 昆山昱翌辉华电子科技有限公司 利用积分球结合二极管激光吸收光谱技术的气体浓度监测装置及基于该监测装置的监测方法

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