JP2000321124A - 酸化バナジウム薄膜の形成方法及び酸化バナジウム薄膜を用いたボロメータ型赤外線センサ - Google Patents

酸化バナジウム薄膜の形成方法及び酸化バナジウム薄膜を用いたボロメータ型赤外線センサ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸化バナジウム薄膜の電気特性の均一化を図る
ことができる酸化バナジウム薄膜の形成方法を提供す
る。 【解決手段】酸化バナジウム(VOx:2.25≦x<
2.5)からなる薄膜を、還元雰囲気下所定の温度で熱
処理する。又は、比抵抗が1〜10Ωcmである酸化バ
ナジウムからなる薄膜を、還元雰囲気下所定の温度で熱
処理することを特徴とする。以上により上記目的を達成
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化バナジウム薄
膜の形成方法及び酸化バナジウム薄膜を用いたボロメー
タ型赤外線センサに関する。
【従来の技術】
【0002】温度計測や赤外線検出等に用いられるボロ
メータ型赤外線センサやサーモクロミック材料に適した
材料として酸化バナジウムが知られている。例えば、こ
の酸化バナジウムを配列型非冷却ボロメータ型赤外線セ
ンサに用いる場合、半導体基板上に均一な薄膜として形
成する必要がある。一般に、金属酸化膜を半導体基板上
に作成する場合、前記半導体基板が直径2インチ程度の
面積であれば比較的均一な膜を形成することができる。
しかしながら、それ以上の面積を有する半導体基板上に
金属酸化膜を均一にするのは困難である場合が多い。
【0003】一方、酸化バナジウム薄膜を形成する方法
としては、ゾルゲル法、スパッタ法等が挙げられる。ゾ
ルゲル法は、比較的大きい面積を有する部材に薄膜を形
成するのに適している。しかしながら、例えば、配線等
が形成されているために凹凸を有するような半導体基板
上にゾルゲル法を用いて薄膜を形成する場合、スピンコ
ートを行う際に薄膜が不均一に形成されるため、均一な
薄膜を得ることは難しいことが多い。そのため、比較的
大きな面積を有する酸化バナジウム薄膜を形成する場合
にはスパッタ法が用いられている。
【0004】スパッタ法には、大別すると、純金属をタ
ーゲットとして酸素を含む不活性ガス中でスパッタリン
グを行うことにより金属酸化膜を形成する方法(以下、
反応性スパッタとする)と、金属酸化物をターゲットと
して不活性雰囲気中でスパッタリングを行うことにより
金属酸化膜を形成する方法とがある。前記金属酸化物を
ターゲットとして不活性雰囲気中でスパッタリングを行
うことにより金属酸化膜を形成する方法においては、作
成した金属酸化膜の組成がずれてしまった場合、ターゲ
ットごと交換しなければならないため、前述した反応性
スパッタが一般に用いられている。一方、ボロメータ型
赤外線センサを作成する際に酸化バナジウム薄膜を半導
体基板上に形成する場合、前記薄膜上において比抵抗等
の電気特性が均一でなければ正確な温度計測や赤外線検
出等を行うことができないため、前記薄膜の比抵抗を所
定の値に制御する必要がある。しかしながら、前述した
反応性スパッタにより純金属から均一な比抵抗を有する
薄膜を直接得ることは一般に困難である。このため、従
来は、反応性スパッタにより比抵抗が100Ωcm以上
のV(五酸化バナジウム)を作成した後これを還
元性雰囲気中で熱処理することにより0.1Ωcm程度
の比抵抗を有する薄膜を形成していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た酸化バナジウムの形成方法においては以下に示すよう
な問題が生じていた。酸化バナジウムは取りうる組成の
種類が多く、価数(酸化数)が4から5までの間に多数
の酸化物結晶層が存在する一方、ボロメータ型赤外線セ
ンサに適用することができる比抵抗を有する組成の範囲
が狭い。このため、熱処理後における比抵抗等の電気特
性の再現性が小さいため、前記薄膜の比抵抗の制御が困
難であるという問題が解決されないままであった。特
に、従来の酸化バナジウムの形成方法により比較的大き
な面積を有する基板等に薄膜を形成する場合、薄膜上に
おける比抵抗等の電気特性を均一にすることが困難であ
った。さらに、前記酸化バナジウム薄膜を用いたボロメ
ータ型赤外線センサにおいては、薄膜上における電気特
性が均一でないため精度が低いという問題が生じてい
た。
【0006】本発明は、以上の従来技術における問題に
鑑みてなされたものである。本発明の目的は、酸化バナ
ジウム薄膜の電気特性の均一化を図ることができる酸化
バナジウム薄膜の形成方法を提供することである。ま
た、本発明の目的は、精度の向上を図ることができるボ
ロメータ型赤外線センサを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明者は、酸化バナジウム薄膜の形成方法に関
する鋭意研究を重ねた。その結果、本発明者は、酸化バ
ナジウム(VOx:2.25≦x<2.5)からなる薄
膜を、還元雰囲気下所定の温度で熱処理することによ
り、前記還元による負荷を低減させることで電気特性が
均一である薄膜を形成することができるという着想に基
づき、本発明の酸化バナジウム薄膜の形成方法に想到し
た。同様に、本発明者は、比抵抗が1〜10Ωcmであ
る酸化バナジウムからなる薄膜を、還元雰囲気下所定の
温度で熱処理することにより、還元により薄膜の比抵抗
を減少させる度合いを小さくすることで均質な電気特性
を有する薄膜を形成することができるという着想に基づ
き、本発明の酸化バナジウム薄膜の形成方法に想到し
た。また、本発明者は、前記酸化バナジウム薄膜を半導
体基板上に形成することでボロメータ型赤外線センサの
精度の向上を図ることができるという着想に基づき、本
発明のボロメータ型赤外線センサに想到した。
【0008】以上の課題を解決するため提供する本出願
第1の発明は、酸化バナジウム(VOx:2.25≦x
<2.5)からなる薄膜を、還元雰囲気下所定の温度で
熱処理することを特徴とする酸化バナジウム薄膜の形成
方法である。
【0009】上記構成を有する本出願第1の発明の酸化
バナジウム薄膜の形成方法によると、酸化バナジウム
(VOx:2.25≦x<2.5)からなる薄膜を、還
元雰囲気下所定の温度で熱処理することにより、還元に
おける負荷を低減することができる。このため、熱処理
後の電気特性の再現性の向上を図ることができ、均質な
電気特性を有する薄膜を形成することができる。
【0010】また、本出願第2の発明は、比抵抗が1〜
10Ωcmである酸化バナジウムからなる薄膜を、還元
雰囲気下所定の温度で熱処理することを特徴とする酸化
バナジウム薄膜の形成方法である。
【0011】上記構成を有する本出願第2の発明の酸化
バナジウム薄膜の形成方法によると、比抵抗が1〜10
Ωcmである酸化バナジウムからなる薄膜を、還元雰囲
気下所定の温度で熱処理することにより、還元に掛かる
負荷を低減することができる。このため、熱処理後の電
気特性の再現性の向上を図ることができ、前記薄膜の電
気特性の均一化の向上を図ることができる。
【0012】また、本出願第3の発明の酸化バナジウム
薄膜の形成方法は、本出願第1の発明又は本出願第2の
発明の酸化バナジウム薄膜の形成方法であって、前記所
定の温度が250〜350℃であることを特徴とする。
【0013】上記構成を有する本出願第3の発明の酸化
バナジウム薄膜の形成方法によると、前記所定の温度が
250〜350℃であることにより、還元における熱処
理条件の範囲を広げることができるので、熱処理におけ
る電気特性の制御性を向上させることができ、前記薄膜
における電気特性の均一化を図ることができる。また、
従来よりもスパッタ室の温度を低くすることができ酸化
バナジウム薄膜形成の際の製造コストを低減することが
できる。
【0014】また、本出願第4の発明の酸化バナジウム
薄膜の形成方法は、本出願第1の発明〜本出願第3の発
明の何れか1の発明の酸化バナジウム薄膜の形成方法で
あって、前記酸化バナジウムからなる薄膜は、金属バナ
ジウムをターゲットとし酸素を含む反応ガス中で減圧下
スパッタリングを行うことにより形成されたものである
ことを特徴とする。
【0015】上記構成を有する本出願第4の発明の酸化
バナジウム薄膜の形成方法によると、前記酸化バナジウ
ムからなる薄膜は、金属バナジウムをターゲットとし酸
素を含む反応ガス中で減圧下スパッタリングを行うこと
により形成されたものであることにより、スパッタ時に
おけるスパッタ室内の残留酸素分圧からの影響を適度に
調整することができる。これにより、V等V
以外の相、若しくはV以外の相とVとの
混合相のように、酸化数が比較的低い酸化バナジウムか
らなる薄膜を形成することができる。この酸化バナジウ
ム薄膜を還元性雰囲気下熱処理することにより、還元に
おける熱処理条件の範囲を広げることができる。これに
より、熱処理における電気特性の制御性を向上させるこ
とができ、前記薄膜における電気特性の均一化を図るこ
とができる。
【0016】また、本出願第5の発明の酸化バナジウム
薄膜の形成方法は、本出願第1の発明〜本出願第4の発
明の何れか1の発明の酸化バナジウム薄膜の形成方法で
あって、前記減圧下の圧力が1〜4mTorrであるこ
とを特徴とする。
【0017】上記構成を有する本出願第5の発明の酸化
バナジウム薄膜の形成方法によると、前記減圧下の圧力
が1〜4mTorrであることにより、前記薄膜の電気
特性の制御性をできる限り向上させることができる。
【0018】また、本出願第6の発明は、酸化バナジウ
ム(VOx:2.25≦x<2.5)からなる薄膜を直
径2〜7インチの半導体基板上に形成した後、還元雰囲
気下所定の温度で熱処理することにより得られるボロメ
ータ型赤外線センサであって、前記薄膜における比抵抗
の標準偏差が、5〜30%であることを特徴とするボロ
メータ型赤外線センサである。
【0019】また、本出願第7の発明は、比抵抗が1〜
10Ωcmである酸化バナジウムからなる薄膜を直径2
〜7インチの半導体基板上に形成した後、還元雰囲気下
所定の温度で熱処理することにより得られるボロメータ
型赤外線センサであって、前記薄膜における比抵抗の標
準偏差が、5〜30%であることを特徴とするボロメー
タ型赤外線センサである。
【0020】上記構成を有する本出願第6の発明又は本
出願第7の発明のボロメータ型赤外線センサによると、
前記工程に得られるボロメータ型赤外線センサであっ
て、前記薄膜における比抵抗の標準偏差が5〜30%で
あることにより、均質な電気特性を有する薄膜を得るこ
とができるため、高精度のボロメータ型赤外線センサと
して得ることができる。
【0021】また、本出願第8の発明は、酸化バナジウ
ム(VOx:2.25≦x<2.5)からなる薄膜を直
径2〜7インチの半導体基板上に形成した後、還元雰囲
気下所定の温度で熱処理することにより得られるボロメ
ータ型赤外線センサであって、前記薄膜における抵抗温
度係数の標準偏差が、1〜8%であることを特徴とする
ボロメータ型赤外線センサである。
【0022】また、本出願第9の発明は、比抵抗が1〜
10Ωcmである酸化バナジウムからなる薄膜を直径3
〜7インチの半導体基板上に形成した後、還元雰囲気下
所定の温度で熱処理することにより得られるボロメータ
型赤外線センサであって、前記薄膜における抵抗温度係
数の標準偏差が、1〜8%であることを特徴とするボロ
メータ型赤外線センサである。
【0023】上記構成を有する本出願第8の発明及び本
出願第9の発明のボロメータ型赤外線センサによると、
前記工程に得られるボロメータ型赤外線センサであっ
て、前記薄膜における抵抗温度係数の標準偏差が1〜8
%であることにより、均質な電気特性を有する薄膜を得
ることができるため、精度が高いボロメータ型赤外線セ
ンサとして得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態に係
る酸化バナジウム薄膜の形成方法及び前記酸化バナジウ
ム薄膜を用いたボロメータ型赤外線センサを、図面を参
照して説明するが、以下の実施の形態は本発明に係る酸
化バナジウム薄膜の形成方法及び前記酸化バナジウム薄
膜を用いたボロメータ型赤外線センサの一例にすぎな
い。図1は、本発明の一実施例に係る酸化バナジウム薄
膜の形成方法において、金属バナジウムをターゲットと
して酸素を含む反応ガス中で減圧下スパッタリングを行
うことにより得られた酸化バナジウム薄膜表面における
抵抗値の分布を示す図である。図2は、本発明の一実施
例に係る酸化バナジウム薄膜の形成方法を実施するため
の装置の概略図である。図3は、本発明の一実施例に係
る酸化バナジウム薄膜の形成方法により得られた酸化バ
ナジウム薄膜表面における比抵抗の分布を示す図であ
る。図4は、本発明の一実施例に係る酸化バナジウム薄
膜の形成方法により得られた酸化バナジウム薄膜表面に
おける抵抗温度係数の分布を示す図である。図5は、本
発明の一実施例に係る酸化バナジウム薄膜の形成方法に
より得られた酸化バナジウム薄膜表面における比抵抗の
再現性を示す図である。
【0025】本実施の形態に係る酸化バナジウム薄膜の
形成方法は、酸化バナジウム(VOx:2.25≦x<
2.5)からなる薄膜を還元雰囲気下所定の温度で熱処
理することにより酸化バナジウムを形成する。xの値が
2.25未満である場合には、得られる薄膜の電気特性
の再現性が低いため、均質な電気特性を得ることができ
ない。一方、xの値が2.5以上である場合には、前記
薄膜の比抵抗が大きく、比抵抗を低減させるために大き
な還元負荷を必要とするため、熱処理の温度を高くしな
ければならず、反応容器内の温度を高くする必要があり
生産コストが増大してしまう。
【0026】また、本実施の形態に係る酸化バナジウム
薄膜の形成方法は、比低抗が1〜10Ωcmである酸化
バナジウムからなる薄膜を、還元雰囲気下所定の温度で
熱処理することにより酸化バナジウムを形成する。比抵
抗が1Ωcm未満である場合には、得られる薄膜の電気
特性の再現性が低いため、均質な電気特性を得ることが
できない。一方、比抵抗が10Ωcmより大きい場合に
は、比抵抗を熱処理により低減させるために係る還元負
荷が大きくなるため、高い温度にて熱処理を行わなけれ
ばならない。このため、反応容器内の温度を高くしなけ
ればならず生産コストの増大を招き、結果として製品価
格の高騰を招く。
【0027】また、還元雰囲気としては、例えば、アル
ゴン・ヘリウム等の不活性ガスと、水素、二酸化炭素、
硫化水素等の還元性ガスとの混合ガス雰囲気を用いる。
【0028】熱処理の温度は、比抵抗を小さくするため
に酸化バナジウム薄膜を確実に還元するためには250
〜350℃であることが望ましく、300〜350℃で
あればさらに望ましい。熱処理の温度が250℃未満で
あると、前記薄膜を十分に還元することができず、均質
な電気特性を有する薄膜を得ることができない。一方、
熱処理の温度が350℃より大きいと、反応容器内の温
度を高くしなければならず生産コストが多くかかり、そ
の結果、得られる製品の価格の増大を招いてしまう。
【0029】また、用いる酸化バナジウム薄膜は、金属
バナジウムをターゲットとし酸素を含む反応ガス中で減
圧下スパッタリングすることにより得られたものを用い
る。この場合、金属バナジウムをターゲットとし酸素を
含む反応ガス中で減圧下スパッタリングすることによ
り、スパッタ時におけるスパッタ室内の残留酸素分圧か
らの影響を適度に調整することができる。これにより、
等V以外の相、若しくはV以外の
相とVとの混合相のように、酸化数が比較的低い
酸化バナジウムからなる薄膜を形成することができる。
この場合、得られる酸化バナジウム薄膜の比抵抗が1〜
10Ωcmとなるような条件下、又は、酸化バナジウム
(VOx)のxの値が2.25≦x≦2.5を満たすよ
うな条件下でスパッタリングを行う。以上の工程により
得られた酸化バナジウム薄膜を還元性雰囲気下熱処理す
ることで、還元における熱処理条件の範囲を広げること
ができるため、熱処理における電気特性の制御性を向上
させることができ、前記薄膜における電気特性の均一化
を図ることができる。また、前述したような酸化数が比
較的低い酸化バナジウムからなる薄膜を用いて還元雰囲
気下所定の温度で熱処理する場合、従来の方法よりも還
元力を必要としないため、前記熱処理の温度を低くする
ことができる。これによりスパッタ室の温度を低くする
ことができ酸化バナジウム薄膜形成の際の製造コストを
低減することができる。
【0030】また、前記スパッタリングは減圧下で行
う。係る減圧下の圧力は1〜4mTorrであることが
望ましい。係る減圧下の圧力が4mTorrより大きい
と還元反応が進行しにくくなり、均質な電気特性を有す
る薄膜が得られにくい。一方、係る減圧下の圧力は小さ
いほど前記薄膜の電気特性の制御性を向上させることが
できる。しかしながら、スパッタ時の放電圧の下限が数
mTorrであることから、減圧下の圧力は1mTor
r以上であることが望ましい。
【0031】また、本実施の形態に係る形成方法におい
ては、比較的面積の大きな基板上においても電気特性的
に均質な薄膜を形成することができる。例えば、直径2
〜7インチの半導体基板表面に前記酸化バナジウム薄膜
を形成することによりボロメータ型赤外線センサを形成
する場合、前記薄膜における比抵抗の標準偏差が5〜3
0%であることにより、均質な電気特性を有する薄膜を
得ることができるため、高精度のボロメータ型赤外線セ
ンサとして得ることができる。同様に、前記薄膜におけ
る抵抗温度係数の標準偏差が1〜8%であることによ
り、均一性が高い電気特性を有する薄膜を得ることがで
きるため、精度の高いボロメータ型赤外線センサとして
得ることができる。
【0032】
【実施例】次に、本実施の形態の一実施例に係る酸化バ
ナジウム薄膜の形成方法及び係る酸化バナジウム薄膜を
用いたボロメータ型赤外線センサについて、図1〜図5
を参照して説明する。本実施例においては酸化バナジウ
ム薄膜を作成するため、金属のバナジウムをターゲット
とし、半導体基板として6インチのシリコンウエハを用
い、係るウエハ表面に酸化バナジウム薄膜を形成した。
また、スパッタガスとしてアルゴンを、反応ガスとして
として20%酸素が混合されたアルゴンを用いた。ま
ず、結晶粒子を大きくするため、前記ウエハを250℃
に加熱し、温度が安定したところでアルゴン10scc
mと20%酸素含有アルゴンガスをスパッタ室に4.8
sccm導入し、スパッタ圧を4mTorrに制御し
た。スパッタ電力を500Wとして約100分間スパッ
タリングを行うことにより、100nmの厚さを有する
酸化バナジウム薄膜を得た。前記スパッタにより得られ
た酸化バナジウム薄膜の抵抗分布を、従来の製造工程
(表1参照・スパッタ圧:16mTorr)により得ら
れた薄膜の抵抗分布と比較したのが図1である。
【表1】酸化バナジウム薄膜のスパッタ条件の比較
【0033】図1を参照すると、本実施例に係る製造工
程により得られた酸化バナジウム薄膜は、従来の製造工
程により得られたものと比較して、ウエハの中心から4
0mmまでの範囲における抵抗値を2桁以上小さくする
ことができた。また、ウエハ全体の抵抗値のばらつきを
改善することができた。この段階における薄膜に対して
X線回折を行った結果、V等の相、又はこれらの
相とVとの混合相からなることがわかった。ま
た、この段階における薄膜の抵抗値は図1に示されるよ
うに1〜10Ωcmであったため、前記薄膜をボロメー
タ型赤外線センサに適用することができる程度の抵抗値
にするために、次に示す工程により還元処理を実施し
た。前記還元処理では、アルゴンと水素ガスの混合ガス
を使用した(表2参照)。
【表2】本実施例に係る還元処理の条件
【0034】前記工程により前記酸化バナジウム薄膜が
形成されたウエハ1を試料ホルダ2にセットし、この状
態で試料ホルダ2を容器3に入れて、容器3内を10
−6Torr以下の圧力までポンプで真空排気した後、
容器3内に、水素を含む雰囲気(還元雰囲気)としてア
ルゴン及び水素混合ガス4を導入した(図2参照)。封
入時の混合ガス4の圧力は0.4気圧とした。続いて、
酸化バナジウム薄膜が形成されたウエハ1を、ウエハ加
熱ヒータ5により表2に示す条件で熱処理を行うことに
より、酸化バナジウム薄膜の比抵抗を0.1Ωcm程度
まで低減させることで、ボロメータ型赤外線センサ用酸
化バナジウム薄膜を得た。
【0035】次に、還元処理後の前記酸化バナジウム薄
膜表面の均一性を評価すべく、前記薄膜の比抵抗と抵抗
温度係数を測定した。比較例として従来の形成方法によ
り形成した酸化バナジウム薄膜の比抵抗のばらつきと、
本実施例に係る形成方法で形成した酸化バナジウム薄膜
との比抵抗のばらつきの比較を図3に示す。同様に、比
較例として従来の形成方法で形成した酸化バナジウム薄
膜の抵抗温度係数のばらつきと、本実施例に係る形成方
法により形成した酸化バナジウム薄膜との抵抗温度係数
ばらつきとの比較を図4に示す。また、図3及び図4に
おける本実施例に係る形成方法及び比較例として従来の
形成方法によりそれぞれ得られた酸化バナジウム薄膜の
比抵抗及び抵抗温度係数をそれぞれ表3及び表4に示
す。
【0036】図3及び表3を参照すると、本実施例に係
る形成方法により得られた酸化バナジウム薄膜表面にお
ける比抵抗の分布は標準偏差で21%であるのに対し、
比較例である従来の形成方法により得られた酸化バナジ
ウム薄膜の比抵抗の分布は標準偏差で64%である。図
5にも示されるように、本実施例に係る形成方法により
得られた酸化バナジウム薄膜表面における比抵抗の標準
偏差が21%であることにより、比抵抗のばらつきが少
なく均質な電気特性を有する酸化バナジウム薄膜を得る
ことができた。さらに、前記酸化バナジウム薄膜を有す
ることにより、精度が高いボロメータ型赤外線センサと
して得ることができた。
【0037】また、図4及び表4を参照すると、本実施
例に係る形成方法により得られた酸化バナジウム薄膜表
面における抵抗温度係数の分布は標準偏差で3%である
のに対し、比較例である従来の形成方法により得られた
酸化バナジウム薄膜の比抵抗の分布は標準偏差で9%で
ある。表4に示されるように、本実施例に係る形成方法
により得られた酸化バナジウム薄膜表面における抵抗温
度係数の標準偏差が3%であることにより、抵抗温度係
数のばらつきが少なく電気特性の均一性が高い酸化バナ
ジウム薄膜を得ることができた。さらに、前記酸化バナ
ジウム薄膜を有することにより、高精度のボロメータ型
赤外線センサとして得ることができた。以上のように、
本実施例に係る形成方法においては、ウエハ表面の比抵
抗及び抵抗温度係数等電気特性の均一性を改善すること
ができた。これにより、比較的大きな面積を有するウエ
ハ表面においても電気特性的に均質な酸化バナジウム薄
膜を形成することができるため、高精度のボロメータ型
赤外線センサとして得ることができる。
【0038】また、本実施例に係る形成方法及び従来の
形成方法(比較例)により得られた酸化バナジウム薄膜
のサンプルをそれぞれ複数個(実施例については1番か
ら12番までの12個、比較例については1番から10
番までの10個)作成し、これらの比抵抗を測定するこ
とにより再現性を調査した。図5にその結果を示す。図
5によると、従来の形成方法により得られた酸化バナジ
ウム薄膜と比較して、本実施例に係る形成方法により得
られた酸化バナジウム薄膜は、サンプル毎の比抵抗のば
らつきが少ないことから、電気特性の再現性が飛躍的に
改善されたことが確認された。
【表3】比抵抗のウエハ表面分布
【表4】温度抵抗係数のウエハ表面分布
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る酸化バナジウム薄膜
の形成方法において、金属バナジウムをターゲットとし
て酸素を含む反応ガス中で減圧下スパッタリングを行う
ことにより得られた酸化バナジウム薄膜表面における抵
抗値の分布を示す図である。
【図2】 本発明の一実施例に係る酸化バナジウム薄膜
の形成方法を実施するための装置の概略図である。
【図3】 本発明の一実施例に係る酸化バナジウム薄膜
の形成方法により得られた酸化バナジウム薄膜表面にお
ける比抵抗の分布を示す図である。
【図4】 本発明の一実施例に係る酸化バナジウム薄膜
の形成方法により得られた酸化バナジウム薄膜表面にお
ける抵抗温度係数の分布を示す図である。
【図5】 本発明の一実施例に係る酸化バナジウム薄膜
の形成方法により得られた酸化バナジウム薄膜表面にお
ける比抵抗の再現性を示す図である。
【符号の説明】
1 ウエハ 2 試料ホルダ 3 容器 4 水素混合ガス 5 ウエハ加熱ヒータ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化バナジウム(VOx:2.25≦x<
    2.5)からなる薄膜を、還元雰囲気下所定の温度で熱
    処理することを特徴とする酸化バナジウム薄膜の形成方
    法。
  2. 【請求項2】比抵抗が1〜10Ωcmである酸化バナジ
    ウムからなる薄膜を、還元雰囲気下所定の温度で熱処理
    することを特徴とする酸化バナジウム薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】前記所定の温度が250〜350℃である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の酸化バ
    ナジウム薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】前記酸化バナジウムからなる薄膜は、金属
    バナジウムをターゲットとし酸素を含む反応ガス中で減
    圧下スパッタリングを行うことにより形成されたもので
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項
    に記載の酸化バナジウム薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】前記減圧下の圧力が1〜4mTorrであ
    ることを特徴とする請求項4に記載の酸化バナジウム薄
    膜の形成方法。
  6. 【請求項6】酸化バナジウム(VOx:2.25≦x<
    2.5)からなる薄膜を直径2〜7インチの半導体基板
    上に形成した後、還元雰囲気下所定の温度で熱処理する
    ことにより得られるボロメータ型赤外線センサであっ
    て、前記薄膜における比抵抗の標準偏差が、5〜30%
    であることを特徴とするボロメータ型赤外線センサ。
  7. 【請求項7】比抵抗が1〜10Ωcmである酸化バナジ
    ウムからなる薄膜を直径2〜7インチの半導体基板上に
    形成した後、還元雰囲気下所定の温度で熱処理すること
    により得られるボロメータ型赤外線センサであって、前
    記薄膜における比抵抗の標準偏差が、5〜30%である
    ことを特徴とするボロメータ型赤外線センサ。
  8. 【請求項8】酸化バナジウム(VOx:2.25≦x<
    2.5)からなる薄膜を直径2〜7インチの半導体基板
    上に形成した後、還元雰囲気下所定の温度で熱処理する
    ことにより得られるボロメータ型赤外線センサであっ
    て、前記薄膜における抵抗温度係数の標準偏差が、1〜
    8%であることを特徴とするボロメータ型赤外線セン
    サ。
  9. 【請求項9】比抵抗が1〜10Ωcmである酸化バナジ
    ウムからなる薄膜を直径3〜7インチの半導体基板上に
    形成した後、還元雰囲気下所定の温度で熱処理すること
    により得られるボロメータ型赤外線センサであって、前
    記薄膜における抵抗温度係数の標準偏差が、1〜8%で
    あることを特徴とするボロメータ型赤外線センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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