JP2000320652A - 電子式駆動特性設定装置 - Google Patents

電子式駆動特性設定装置

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JP2000320652A
JP2000320652A JP11132344A JP13234499A JP2000320652A JP 2000320652 A JP2000320652 A JP 2000320652A JP 11132344 A JP11132344 A JP 11132344A JP 13234499 A JP13234499 A JP 13234499A JP 2000320652 A JP2000320652 A JP 2000320652A
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vehicle
driving
drive
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Atsushi Tabata
淳 田端
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同じ運転者が同じ車両に連続して再乗車して
運転する場合に、運転者の好みに応じた駆動特性の再設
定を容易且つ迅速に行い得るようにする。 【解決手段】 「IGオン時特性自動再設定」のYボタ
ン96がONの場合には、運転者の好みに応じて選定さ
れた走行特性および走行状況の内容をRAMに記憶して
おき、車両の運転開始時にイグニッションスイッチがO
N操作された後、「前セット内容再セット」の実行ボタ
ン100がタッチ操作された場合には、そのRAMに記
憶されている直前(前回イグニッションスイッチがOF
F操作された時)の走行特性および走行状況の選択内容
を読み出して、その選択内容に従って車両の駆動特性
(変速マップや駆動力源の出力特性など)を自動的に再
設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子式駆動特性設定
装置に係り、特に、同じ運転者が同じ車両に連続して再
乗車する際の駆動特性の設定が容易な電子式駆動特性設
定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】運転者の好みに応じて車両の駆動特性を
設定する電子式駆動特性設定装置が提案されている。特
開平10−264739号公報に記載の装置はその一例
で、登降坂制御の有無、パワー(走行性能重視)かノー
マルか、運転者指向制御の有無、ロックアップスリップ
制御の有無、2輪駆動(2W)か4輪駆動(4W)か、
などの走行特性が運転者によって適宜選択されると、そ
の選択内容に応じて車両の駆動特性が設定され、運転者
の好み(嗜好)に応じた駆動性能が得られるようになっ
ている。車両の駆動特性は、ロックアップクラッチのス
リップ制御の有無や2輪駆動、4輪駆動の他、自動変速
機の変速比変更特性やエンジン、走行用電動モータの出
力特性など、車両の駆動性能に関する種々の特性を含
む。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
運転者の嗜好による駆動特性は個々の運転者によってそ
れぞれ異なるし、常に同じ車両に同じ運転者が乗車する
とは限らないため、マイクロコンピュータなどの電子技
術を用いた電子式の駆動特性設定装置においては、イグ
ニッションスイッチのOFF操作と同時に固有の駆動特
性はキャンセルされ、標準的な駆動性能が得られるノミ
ナル状態(標準状態)に戻されるようになっている。こ
のため、同じ運転者が同じ車両に再乗車して運転する場
合でも、駆動特性を再設定するという面倒な操作が必要
であった。個々の運転者毎に識別番号やIDカードを設
け、その識別番号やIDカードと関連付けて駆動特性を
記憶しておくとともに、識別番号やIDカードに応じて
駆動特性を自動的に再設定することも提案されている
が、識別番号を入力したりIDカードを持ち歩いたりし
なければならず、必ずしも十分に満足できない。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、同じ運転者が同じ車
両に連続して再乗車して運転する場合の駆動特性の再設
定を容易且つ迅速に行い得るようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、第1発明は、運転者の好みに応じて車両の駆動特
性を設定する電子式駆動特性設定装置において、(a) 車
両のメインスイッチがOFF操作されても、その直前の
駆動特性の設定内容を記憶できる特性記憶手段と、(b)
前記メインスイッチがON操作された時に、前記特性記
憶手段に記憶されている駆動特性の内容を自動的に再設
定する再設定手段と、(c) 運転者によって操作されるこ
とにより、前記再設定手段による駆動特性の再設定を禁
止または許容する再設定可否選択手段と、を有すること
を特徴とする。
【0006】第2発明は、運転者の好みに応じて車両の
駆動特性を設定する電子式駆動特性設定装置において、
(a) 車両のメインスイッチがOFF操作されても、その
直前の駆動特性の設定内容を記憶できる特性記憶手段
と、(b) 前記メインスイッチがON操作された時に、前
記特性記憶手段に記憶されている駆動特性の内容を自動
的に再設定する再設定手段と、(c) 運転者によって操作
されることにより、前記特性記憶手段による駆動特性の
設定内容の記憶を禁止または許容する記憶可否選択手段
と、を有することを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】このような電子式駆動特性設定装置にお
いては、車両のメインスイッチがOFF操作されても直
前の駆動特性の設定内容が特性記憶手段に記憶され、次
にメインスイッチがON操作された時に、その特性記憶
手段に記憶されている直前の車両走行時(厳密にはメイ
ンスイッチのOFF操作時)の駆動特性が再設定手段に
より自動的に再設定されるため、同じ運転者が同じ車両
に続けて再乗車して運転する場合の駆動特性の再設定が
容易(特別な操作を必要としない場合も含む)且つ迅速
に行われる。また、第1発明では、上記再設定手段によ
り駆動特性の再設定を行うか否かを、再設定可否選択手
段により運転者が任意に選択できる一方、第2発明で
は、上記特性記憶手段により駆動特性の設定内容を記憶
するか否かを、記憶可否選択手段により運転者が任意に
選択できるため、何れの場合も運転者が異なる場合に前
の運転者の好みによる駆動特性が自動的に再設定される
ことを防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の電子式駆動特性設定装置
は、マイクロコンピュータなどの電子技術を用いて駆動
特性を設定する装置で、基本的には車両のメインスイッ
チのOFF操作で設定内容がキャンセルされ、標準的な
駆動性能が得られるノミナル状態(標準状態)に戻され
るのであるが、特性記憶手段が設けられて駆動特性の設
定内容を記憶できるようにしたのである。駆動特性は、
車両の駆動性能に関するもので、例えばロックアップク
ラッチのスリップ制御の有無や2輪駆動、4輪駆動の
他、自動変速機の変速比変更特性(例えば車速およびア
クセル操作量をパラメータとする変速段の切換マップな
ど)やエンジン、走行用電動モータの出力特性(例えば
アクセル操作量と出力との関係)などであり、運転者が
任意に選択(設定)できるようになっていても良いし、
運転者のアクセルやブレーキ、マニュアル変速等の操作
傾向などから運転者の運転指向(嗜好)を解析して、そ
の運転指向に合致する駆動性能が得られるように所定の
駆動特性が自動的に設定されるようになっていても良
い。
【0009】なお、運転者の好み(嗜好)だけでなく、
雪路か否か、乗車人数は何人か、山路か否かなど走行状
況(環境)をも考慮して総合的に駆動特性が設定される
ようになっていても良い。その場合は、少なくとも運転
者の好みに応じた駆動特性を記憶して自動的に再設定さ
れるようになっておれば良いが、走行状況をも考慮した
駆動特性を記憶して再設定するようになっていても良
い。
【0010】車両のメインスイッチとは、車両の各種の
システムに電源供給してアクティブにしたり(ON操
作)、電源供給を遮断してシステムを非アクティブにし
たり(OFF操作)するスイッチで、例えばエンジン駆
動車両におけるイグニッションスイッチなどである。O
N操作するスイッチとOFF操作するスイッチを別々に
設けることもできる。
【0011】特性記憶手段は、ロックアップクラッチの
スリップ制御の有無や、2輪駆動か4輪駆動か、自動変
速機の変速比変更特性、エンジン、走行用電動モータの
出力特性などの駆動特性そのものの設定内容を記憶する
ものでも良いが、例えば変速比変更特性やエンジンの出
力特性は、パワーかノーマルか等の運転者の選択内容に
応じて設定されるもので、そのような駆動特性について
は運転者の選択内容を記憶するとともに、その選択内容
に応じて駆動特性が再設定されるようになっていても良
い。すなわち、幾つかの選択項目に対する運転者の選択
操作で好みに応じた駆動特性が設定される場合は、その
選択内容を駆動特性の設定内容として記憶するようにな
っていても良いのである。この特性記憶手段は、車両の
メインスイッチがOFF状態でも記憶内容を保持できる
もので、不揮発性メモリやメインスイッチOFFでもバ
ッテリに接続されて電源供給される記憶装置などで構成
される。
【0012】また、上記特性記憶手段は、少なくともメ
インスイッチがOFF操作された直前の駆動特性の設定
内容を記憶するものであれば良く、例えばメインスイッ
チON時に駆動特性の設定内容を記憶するとともに、設
定内容の変更に伴って逐次書き換えられるように構成さ
れるが、メインスイッチがOFF操作された時に、その
直前の駆動特性の設定内容を検出して記憶するものでも
良い。
【0013】第1発明の再設定可否選択手段としては、
例えば車両のメインスイッチがON操作される毎に、特
性記憶手段に記憶されている前回の駆動特性の内容をそ
のまま再設定するか否かを運転者が任意に選択できる再
セットスイッチが好適に用いられる。すなわち、再セッ
トスイッチがON操作されれば、前回の駆動特性を自動
的に再設定するが、所定時間内にON操作されない場
合、或いはキャンセルスイッチが操作された場合等に
は、駆動特性をノミナル状態にしたりマニュアル設定画
面を表示装置に表示したりするのである。再設定可否選
択手段としては、上記再セットスイッチの他に、メイン
スイッチのON、OFFに拘らず常に再設定可か否かの
選択状態を保持するとともに、何時でも選択を切り換え
られるON−OFFスイッチなど種々の選択手段を用い
ることができる。選択状態を保持するものと保持しない
ものの2種類の再設定可否選択手段を設けることも可能
である。
【0014】第2発明の記憶可否選択手段としては、例
えば車両のメインスイッチのON、OFFに拘らず常に
記憶可か否かの選択状態を保持するとともに、何時でも
選択を切り換えられるON−OFFスイッチが好適に用
いられる。記憶可否選択手段によって特性記憶手段によ
る駆動特性の設定内容の記憶が禁止されている場合は、
再設定手段による駆動特性の再設定は不可で、メインス
イッチのON操作時には、駆動特性をノミナル状態にし
たりマニュアル設定画面を表示装置に表示したりするよ
うに構成される。記憶可否選択手段としては、上記ON
−OFFスイッチの他に、車両のメインスイッチがOF
F操作される毎に、その時の駆動特性の設定内容を特性
記憶手段に記憶するか否かを運転者が任意に選択できる
スイッチなど種々の選択手段を用いることができる。こ
の記憶可否選択手段についても、選択状態を保持するも
のと保持しないものの2種類を設けることが可能であ
る。
【0015】上記再設定可否選択手段、記憶可否選択手
段は、タッチパネル等の表示装置に表示されるものでも
良いが、画面周囲のエスカッション或いはインストルメ
ントパネルなどに位置固定に配置されるものでも良い。
【0016】また、第1発明、第2発明共に、再乗車時
に駆動特性を自動的に再設定した場合には、その設定内
容(選択の状態など)を表示装置に画像表示して運転者
が確認できるようにしたり、その設定内容をマニュアル
操作で変更したりできるようにすることが望ましい。
【0017】また、第1発明の再設定可否選択手段、お
よび第2発明の記憶可否選択手段を共に備えている電子
式駆動特性設定装置を採用することもできる。すなわ
ち、記憶可否選択手段としてON−OFFスイッチを設
け、特性記憶手段による駆動特性の記憶、更には駆動特
性の再設定の可否を任意に設定して、メインスイッチの
ON、OFFに拘らずその可否状態を保持できるように
するとともに、ONすなわち特性記憶手段による駆動特
性の記憶が常時許容されている場合でも、メインスイッ
チのON操作時に再設定可否選択手段である再セットス
イッチがON操作されるか否かにより、駆動特性の再設
定を自動的に行うか否かをメインスイッチのON操作毎
に運転者が任意に選択できるようにするのである。な
お、特性記憶手段による駆動特性の記憶を禁止または許
容するON−OFFスイッチの代わりに、特性記憶手段
による記憶および再設定手段による再設定の少なくとも
一方を禁止または許容することにより、全体として駆動
特性が自動的に再設定されることを禁止または許容する
ON−OFFスイッチ(選択状態を保存できる選択手
段)を採用することもできる。
【0018】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ
詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例であるハイ
ブリッド駆動装置10の骨子図である。このハイブリッ
ド駆動装置10はFF(フロントエンジン・フロントド
ライブ)車両用のもので、燃料の燃焼によって作動する
ガソリンエンジン12と、電気エネルギーで作動する電
動モータおよび発電機としての機能を有するモータジェ
ネレータ14と、遊星歯車式の副変速機16と、ベルト
式の無段変速機18と、差動装置20とを備えており、
出力軸22R、22Lから図示しない左右の前輪(駆動
輪)に駆動力が伝達される。エンジン12、モータジェ
ネレータ14、副変速機16、および無段変速機18の
入力軸38は、同一の軸線上にその順番で配設されてい
る。エンジン12およびモータジェネレータ14は車両
走行用の駆動力源である。また、無段変速機18は主変
速機で、本実施例では出力軸22R、22Lまでの間で
3〜11程度の変速比が得られるようになっている。
【0019】エンジン12は、エンジン始動用の電動モ
ータ(MO)60によって回転駆動(クランキング)さ
れることにより始動させられるようになっている。この
電動モータ60は直流モータで、12V〜36V程度等
の低電圧で作動させられるものであり、蓄電装置として
のバッテリ26から電気エネルギーが供給されるように
なっている。エンジン12のクランクシャフト12s
は、ベルト等の伝動装置を介して上記電動モータ60に
機械的に連結されている。クランクシャフト12sには
また、ベルト等の伝動装置および電磁クラッチ62を介
して補機64が接続され、補機64としてのエアコンの
コンプレッサ等を回転駆動するようになっている。クラ
ンクシャフト12sには更に、ベルト等の伝動装置を介
してモータジェネレータ24が接続されている。このモ
ータジェネレータ24は補機駆動用の電動モータで、バ
ッテリ26から電気エネルギーが供給されるようになっ
ている。
【0020】バッテリ26は、前記モータジェネレータ
14にも電気エネルギーを供給して作動させるもので、
本実施例では36V程度の比較的低電圧のものが用いら
れており、モータジェネレータ14の回生制動によって
車両走行中に逐次充電される。バッテリ26の蓄電量S
OCが所定値以下まで低下した時、すなわちモータジェ
ネレータ14を車両走行用の電動モータとして作動させ
ることができない場合は、電動モータ60によりエンジ
ン12を始動するとともに、そのエンジン12でモータ
ジェネレータ24を回転駆動して発電させることによ
り、バッテリ26を充電する。これにより、故障時以外
は常時モータジェネレータ14を用いて走行することが
可能である。バッテリ26には、電動モータ60によっ
てエンジン12を始動できる程度の蓄電量SOCが常に
確保されるようになっている。なお、電動モータ60に
電気エネルギーを供給するため、バッテリ26とは別に
12V等のバッテリを設けるようにしても良い。また、
モータジェネレータ24でエンジン12をクランキング
して始動させることも可能で、その場合は電動モータ6
0を省略できる。
【0021】副変速機16は、互いに近接して並列に配
設されたダブルプラネタリ型の第1遊星歯車装置30お
よびシンプルプラネタリ型の第2遊星歯車装置32を備
えている。これらの遊星歯車装置30、32は、共通の
リングギヤRおよびキャリアCを有するとともに、第1
遊星歯車装置30のキャリアのリングギヤ側のピニオン
ギヤと第2遊星歯車装置32のキャリアのピニオンギヤ
とが一体化されているラビニヨ型である。そして、第1
遊星歯車装置30のサンギヤS1には、前記モータジェ
ネレータ14が連結され、第2遊星歯車装置32のサン
ギヤS2には、第1クラッチC1およびダンパ装置34
を介してエンジン12が連結されるようになっている。
また、それ等のサンギヤS1およびS2は第2クラッチ
C2によって連結されるとともに、キャリアCは反力ブ
レーキBによってハウジング44に連結されて回転が阻
止されるようになっており、リングギヤRは出力部材3
6を介して無段変速機18の入力軸38に連結されてい
る。クラッチC1、C2、反力ブレーキBは、何れも油
圧アクチュエータによって摩擦係合させられる摩擦係合
式のものである。
【0022】上記サンギヤS1は、第1遊星歯車装置3
0に隣接して配設されるモータジェネレータ14の中心
を貫通して配設された円筒状の連結部材40を介して、
そのモータジェネレータ14よりもエンジン12側に設
けられた第2クラッチC2に接続されており、モータジ
ェネレータ14のロータは連結部材40の中間位置に相
対回転不能に固定されている。サンギヤS2は、上記連
結部材40を挿通して相対回転可能に配設された連結部
材42を介して、モータジェネレータ14よりもエンジ
ン12側に設けられた第1クラッチC1に接続されてい
るとともに、その第1クラッチC1を経由することなく
第2クラッチC2に接続されている。また、前記反力ブ
レーキBは、副変速機16とモータジェネレータ14と
の間から外周側へ延び出すキャリアCをハウジング44
に固定するように配設されている。
【0023】図2は、上記副変速機16の各回転要素S
1、S2、R、Cの回転数の相互関係を直線で表す共線
図で、縦軸が回転数であり、各回転要素S1、S2、
R、Cの位置および間隔は、連結状態や遊星歯車装置3
0、32のギヤ比ρ1、ρ2によって一義的に定まる。
この共線図上において、入力回転要素であるサンギヤS
1、S2は互いに反対側の両端に位置しているととも
に、出力用回転要素であるリングギヤRは反力用回転要
素であるキャリアCとサンギヤS1との間に位置してい
る。
【0024】図3は、クラッチC1、C2、および反力
ブレーキBの係合状態と副変速機16の変速モード(一
例)との関係を示す図で、エンジン12を駆動力源とし
て使用する場合、モータジェネレータ14を駆動力源と
して使用する場合、或いはシフトレバーの操作ポジショ
ン(図6参照)などにより場合分けして示したものであ
る。図6の「D」ポジションは、予め定められた変速条
件に従って無段変速機18の変速比をアクセル操作量や
車速などの運転状態に応じて連続的に変化させながら前
進走行する自動変速位置で、「M」ポジションは、
「+」位置または「−」位置へシフトレバーが操作され
ることにより有段変速機のように無段変速機18の変速
比を段階的に変化させる有段手動変速位置で、「B」ポ
ジションは、シフトレバーの前後方向位置に応じて無段
変速機18の変速比を連続的に変化させる無段手動変速
位置である。また、「R」は車両を後進させるリバース
位置で、「N」はニュートラル位置で、「P」はパーキ
ングロック機構などで車両の走行を阻止するパーキング
位置である。
【0025】図3において、エンジン12を駆動力源と
して前進走行する「D」、「M」、「B」ポジションで
は、クラッチC1、C2を共に係合させるとともに反力
ブレーキBを解放することにより、変速比が1の高速前
進モード「2nd」が成立させられる。この高速前進モ
ード「2nd」は高速段に相当する。その場合に、第1
クラッチC1をスリップ係合させれば、エンジン発進が
可能なエンジン低速前進モード「2nd(低速)」が成
立させられ、バッテリ26の蓄電量SOCの低下や故障
などでモータジェネレータ14を使用できない場合で
も、エンジン12で前進方向のクリープトルクを発生さ
せたり車両を前方へ発進させたりすることができる。
「R」ポジションでは、第1クラッチC1および反力ブ
レーキBを係合させるとともに第2クラッチC2を解放
することにより、変速比が−1/ρ2(ρ2は、第2遊
星歯車装置32のギヤ比(=サンギヤS2の歯数/リン
グギヤRの歯数))の高速後進モード「高速」が成立さ
せられる。その場合に第1クラッチC1をスリップ係合
させれば、前進時と同様にエンジン発進が可能なエンジ
ン低速後進モード「低速(エンジン)」が成立させら
れ、バッテリ26の蓄電量SOCの低下や故障などでモ
ータジェネレータ14を使用できない場合でも、エンジ
ン12で後進方向のクリープトルクを発生させたり車両
を後方へ発進させたりすることができる。また、「N」
ポジションでは、クラッチC1、C2を共に解放すると
ともに反力ブレーキBを係合させることにより、エンジ
ン12からの動力伝達を遮断する。
【0026】モータジェネレータ14を駆動力源とする
「D」、「M」、「B」ポジションでは、クラッチC
1、C2を共に解放するとともに反力ブレーキBを係合
させることにより低速前進モード「1st」が成立させ
られ、車両停止時には前進方向のクリープトルクを発生
させるとともにアクセル操作に従って発進する。この時
の変速比は1/ρ1(ρ1は第1遊星歯車装置30のギ
ヤ比(=サンギヤS1の歯数/リングギヤRの歯数))
で比較的大きく、大きなトルク増幅が得られるため、無
段変速機18の大きな変速比と相まって、36V程度の
電圧によって作動させられるモータジェネレータ14に
おいても、実用上満足できるクリープトルクや発進性能
が得られる。この低速前進モード「1st」は低速段で
ある。
【0027】そして、上記低速前進モード「1st」か
らエンジン12による高速前進モード「2nd」への移
行は、例えば、第2クラッチC2を係合させながら反力
ブレーキBを解放して副変速機16を一体回転させると
ともに、エンジン12の回転数がサンギヤS2と同期し
た後に第1クラッチC1を係合させ、その後にモータジ
ェネレータ14への電力供給を停止して無負荷状態にす
れば良い。
【0028】また、クラッチC1、C2を共に係合させ
るとともに反力ブレーキBを解放することにより、エン
ジン12およびモータジェネレータ14の両方を駆動力
源として走行する変速比が1のアシストモード「2nd
(アシスト)」が成立させられ、第1クラッチC1およ
び反力ブレーキBを解放するとともに第2クラッチC2
を係合させれば、モータジェネレータ14を回生制御し
て効率良く充電しながら制動力を発生させる変速比が1
の回生制動モード「2nd(回生)」が成立させられ
る。なお、アシストモード「2nd(アシスト)」は、
エンジン12による高速前進モード「2nd」の実行時
にモータジェネレータ14を作動させれば良いし、回生
制動モード「2nd(回生)」は、エンジン12による
高速前進モード「2nd」の実行時に第1クラッチC1
を解放してエンジン12を切り離すとともにモータジェ
ネレータ14を回生制御すれば良い。また、アシストモ
ード「2nd(アシスト)」は、第1クラッチC1をス
リップ係合させるエンジン低速前進モード「2nd(低
速)」でモータジェネレータ14を作動させて行うこと
もできる。
【0029】また、モータジェネレータ14を駆動力源
とする「R」ポジションでは、クラッチC1、C2を共
に解放するとともに反力ブレーキBを係合させることに
より低速後進モード「低速(モータ)」が成立させら
れ、モータジェネレータ14に逆回転のトルクを発生さ
せることにより、車両停止時には後進方向のクリープト
ルクを発生させるとともにアクセル操作に従って後方へ
発進する。この時の変速比は−1/ρ1で比較的大き
く、大きなトルク増幅が得られるため、無段変速機18
の大きな変速比と相まって、36V程度の電圧によって
作動させられるモータジェネレータ14においても、実
用上満足できるクリープトルクや発進性能が得られる。
この低速後進モード「低速(モータ)」も低速段であ
る。そして、この低速後進モード「低速(モータ)」か
らエンジン12による高速後進モード「高速」への移行
は、エンジン12を作動させて第1クラッチC1を係合
させた後にモータジェネレータ14への電力供給を停止
して無負荷状態にすれば良い。
【0030】上記エンジン12およびモータジェネレー
タ14の使い分けは、例えば車速およびアウトプットト
ルク(アクセル操作量)をパラメータとして、図4の
(a) のマップM1、または(b) のマップM2に示すよう
に定められる。ここで、(a) のマップM1では、高車
速、高トルク(アクセル操作量大)の領域ではエンジン
12を使用し、低車速、低トルク(アクセル操作量小)
の領域ではモータジェネレータ14を使用するが、低電
圧のモータジェネレータ14を使用する本実施例では、
モータジェネレータ14の使用範囲は比較的狭く、車両
停止時のクリープトルクおよび僅かな走行領域に限定さ
れている。マップM1、M2は、バッテリ26の蓄電量
SOCなど車両の走行条件等に応じて選択され、例えば
バッテリ26の蓄電量SOCが不足している場合はマッ
プM2が選択される。図4は前進走行用のものである
が、後進走行についても同様に定められる。なお、エン
ジン12を駆動力源とする上記「2nd」、「2nd
(低速)」の領域でモータジェネレータ14をアシスト
的に使用することも可能である。また、各領域の境界線
は、無段変速機18の変速比などに応じて変化する。
【0031】図5は、本実施例のハイブリッド駆動装置
10の作動を制御する制御系統を示す図で、ECU(El
ectronic Control Unit)50には図5の左側に示すスイ
ッチやセンサ等から各種の信号が入力されるとともに、
マイクロコンピュータによりROM等に予め記憶された
プログラムに従って信号処理を行って右側に示す各種の
装置等に制御信号などを出力することにより、例えば車
速Vやアクセル開度(アクセルペダルの操作量)θ、シ
フトポジション(シフトレバーの操作位置)、バッテリ
蓄電量SOC、フットブレーキの操作量などの運転状態
に応じて副変速機16の変速モードを切り換えたり、エ
ンジン12およびモータジェネレータ14の作動を制御
したりする。
【0032】図5の減速度/トルク設定スイッチ52
は、例えば図7に示すようなスライドスイッチによって
構成され、シフトレバーの近傍などに配設される。これ
は、副変速機16が回生制動モード「2nd(回生)」
の時のモータジェネレータ14の回生制動トルクを手動
で調整するもので、手前に引く程制動トルクは増大す
る。すなわち、この減速度/トルク設定スイッチ52の
操作位置に従って、図4の回生制動モード「2nd(回
生)」のラインは上下に移動させられるのである。ま
た、図8の設定減速度インジケータ54には、減速度/
トルク設定スイッチ52の操作位置に応じて、回生制動
トルクが大きくなる程長さが長くなる後向きの矢印で設
定状態が表示される。この設定減速度インジケータ54
は、インストルメントパネルに設けられる。
【0033】また、図5のコントローラ(MO)66は
エンジン始動用の電動モータ60の出力(トルク)制御
を行うもので、コントローラ(MG14)68、コント
ローラ(MG24)70はモータジェネレータ14、2
4の出力(トルク)制御および回生制御等を行うインバ
ータで、電動オイルポンプ72は前記クラッチC1、C
2やブレーキB、或いはABSアクチュエータ74等に
油圧を供給するためのものである。システムインジケー
タ76は、シフトレバーが前記「M」ポジションまたは
「B」ポジションへ操作された場合にアクティブにな
り、無段変速機全体の変速比を図9に示すように数値表
示する。何等かの理由により「M」ポジション、「B」
ポジションで変速比が点灯しない場合はフェール判定が
為される。フェール時には、変速比を点滅させるように
しても良い。
【0034】シフトポジションスイッチ82は、シフト
レバーの操作ポジション「D」、「M」、「B」、
「R」、「P」、「N」を検出するためのもので、イグ
ニッションスイッチ84は、ハイブリッド車両の各種シ
ステムのON(アクティブ)、OFF(非アクティブ)
を切り換えるスイッチである。イグニッションスイッチ
84はメインスイッチに相当し、ON操作されることに
より各システムに電源供給されて、アクセル操作に伴っ
てモータジェネレータ14などを作動させることにより
車両を発進させることができる一方、OFF操作される
ことにより電源供給が遮断されて走行不能となる。
【0035】上記ECU50にはまた、マルチメディア
装置90が接続されている。マルチメディア装置90
は、タッチパネルとしての機能を有する表示装置92を
備えており、テレビやナビゲーション装置として使用さ
れるだけでなく、運転者の好みや走行状況などに応じて
車両の駆動特性を設定できるようになっている。すなわ
ち、マルチメディア装置90のメインメニューやエスカ
ッション等に設けられた駆動特性設定ボタンが操作され
ると、表示装置92には図10に示すように専ら運転者
の好みによって選択される走行特性選択画面や、図11
に示す走行状況選択画面が表示され、その選択内容に応
じてECU50により総合的に駆動特性が設定されるの
である。本実施例の電子式駆動特性設定装置は、マルチ
メディア装置90およびECU50を含んで構成されて
いる。
【0036】上記図10、図11の選択画面は特開平1
0−264739号公報に記載のものと同じで、あくま
でも一例である。図10の「登降坂制御」は、車両が上
り坂や下り坂を走行中であることを検出して、登降坂走
行に適するように変速機の変速比変更特性(アクセル開
度および車速をパラメータとして変速比を段階的に切り
換える変速マップや演算式など)を変更し、例えば通常
よりも変速比が大きい状態で走行する制御である。「パ
ワー」、「ノーマル」は、走行性能を重視した走行を行
う(パワー)か否かを選択するもので、「パワー」が選
択されると、アウトプットトルクが大きくなるように変
速機の変速比変更特性や駆動力源の出力特性が変更され
る。「運転者指向制御」は、運転者のアクセルやブレー
キ、マニュアル変速などの操作傾向(運転指向性)を解
析して、運転者の指向に合うように変速機の変速比変更
特性や駆動力源の出力特性を変更する制御である。「ロ
ックアップスリップ」は、トルクコンバータと並列に設
けられるロックアップクラッチをスリップ制御するか否
かを選択するものであるが、本実施例では存在しないた
め選択不可である。「2W」、「4W」は、2輪駆動か
4輪駆動かを選択するものであるが、本実施例はFFの
2輪駆動であるため「2W」に固定される。「ヒルホー
ルド」は、坂道での停車時に車両が移動しないようにA
BSアクチュエータ74などにより車両を停止状態に維
持する制御である。「前後輪トルク分配率」は、4輪駆
動時における前後輪のトルク分配率を適宜設定できる制
御であるが、FFの2輪駆動である本実施例では設定不
可である。「スポーツモード」は、自動変速機の変速段
を運転者のシフトレバー操作などで切り換えることによ
り、手動変速機と同様の走行フィーリングが得られるよ
うにするものであるが、本実施例ではシフトレバーを有
段手動変速位置「M」へ操作することにより変速比を手
動で変更できるため不要である。「ステアリングスイッ
チモード」は、有段手動変速位置「M」から「+」位置
または「−」位置へシフトレバーを操作して変速比をア
ップダウンする代わりに、ステアリングに設けられたス
イッチを操作することにより変速比を切り換えることが
できるようにするためのものである。これ等の選択項目
の選択内容は、何れも選択ボタン等の点灯によって表示
され、運転者が確認できるようになっているとともに、
「セット完」ボタンが操作(タッチ)されることにより
図11の走行状況選択画面に切り換えられる。なお、こ
れ等の選択内容を個人識別情報として、IDナンバーな
どと共に記憶させておくこともできる。また、前記減速
度/トルク設定スイッチ52による設定についても、こ
の運転者の好みによる走行特性選択画面で設定できるよ
うにしても良い。
【0037】図11の走行状況選択画面は、運転者個人
の好みとは別に実際の走行状況(環境)を設定する画面
で、「スノーモード」は、走行路が氷雪路か否かを選択
するものである。「乗車人数」は、運転者を含む乗車人
数を設定するものである。「山路」は、走行路が山路で
あるか否かを選択するものである。「高速路」は、走行
路が高速道路か否かを選択するものである。「トーイン
グ」は、キャンピングカーなどを牽引するか否かを選択
するものである。これ等の選択項目の選択内容も、選択
ボタンの点灯によって表示され、運転者が確認できるよ
うになっているとともに、「セット完」ボタンが操作
(タッチ)されることにより、駆動特性の設定作業は終
了し、表示装置92はメインメニュー等の別画面に切り
換えられる。
【0038】そして、ECU50は、上記走行特性選択
画面や走行状況選択画面で選択された内容に応じて駆動
特性を設定する。例えば、「登降坂制御」が「有」の場
合は登降坂制御を行うように設定し、「運転者指向制
御」が「有」の場合は運転者指向制御を行うように設定
し、「ヒルホールド」が「有」の場合はヒルホールド制
御を行うように設定し、「ステアリングスイッチモー
ド」がタッチ操作された場合(点灯)は、ステアリング
スイッチによる変速を可能にする。また、変速機の変速
比変更特性(変速マップや演算式など)や駆動力源の出
力特性については、「パワー」か「ノーマル」か、「運
転者指向制御」における運転者の指向、「スノーモー
ド」か否か、「乗車人数」、「山路」か否か、「高速
路」か否か、「トーイング」か否か、などを総合的に判
断して設定する。図12は駆動力源の出力特性の一例
で、通常時および雪路・低μ路時の特性を示す図であ
る。
【0039】上記走行特性選択画面および走行状況選択
画面で選択された内容は、イグニッションスイッチ84
がOFF位置へ操作されることによってキャンセルさ
れ、次に車両を運転する際には、新たに選択し直したり
運転者固有のIDナンバーを入力して選択内容を読み出
したりする必要があるが、本実施例では、イグニッショ
ンスイッチ84がOFF位置へ操作されても直前の選択
内容がECU50のRAM94に記憶され、同じ運転者
が連続して同じ車両に再乗車して運転する際には、RA
M94の記憶に基づいて駆動特性の再設定を容易且つ迅
速に行うことができるようになっている。RAM94
は、イグニッションスイッチ84がOFF位置へ操作さ
れても、その記憶内容を保持できるもので、不揮発性メ
モリやイグニッションスイッチ84がOFFでもバッテ
リに接続されて電力供給される記憶装置などである。ま
た、イグニッションスイッチ84がONの状態で上記選
択内容を読み込んで記憶するとともに、選択内容の変更
に伴って逐次書き換えられるようになっており、イグニ
ッションスイッチ84がOFF操作された場合には、そ
の直前の選択内容が記憶される。なお、前記「運転者指
向制御」が選択されている場合は、運転指向性(解析結
果)についても記憶しておいて、変速機の変速比変更特
性や駆動力源の出力特性などの駆動特性の設定に反映さ
せることが望ましい。RAM94は特性記憶手段に相当
する。
【0040】上記駆動特性の自動再設定を行うか否か
は、図13に示す自動再設定切換画面で運転者が任意に
選択できるようになっている。図13は、前記表示装置
92に表示されるもので、「IGオン時特性自動再設
定」のYボタン96またはNボタン98が操作(タッ
チ)されることによって、自動再設定を行うか否かが切
り換えられる。すなわち、ECU50は図14に示すフ
ローチャートに従って信号処理を実行するようになって
おり、先ずステップSS1で上記自動再設定のYボタン
96がONか否かを判断し、Yボタン96がONの場合
はステップSS2で前記図10、図11に示す選択画面
の選択内容をRAM94に記憶するとともに、その選択
内容の変更に伴って逐次更新する一方、Yボタン96が
OFFの場合すなわちNボタン98がONの場合は、ス
テップSS3でその選択内容の記憶をキャンセルする。
Yボタン96およびNボタン98は択一的にONになる
ON−OFFスイッチで記憶可否選択手段に相当するも
のであり、本実施例ではそのON、OFFがイグニッシ
ョンスイッチ84のON、OFFに拘らずホールド(保
持)されるようになっており、その車両の運転者が一定
の場合にはYボタン96をONにしておくことにより、
その運転者の好みに応じた駆動特性が容易且つ迅速に再
設定される。
【0041】図15は、図10、図11の選択画面の選
択内容などに応じて駆動特性を設定、変更したり、駆動
特性を自動的に再設定したりする際の作動を説明するフ
ローチャートで、ECU50の信号処理によって実行さ
れる。図15のステップS1では各種の信号の読込み処
理等の入力信号処理を実行し、ステップS2ではイグニ
ッションスイッチ84がONか否かを判断する。そし
て、イグニッションスイッチ84がOFFの場合はステ
ップS3でフラグF1の内容を「0」にしてステップS
1以下を繰り返す一方、イグニッションスイッチ84が
ONの場合はステップS4以下を実行する。
【0042】ステップS4では、フラグF1が「0」か
否かを判断し、F1=0の場合はステップS5〜S9を
実行するが、F1が「0」でない場合は直ちにステップ
S10以下を実行する。フラグF1は、ステップS9で
「1」に切り換えられるようになっており、イグニッシ
ョンスイッチ84がOFFからONへ切り換えられた直
後、言い換えれば車両の運転の開始時にはF1=0でス
テップS5〜S9が実行される。ステップS5では、自
動再設定のYボタン96がONか否かが判断され、Yボ
タン96がOFFすなわちNボタン98がONの場合
は、ステップS6において前記図10、図11の選択画
面が表示装置92に表示され、運転者の好みによる走行
特性や現在の走行状況を手動で選択できるとともに、そ
の選択内容に応じて駆動特性が設定される。なお、これ
等の選択画面の初期状態は、予め定められたノミナル状
態(標準状態)であり、何も操作されなければそのノミ
ナル状態に従って駆動特性が設定される。
【0043】上記ステップS5の判断がYESの場合、
すなわち自動再設定のYボタン96がONの場合は、図
13の自動再設定切換画面を表示(Yボタン96は点灯
状態)し、その画面上の「前セット内容再セット」の実
行ボタン(再セットスイッチ)100が操作(タッチ)
されたか否かを次のステップS7で判断する。所定時間
内に実行ボタン100が操作されなければ前記ステップ
S6を実行するが、実行ボタン100が操作された場合
には、ステップS8でRAM94に記憶されている走行
特性および走行状況の選択内容(前セット内容)を読み
出すとともに、その選択内容に従って駆動特性を自動的
に再設定する。すなわち、直前(前回イグニッションス
イッチ84がOFF操作された時)の車両の駆動特性が
直ちに再設定されるのであり、ECU50による一連の
信号処理のうちステップS8を実行する部分は再設定手
段として機能している。なお、このステップS8では、
図10、図11の選択画面を表示して自動的に再セット
された選択内容を運転者に示し、必要に応じて手動で選
択内容を変更できる。また、実行ボタン100は再設定
可否選択手段に相当するもので、本実施例では操作の有
無がその都度キャンセルされ、自動再設定を行う場合に
は運転を開始する毎にタッチ操作する必要がある。
【0044】ステップS9ではフラグF1の内容を
「1」に切り換え、これにより以後のサイクルではステ
ップS4に続いてステップS10以下を直ちに実行す
る。ステップS10では、車両走行中等に主として走行
状況の変化などにより車両の駆動特性に関する音声入力
が有るか否かを判断し、音声入力が有った場合はステッ
プS11で駆動特性の変更処理を行う。音声入力は、例
えばハンドフリーフォンのように手元のスイッチのON
操作で音声入力を受け付けるものなど、種々の態様を採
用できる。
【0045】ステップS11の駆動特性変更処理は、例
えば図16に示すフローチャートに従って実行される。
ステップR1では、例えば「雪」と音声入力された場合
は「4WD(4輪駆動)」を選定し、「5人乗車」と音
声入力された場合は「パワーパターン」を選定し、
「山」と音声入力された場合は「登降坂制御」を選定
し、「減速アップ」と音声入力された場合は「回生制御
による減速度大」を選定し、「雪道・脱出」と音声入力
された場合は変速比変更特性や駆動源の出力特性として
「低μパターン」を選定し、「クリア」と音声入力され
た場合は「総ての特性をノミナル状態に戻す」を選定
し、「解除」または「取り消し」と音声入力された場合
は「一番近くに設定された特性をノミナル状態に戻す」
を選定するなど、音声入力に基づいて直ちに特性を切り
換えるのではなく、先ず変更すべき特性などを選定す
る。「雪」と「スノー」、「4人乗り」と「重い」、
「山」と「登坂」など、同義語についても自動的に同じ
選定を行う。
【0046】ステップR2では、走行環境などを検出す
る各種のセンサの信号を読み込む。すなわち、単に音声
入力だけでなく、各センサの信号から判断されることと
の総合で判断する。例えば、「低μ路」判定している時
は、音声入力が無くても「低μパターン」の選定などを
行うことができる。「5人乗車」と音声入力されても乗
員検知センサで1人乗車の場合は、変速比変更特性や出
力特性を少しだけパワー側に振ったものに留める。ま
た、センサによる検知内容と音声入力とが完全に相違す
る場合は、音声入力による選定をキャンセルする。
【0047】ステップR3では、運転者固有のIDナン
バーが入力されるなどして運転者を識別できる場合は、
予めマニュアル設定したり学習したりして得られた固有
の運転指向などを読み出す。この運転指向には、前記図
10の走行特性選択画面の選択内容も含まれる。そし
て、ステップR4において、上記音声入力、センサ入
力、および運転者固有の運転指向に基づいて、選定され
た各項目について仮の駆動特性を決定する。ステップR
5では、その仮の駆動特性に直ちに変更可能か否かを、
現在の実際の運転状態などに基づいて判断する。例え
ば、急にダウンシフトが発生したり、回生トルクが急増
したりするのは好ましくないので、そのような駆動特性
の変更は見合わせる。そして、変更可能であれば、ステ
ップR6で各選定項目の駆動特性を変更するとともに、
ステップR7でその変更内容を含めて総ての設定項目、
具体的には前記図10、図11の選択画面などを表示装
置92に表示する。
【0048】変更不可の場合は、ステップR8で変更を
中止またはペンディングにする。例えば、ダウンシフト
はキャンセルにし、変速比変更特性の切換えなどは車両
停止時までペンディングにする。また、ステップR9で
は、変更の中止およびペンディングを表示装置92に画
像表示する。例えば、中止の場合はその項目を2度点滅
させて元の状態に戻し、ペンディングの場合はその項目
を点滅し続けるなどして運転者に知らせることができ
る。
【0049】ここで、本実施例では、自動再設定のYボ
タン96がONの場合には、図10の走行特性選択画面
および図11の走行状況選択画面の最新の選択内容がR
AM94に記憶され、車両の運転開始時にイグニッショ
ンスイッチ84がON操作された後、図13の画面で
「前セット内容再セット」の実行ボタン100がタッチ
操作されると、RAM94に記憶されている直前(前回
イグニッションスイッチ84がOFF操作された時)の
走行特性および走行状況の選択内容が読み出され、その
選択内容に従って駆動特性が自動的に再設定される。こ
のため、同じ運転者が同じ車両に続けて再乗車して運転
する場合には、実行ボタン100をタッチ操作するだけ
で自分の好みに合った駆動特性に再設定され、再設定操
作を容易且つ迅速に行うことができる。
【0050】また、自動再設定のNボタン98をON
(Yボタン96をOFF)にしておけば、走行特性およ
び走行状況の選択内容がRAM94に記憶されることが
ないとともに、RAM94の記憶がキャンセルされ、車
両の運転開始時には常に走行特性選択画面および走行状
況選択画面の選択内容がノミナル状態とされるため、同
じ車両を複数の運転者が運転する場合に、他人の好みに
よる駆動特性に自動的に再設定される恐れがない。
【0051】更に、自動再設定のYボタン96がONで
あっても、車両の運転開始時にイグニッションスイッチ
84がON操作された後、図13の画面上において「前
セット内容再セット」の実行ボタン100がタッチ操作
されなければ、駆動特性の自動再設定が中止されて走行
特性および走行状況の選択内容がノミナル状態とされる
ため、通常は一人の運転者が使用している車両を一時的
に別の運転者が使用する場合でも、普段使用している他
人の好みの駆動特性に自動的に再設定されることがな
い。
【0052】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、
本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加
えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電子式駆動特性設定装
置を備えているハイブリッド駆動装置の骨子図である。
【図2】図1の副変速機の各回転要素の回転数の相互関
係を直線で示す共線図である。
【図3】図1の副変速機で成立させられる変速モードと
係合装置の係合状態との関係を示す図である。
【図4】図1のハイブリッド駆動装置におけるモータジ
ェネレータとエンジンとの使い分けを説明する図であ
る。
【図5】図1のハイブリッド駆動装置の制御系統を説明
するブロック線図である。
【図6】図1のハイブリッド駆動装置のシフトポジショ
ンを示す図である。
【図7】図1のハイブリッド駆動装置が備えている減速
度/トルク設定スイッチを示す図である。
【図8】図7の減速度/トルク設定スイッチの設定状態
を表示するインジケータを示す図である。
【図9】図6の「M」または「B」ポジションへシフト
レバーが操作された場合にアクティブになって変速比を
表示するシステムインジケータを示す図である。
【図10】駆動特性の設定に際して運転者が選択操作す
る走行特性選択画面の一例を示す図である。
【図11】駆動特性の設定に際して運転者が選択操作す
る走行状況選択画面の一例を示す図である。
【図12】駆動特性の一例である駆動力源の出力特性の
一例を示す図である。
【図13】駆動特性が自動的に再設定されるようにする
か否かを切り換えるための切換画面の一例を示す図であ
る。
【図14】図13の自動再設定YボタンのON、OFF
により、図10、図11の選択画面の選択内容を記憶す
るか否かの作動を説明するフローチャートである。
【図15】駆動特性の設定、変更を説明するフローチャ
ートである。
【図16】図15のステップS11の内容を説明するフ
ローチャートである。
【符号の説明】
50:ECU 84:イグニッションスイッチ(メイ
ンスイッチ) 90:マルチメディア装置 92:
表示装置 94:RAM(特性記憶手段) 96:Yボタン(記憶可否選択手段) 98:Nボタ
ン(記憶可否選択手段) 100:実行ボタン(再設
定可否選択手段) ステップS8:再設定手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者の好みに応じて車両の駆動特性を
    設定する電子式駆動特性設定装置において、 車両のメインスイッチがOFF操作されても、その直前
    の駆動特性の設定内容を記憶できる特性記憶手段と、 前記メインスイッチがON操作された時に、前記特性記
    憶手段に記憶されている駆動特性の内容を自動的に再設
    定する再設定手段と、 運転者によって操作されることにより、前記再設定手段
    による駆動特性の再設定を禁止または許容する再設定可
    否選択手段と、 を有することを特徴とする電子式駆動特性設定装置。
  2. 【請求項2】 運転者の好みに応じて車両の駆動特性を
    設定する電子式駆動特性設定装置において、 車両のメインスイッチがOFF操作されても、その直前
    の駆動特性の設定内容を記憶できる特性記憶手段と、 前記メインスイッチがON操作された時に、前記特性記
    憶手段に記憶されている駆動特性の内容を自動的に再設
    定する再設定手段と、 運転者によって操作されることにより、前記特性記憶手
    段による駆動特性の設定内容の記憶を禁止または許容す
    る記憶可否選択手段と、 を有することを特徴とする電子式駆動特性設定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002303366A (ja) * 2001-04-04 2002-10-18 Denso Corp 車両の変速制御装置
JP2003235104A (ja) * 2002-02-06 2003-08-22 Toyota Motor Corp 車両の減速度制御装置
JP2006349003A (ja) * 2005-06-14 2006-12-28 Aisin Aw Co Ltd 車両制御装置及び車両制御方法

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