JP2000319562A - インクジェット記録用インク - Google Patents

インクジェット記録用インク

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JP2000319562A
JP2000319562A JP13431899A JP13431899A JP2000319562A JP 2000319562 A JP2000319562 A JP 2000319562A JP 13431899 A JP13431899 A JP 13431899A JP 13431899 A JP13431899 A JP 13431899A JP 2000319562 A JP2000319562 A JP 2000319562A
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Hiroshi Mukai
啓 向井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】普通紙に印刷した場合の耐水性に優れ、且つ溶
解安定性に優れ、又、カラー印刷に適した黄色を有し、
インクジェット記録装置の接インク部材に対し不活性な
インクジェット記録用インクを提供すること。 【解決手段】水溶性染料と該水溶性染料を溶解させる液
媒体を含有する液組成物からなるインクジェット記録用
インクにおいて、単一では前記液媒体に対する25℃と
0℃の溶解度に差がないイエロー直接染料を2種以上混
合し、あるいは前記イエロー直接染料に加え単一では前
記液媒体に対する25℃と0℃の溶解度に差があるイエ
ロー直接染料を混合し、更に液媒体には低蒸気圧の水溶
性有機溶剤を添加することで、アルカリ性物質を添加せ
ずにイエロー直接染料の溶解安定性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズルからインク
滴を吐出して記録紙に記録を行うインクジェット記録装
置で使用するインクジェット記録用インクに関し、一般
にオフィスや家庭で使用されるコピー紙、便箋、ボンド
紙、連続伝票用紙などの非塗工紙、即ち普通紙における
耐水性に優れ、且つカラー印刷に適した黄色を有し、溶
解安定性に優れ、インクジェット記録装置の接インク部
材に対し不活性なインクジェット記録用インクに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来からインクジェット記録用インクに
ついては、臭気・安全性等の面から水性インクが主流を
占めており、各種の水溶性染料を水及び水溶性有機溶剤
の混合溶剤に溶解させ、必要により各種添加剤が添加さ
れた溶解系インクが現在使用されている。
【0003】このようなインクジェット記録用インクに
要求される性能としては、 (1)色調が良好で、鮮明であること (2)被記録材に対し、定着性が速いこと (3)印字物の耐水性、耐光性が優れていること (4)染料等の溶解安定性が良好で、インクジェット記
録ヘッドのインク吐出口を目詰まりさせないこと (5)保存安定性が良好であること (6)インクジェット記録装置のインク流路を構成する
部材に対し不活性であること などが挙げられる。
【0004】このような要求に答えるため、インクの成
分について多数の染料、溶剤、添加剤等が検討され種々
のインク組成が提案されているが、これらの条件を全て
満たすインク組成は未だ実現していない。
【0005】近年ではカラー印刷が普及しており、オフ
ィスで一般に使用されているコピー紙、便箋、ボンド
紙、連続伝票用紙などの普通紙にカラー印刷した場合の
耐水性が特に求められている。カラー印刷では黒、シア
ン、マゼンタ、イエローの各色インクを使用してフルカ
ラー印刷を実現しているが、各色インクが同等の耐水性
を有している必要があり、このような要求に対してイン
クジェット記録用インクでは水溶性で耐水性に優れた直
接染料を使用することが一般的である。
【0006】これらの各色インクに使用される水溶性の
直接染料のうち、黒、シアン、マゼンタ色の直接染料は
実用上十分な溶解安定性を持ち、また、低蒸気圧の水溶
性有機溶剤を含有するインクでは、水分が蒸発しても、
染料が前記低蒸気圧の水溶性有機溶剤に溶解した状態が
保たれる。しかし、イエロー直接染料と低蒸気圧の水溶
性有機溶剤を含有するインクでは、水分の蒸発により前
記低蒸気圧の水溶性有機溶剤の濃度が増すと染料が析出
する問題があった。通常インクジェット記録装置ではイ
ンクは容器に収納されており、インク容器中で水分が蒸
発することはないが、インクジェット記録ヘッドのイン
ク吐出口でインクは外気に触れており、インク吐出口で
は水分の蒸発が起こる。そのためインク吐出口の近傍で
は低蒸気圧の水溶性有機溶剤の濃度が上昇し、染料析出
が起こる。インク吐出口が析出した染料で塞がれるとイ
ンクが吐出できず、また、インク吐出口の一部に析出し
た染料が付着したままであれば、たとえインク吐出がで
きたとしても、インク滴の飛行方向が曲げられて印字不
良が発生する。
【0007】これらの印字不良を回避するため、インク
ジェット記録装置ではインクジェット記録ヘッドのイン
ク吐出口をインクで洗浄する機構を備えている。以下に
図3のインクジェット記録装置の概略の構成を示す図に
より、インク吐出口の洗浄動作を説明する。
【0008】図3はインクカートリッジ8をインクジェ
ット記録装置7のカートリッジ装着部9に装着し、イン
ク流路を形成した状態を示す概略構成図である。
【0009】インクジェット記録装置7の基本的な構成
は一般的に使用されているインクジェット記録装置と同
様であるので、その説明は省略する。インクジェット記
録装置7にはインクカートリッジ8が装着可能なカート
リッジ装着部9が配置されている。このカートリッジ装
着部9にはインク供給針10が例えば水平に取り付けら
れている。このインク供給針10に対して、インクカー
トリッジ8を水平にスライドさせて、インク供給針10
を当該インクカートリッジ8の所定の場所に差し込む
と、当該インクカートリッジ8とインクジェット記録装
置7の側との間にインク供給経路が形成される。
【0010】インク供給経路が形成されると、インク供
給針10を介してインクカートリッジ8に収納されてい
るインク袋11に貯留されているインクがインク供給チ
ューブ12に取り出される。インク供給チューブ12に
は、インク中のゴミや異物を濾過するフィルタ13が介
在している。
【0011】インク供給チューブ12によって、インク
はインクジェット記録装置7のインクジェット記録ヘッ
ド14に導かれる。インクジェット記録ヘッド14は図
示していないキャリッジに保持され、プラテン15の表
面に沿って長手方向に往復運動する。プラテン15の表
面に沿ってインクジェット記録ヘッド14の移動方向と
は直交する方向に図示していない記録紙が搬送され、当
該記録紙に対してインクジェット記録ヘッド14により
印字が行われる。
【0012】インクジェット記録ヘッド14の印刷用の
移動範囲を外れた位置にはヘッドキャップ16が配置さ
れており、ヘッドキャップ16は廃液チューブ17によ
り廃インク貯め19に接続され、廃インク回収経路が形
成されている。廃インク回収用の駆動源として廃液チュ
ーブ17には廃液ポンプ18が介挿されている。
【0013】インクジェット記録ヘッド14はヘッドキ
ャップ16の位置まで移動し、廃液ポンプ18によっ
て、廃液チューブ17を介してインクが吸引される。
【0014】インクジェット記録装置では上記のように
インク吐出口からインクを吸引してインク洗浄するが、
一旦析出した染料をインクに再溶解するのは困難であ
り、必ずしも染料析出物を除去できるとは限らない。ま
た、インク吐出口の洗浄で染料析出物を除去できる場合
でも、以上のインク洗浄動作から明らかなように、洗浄
動作を頻繁に行えばインクを無駄に消費してしまい、そ
の結果インクカートリッジ寿命を短くしてインクジェッ
ト記録装置のランニングコストを上昇させることにな
る。
【0015】そこで、インクジェット記録装置の印字品
質を維持するため、また、インクジェット記録装置のラ
ンニングコスト増加を防止するため、染料の溶解安定性
向上策が検討されている。
【0016】一般に、高耐水性のインクジェット記録用
インクで使用される直接染料はアルカリ性物質を添加し
てpHを高くすることにより析出し難くなる特性があ
り、水酸化ナトリウム等の強アルカリ性物質の添加は通
常行われていることである。ところが、前記インクジェ
ット記録装置のインク供給経路からインクジェット記録
ヘッドを経て廃インク回収経路に至るインク流路を形成
している各接インク部材は、接着剤を含む樹脂、シリコ
ン、ガラスで構成されており、これらの部材は水酸化ナ
トリウム等の強アルカリ性物質を添加したインクにより
容易に破壊される。アルカリ性物質としてアミン等の含
窒素化合物を添加する、例えば、特開平9−13711
1号公報にはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
を添加してインクのpHを調整して染料を溶解し易くす
ることが提案されているが、このようなアミン類を含有
するインクでも前記のようなインク流路を構成している
部材の破壊を完全に無くすことはできない。
【0017】又、特開平6−25573号公報にはチオ
ジグリコールと尿素またはその誘導体を併用し染料の溶
解状態を良化させることが提案されている。しかし、こ
のようなインクは保存中に尿素が分解してインクの物性
変化、具体的にはインクのpH上昇を引き起こす。従っ
て、このようなインクを使用した場合も前記と同様にイ
ンク流路部材の破壊が起こる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、特にオフィスや家庭で一般に使用されているコピー
紙、便箋、ボンド紙、連続伝票用紙などの普通紙にカラ
ー印刷した場合の耐水性に優れ、且つ溶解安定性に優
れ、カラー印刷に適した黄色を有し、インクジェット記
録装置の接インク部材に対し不活性なインクジェット記
録用インクを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに成された本発明は、水溶性染料と該水溶性染料を溶
解させる液媒体を含有する液組成物からなるインクジェ
ット記録用インクにおいて、前記水溶性染料として、単
一では前記液媒体に対する25℃と0℃の溶解度に差が
ないイエロー直接染料のうち少なくとも2種を含有し、
前記液媒体が水と低蒸気圧の水溶性有機溶剤を含有する
ことを特徴とするインクジェット記録用インク、又は、
水溶性染料と該水溶性染料を溶解させる液媒体を含有す
る液組成物からなるインクジェット記録用インクにおい
て、前記水溶性染料として、単一では前記液媒体に対す
る25℃と0℃の溶解度に差がないイエロー直接染料の
うち少なくとも1種と、単一では前記液媒体に対する2
5℃と0℃の溶解度に差があるイエロー直接染料のうち
少なくとも1種を含有し、前記液媒体が水と低蒸気圧の
水溶性有機溶剤を含有することを特徴とするインクジェ
ット記録用インクである。
【0020】本発明によれば、水溶性染料と該水溶性染
料を溶解させる液媒体を含有する液組成物からなるイン
クジェット記録用インクにおいて、前記水溶性染料に単
一ではインクの液媒体に対する25℃と0℃の溶解度に
差がないイエロー直接染料2種以上を使用し、又は、前
記水溶性染料に単一ではインクの液媒体に対する25℃
と0℃の溶解度に差がないイエロー直接染料のうち少な
くとも1種と、単一ではインクの液媒体に対する25℃
と0℃の溶解度に差があるイエロー直接染料のうち少な
くとも1種を併用し、更に前記液媒体に水と低蒸気圧の
水溶性有機溶剤を含有するため、アルカリ性物質を添加
しなくても、水分が蒸発して残留した低蒸気圧の水溶性
有機溶剤に前記染料が溶解した状態を保つことができ
る。
【0021】又、複数のイエロー直接染料を混合してい
るため、カラー印刷に適したイエローインクを得ること
ができ、何れのイエロー染料も直接染料であるため、オ
フィスや家庭で一般に使用されているコピー紙、便箋、
ボンド紙、連続伝票用紙などの普通紙にカラー印刷した
場合の耐水性に優れている。
【0022】尚、単一ではインクの液媒体に対する25
℃と0℃の溶解度に差がないイエロー直接染料の例とし
てはC.I.ダイレクトイエロー86、 C.I.ダイ
レクトイエロー142、ゼネカ社製PRO−JET F
AST YELLOW 2LIQUIDがあり、単一で
はインクの液媒体に対する25℃と0℃の溶解度に差が
あるイエロー直接染料の例としてはC.I.ダイレクト
イエロー132、C.I.ダイレクトイエロー144が
あるが、前記の条件に合致する染料であればこれらに限
定されることはない。
【0023】又、低蒸気圧の水溶性有機溶剤としてはエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンが挙
げられるが、これらに限定されることはない。
【0024】本発明の基本構成は以上の通りであるが、
従来公知の界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、
比抵抗調整剤、防かび剤、浸透剤、水溶性有機溶剤等を
必要に応じて液媒体に添加することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態では添加剤と
して界面活性剤であるサーフィノール82及びオルフィ
ンSTG(いずれも日信化学工業社製)、界面活性剤の
溶剤である2−ピロリドンを添加しているが、これらの
成分はインクに求められる粘度、表面張力、密度等の特
性に応じて添加有無が決められ、添加する場合はその種
類や添加量の変更が可能である。以下、本発明の実施の
形態では一例としてサーフィノール82を3重量%、オ
ルフィンSTGを0.2重量%、2−ピロリドンを5重
量%添加している。
【0026】又、本発明の実施の形態では低蒸気圧の水
溶性有機溶剤の一例としてグリセリンを11重量%添加
しているが、低蒸気圧の水溶性有機溶剤はこれに限定さ
れることはなく、インクに求められる粘度、表面張力、
密度等の特性に応じて種類や添加量の変更が可能であ
る。
【0027】表1の組成欄に一例としてサーフィノール
82及びオルフィンSTG、2−ピロリドン、グリセリ
ンをそれぞれ前記量使用した場合の染料の溶解度調査用
インク組成を示す。尚、表の組成の数字は重量%であ
る。
【0028】各成分を混合し、25℃で十分攪拌して染
料が完全に溶解するか調査する。これらのうち25℃で
染料が完全に溶解したインクについて0℃における染料
の溶解性を調査し、単一ではインクの液媒体に対する2
5℃と0℃の溶解度に差がないイエロー直接染料と、単
一ではインクの液媒体に対する25℃と0℃の溶解度に
差があるイエロー直接染料に分類する。染料の各温度に
おける溶解性を表1の結果欄に示す。
【0029】
【表1】
【0030】C.I.ダイレクトイエロー86、 C.
I.ダイレクトイエロー142は単一ではインクの液媒
体に対する25℃と0℃の溶解度に差がないイエロー直
接染料である。また、染料水溶液として市販されている
ゼネカ社製PRO−JETFAST YELLOW 2
LIQUIDは、25℃における溶解度が不明である
が0℃に冷却しても析出物がないため、単一ではインク
の液媒体に対する25℃と0℃の溶解度に差がないイエ
ロー直接染料に分類する。C.I.ダイレクトイエロー
132、C.I.ダイレクトイエロー144は単一では
インクの液媒体に対する25℃と0℃の溶解度に差があ
るイエロー直接染料である。
【0031】次に本発明のインクジェット記録用インク
の一例として、サーフィノール82及びオルフィンST
G、2−ピロリドン、グリセリンをそれぞれ前記量使用
した場合の組成を表2に示す。このインクについて
(1)染料の溶解安定性、(2)耐水性、(3)接イン
ク部材破壊性の評価、及び(4)可視光吸収特性の調査
を行い、その結果を表3に示す。評価方法と評価基準を
以下に示す。尚、表の組成の数字は重量%である。
【0032】(1)染料の溶解安定性 インクをテフロン板上に1マイクロリットル滴下してイ
ンク滴を作製し、これを25℃相対湿度50%の環境に
放置してインク滴の状態を観察する。
【0033】 ◎:21日放置して析出物なし ○:21日放置するとインク滴の一部に析出物が発生す
るがインク滴全体が固化しない ×:21日放置するとインク滴全体が固化する (2)耐水性 市販のインクジェット記録装置に本発明のインクを充填
し、富士ゼロックス社製PPC用紙に文字印刷し、48
時間放置した後水中に24時間浸し、印刷文字を観察す
る。
【0034】 ○:文字判読可能 ×:文字判読不可能 (3)接インク部材破壊性 図1は疑似インクジェット記録ヘッドとしてのテストピ
ースの概略の構成を示す斜視図であり、図2は疑似イン
クジェット記録ヘッドとしてのテストピースの構成を示
す概略断面図である。疑似インクジェット記録ヘッドと
してのテストピース構成部品(A)1にはシリコンにイ
ンク吐出口3が形成されており、擬似インクジェット記
録ヘッドとしてのテストピース構成部品(B)2にはシ
リコンにインク供給口4とインク流路5が形成されてい
る。これらはそれぞれ表面を熱酸化した後、シランカッ
プリング剤で表面処理し、エポキシ接着剤6で接合して
疑似インクジェット記録ヘッドとしてのテストピースを
形成する。これを密閉容器中で70℃15日間インクに
浸漬し、熱酸化膜の変化とエポキシ接着剤接合部の剥離
の有無を観察する。
【0035】○:熱酸化膜が変化せず部品表面が青色で
あり、エポキシ接着剤の剥離がない。
【0036】×:熱酸化膜の溶解によりシリコンが露出
して部品表面が白色になる、あるいはエポキシ接着剤が
剥離する。
【0037】(4)可視光吸収特性 波長370nm〜700nmにおける吸光度の最大吸収
波長(以降波長Aと記す)と、波長370nm〜700
nmにおいて吸光度が最大吸収波長の吸光度の2分の1
と等しくなる波長(以降波長Bと記す)を求める。
【0038】表3に示す結果から、単一ではインクの液
媒体に対する25℃と0℃の溶解度に差がないイエロー
直接染料を2種以上使用したインク、あるいは単一では
インクの液媒体に対する25℃と0℃の溶解度に差がな
いイエロー直接染料を少なくとも1種と、単一ではイン
クの液媒体に対する25℃と0℃の溶解度に差があるイ
エロー直接染料の少なくとも1種を併用したインクは、
放置により水分が蒸発してもインク全体が固化せず良好
な溶解安定性を示す。又、何れのインクも良好な耐水性
を示し、インクジェット記録ヘッドを構成する接インク
部材の破壊を起こさない。
【0039】本実施の形態で例としてあげたインクで
は、可視光吸収特性の前記波長Aは379nm〜406
nmの範囲にあり、前記波長Bは424nm〜460n
mの範囲にある。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【比較例】表4は単一の染料を使用したインクの組成、
及び、単一ではインクの液媒体に対する25℃と0℃の
溶解度に差があるイエロー直接染料のみを混合して使用
したインクの組成である。表4に示す各成分を混合して
比較例のインクを製造し、(1)染料の溶解安定性、
(2)耐水性、(3)接インク部材破壊性の評価、及び
(4)可視光吸収特性の調査を行い、その結果を表5に
示す。尚、評価方法と評価基準は前記と同様であり、ま
た、表の組成の数字は重量%である。
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】表3及び表5に結果を示す通り、本実施の
形態で例としてあげたインク及び比較例のインクは共に
耐水性を有し、接インク部材に対して不活性であるが、
溶解安定性は本実施の形態で例としてあげたインクが優
れる。また、本実施の形態で例としてあげたインクの可
視光吸収特性の前記波長Aの範囲及び前記波長Bの範囲
は、単一の染料を使用した各インクの可視光吸収特性の
前記波長Aの範囲377nm〜409nm及び前記波長
Bの範囲416nm〜460nmとほぼ同等である。
【0046】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のインク
ジェット記録用インクはオフィスや家庭で一般に使用さ
れるコピー紙などの普通紙に印刷して実用上十分な耐水
性を有する。また、単一の染料を使用したインクと同等
の可視光吸収特性を示すため、インクジェット記録装置
のカラー印刷用インクに適した色彩を選択することがで
きる。また、インクジェット記録装置のインク流路を構
成する接インク部材に対し不活性であり、これらの機能
を損なうことはない。
【0047】本発明のインクジェット記録用インクは、
インクジェット記録装置に好適な上記の特性を有しなが
ら、同時に、良好な溶解安定性も有する。従って、本発
明のインクジェット記録用インクによれば、長期の印字
休止後もインクジェット記録ヘッドのインク吐出口が固
体析出物で塞がれないため、良好な印字品質を維持する
ことができ、また、インク吐出口のインク洗浄をせずに
印字回復可能であったり、インク洗浄を行うにしてもそ
の頻度を低減する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のインクジェット記録用インクの
評価に使用した疑似インクジェット記録ヘッドとしての
テストピースの概略の構成を示す斜視図。
【図2】図2は本発明のインクジェット記録用インクの
評価に使用した疑似インクジェット記録ヘッドとしての
テストピースの構成を示す概略断面図。
【図3】図3はインクジェット記録装置の概略の構成を
示す図。
【符号の説明】
1 疑似インクジェット記録ヘッドとしてのテストピー
ス構成部品(A) 2 疑似インクジェット記録ヘッドとしてのテストピー
ス構成部品(B) 3 インク吐出口 4 インク供給口 5 インク流路 6 エポキシ接着剤 7 インクジェット記録装置 8 インクカートリッジ 9 カートリッジ装着部 10 インク供給針 11 インク袋 12 インク供給チューブ 13 フィルタ 14 インクジェット記録ヘッド 15 プラテン 16 ヘッドキャップ 17 廃液チューブ 18 廃液ポンプ 19 廃インク貯め

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性染料と該水溶性染料を溶解させる液
    媒体を含有する液組成物からなるインクジェット記録用
    インクにおいて、前記水溶性染料として、単一では前記
    液媒体に対する25℃と0℃の溶解度に差がないイエロ
    ー直接染料のうち少なくとも2種を含有し、前記液媒体
    が水と低蒸気圧の水溶性有機溶剤を含有することを特徴
    とするインクジェット記録用インク。
  2. 【請求項2】水溶性染料と該水溶性染料を溶解させる液
    媒体を含有する液組成物からなるインクジェット記録用
    インクにおいて、前記水溶性染料として、単一では前記
    液媒体に対する25℃と0℃の溶解度に差がないイエロ
    ー直接染料のうち少なくとも1種と、単一では前記液媒
    体に対する25℃と0℃の溶解度に差があるイエロー直
    接染料のうち少なくとも1種を含有し、前記液媒体が水
    と低蒸気圧の水溶性有機溶剤を含有することを特徴とす
    るインクジェット記録用インク。
  3. 【請求項3】前記水溶性染料で、単一では前記液媒体に
    対する25℃と0℃の溶解度に差がないイエロー直接染
    料2種以上のうち1種の添加量が前記水溶性染料の総添
    加量の75重量%以下であることを特徴とする、請求項
    1に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 【請求項4】前記水溶性染料で、単一では前記液媒体に
    対する25℃と0℃の溶解度に差がないイエロー直接染
    料の総添加量と、単一では前記液媒体に対する25℃と
    0℃の溶解度に差があるイエロー直接染料の総添加量と
    の比が重量比で1:3〜3:1の範囲であることを特徴
    とする、請求項2に記載のインクジェット記録用イン
    ク。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7442241B2 (en) 2005-10-06 2008-10-28 Samsung Electronics Co., Ltd Inkjet ink composition and multi-color inkjet ink set having the same
JP2013241011A (ja) * 2012-05-22 2013-12-05 Oce Printing Systems Gmbh インクジェットプリントヘッドを洗浄するための方法及び洗浄液、このタイプの洗浄液の使用、インクジェットプリントヘッドを動作させるための方法

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