JP2000319437A - ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びその型内発泡成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びその型内発泡成形体

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JP2000319437A
JP2000319437A JP11132858A JP13285899A JP2000319437A JP 2000319437 A JP2000319437 A JP 2000319437A JP 11132858 A JP11132858 A JP 11132858A JP 13285899 A JP13285899 A JP 13285899A JP 2000319437 A JP2000319437 A JP 2000319437A
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Takema Yamaguchi
武馬 山口
Taro Kiguchi
太郎 木口
Kenichi Senda
健一 千田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を成形してな
る型内発泡性成形体において、引張強度に優れるポリプ
ロピレン系樹脂型内発泡成形体を得る。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂にする
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子において、該基材樹脂の
MIが0.5〜7.0であり、且つ該ポリプロピレン系
樹脂発泡粒子が示差走査熱量計法による測定で2つの融
解ピークを有し、該2つの融解ピークのうち、高温側の
融解ピークに基づく融解ピーク熱量QHが0.5cal
/g以上6.0cal/g以下であるポリプロピレン系
樹脂発泡粒子及びそれを成形してなる型内発泡成形体で
あって、引張強度が式: 【数5】 〔但し、式中、Xはポリプロピレン系樹脂型内発泡成形
体の密度(g/L)、YはXにおける引張強度(kg/
cm2)である。〕を満たすポリプロピレン系樹脂型内
発泡成形体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は断熱材、緩衝包材、
通箱、車のバンパー用芯材、車両内部材等に用いられる
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びその型内発泡成形体
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン樹脂の型内発泡成形体
は、ポリスチレン樹脂の型内発泡成形体と比較して、耐
薬品性、耐熱性、圧縮後の歪回復率に優れている。ま
た、ポリエチレン樹脂の型内発泡成形体と比較しても、
耐熱性、圧縮強度に優れているので、緩衝包装材、通
箱、車のバンパー芯材等に広く用いられている。従来、
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いた型内発泡成形体
は緩衝材等に使われる場合が多く、機械的特性としては
圧縮方向への高い強度が要求されていた。しかし、近
年、型内発泡成形体の使用分野が広がるにつれて、引張
り特性、曲げ特性に優れるものが要望されるようになっ
てきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリプロピレン系樹脂
発泡粒子を用いる型内発泡成形体の引張強度は、粒子を
互いに融着させて製造するため粒子間の融着の程度が大
きく影響する。そのため成形体に引張力が働いた場合、
粒子間の僅かな融着不良部分から破壊が起り十分な強度
が発現せず、また強度のバラツキが大きかった。
【0004】引張強度の改善に関しては、特開平8−1
93143号では、押出し発泡シートの製造中にポリプ
ロピレン系樹脂を架橋する方法が取られている。この方
法を、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いる型内発泡
成形体に用いることは製造工程が増えコスト的にも不利
である。一方、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いる
型内発泡成形体の引張強度の改善に関してはこれまで十
分な検討をされていない状態である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる事情に
鑑み、鋭意研究の結果、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子
の基材樹脂のMI及び示差走査熱量計法(以下DSC法
という)で測定される2つの融解ピークの、高温側の融
解ピーク熱量QHを特定の範囲に調整する事により、型
内発泡成形体の引張強度が改善されることを見出し本発
明を完成させたものである。
【0006】即ち本発明は、ポリプロピレン系樹脂を基
材樹脂にするポリプロピレン系樹脂発泡粒子において、
該基材樹脂のMIが0.5〜7.0であり、且つ該ポリ
プロピレン系樹脂発泡粒子がDSC法による測定で2つ
の融解ピークを有し、該2つの融解ピークのうち、高温
側の融解ピークに基づく融解ピーク熱量QHが0.5c
al/g以上6.0cal/g以下であるポリプロピレ
ン系樹脂発泡粒子(請求項1)及び該発泡粒子を成形し
てなる型内発泡成形体であって、引張強度が式:
【0007】
【数2】 〔但し、式中、Xはポリプロピレン系樹脂型内発泡成形
体の密度(g/L)、YはXにおける引張強度(kg/
cm2)である。〕を満たすポリプロピレン系樹脂型内
発泡成形体(請求項2)である。
【0008】上記のように本発明のポリプロピレン系樹
脂発泡粒子は、基材樹脂のMIが0.5〜7.0、好ま
しくは1.0〜5.0である。基材樹脂のMIが0.5
より小さい場合、得られた発泡粒子の発泡能力が小さい
ため、これを型内発泡成形に用いると粒子が十分に膨張
しないため粒子同士が十分に融着せず、得られた成形体
の引張強度が低いばかりでなく、寸法収縮率も大きく、
また、表面外観も粒子間隙間が目立ち満足いく成形体を
得ることができない。また、基材樹脂のMIが7.0よ
り大きい場合でも満足いく成形体を得ることはできる
が、粒子間の融着力が十分でないため引張強度が十分に
発現しない。
【0009】さらに、該ポリプロピレン系樹脂発泡粒子
は、DSC法による測定で2つの融解ピークを有し、該
2つの融解ピークのうち、高温側の融解ピークに基づく
融解ピーク熱量QHが0.5cal/g以上且つ6.0
cal/g以下、好ましくは1.5cal/g以上4.
0cal/g以下である。ポリプロピレン系樹脂発泡粒
子の高温側融解ピーク熱量QHが0.5cal/gより
小さい場合、得られる型内成形体が収縮し易く表面性の
満足行くものが得られない。また、高温側融解ピーク熱
量QHが6.0cal/gより大きい場合、発泡能力が
小さいため、これを型内発泡成形に用いると粒子が十分
に膨張しないため粒子同士が十分に融着せず、得られた
成形体の引張強度が低いばかりでなく、寸法収縮率も大
きく、また、表面外観も粒子間隙間が目立ち満足いく成
形体を得ることができない。MIが0.5〜7.0且つ
高温融解ピーク熱量QHが0.5cal/g以上6.0
cal/g以下の発泡粒子を用い型内発泡成形体の製造
をすることにより、引張強度に優れる型内発泡成形体を
得る事ができる。上記、本発明に係るポリプロピレン系
樹脂型内発泡成形体の機械的強度はJIS−K6767
に準拠する引張強度の測定における強度が式:
【0010】
【数3】 〔但し、式中、Xはポリプロピレン系樹脂型内発泡成形
体の密度(g/L)、YはXにおける引張強度(kg/
cm2)である。〕を満足する。
【0011】以上のようにポリプロピレン系樹脂発泡粒
子の基材樹脂のMI及び該発泡粒子の高温融解ピーク熱
量QHを特定の範囲に調整することにより、ポリプロピ
レン系樹脂発泡粒子からなる型内発泡成形体の引張強度
を改善することができた。さらに驚くべきことに、実施
例9〜11に示すように、型内発泡成形体の粒子間の融
着が50〜60%と十分でない場合でも高い引張強度が
発現することが見出された。これにより引張力及び曲げ
力が働く部材等に幅広く成形体を使用することができる
ようになるばかりか、型内発泡体の成形条件が最適でな
い場合でも十分強度が発現することが可能になった。こ
のとき、興味深いことに型内発泡成形体の引張強度は基
材樹脂の引張強度には依存せず、MIの低下に従い強度
が高くなることである。これは、MIの低い樹脂は高分
子量成分を多く含むため型内成形体の構成発泡粒子間の
接着力(融着力)が強くなるため、引張り破壊が抑制さ
れ強度が向上すると考えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に使用するポリプロピレン
系樹脂としては、MIが0.5〜7.0であれば良く、
例えばプロピレンホモポリマー、エチレン−プロピレン
ランダムコポリマー、エチレン−プロピレンブロックコ
ポリマー、エチレン−プロピレン−ブテンランダムター
ポリマー、プロピレン−塩素化ビニルコポリマー、プロ
ピレン−ブテンコポリマー、プロピレン−無水マレイン
酸コポリマー等が挙げられ、立体規則性重合方法によっ
て製造されたものが好ましい。これは単独で用いても、
また、2種以上混合使用してもよい。特に汎用性の高い
エチレン−プロピレンランダムコポリマー、あるいはエ
チレン−プロピレン−ブテンランダムターポリマーを用
いることが好ましい。なお本発明にいうポリプロピレン
系樹脂とは、プロピレンを80重量%以上重合させたも
のをいう。
【0013】これら、MIが0.5〜7.0のポリプロ
ピレン系樹脂は、特に処理することなくMIが0.5〜
7.0であるポリプロピレン系樹脂を用いてもよく、ま
た、MIの低いポリプロピレン系樹脂とMIの高いポリ
プロピレン系樹脂をブレンドして調整してもよい。さら
に、MIが0.5以下のポリプロピレン系樹脂を、ラジ
カル発生剤等を用いて分解し、MIを調整してもよい。
【0014】また、ポリプロピレン系樹脂は無架橋の状
態が好ましいが、パーオキサイドや放射線により架橋さ
せてもよい。またポリプロピレン系樹脂と混合使用可能
な他の熱可塑性樹脂、例えば低密度ポリエチレン、直鎖
低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブテン、アイ
オノマー等をポリプロピレン系樹脂の特性が失われない
範囲で混合使用してもよい。例えば低密度ポリエチレ
ン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリブテン、アイオノマ
ーを併用する場合には、ポリプロピレン系樹脂100部
(重量部、以下同様)に対して5〜20部、ポリスチレ
ンを併用する場合には5〜10部が好ましい。
【0015】上記のポリプロピレン系樹脂は、通常、予
備発泡に利用されやすいようにあらかじめ押出機、ニー
ダー、バンバリミキサー、ロール等を用いて溶融し、円
柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状等のような所
望の粒子形状で、その粒子の平均粒径が好ましくは0.
1〜5mm、更に好ましくは0.5〜3mmになるよう
に成形加工される。また、本発明のポリプロピレン系樹
脂発泡粒子はDSC法による測定で2つの融解ピークを
有するものであり、この2つの融解ピークの関係につい
ては特に限定しないが、2つの融解ピークの温度差が1
0〜25℃であると成形加熱時の融着がしやすくなるの
で好ましい。発泡粒子における2つの融解ピークは、基
材樹脂の分子構造、樹脂の熱履歴、発泡剤量、発泡温
度、発泡圧力等によって変わるが、高温側で発泡すると
2つの融解ピークの差は大きくなる。低温側の融解ピー
クは125℃〜155℃の範囲にあり、高温側の融解ピ
ークは通常145℃〜175℃の範囲にあり、使用する
ポリプロピレン系樹脂の種類によって変わる。
【0016】上記のような高温融解ピーク熱量QHが
0.5cal/g以上6.0cal/g以下の本発明に
係るポリプロピレン系樹脂発泡粒子を製造する方法に特
に限定はないが、例えば耐圧容器内でポリプロピレン系
樹脂粒子に揮発性発泡剤を含有させ、撹拌しながら水中
に分散させ、加圧下で所定の発泡温度まで加熱したの
ち、該水分散物を低圧域に放出する等の方法が利用され
うる。
【0017】前記のように、発泡粒子における高温融解
ピーク熱量QHは樹脂の分子構造によって変わるが、一
般に発泡温度を高くするとQHは小さくなる。前記発泡
粒子の製造方法において、基材樹脂であるポリプロピレ
ン系樹脂粒子の融点をTM(℃)とするとき、[(TM
−25)〜(TM+10)]℃の範囲に設定することに
より容易に高温融解ピーク熱量QHが0.5cal/g
以上且つ6.0cal/g以下の予備発泡粒子が得られ
る。ポリプロピレン系樹脂の種類、使用発泡剤量、目標
とする発泡粒子の発泡倍率等によって発泡温度を上記範
囲内で適宣選択しうる。
【0018】本発明に使用されるポリプロピレン系樹脂
粒子に含浸させる揮発性発泡剤としては、例えばプロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素
類;シクロペンタン、シクロブタン等の環式脂肪族炭化
水素類;トリクロロトリフルオロメタン、ジクロロジフ
ルオロメタン、ジクロロテトラフルオロメタン、トリク
ロロトリフルオロエタン、メチルクロライド、メチレン
クロライド、エチルクロライド等のハロゲン化炭化水素
類が挙げられる。これらの発泡剤は単独で用いてもよ
く、また、2種類以上併用してもよい。またその使用量
に限定はなく、所望のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の
発泡度に応じて適宣使用すれば良く、通常その使用量は
ポリプロピレン系樹脂粒子100部に対して5〜60部
である。
【0019】前記水分散物の調整に際しては、分散剤と
して、例えば第3リン酸カルシウム、塩基性炭酸マグネ
シウム、炭酸カルシウム等や、少量の界面活性剤、例え
ばドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、n−パラフィン
スルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ等
が分散助剤として併用される。
【0020】かかる分散剤や界面活性剤は、その種類や
用いるポリプロピレン系樹脂粒子とその使用量によって
異なるが、通常、水100部に対して分散剤の場合で
0.2〜3部、界面活性剤の場合で0.001〜0.1
部である。
【0021】また、前記揮発性発泡剤を含有したポリプ
ロピレン系樹脂粒子は水中での分散性を良好なものとす
るために、通常、水100部に対して20〜100部添
加されるのが好ましい。
【0022】かくして調整された水分散物は加圧下で加
熱されたのち、2〜10mmφの開孔オリフィスを通し
て低圧下に放出され、ポリプロピレン系樹脂粒子が発泡
せしめられ、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子が
得られる。
【0023】前記水分散物は予め上記のような耐圧容器
中、加圧下で発泡温度まで加熱されるが、加熱温度は用
いるポリプロピレン系樹脂粒子の種類、目的とするポリ
プロピレン系樹脂発泡粒子の高温融解ピーク熱量QHを
0.5cal/g〜6.0cal/gのどの値に選択す
るかで変わってくるので、一義的には定められないが、
前記した如く、用いたポリプロピレン系樹脂粒子のDS
C法によって測定された融点(融解ピーク)をTM
(℃)としたとき、ほぼ(TM−25)〜(TM+1
0)℃の範囲から決定される。一方、発泡圧力は主に所
定の発泡倍率により選択されるが、概ね10〜50kg
/cm2−Gである。
【0024】前記耐圧容器には特に限定はなく、上記圧
力及び温度に耐えられるものであればいずれのものでも
使用しうるが、かかる耐圧容器の具体例として、例えば
オートクレーブ型の耐圧容器が挙げられる。
【0025】本発明に使用される成形方法としては特公
昭51−22951や特公平6−59694等に挙げら
れるポリプロピレン系樹脂発泡粒子を閉鎖しうるが密閉
し得ない金型内に充填し、蒸気等で加熱し、発泡粒子を
相互に加熱融着さして型通りに成形する方法等がある。
本発明においては、型内成形体の粒子間の融着を十分に
するため、発泡粒子を金型に充填する前にガス内圧を付
与せしめるか、または発泡粒子を金型に充填する際に発
泡粒子を圧縮率が10%以上60%以下になるようにせ
しめることが好ましい。前者においてはポリプロピレン
系樹脂発泡粒子を無機ガス等の加圧下に保持することに
より発泡粒子内部にガス圧力を付与せしめる事が出来
る。本発明に用いられる無機ガスとしては空気、窒素、
ヘリウム、ネオン、アルゴン、炭酸ガス等が使用され
る。これらのガスは単独で用いても、また2種以上混合
して用いても良い。このうち、汎用性の高い空気、窒素
が好ましい。後者においては、発泡粒子を加圧ガスによ
り圧縮率10%以上60%以下になるように金型に充填
する事により達成できる。上記の発泡粒子の圧縮率は次
のようにして求められる。ポリプロピレン系樹脂発泡粒
子を成形機金型内に、大気圧状態で充填した時の発泡粒
子の重量を、上記圧縮充填した発泡粒子の重量で除した
値であり、式:
【0026】
【数4】 で表される。
【0027】次に本発明におけるDSC法について説明
する。
【0028】測定装置としては、通常の示差走査熱量
計、例えばパーキンエルマー(Perkin−Elme
r)社製のDSC−2型、セイコー電子工業株式会社製
のSSC5200H等が挙げられる。
【0029】ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の基材樹脂
の融点(融解ピーク)TM(℃)の測定は、ポリプロピ
レン系樹脂1〜10mgのサンプルにつき、上記測定装
置にて10℃/分の昇温速度で210℃まで昇温し次い
で10℃/分の降温速度で40℃まで降温した後、再度
10℃/分の昇温速度で210℃まで昇温した時のピー
ク温度をいう。図1はポリプロピレン系樹脂としてMI
=2.1のエチレン−プロピレンランダムコポリマーの
融点(TM)を測定した例である。図2は図1で用いた
ポリプロピレン系樹脂をもちいて実施例1により得られ
たポリプロピレン系樹脂発泡粒子について高温側の融点
に基づく融解ピーク熱量QHの測定法を示した例であ
る。QHを求めるための直線Pは、低温側のピークと高
温側のピークとの間のグラフの勾配が0になる点から高
温側のピークの終わる側のグラフに接線を引くことによ
り得られる。
【0030】
【実施例】次に、実施例及び比較例に基づき本発明を詳
しく説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定され
るものではない。尚、実施例の記載に先立ち、特性値の
測定方法を示す。
【0031】[型内発泡成形体の特性値の測定方法] 1、融着率:成形体の表面にナイフで約5mmの深さの
クラックを入れたのち、このクラックに沿って成形体を
割り、破断面を観察し、粒子の全個数に対する破壊粒子
数の割合を求め融着率とし、次の基準で評価した。◎:
融着率80%以上、○:融着率60%〜80%未満、
△:融着率50%〜60%未満、×:融着率50%未
満。尚、通常、成形体として満足すべき融着率の水準は
少なくとも60%である。2、引張強度:JIS−K6
767に準拠し、厚み10mmのテストピースを500
mm/分で引張った時の最大荷重時の強度である。
【0032】(実施例1)エチレン−プロピレンランダ
ムコポリマ−A(エチレン含量1.2重量%、MI(メ
ルトフローインデックス)=2.1)のペレット(一粒
子重量約1.8mg、DSC法融点TM=146.4
℃)100部、イソブタン12部、分散剤としてパウダ
ー状塩基性第3リン酸カルシウム2.0部及びn−パラ
フィンスルホン酸ソ−ダ0.03部を水300部ととも
に耐圧容器に仕込み、142.9℃の所定温度に加熱し
た。このときの容器内圧力は約16.2kg/cm2
Gであった。続いて、容器内圧力をイソブタンを圧入し
ながら、所定の発泡圧力18.5kg/cm2−Gに調
整した。所定の発泡圧力に到達したら容器内圧力を保持
しつつ、耐圧容器下部のバルブを開いて水分散物を開孔
径4.0mmφのオリフィス板を通して大気圧下に放出
して発泡を行ったところ、発泡倍率 16.7倍の発泡
粒子が得られた。得られた、発泡粒子の嵩密度及び高温
融解ピーク熱量は表2に示す通りであった。
【0033】(実施例2〜8及び比較例1、2)発泡粒
子2〜10についても表1の基材樹脂A〜Gを表2の発
泡粒子の製造条件以外は実施例1と同一条件で発泡する
事により得られた。表2に発泡粒子の評価結果を示し
た。
【0034】(実施例9)発泡粒子1を耐圧容器に入れ
空気圧で圧縮し、320×320×60mmのブロック
金型に圧縮率25%で充填し、まず1.0kg/cm2
−Gの水蒸気で金型内の空気を追い出し、続いて加熱圧
力4.0kg/cm2−Gの水蒸気圧で加熱成形するこ
とにより融着、表面外観の問題ない、密度45g/Lの
型内発泡成形体を得た。この成形体の引張強度を測定し
たところ8.0kg/cm2であった。
【0035】(実施例10〜22、24、比較例3〜
6)実施例9と同様に発泡粒子1〜10について表3の
成形条件以外は実施例9と同一条件で型内発泡成形を行
い、得られた成形体の融着、引張強度を測定したところ
表3の結果を得た。
【0036】(実施例23)発泡粒子8を耐圧容器に入
れ温度25℃、圧力2.5kg/cm2−Gで16時間
処理したもの大気圧下に取り出した。この時、発泡粒子
の内圧は2.0気圧であった。これを、320×320
×60mmのブロック金型に充填し、まず1.0kg/
cm2−Gの水蒸気で金型内の空気を追い出し、続いて
加熱圧力3.8kg/cm2−Gの水蒸気圧で加熱成形
することにより融着、表面外観の問題ない、密度58g
/Lの型内発泡成形体を得た。この成形体の引張強度を
測定したところ10.0kg/cm2であった。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明によれば、ポリプ
ロピレン系樹脂発泡粒子の基材樹脂のMI及び発泡粒子
の高温融解ピーク熱量を特定の範囲に規定することによ
り、基材樹脂として引張強度の高いものを使用すること
なく、引張強度に優れる型内発泡成形体を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 DSC法を用いて、実施例1で用いた、エチ
レンープロピレンランダムコポリマー(MI:2.1、
エチレン含量1.2重量%)の融点(TM)を測定した
グラフである。
【図2】 実施例1で得られたエチレンープロピレンラ
ンダムコポリマー発泡粒子の高温融解ピーク熱量QHの
測定方法を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:04 Fターム(参考) 4F074 AA24 AB02 AB05 BA35 CA32 CA38 CA49 DA02 DA08 DA32 DA33 DA35 DA59 4F212 AA09 AA11C AB02 AG20 AH26 UA01 UB01 UF01 4J002 BB121 BB141 BB151 EA016 FD326 GG00 GN00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂にする
    ポリプロピレン系樹脂発泡粒子において、該基材樹脂の
    MIが0.5〜7.0であり、且つ該ポリプロピレン系
    樹脂発泡粒子が示差走査熱量計法による測定で2つの融
    解ピークを有し、該2つの融解ピークのうち、高温側の
    融解ピークに基づく融解ピーク熱量QHが0.5cal
    /g以上且つ6.0cal/g以下であることを特徴と
    するポリプロピレン系樹脂発泡粒子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発
    泡粒子を成形してなる型内発泡成形体であって、引張強
    度が式: 【数1】 〔但し、式中、Xはポリプロピレン系樹脂型内発泡成形
    体の密度(g/L)、YはXにおける引張強度(kg/
    cm2)である。〕を満たすポリプロピレン系樹脂型内
    発泡成形体。
JP11132858A 1999-05-13 1999-05-13 ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びその型内発泡成形体 Pending JP2000319437A (ja)

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