JP2000319302A - ポリマーの製造銘柄変更方法及び装置 - Google Patents

ポリマーの製造銘柄変更方法及び装置

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JP2000319302A
JP2000319302A JP11134122A JP13412299A JP2000319302A JP 2000319302 A JP2000319302 A JP 2000319302A JP 11134122 A JP11134122 A JP 11134122A JP 13412299 A JP13412299 A JP 13412299A JP 2000319302 A JP2000319302 A JP 2000319302A
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JP11134122A
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Masakatsu Inaida
正克 稲井田
Yasutaka Shima
康孝 嶋
Toshio Kujira
稔夫 鯨
Kunihiro Kadoi
国洋 角井
Toshihide Kihara
敏秀 木原
Yutaka Hayashida
豊 林田
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】煩雑な操作が必要であったポリマーの製造銘柄
変更を、安定的かつ効率的に実施する。 【解決手段】各ポリマー銘柄の製造処方を登録しておく
銘柄データベース2Aと、変更前後の銘柄の組み合わせ
ごとに銘柄変更に必要な操作の変更論理を登録しておく
変更データベース2Bと、銘柄変更時に各操作項目の値
を変更する際の時系列のパターンデータを作成するとも
もに、パターンデータの修正を行うパターンデータ作成
部11と、パターンデータを使用して模擬的に銘柄変更
を実施し系内の挙動のシミュレーションを行うダイナミ
ックシミュレータ3と、シミュレーション結果に基づい
てそのパターンデータが適正かどうかを判定するパター
ンデータ判定部12とを設ける。適正なパターンデータ
と判定されるまで、パターンデータの修正とシミュレー
ションとを繰り返して最適なパターンデータを得る。そ
の後、実プラントで製造銘柄変更を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリマーの製造プラントにおいて製造
品の銘柄変更を行う方法及び装置に関し、特に、製造品
の銘柄を変更する際に、その操作を自動的かつ円滑に行
うために有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成
ポリマーは、その用途等に応じて、分子量、分子量分
布、組成、組成分布、他の共重合成分の含有量などが異
なる種々の銘柄が設定されている。ある銘柄のポリマー
を製造するためには、その銘柄に対応する製造条件が製
造処方というかたちで規定されており、製造処方は、そ
の銘柄のポリマーを製造する際の重合温度、重合圧力な
どの重合条件と、必要な原料の供給量などを示してい
る。
【0003】ところで、製造プラントでは、製造する銘
柄を変更する操作が頻繁に発生する。この銘柄変更時に
は、反応系内を安定に保ちながら、各原料の供給量の設
定値や、反応容器の圧力、温度などを時間とともに変え
ていくという多岐にわたる煩雑な操作が必要となる。具
体的には、温度、触媒フィード量、モノマーフィード
量、コモノマーフィード量、水素フィード量、水素パー
ジ量などの多くの操作変数を同時に変更することにな
る。
【0004】このような多変数の変更操作においては、
適切な反応量で良好な温度制御が行われ、かつ、圧力な
ど運転上の制約条件を満足して運転できることが要求さ
れる。さらに、銘柄切り替え時には、切り替え前後の銘
柄のいずれにも属さない遷移的な製品ポリマー(トラン
ジション)品が生成するが、このトランジション品は正
規の銘柄の製品に比べて安価であって、トランジション
品の大量発生は大きな経済的損失につながるので、銘柄
切り替え時間を極力短くし、トランジション品の発生量
を少なくすることが求められる。
【0005】銘柄切り替えは、トランジション品の発生
量を抑えつつ、安定的に変更操作を行う必要があるの
で、これまで、熟練したオペレーターの勘に頼る場合が
多かった。
【0006】この銘柄変更操作を実施するにあたり、特
開平8−179809号公報は、複数の製造品銘柄をイ
ンデックスとして登録しておく銘柄データベースと、現
在製造品銘柄と次製造品銘柄とを比較する比較手段と、
現在製造品銘柄と次製造品銘柄との組み合わせ毎に最適
運転パターンを格納したパターンテーブルと、選択され
た最適運転パターンを実行する実行制御手段とからなる
製品銘柄変更システムを利用し、従来熟練したオペレー
ターの勘に頼ることの多かった銘柄変更操作を効率的に
行う技術を開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最適運
転パターンを格納したパターンテーブルを用意し、切り
替え前後の銘柄の組み合わせに応じて最適運転パターン
を選択するようにした場合には、現在製造品銘柄と次製
造品銘柄との組み合わせが過去に実績のないものである
ときには、その銘柄の切り替えを行うことができないこ
とになる。また、不適正なパターンに基づいて銘柄切り
替え操作を行った場合には、反応量が大きくなりすぎて
触媒量を手動操作で変更するなど、オペレータの手動介
入を必要とする自体に陥ることがしばしば発生する。
【0008】さらに、最適運転パターン自体が過去の運
転実績に基づくものであって銘柄切り替え時間短縮の余
地が残されているが、ここで切り替え時間をさらに短縮
するなどのより一層の最適化を行おうとすると、別途、
繰り返し変更操作を実施する必要がある。銘柄切り替え
時間を短縮した運転パターンを作成して直ちにそのパタ
ーンで自動的に銘柄切り替えを行った場合は、反応量が
大きくなったり、あるいは反応量の変化速度が大きすぎ
て触媒量やモノマーフィード量を手動操作しなければな
らない事態に陥り、銘柄切り替え時間がかえって長くな
る事態もしばしば発生する。
【0009】本発明の目的は、過去に実績のない銘柄切
り替えであっても、銘柄切り替えにかかる時間を短縮で
き、かつ安定して自動的に銘柄切り替えを行うことがで
きる方法及び装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、過去に実
績のないポリマーの現在製造銘柄と次製造銘柄との組み
合わせの変更を実施する際、あるいは、変更時間を短縮
するなどの最適化を検討する際にも、銘柄変更操作を安
定的に実施できる方法を鋭意検討し、本発明を完成し
た。
【0011】すなわち本発明のポリマーの製造銘柄変更
方法は、現在生産している銘柄から次に生産する銘柄に
ポリマーの製造銘柄を変更する製造銘柄変更方法におい
て、現在の銘柄から次銘柄へ変更するのに必要な各操作
項目の値を現在の値から次銘柄の目標値へ変更する時系
列のパターンデータを作成する第1の段階と、パターン
データを使用して、模擬的に銘柄変更を実施し系内の挙
動のシミュレーションを行う第2の段階と、シミュレー
ションの結果に基づいてそのパターンデータが適正かど
うかを判定する第3の段階と、第3の段階においてパタ
ーンデータが不適正と判断された場合にはパターンデー
タの修正を行い、その後、第2の段階及び第3の段階を
繰り返す第4の段階と、第3の段階においてパターンデ
ータが適正と判断された場合にはそのパターンデータに
基づいて実プラントにおいて銘柄変更を行う第5の段階
と、を有する。
【0012】また本発明のポリマーの製造銘柄変更装置
は、複数のポリマーの製造銘柄の製造処方をインデック
スとして登録しておく銘柄データベースと、現在生産し
ている銘柄と次生産銘柄の組み合わせに対応して、銘柄
を変更するために必要な操作の変更論理を登録しておく
変更データベースと、銘柄データベース及び変更データ
ベースより現在の銘柄から次銘柄へ変更するのに必要な
各操作項目の値を現在の値から次銘柄の目標値へ変更す
る時系列のパターンデータを作成するとももに、パター
ンデータが不適正と判断された場合にはパターンデータ
の修正を行うパターンデータ作成手段と、パターンデー
タを使用して、模擬的に銘柄変更を実施し系内の挙動の
シミュレーションを行うダイナミックシミュレータと、
シミュレーションの結果に基づいてそのパターンデータ
が適正かどうかを判定するパターンデータ判定手段とを
有し、パターンデータ判定手段においては適正なパター
ンデータと判定されるまで、パターンデータの修正とシ
ミュレーションとを繰り返すことにより、最適な時系列
のパターンデータを作成する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、銘柄変更操作を迅速か
つ安定的に実施するために、従来は、銘柄変更パターン
作成作業は実績に頼っていたが、これをダイナミックシ
ミュレータを活用することにより、予め反応系内の様子
を把握し過去に実績のないパターンでもその操作が妥当
かどうかの判断を実施して最適な銘柄変更パターンを作
成し、変更操作の短縮、効率化を図る技術である。すな
わち、ダイナミックシミュレータを擬似プラントとし、
予め作成した切り替えパターンに基づいて、ダイナミッ
クシミュレータによって実際の製造プラントでのプロセ
スをシミュレートし(擬似運転を行い)、そのパターン
にしたがって実際の製造プラントを運転した場合に手動
操作を行うことなくスムーズに銘柄切り替えを行うこと
ができるかどうかを判定する。もし、与えられたパター
ンが不適正と判定された場合には、パターンを作成し直
し、その後、再び擬似プラントを運転して(ダイナミッ
クシミュレータを操作して)、再作成されたパターンが
適正なものであるか否かを判定する。このような処理を
繰り返すことにより、適切な銘柄切り替えパターンを作
成することができるから、次に、その適切な銘柄切り替
えパターンに基づいて、実際の製造プラントでの銘柄切
り替えを実行する。これにより、過去に実績のない銘柄
切り替えであっても、銘柄切り替えにかかる時間を短縮
でき、かつ安定して自動的に銘柄切り替えを行うことが
できるようになる。
【0014】本発明において、ポリマーの製造銘柄と
は、物性の一部または全部が異なるポリマーのことであ
り、具体的には分子量、分子量分布、組成、組成分布、
さらには立体規則性などが異なるポリマーのことであ
る。そしてポリマーの製造銘柄の製造処方とは、これら
の物性の異なるポリマーを製造するための条件であり、
重合温度、重合圧力などの重合条件と、ポリマーを製造
するために必要な原料の供給量などが例示できる。
【0015】本発明は、所望の製造銘柄を製造するため
に使用する装置(製造プラント)については特に限定す
るものではないが、本発明の方法を実行するに際して、
すあなわち、製造銘柄を変更するに際して、装置そのも
のの構成を変更することは意図していない。
【0016】本発明において、変更論理とは、例えば、
現在製造している銘柄の製造条件、例えば重合温度、重
合圧力などの重合条件と、ポリマーを製造するために必
要な原料の供給量などを、次に製造する銘柄の製造条件
の値に、どのような経緯で移行するかを示したものであ
る。そしてこの変更論理を登録しておく変更データベー
スとは、例えば、変更論理を磁気ディスク等の記憶装置
上にインデックスとして格納し、必要に応じて、プロセ
スコンピュータ等で読み出すことができるようにデータ
ベース化したものである。変更論理は、一般には、実プ
ラントでの過去の製造実績や過去のシミュレーションで
の実績に基づいて定めることができる。過去の実績がな
い銘柄の組み合わせに対する変更論理は、経験則に基づ
いて定めることができ、また、過去に実績がある類似の
組み合わせでの変更論理をそのまま流用することもでき
る。ポリオレフィン、例えばポリプロピレンの製造の場
合、水素フィード量の増加と減少とエチレンフィード量
の増加と減少とをそれぞれ組み合わせた4通りの基本パ
ターンを予め設定し、それらの増減幅が異なる類似パタ
ーンを基本パターンから派生させ、これらの基本パター
ン及び類似パターンの中から、銘柄の組み合わせごとに
1つを選んで、それを変更論理とするようにしてもよ
い。
【0017】現在の銘柄から次銘柄へ変更するのに必要
な各操作項目とは、例えば、製造する銘柄の製造条件、
例えば重合温度、重合圧力などの重合条件と、ポリマー
を製造するために必要な原料の供給量などの制御計器の
設定値である。
【0018】そして現在の値から次銘柄の目標値へ変更
する時系列パターンデータ(単に、パターンデータとも
いう)とは、現在製造している銘柄の製造条件、例えば
重合温度、重合圧力などの重合条件と、ポリマーを製造
するために必要な原料の供給量などの制御計器の設定値
の、次に製造する銘柄の製造条件の値へ移行するまで
の、ある区切られた時間ごとの値をデータベース化した
ものである。すなわち、パターンデータは、切り替え操
作の開始時を時刻0として、各時刻でのそれぞれの設定
値を時系列で示したものである。パターンデータはパタ
ーンデータ作成手段によって作成されるが、パターンデ
ータ作成手段は、例えば、ソフトウェアプログラムとし
て実現することができ、そのようなプログラムをプロセ
スコンピュータに組み込んで実行することにより、自動
的に時系列のパターンデータを作成することができる。
【0019】パターンデータは時系列データであるか
ら、所望する銘柄切り替え時間は、パターンデータによ
って指定することができる。そこで、ポリマー銘柄の切
り替え時間をできるだけ短縮するためには、まず、銘柄
切り替え時間の目標値を設定してそれに基づいてパター
ンデータを作成し、シミュレーションを実行する。そし
て、そのシミュレーション結果が運転可能というもので
あれば、銘柄切り替え時間の目標値を短縮してパターン
データを再作成し、シミュレーションを繰り返せばよ
い。具体的には、従来の銘柄切り替え時間の半分をまず
目標値と設定し、それでうまく行くならさらに目標値を
半分とする、といった手順が挙げられる。
【0020】本発明において、ダイナミックシミュレー
タとは、製造プラントにおける重合反応条件、重合反応
器の操作条件などの動的変化、すなわち時間の変化に伴
う状態変化を、コンピュータによる物理モデルを使用し
た物質収支、熱収支などの厳密な数値演算によって、疑
似表現できるように構築したシステムのことであり、擬
似プラントとして扱えるものである。ダイナミックシミ
ュレータでは、与えられたパラメータによって、模擬的
に銘柄を変更したときの系内の挙動、例えば、温度、圧
力、ポリマー濃度、発熱量等やこれらの変化を算出でき
る。したがって、ダイナミックシミュレータで得られた
温度や圧力、ポリマー濃度、発熱量の値が、実際の製造
プラントでの実運転上、問題となるような値の場合に
は、時系列のパターンデータを変更し、再度、ダイナミ
ックシミュレータによってシミュレーションを行うこと
により、実運転可能で変更に要する時間が短い、より適
切な時系列のパターンデータを作成することができる。
パターンデータの変更の際にはパターンデータ中の変数
を変更することとなるが、その際の変数の変更幅は、過
去の実績やシミュレーションに基づいて、あるいは経験
則などに基づいて定めることができる。各変数の増減と
シミュレーション結果での増減との関係は、一般には予
想がついているから、シミュレーション結果が所望の方
向に変化するように、パターンデータ中の変数を所定の
刻みで変化させるようにしてもよい。
【0021】本発明によれば、このようにして改良され
たパターンデータを用いて、実プラントで銘柄変更の作
業を実行すればよい。
【0022】以下、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポ
リプロピレンやこれらのコポリマーなど)を例にとっ
て、より具体的に本発明の実施の形態を説明する。図1
は、本発明の好ましい実施の形態での実行作業を示す概
念図である。
【0023】ポリオレフィン等の製造プラントは、一般
的に、分散型制御システム(DCS)1によって運転が
制御されている。DCS1は、ネットワークで接続され
た複数の制御コンピュータを有する。1つの反応器とそ
れに付随するバルブ群に対して1台の制御コンピュータ
といったように、製造プラント9内には複数の制御コン
ピュータが配置され、各制御コンピュータはそれぞれ受
け持ちの範囲内のプラント機器を制御する。このような
複数の制御コンピュータの総体として、DCS1が構成
されている。銘柄変更等の高度な制御や、異常検知、デ
ータ収集解析などの運転支援機能を有する上位のプロセ
スコンピュータ2が配置され、プロセスコンピュータ2
内には、銘柄データベース及び変更データベースが設け
られる。プロセスコンピュータ2と各DCS1とは、ゲ
ートウェイを介して相互にデータ通信が可能である。さ
らに、ダイナミックシミュレータ3が設けられており、
プロセスコンピュータ2とダイナミックシミュレータ3
とは、相互にデータ通信が可能である。
【0024】ポリオレフィンの銘柄構成要素のうち、分
子量は、通常、連鎖移動剤である水素の反応系内の濃度
を、共重合成分含有量は反応系内の共重合成分の組成を
制御することにより管理する。
【0025】ポリオレフィンの重合触媒としては、近
年、高活性、高立体規則性のチーグラー・ナッタ系担体
型触媒を使用するのが主流である。この触媒は、反応系
の水素濃度、共重合成分濃度により触媒活性が変化す
る。したがって、銘柄切り替えの際に水素供給量、共重
合成分供給量を変更する場合、反応量の変動を製造装置
の除熱制御可能な範囲内に抑えるためには、触媒供給量
も同時に変更する必要がある。銘柄変更時は、これら各
原料供給量の制御計器の設定値を反応系内を安定に保ち
ながら時間とともに変えていくという、多岐にわたる煩
雑な操作が必要となる。
【0026】銘柄変更操作を迅速に行い変更時の規格外
品の発生量を少なくするためには、水素、共重合成分量
等を一時的にオーバーフィードあるいはストップ、場合
によっては系外にパージさせ、系内の濃度が定常値にな
ったところで所定フィードに戻すといった操作が必要な
る場合があるが、あまり急激なアクションをとると、触
媒活性も急激な変化を起こし、場合によっては温度等の
制御が不可能となるような状況に陥る。銘柄変更の際
は、反応量をなるべく平滑化し、系内が安定な状態のま
ま次製造銘柄に移行することが望ましい。
【0027】本実施の形態では、ポリオレフィン製造プ
ラントの制御を行うDCS1の上位に位置するプロセス
コンピュータ2の記憶媒体に、銘柄データベース2Aと
して、複数の製造銘柄のそれぞれの製造処方、すなわ
ち、ポリオレフィンを製造するのに必要な各原料の供給
量、重合温度、重合圧力等をインデックスとして登録し
ておく。また、この記憶媒体には、変更データベース2
Bとして、銘柄変更の前後の銘柄の組み合わせごとに、
銘柄を変更するために必要な各原料の供給量、重合温度
等の各操作のパターンを変更論理として登録しておく。
【0028】変更論理は、初期値から終値までどのよう
なパターンで動かすかを示したものであり、変更論理の
具体例としては、例えば、 原料aを現在値Aから目標値Bまでα時間かけて変更
する(αは可変)、 原料bを現在値Cから一旦供給をβ時間ストップした
後γ時間かけて目標値Dまで変更する(β、γは可
変)、 触媒は10g/時間ずつフィード速度を変える、 エチレンは、5時間かけて、初期値から終値まで変え
る、 などがある。初期値と終値は、いずれも、銘柄が同じで
あっても、生産ロードが異なれば変わるものであるが、
変更論理は、原則として、生産ロードによっては変化さ
せない。もっとも、極端に生産ロード差が異なるような
場合には、別の変更論理を用意する場合もある。
【0029】さて、上述のようにDCS1、プロセスコ
ンピュータ2及びダイナミックシミュレータ3を設けて
ポリマー製造銘柄変更装置を構成したとして、製造プラ
ント9での製造銘柄の変更は、以下のように実施する。
【0030】製造銘柄の変更を実施したい場合、まず、
プロセスコンピュータ2上で、上記の製造処方と変更論
理から、重合温度及び各原料供給量の現在の銘柄の設定
値から次銘柄の目標値へ変更する時系列のパターンデー
タを作成する。なお、銘柄切り替えを行おうとする際に
は、仮に生産ロードが同じであっても、切り替え前の銘
柄における各設定値がその時々によって異なるので、パ
ターンデータの作成の際には、切り替え前の銘柄におけ
る各設定値をパターンデータにおける初期値(銘柄切り
替え開始時を時刻0として、時刻0における値)とす
る。
【0031】次に、この時系列パターンデータを、ダイ
ナミックシミュレータ3に送信する。ダイナミックシミ
ュレータ3は、模擬的に銘柄変更操作を実施し(シミュ
レーションし)、予め銘柄変更時の反応量、除熱装置の
稼動状況、ポリマーの組成等反応系内の挙動を把握す
る。その結果から、そのパターンデータが適正か否かの
判断をする。適正/不適正の判断基準として最も原始的
なものは、温度が上昇しすぎて暴走反応になるかどうか
というものであるが、実際上は、例えば、温度が設定温
度よりも±1℃程度離れてしまうようなことも不適正と
することが好ましい。反応量が高すぎて反応器内の除熱
が十分に行えないと判断される場合や、ポリマーの組成
が適正でないと判断される場合など、パターンデータが
不適正であると判断される場合には、変更論理の変更を
行って時系列のパターンデータを再作成し、シミュレー
ションを繰り返す。具体的には、ポリプロピレンの製造
の場合、重合反応量は、エチレン供給量を増やすことで
増加し、水素供給量を増やすことで増加し、触媒供給量
を増やすことで増加するので、触媒供給量、エチレン供
給量、水素供給量を加減して、時系列パターンデータを
再作成する。
【0032】このようにして最適化された時系列のパタ
ーンデータを、プロセスコンピュータ2から、実プラン
ト(製造プラント9)を制御しているDCS1に送信す
る。DCS1は、送信されてきたパターンデータに基づ
いて製造プラント9の制御を行い、これによって、実プ
ラントにおいて、最適化された時系列のパターンデータ
にしたがった銘柄変更が自動的かつ安定的に実施される
ことになる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に
説明する。ここでは、ポリプロピレンの製造を例にと
り、説明する。ポリプロピレンの製造には、通常、複数
の反応槽を直列に接続した製造プラントが用いられる
が、ここでは、煩雑を避けるため、1槽の反応槽を用い
てポリプロピレンの重合反応を行わせるものとして、説
明を行う。
【0034】図2は、この実施例で用いた製造銘柄変更
装置のハードウェア構成を示すブロック図である。この
装置は、実際に製造プラントを制御する分散型制御シス
テム(DCS)1、銘柄変更等の高度な制御や、異常検
知、データ収集解析などの運転支援機能を有する上位の
プロセスコンピュータ2、及びダイナミックシミュレー
タ3とを有し、プロセスコンピュータ2とDCS1とは
ゲートウェイ4を介して相互に接続している。プロセス
コンピュータ2とダイナミックシミュレータ3とは、L
AN(ローカルエリアネットワーク)5を介して接続し
ている。DCS1は、実際には、製造プラント9の要所
要所に配置された制御コンピュータ6によって構成され
ている。また、ダイナミックシミュレータ3は、実際に
は、ワークステーションなどのコンピュータで構成さ
れ、ダイナミックシミュレーションを実行するためのプ
ログラムをこのコンピュータ上で実行することにより実
現される。DCS1とプロセスコンピュータ2、及びプ
ロセスコンピュータ2とダイナミックシミュレータ3
は、相互に、データファイルを介したデータのオンライ
ン通信が可能となっている。
【0035】プロセスコンピュータ2の内部には、複数
の製造銘柄の製造処方、すなわちポリプロピレンを製造
するのに必要な各原料の供給量、重合温度、重合圧力と
をインデックスとして登録する銘柄データベース2A
と、銘柄変更の前後の銘柄の組み合わせごとに、銘柄を
変更するために必要な各原料の供給量、重合温度の各操
作のパターンを変更論理として登録する変更データベー
ス2Bと、銘柄データベース2A及び変更データベース
2Bを参照して初期値となるパターンデータを作成する
とともに、ダイナミックシミュレーションの結果に応じ
てパターンデータの修正を行うパターンデータ作成部1
1と、ダイナミックシミュレーションの結果を参照して
適正なパターンデータかどうかを判定するパターンデー
タ判定部12とが設けられている。各データベース2
A,2Bは、プロセスコンピュータ2の記憶領域上に構
成される。パターンデータ作成部11及びパターンデー
タ判定部12は、それらに対応するプログラムをプロセ
スコンピュータ2に読込んで実行することにより、実現
される。
【0036】ここで使用するダイナミックシミュレータ
用のソフトウェアプログラムは、プラントの擬似操作が
ダイナミックに行えるものであればよいが、ここでは
(株)オメガシミュレーション製のモジュール型(ポン
プ、バルブ、反応容器などの部品の組み合わせで構築す
るタイプのもの)のダイナミックシミュレータであるV
isual Modelerを使用した。
【0037】ダイナミックシミュレータでは、触媒、共
重合成分、水素等、各原料の濃度変化を考慮した反応速
度式を利用した反応量計算を実施している。さらに、分
子量、共重合組成などのポリマー物性も計算している。
また、温度制御性については、実際のプラントと同様に
なるよう、除熱のための熱交換器の伝熱係数と制御弁の
特性をチューニングしている。また、レベル計、各原料
の流量計の制御性についても実際のプラントと同様にな
るよう制御弁の特性をチューニングしている。
【0038】このように、ダイナミックシミュレータ3
は、プロセスの要点について十分チューニングされてお
り、実際のプラントの動特性をよく表現できるので、銘
柄切り替えパターンが適正か否かの判定に耐える、擬似
プラントとして使用することができる。擬似プラントで
あるので、ダイナミックシミュレータに対しては、実際
のプラントと同様に、温度、モノマーフィード量、コモ
ノマーフィード量、触媒フィード量、分子量調節剤フィ
ード量などが操作変数として入力され、それらの入力値
に基づいてダイナミックシミュレーションが実行され
る。
【0039】この装置を用いて銘柄変更を実行する場合
には、まず、プロセスコンピュータ2の銘柄データベー
ス2Aに、複数の製造銘柄の製造処方、すなわちポリプ
ロピレンを製造するのに必要な各原料の供給量、重合温
度、重合圧力とをインデックスとして登録し、さらに、
変更データベース2Bに、銘柄変更の前後の銘柄の組み
合わせごとに、銘柄を変更するために必要な各原料の供
給量、重合温度の各操作のパターンを変更論理として登
録する。
【0040】上述したように、変更論理は、これまでの
実プラントでの運転実績に基づいて、ある程度標準化し
て決められる。過去に例のない銘柄切り替えに関して
は、類似していると思われる銘柄切り替えの変更論理を
コピーして変更データベース2Bに登録する。本発明で
は、変更論理に直接に基づいて実プラントを操業するの
ではなく、変更論理に基づいてパターンデータを作成
し、さらに、ダイナミックシミュレーションによってパ
ターンデータを改良するので、必ずしも、切り替え前後
での全ての銘柄の組み合わせごとに変更論理を用意しな
くてもよい。
【0041】しかしながら、実際にプラントのDCSに
データを通信する際に選択ミスが起こることを防ぐため
にも、全ての組み合わせごとに変更論理を用意すること
が好ましい。この場合、過去に実績のないものについて
は、上述したように、類似の組み合わせの変更論理を変
更データベース2Bに登録する。その後、シミュレーシ
ョン結果や実プラントでの操業データが得られれば、そ
れらのデータに基づいてその変更論理を修正すればよ
い。
【0042】そして銘柄変更に際しては、図3のフロー
チャートに示すように、プロセスコンピュータ2のパタ
ーンデータ作成部11において、既に登録してある変更
論理から初期値のパターンデータを作成し(ステップ2
1)、次に、このパターンデータをデータファイルとし
てダイナミックシミュレータ3に送ってダイナミックシ
ミュレーションを実行する(ステップ22)。ダイナミ
ックシミュレータ3は、パターンデータを時系列データ
として読込み、シミュレーションを実行する。このシミ
ュレーションは、最初の銘柄の定常状態ファイルを読込
んだ後、上記のように入力変数を読込みながら自動的に
進行し、設定された時間だけ計算した後、終了する。こ
こで定常状態ファイルとは、ダイナミックシミュレータ
3に対して初期条件を与えるデータファイルのことであ
る。したがって最初の銘柄の定常状態ファイルは、銘柄
変更を行う前の段階に対応させてダイナミックシミュレ
ータ3をその最初の銘柄の製造の定常状態での運転条件
に維持するための条件を保持している。
【0043】ダイナミックシミュレータ3への上記の入
力変数の具体例としては、重合温度の設定値、触媒供給
量、エチレンフィード量、プロピレンフィード量、水素
パージ量、水素フィード量、さらには、助触媒量、立体
規則性制御剤量、冷却水温などが挙げられる。このよう
な入力変数に対し、ダイナミックシミュレータ3は、例
えば、反応量、温度(設定値ではなく、重合器の除熱特
性からくる出力値)、圧力(温度と組成で決まる)、物
性(エチレン含有量や極限粘度[η]など、組成で決ま
る)を計算して出力する。
【0044】シミュレーション結果はプロセスコンピュ
ータ2に戻され、プロセスコンピュータ2のパターンデ
ータ判定部12は、ダイナミックシミュレーション結果
に基づき、パターンデータが適正なものであったかどう
かを判定する(ステップ23)。適正でない場合には、
パターンデータ作成部12がシミュレーション結果に基
づいてパターンデータを修正・更新し、ステップ22に
戻る。例えば、ステップ23において、シミュレーショ
ンの結果、反応は暴走はしなかったものの、温度の大変
動が起きたような場合には、パターンデータでの入力変
数の変更パターンを変えて、再度、シミュレーションを
実行し(ステップ22)、反応暴走や温度変動が起こら
ないようにする。一方、ステップ24においてパターン
データが適正であると判定された場合には、そのパター
ンデータがDCS1に送られ、そのパターンデータに基
づいて、実プラントでの銘柄変更が実行される。このよ
うにして、パターンデータの改良が繰り返され、適正な
パターンデータが見つけ出される。
【0045】図4は、銘柄データベース2Aの構成例を
示している。また、図5は変更論理の一例を示してい
る。
【0046】実施例1 現在の銘柄A(プロピレンエチレンランダムコポリマ
ー、分子量指標極限粘度[η]1.95dl/g 、エ
チレン含有量5.0wt%)から次銘柄B(プロピレン
エチレンランダムコポリマー、[η]1.60dl/
g、エチレン含有量3.6wt%)に変更した。
【0047】銘柄をAからBへ変更するにあたり、まず
プロセスコンピュータ2上で、現状値と、次銘柄のBの
製造処方(銘柄データベース:図4参照)と現在銘柄A
を次銘柄Bへ変更するための変更論理(図5参照)を使
用して、触媒、水素、エチレン等各原料の供給量の時系
列パターンデータを作成した。この時系列パターンデー
タをダイナミックシミュレータ3に転送してダイナミッ
クシミュレーションを実行した。計算が終了し、シミュ
レーション結果からその変更論理が適切なパターンかど
うかを判断したところ、当初作成された時系列パターン
データでは、触媒供給量の上げ方が早すぎ、エチレン供
給量を下げるのが遅すぎ、また、水素供給量を上げるの
が早すぎるために、途中で反応熱が過大となり除熱が困
難となることが予想された。このため、触媒、水素、及
びエチレン供給量の変更論理が変更された。
【0048】再びプロセスコンピュータ2で時系列パタ
ーンデータを作成し上記の操作を繰り返した。修正した
時系列パターンデータで適切に運転できると判断された
ため、この時系列パターンデータをプロセスコンピュー
タ2からDCS1へ転送した。DCS1により、時系列
パターンデータにしたがった、触媒供給量、モノマー供
給量、水素供給量、エチレン供給量の自動変更が行わ
れ、銘柄変更が安定的に実施された。
【0049】銘柄変更に要した時間は、6時間であっ
た。シミュレーション及びプラント実行結果を図6〜図
8に示した。
【0050】比較例1 実施例1と同様の銘柄変更を実行した。その際、予めダ
イナミックシミュレーションを行わずに、過去の経験等
からオペレーターが手動にて触媒供給量、モノマー供給
量、水素供給量、エチレン供給量の変更を行った。途中
で、反応量が過大になりすぎ、触媒供給量を一時的に下
げる状況に陥った。
【0051】この結果、銘柄変更に10時間を要した。
プラント実行結果を図9〜図11に示した。
【0052】実施例2 現在の銘柄C(プロピレンランダムコポリマー、[η]
1.38dl/g、エチレン含有量1.1wt%)から
次銘柄,(プロピレンエチレンランダムコポリマー、
[η]2.05dl/g、エチレン含有量4.8wt
%)に変更した。
【0053】銘柄をCからDへ変更するにあたり、実施
例1と同様に、まずプロセスコンピュータ2上で、次銘
柄のDの製造処方と現在銘柄Cと次銘柄Dへ変更するた
めの変更論理を使用して、触媒、プロピレン、水素、エ
チレン各原料の供給量の時系列パターンデータを作成し
た。この時系列パターンデータをダイナミックシミュレ
ータ3に転送してダイナミックシミュレーションを実行
した。当初作成された時系列パターンデータでは、途中
で反応熱が過少となり重合温度の低下等、系内が不安定
になることが予想された。このため、触媒供給量、水素
供給量、系外パージ量及びエチレン供給量の変更論理が
変更された。
【0054】再びプロセスコンピュータ2で時系列パタ
ーンデータを作成し上記の操作を繰り返した。修正した
パターンデータで適切に運転できると判断されたため、
そのパターンデータをプロセスコンピュータ2からDC
S1へ転送した。DCS1により、時系列パターンデー
タにしたがった、触媒供給量、モノマー供給量、水素供
給量、系外パージ量、エチレン供給量の自動変更が行わ
れ、銘柄変更が安定的に実施された。
【0055】銘柄変更に要した時間は、6時間であっ
た。シミュレーション及びプラント実行結果を図12〜
図14に示した。実施例3での銘柄変更については、過
去に行った実績がないものであったが、ダイナミックシ
ミュレーションを実施して系内の挙動を予め把握するこ
とができたので、効率的かつ安定的に銘柄変更を遂行す
ることが可能であった。
【0056】
【発明の効果】本発明により、多岐にわたる煩雑な操作
が必要であったポリマーの銘柄変更操作が、安定的かつ
効率的に実施されるようになり、工業的価値は極めて大
きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態の製造銘柄変更方
法の実行作業を示す概念図である。
【図2】本発明の好ましい実施の形態の製造銘柄変更装
置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】製造銘柄変更の具体的手順を示すフローチャー
トである。
【図4】銘柄データベースの例を示す図である。
【図5】変更論理の例を示す図である。
【図6】銘柄Aから銘柄Bに銘柄変更する実施例1にお
ける触媒供給量とエチレン供給量のシミュレーション実
施結果とプラント実行結果を示すグラフである。
【図7】実施例1における水素供給量と反応熱のシミュ
レーション実施結果とプラント実行結果を示すグラフで
ある。
【図8】実施例1におけるエチレン含有率と極限粘度
[η]のシミュレーション実施結果とプラント実行結果
を示すグラフである。
【図9】銘柄AからBへ銘柄変更する比較例1(手動操
作)における触媒供給量とエチレン供給量のプラント実
行結果を示すグラフである。
【図10】比較例1における水素供給量と反応熱のプラ
ント実行結果を示すグラフである。
【図11】比較例1におけるエチレン含有率と極限粘度
[η]のプラント実行結果を示すグラフである。
【図12】銘柄Cから銘柄Dに銘柄変更する実施例2に
おける触媒供給量とエチレン供給量のシミュレーション
実施結果とプラント実行結果を示すグラフである。
【図13】実施例2における水素供給量、系外パージ量
と反応熱のシミュレーション実施結果とプラント実行結
果を示すグラフである。
【図14】実施例2におけるエチレン含有率と極限粘度
[η]のシミュレーション実施結果とプラント実行結果
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 DCS(分散型制御システム) 2 プロセスコンピュータ 2A 銘柄データベース 2B 変更データベース 3 ダイナミックシミュレータ 4 ゲートウェイ 5 LAN(ローカルエリアネットワーク) 6 制御コンピュータ 9 製造プラント 11 パターンデータ作成部 12 パターンデータ判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鯨 稔夫 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 角井 国洋 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 木原 敏秀 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 林田 豊 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 三 井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J011 AA01 AA04 AA07 AB01 AB02 AB04 AB08 AB10 BA01 BA06 BB01 BB02 BB04 BB17 BB18 4J100 AA02Q AA03P CA01 CA04 DA09 FA08 FA47 5H219 AA05 BB01 CC11 DD01 EE02 FF01 HH28 HH30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現在生産している銘柄から次に生産する
    銘柄にポリマーの製造銘柄を変更する製造銘柄変更方法
    において、 現在の銘柄から次銘柄へ変更するのに必要な各操作項目
    の値を現在の値から次銘柄の目標値へ変更する時系列の
    パターンデータを作成する第1の段階と、 前記パターンデータを使用して、模擬的に銘柄変更を実
    施し系内の挙動のシミュレーションを行う第2の段階
    と、 前記シミュレーションの結果に基づいてそのパターンデ
    ータが適正かどうかを判定する第3の段階と、 前記第3の段階においてパターンデータが不適正と判断
    された場合にはパターンデータの修正を行い、その後、
    前記第2の段階及び前記第3の段階を繰り返す第4の段
    階と、 前記第3の段階においてパターンデータが適正と判断さ
    れた場合にはそのパターンデータに基づいて実プラント
    において銘柄変更を行う第5の段階と、を有することを
    特徴とするポリマーの製造銘柄変更方法。
  2. 【請求項2】 ポリマーの製造銘柄変更が、ポリオレフ
    ィンの分子量または共重合成分の含有量の異なる銘柄の
    変更であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー
    の製造銘柄変更方法。
  3. 【請求項3】 ポリマーの製造銘柄変更が、ポリプロピ
    レンの分子量または共重合成分の含有量の異なる銘柄の
    変更であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー
    の製造銘柄変更方法。
  4. 【請求項4】 複数のポリマーの製造銘柄の製造処方を
    インデックスとして登録しておく銘柄データベースと、 現在生産している銘柄と次生産銘柄の組み合わせに対応
    して、銘柄を変更するために必要な操作の変更論理を登
    録しておく変更データベースと、 前記銘柄データベース及び前記変更データベースより現
    在の銘柄から次銘柄へ変更するのに必要な各操作項目の
    値を現在の値から次銘柄の目標値へ変更する時系列のパ
    ターンデータを作成するとももに、パターンデータが不
    適正と判断された場合にはパターンデータの修正を行う
    パターンデータ作成手段と、 前記パターンデータを使用して、模擬的に銘柄変更を実
    施し系内の挙動のシミュレーションを行うダイナミック
    シミュレータと、 前記シミュレーションの結果に基づいてそのパターンデ
    ータが適正かどうかを判定するパターンデータ判定手段
    とを有し、 前記パターンデータ判定手段においては適正なパターン
    データと判定されるまで、パターンデータの修正とシミ
    ュレーションとを繰り返すことにより、最適な時系列の
    パターンデータを作成する、ポリマーの製造銘柄変更装
    置。
  5. 【請求項5】 前記銘柄データベースには、重合温度、
    重合圧力、及びポリマーを製造するのに必要な各原料供
    給量が登録されていることを特徴とする請求項4に記載
    のポリマーの製造銘柄変更装置。
  6. 【請求項6】 変更データベースには、重合温度及びポ
    リマーを製造するのに必要な各原料供給量の、時系列の
    値を決定するために必要な変更論理が登録されているこ
    と特徴とする請求項1または2に記載のポリマーの製造
    銘柄変更装置。
  7. 【請求項7】 ポリマーの製造銘柄変更が、ポリオレフ
    ィンの分子量または共重合成分の含有量の異なる銘柄の
    変更であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに
    記載のポリマーの製造銘柄変更装置。
  8. 【請求項8】 ポリマーの製造銘柄変更が、ポリプロピ
    レンの分子量または共重合成分の含有量の異なる銘柄の
    変更であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに
    記載のポリマーの製造銘柄変更方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003076934A (ja) * 2001-09-03 2003-03-14 Tosoh Corp ポリマーの物性予測方法及びそれを用いたプラントの運転制御方法
JP2008542497A (ja) * 2005-06-03 2008-11-27 ユニベーション・テクノロジーズ・エルエルシー 反応移行の間のオフグレード製品の生産を減らす方法
CN102585059A (zh) * 2012-02-07 2012-07-18 沈阳华控科技发展有限公司 一种聚氯乙烯批量生产过程控制系统

Cited By (4)

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CN102585059A (zh) * 2012-02-07 2012-07-18 沈阳华控科技发展有限公司 一种聚氯乙烯批量生产过程控制系统
CN102585059B (zh) * 2012-02-07 2014-03-19 沈阳华控科技发展有限公司 一种聚氯乙烯批量生产过程控制系统

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