JP2000318177A - インクタンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録装置の記録ヘッドに用い
る交換可能の分離型インクタンクが、特に大容量の場合
など、インクタンク交換時にインクタンク供給口１に装
着されたキャップ３を外す際に、タンク内の吸収体３に
保持されていないフリーなインクが飛散して、手指や衣
服その他周囲を汚染する可能性を防止する手段を提供す
る。 【解決手段】 このため、インクタンクのインク供給口
１とキャップ２との間を連絡する、例えば蛇腹状の伸縮
自在の管部材１０等により、スペースを介して間接的
に、かつ、インク供給口１から簡単に取外し可能に結合
するよう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に用いるインクカートリッジ用の交換可能なイン
クタンクに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、インクジェット記録装置の記録ヘ
ッドに液体インクを供給する手段として、インクタンク
内部に負圧を発生させるためのインク吸収体を収納し、
このインク吸収体の発生負圧により、インク吐出口部に
安定したインクのメニスカスを維持でき、適切なインク
供給が行えるようにするものがある。この負圧発生源と
しては、インクタンクの内部にスポンジのようなインク
吸収体を収納して多孔質体の毛管力を利用するものや、
袋状のインク収納部にばねを設け、インクの消費による
袋の内側への変形に抵抗する力を与えることで負圧を形
成するもの等が知られている。

【０００３】図３に、従来のインク充填状態のこの種の
インクタンクの一例の全体断面図を示す。インク供給口
１にはキャップ２が装着されている。供給口１は、イン
ク吸収体３と隣接しており、供給口１内部は、インク吸
収体３でほぼ充填されている。このインク吸収体３は、
ウレタンフォーム等の多孔質体で圧縮された形でインク
タンク内部に収容され、その上面は、複数の抑えリブ７
で下方向に抑えつけられている。インク吸収体収容部上
部には、大気連通口５があり、外気と連通していて、イ
ンクタンク内部の気圧が外気圧と同等に保たれる。な
お、この大気連通口５は、梱包時には、剥離可能なテー
プかフィルム状のものでシール８が貼り付けられている
が、記録に使用する際は、これを剥がして使用する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、近年のイン
クジェット記録ヘッドにおいては、益々の高速化を目指
して多ノズル化するもの、小型化するもの、低ランニン
グコストを目指して大容量インクタンクを用いるもの、
あるいは写真並みの高画質を目指して濃淡カラーインク
を用いるもの等と、用途に応じて多極化傾向にある。

【０００５】特に大容量インクタンクや濃淡インクタン
クの場合、インクタンク自体の重量が大きくなること
や、多ノズル化に伴いインク供給口の径も増大するの
で、交換可能な分離型インクタンクの場合、そのインク
供給口からのインクの漏れが発生し得るようになってき
た。

【０００６】特にインクタンクが梱包されて流通過程に
あるとき、様々の姿勢変化や、温湿度及び気圧の変化
や、振動、衝撃の影響等を経て、インクタンクに収納さ
れたインク吸収体による負圧だけでは、インク吸収体に
保持されるべきインクの全てを保持しきれるわけではな
い。

【０００７】図４に、図３の前記インクタンクの大気連
通口５の前記シール８を剥がし、前記キャップ２を外し
た状態の全体断面図を示す。仮に、このインクタンクが
流通過程において減圧状態で置かれた場合、タンク内部
が外部に比ベて減圧された状態で、シール８を剥がして
大気連通口５から外気により加圧されると、インク吸収
体３が加圧されてインク供給口１側へ押し出され、キャ
ップ２を外した時にインク漏れとなって飛散する可能性
がある。このような気圧変動のみならず、振動、衝撃等
によっても、タンク内部の均衡が崩れ、キャップ２を外
した場合に、同様の弊害が発生する可能性がある。

【０００８】すなわち、インクタンク交換時に流通過程
を経たインクタンクの供給口１に取り付けられたキャッ
プ２の裏側に、インク吸収体３で保持しきれなかったイ
ンクが、ある程度溜まって付着しているので、キャップ
２を外す際に、吸収体３に保持されていないフリーなイ
ンクが飛び散り、手指や衣服その他周囲にあるインクで
汚染されてしまう可能性がある。

【０００９】本発明は、以上のような局面にかんがみて
なされたもので、その目的とするところは、インクタン
ク交換時のかかる事故と不安を回避するために、インク
供給口に取り付けられたキャップ構造を改善する手段を
提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
インクタンクのインク供給口１とキャップ２との間を連
絡する管部材などによるスペースを介して間接的に結合
させることで、キャップ２を外した際に、いきなりタン
ク内部でフリーとなったインクが外部に晒される前に、
前記管部材の内部に留まるような構造にすることでイン
クの飛散を回避できるようにする必要がある。

【００１１】また、インク供給口１とキャップ２との間
にあるスペースは、好ましくは梱包時のインクタンク形
状を出来るだけ突起の少ない単純形とするために、伸縮
自在の管部材を用いて、キャップされた状態では、キャ
ップ２の内側に折りたたまれて、インク供給口１に直接
キャップされていることが望まれる。

【００１２】更には、インク供給口１とキャップを結ぶ
管はインクタンクの記録ヘッドへの装着を妨害しないよ
うにインク供給口１からは、簡単に外れるようになって
いる必要がある。

【００１３】このため、本発明においては、以下の各項
（１）〜（３）のいずれか記載のインクタンクを提供す
ることにより、前記目的を達成しようとするものであ
る。

【００１４】（１）保持するインクに負圧を発生させる
負圧発生部材を収容するインク吸収体収容部から、イン
ク供給口を介して、インクジェット記録ヘッドに前記イ
ンクが供給されるインクタンクにおいて、梱包時では、
前記インク供給口にキャップがなされており、該キャッ
プと前記インク供給口とが、伸縮自在の管部材で連通し
ていることを特徴とするインクタンク。

【００１５】（２）前記インクタンクは、前記インク供
給口に前記キャップがなされている状態では、前記伸縮
自在の管部材は、前記キャップの内側に折りたたまれた
状態にあり、該キャップが外されると同時に折りたたま
れた前記管部材が引き伸ばされることを特徴とする前項
（１）記載のインクタンク。

【００１６】（３）前記インクタンクは、前記インクジ
ェット記録ヘッドに装着して使用されるものであり、そ
の際に前記供給口と伸縮自在の管部材とは、取り外し可
能であることを特徴とする前項（１），（２）のいずれ
か記載のインクタンク。

【００１７】

【作用】以上のような本発明構成により、流通過程を経
たインクタンクを使用する際、キャップを外した際に、
インク滴が直接外気に飛散して、周囲を汚損する怖れが
なく、また、キャップされている状態では、梱包時に
は、実質的に従来の形態を維持できる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を一
実施例に基づき、図面を参照して詳細に説明する。

【００１９】図１に、本発明に係る一実施例のインクタ
ンクの、使用以前の状態の全体断面図を示す。各構成要
素の符号は、前記図３，４と同一の符号を付す。インク
供給口１の外壁に伸縮自在の例えば蛇腹状の管部材１０
の一端を取り付け、更にこの管部材１０のもう一端を、
キャップ２の内側に取り付け、インク供給口１に従来形
態と同様にキャップする。その際、この管部材１０は、
圧縮されて折りたたまれた状態でキャップ２の内側に収
納されている。

【００２０】図２は、図１のインクタンクの大気連通口
５のシール８を剥がし、キャップ２を外した状態の全体
断面図である。大気連通口５から外気が入り込み、加圧
されてインク滴９がインク供給口１から押し出されて
も、インク供給口１とキャップ２とが、伸縮自在の管１
０で連結されているため、インク滴９は、管部材１０の
内部またはキャップ２の内側に受け止められる。なお、
キャップ２を外した後は、管部材１０をインク供給口１
から外して記録ヘッドに装着できる。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクタ
ンクによれば、インク供給口とキャップとの間を、伸縮
自在の管部材で連結させることにより、流通過程を経た
インクタンクを使用する際、キャップを外した時に、イ
ンク吸収体で保持しきれなくなったフリーのインク滴
が、直接外気中に飛散することなく使用者の手指及び衣
服、または周囲を汚染する事故が未然に防止される。

【００２２】更に本発明では、インク供給口とキャップ
との間を介在させる管部材が伸縮自在であるために、キ
ャップをされている状態では、キャップの内側に折りた
たまれて収納されているので、梱包時は従来の形態を実
質的にそのまま維持できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例インクタンクの使用前状態の全体断面
図

【図２】 図１インクタンクのシールとキャップとを外
した状態の全体断面図

【図３】 インク充填状態の従来のインクタンクの一例
の全体断面図

【図４】 図３インクタンクのシールとキャップとを外
した状態の全体断面図

【符号の説明】

１ インク供給口 ２ キャップ ３ インク充填時のインク吸収体 ４ インク充填時のインク ５ 大気連通口 ６ 開口部 ７ 押さえリブ ８ シール ９ インク滴 １０ 伸縮自在の管部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 保持するインクに負圧を発生させる負圧
   発生部材を収容するインク吸収体収容部から、インク供
   給口を介して、インクジェット記録ヘッドに前記インク
   が供給されるインクタンクにおいて、 梱包時では、前記インク供給口にキャップがなされてお
   り、該キャップと前記インク供給口とが、伸縮自在の管
   部材で連通していることを特徴とするインクタンク。
2. 【請求項２】 前記インクタンクは、前記インク供給口
   に前記キャップがなされている状態では、前記伸縮自在
   の管部材は、前記キャップの内側に折りたたまれた状態
   にあり、該キャップが外されると同時に折りたたまれた
   前記管部材が引き伸ばされることを特徴とする請求項１
   記載のインクタンク。
3. 【請求項３】 前記インクタンクは、前記インクジェッ
   ト記録ヘッドに装着して使用されるものであり、その際
   に前記供給口と伸縮自在の管部材とは、取り外し可能で
   あることを特徴とする請求項１，２のいずれか記載のイ
   ンクタンク。