JP2000318159A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

Info

Publication number
JP2000318159A
JP2000318159A JP13268199A JP13268199A JP2000318159A JP 2000318159 A JP2000318159 A JP 2000318159A JP 13268199 A JP13268199 A JP 13268199A JP 13268199 A JP13268199 A JP 13268199A JP 2000318159 A JP2000318159 A JP 2000318159A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
recording medium
recording
electrode
counter electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13268199A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Muramatsu
博之 村松
Seiji Kuwabara
誠治 桑原
Atsuya Akase
篤也 赤瀬
Shige Sato
樹 佐藤
Koji Kawaguchi
幸治 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP13268199A priority Critical patent/JP2000318159A/ja
Publication of JP2000318159A publication Critical patent/JP2000318159A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電加速型のインクジェット記録装置におい
て、被記録媒体の被印字面の電位状態は、被記録媒体の
電気的物性により影響を受けるため、インクが噴出する
のに必要な静電引力が異なるため、所定の印加電圧、電
極間距離であっても、インクが噴出しなかったり、濃度
などの印字特性が異なる。 【解決手段】 被記録媒体400の表面抵抗率などの電
気的物性値を測定する手段と、前記測定手段より測定さ
れた物性値に応じて、記録電極40と対向電極60間の
電場強度を制御する手段を具備し、電気的物性値が異な
る被記録媒体を使用しても、前記電極間の電場強度制御
手段により、所定の電場強度とすることで、安定したイ
ンク噴出が行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高品質画像の高
速出力が要求される印刷業界から、オフィス、パーソナ
ルな要求に基づくプリンタ業界、多種多用な被記録媒体
を用いる低価格な汎用出力機器等を求める民生品業界ま
での広範なニーズに対応可能な出力画像を被記録媒体に
得るためのインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録装置の例を図
8に示す。図8において、インク200は付着力や磁力
(磁性インクを用いた場合)等の保持力によって記録電極
100に保持されており、また被記録媒体400も制御
電極300に密着して配置されている。モーター900
及び制御電極300は基台800に取り付けられてい
る。記録電極100はヘッド基台120に取り付けられ
ており、モーター900に連結されたボールネジ160
によって基台800上を矢印の方向にスライドして移動
し、記録電極100と被記録媒体400の表面との間隔
を変化できるようになっている。高圧電源600の出力
電力及び電圧駆動回路700の電圧印加時間は所定の一
定値にあらかじめ設定されており、インク200の温度
が常温(たとえば20℃)の状態で印字濃度が最も適当
となるように、記録電極100と被記録媒体400の表
面との間の距離が調整されている。ヘッド基台120に
は位置検出片110が、基台800には位置検出素子1
30が取り付けられており、位置検出素子によって検出
された位置検出片110の位置は電気信号に変換されて
モーター制御回路150にフィードバックされている。
記録電極100の近傍には、温度検出素子140が、イ
ンク200の温度を検出できるようにインク200に接
触して設けられており、温度検出素子140によって検
出された温度は電気信号に変換されて、モーター制御回
路150にフィードバックされる。温度検出素子140
によって検出された温度が常温20℃よりも高い場合に
は記録電極100と被記録媒体400の表面との距離を
遠ざけ、インク200に働く静電引力を弱くし、また常
温よりも低い場合には、記録電極100と被記録媒体4
00の表面との距離を近づけ、インク200に働く静電
引力を強め、インク200の温度が変化してもインク2
00の飛翔に用いられるエネルギーが一定になるように
する。以上のような構成により、記録電極に保持されて
いるインクの温度を検出し、その温度に応じて記録電極
と制御電極の距離を変化させることによって、インクに
加わる静電エネルギーを一定とし、常に印字濃度を一定
とする。(特公昭60−54876)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】静電加速式のインクジ
ェット記録装置は湿度などの環境条件により、印字特性
に影響を受ける。たとえば湿度により静電気が異なるた
め同一条件でもインク噴出が行われない場合がある。従
来例では温度の影響を考慮して、環境の変化によらず安
定したインク噴出を行うこととしているが、従来の静電
加速型のインクジェット記録方式におけるインクジェッ
ト記録ヘッドおよびインクジェット記録装置において
は、下記の課題があった。
【0004】紙などの被記録媒体の被印字面における表
面電位などの電位状態は、被記録媒体の電気的物性など
により影響を受ける。そのためインクが噴出するのに必
要な静電引力がその状態によって異なり、所定の印加電
圧、電極間距離であっても、インクが噴出しなかった
り、濃度などの印字特性が異なり、印字結果にかすれ、
不良ドットが生じるといった問題点があった。また、被
記録媒体内で表面電位などの電位状態に分布が存在する
場合、印字結果にむらが生じるなどの問題があった。そ
こで本発明のインクジェット記録装置は、電気的物性値
が異なる被記録媒体を使用しても、安定にインク噴出を
行うことができ、さらにむらのない高品質な印字を可能
にすることを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、被記録媒体
の抵抗率などの電気的物性値を測定する手段と、前記測
定手段より測定された物性値に応じて、記録電極と対向
電極間の電場強度を制御する手段を具備する構成とした
ので、電気的特性が異なる被記録媒体を使用しても、前
記電場強度制御手段により、所定の電場強度とすること
で、安定したインク噴出が行えることとしている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録装置
においては、表面電位計などの被記録媒体の電気的物性
値を測定する手段を有し、さらに前記電気的物性値の測
定手段により測定された被記録媒体の電気的物性値に対
応して、記録電極、対向電極間の距離などを調整するこ
とにより電場強度を制御する手段を有することで、電気
的物性値が異なる被記録媒体に対しても安定してインク
を噴出させる。さらに以上のインク噴出を連続して行
い、被記録媒体あるいはインクジェット記録ヘッドを走
査し記録画像を形成する。また、同様のヘッドを複数個
用意し、それぞれに異なる色のインクを被記録媒体に噴
出させ、それぞれの色を重ねて印字し、記録画像を形成
することにより、カラー画像を形成する。
【0007】前記電気的物性値を測定する手段は、被記
録媒体の体積抵抗率などの抵抗率を測定する手段でも良
い。さらに、前記電場強度制御手段は、付加的に被記録
媒体に電圧を印加する手段でも良く、また前記電気的物
性値を測定する手段を複数個用いることでもできる。
【0008】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]本発明における
インクジェット記録装置の実施の形態1を、図1を用い
て説明する。図1は本発明の実施の形態1に関わるイン
クジェット記録装置のインクジェット記録ヘッド10お
よび対向電極60、被記録媒体400の配置を示した斜
視図である。
【0009】はじめに本実施の形態のインクジェット記
録装置の構成要素について説明する。図1において、ヘ
ッド10はヘッド上板12a、ヘッド下板12bとで開
口部11を構成する。ヘッド10の開口部11の長手方
向を主走査方向、開口部11の短手方向を副走査方向と
すると、ヘッド下板12b上に主走査方向に対してAl
の複数の記録電極40を一定の間隔を置いて配置する。
ヘッド上板12aには、チューブなどのインク供給路9
0が接続され、インクタンク等のインク供給手段(図示
せず)により前記開口部にインクを供給する。ヘッド1
0はヘッド支持体67に取り付けられ、ヘッド位置移動
手段70によりヘッド10の位置を調整することが可能
である。
【0010】前記記録電極40は図示しない電源に電気
的に接合され、複数の記録電極40には画像信号に対応
した電圧をそれぞれ選択して印加することが可能となっ
ている。次に対向電極60について説明する。前記開口
部11と一定の空隙を隔てて対向電極60を配置し、前
記対向電極60と開口部11間に図示しない紙搬送系に
より被記録媒体400を配置する。前記対向電極60は
図示しない電源につながれ、前記記録電極40とは異な
る電位の電圧を印加することができる。
【0011】ヘッド上板12a及び、ヘッド下板12b
は、開口部形状を精度良く作成するためにガラスあるい
はSiなどを用いることが望ましく、本実施の形態では
ガラス(体積抵抗率1.0×1015Ω・cm)を用いた。
記録電極40のパターンニングは基板上にアルミを真空
蒸着した後、このアルミ薄膜に化学エッチング処理を施
すことで作製した。記録電極の本数は、特に制限はな
く、スイッチングするドライバICの能力に左右され
る。また記録電極40は50〜150μmピッチが適当
であるが、今回は140μmピッチで作製した。本実施
の形態では記録電極40の材料にアルミを用いて形成し
たが、特にこれに限定されるわけではなく、銅、クロ
ム、金、ニッケル等の金属材料を用いても構わないこと
は言うまでもない。また、対向電極60は開口部11と
向かい合う面が平行であればその他の形状は、特に制限
されない。対向電極60は腐食しにくく、傷の付きにく
いステンレス鋼で作成したが、アルミ、銅等の金属材料
を用いてもよい。
【0012】次に本実施の形態に用いる被記録媒体につ
いて以下に記す。被記録媒体400は、通常のコピー紙
(PPC紙)、インクジェットプリンタ専用紙等の紙とさ
らにPET、ポリイミド、OHPなどの樹脂フィルムでも良
く、体積抵抗率が1.0×107(Ω・cm)程度以上
であれば材料に限定されない。被記録媒体400はロー
ラなどの紙搬送機構50により副走査方向に搬送され
る。
【0013】次に本実施の形態の表面電位計80及び紙
搬送系について説明する。被記録媒体400と対向電極
60付近に被記録媒体400の表面電位を測定する表面
電位計80を設ける。表面電位計80は、印字前の被記
録媒体400の表面電位状態を測定することが望まし
く、たとえば図1において、図面下方向に被記録媒体が
1ライン印字毎に走査される場合、表面電位計80は対
向電極60よりも図面上方向に設置されることが望まし
い。さらに被記録媒体400の表面電位は対向電極60
側の面とヘッド10側の面とで異なる可能性があるた
め、ヘッド10側の表面電位を測定できるように表面電
位計80を配置する事が望ましい。
【0014】表面電位計80は電位計の検知電極を電界
方向に周期的に移動させることにより、測定対象物体と
検知電極間の静電容量を周期的に変化させ、この変化に
応じて発生する交流電流を信号として取り出す静電容量
型や、電位計の検知電極に入射する電気力線を周期的に
遮断する事により、検知電極上に誘起される電荷量を測
定するチョッパ型を用いるができる。本実施の形態では
チョッパ型の表面電位計を用い、被記録媒体400の表
面電位を接触せずに測定することが可能である。
【0015】次に本発明に用いるインクの条件について
以下に記す。インク物性としてインク吐出に大きく寄与
する因子としては、表面張力、粘度、抵抗率とが挙げら
れる。表面張力と対向電極に噴出されるインクの最大間
隔(以下最大記録間隔とする)との関係は、抵抗率と粘
度を一定と考えた場合、最大記録間隔は、表面張力が2
0〜50dyn/cmの範囲では表面張力の減少に従っ
て増加する。よって、表面張力が小さい程、インク噴出
過程における抵抗力が小さくなり、弱い電界でもインク
噴出が可能なため、最大記録間隔を大きくすることがで
きる。表面張力は一般に水性インクの方が高く純水で7
2.8dyn/cm(20℃)であるが、有機溶剤は2
0dyn/cmから35dyn/cmであるから、本発
明のインクとしては、有機溶剤に染料を溶解したインク
を用いることができる。また、上記インクに界面活性剤
としてアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イ
オン界面活性剤などを溶解して表面張力を改善すること
により前記最大記録間隔を増加させることも可能であ
る。
【0016】前記インク溶剤の粘度は広い範囲にて選択
できるが、粘度が低い溶剤は揮発性が高いため、前記イ
ンクの保存性が悪くなり、保存性を確保するために沸点
が200℃以上である範囲の溶剤を選択する。粘度と最
大記録間隔との関係は、表面張力と抵抗率を一定と考え
た場合、最大記録間隔は粘度の減少とともに増加する。
よって、表面張力の場合と同様に粘度の低いときはイン
ク噴出過程における抵抗力が小さくなり最大記録間隔を
大きくすることができる。
【0017】前記インクが噴出するためには、ヘッド部
の記録電極40からインクに電荷のチャージが必要なた
め、抵抗率としては高いことが望ましいが、抵抗率が高
すぎると十分なチャージが行われないため、本実施の形
態では体積抵抗率1.0×107〜1.0×109(Ω・c
m)のインクを用いた。開口部11は図示しないインク
供給手段により、インク供給路90よりインク自重およ
び大気圧によるほぼ一定の圧力を受けながらインク室を
介して供給される。インクにかかる静圧は開口部11で
のインクの表面張力と釣り合い、半月状の凸面、すなわ
ちメニスカスを形成し、この状態を保持している。この
ために必要なインク静圧は開口部面積、インク粘度等で
決定される。
【0018】尚、上記のインク物性設定値に関しては、
前記記録電極40と対向電極60間に供給する電圧値お
よび前記記録電極40と対向電極60間の距離、開口部
11の大きさ等にインク飛躍の可否が依存するため、最
適な表面張力、粘度、抵抗率等の特性範囲は必ずしも上
記値に限定されないことは言うまでもない。次に本実施
の形態のインク噴出動作について説明する。
【0019】対向電極60及びヘッド10内に設けられ
た記録電極40に電圧を印加すると、図示しないインク
液面にq1で表される電荷、被記録媒体400の表面に
2で表される電荷が発生し、インク液面と被記録媒体
400の表面との距離をrとすると、インク液面に F∝q1×q2/r2 ・ ・ ・(1) で表させるクーロン力が働き、このクーロン力により前
記インクは選択記録電極付近で、前記開口部11から対
向電極60に噴出する。
【0020】これにより、ドット状の記録が行われ、記
録ヘッド1ライン分の印字が終了後、さらに紙送り機構
50により、所定量分被記録媒体400を副走査方向に
移動させ、前記動作を繰り返して行うことにより、記録
画像を形成する。さらに図1のようなインク記録ヘッド
を複数用意し、それぞれのヘッドに異なる色のインクを
噴出させ、それぞれ色の異なる複数のドットを重ねて印
字することによりカラーの画像を被記録媒体400上に
描画させることも可能である。
【0021】この際、被記録媒体400に静電気などに
よる電荷が存在すると、前記記録電極40及び対向電極
60に一定の電圧を印加しても、非記録媒体400の非
電圧印加時の電位状態によってインク液面に働くクーロ
ン力の値が異なるため、電位状態に応じて(1)式より
1、q2あるいはr2 を制御する必要がある。本実施
の形態では、被記録媒体400の表面電位を表面電位計
80により測定し、制御部15により表面電位計80か
らの信号に応じてヘッド位置移動手段70に信号を印加
し、ヘッド10の位置を制御し、ヘッド10と対向電極
60の距離を制御することで、被記録媒体400に静電
気などによる電荷が存在しても安定してインクを噴出さ
せる。
【0022】対向電極60に対するヘッド10の位置の
制御は、被記録媒体400が存在しないときのヘッド1
0の位置を初期位置として、被記録媒体400の表面電
位に応じて行っても良いし、対向電極60とヘッド10
の距離を測定する手段を別に設け、その距離測定手段か
らの信号と表面電位計80との信号から制御部15によ
りヘッド位置移動手段70に信号を印加し、対向電極6
0とヘッド10の距離を調整しても良い。
【0023】本実施の形態の構成において、被記録媒体
400として厚み95μm、体積抵抗率4.2×1010
(Ω・cm)の普通紙(PPC紙)を用いたところ、印字
前の表面電位は20(V)程度、厚み100μm、体積
抵抗率5.2×1015(Ω・cm)のOHPのフィルム
を用いたところ、電圧印加前の表面電位は100(V)
程度存在した。この電位による表面の電荷状態に関わら
ず、ヘッド10と対向電極60の距離rを一定でインク
を噴出させたところ、ドットサイズは数10μm程度異
なり、表面電位が高いほどドット径は大きくなった。
(1)式により、ヘッド10と対向電極60間の距離r
を変化させることでクーロン力Fを調整し、安定にイン
ク噴出をさせることが可能である。本実施の形態では、
普通紙を用いた場合ではrは0.8μm程度、OHPで
は0.7μm程度としたところ、記録電極40に0.5
kv、対向電極60に1.0kVでパルス幅が1.0m
sの電圧を印加すると、被記録媒体の種類に関わらずド
ット径0.1μm程度のドット印字ができた。本実施の
形態では表面電位計80は対向電極60付近に設置した
が、実際に非記録媒体400上のインク噴出部と表面電
位計80の電位検出位置との主走査方向の距離を制御す
ることで、インク噴出部と表面電位計80の電位検出位
置の違いを考慮することも可能である。たとえば、表面
電位計80が電位を検出する時間と、ヘッド位置移動手
段70がヘッドの位置を制御する時間をインク噴出部と
電位検出位置の距離に応じた時間だけずらすことで達成
できる。
【0024】今回は被記録媒体の1点の表面電位を測定
したが、表面電位計80を複数個用いて被記録媒体40
0内で表面電位が異なる場合に、被記録媒体400内で
の表面電位の分布を測定し、インクを噴出させたい位置
付近の記録電極40に印加する電圧を、被記録媒体40
0内の表面電位分布と対応させて印加することで被記録
媒体400内で表面電位が異なる場合にも安定してイン
クを噴出させることが可能とすることもできる。 [実施の形態2]本発明のインクジェット記録装置の実
施の形態2を図2を用いて説明する。図2は本発明の実
施の形態2に関わるインクジェット記録装置のインクジ
ェット記録ヘッド10および対向電極60、被記録媒体
400の配置を示した斜視図である。
【0025】実施の形態1における表面電位計80の替
わりにゴムローラ51aおよび51bを用いて紙搬送手
段と抵抗計とすることで、被記録媒体の体積抵抗率を測
定する。その他の構成は実施の形態1と同じである。ゴ
ムローラ51a及び51bは被記録媒体400を副走査
方向に搬送するため、被記録媒体400と密着性が良
く、さらに被記録媒体の抵抗率を測定する必要があるた
め、特殊な導電性のゴムを使用し、紙搬送機構とした。
【0026】この導電性のゴムローラ51a、51bに
電圧を印加し、電流を測定することにより被記録媒体4
00の抵抗率を測定し、その信号に応じてヘッド位置制
御部17により、ヘッド位置移動手段70を制御する。
普通紙(PPC紙)の体積抵抗率は1.0×1010(Ω・
cm)、OHPは1.0×1014(Ω・cm)、インクジ
ェット専用紙は1.0×109(Ω・cm)程度であ
り、一般に体積抵抗率が大きいほど誘電率が高いため、
記録媒体400の表面に誘起される静電気による電位
は、体積抵抗率が大きいほど電位が高くなる。
【0027】また、対向電極60に電圧を印加した場合
の被記録媒体400上に誘起される電位とも相関があ
り、体積抵抗率が大きいほど電位が低くなる。そのため
(1)式より、被記録媒体400の体積抵抗率に応じて
ヘッド10と対向電極60間の距離rを変化させる等し
てインクに作用するクーロン力Fを制御する必要があ
る。実施の形態1と同様に、普通紙を用いた場合、rは
0.8μm程度、OHPでは0.7μm程度としたとこ
ろ、記録電極40に0.5kv、対向電極60に1.0
kVでパルス幅が1.0msの電圧を印加すると、被記
録媒体の種類に関わらずドット径0.1μm程度のドッ
ト印字ができた。本実施の形態ではゴムローラ51a、
51bは対向電極60付近に設置したが、実際に非記録
媒体400上のインク噴出部とゴムローラ51a、51
bの抵抗率測定位置との主走査方向の距離を制御するこ
とで、インク噴出部とゴムローラ51a、51bの抵抗
率測定位置の違いを考慮することも可能である。たとえ
ば、ゴムローラ51a、51bが抵抗率を測定する時間
と、ヘッド位置移動手段70がヘッドの位置を制御する
時間をインク噴出部と抵抗率測定位置の距離に応じた時
間だけずらすことで達成できる。そのため、非記録媒体
400の主走査方向を図2において図面上方向(矢印方
向)とすると、ゴムローラ51a、51bは対向電極6
0及びヘッド10よりも図面下方向に設置されることが
望ましい。
【0028】今回は体積抵抗率を測定したが、被記録媒
体400の表面抵抗率を測定することもできる。また、
体積抵抗率が被記録媒体400内で分布を持つような場
合、ゴムローラ51a、51bを複数に分割し、被記録
媒体400内での抵抗率の分布を測定し、インクを噴出
させたい位置に対応する記録電極40に印加する電圧
を、被記録媒体400内の各位置での抵抗率に応じて変
化させることで被記録媒体400内で表面電位が異なる
場合にも安定してインクを噴出させることが可能とする
こともできる。 [実施の形態3]本発明のインクジェット記録装置の実
施の形態3を図3、図5、図6を用いて説明する。実施
の形態1と異なり、ヘッド位置制御手段を有しない。図
3は本発明の実施の形態3に関わるインクジェット記録
装置のインクジェット記録ヘッド10および対向電極6
0、被記録媒体400の配置を示した斜視図であり、図
5、図6は表面電位計80、画像信号85からの信号に
応じて対向電極60及び記録電極40に電圧を印加する
時のブロック図を示したものである。
【0029】図5において従来は画像信号85により制
御部55に記録電極40、対向電極60に印加する電圧
信号が入力され、電圧印加手段16により記録電極4
0、対向電極60に電圧が印加され、インクにクーロン
力を与え、インク噴出を行っていた。しかし、被記録媒
体400に静電気などによる電位が存在する場合、この
電位をうち消す必要がある。図5において表面電位計8
0からの信号を制御部55に入力し、表面電位計80に
よって測定された表面電位をうち消す電圧を記録電極4
0あるいは対向電極60に印加する。
【0030】本実施の形態では、図6のように被記録媒
体の電位状態に対応した対向電極60、記録電極40間
の電場強度の制御に対向電極60に付加的な電圧を印加
することで行っている。たとえば図6において被記録媒
体400の電圧印加前の表面電位が0Vで、記録電極4
0に+0.5kV、対向電極に−1.5kV印加して所
望のインク噴出をおこなうことができる場合、被記録媒
体400の表面電位が+0.1kVであったとき、電圧
印加手段16aにより対向電極に画像信号85に応じる
電圧以外に−0.1kVの電圧を印加しておく。これに
より、結果として記録電極40、記録電極60間の電位
を所定のインク噴出に必要な電位とすることができる。
【0031】本実施の形態では図6のように、対向電極
60に付加的に電圧を印加することで非記録媒体の電位
状態に対応した電場強度としているが、図5において記
録電極40に付加的に電圧を印加することも可能であ
る。本実施の形態では、表面電位計を用いたが、実施の
形態2と同様に抵抗計を用いることもできる。 [実施の形態4]本発明のインクジェット記録装置の実
施の形態4を図4を用いて説明する。
【0032】図4は本発明の実施の形態4に関わるイン
クジェット記録装置のインクジェット記録ヘッドおよび
対向電極、被記録媒体の配置をヘッド上方から見た平面
図である。本実施の形態は距離制御手段を変えた例であ
る。ヘッド10はヘッド台座13に取り付けられ、ヘッ
ド台座13にはヘッド位置移動手段70を駆動する図示
しないモータが取り付けられている。ヘッド位置移動手
段70は対向電極台座61と連結され、対向電極60と
ヘッド10の距離を制御することが可能となっている。
表面電位計80により被記録媒体400の表面電位を測
定し、その値に応じてモータ制御部18により図示しな
いモータに電圧信号を入力し、対向電極60とヘッド1
0の距離を制御する。
【0033】このように、ヘッド位置移動手段70を介
してヘッド10側と対向電極60側とを連結することに
より、容易に対向電極60とヘッド10の距離を制御す
ることが可能となる。なお、本実施の形態では被記録媒
体400の電気的物性値測定手段として表面電位計を用
いたが、実施の形態2と同様に紙搬送機構50を抵抗計
とする事もできる。さらに複数個表面電位計80を用い
ることもできる。 [実施の形態5]本発明のインクジェット記録装置の実
施の形態5を図7を用いて説明する。図7は表面電位計
80、画像信号85からの信号に応じて対向電極60及
び記録電極40に電圧を印加する時の回路図を示したも
のである。本実施の形態は被記録媒体400内で、電場
状態に分布がある時に複数の表面電位計を用い、希望の
インク噴出位置付近の表面電位計からの信号を用いて、
複数の記録電極40に実施の形態3と同様に付加的に電
圧を印加する。記録電極40a、40bが表面電位計8
0a付近に存在し、記録電極40c、40dが電位計8
0b付近に存在する場合、記録電極40a、40bには
表面電位計80a、記録電極40c、40dには表面電
位計80bからの信号に対応して、付加的に電圧を印加
する。本実施の形態では、表面電位計が2個、記録電極
が4個ある場合であるが、この個数に限定されず、必要
に応じて何個でも用いられる。
【0034】
【発明の効果】本発明では、以上説明したように、紙な
どの被記録媒体の被印字面の電気的物性値が異なる場合
においても、被記録媒体の表面電位などの電気的物性値
を測定する手段と、前記測定手段より測定された物性値
に応じて、記録電極と対向電極間の電場強度を制御する
手段を有する構成としたので、電気的特性が異なる被記
録媒体を使用しても、前記電極間の電場強度制御手段に
より、所定の電場強度とすることができ、安定したイン
ク噴出が可能となるため、かすれ、不良ドットのない高
品質な印字を行えるという効果がある。
【0035】さらに上記の電気的物性値測定手段を複数
個有することで、電位状態の分布が存在する場合におい
ても、むらのない印字が可能となり、高品質な印字が行
えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施の形態1に関わる記録ヘッ
ド、被記録媒体および対向電極の構造、位置関係を示す
説明図である。
【図2】本発明における実施の形態2に関わる記録ヘッ
ド、被記録媒体および対向電極の構造、位置関係を示す
説明図である。
【図3】本発明における実施の形態3に関わる記録ヘッ
ド、被記録媒体および対向電極の構造、位置関係を示す
説明図である。
【図4】本発明における実施の形態4に関わる記録ヘッ
ド、被記録媒体および対向電極の構造、位置関係を示す
説明図である。
【図5】本発明における実施の形態3に関わるインクジ
ェット記録装置を示すブロック図である。
【図6】本発明における実施の形態3に関わるインクジ
ェット記録装置を示すブロック図である。
【図7】本発明における実施の形態5に関わるインクジ
ェット記録装置を示すブロック図である。
【図8】従来のインクジェット記録装置の一例を示す説
明図である。
【符号の説明】
2 インク液面 11 開口部 10 ヘッド 12a ヘッド上板 12b ヘッド下板 13 ヘッド台座 15 制御部 16 電圧印加手段 16a 電圧印加手段 16b 電圧印加手段 17 ヘッド位置制御部 18 モータ制御部 40 記録電極 40a〜40d 記録電極 50 紙搬送機構 51a ゴムローラ 51b ゴムローラ 53 電圧制御部 55 制御部 55a 制御部 55b 制御部 60 対向電極 61 対向電極台座 67 ヘッド支持体 70 ヘッド位置移動手段 80 表面電位計 80a、80b 表面電位計 85 画像信号 90 インク供給路 400 被記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤瀬 篤也 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 佐藤 樹 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 川口 幸治 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA09 EB13 EB29 EC07 EC38 FA07 2C057 AF71 BD05 BD11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部と、 前記開口部に連通してインクを満たす液室を形成する支
    持体と、 前記開口部付近に配置された複数の記録電極と、 前記記録電極と微少間隔を介して対向する位置に配置し
    た対向電極と、 前記記録電極と前記対向電極間に電圧を与える電源回路
    と前記インクを前記開口部に供給するインク供給手段
    と、 前記対向電極と前記開口部間に被記録媒体を配置し、 前記被記録媒体を搬送する搬送機構を少なくとも有する
    インクジェット記録装置において、 前記被記録媒体の電気的物性を検出する手段と、 前記記録電極と前記対向電極間の電場強度を制御する電
    場強度制御手段を有し、 前記電気的物性検出手段によって検出した電気的物性に
    応じて前記電場強度制御手段により電場強度を制御する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット記録装
    置において、前記電気的物性検出手段が、被記録媒体の
    体積抵抗率あるいは表面抵抗率を検出する手段であるこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のインクジェット記録装
    置において、前記電気的物性検出手段が、被記録媒体の
    表面電位を検出する手段であることを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のインクジェット記録装
    置において、前記体積抵抗率あるいは表面抵抗率を検出
    する手段を複数個用いることを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のインクジェット記録装
    置において、前記表面電位を検出する手段を複数個用い
    ることを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項2から5に記載のインクジェット
    記録装置において、前記電場強度制御手段が、前記記録
    電極と前記対向電極間の距離を制御する手段であること
    を特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項2から5に記載のインクジェット
    記録装置において、前記電場強度制御手段が、前記電源
    回路に信号を入力し、前記記録電極あるいは前記対向電
    極に印加する電圧を制御する電圧制御手段であることを
    特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のインクジェット記録装
    置において、前記電圧制御手段が前記記録電極に印加す
    る電圧を制御することを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載のインクジェット記録装
    置において、前記電圧制御手段が前記対向電極に印加す
    る電圧を制御することを特徴とするインクジェット記録
    装置。
JP13268199A 1999-05-13 1999-05-13 インクジェット記録装置 Pending JP2000318159A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13268199A JP2000318159A (ja) 1999-05-13 1999-05-13 インクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13268199A JP2000318159A (ja) 1999-05-13 1999-05-13 インクジェット記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000318159A true JP2000318159A (ja) 2000-11-21

Family

ID=15087038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13268199A Pending JP2000318159A (ja) 1999-05-13 1999-05-13 インクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000318159A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005014289A1 (ja) * 2003-08-08 2005-02-17 Konica Minolta Holdings, Inc. 液体吐出装置、液体吐出方法及び回路基板の配線パターン形成方法
JP2007076212A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2010201880A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及び画像形成方法
WO2013058530A2 (ko) * 2011-10-18 2013-04-25 엔젯 주식회사 잉크 분사 장치 및 방법
US8485645B2 (en) 2006-09-08 2013-07-16 Seiko Epson Corporation Liquid ejecting apparatus

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005014289A1 (ja) * 2003-08-08 2005-02-17 Konica Minolta Holdings, Inc. 液体吐出装置、液体吐出方法及び回路基板の配線パターン形成方法
JP2007076212A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
US8485645B2 (en) 2006-09-08 2013-07-16 Seiko Epson Corporation Liquid ejecting apparatus
JP2010201880A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及び画像形成方法
WO2013058530A2 (ko) * 2011-10-18 2013-04-25 엔젯 주식회사 잉크 분사 장치 및 방법
KR101266984B1 (ko) 2011-10-18 2013-05-22 엔젯 주식회사 잉크 분사 장치 및 방법
WO2013058530A3 (ko) * 2011-10-18 2013-07-04 엔젯 주식회사 잉크 분사 장치 및 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1742803B1 (en) Image forming apparatus
US8651614B2 (en) Inkjet printing apparatus and ink discharge control method
US6106089A (en) Magnetic sensor for ink detection
US7334858B2 (en) Image forming apparatus
US7980672B2 (en) Inkjet printing apparatus and printing method
JP2001315426A (ja) インクジェット式印刷方法及び印刷装置
US8425011B2 (en) Inkjet printing apparatus and method thereof
US7735950B2 (en) Printing apparatus and printing medium conveying apparatus
US9327526B2 (en) Active biased electrodes for reducing electrostatic fields underneath print heads in an electrostatic media transport
US8947482B2 (en) Active biased electrodes for reducing electrostatic fields underneath print heads in an electrostatic media transport
US8251473B2 (en) Inkjet printing apparatus
JP2000318159A (ja) インクジェット記録装置
JP4696971B2 (ja) 液滴吐出装置
US20150246533A1 (en) Image forming apparatus, image forming method, and printed matter
JP4371783B2 (ja) インク濃度検出方法、インク濃度検出装置、およびこれを用いるインクジェット記録装置
US6702418B2 (en) Ink jet recording device capable of detecting defective nozzle with high signal-to-noise ratio
JPH11245390A (ja) インクジェット記録装置
JP2000177137A (ja) インクジェット記録ヘッド及び該記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置
JP2000052564A (ja) インク噴出方法
JP2000255067A (ja) インクジェット記録装置
JPH10805A (ja) 静電式インクジェット記録装置
JP2001171103A (ja) インクジェット式印刷方法及び印刷装置
JP3302295B2 (ja) 記録ユニット
JP2001301134A (ja) 記録装置及び方法
JP5423502B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040302