JP2000317315A - 光触媒を分散含有した光透過性多孔質膜 - Google Patents

光触媒を分散含有した光透過性多孔質膜

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JP2000317315A
JP2000317315A JP11130496A JP13049699A JP2000317315A JP 2000317315 A JP2000317315 A JP 2000317315A JP 11130496 A JP11130496 A JP 11130496A JP 13049699 A JP13049699 A JP 13049699A JP 2000317315 A JP2000317315 A JP 2000317315A
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porous film
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porous membrane
film
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Tetsuo Yazawa
哲夫 矢澤
Tetsuo Jin
哲郎 神
Sumio Akiyama
澄夫 秋山
Minoru Mutsushiro
稔 六代
Noriaki Kubo
典亮 久保
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Nihon HELS Industry Corp
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Agency of Industrial Science and Technology
Nihon HELS Industry Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、水または空気中の汚濁物質を効率よ
く分解できる新たな触媒を提供する。 【解決手段】光触媒を分散含有した光透過性多孔質膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒を分散含有
した多孔質膜および水または空気の浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の膜透過型の水または空気の浄化方
法は、汚濁物質、微生物・苔類・藻類の発生等による膜
の目詰まりが問題視されている。また、活性炭吸着によ
る水または空気の浄化方法では、活性炭に吸着された汚
濁物質は、分解されずに蓄積されるので、活性炭の交換
が必要である。特に、水を浄化する場合には、浄化後に
触媒を回収しなければならない。
【0003】一方、光触媒を利用した数々の水または空
気の浄化方法が考えられいる。しかしながら、光触媒
は、光の届く範囲、即ち触媒表面でしか反応が起こらな
いので、一般に、反応効率が低い。
【0004】特開平10−174882公報には、多孔体の表面
を酸化チタンで被膜し、過酸化水素、オゾン、酸素の内
から選ばれた少なくとも一種の酸化剤を吸着させたこと
を特徴とする水処理用触媒が記載されている。この方法
を用いた場合でも、3〜50mlの水を浄化するのに、1〜3
時間を要しており(上記公報の実施例)、反応効率として
は満足できるものではない。また、水を浄化後に、触媒
を回収しなければならない。
【0005】以上のような問題点を解消し、効率よく水
または空気を浄化でき、且つ後処理などを必要としない
新たな水または空気の浄化方法を確立することが切望さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水または空
気中の汚濁物質を効率よく分解でき、且つ汚濁物質など
による膜の目詰まりを大幅に軽減できる新たな水または
空気の浄化方法およびこの方法に用いる触媒を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋭意研究を重
ねた結果、多孔質膜に光触媒を分散含有させることによ
り、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0008】即ち、本発明は、下記の多孔質膜および水
または空気の浄化方法を提供するものである。 1.光触媒を分散含有した光透過性多孔質膜。 2.光触媒が、酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群か
ら選択される少なくとも一種である請求項1に記載の多
孔質膜。 3.細孔径が40〜1000Åである多孔質膜に光触媒を分散
含有させた請求項1〜2のいずれかに記載の多孔質膜。 4.請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質膜に、水また
は空気を透過させることを特徴とする水または空気の浄
化方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る光透過性多孔質膜に
は、光触媒が分散含有されている。即ち、多孔質膜の表
面だけでなく、その内部にまで光触媒が分散されてお
り、好ましくは細孔表面に一様に分散含有されている。
【0010】本発明に用いる光触媒は、当該分野で通常
用いられるものであれば特に制限されない。この様な光
触媒としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛などが挙
げられる。これらの光触媒は、単独または2種以上を用
いることができる。
【0011】本発明に用いる多孔質膜は、光透過性(透
光性)の高い多孔質膜であれば特に制限されないが、好
ましくは目視において透明であることを確認できる程度
の透光性を有する多孔質膜、より好ましくは特に350〜4
50nm程度の波長域の近紫外光に対して高い透光性を有す
る多孔質膜である。より具体的には、膜厚を0.5mmとし
た場合に350〜450nm程度の波長域の近紫外光に対して、
透光率40〜70%程度の透光性を有する多孔質膜が特に好
ましい。このような多孔質膜としては、例えば、多孔質
ガラス、透光性を有するプラスティックフォームなどが
挙げられる。これらの中では、多孔質ガラスが好まし
い。多孔質ガラスの中でも、酸化ケイ素の含有量が高い
ものがより好ましく、酸化ケイ素の含有量が95%以上程
度のものが特に好ましい。
【0012】本発明に用いる多孔質膜は、公知の方法を
用いて製造することができる。例えば、分相法、ゾル−
ゲル法などを用いて製造することができる。分相法と
は、加熱により分相させたガラスに酸処理などを行うこ
とにより、いずれかの相を溶出させ多孔質ガラスを得る
方法である。分相法の一例を図1に示す。
【0013】本発明に用いる多孔質膜の細孔径は、特に
限定されず、対象とする汚濁物質の種類や濃度などによ
って適宜設定することができる。細孔径は、透光性が高
い領域であることが好ましい。多孔質膜の細孔径は、通
常40〜1000Å程度、好ましくは200〜800Å程度である。
【0014】本発明の多孔質膜の膜厚は、所定の効果を
得られる限り特に制限されないが、通常0.1〜1mm程度、
好ましくは0.2〜0.5mm程度である。
【0015】本発明の多孔質膜の比表面積は、特に制限
されず、対象とする汚濁物質の種類や濃度などによって
適宜設定することができる。多孔質膜の比表面積は、水
銀圧入法による測定値として、通常10〜100m2/g程度、
好ましくは20〜50m2/g程度である。一般に、比表面積が
大きいほど、吸着による汚濁物質の濃縮効果などが高い
ので、短い接触時間で効率よく汚濁物質の分解を行うこ
とが可能である。しかしながら、比表面積が大きすぎる
場合には、膜透過流量が小さくなり過ぎるおそれがあ
る。
【0016】本発明の多孔質膜中の光触媒の分散含有量
は、特に制限されず、対象となる汚濁物質の種類や濃度
などにより適宜設定できる。光触媒の分散含有量は、得
られた多孔質膜1g当たり、通常0.05〜0.8g程度、好まし
くは0.1〜0.4g程度である。光触媒の分散含有量が多い
ほど、多孔質膜の水に対する強度劣化を防ぐことが出来
るが、多すぎる場合には、多孔質膜の比表面積が小さく
なりすぎるおそれがある。
【0017】本発明の多孔質膜は、必要に応じてさら
に、ホウ素化合物、白金などを分散含有していても良
い。これらは、単独または2種以上を用いることができ
る。これらを多孔質膜に分散含有させることにより、よ
り効率よく水または空気の浄化を行うことができる。
【0018】多孔質膜へのホウ素化合物の分散含有量
は、所定の効果が得られる限り特に制限されないが、光
触媒とのモル比として、通常、光触媒:ホウ素化合物=
3:1〜1:5程度、好ましくは1:1〜1:4程度である。
【0019】多孔質膜への白金の分散含有量は、所定の
効果が得られる限り特に制限されないが、通常、光触媒
とのモル比として、光触媒:白金=100:1〜500:1程
度、より好ましくは350:1〜400:1程度である。
【0020】本発明の多孔質膜への光触媒の分散含有方
法は、多孔質への公知の分散含有方法を用いることがで
きる。例えば、光触媒として酸化チタンを分散含有させ
る場合には、以下に示す行程を含む方法などを用いるこ
とができる。 (1)多孔質膜にチタン化合物を含浸させる工程、 (2)得られた多孔質膜内のチタン化合物を加水分解する
工程、 (3)得られた多孔質膜を乾燥する工程、および (4)得られた多孔質膜を焼成する工程 以下、それぞれの工程について、詳細に述べる。
【0021】(1)多孔質膜にチタン化合物を含浸させる
工程 本工程において、多孔質膜にチタン化合物を含浸させ
る。本工程として、(a)多孔質膜をチタン化合物溶液に
含浸する方法、(b)真空含浸法などの方法を用いること
ができる。
【0022】(a)多孔質膜をチタン化合物溶液に含浸す
る方法 本方法では、多孔質膜をチタン化合物溶液などに含浸さ
せる。含浸の際には、必要に応じて加熱してもよい。含
浸温度は、通常10〜100℃程度、好ましくは20〜30℃程
度である。含浸時間は、通常1時間〜3日程度、好ましく
は3時間〜1日程度である。
【0023】(b)真空含浸法 本方法では、減圧下に多孔質膜をおき、チタン化合物溶
液を導入し多孔質膜にチタン化合物を含浸させる。含浸
の際には、必要に応じて加熱してもよい。含浸温度は、
通常10〜100℃程度、好ましくは20〜30℃程度である。
含浸時間は、通常1秒〜10分程度、好ましくは1〜60秒程
度である。含浸法を行う装置の一例を図2に示す。
【0024】(a)、(b)いずれの方法においても、使用す
るチタン化合物は、特に限定されず、例えば、チタニウ
ムアルコキシド、硫酸チタン、三塩化チタン、四塩化チ
タン、硝酸チタンなどのチタン塩等が挙げられる。チタ
ン化合物として、チタニアゾルを用いても良い。チタニ
アゾルの調製方法は、公知の方法を用いることができ
る。例えば、チタンアルコキシドを加水分解させる方法
などが挙げられる。
【0025】(a)、(b)いずれの方法においても、用いる
溶媒は、特に制限されず、使用するチタン化合物などに
より適宜選択することができる。この様な溶媒として
は、例えば、水、メタノール、エタノール、ブタノー
ル、これらの混合溶媒などが挙げられる。チタン化合物
溶液の濃度は、特に制限されないが、通常1〜30重量%
程度、好ましくは3〜15重量%程度である。
【0026】(2)得られた多孔質膜内のチタン化合物を
加水分解する工程 本工程は、必要に応じて、工程(1)において得られた多
孔質膜を、希酸を用いて加水分解を行う。本工程では、
多孔質膜内のチタン化合物が、細孔内部から流れ出さな
い程度にゾル化されればよい。従って、工程(1)におい
てチタン化合物としてチタニアゾルを用いた場合には、
本工程は必要ない。
【0027】本工程に用いる希酸の濃度は、通常0.01〜
1規定程度、好ましくは0.1〜0.5規定程度の酸である。
本工程に用いる希酸の種類は、特に制限されないが、例
えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、これらの混酸などを
用いることができる。
【0028】(3)得られた多孔質膜を乾燥する工程 本工程では、工程(2)において得られた多孔質膜を乾燥
させる。本工程では、多孔質膜内のゾル化されたチタン
化合物が、焼成して固定される際に、膜が破損しない程
度にゲル化されればよい。乾燥を行う際には、必要に応
じて加熱を行っても良い。乾燥する際の温度は、通常10
〜180℃程度、好ましくは20〜150℃程度である。乾燥時
間は、乾燥温度などにより適宜設定できるが、通常10分
〜5時間程度である。一般に、乾燥温度が高いほど、乾
燥時間は短くてすむ。乾燥の際には、室温での乾燥と加
熱乾燥とを組み合わせてもよい。例えば、一晩程度室温
で乾燥し、その後、100〜180℃程度において、30分〜2
時間程度乾燥する方法が挙げられる。
【0029】(4)得られた多孔質膜を焼成する工程 次いで、工程(3)において得られた多孔質膜を、細孔内
のゲル化したチタン化合物を固定するために焼成する。
本工程に用いる多孔質膜は、工程(1)〜(3)を何度か繰り
返し行った多孔質膜でもよい。
【0030】焼成温度は、多孔質膜内のチタン化合物
が、酸化チタンとなれば特に制限されないが、酸化チタ
ンの結晶がアナターゼ型となる焼成温度が好ましい。具
体的には、通常400〜800℃程度、好ましくは500〜600℃
程度である。焼成時間は、焼成温度などにより適宜設定
することができるが、通常10〜20時間程度である。
【0031】上記方法の工程(1)において、チタン化合
物の代わりに、亜鉛化合物を用いると、酸化亜鉛を分散
含有させた光透過性多孔質膜を得ることができる。用い
る亜鉛化合物は、酸化亜鉛が得られれば特に制限されな
いが、例えば、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、炭酸亜鉛、炭酸水
素亜鉛などの亜鉛塩、亜鉛アルコキシドなどを用いるこ
とができる。
【0032】上記方法の工程(1)において、チタン化合
物の代わりに、チタン化合物と亜鉛化合物の混合物を用
いると、酸化チタンおよび酸化亜鉛を分散含有させた光
透過性多孔質膜を得ることができる。
【0033】必要に応じて、さらにホウ素化合物、白金
などを分散含有させた多孔質膜は、例えば、光触媒を分
散含有させた多孔質膜を、さらにホウ素化合物、白金化
合物などの溶液に含浸し、焼成する方法などにより得る
ことができる。
【0034】使用するホウ素化合物は、所定の効果を得
られる限り特に制限されず、例えば、トリメチルボレー
ト、トリエチルボレートなどが挙げられる。使用する白
金化合物は、所定の効果を得られる限り特に制限され
ず、例えば、テトラクロロ白金酸などの塩化白金酸、テ
トラブロモ白金酸などの臭化白金酸などが挙げられる。
【0035】ホウ素化合物、白金化合物などの溶液の濃
度は、所定の効果が得られる限り特に制限されず、用い
る化合物の種類などにより適宜設定することができる。
例えば、ホウ素化合物の濃度は、特に制限されないが、
通常30〜90重量%程度、好ましくは70〜80重量%程度で
ある。白金化合物溶液の濃度は、通常0.01〜1重量%程
度、好ましくは0.1〜0.5重量%程度である。
【0036】ホウ素化合物および/または白金化合物な
どの溶液に含浸した後、得られた多孔質膜を焼成すると
所望の多孔質膜を得ることができる。
【0037】ホウ素化合物を含浸させた多孔質膜を焼成
する際には、空気中において焼成する。焼成温度は、用
いる化合物により適宜設定することができるが、通常50
0〜600℃程度である。焼成時間は、焼成温度などにより
適宜設定することができるが、通常10〜25時間程度であ
る。
【0038】白金化合物を含浸させた多孔質膜を焼成す
る際には、水素などの還元雰囲気下において焼成する。
水素などの還元性ガスは、アルゴンなどの希ガス、窒素
などの不活性ガスにより希釈して用いても良い。焼成温
度は、用いる化合物により適宜設定することができる
が、通常200〜400℃程度である。焼成時間は、焼成温度
などにより適宜設定することができるが、通常1〜5時間
程度である。
【0039】本発明の多孔質膜は、分散含有させる光触
媒を適宜選択することにより、様々な汚濁物質を分解
し、水または空気を浄化することができる。例えば、ジ
オスミン、2−メチルイソボルネオールなどの悪臭物
質;界面活性剤;ビスフェノールA等の内分泌攪乱物
質;シアンイオン等のような様々な難分解性物質や環境
汚染物質を分解除去する事が可能である。
【0040】本発明の多孔質膜は、例えば、排水処理、
水道水の浄水など水の浄化;空気の浄化などに好適に利
用できる。空気の浄化に利用する場合には、例えば、空
気清浄機のカートリッジ部分、トンネルや建物などの外
壁などとして使用することができる。本発明の多孔質膜
を使用して水または空気の浄化を行う際には、例えば、
多孔質膜に水または空気を透過させる方法などを用いる
ことができる。多孔質膜に水または空気を透過させる方
法は、汚濁物質が必ず多孔質膜と接触するので、より高
い効率で汚濁物質を分解することができる。
【0041】多孔質膜に水または空気を透過させる際に
は、膜透過流量を増加させる為に、透過させる水または
空気に圧力をかけてもよい。例えば、接触時間が、好ま
しくは3〜300秒程度、より好ましくは5〜50秒程度とな
るように圧力をかけることができる。ここで接触時間と
は、以下の式で表される。接触時間=SL/F S:膜
の比表面積、L:膜厚、F:膜透過流量本発明の多孔質膜
を用いて汚濁物質を分解する際には、反応効率を向上さ
せるために多孔質膜に光を照射してもよい。用いる光源
は、光触媒反応の効率が向上すれば特に限定されない。
この様な光源としては、例えば、ブラックライト、低圧
水銀ランプ、高圧水銀ランプ、白熱灯、キセノンランプ
等が挙げられる。光触媒が酸化チタンの場合には、ブラ
ックライト、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等の近紫
外光を放つものが好ましい。
【0042】本発明の多孔質膜を長時間使用することに
より反応効率が低下した場合には、例えば、80〜300℃
程度において、水素などの還元雰囲気下で、10〜180分
程度焼成することなどにより、再生することができる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、下記のような顕著な効
果が達成される。 (1)本発明による多孔質ガラス光触媒膜は、既存の技
術による光触媒に比べ高効率で水または空気の浄化を行
うことができる。 (2)操作圧力などによって、水または空気の多孔質膜
への接触時間を調節することができるので、汚濁物質の
種類、濃度などに対して現場レベルでの対応が可能にな
る。 (3)本発明の多孔質膜は、汚濁物質が吸着されると同
時に光触媒によって分解されるので、汚濁物質、微生物
・苔類・藻類の発生等による多孔質膜の目詰まりを、大
幅に軽減することが出来る。
【0044】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するために種
々の実験を行った。本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
【0045】実験装置及び実験方法 以下の実施例において光酸化分解能の評価は図3に示す
装置により行った。分解対象物質としてメチレンブルー
またはトリクロロエチレンを用いた。メチレンブルーを
用いた場合には、多孔質膜を透過した溶液の吸光度を吸
光光度計を用いて測定し、光分解処理後の濃度を算出し
た。トリクロロエチレンを用いた場合には、多孔質膜を
透過した溶液中のトリクロロエチレン量をガスクロマト
グラフィーを用いて測定し、光分解処理後の濃度を算出
した。分解率は以下の式によって求めた。また、実際の
処理時間は、接触時間と同程度であった。 分解率(%)=((原液の濃度)−(光分解処理後の濃度))/
(原液の濃度)×100 実施例l イソプロピルチタネート溶液に多孔質ガラス膜(膜厚0.5
mm、比表面積35m2/g、細孔径600〜700Å)を含浸し、0.l
N HCl水溶液中で3時間加水分解後、120℃でl時間乾燥し
た。この操作を3回繰り返したものを、550℃にて、15時
間焼成し、多孔質ガラス膜に酸化チタンを分散含有し
た。得られた多孔質ガラス膜の酸化チタンの分散含有量
は膜1g当たり0.3gであった。
【0046】図4に、溶液の多孔質ガラス膜への接触時
間とメチレンブルー(20ml、濃度4ppm)の分解率を示
す。図4から、接触時間が20秒程度で95%以上のメチレ
ンブルーが分解されることが判る。
【0047】多孔質ガラス膜にメチレンブルー溶液を透
過させる代わりに、酸化チタンを塗布した無多孔の石英
ガラスに溶液を接触させる以外は、実施例1と同様の方
法を用いて、メチレンブルーの分解率を測定した。95%
以上のメチレンブルーが分解されるには、200秒程度の
接触時間を要した。
【0048】実施例2 実施例1と同様の方法を用いて、様々な濃度のメチレン
ブルーにおける分解率を測定した。結果を図5に示す。
メチレンブルーの濃度が滅少する程、分解効率が上がっ
ている。メチレンブルーの濃度が低濃度であっても、効
率よく分解されている。
【0049】実施例3 実施例1において調製した酸化チタンを分散含有した多
孔質ガラス膜を用いて、水溶液中でのトリクロロエチレ
ン(20ml、4ppm)の分解率を測定した。結果を図6に示
す。規制値の10倍以上の濃度のトリクロロエチレンをほ
ぼ完全に分解していることがわかる。
【0050】実施例4 表1に示す化合物を用いて、多孔質ガラス膜を調製し、
その光分解能を実施例1と同様の方法を用いて調べた。
【0051】チタン化合物しか用いなかった場合には、
実施例1と同様の方法を用いて多孔質ガラス膜を調製し
た。
【0052】チタン化合物に加えて、ホウ素化合物およ
び/または白金化合物を用いた場合には、実施例1と同
様の方法で作成した酸化チタンを分散含有した多孔質膜
を、さらにホウ素化合物および/または白金化合物溶液
に含浸した。ホウ素化合物を含浸させた場合には、得ら
れた多孔質膜を、空気中、550℃において15時間焼成す
ることにより所望の多孔質膜を調製した。白金化合物を
含浸させた場合には、得られた多孔質膜を、H2/N2=50/5
0雰囲気下、300℃において2時間焼成することにより所
望の多孔質膜を調製した。
【0053】結果を表1に示す。使用したメチレンブル
ーの濃度は、4ppm、接触時間は5秒であった。
【0054】
【表1】
【0055】
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】分相法を用いて多孔質ガラスを製造する工程の
一例を示す。
【0057】
【図2】真空含浸法を用いて多孔質膜にチタン化合物な
どを含浸させる装置の一例を示す。
【0058】
【図3】実施例において用いた光酸化分解能評価装置を
示す。
【0059】
【図4】メチレンブルー(4ppm)の分解率の経時変化を示
す(実施例1)。
【0060】
【図5】接触時間(3秒)における様々な濃度でのメチレン
ブルーの分解率を示す(実施例2)。
【0061】
【図6】トリクロロエチレン(4ppm)の分解率の経時変化
を示す(実施例3)
【0062】
【符号の説明】
1 多孔質ガラス膜 2 紫外線ランプ 3 ミラーボックス 4 供給液貯め 5 液供給用窒素ガス 6 デジタル圧力計 7 密閉用ガラス管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/44 B01D 53/36 J (72)発明者 神 哲郎 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業技 術院大阪工業技術研究所内 (72)発明者 秋山 澄夫 東京都新宿区東五軒町3番25号 日本ヘル ス工業株式会社内 (72)発明者 六代 稔 東京都新宿区東五軒町3番25号 日本ヘル ス工業株式会社内 (72)発明者 久保 典亮 東京都新宿区東五軒町3番25号 日本ヘル ス工業株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA02 JA01C MA22 MB19 MC03 NA04 PB06 4D037 AA02 AA11 AB04 AB11 AB12 AB14 AB16 BA16 4D048 AA17 AA22 AB03 BA04Y BA07X BA08Y BA13X BA30X BA41X BB09 BB17 CC38 CC40 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA14A BA14B BA22A BA48A BB01B BB02B BB04A BB04B BC35A BC75B BD02B BD03B CA01 CA10 CA11 CA17 EA07 EB15Y EC02Y EC14X EC15X EC15Y EC16X EC16Y EC22Y FA03 FB08 FB14 FB30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光触媒を分散含有した光透過性多孔質膜。
  2. 【請求項2】光触媒が、酸化チタンおよび酸化亜鉛から
    なる群から選択される少なくとも一種である請求項1に
    記載の多孔質膜。
  3. 【請求項3】細孔径が40〜1000Åである多孔質膜に光触
    媒を分散含有させた請求項1〜2のいずれかに記載の多孔
    質膜。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質膜
    に、水または空気を透過させることを特徴とする水また
    は空気の浄化方法。
JP11130496A 1999-05-11 1999-05-11 光触媒を分散含有した光透過性多孔質膜 Pending JP2000317315A (ja)

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