JP2000316578A - 糖尿病発症危険因子の検出方法 - Google Patents

糖尿病発症危険因子の検出方法

Info

Publication number
JP2000316578A
JP2000316578A JP13195599A JP13195599A JP2000316578A JP 2000316578 A JP2000316578 A JP 2000316578A JP 13195599 A JP13195599 A JP 13195599A JP 13195599 A JP13195599 A JP 13195599A JP 2000316578 A JP2000316578 A JP 2000316578A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gene
mutation
diabetes
exon
val
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13195599A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Egashira
徹 江頭
Makoto Nagano
誠 長野
Sachiko Sagehashi
幸子 提箸
Kana Matsui
加奈 松井
Hiroaki Hattori
浩明 服部
Azuma Kanezuka
東 金塚
Shin Takazawa
伸 高澤
Hiroshi Okamoto
宏 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BML Inc
Original Assignee
BML Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BML Inc filed Critical BML Inc
Priority to JP13195599A priority Critical patent/JP2000316578A/ja
Publication of JP2000316578A publication Critical patent/JP2000316578A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】1)個体が、現に罹患している糖尿病の病型を
知り、2)たとえ個体が健常人であっても、将来、糖尿
病を発症する素因を有しているか否か、さらには、罹患
するとしたら、いずれの病型の糖尿病であるか等を予見
することを可能にする危険遺伝子を見出し、その危険遺
伝子を利用して、糖尿病発症危険因子の検出手段を提供
すること。 【解決手段】もともとは、ヒトリンパ球表面マーカーの
一つとして同定されていたタンパク質である、CD38
タンパク質をコードする遺伝子を、上記の危険遺伝子と
して、その遺伝子の変異を検出することにより、被検者
における糖尿病発症危険因子を検出する、糖尿病発症危
険因子の検出方法を提供することにより、上記の課題を
解決し得ることを見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、疾病の検出方法に
関する技術分野の発明である。より具体的には、本発明
は、被検者における糖尿病発症危険因子を検出する方法
に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】今日、世界中で少なくとも3000万人
の糖尿病患者がおり、現在、急速な人口の高齢化に伴
い、その患者数は増加している。そして、今後、さらな
る患者数増が確実視されている。この傾向は、日本にお
いても例外ではなく、現在、約600万人が糖尿病に罹
患しており、その数は、数年後には、1000万人に達
するであろうと考えられている。
【0003】糖尿病は、生体、とりわけ細胞にとっての
栄養源であるグルコースが細胞内に取り込まれず、この
取り込まれないで血中に滞留しているグルコースが、高
血糖状態を惹き起こし、その結果として、尿中にグルコ
ースが排泄される疾患である。
【0004】この糖尿病には、インスリン依存性糖尿病
(IDDM:I型糖尿病)、インスリン非依存性糖尿病
(NIDDM:II型糖尿病)及びその他の糖尿病(二次
性糖尿病、膵炎等の特定の疾患に伴って発症する糖尿
病)に大別される。
【0005】インスリン依存性糖尿病(IDDM:I型
糖尿病)は、比較的若年期に発症し、その発症が急激で
あり、血中代謝産物としてケトン体が蓄積し、インスリ
ン投与による治療を継続しなければ、生命の維持も危ぶ
まれる重症の糖尿病である。
【0006】これに対し、インスリン非依存性糖尿病
(NIDDM:II型糖尿病)は、成年期以降に発症する
ことが多く、その病状も耐糖能異常(IGT)状態から
徐々に進行し、比較的緩慢であることが多く、治療上、
必ずしもインスリンを必要としない糖尿病である。
【0007】以上のように、糖尿病には大きく2つの病
態が存在し、その病状に対する治療方法も、各々異な
る。1997年に、American Diabete
s Association(ADA)は、新しい糖尿
病の分類と診断基準を発表した。日本でも、同様に、糖
尿病の概念、分類、診断基準が検討されているが、この
新しい分類では、糖尿病の成因と病態を組み合わせるこ
とを基本としている。病態は、概ね前述した通りであ
り、今後は、糖尿病の診断と分類上、糖尿病の成因を明
らかにすることがますます重要になってくる。そして、
この新しい分類で、最も注目すべきことは、第3のカテ
ゴリーである「他の特殊な病型」の中に、遺伝子異常に
よる糖尿病が組み込まれたことである。
【0008】糖尿病発症遺伝子として、現在までに、イ
ンスリン、インスリン受容体、グルコキナーゼ(MOD
Y2)、HNF−4α(MODY1)、HNF−1α
(MODY3)、ミトコンドリアの遺伝子異常等等が知
られている。しかし、これらのいずれの遺伝子異常も、
その頻度は低い。すなわち、これらの遺伝子異常の中で
は、比較的高頻度であるミトコンドリア遺伝子の324
3番目の塩基であるアデニンからグアニンへの変異で、
NIDDMの1%未満、他の部位の変異を含めたミトコ
ンドリア遺伝子の異常全体でも2%程度の頻度と考えら
れている。従って、前述した遺伝子変異は、膨大な数の
糖尿病患者のごく一部について説明し得るだけであるこ
とは否めない。また、糖尿病は、単一の遺伝子異常を持
つだけで発症するのではなく、複数の遺伝子の異常や環
境要因が加わり発症するという考え方が一般的である。
【0009】このような観点から、糖尿病の発症にかか
わる原因遺伝子、あるいは発症危険因子を探索し、見出
すことは、糖尿病を診断することばかりではなく、早期
に発症する可能性の高い個体を選別し、発症を遅延させ
ることが可能であり、ひいては、その発症メカニズムを
解明する糸口となり、さらに、より適切な糖尿病の治療
法を見出す助けとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、1)個体が、現に罹患している糖尿病の病
型を知り、2)たとえ個体が健常人であっても、将来、
糖尿病を発症する素因を有しているか否か、さらには、
罹患するとしたら、いずれの病型の糖尿病であるか等
〔以上1)2)を、本発明においては、「糖尿病発症危
険因子」ともいう〕を予見することを可能にする危険遺
伝子を見出し、その危険遺伝子を利用して、糖尿病発症
危険因子の検出手段を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の
解決に向けて、その解析により、糖尿病発症危険因子を
検出可能な危険遺伝子の検索を行った。その結果、膵臓
のランゲルハンス島β細胞において、グルコース刺激に
よるインスリン分泌を促すセカンドメッセンジャーであ
る、サイクリックADPリボース(cADPR)の産生
及び水解酵素であるCD38をコードする遺伝子(以
下、CD38遺伝子ともいう)の異常が、糖尿病の発症
を誘因することを見出し、この遺伝子こそが、これを用
いることにより、糖尿病発症危険因子を検出することが
可能な危険遺伝子であることを見出して、本発明を完成
した。
【0012】すなわち、本発明は、CD38遺伝子にお
ける遺伝子の異常を検出することにより、個体における
糖尿病発症の遺伝的な素因(危険因子)を検出する方法
(以下、本発明検出方法という)を提供する。
【0013】CD38遺伝子がコードするCD38タン
パク質は、もともとは、ヒトリンパ球表面マーカーの一
つとして同定されていたタンパク質である。そして、こ
のCD38タンパク質と生体における糖代謝との間に、
実に深い関係が認められることは、本発明者でもある、
岡本及び高澤らの長年の研究により見出されたものであ
る。
【0014】以下、本発明の実施の形態の説明に先立
ち、本発明の主要な要素でもある、CD38遺伝子ない
しCD38タンパク質の、生体における糖(グルコー
ス)代謝との関係について説明する。
【0015】グルコースは、膵ランゲルハンス島β細胞
におけるインスリンの分泌において、最も重要な刺激物
質である。インスリンの分泌においては、グルコース刺
激により、細胞内のCa2+濃度が上昇し、これが引き金
になってインスリンの分泌がなされるものと考えられて
いる。この細胞内のCa2+濃度の上昇は、細胞外からの
Ca2+の流入と、細胞内プールからのCa2+の動員によ
りもたらされる。細胞外からの流入については、Ashcro
ftらの「ATP感受性K+ チャンネル学説」による説明
が広くなされており、この分子機構についても、稲垣、
清野らにより、詳細な説明が既になされている(生化
学、69:1067−1080,1997)。
【0016】一方、細胞内プールからのCa2+の動員に
ついては、ヒトインスリン産生細胞を用いた実験から、
細胞内のCa2+濃度の上昇に関して、細胞外からの流入
と同時か、それよりも早期に関与していることが指摘さ
れている(Rojas E,et al.,Endocrinology,134;1771-17
81,1994 )。また、イノシトール1,4,5三リン酸
(IP3 )が、多くの細胞で、Ca2+動員のセカンドメ
ッセンジャーとして機能していることが報告されてい
る。インスリン産生細胞においても、Ca2+動員のセカ
ンドメッセンジャーとして、IP3 が重要な役割を果た
していることが示唆されていた。
【0017】本発明者である岡本らは、ストレプトゾト
シン等のインスリン産生β細胞障害物質によって、DN
A損傷が惹き起こされ、その結果、poly(ADP−
ribose)合成酵素が活性化され、細胞内のNAD
+ が枯渇すると、β細胞のインスリン産生機能が低下
し、poly(ADP−ribose)合成酵素阻害物
質によって、細胞内のNAD+ 濃度の低下を阻止する
と、β細胞のインスリン産生機能が維持されることか
ら、この細胞のインスリン産生機能の維持に、同細胞内
のNAD+ 量の維持が必須であることを明らかにしてい
る(Yamamoto H, et al.,Nature,294:284-286,1981;Ok
amoto H, et al.,1990,in Molecular Biologyof the Is
lets of Langerhans,Okamoto H, ed,pp.209-231,Cambri
dge University Press,Cambridge ;Okamoto H, et a
l.,Biochimie,77:356-363,1995 )。このような背景か
ら、本発明者である岡本及び高澤らにより、グルコース
によるインスリン分泌における機構において、インスリ
ン産生細胞の機能の発現に、NAD + から作られるcA
DPRが機能している可能性が示唆された。
【0018】すなわち、ラット膵ランゲルハンス島から
調製したミクロソームにおける、Fluo3を用いた、Ca
2+の放出に着目した実験においては、cADPRは、ラ
ンゲルハンス島のミクロソームから、Ca2+の放出を惹
き起こし、連続的な添加により、Ca2+放出応答のatte
nuation が確認され、一方、このランゲルハンス島のミ
クロソームからのIP3 の添加によるCa2+の放出は起
こらないことから、cADPRによるランゲルハンス島
のミクローソームからのCa2+の放出は、IP 3 による
Ca2+放出とは異なることが、本発明者である高澤及び
岡本らにより示された(Takasawa S, et al.,Science,2
59:370-373,1993 )、また、cADPRに対する抗体を
用いたラジオイムノアッセイによる実験により、グルコ
ース刺激によるインスリン産生細胞のcADPR量が増
加することも、高澤及び岡本らにより示されたことから
(Takasawa S, et al., J Biol Chem,273:2497-2500,19
98)、インスリン産生細胞におけるグルコース刺激によ
り生じるCa2+の動員は、主に、cADPRによると考
えられている。
【0019】さらに、高澤及び岡本らは、CD38タン
パク質は、NAD+ を基質にするとcADPRを生成す
るADP−ribosyl cyclase 活性を示し、cADPRを
基質にすると、ADPRを生成するcADPR水解酵素
活性を示すことを示した(Takasawa S, et al.,J Biol
Chem,268:26052-26054,1993 )。このcADPR水解反
応は、2〜8mMのATPによって、濃度依存的に抑制さ
れ、NAD+ を基質にすると、ATP濃度に依存してc
ADPRの生成量が増加することが認められている。こ
のATPによるcADPR水解酵素の活性を抑制する分
子機構は、CD38タンパク質のcADPR結合部位で
ある、Lys−129に、ミリモル単位の濃度のATP
がcADPRと競合することによるものであることが、
Tohgo及び高澤らにより示されている(Tohgo A,Ta
kasawa S,et al.,J Biol Chem,272:3879-3882,1997)。
実際に、インスリン産生細胞のATP濃度は、グルコー
スの刺激により、2〜8mMの範囲で変化することが報告
されており、インスリン産生細胞にCD38タンパク質
が存在すれば、cADPRの量の変化は、ATPによる
CD38タンパク質のcADPR分解活性の抑制という
機構で説明されている。
【0020】また、高澤及び岡本らは、加藤らと共に、
膵ランゲルハンス島β細胞に、CD38タンパク質を過
剰発現するトランスジェニックマウスにおいては、グル
コースに応答するインスリン分泌が、対照のマウスに比
して有意に亢進していることを示した(J.Biol.Chem.27
0,30045-30050,1995)。
【0021】上述したように、インスリン産生細胞にお
いて、グルコースの刺激により生じたATPによって、
CD38タンパク質のcADPR分解活性が抑制され、
この結果、cADPR量が上昇し、細胞内のCa2+プー
ルであるミクロソームから、Ca2+が動員されて、イン
スリン分泌が起こるものと考えられている。
【0022】さらに、岡本及び高澤らが、cADPRに
よるCa2+放出機構について、cADPRによるCa2+
放出がリアノジンによるCa2+放出とcross-desensitiz
ation が認められることを明らかにしたことから、小胞
体のリアノジン受容体(タイプ2)を介すると考えられ
ている。そして、膵ランゲルハンスβ細胞では、Ca 2+
/カルモジュリン(CaM)依存性リン酸化酵素IIが、
cADPR感受性のCa2+放出チャンネルである、小胞
体リアノジン型Ca2+放出チャンネルをリン酸化し、こ
れによりcADPRによるCa2+放出の感受性が増大
し、グルコース刺激により増大したリアノジン型Ca2+
チャンネルから、Ca2+放出を惹き起こしてインスリン
分泌が起こることを、高澤及び岡本らは明らかにした
(J.Biol.Chem.270,30257-30260,1995)。さらに、高澤
及び岡本らは、正常マウスでは、主に、cADPRによ
るCa2+放出が認められるが、ob/ob マウスでは、IP
3 によるCa2+の放出が優位に起こることを明らかにし
た(Takasawa S, et al.,J Biol Chem,273:2497-2500,1
998 )。さらに、poly(ADP−ribose)ポ
リメラーゼ(PARP)を、ジーンターゲッティングに
より欠損したマウスにおいて、ストレプトゾトシンによ
る糖尿病の発症に対して抵抗性を示すことが報告されて
いることから、インスリン産生における、細胞内のNA
+ の枯渇や消費が、糖尿病を惹き起こすことも示唆さ
れている(Burkart V, et al.,Nature Med,5:314-319,1
999)。すなわち、NAD+ を基質とするcADPRの産
生、細胞内Ca2+の動員、インスリン分泌の過程が、イ
ンスリン産生細胞において重要であり、この過程にCD
38遺伝子ないしCD38タンパク質が、非常に深く係
わっていることを、本発明者でもある、岡本及び高澤ら
は、明らかにしている。 ただし、CD38遺伝子が、
糖尿病の発症と深く関連しているからといって、このC
D38遺伝子の遺伝子異常を、糖尿病発症危険因子の検
出に用い得るという知見は、すでに報告されている糖尿
病に関連する遺伝子の異常が、糖尿病発症危険因子の検
出マーカーとして、臨床現場においては必ずしも有用で
ないことからも、極めて驚くべきことであった。
【0023】具体的に、本発明検出方法において、利用
され得ることが判明しているCD38遺伝子における遺
伝子異常部位の主なものとして、CD38遺伝子によ
ってコードされるCD38タンパク質の140番目のア
ルギニンをコードする部位、同264番目のセリンを
コードする部位及びイントロン7の−28番目のグア
ニンが挙げられる(これらの遺伝子異常部位における変
化は、各々が独立であって相互に連鎖はしていない)。
なお、これらの遺伝子異常部位についての詳細は、後述
の実施例において記載する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態について
説明する。上述したように、本発明は、糖尿病発症の危
険遺伝子であるCD38遺伝子における遺伝子異常を検
出することを前提とする、糖尿病発症危険因子の検出方
法である。
【0025】CD38遺伝子及びこれがコードするCD
38タンパク質については、すでに解析がなされている
〔Nata K.et al.,Gene,186:285-292,1997 :配列番号1
(塩基配列とアミノ酸配列),配列番号2(アミノ酸配
列)〕。
【0026】このCD38遺伝子の遺伝子変異と、糖尿
病発症危険因子との相関関係を具体的に解析することに
より、本発明検出方法において利用し得る、CD38遺
伝子の遺伝子変異を見出すことができる。すなわち、
「糖尿病患者と健常人」、「インスリン依存性糖尿病と
インスリン非依存性糖尿病」等の組み合わせにおいて、
CD38遺伝子の変異部位と変異頻度、あるいはその変
異により生ずるタンパク質の機能を解析することによ
り、所望する遺伝子変異を見出すことができる。かかる
作業の実際については、後述する実施例において、具体
的に記載する。
【0027】なお、本発明において、「遺伝子変異」と
は、ヒト染色体における遺伝子の変異を意味するもので
あり、遺伝子の塩基配列が野生型(正常遺伝子の塩基配
列)と異なる場合のことを意味するものである。また、
遺伝子が、その塩基配列において、個体毎に異なる特異
的な部位を保有している場合には、一般的にこれは、
「遺伝子多型」として表現され得るが、本発明において
は、この「遺伝子多型」も「遺伝子変異」の範疇に含ま
れるものとする。「遺伝子変異」は、その遺伝子の変異
頻度、そのmRNAの発現量、タンパク質発現量、ある
いはタンパク質の機能等の多角的な解析により、同定さ
れる。平均して、数百塩基に1個程度、そのような「遺
伝子変異」が存在すると考えられているが、遺伝子を直
接的又は間接的に解析することにより、これを同定する
ことが可能であり、また、その見出された遺伝子変異の
家系における解析から、父方由来の染色体(アレル)と
母方由来の染色体(アレル)とを判別することができ
る。
【0028】遺伝子変異部位における変化には、父方と
母方由来の遺伝子のいずれかが、遺伝子変異部位におい
て、塩基配列に置換が生じており、両者のアレルの遺伝
子が、野生型の遺伝子の塩基配列と比較して、異なる塩
基との置換が起こっている場合を「ホモ接合体」、同様
に片方のアレルの塩基配列が野生型の塩基配列と比較し
て、異なる塩基との置換が起こっている場合を「ヘテロ
接合体」として認めるものである。
【0029】本発明者は、後述するように、現在まで
に、CD38遺伝子において見出され、糖尿病発症危険
因子と相関関係が認められる遺伝子異常部位として、
CD38遺伝子によってコードされるCD38タンパク
質の140番目のアルギニンをコードする部位における
遺伝子変異(例えば、エクソン3領域における制限酵素
TspRIに対する感受性の有無として特定される)、
同264番目のセリンをコードする部位における遺伝
子変異(例えば、エクソン7領域における制限酵素Ta
qIに対する感受性の有無として特定される)及びイ
ントロン7の−28番目のグアニンにおける遺伝子変異
〔例えば、イントロン7領域(エクソン8領域)におけ
る制限酵素Tru9Iに対する感受性の有無として特定
される〕、を見出している。
【0030】遺伝子異常部位における変化の検出方法と
しては、通常公知の方法、例えば、サザンブロット法を
用いたRFLP法や、PCR−RFLP法、HET(het
eroduplex analysis)法、DGGE法(denaturing gradi
ent gel electrophoresis)法、DS(direct sequence)
法、CCM(chemical cleavage mismatch)法、CDI(c
arbodiimid modification)法、さらにはPCR法を用い
た一本鎖DNA高次構造多型解析法〔PCR−SSCP
(single-stranded conformation polymorphism) 法、以
下、本明細書においてはSSCP法という〕、PCR/
GC−clamp法等を用いることができる〔例えば、バイ
オマニュアルシリーズ1,遺伝子工学の基礎技術,山本
雅編,羊土社(1993)等を参照のこと、特に、PCR
/GC−clamp 法については、Myers,R.M.,Shefield,
V.,and Cox,D.R.(1988) in Genomic Analysis:A Pracli
cal Approach.K.Davies,ed.IRL Press Limited,Oxford,
pp.95-139 等を参照のこと〕が、簡便かつ正確に遺伝子
異常を特定し得るという点において、PCR/GC−cl
amp 法を選択することが好ましい。
【0031】なお、PCR/GC−clamp 法は、DGG
E法(DNA変性剤の直線的な濃度勾配をつけたポリア
クリルアミドゲルにおける、塩基置換を含む二本鎖DN
A断片と含まない二本鎖DNA断片の、DNAを変性さ
せるべきDNA変性剤濃度の相違に基づく移動度の差異
を利用して、DNAの塩基置換を検出する方法)の変法
であり、DGGE法における、「複数の塩基置換がある
場合に、ポリアクリルアミドゲルにおいて、最後に融解
するドメインの塩基置換を検出することができない」と
いう欠点を、GC含量の高い領域(GC−clamp )を、
塩基置換の検出対象であるDNA断片につなげることに
より克服した方法である〔Shefield,V.C. et al.(1989)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:232-236等を参照のこ
と〕。
【0032】よって、PCR/GC−clamp 法の基本的
操作等は、DGGE法に準ずる〔PCR/GC−clamp
法と同様に、Myers,R.M.,Shefield,V.,and Cox,D.R.(19
88)in Genomic Analysis:A Praclical Approach.K.Davi
es,ed.IRL Press Limited,Oxford,pp.95-139 等を参照
のこと〕が、塩基置換検出の対象となるDNA断片に、
GC−clamp を付加する工程が必要となる。
【0033】本発明検出方法における、CD38遺伝子
の遺伝子異常部位における変化の検出の対象となるDN
Aの出所は、特に限定されるべきものではなく、被検者
の体細胞であれば、特に限定されない。例えば、末梢血
や白血球等の血液検体を、本発明において好適に選択す
ることができる。
【0034】被検者の検体細胞から、公知の方法を用い
てゲノムDNAを抽出し、このゲノムDNAにおいて、
特定の遺伝子異常部位における変化(具体的には、特定
の遺伝子異常部位における塩基の置換)を検出する。
【0035】そして、この検出作業の結果、特定の遺伝
子の異常部位に変化が認められた場合、被検者の臨床症
状を鑑みて、被検者の糖尿病発症危険因子を検出するこ
とができる。
【0036】すなわち、被検者が、既に糖尿病を罹患し
ている場合においては、その糖尿病の主な原因を特定す
ることが可能になる。さらに、その病態がインスリン非
依存性糖尿病であるときには、これがインスリン依存性
糖尿病へと移行する可能性を予測することが可能であ
り、その結果、病態に対応した治療あるいは予防的措置
を講ずることや、最適な治療方法の開発を行うことが可
能となる。
【0037】また、被検者が糖尿病を発症していない場
合、あるいは異なる検査の結果、あるいは家族歴等から
その危険群である場合には、特定の遺伝子異常部位の変
化を、その被検者の遺伝的な糖尿病体質の根拠として用
いて、適切な糖尿病発症の予防的措置(例えば、運動や
食事の内容についての指導)を行うことによって、その
被検者の糖尿病の発症を予防することも可能である。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、この実施例により、本発明の技術的範囲
を限定することを意味するものではない。CD38遺伝子解析 対象 日本糖尿病学会の診断基準に基づいて、糖尿病と診断さ
れた240例を対象に、DGGE法によるCD38遺伝
子の変異の解析を行った。
【0039】ゲノムDNAの抽出 健常人及び糖尿病患者のゲノムDNAは、抗凝固剤 E
DTA 3Kを含む真空採血管を用いて患者の末梢血を
採取した後、QlAamp Blood Kit(QI
AGEN杜)を用いて、ゲノムDNAを抽出した。
【0040】DGGE解析用PCRプライマーおよび泳
動条件の設定 ヒトCD38タンパク質(ADP−ribosyl c
yclase/cyclic ADP−ribose
hydrolase)をコードする遺伝子の塩基配列
(配列番号1)は、DDBJ/EMBL/GenBan
k データベースACCESSION D84278〜
84(Nata,K.,et al., )より入手した。
【0041】CD38遺伝子の各エクソンを、PCR法
にて増幅するためのプライマー設定は、コンピューター
ソフトGENETYX−MAC(ソフトウェアー開発
社)を用いて行った。また、設定したプライマーを用い
て増幅した、PCR断片中の融解ドメインの融解特性
(ドメインの位置と融解温度など)の推定にはコンピュ
ーターソフトMac Melt(日本バイオラッド社)
を使用した。演算によって得られた融解特性より、GC
クランプをどちらのプライマーに付加するかを決定し、
さらに、そのPCR断片の分析に適した変性剤の濃度範
囲を決定した。
【0042】ここに、CD38遺伝子の各エクソンの増
幅に用いたPCRプライマーの塩基配列を記載する。エクソン1 5' −CGC CCG CCG CGC CCC GC
G CCC GTCCCG CCG CCC CCG
CCC GAT CTT CGC CCAGCC AA
C CCC G−3' (Forward:配列番号3) 5' −ACC GGT GCG CCT TAG TC
G CCA−3'(Reverse:配列番号4)エクソン2 5' −TAG ACT GCA TGT TAG AC
G AGA−3'(Forward:配列番号5) 5' −CGC CCG CCG CGC CCC GC
G CCC GTCCCG CCG CCC CCG
CCC GTT TGG ACC TATGAA TT
G TTA CC−3' (Reverse:配列番号
6)エクソン3 5' −GAC ATG CTA AAT TGA TC
T CAG−3'(Forward:配列番号7) 5' −CGC CCG CCG CGC CCC GC
G CCC GTCCCG CCG CCC CCG
CCC GCA GCA GAA GTCACT CT
G TTC−3' (Reverse:配列番号
8)エクソン4 5' −CCA TTC TCC AGC CTC CG
T CTT−3'(Forward:配列番号9) 5' −CGC CCG CCG CGC CCC GC
G CCC GTCCCG CCG CCC CCG
CCC GCA AGC ACT GACTGA GT
A ACG TC−3' (Reverse:配列番号
10)エクソン5 5' −AAA CTG CTG GAG GAT GG
T GAT T−3'(Forward:配列番号1
1) 5' −CGC CCG CCG CGC CCC GC
G CCC GTCCCG CCG CCC CCG
CCC GTT CAC TGT GATATT TG
C AAC AGG−3' (Reverse:配列番号
12)エクソン6 5' −GGT TGA TGT TTG GGG TT
C TTT GT−3'
(Forward:配列番号13) 5' −CGC CCG CCG CGC CCC GC
G CCC GTCCCG CCG CCC CCG
CCC GTG TGG ATT CTTTTG TG
G ACT GAT T−3'(Reverse:配列
番号14)エクソン7 5' −CGC CCG CCG CGC CCC GC
G CCC GTCCCG CCG CCC CCG
CCC GTT GTC CAG GGCGTG CT
A CAA A−3' (Forward:配列番号
15) 5' −AGA TTC ACA CAG CCC TC
C AAG−3'(Reverse:配列番号16)エクソン8 5' −CGC CCG CCG CGC CCC GC
G CCC GTCCCG CCG CCC CCG
CCC GTT AGC GAA TTGGAC GA
C AGA TG−3' (Forward:配列番号
17) 5' −TCT GGC ATT GAC CTT AT
T GTG G−3'(Reverse:配列番号1
8)エクソン3 5' −CTC CGC CAC TCT CCT GC
A CAC A−3'(Forward:配列番号1
9) 5' −GGG CCT CCA GCA GAA GT
C AC−3'(Reverse:配列番号20)エクソン7 5' −TTG TCC AGG GCG TGC TA
C AAA−3'(Forward:配列番号21)
【0043】PCR増幅 各エクソンのPCR増幅は、抽出したゲノムDNA0.
5μg/μL を用いて、各0.8μM のそれぞれのエクソ
ンの合成オリゴヌクレオチドプライマー、各ヌクレオチ
ド三リン酸(dNTP)を200μM 及び3%ホルムア
ミドを含有する50μL のPCR反応液〔10mM Tr
is−HCl緩衝液(pH8.3)、50mM KCl、
1.5mM MgCl2 〕に、0.5units のTaq D
NA polymerase(Perkin Elme
r社)を加えて、PCR反応を行った。PCR反応の条
件は、94℃で30秒、54〜68℃で30秒、72℃
で1分間のサイクルを40回繰り返し、最後は72℃で
10分間反応を行い、目的のPCR産物を得た。PCR
反応の確認は、5μL のPCR産物を、3%アガロース
で電気泳動を行い、0.5μg/mLエチジウムブロマイド
で染色を行い、確認した。
【0044】なお、CD38遺伝子の各エクソンの塩基
配列について、エクソン1は、配列番号1の1〜233
番まで;エクソン2は、配列番号1の234〜363番
目まで;エクソン3は、配列番号1の364〜498番
目まで;エクソン4は、配列番号1の499〜585番
目まで;エクソン5は、配列番号1の586〜659番
目まで;エクソン6は、配列番号1の660〜752番
目まで;エクソン7は、配列番号1の753〜839番
目まで;エクソン8は、配列番号1の840〜890番
目までとして表されている。
【0045】DGGE法による遺伝子変異のスクリーニ
ング DGGE法は、Myersらの方法に従い行った。すな
わち、変性グラジエントポリアクリルアミドの作製は、
177×220mmガラス板(宝酒造社)を使用し、変性
剤の濃度が、各々のエクソンにおいて、最も適した濃度
勾配を選択し、濃度勾配の幅が30%以内になるように
設計し、作製した。各々の最適の濃度の作製は、0%デ
ネイチャーラントの9%アクリルアミド(アクリルアミ
ド:ビスアクリルアミド=37.5:1)TAE溶液
(40mM Tris、20mM 酢酸ナトリウム、2mM
EDTA、pH7.4)と80%デネイチャーラント
(5.19M尿素、30%脱イオン化ホルムアミド)含
有9%アクリルアミドTAE溶液で、グラジエントメー
カーを用いて作製した。
【0046】DGGE法によるPCR産物の遺伝子変異
スクリーニングは、上述のように得られた各エクソンの
PCR産物(15μL )を500μL のチューブに分取
し、真空乾燥機を用いて乾固し、10μL のローディン
グ液〔20%Ficoll、1mM EDTA及び0.5
% bromphenol blue含有10mM Tr
is−HCl緩衝液(pH7.8)〕を加えて、再溶解
した後、ゲルに5μLアプライした。電気泳動は、1×
TAE溶液(16L)を含むDGGE電気泳動槽(宝酒
造社)で、溶液温度を60℃に保温し、150V・16
時間で泳動した。泳動後、0.5μg/mLエチジウムブロ
マイドで染色した後、紫外線下でDNA断片を検出し、
そのパターンを判定した。
【0047】このように、DGGE法による、CD38
遺伝子の各エクソン及びイントロン領域における変異遺
伝子のスクリーニングの結果、エクソン2に1つ(第1
図)、エクソン3に2つ(第2図)、エクソン4に2つ
(第3図)、エクソン7に1つ(第4図)、及びエクソ
ン8に1つ(第5図)の野生型とは異なるバンドパター
ンを示し、異常バンドパターンであることが認められ
た。DGGE法における遺伝子異常のスクリーニングの
結果、得られる異常バンドパターンは、得られた検体の
PCR産物に野生型とは異なる塩基配列が含まれている
ことを示唆しており、その明確な塩基配列は別の方法で
決定しなくてはならない。
【0048】ダイレクトシークエンスによる塩基配列の
決定 DGGE法で、異常パターンの認められたPCR産物に
ついて、オートシークエンサーを用いたダイレクトシー
クエンス法により塩基配列を解析した。すなわち、異常
バンドパターンの検出されたPCR産物を、BigDy
e Terminator cycle sequen
cing Fs Ready Reaction Ki
t(Perkin Elmer社)を用いて蛍光標識し
た後、ABI PRISM 377 DNA Sequ
encer(Applied Biosystems
社)を用いて塩基配列を決定した。
【0049】このオートシークエンサーを用いた、ダイ
レクトシークエンス法による塩基配列解析の結果、エク
ソン2に異常バンドパターンが検出された個体は、34
8番目の塩基に、野生型の塩基配列であるシトシン
(C)の他にチミン(T)が検出され、この348番目
の塩基に、CからTへの置換が生じていることが同定さ
れた(第6図)。このCからTへの一塩基置換により、
116番目のアミノ酸に対するコドンが、ACCからA
CTに変化するが、対応するアミノ酸は変わらずスレオ
ニン(Thr)であり、この一塩基置換によるアミノ酸
の置換は生じていないことが明らかになった。つまり、
この348番目の塩基における、CからTへの置換は、
アミノ酸の置換を伴わない、いわゆるサイレント変異で
あり、異常バンドパターンが検出された個体において
は、C348T変異のヘテロ接合体であった。
【0050】エクソン3に、異常バンドパターンの検出
された個体の一方は、418番目の塩基に、野生型の塩
基配列であるCの他にTが検出され、このCからTの一
塩基置換により、140番目のアミノ酸に対するコドン
がCGGからTGGに変化し、その結果、この140番
目のアミノ酸が、アルギニン(Arg)からトリプトフ
ァン(Trp)に置換が生じていることが同定された
(第7図)。つまり、エクソン3に、異常バンドパター
ンが検出された個体は、上記の140番目のアミノ酸が
置換する、いわゆるミスセンス変異のArg140Tr
p変異であり、Arg140Trp変異のヘテロ接合体
であった。
【0051】エクソン3に、異常バンドパターンが認め
られた個体のもう一方は、シーケンスの結果、418番
目の塩基としてTのみが認められ、Arg140Trp
変異のホモ接合体であった(第8図)。
【0052】エクソン4に、異常バンドパターンの検出
された個体の一方は、504番の塩基に、野生型の塩基
配列であるAの他にCが検出され、このAからCの一塩
基置換により、168番目のアミノ酸に対するコドン
が、ATAからATCに変化していることが同定された
(第9図)。上記の504番目の塩基における、Aから
Cへの置換により、対応する168番目のアミノ酸は、
イソロイシン(Ile)のままであった。つまり、50
4番目の塩基に生じていたAからCへの置換は、アミノ
酸の置換を伴わないサイレント変異であり、エクソン4
に異常パターンが検出された個体は、A504C変異の
ヘテロ接合体であった。
【0053】エクソン4に、異常バンドパターンが認め
られたもう一方の個体は、504番目の塩基としてCの
みが認められる、A504C変異のホモ接合体であった
(第10図)。
【0054】エクソン7に、異常バンドパターンの検出
された個体は、791番目の塩基に、野生型の塩基配列
であるCの他にTが検出され、CからTへの一塩基置換
により、264番目のアミノ酸に対するコドンがTCG
からTTGに変化し、その結果、アミノ酸がセリン(S
er)からロイシン(Leu)に置換していることが同
定された(第11図)。つまり、エクソン7に、異常バ
ンドパターンが検出された個体は、上記の791番目の
塩基におけるCからTの一塩基置換により、264番目
のアミノ酸に置換が生ずる、Ser264Leu変異の
ヘテロ接合体であった。
【0055】エクソン8に、異常バンドパターンの検出
された個体は、CD38遺伝子のエクソン8の上流に位
置するイントロン7において、エクソン8のスプライシ
ングに係わるアクセプター部位から、−28塩基上流に
存在する塩基(配列番号22で示されるイントロン7の
配列において39番目の塩基)に、野生型であるGの他
にAが検出された(第12図)。つまり、このエクソン
8において検出された異常バンドのパターンは、上記の
アクセプター部位から、−28塩基上流に存在する塩基
に、GからAへの塩基に置換が生じているイントロン7
−28G/A変異のヘテロ接合体であった。
【0056】上述のごとく、糖尿病患者群において検出
されたCD38遺伝子の遺伝子変異に関しては、2つの
ミスセンス変異である、エクソン3のArg140Tr
p変異とエクソン7のSer264Leu変異は、とも
に対応するアミノ酸が変化することにより、CD38タ
ンパク質の機能に異常を生じさせると考えられる。事
実、Arg140Trp変異をもつCD38タンパク質
は、ADP−ribosyl cyclase活性、及
びcyclic ADP−ribose(cADPR)
hydrolase活性がともに低下していた(Diabet
ologia 1998 41:1024-1028)。
【0057】一方、Ser264Leu変異について
は、この264番のアミノ酸を含む、いくつかのアミノ
酸からなる領域が、CD38タンパク質が酵素活性を発
揮する際に、その基質となるNAD+ と結合する上で重
要な領域であることが分かっている。すなわち、上記の
264番目のアミノ酸を含む領域のいずれかのアミノ酸
が、他のアミノ酸に置換したCD38タンパク質は、そ
の酵素活性が低下するか、又は失われるものと考えられ
る。
【0058】イントロン7−28G/A変異は、mRN
Aへのスプライシング時のラリアート構造の形成に関与
する、いわゆる「枝分れ部位」のコンセンサス配列内に
存在すると予測された〔遺伝子(下)東京化学同人〕。
よって、イントロン7−28G/A変異は、CD38m
RNAの生成に影響を及ぼし、これにより、異常タンパ
ク質、あるいは異常mRNAが合成されている可能性が
ある。
【0059】CD38遺伝子変異の頻度解析 上述のごとく、検出同定されたCD38遺伝子における
変異、すなわちエクソン2のC348T変異、エクソン
3のArg140Trp変異、エクソン4のA504C
変異、エクソン7のSer264Leu変異、及びイン
トロン7−28G/A変異について、糖尿病患者群及び
非糖尿病患者群の両群を対象にして、その出現頻度を比
較検討した。なお、3種類の変異、エクソン3のArg
140Trp変異、エクソン7のSer264Leu変
異及びイントロン7−28G/A変異は、いずれも一塩
基の置換により、制限酵素の認識部位が変化することか
ら、その判定には、PCR−RFLP法を用いた。ま
た、エクソン2のC348T変異及びエクソン4のA5
04C変異は、前述したPCR−DGGE法により解析
した。
【0060】PCR−RFLP法による遺伝子変異の解
エクソン3Arg140Trp変異の検出法 抽出したゲノムDNA0.5μL を用いて、配列番号1
9及び20のオリゴヌクレオチドプライマーで、上述の
ごとく、PCR反応を行い、目的の381bpのPCR産
物を得た。この10μL のPCR産物を、制限酵素Ts
pRI(NewEngland BioLabs社)
2.5units で、65℃で一晩消化処理をした後、3%
アガロースで電気泳動を行い、エクソン3Arg140
Trp変異の検出をした。すなわち、野生型の場合、3
81bpのDNA断片は、311bpと70bpの2つ
の断片に切断されるが、Arg140Trp変異を有す
る場合、228bpと83bpと70bpの3つの断片
に切断されることにより判定される(第13図)。
【0061】エクソン7Ser264Leu変異の検出
抽出したゲノムDNA0.5μL を用いて、配列番号2
1及び17のオリゴヌクレオチドプライマー及び最終濃
度が3%になるようにホルムアミドを加えたPCR溶液
で、上述のごとく、PCR反応を行い、目的の274bp
のPCR産物を得た。この10μL のPCR産物を、制
限酵素TaqI(New England BioLa
bs社)5units で、65℃で一晩消化処理をした後、
3%アガロースで電気泳動を行い、エクソン7Ser2
64Leu変異の検出をした。すなわち、野生型の場
合、274bpのDNA断片は、149bpと125b
pの2つの断片に切断されるが、Ser264Leu変
異を有する場合、全く切断されないことにより判定され
る(第14図)。
【0062】イントロン7−28G/A変異の検出法 抽出したゲノムDNA0.5μL を用いて、配列番号1
7及び18のオリゴヌクレオチドプライマー及び最終濃
度が3%になるようにホルムアミドを加えたPCR溶液
で、上述のごとく、PCR反応を行い、目的の297bp
のPCR産物を得た。この10μL のPCR産物を、制
限酵素Tru9I(Promega社)2units で、6
5℃で一晩消化処理をした後、3%アガロースで電気泳
動を行い、イントロン7−28G/A変異の検出をし
た。すなわち、野生型の場合、297bpのDNA断片
は、全く切断されないが、イントロン7−28G/A変
異を有する場合、220bpと77bpの2つの断片に切断
されることにより、判定される(第15図)。
【0063】各遺伝子変異の出現頻度 DGGE法による遺伝子解析を実施した240例を含
め、糖尿病患者群757例について解析した。エクソン
2のC348T変異は、2例(2例/240例)に変異
が検出され、その遺伝子変異頻度は0.8%であった。
エクソン3Arg140Trp変異は、ヘテロ接合体が
27例(27例/757例)に、同変異のホモ接合体が
1例(1例/757例)に検出され、その遺伝子変異頻
度は3.7%であった。エクソン4のA504C変異
は、ヘテロ接合体が58例(58例/240例)、同変
異のホモ接合体が4例(4例/240例)に変異が検出
され、その遺伝子変異頻度は25.8%であった。エク
ソン7Ser264Leu変異は、ヘテロ接合体が9例
(9例/757例)に検出され、その遺伝子変異頻度は
1.2%であった。イントロン7−28G/A変異は、
ヘテロ接合体が9例(9例/757例)に検出され、そ
の遺伝子変異頻度は1.2%であった。
【0064】一方、非糖尿病者205例を解析したとこ
ろ、エクソン3Arg140Trp変異は、ヘテロ接合
体が3例(3例/205例)に、イントロン7−28G
/A変異は、へテロ接合体が2例(2例/205例)に
検出され、エクソン7Ser264Leu変異を有する
ものは、205例の非糖尿病群には認められなかった。
【0065】また、C348T変異を有するヘテロ接合
体2例のうち、1例は、A504C変異のヘテロ接合体
であり、他の1例は、A504C変異が認められない野
生型の塩基配列であった。そして、58例のA504C
変異ヘテロ接合体のうち、57例は、他の変異を共有し
ていなかった。すなわち、この結果から、C348T変
異とA504C変異は、それぞれ独立した対立遺伝子上
に存在すると考えられる。
【0066】上記のごとく、インスリン産生細胞におい
て、インスリンの分泌に密接に関与するタンパク質であ
るCD38タンパク質をコードする遺伝子の変異を解析
し、さらに、その解析の結果、同定された遺伝子変異に
ついて、糖尿病群と非糖尿病群における遺伝子変異の頻
度を解析した。その結果、少なくともCD38タンパク
質の発現量及びその機能を欠失すると考えられる変異に
おいて、糖尿病群において、エクソン3Arg140T
rp変異、エクソン7Ser264Leu変異及びイン
トロン7−28G/A変異を有する遺伝子変異の頻度
は、6.1%(46例/757例)であり、これは、非
糖尿病群における上記遺伝子変異の頻度が2.4%(5
例/205例)であるのに比べると、明らかに高頻度で
あることが証明された。この結果は、単一の遺伝子変異
による糖尿病の原因遺伝子異常であるミトコンドリア遺
伝子異常全体の頻度が、糖尿病群において約2%である
という結果を鑑みると、CD38タンパク質をコードす
る遺伝子の異常の頻度が、糖尿病群において6.1%で
あるということは、CD38遺伝子の異常は、糖尿病患
者において極めて高頻度に出現しており、これまでに報
告されている他の遺伝子の異常と比較しても際立って高
頻度である。遺伝子の変異は、国や地域によって集積や
偏りがあることは、よく知られており、今後、対象を拡
大して解析を進めることにより、上記の3種の遺伝子変
異の出現頻度が更に増加すること、あるいは、上記の3
種の遺伝子変異以外のCD38遺伝子の遺伝子変異が見
出されることが考えられ、CD38遺伝子全体の異常に
よる糖尿病患者の特定数は、さらに増加する可能性があ
る。従って、上記の3種の遺伝子変異、あるいはさらに
追加されるであろう新たな遺伝子変異は、それぞれ個別
に検出されるべきものではなく、CD38遺伝子全体と
してとらえることにより、糖尿病発症危険因子の検出マ
ーカーとしての有用性が向上するものである。
【0067】
【発明の効果】本発明により、糖尿病発症危険因子の、
遺伝子を用いた検出手段が提供される。
【0068】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> BML, INC. <120> Method of Detecting Deabetogenic Risk Factor <130> PBM37 <140> <141> <160> 23 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 1305 <212> DNA <213> Hominidae <220> <221> CDS <222> (1)..(900) <400> 1 -103 aaa cagaagggga ggtgcagttt cagaacccag ccagcctctc -61 tcttgctgcc tagcctcctg ccggcctcat cttcgcccag ccaaccccgc ctggagccct -1 atg gcc aac tgc gag ttc agc ccg gtg tcc ggg gac aaa ccc tgc tgc 48 Met Ala Asn Cys Glu Phe Ser Pro Val Ser Gly Asp Lys Pro Cys Cys 1 5 10 15 cgg ctc tct agg aga gcc caa ctc tgt ctt ggc gtc agt atc ctg gtc 96 Arg Leu Ser Arg Arg Ala Gln Leu Cys Leu Gly Val Ser Ile Leu Val 20 25 30 ctg atc ctc gtc gtg gtg ctc gcg gtg gtc gtc ccg agg tgg cgc cag 144 Leu Ile Leu Val Val Val Leu Ala Val Val Val Pro Arg Trp Arg Gln 35 40 45 cag tgg agc ggt ccg ggc acc acc aag cgc ttt ccc gag acc gtc ctg 192 Gln Trp Ser Gly Pro Gly Thr Thr Lys Arg Phe Pro Glu Thr Val Leu 50 55 60 gcg cga tgc gtc aag tac act gaa att cat cct gag atg aga cat gta 240 Ala Arg Cys Val Lys Tyr Thr Glu Ile His Pro Glu Met Arg His Val 65 70 75 80 gac tgc caa agt gta tgg gat gct ttc aag ggt gca ttt att tca aaa 288 Asp Cys Gln Ser Val Trp Asp Ala Phe Lys Gly Ala Phe Ile Ser Lys 85 90 95 cat cct tgc aac att act gaa gaa gac tat cag cca cta atg aag ttg 336 His Pro Cys Asn Ile Thr Glu Glu Asp Tyr Gln Pro Leu Met Lys Leu 100 105 110 gga act cag acc gta cct tgc aac aag att ctt ctt tgg agc aga ata 384 Gly Thr Gln Thr Val Pro Cys Asn Lys Ile Leu Leu Trp Ser Arg Ile 115 120 125 aaa gat ctg gcc cat cag ttc aca cag gtc cag cgg gac atg ttc acc 432 Lys Asp Leu Ala His Gln Phe Thr Gln Val Gln Arg Asp Met Phe Thr 130 135 140 ctg gag gac acg ctg cta ggc tac ctt gct gat gac ctc aca tgg tgt 480 Leu Glu Asp Thr Leu Leu Gly Tyr Leu Ala Asp Asp Leu Thr Trp Cys 145 150 155 160 ggt gaa ttc aac act tcc aaa ata aac tat caa tct tgc cca gac tgg 528 Gly Glu Phe Asn Thr Ser Lys Ile Asn Tyr Gln Ser Cys Pro Asp Trp 165 170 175 aga aag gac tgc agc aac aac cct gtt tca gta ttc tgg aaa acg gtt 576 Arg Lys Asp Cys Ser Asn Asn Pro Val Ser Val Phe Trp Lys Thr Val 180 185 190 tcc cgc agg ttt gca gaa gct gcc tgt gat gtg gtc cat gtg atg ctc 624 Ser Arg Arg Phe Ala Glu Ala Ala Cys Asp Val Val His Val Met Leu 195 200 205 aat gga tcc cgc agt aaa atc ttt gac aaa aac agc act ttt ggg agt 672 Asn Gly Ser Arg Ser Lys Ile Phe Asp Lys Asn Ser Thr Phe Gly Ser 210 215 220 gtg gaa gtc cat aat ttg caa cca gag aag gtt cag aca cta gag gcc 720 Val Glu Val His Asn Leu Gln Pro Glu Lys Val Gln Thr Leu Glu Ala 225 230 235 240 tgg gtg ata cat ggt gga aga gaa gat tcc aga gac tta tgc cag gat 768 Trp Val Ile His Gly Gly Arg Glu Asp Ser Arg Asp Leu Cys Gln Asp 245 250 255 ccc acc ata aaa gag ctg gaa tcg att ata agc aaa agg aat att caa 816 Pro Thr Ile Lys Glu Leu Glu Ser Ile Ile Ser Lys Arg Asn Ile Gln 260 265 270 ttt tcc tgc aag aat atc tac aga cct gac aag ttt ctt cag tgt gtg 864 Phe Ser Cys Lys Asn Ile Tyr Arg Pro Asp Lys Phe Leu Gln Cys Val 275 280 285 aaa aat cct gag gat tca tct tgc aca tct gag atc tgagccagtc 910 Lys Asn Pro Glu Asp Ser Ser Cys Thr Ser Glu Ile 290 295 300 gctgtggttg ttttagctcc ttgactcctt gtggtttatg tcatcataca tgactcagca 970 tacctgctgg tgcagagctg aagattttgg agggtcctcc acaataaggt caatgccaga 1030 gacggaagcc tttttcccca aagtcttaaa ataacttata tcatcagcat acctttattg 1090 tgatctatca atagtcaaga aaaattattg tataagatta gaatgaaaat tgtatgttaa 1150 gttacttcac tttaattctc atgtgatcct tttatgttat ttatatattg gtaacatcct 1210 ttctattgaa aaatcaccac accaaacctc tcttattaga acaggcaagt gaagaaaagt 1270 gaatgctcaa gtttttcaga aagcattaca tttcc 1305 <210> 2 <211> 300 <212> PRT <213> Hominidae <400> 2 Met Ala Asn Cys Glu Phe Ser Pro Val Ser Gly Asp Lys Pro Cys Cys 1 5 10 15 Arg Leu Ser Arg Arg Ala Gln Leu Cys Leu Gly Val Ser Ile Leu Val 20 25 30 Leu Ile Leu Val Val Val Leu Ala Val Val Val Pro Arg Trp Arg Gln 35 40 45 Gln Trp Ser Gly Pro Gly Thr Thr Lys Arg Phe Pro Glu Thr Val Leu 50 55 60 Ala Arg Cys Val Lys Tyr Thr Glu Ile His Pro Glu Met Arg His Val 65 70 75 80 Asp Cys Gln Ser Val Trp Asp Ala Phe Lys Gly Ala Phe Ile Ser Lys 85 90 95 His Pro Cys Asn Ile Thr Glu Glu Asp Tyr Gln Pro Leu Met Lys Leu 100 105 110 Gly Thr Gln Thr Val Pro Cys Asn Lys Ile Leu Leu Trp Ser Arg Ile 115 120 125 Lys Asp Leu Ala His Gln Phe Thr Gln Val Gln Arg Asp Met Phe Thr 130 135 140 Leu Glu Asp Thr Leu Leu Gly Tyr Leu Ala Asp Asp Leu Thr Trp Cys 145 150 155 160 Gly Glu Phe Asn Thr Ser Lys Ile Asn Tyr Gln Ser Cys Pro Asp Trp 165 170 175 Arg Lys Asp Cys Ser Asn Asn Pro Val Ser Val Phe Trp Lys Thr Val 180 185 190 Ser Arg Arg Phe Ala Glu Ala Ala Cys Asp Val Val His Val Met Leu 195 200 205 Asn Gly Ser Arg Ser Lys Ile Phe Asp Lys Asn Ser Thr Phe Gly Ser 210 215 220 Val Glu Val His Asn Leu Gln Pro Glu Lys Val Gln Thr Leu Glu Ala 225 230 235 240 Trp Val Ile His Gly Gly Arg Glu Asp Ser Arg Asp Leu Cys Gln Asp 245 250 255 Pro Thr Ile Lys Glu Leu Glu Ser Ile Ile Ser Lys Arg Asn Ile Gln 260 265 270 Phe Ser Cys Lys Asn Ile Tyr Arg Pro Asp Lys Phe Leu Gln Cys Val 275 280 285 Lys Asn Pro Glu Asp Ser Ser Cys Thr Ser Glu Ile 290 295 300 <210> 3 <211> 61 <212> DNA <213> Hominidae <400> 3 cgcccgccgc gccccgcgcc cgtcccgccg cccccgcccg atcttcgccc agccaacccc 60 g 61 <210> 4 <211> 21 <212> DNA <213> Hominidae <400> 4 accggtgcgc cttagtcgcc a 21 <210> 5 <211> 21 <212> DNA <213> Hominidae <400> 5 tagactgcat gttagacgag a 21 <210> 6 <211> 62 <212> DNA <213> Hominidae <400> 6 cgcccgccgc gccccgcgcc cgtcccgccg cccccgcccg tttggaccta tgaattgtta 60 cc 62 <210> 7 <211> 21 <212> DNA <213> Hominidae <400> 7 gacatgctaa attgatctca g 21 <210> 8 <211> 60 <212> DNA <213> Hominidae <400> 8 cgcccgccgc gccccgcgcc cgtcccgccg cccccgcccg cagcagaagt cactctgttc 60 <210> 9 <211> 21 <212> DNA <213> Hominidae <400> 9 ccattctcca gcctccgtct t 21 <210> 10 <211> 62 <212> DNA <213> Hominidae <400> 10 cgcccgccgc gccccgcgcc cgtcccgccg cccccgcccg caagcactga ctgagtaacg 60 tc 62 <210> 11 <211> 22 <212> DNA <213> Hominidae <400> 11 aaactgctgg aggatggtga tt 22 <210> 12 <211> 63 <212> DNA <213> Hominidae <400> 12 cgcccgccgc gccccgcgcc cgtcccgccg cccccgcccg ttcactgtga tatttgcaac 60 agg 63 <210> 13 <211> 23 <212> DNA <213> Hominidae <400> 13 ggttgatgtt tggggttctt tgt 23 <210> 14 <211> 64 <212> DNA <213> Hominidae <400> 14 cgcccgccgc gccccgcgcc cgtcccgccg cccccgcccg tgtggattct tttgtggact 60 gatt 64 <210> 15 <211> 61 <212> DNA <213> Hominidae <400> 15 cgcccgccgc gccccgcgcc cgtcccgccg cccccgcccg ttgtccaggg cgtgctacaa 60 a 61 <210> 16 <211> 21 <212> DNA <213> Hominidae <400> 16 agattcacac agccctccaa g 21 <210> 17 <211> 62 <212> DNA <213> Hominidae <400> 17 cgcccgccgc gccccgcgcc cgtcccgccg cccccgcccg ttagcgaatt ggacgacaga 60 tg 62 <210> 18 <211> 22 <212> DNA <213> Hominidae <400> 18 tctggcattg accttattgt gg 22 <210> 19 <211> 22 <212> DNA <213> Hominidae <400> 19 ctccgccact ctcctgcaca ca 22 <210> 20 <211> 20 <212> DNA <213> Hominidae <400> 20 gggcctccag cagaagtcac 20 <210> 21 <211> 21 <212> DNA <213> Hominidae <400> 21 ttgtccaggg cgtgctacaa a 21 <210> 22 <211> 66 <212> DNA <213> Hominidae <400> 22 ttagcgaatt ggacgacaga tgtatcctac ggtctcttga tttccttttt tgctttcttg 60 tcatag 66
【図面の簡単な説明】
【図1】CD38遺伝子のエクソン2におけるDGGE
法による、遺伝子変異解析の異常バンドパターンを示し
た図である。
【図2】CD38遺伝子のエクソン3におけるDGGE
法による、遺伝子変異解析の異常バンドパターンを示し
た図である。
【図3】CD38遺伝子のエクソン4におけるDGGE
法による、遺伝子変異解析の異常バンドパターンを示し
た図である。
【図4】CD38遺伝子のエクソン7におけるDGGE
法による、遺伝子変異解析の異常バンドパターンを示し
た図である。
【図5】CD38遺伝子のエクソン8におけるDGGE
法による、遺伝子変異解析の異常バンドパターンを示し
た図である。
【図6】CD38遺伝子のエクソン2におけるDGGE
法による、異常バンドパターン例におけるダイレクトシ
ークエンス法による塩基配列の同定について、示した図
面である。
【図7】CD38遺伝子のエクソン3におけるDGGE
法による、異常バンドパターン例におけるダイレクトシ
ークエンス法による塩基配列の同定について、示した図
面の一方である。
【図8】CD38遺伝子のエクソン3におけるDGGE
法による、異常バンドパターン例におけるダイレクトシ
ークエンス法による塩基配列の同定について、示した図
面の他方である。
【図9】CD38遺伝子のエクソン4におけるDGGE
法による、異常バンドパターン例におけるダイレクトシ
ークエンス法による塩基配列の同定について、示した図
面の一方である。
【図10】CD38遺伝子のエクソン4におけるDGG
E法による、異常バンドパターン例におけるダイレクト
シークエンス法による塩基配列の同定について、示した
図面の他方である。
【図11】CD38遺伝子のエクソン7におけるDGG
E法による、異常バンドパターン例におけるダイレクト
シークエンス法による塩基配列の同定について、示した
図面である。
【図12】CD38遺伝子のエクソン8におけるDGG
E法による、異常バンドパターン例におけるダイレクト
シークエンス法による塩基配列の同定について、示した
図面である。
【図13】CD38遺伝子のエクソン3Arg140T
rp変異を、PCR−RFLP法で判定した結果を示し
た図面である。
【図14】CD38遺伝子のエクソン7Ser264L
eu変異を、PCR−RFLP法で判定した結果を示し
た図面である。
【図15】CD38遺伝子のイントロン7−28G/A
変異を、PCR−RFLP法で判定した結果を示した図
面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江頭 徹 埼玉県川越市的場1361番地1 株式会社ビ ー・エム・エル総合研究所内 (72)発明者 長野 誠 埼玉県川越市的場1361番地1 株式会社ビ ー・エム・エル総合研究所内 (72)発明者 提箸 幸子 埼玉県川越市的場1361番地1 株式会社ビ ー・エム・エル総合研究所内 (72)発明者 松井 加奈 埼玉県川越市的場1361番地1 株式会社ビ ー・エム・エル総合研究所内 (72)発明者 服部 浩明 埼玉県川越市的場1361番地1 株式会社ビ ー・エム・エル総合研究所内 (72)発明者 金塚 東 千葉県千葉市若葉区千城台北4−6−6 (72)発明者 高澤 伸 宮城県仙台市泉区実沢字男生山4−5 (72)発明者 岡本 宏 宮城県仙台市青葉区角五郎2−15−3− 205 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA80 CA02 HA11 4B063 QA08 QA13 QA17 QA19 QQ02 QQ42 QR08 QR62 QS25 QX02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CD38遺伝子の遺伝子変異を検出するこ
    とにより、被検者における糖尿病発症危険因子を検出す
    る、糖尿病発症危険因子の検出方法。
  2. 【請求項2】遺伝子変異が認められる部位が、CD38
    遺伝子によってコードされるCD38タンパク質の14
    0番目のアルギニンをコードする部位、同264番目の
    セリンをコードする部位及びイントロン7の−28番目
    のグアニンから選ばれる1種又は2種以上である、請求
    項1記載の糖尿病発症危険因子の検出方法。
JP13195599A 1999-05-12 1999-05-12 糖尿病発症危険因子の検出方法 Pending JP2000316578A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13195599A JP2000316578A (ja) 1999-05-12 1999-05-12 糖尿病発症危険因子の検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13195599A JP2000316578A (ja) 1999-05-12 1999-05-12 糖尿病発症危険因子の検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000316578A true JP2000316578A (ja) 2000-11-21

Family

ID=15070127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13195599A Pending JP2000316578A (ja) 1999-05-12 1999-05-12 糖尿病発症危険因子の検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000316578A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008504013A (ja) * 2004-02-06 2008-02-14 モルフォシス・アクチェンゲゼルシャフト 抗cd38ヒト抗体及びその用途
US9758590B2 (en) 2004-02-06 2017-09-12 Morphosys Ag Anti-CD38 human antibodies and uses thereof
US10184005B2 (en) 2005-10-12 2019-01-22 Morphosys Ag Generation and profiling of fully human HuCAL GOLD-derived therapeutic antibodies specific for human CD38
CN114269910A (zh) * 2019-06-27 2022-04-01 全北大学校产学协力团 新型二磷酸腺苷核糖环化酶及其抑制剂

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008504013A (ja) * 2004-02-06 2008-02-14 モルフォシス・アクチェンゲゼルシャフト 抗cd38ヒト抗体及びその用途
JP2015110597A (ja) * 2004-02-06 2015-06-18 モルフォシス・アクチェンゲゼルシャフトMorphosys Ag 抗cd38ヒト抗体及びその用途
US9758590B2 (en) 2004-02-06 2017-09-12 Morphosys Ag Anti-CD38 human antibodies and uses thereof
US10184005B2 (en) 2005-10-12 2019-01-22 Morphosys Ag Generation and profiling of fully human HuCAL GOLD-derived therapeutic antibodies specific for human CD38
US11059902B2 (en) 2005-10-12 2021-07-13 Morphosys Ag Generation and profiling of fully human HuCAL GOLD-derived therapeutic antibodies specific for human CD38
US11939395B2 (en) 2005-10-12 2024-03-26 Morphosys Ag Generation and profiling of fully human HuCAL gold-derived therapeutic antibodies specific for human CD38
CN114269910A (zh) * 2019-06-27 2022-04-01 全北大学校产学协力团 新型二磷酸腺苷核糖环化酶及其抑制剂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2257644B1 (en) Genetic alterations associated with autism and the autistic phenotype and methods of use thereof for the diagnosis of autism
EP1907569B1 (en) Genetic variants in the tcf7l2 gene as diagnostic markers for risk of type 2 diabetes mellitus
DK2121979T3 (en) Genetic markers for risk management of cardiac arrhythmia
DK2257643T3 (en) Identification of pediatric onset of inflammatory bowel disease-loco and methods of use thereof for diagnosis and treatment thereof
MX2007014220A (es) Metodos para la valoracion del riesgo de desarrollar cancer de pulmon usando un analisis de polimorfismos geneticos.
US20040203034A1 (en) Optimization of cancer treatment with irinotecan
US20090098056A1 (en) Alpk1 gene variants in diagnosis risk of gout
US20020192647A1 (en) Diagnostic method
US20040081981A1 (en) Method of detecting risk factor for onset of diabetes
JP2000316578A (ja) 糖尿病発症危険因子の検出方法
CN106957907B (zh) 用于狗中的肝铜积累的遗传检测
BRPI0806599A2 (pt) Marcador e plataforma de diagnóstico para elaboração de fármaco em infarto do miocárdio e falência cardíaca
US20230357849A1 (en) Genetic alterations associated with eosinophilic esophagitis and methods of use thereof for the diagnosis and treatment of disease
KR102327623B1 (ko) 천식 진단용 snp 및 이를 이용한 천식 진단 방법
US20080194419A1 (en) Genetic Association of Polymorphisms in the Atf6-Alpha Gene with Insulin Resistance Phenotypes
US20020143162A1 (en) Methods
AU2017265006A1 (en) Methods of analysis of polymorphisms and uses thereof
KR100809102B1 (ko) 서비빈 유전자를 이용한 폐암 감수성 진단용 마커 및 이를이용한 폐암 감수성 예측 및 판단 방법
KR102072504B1 (ko) Dock8 유전자 단일염기다형성을 이용한 아토피 피부염 진단용 조성물과 검출 방법
KR100726800B1 (ko) 포스포에놀피루베이트 카르복시키나제 1 유전자 다형성
JP4444576B2 (ja) 2型糖尿病関連遺伝子
Khalil et al. Screening of mutations in the GCK gene in Jordanian maturity-onset diabetes of the young type 2 (MODY2) patients
US20030027134A1 (en) Method of detecting risk factor for onset of diabetes
US20070197574A1 (en) Methods and compositions for predicting irinotecan toxicity
JP2004512842A (ja) インスリン遺伝子の5’隣接領域におけるアリル変異および体脂肪に基づく、インスリン非依存型糖尿病のリスク評価方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060424

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090127

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090609