JP2000313131A - サーマルヘッドの製造方法 - Google Patents

サーマルヘッドの製造方法

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JP2000313131A JP12193699A JP12193699A JP2000313131A JP 2000313131 A JP2000313131 A JP 2000313131A JP 12193699 A JP12193699 A JP 12193699A JP 12193699 A JP12193699 A JP 12193699A JP 2000313131 A JP2000313131 A JP 2000313131A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】絶縁基板素体の切断時に蓄熱層のエッジにチッ
ピングやバリが生じ、電極の破損や記録媒体の損傷とい
った不具合を生じていた。 【解決手段】サーマルヘッド領域T を有する絶縁基板素
体1Aの上面にSiO2 を主成分とする蓄熱層2 を被着さ
せるとともに前記サーマルヘッド領域T の外周部を除く
蓄熱層2 の上面全体にSi3 4 を主成分とする耐エッ
チング層3 を被着させる工程と、サーマルヘッド領域T
内の耐エッチング層3 上の全面に抵抗層4A及び導電層5A
を順次被着させる工程と、前記導電層5A及び抵抗層4Aの
一部と、耐エッチング層3 の存在しない領域の蓄熱層2
とをエッチングして導電層5A及び抵抗層4Aを所定パター
ンに加工するとともに蓄熱層2 にサーマルヘッド領域T
の外周部に沿った溝2aを形成する工程と、絶縁基板素体
1A及び蓄熱層2 を溝2aに沿って切断し、サーマルヘッド
を得る工程とによってサーマルヘッドを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワードプロセッサや
ファクシミリ等のプリンタ機構として組み込まれるサー
マルヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ワードプロセッサ等のプリンタ機
構として組み込まれるサーマルヘッドは、アルミナセラ
ミックス等から成る絶縁基板の上面にガラス製の蓄熱層
を被着させるとともに該蓄熱層上に耐エッチング層を介
して多数の発熱抵抗体及び一対の電極を被着・形成した
構造を有しており、前記一対の電極間に所定の電力を印
加し、発熱抵抗体を個々に選択的にジュール発熱させる
とともに該発熱した熱を感熱紙等の記録媒体に伝導さ
せ、所定の印画を形成することによってサーマルヘッド
として機能するものである。
【0003】かかる従来のサーマルヘッドは、通常、以
下の製法により製作される。
【0004】(1) まず前記絶縁基板よりも大型の絶縁基
板素体を準備する。
【0005】(2) 次に前記絶縁基板素体の上面全体にガ
ラスペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって所
定厚みに塗布し、これを高温で焼き付けることによって
ガラス製の蓄熱層を形成し、該蓄熱層上に従来周知のス
パッタリング等によってSi34 を主成分とする耐エ
ッチング層を0.1μm〜0.5μmの厚みに被着させ
る。この耐エッチング層は後述する(3) の工程において
発熱抵抗体及び一対の電極をパターニングする際に蓄熱
層がエッチング液によって浸蝕されるのを防止するため
のものであり、蓄熱層の表面を完全に覆うようにして被
着される。
【0006】(3) 次に前記蓄熱層上に多数の発熱抵抗体
及び一対の電極を従来周知の薄膜手法によって形成す
る。
【0007】前記多数の発熱抵抗体及び一対の電極は、
前記蓄熱層の上面に抵抗層及び導電層をスパッタリング
や真空蒸着等によって順次被着させ、これをフォトリソ
グラフィーやエッチング等を採用し、所定パターンに加
工することによって形成される。
【0008】(4) そして最後に前記絶縁基板素体に対し
て垂直方向に外力を印加し、絶縁基板素体をその上面に
被着されている蓄熱層と共に切断することによって所定
形状のサーマルヘッドが得られる。このとき、絶縁基板
素体の下面にはブレイクラインと呼ばれる溝が形成され
ており、この溝に沿って外力を印加することにより絶縁
基板素体を正確かつ簡単に切断するようにしている。
【0009】尚、上述した従来の製造方法において絶縁
基板素体から所定形状のサーマルヘッドを得るようにし
ているのは、1個の絶縁基板素体より複数個のサーマル
ヘッドを同時に製作することでサーマルヘッドの生産性
を向上させたり、蓄熱層等を形成する際に厚みや膜質等
の制御がしにくいエッジの部分をサーマルヘッドより切
り離して捨てたりするためである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この従来の
サーマルヘッドの製造方法においては、絶縁基板素体と
共に切断される蓄熱層の厚みが切断部とその周辺とで略
等しくなっており、絶縁基板素体の切断に際して外力を
印加した際、蓄熱層に印加される力は分散する。そのた
め、絶縁基板素体の切断時に蓄熱層のエッジにチッピン
グやバリが生じ易く、このチッピングによって電極の一
部が破損したり、或いは、印画に際し記録媒体がバリに
当たって傷つくといった欠点がある。
【0011】そこで上記欠点を解消するために蓄熱層の
表面にも、絶縁基板素体と同様に、カッター等で切断用
の溝を形成しておくことが考えられる。
【0012】しかしながら、蓄熱層の表面に切断用の溝
を形成するには、溝きり加工の工程や該工程で発生した
蓄熱層の破片等を除去・洗浄するための工程が別途、必
要となる上に、カッター等を用いた機械加工の際に溝の
周辺に小さなチッピングやバリを発生することがあり、
十分な対策とはなり得ないものであった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記欠点に鑑み
案出されたもので、本発明のサーマルヘッドの製造方法
は、サーマルヘッド領域を有する絶縁基板素体の上面に
SiO2 を主成分とする蓄熱層を前記サーマルヘッド領
域から該領域の外側まで延在するようにして被着させる
とともに前記サーマルヘッド領域の外周部を除く蓄熱層
の上面全体にSi34 を主成分とする耐エッチング層
を被着させる工程と、少なくともサーマルヘッド領域内
の耐エッチング層上の全面に抵抗層及び導電層を順次被
着させる工程と、前記導電層及び抵抗層の一部と、耐エ
ッチング層の存在しない領域の蓄熱層とをエッチングし
てサーマルヘッド領域内の導電層及び抵抗層を所定パタ
ーンに加工するとともに前記蓄熱層にサーマルヘッド領
域の外周部に沿った溝を形成する工程と、前記絶縁基板
素体及び蓄熱層を前記溝に沿って切断し、サーマルヘッ
ドを得る工程とを含むことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の一形態に係る製造方
法によって製作したサーマルヘッドの平面図、図2
(a)は図1のX−X線断面図、図2(b)は図1のY
−Y線断面図であり、1 は絶縁基板、2 は蓄熱層、3 は
耐エッチング層、4 は発熱抵抗体、5,5は一対の電極、6
は保護層である。
【0015】前記絶縁基板1 はアルミナセラミックス等
の電気絶縁性材料から成り、その上面で蓄熱層2 や発熱
抵抗体4 等を支持するための支持母材として機能する。
【0016】また前記絶縁基板1 の上面には、SiO2
を主成分とする無機質材料、例えばガラス等から成る蓄
熱層2 が15μm〜40μmの厚みに被着されている。
【0017】前記蓄熱層2 は、その熱伝導率が1.8×
10-3〜2.4×10-3cal/cm・sec・℃と比
較的小さいことから、発熱抵抗体4 の発する熱を適当な
温度となるように蓄積し、サーマルヘッドの熱応答特性
を良好に保つことができる。
【0018】また前記蓄熱層2 の一部上面にはSi3
4 を主成分とする耐エッチング層3が被着されている。
【0019】前記耐エッチング層3 は、後述する発熱抵
抗体4 や一対の電極5,5 をパターニングする際に発熱抵
抗体4 の近傍に位置する蓄熱層2 がエッチング液によっ
て浸食されるのを有効に防止するためのものであり、蓄
熱層2 の一部上面、具体的には蓄熱層2 の外周部を除く
上面全体にわたって例えば0.1μm〜0.5μmの厚
みに被着・形成される。
【0020】更に前記耐エッチング層3 の上面には、例
えば600dpiのドット密度で直線状に配列される多
数の発熱抵抗体4 と、該各発熱抵抗体4 の両端に電気的
に接続される一対の電極5,5 とが被着・形成されてい
る。
【0021】前記発熱抵抗体4 は例えばTaSiO系抵
抗材料やTiSiO系抵抗材料,TiCSiO系抵抗材
料等から成り、それ自体が所定の電気抵抗率を有してい
るため、一対の電極5,5 を介して外部からの電力が印加
されるとジュール発熱を起こし、記録媒体に印画を形成
するに必要な温度、例えば250℃〜400℃の温度に
発熱する。
【0022】また前記発熱抵抗体4 に電気的に接続され
ている一対の電極5,5 はAl(アルミニウム)やCu
(銅),Ag(銀)等の金属から成り、該電極5 は発熱
抵抗体4 にジュール発熱を起こさせるために必要な所定
の電力を印加する作用を為す。
【0023】そして前記発熱抵抗体4 及び一対の電極5,
5 の上面にはSi3 4 等から成る保護層6 が被着され
ており、該保護層6 によって発熱抵抗体4 や一対の電極
5,5を記録媒体との摺接による磨耗や大気中に含まれて
いる水分等の接触による腐食から保護するようにしてい
る。
【0024】かくして上述したサーマルヘッドは、外部
からの画像データに基づいて一対の電極5,5 間に所定の
電力を印加し、多数の発熱抵抗体4 を個々に選択的にジ
ュール発熱させるとともに該発熱した熱を記録媒体に伝
導させ、記録媒体に所定の印画を形成することによって
サーマルヘッドとして機能する。
【0025】次に上述したサーマルヘッドの製造方法に
ついて図3(a)〜(e)を用いて説明する。尚、本形
態においては1つの絶縁基板素体1Aから1個のサーマル
ヘッドを得る場合を例にとって説明する。
【0026】(1) 先ず、前述の絶縁基板1 よりも一回り
大型の絶縁基板素体1Aを準備する。
【0027】前記絶縁基板素体1Aはアルミナセラミック
ス等の電気絶縁性材料から成り、例えば、アルミナ、シ
リカ、マグネシア等のセラミックス原料粉末に適当な有
機溶剤、溶媒を添加・混合して泥漿状になすとともに、
これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロー
ル法等を採用することによってセラミックグリーンシー
トを得、しかる後、前記セラミックグリーンシートを所
定形状に打ち抜いた上、高温(約1600℃)で焼成す
ることにより製作される。
【0028】かかる絶縁基板素体1Aの下面には、その外
周部近傍に複数個の溝1aが形成されており、これらの溝
1aで囲まれた区画がサーマルヘッド領域T となる。該溝
1aは後述する(7) の工程において絶縁基板素体1Aを折り
曲げにより所定形状の絶縁基板1 に切断する際、その切
断を容易とするためのものであり、絶縁基板素体1Aとな
るセラミックグリーンシートに予めカッターナイフで切
り込みを入れておくことにより形成される。このとき、
溝1aの深さは絶縁基板素体1Aの厚みの4分の1乃至3分
の1に設定しておくことが好ましく、この範囲内に設定
しておくことで絶縁基板素体1Aが(7) の切断工程に至る
前に搬送時の振動等によって割れてしまうのを有効に防
止することができる。
【0029】(2) 次に、前記絶縁基板素体1Aの上面に蓄
熱層2 を、前記サーマルヘッド領域Tから該領域T の外
側まで延在するようにして被着させる。尚、本形態にお
いては前記蓄熱層2 を絶縁基板素体1Aの上面全体にわた
って形成する。
【0030】前記蓄熱層2 は、SiO2 を主成分とする
無機質材料、例えばガラス等によって15μm〜40μ
mの厚みに被着され、ガラス粉末に適当な有機溶剤、溶
媒を添加・混合して得た所定のガラスペーストを従来周
知のスクリーン印刷等の厚膜手法によって絶縁基板素体
1Aの上面全体にわたって印刷・塗布し、これを約130
0℃の温度で焼き付けることによって形成される。
【0031】かかる工程により形成された蓄熱層2 はそ
の外周部がガラスペーストの表面張力等に起因して盛り
上がった形となるが、この盛り上がり部分は切断除去部
に存在しており、後の工程(7) においてサーマルヘッド
より切り離されることとなる。
【0032】(3) 次に図3(a)に示す如く前記蓄熱層
2 の一部上面、具体的にはサーマルヘッド領域T の外周
部を除く蓄熱層2 の上面全体に耐エッチング層3 を被着
させる。
【0033】前記耐エッチング層3 はSi3 4 を主成
分とする無機質材料により0.1μm〜0.5μmの厚
みに被着され、従来周知のスパッタリング等の薄膜手法
を採用することによって形成される。
【0034】尚、かかる耐エッチング層3 のパターニン
グにはあまり高い精度は必要とされないので、前述した
スパッタリングの際に、蓄熱層2 の一部表面をメタルマ
スク等で覆っておくだけで耐エッチング層3 を蓄熱層上
面の所定領域にのみ形成することができる。
【0035】(4) 次に図3(b)に示す如く前記耐エッ
チング層3 上に抵抗層4A及び導電層5Aを順次被着させ
る。
【0036】前記抵抗層4AはTaSiOやTiSiO,
TiCSiO等の抵抗材料により0.01μm〜0.1
0μmで、また導電層5AはAlやCu,Ag等の金属に
より0.5μm〜2.0μmで、耐エッチング層3 の上
面と、表面を露出させた領域の蓄熱層上面の双方にわた
って被着・形成される。
【0037】かかる抵抗層4Aと導電層5Aは従来周知の薄
膜手法、例えばスパッタリングや真空蒸着等によって耐
エッチング層3 等の上面に順次、被着・形成される。
【0038】(5) 次にサーマルヘッド領域T 内の導電層
5A及び抵抗層4Aを所定パターンに加工するとともに前記
蓄熱層2 にサーマルヘッド領域T の外周部に沿った溝2a
を形成する。
【0039】前記導電層5A及び抵抗層4Aのパターニング
と前記溝2aの形成は、従来周知のフォトリソグラフィー
及びエッチングを採用することにより行なわれる。具体
的には、まず図3(c)に示す如く導電層5Aの表面に紫
外線硬化型樹脂のワニスを従来周知のスピンコート法等
によって塗布するとともに該ワニスに所定波長の紫外光
を電極5,5 に対応した所定パターンに照射して紫外線硬
化型樹脂を部分的に硬化させ、次に未硬化の紫外線硬化
型樹脂を除去し、しかる後、紫外線硬化型樹脂r が所定
パターンに被着されている絶縁基板素体1Aをフッ硝酸を
含むエッチング液に所定時間浸漬し、該エッチング液で
紫外線硬化型樹脂r が存在しない領域の導電層5A及び抵
抗層4Aと、耐エッチング層3 が存在しない領域の蓄熱層
2 とを連続的に浸蝕することによって図3(d)に示す
如き発熱抵抗体4 及び一対の電極5,5 のパターニングと
溝2aの形成とが同時に行なわれる。
【0040】このとき、Si3 4 を主成分とする耐エ
ッチング層3 はSiO2 を主成分とする蓄熱層2 に比し
フッ硝酸を含むエッチング液に対して浸蝕されにくいこ
とから、エッチング液と接触しても耐エッチング層3 は
殆ど浸蝕されず、一方、耐エッチング層3 が存在しない
領域の蓄熱層2 は大きく浸蝕され、これによって上述の
溝2aが形成されることとなる。
【0041】またこの場合、蓄熱層2 の溝2aは電極5,5
や発熱抵抗体4 のパターニングと同一の工程で形成され
ることから、溝2aを形成するにあたり別途、工程が増え
ることはなく、サーマルヘッドの製造工程が複雑になる
のを有効に防止することができる。
【0042】尚、前記発熱抵抗体4 のパターニングは、
従来周知のフォトリソグラフィー及びエッチングにより
導電層5Aの一部を除去し、その下の抵抗層4Aを一部露出
させることによって行なわれ、このとき露出した部分の
抵抗層4Aが発熱抵抗体4 として機能することとなる。
【0043】(6) 次に前記発熱抵抗体4 、一対の電極5,
5 及び蓄熱層2 等の表面に保護層6 を被着させる。
【0044】前記保護層6 は耐エッチング層3 と同質の
Si3 4 等により0.1μm〜0.5μmの厚みに被
着・形成され、従来周知のスパッタリング等の薄膜手法
を採用することによって発熱抵抗体4 、一対の電極5,5
及び蓄熱層2 等を被覆するようにして形成される。
【0045】(7) そして最後に図3(e)に示す如く前
記絶縁基板素体1A及び蓄熱層2 を前記溝1a,2a に沿って
切断し、所定形状のサーマルヘッドを得る。
【0046】この切断は、所定の突起を有した治具を絶
縁基板素体1Aの上下両側に配置してこれら治具の突起で
絶縁基板素体1Aの所定箇所を押圧し、折り曲げ応力を印
加することによって行なわれる。
【0047】この切断除去部にはガラスペーストの表面
張力等に起因して盛り上がった蓄熱層2 のエッジ部分が
位置しているので、切断除去後に得られるサーマルヘッ
ドの蓄熱層2 に大きな盛り上がり等は一切存在せず、か
かるサーマルヘッドを用いて印画を行なう際、記録媒体
を全ての発熱抵抗体4 に対して均一かつ良好に摺接させ
ることができる。
【0048】またこのとき、絶縁基板素体1Aと共に切断
される蓄熱層2 の切断箇所には溝2aが形成されている
ため、該切断時、蓄熱層2 に印加される折り曲げ応力
は溝2aの形成箇所に集中的に印加されることとなる。従
って、得られるサーマルヘッドの蓄熱層2 にチッピング
やバリが生じることは少なく、電極5 の破損を有効に防
止してサーマルヘッドの生産性を飛躍的に向上させるこ
とができるとともに、かかるサーマルヘッドを用いて印
画する際に記録媒体がサーマルヘッドとの摺接によって
傷つくといった事態も有効に防止されるようになる。
【0049】尚、本発明は上述の形態に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の変更、改良等が可能である。
【0050】例えば上述の形態では絶縁基板素体1Aから
サーマルヘッドを1個だけ得る方法について説明した
が、複数のサーマルヘッド領域を有した1つの絶縁基板
素体から複数個のサーマルヘッドを同時に得る、所謂
“多数個取り”を行なう場合にも適用が可能である。
【0051】また上述の形態においては蓄熱層2 が絶縁
基板1 の上面全体に被着されているサーマルヘッドを製
造する場合を例にとって説明したが、これに代えて蓄熱
層2が断面円弧状をなすように部分的に形成されている
サーマルヘッドを製造する場合にも適用が可能である。
尚、この場合、耐エッチング層はサーマルヘッド領域の
外周部を除く蓄熱層の上面全体にさえ被着されていれば
良いので、蓄熱層が存在しない絶縁基板素体の表面には
耐エッチング層を必ずしも被着させておく必要はない。
【0052】更に上述の形態において蓄熱層2 の溝2aの
内部に、図4に示す如く、発熱抵抗体4 や電極5 と同質
の材料で形成される複数個のダミーパターンd を発熱抵
抗体4 の配列方向と平行に並設しておいても良い。この
場合、前記ダミーパターンdがサーマルヘッドのエッジ
部における蓄熱層2 −保護層6 間の接着層として機能す
ることから、保護層6 の下地に対する被着強度が上が
り、サーマルヘッドの信頼性が向上する利点もある。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、絶縁基板素体と共に切
断される蓄熱層の所定箇所には溝が形成されているた
め、該切断時、蓄熱層に印加される折り曲げ応力は溝の
形成箇所に集中的に印加される。従って、得られるサー
マルヘッドの蓄熱層にチッピングやバリが生じることは
少なく、所定パターンの破損を有効に防止してサーマル
ヘッドの生産性を飛躍的に向上させることができるとと
もに、かかるサーマルヘッドを用いて印画する際に記録
媒体がサーマルヘッドとの摺接によって傷つくといった
事態も有効に防止される。
【0054】また本発明によれば、蓄熱層の溝が電極や
発熱抵抗体のパターニングと同一の工程で形成されるこ
とから、蓄熱層に溝を形成するにあたり別途、工程が増
えることはなく、サーマルヘッドの製造工程が複雑化す
るのを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態に係る製造方法によって製作さ
れるサーマルヘッドの平面図である。
【図2】(a)は図1のX−X線断面図、(b)は図1
のY−Y線断面図である。
【図3】(a)〜(e)は図1のサーマルヘッドの製造
方法を説明するための工程毎の断面図である。
【図4】本発明の変形例を説明するための要部拡大断面
図である。
【符号の説明】
1 ・・・絶縁基板、1A・・・絶縁基板素体、2 ・・・蓄
熱層、2a・・・溝、3・・・耐エッチング層、4 ・・・
発熱抵抗体、4a・・・抵抗層、5,5 ・・・一対の電極、
5a・・・導電層、6 ・・・保護層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サーマルヘッド領域を有する絶縁基板素体
    の上面にSiO2 を主成分とする蓄熱層を前記サーマル
    ヘッド領域から該領域の外側まで延在するようにして被
    着させるとともに前記サーマルヘッド領域の外周部を除
    く蓄熱層の上面全体にSi3 4 を主成分とする耐エッ
    チング層を被着させる工程と、 少なくともサーマルヘッド領域内の耐エッチング層上の
    全面に抵抗層及び導電層を順次被着させる工程と、 前記導電層及び抵抗層の一部と、耐エッチング層の存在
    しない領域の蓄熱層とをエッチングしてサーマルヘッド
    領域内の導電層及び抵抗層を所定パターンに加工すると
    ともに前記蓄熱層にサーマルヘッド領域の外周部に沿っ
    た溝を形成する工程と、 前記絶縁基板素体及び蓄熱層を前記溝に沿って切断し、
    サーマルヘッドを得る工程とを含むサーマルヘッドの製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009083198A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Kyocera Corp サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ
JP2011173275A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Kyocera Corp サーマルヘッドおよびサーマルヘッドアレイ、ならびにサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタ

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JP2009083198A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Kyocera Corp サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ
JP2011173275A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Kyocera Corp サーマルヘッドおよびサーマルヘッドアレイ、ならびにサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタ

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