JP2000310749A - 偏波無依存型光アイソレータおよびその製造方法 - Google Patents
偏波無依存型光アイソレータおよびその製造方法Info
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- JP2000310749A JP2000310749A JP11120068A JP12006899A JP2000310749A JP 2000310749 A JP2000310749 A JP 2000310749A JP 11120068 A JP11120068 A JP 11120068A JP 12006899 A JP12006899 A JP 12006899A JP 2000310749 A JP2000310749 A JP 2000310749A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】複屈折クサビ板を使用してアイソレーション特
性などの本質的な点で優れていながら、量産性に優れコ
ストダウンが可能な偏波無依存型光アイソレータとその
製造方法を提供する。 【解決手段】偏波無依存型光アイソレータは、実施例に
対応する図1に示すとおり、傾斜面1aを光入射側へ向
けた第一複屈折クサビ板1と、第一複屈折クサビ板1の
クサビ等厚線に平行なクサビ等厚線の傾斜面2aを光出
射側へ向けた第二複屈折クサビ板2との間に、ファラデ
ー回転素子3が配置され、第一複屈折クサビ板1の非傾
斜面とファラデー回転素子3の入射面との間、およびフ
ァラデー回転素子3の出射面と第二複屈折クサビ板2の
非傾斜面との間が各々接着剤で接着固定され、筒状磁石
5の内部に配置されている。
性などの本質的な点で優れていながら、量産性に優れコ
ストダウンが可能な偏波無依存型光アイソレータとその
製造方法を提供する。 【解決手段】偏波無依存型光アイソレータは、実施例に
対応する図1に示すとおり、傾斜面1aを光入射側へ向
けた第一複屈折クサビ板1と、第一複屈折クサビ板1の
クサビ等厚線に平行なクサビ等厚線の傾斜面2aを光出
射側へ向けた第二複屈折クサビ板2との間に、ファラデ
ー回転素子3が配置され、第一複屈折クサビ板1の非傾
斜面とファラデー回転素子3の入射面との間、およびフ
ァラデー回転素子3の出射面と第二複屈折クサビ板2の
非傾斜面との間が各々接着剤で接着固定され、筒状磁石
5の内部に配置されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信の信号光は
透過するが、反射戻り光は遮断する機能を持つ光アイソ
レータであって、信号光の偏波面にかかわりなく動作す
る偏波無依存型光アイソレータに関するものである。
透過するが、反射戻り光は遮断する機能を持つ光アイソ
レータであって、信号光の偏波面にかかわりなく動作す
る偏波無依存型光アイソレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ通信で長距離の伝送を行う場
合や、光ファイバで送られた光を分岐する場合など、分
岐後の光量が減衰したときには、エルビウムドープファ
イバ増幅器(EDFA )などによる光増幅がされてい
る。斯かる増幅は、光信号を電気信号に変換することな
く、信号光を直接的に増幅するもので、レンズやミラ
ー、フィルタなど多くの光学部品から構成されている。
そのため、これらの光学部品からの反射戻り光やファイ
バ端面からの戻り光が内部で生じ、光増幅器内で光の共
振が発生して、増幅特性の劣化を誘発してしまう。そこ
で、反射戻り光を遮断するために、光アイソレータが使
用されている。一方、光ファイバ内を透過する信号光
は、光ファイバの外部応力や曲げの影響により、偏波状
態が一定していないため、ここで使用される光アイソレ
ータは、信号光の偏波状態に依存しない偏波無依存型の
光アイソレータであることが好ましい。
合や、光ファイバで送られた光を分岐する場合など、分
岐後の光量が減衰したときには、エルビウムドープファ
イバ増幅器(EDFA )などによる光増幅がされてい
る。斯かる増幅は、光信号を電気信号に変換することな
く、信号光を直接的に増幅するもので、レンズやミラ
ー、フィルタなど多くの光学部品から構成されている。
そのため、これらの光学部品からの反射戻り光やファイ
バ端面からの戻り光が内部で生じ、光増幅器内で光の共
振が発生して、増幅特性の劣化を誘発してしまう。そこ
で、反射戻り光を遮断するために、光アイソレータが使
用されている。一方、光ファイバ内を透過する信号光
は、光ファイバの外部応力や曲げの影響により、偏波状
態が一定していないため、ここで使用される光アイソレ
ータは、信号光の偏波状態に依存しない偏波無依存型の
光アイソレータであることが好ましい。
【0003】偏波無依存型の光アイソレータは、例えば
特公昭61−58809号公報に記載されているよう
に、2枚の複屈折クサビ板と1枚のファラデー回転素子
とを備えている。このような偏波無依存型光アイソレー
タは、高いアイソレーション特性を持ち、小型化などに
適している。
特公昭61−58809号公報に記載されているよう
に、2枚の複屈折クサビ板と1枚のファラデー回転素子
とを備えている。このような偏波無依存型光アイソレー
タは、高いアイソレーション特性を持ち、小型化などに
適している。
【0004】さらに高いアイソレーション特性や、少な
い偏波分散(Polarization Mode Dispersion:PMD)
特性を得る目的で、光アイソレータユニットを2段直列
に配置し、1段目の最後段の複屈折板の光学軸と2段目
の最前段の複屈折板の光学軸とを直交させる構成の偏波
無依存型光アイソレータが、例えば特許第2,747,
775号公報に開示されている。
い偏波分散(Polarization Mode Dispersion:PMD)
特性を得る目的で、光アイソレータユニットを2段直列
に配置し、1段目の最後段の複屈折板の光学軸と2段目
の最前段の複屈折板の光学軸とを直交させる構成の偏波
無依存型光アイソレータが、例えば特許第2,747,
775号公報に開示されている。
【0005】これら従来の光アイソレータの組立は、各
光学素子毎にハンダなどによる金属接合や、低融点ガラ
スでの接合を行い、その途中で角度調整などの更に多く
の中間工程が入るため、非常に複雑で時間とコストがか
かる。コストダウン、サイズダウン、工数ダウンなどの
目的で、例えば特開平9−138372号公報には、加
工の容易な複屈折平行平板を使用し、チップに切断する
前の大きな板状になっている各光学素子の光学面を接着
剤などで貼り付けてから、切断、チップ化する方法が開
示されいる。
光学素子毎にハンダなどによる金属接合や、低融点ガラ
スでの接合を行い、その途中で角度調整などの更に多く
の中間工程が入るため、非常に複雑で時間とコストがか
かる。コストダウン、サイズダウン、工数ダウンなどの
目的で、例えば特開平9−138372号公報には、加
工の容易な複屈折平行平板を使用し、チップに切断する
前の大きな板状になっている各光学素子の光学面を接着
剤などで貼り付けてから、切断、チップ化する方法が開
示されいる。
【0006】一方、複屈折クサビ板を使用する構成の偏
波無依存型光アイソレータは、アイソレーション特性な
どの本質的な点で優れているが、クサビ板は形状が特殊
であるため、量産し難く、高コストなものであった。
波無依存型光アイソレータは、アイソレーション特性な
どの本質的な点で優れているが、クサビ板は形状が特殊
であるため、量産し難く、高コストなものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためなされたもので、量産性に優れコストダウ
ンが可能な偏波無依存型光アイソレータとその製造方法
を提供することを目的とする。
解決するためなされたもので、量産性に優れコストダウ
ンが可能な偏波無依存型光アイソレータとその製造方法
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明を適用する偏波無依存型光アイソレ
ータは、実施例に対応する図1に示すとおり、傾斜面1
aを光入射側へ向けた第一複屈折クサビ板1と、第一複
屈折クサビ板1のクサビ等厚線に平行なクサビ等厚線の
傾斜面2aを光出射側へ向けた第二複屈折クサビ板2と
の間に、ファラデー回転素子3が配置され、第一複屈折
クサビ板1の非傾斜面とファラデー回転素子3の入射面
との間、およびファラデー回転素子3の出射面と第二複
屈折クサビ板2の非傾斜面との間が各々接着剤で接着固
定され、筒状磁石5の内部に配置されている。
めになされた本発明を適用する偏波無依存型光アイソレ
ータは、実施例に対応する図1に示すとおり、傾斜面1
aを光入射側へ向けた第一複屈折クサビ板1と、第一複
屈折クサビ板1のクサビ等厚線に平行なクサビ等厚線の
傾斜面2aを光出射側へ向けた第二複屈折クサビ板2と
の間に、ファラデー回転素子3が配置され、第一複屈折
クサビ板1の非傾斜面とファラデー回転素子3の入射面
との間、およびファラデー回転素子3の出射面と第二複
屈折クサビ板2の非傾斜面との間が各々接着剤で接着固
定され、筒状磁石5の内部に配置されている。
【0009】この偏波無依存型光アイソレータでは、第
一複屈折クサビ板1の入射面と出射面、および第二複屈
折クサビ板2の出射面と入射面がともに傾斜面と非傾斜
面により構成され、その傾斜面を外側に向け非傾斜面の
間にファラデー回転素子3が挟み込まれて接着固定され
ている。そのため、クサビ形という部品としての組み込
みのし難さを克服し、光アイソレータとしての本質的性
能を損なうことなく、きわめて小型で造りやすい構造に
なっている。
一複屈折クサビ板1の入射面と出射面、および第二複屈
折クサビ板2の出射面と入射面がともに傾斜面と非傾斜
面により構成され、その傾斜面を外側に向け非傾斜面の
間にファラデー回転素子3が挟み込まれて接着固定され
ている。そのため、クサビ形という部品としての組み込
みのし難さを克服し、光アイソレータとしての本質的性
能を損なうことなく、きわめて小型で造りやすい構造に
なっている。
【0010】この偏波無依存型光アイソレータは、図3
に示すとおり、筒状磁石5が2つの半筒状磁石5aおよ
び5bを接着して筒状に形成されており、その2つの半
筒の凹部6aおよび6bに、第一複屈折クサビ板1、フ
ァラデー回転素子3、および第二複屈折クサビ板2が填
め込まれて接着される。
に示すとおり、筒状磁石5が2つの半筒状磁石5aおよ
び5bを接着して筒状に形成されており、その2つの半
筒の凹部6aおよび6bに、第一複屈折クサビ板1、フ
ァラデー回転素子3、および第二複屈折クサビ板2が填
め込まれて接着される。
【0011】本発明の偏波無依存型光アイソレータの別
な態様は、図1に示した構成の光アイソレータ10およ
び20の偶数個を有し、図4および図5に示すとおり、
互いに向かい合う複屈折クサビ板2および11の結晶軸
方向2Cおよび11Cを光線方向の中心軸Oについて9
0度回転させて重ね合わせた多段光アイソレータであっ
て、各光アイソレータの対応する複屈折クサビ板どうし
のクサビ等厚線が所定の角度θずれ、一方の光アイソレ
ータ10の筒状磁石5の端に設けられた段差7と、別な
光アイソレータ20の端に設けられた筒状磁石15の段
差17とが掛合して接着固定されている。
な態様は、図1に示した構成の光アイソレータ10およ
び20の偶数個を有し、図4および図5に示すとおり、
互いに向かい合う複屈折クサビ板2および11の結晶軸
方向2Cおよび11Cを光線方向の中心軸Oについて9
0度回転させて重ね合わせた多段光アイソレータであっ
て、各光アイソレータの対応する複屈折クサビ板どうし
のクサビ等厚線が所定の角度θずれ、一方の光アイソレ
ータ10の筒状磁石5の端に設けられた段差7と、別な
光アイソレータ20の端に設けられた筒状磁石15の段
差17とが掛合して接着固定されている。
【0012】前記所定の角度θは67.5°であること
が好ましい。これらの偏波無依存型光アイソレータの第
一複屈折クサビ板および(または)第二複屈折クサビ板
はニオブ酸リチウム(LiNbO3)結晶で形成されているこ
とが好ましい。
が好ましい。これらの偏波無依存型光アイソレータの第
一複屈折クサビ板および(または)第二複屈折クサビ板
はニオブ酸リチウム(LiNbO3)結晶で形成されているこ
とが好ましい。
【0013】また前記の目的を達成するためになされた
本発明を適用する偏波無依存型光アイソレータの製造方
法は、実施例に対応する図6に示すとおり、クサビ等厚
線の方向Xに複数個分の光アイソレータに相当する光入
出射面の長さLを有し、一方の光入出射面が傾斜面1a
および2aで別な光入出射面が非傾斜面1bおよび2b
であるクサビ型の複屈折結晶棒体IおよびIIの非傾斜面
1bおよび2bにより、複屈折結晶棒体IおよびIIの光
入出射面の長さLに相当するファラデー回転素子結晶棒
体IIIの光入出射面を、挟んで接着固定する工程
(A)、工程(A)で一体化した複屈折結晶棒体I/フ
ァラデー回転素子結晶棒体III/複屈折結晶棒体IIを光
アイソレータの一個分に相当する光入出射面の長さdに
切断して複屈折結晶1/ファラデー回転素子結晶2/複
屈折結晶3にチップ化する工程(B)、その複屈折結晶
1/ファラデー回転素子結晶2/複屈折結晶3のチップ
を筒状磁石の内部に組み込む工程を有する。
本発明を適用する偏波無依存型光アイソレータの製造方
法は、実施例に対応する図6に示すとおり、クサビ等厚
線の方向Xに複数個分の光アイソレータに相当する光入
出射面の長さLを有し、一方の光入出射面が傾斜面1a
および2aで別な光入出射面が非傾斜面1bおよび2b
であるクサビ型の複屈折結晶棒体IおよびIIの非傾斜面
1bおよび2bにより、複屈折結晶棒体IおよびIIの光
入出射面の長さLに相当するファラデー回転素子結晶棒
体IIIの光入出射面を、挟んで接着固定する工程
(A)、工程(A)で一体化した複屈折結晶棒体I/フ
ァラデー回転素子結晶棒体III/複屈折結晶棒体IIを光
アイソレータの一個分に相当する光入出射面の長さdに
切断して複屈折結晶1/ファラデー回転素子結晶2/複
屈折結晶3にチップ化する工程(B)、その複屈折結晶
1/ファラデー回転素子結晶2/複屈折結晶3のチップ
を筒状磁石の内部に組み込む工程を有する。
【0014】複屈折結晶1/ファラデー回転素子結晶3
/複屈折結晶2のチップを筒状磁石の内部に組み込む工
程は、図2に示すとおり、1つの筒状磁石5aの凹部6
aにチップを填めて、別な半筒状磁石5bの凹部6bで
チップ1/3/2を覆って接着することが好ましい。
/複屈折結晶2のチップを筒状磁石の内部に組み込む工
程は、図2に示すとおり、1つの筒状磁石5aの凹部6
aにチップを填めて、別な半筒状磁石5bの凹部6bで
チップ1/3/2を覆って接着することが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用する偏波無依
存型光アイソレータの実施例を、図面を参照して詳細に
説明する。図1に示す光アイソレータは、第一複屈折ク
サビ板1、ファラデー回転素子3、および第二複屈折ク
サビ板2を順に並べて筒状磁石5の内部に配置したもの
である。第一複屈折クサビ板1および第二複屈折クサビ
板2は、ともに一方の光透過面が傾斜面1aおよび2
a、その傾斜等厚線は上下辺と平行になっている。もう
一方の光透過面が非傾斜面1bおよび2bである。これ
ら複屈折クサビ板は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)結晶
で、その結晶軸、すなわち光学軸は傾斜等厚線に対して
22.5°ずらして仕上げてある。ファラデー回転素子
3は、光線方向O側から45°反時計回り回転のもので
ある。
存型光アイソレータの実施例を、図面を参照して詳細に
説明する。図1に示す光アイソレータは、第一複屈折ク
サビ板1、ファラデー回転素子3、および第二複屈折ク
サビ板2を順に並べて筒状磁石5の内部に配置したもの
である。第一複屈折クサビ板1および第二複屈折クサビ
板2は、ともに一方の光透過面が傾斜面1aおよび2
a、その傾斜等厚線は上下辺と平行になっている。もう
一方の光透過面が非傾斜面1bおよび2bである。これ
ら複屈折クサビ板は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)結晶
で、その結晶軸、すなわち光学軸は傾斜等厚線に対して
22.5°ずらして仕上げてある。ファラデー回転素子
3は、光線方向O側から45°反時計回り回転のもので
ある。
【0016】この光アイソレータでは、同一形状の第一
複屈折クサビ板1および第二複屈折クサビ板2を上下反
転で裏返して並べてあるから、傾斜面1aのクサビ等厚
線と傾斜面2aのクサビ等厚線は、ともに矢印Xで示す
方向で平行になっている。光線方向O上から視た図2で
は、第一複屈折クサビ板1の結晶軸1Cは等厚線方向X
から22.5°ずれ、第二複屈折クサビ板2の結晶軸2
Cは等厚線方向Xから−22.5°ずれ、結晶軸1Cと
2Cとでは45°ずれる。
複屈折クサビ板1および第二複屈折クサビ板2を上下反
転で裏返して並べてあるから、傾斜面1aのクサビ等厚
線と傾斜面2aのクサビ等厚線は、ともに矢印Xで示す
方向で平行になっている。光線方向O上から視た図2で
は、第一複屈折クサビ板1の結晶軸1Cは等厚線方向X
から22.5°ずれ、第二複屈折クサビ板2の結晶軸2
Cは等厚線方向Xから−22.5°ずれ、結晶軸1Cと
2Cとでは45°ずれる。
【0017】この第一複屈折クサビ板1/ファラデー回
転素子3/第二複屈折クサビ板2を接着したチップを、
図3に示すとおり、外周が半円柱で内側がL形凹部6a
となった半筒状磁石5aと同形の半筒状磁石5bの各L
形凹部6aおよび6b間に挟んで接着する。磁石5が筒
状になり、その内側に第一複屈折クサビ板1、ファラデ
ー回転素子3、および第二複屈折クサビ板2が填め込ま
れた形となり、偏波無依存型光アイソレータが完成す
る。
転素子3/第二複屈折クサビ板2を接着したチップを、
図3に示すとおり、外周が半円柱で内側がL形凹部6a
となった半筒状磁石5aと同形の半筒状磁石5bの各L
形凹部6aおよび6b間に挟んで接着する。磁石5が筒
状になり、その内側に第一複屈折クサビ板1、ファラデ
ー回転素子3、および第二複屈折クサビ板2が填め込ま
れた形となり、偏波無依存型光アイソレータが完成す
る。
【0018】この偏波無依存型光アイソレータは、第一
複屈折クサビ板1→ファラデー回転素子3→第二複屈折
クサビ板2が順方向(光線方向O)となる。以下にその
動作説明する。
複屈折クサビ板1→ファラデー回転素子3→第二複屈折
クサビ板2が順方向(光線方向O)となる。以下にその
動作説明する。
【0019】第一複屈折クサビ板1に光源または光学系
から伝送のため順方向の無偏向光が入射すると、結晶軸
1Cにより常光および異常光に分離し、各々の偏向面が
ファラデー回転素子3により45°回転(進行左ねじ方
向)する。その常光および異常光は、第二複屈折クサビ
板2では、結晶軸2Cが結晶軸1Cから45°ずれてい
るので、結晶軸2Cに対して偏波面のずれがなく、常光
および異常光として透過する。この常光および異常光
は、傾斜面1aと傾斜面2aとが平行であるため、傾斜
面2aを出射のときには平行光となり合成され無偏向光
となって次の伝送光学系に向かう。
から伝送のため順方向の無偏向光が入射すると、結晶軸
1Cにより常光および異常光に分離し、各々の偏向面が
ファラデー回転素子3により45°回転(進行左ねじ方
向)する。その常光および異常光は、第二複屈折クサビ
板2では、結晶軸2Cが結晶軸1Cから45°ずれてい
るので、結晶軸2Cに対して偏波面のずれがなく、常光
および異常光として透過する。この常光および異常光
は、傾斜面1aと傾斜面2aとが平行であるため、傾斜
面2aを出射のときには平行光となり合成され無偏向光
となって次の伝送光学系に向かう。
【0020】次の伝送光学系の表面反射などによる逆方
向の光が第二複屈折クサビ板2に入射すると結晶軸2C
により常光および異常光に分離し、各々の偏向面がファ
ラデー回転素子3により45°回転する。このときの回
転方向は順方向光と同じであるが、進行が逆方向なので
右ねじ方向となる。したがって結晶軸2に45°ずれて
いる結晶軸1Cは、常光および異常光の偏波面と90°
ずれ、第一複屈折クサビ板1を異常光および常光として
分離を広げながら透過する。この異常光および常光は傾
斜面1aの作用によりさらに分離される。したがって光
源または光源側の光学系へ戻る反射光がなくなる。
向の光が第二複屈折クサビ板2に入射すると結晶軸2C
により常光および異常光に分離し、各々の偏向面がファ
ラデー回転素子3により45°回転する。このときの回
転方向は順方向光と同じであるが、進行が逆方向なので
右ねじ方向となる。したがって結晶軸2に45°ずれて
いる結晶軸1Cは、常光および異常光の偏波面と90°
ずれ、第一複屈折クサビ板1を異常光および常光として
分離を広げながら透過する。この異常光および常光は傾
斜面1aの作用によりさらに分離される。したがって光
源または光源側の光学系へ戻る反射光がなくなる。
【0021】図4は本発明を適用する偏波無依存型光ア
イソレータの実施例を示す斜視図であって、[第一複屈
折クサビ板/ファラデー回転素子/第二複屈折クサビ
板]磁石という構成の光アイソレータ10と20を重ね
合わせた多段光アイソレータである。
イソレータの実施例を示す斜視図であって、[第一複屈
折クサビ板/ファラデー回転素子/第二複屈折クサビ
板]磁石という構成の光アイソレータ10と20を重ね
合わせた多段光アイソレータである。
【0022】光アイソレータ10は、図3で示した光ア
イソレータと略同一の構成であるが、磁石5の後部末端
(光アイソレータ10の光出射側)に段差7が設けられ
ている点だけが相違している(図2と図5の符号10比
較参照)。
イソレータと略同一の構成であるが、磁石5の後部末端
(光アイソレータ10の光出射側)に段差7が設けられ
ている点だけが相違している(図2と図5の符号10比
較参照)。
【0023】光アイソレータ20は、第一複屈折クサビ
板11がその結晶軸11Cの方向と同一方向にクサビ等
厚線方向Yが向くように仕上げられる。第二複屈折クサ
ビ板12の結晶軸12Cは結晶軸11Cに45°ずれ、
クサビ等厚線方向Yは第一複屈折クサビ板11と一致
(傾斜向きは反転)するから、結晶軸11Cとクサビ等
厚線方向Yは45°回転した方向を向いている。尚、光
アイソレータ20のファラデー回転素子は光アイソレー
タ10のものと同一である。
板11がその結晶軸11Cの方向と同一方向にクサビ等
厚線方向Yが向くように仕上げられる。第二複屈折クサ
ビ板12の結晶軸12Cは結晶軸11Cに45°ずれ、
クサビ等厚線方向Yは第一複屈折クサビ板11と一致
(傾斜向きは反転)するから、結晶軸11Cとクサビ等
厚線方向Yは45°回転した方向を向いている。尚、光
アイソレータ20のファラデー回転素子は光アイソレー
タ10のものと同一である。
【0024】磁石15の前部末端(光アイソレータ20
の光入射側)には、光アイソレータ10の複屈折クサビ
板のクサビ等厚線方向Xと、光アイソレータ20の複屈
折クサビ板のクサビ等厚線方向Yとが、67.5°ずれ
て段差7に掛合する段差17が設けられている。段差7
に段差17を掛合させ、磁石5と磁石15とを接着固定
することにより光アイソレータ10と20を重ね合わさ
れる。
の光入射側)には、光アイソレータ10の複屈折クサビ
板のクサビ等厚線方向Xと、光アイソレータ20の複屈
折クサビ板のクサビ等厚線方向Yとが、67.5°ずれ
て段差7に掛合する段差17が設けられている。段差7
に段差17を掛合させ、磁石5と磁石15とを接着固定
することにより光アイソレータ10と20を重ね合わさ
れる。
【0025】多段光アイソレータ100の重ね合わせて
ある光アイソレータ10と光アイソレータ20の配置の
方向性を理解しやすくするため、図5には、光アイソレ
ータ10から光アイソレータ20を平行にずらして別個
に、光線方向O上から視た図を描いてある。光アイソレ
ータ10の第二複屈折クサビ板2の結晶軸2Cに対し
て、光アイソレータ20の第一複屈折クサビ板11の結
晶軸11Cを90°回転して重ね合わせてある。したが
って、光アイソレータ10の第一複屈折クサビ板1の結
晶軸1Cに対しては、光アイソレータ20の第二複屈折
クサビ板の結晶軸12Cの方向は一致して重ね合わされ
る。光アイソレータ10の第一複屈折クサビ板1のクサ
ビ等厚線方向X(第二複屈折クサビ板2のクサビ等厚線
方向も同じ)と、光アイソレータ20の第一複屈折クサ
ビ板11のクサビ等厚線方向Y(第二複屈折クサビ板1
2のクサビ等厚線方向も同じ)とは、所定の角度θ=6
7.5°ずれて重ね合わされる。
ある光アイソレータ10と光アイソレータ20の配置の
方向性を理解しやすくするため、図5には、光アイソレ
ータ10から光アイソレータ20を平行にずらして別個
に、光線方向O上から視た図を描いてある。光アイソレ
ータ10の第二複屈折クサビ板2の結晶軸2Cに対し
て、光アイソレータ20の第一複屈折クサビ板11の結
晶軸11Cを90°回転して重ね合わせてある。したが
って、光アイソレータ10の第一複屈折クサビ板1の結
晶軸1Cに対しては、光アイソレータ20の第二複屈折
クサビ板の結晶軸12Cの方向は一致して重ね合わされ
る。光アイソレータ10の第一複屈折クサビ板1のクサ
ビ等厚線方向X(第二複屈折クサビ板2のクサビ等厚線
方向も同じ)と、光アイソレータ20の第一複屈折クサ
ビ板11のクサビ等厚線方向Y(第二複屈折クサビ板1
2のクサビ等厚線方向も同じ)とは、所定の角度θ=6
7.5°ずれて重ね合わされる。
【0026】この多段光アイソレータ100で光アイソ
レータ10から出射する順方向光は光アイソレータ20
に入射するが、光アイソレータ10の第二複屈折クサビ
板2の結晶軸2Cと光アイソレータ20の第一複屈折ク
サビ板11の結晶軸11Cとが90°ずれているため、
第二複屈折クサビ板2から出射した光のうち、常光は第
一複屈折クサビ板11には異常光として入射し、異常光
は逆に常光として入射する。このため、光アイソレータ
10で生じる常光と異常光との伝達時間差が、光アイソ
レータ20で生じる伝達時間差によりキャンセルされる
ため、偏波分散が著しく小さくなる。この状態で、光ア
イソレータ10の複屈折クサビ板のクサビ等厚線方向X
と、光アイソレータ20の複屈折クサビ板のクサビ等厚
線方向Yが67.5°ずらしてあるから、最もアイソレ
ーション特性の良い90°ずれに比べ、そん色のないア
イソレーション特性を維持できる。かつ90°ずれより
も多段光アイソレータの総合した常光と異常光との分離
距離を小さく抑えられるため、ファイバに入射させる際
の過剰損失をより低く抑えられる。
レータ10から出射する順方向光は光アイソレータ20
に入射するが、光アイソレータ10の第二複屈折クサビ
板2の結晶軸2Cと光アイソレータ20の第一複屈折ク
サビ板11の結晶軸11Cとが90°ずれているため、
第二複屈折クサビ板2から出射した光のうち、常光は第
一複屈折クサビ板11には異常光として入射し、異常光
は逆に常光として入射する。このため、光アイソレータ
10で生じる常光と異常光との伝達時間差が、光アイソ
レータ20で生じる伝達時間差によりキャンセルされる
ため、偏波分散が著しく小さくなる。この状態で、光ア
イソレータ10の複屈折クサビ板のクサビ等厚線方向X
と、光アイソレータ20の複屈折クサビ板のクサビ等厚
線方向Yが67.5°ずらしてあるから、最もアイソレ
ーション特性の良い90°ずれに比べ、そん色のないア
イソレーション特性を維持できる。かつ90°ずれより
も多段光アイソレータの総合した常光と異常光との分離
距離を小さく抑えられるため、ファイバに入射させる際
の過剰損失をより低く抑えられる。
【0027】この2段光アイソレータ100を基本単位
として、これの整数倍の光アイソレータを重ね合わせた
種々の多段光アイソレータを得ることができる。
として、これの整数倍の光アイソレータを重ね合わせた
種々の多段光アイソレータを得ることができる。
【0028】図6は本発明を適用する偏波無依存型光ア
イソレータの製造方法の実施例を工程順に示した斜視図
である。二本の同質な複屈折結晶棒体IおよびII、ファ
ラデー回転素子結晶棒体IIIを予め用意する。複屈折結
晶棒体Iはニオブ酸リチウム結晶であり、1面が傾斜面
1a、もう1面が直角面(非傾斜面)1bのクサビ型棒
である。その長さLは図ではクサビ等厚線の方向Xに7
個分の光アイソレータに相当するが、実際は、長い程工
程時間が短くすむので長い程望ましい。クサビ等厚線方
向Xは結晶軸1Cの方向と22.5°ずれるように切り
出してある。傾斜面1aおよび非傾斜面1bは光学的な
鏡面研磨で仕上げられ、その表面に反射防止膜のコーテ
ィングがなされている。複屈折結晶棒体IIも複屈折結晶
棒体Iと同一なものを用意する。ファラデー回転素子結
晶棒体IIIは、ビスマス置換希土類鉄ガーネット角柱で
あり、複屈折結晶棒体IおよびIIと同一の長さをもち、
複屈折結晶棒体IおよびIIと貼り合わされる面は光学的
な鏡面研磨で仕上げられ、その表面に反射防止膜のコー
ティングがなされている。
イソレータの製造方法の実施例を工程順に示した斜視図
である。二本の同質な複屈折結晶棒体IおよびII、ファ
ラデー回転素子結晶棒体IIIを予め用意する。複屈折結
晶棒体Iはニオブ酸リチウム結晶であり、1面が傾斜面
1a、もう1面が直角面(非傾斜面)1bのクサビ型棒
である。その長さLは図ではクサビ等厚線の方向Xに7
個分の光アイソレータに相当するが、実際は、長い程工
程時間が短くすむので長い程望ましい。クサビ等厚線方
向Xは結晶軸1Cの方向と22.5°ずれるように切り
出してある。傾斜面1aおよび非傾斜面1bは光学的な
鏡面研磨で仕上げられ、その表面に反射防止膜のコーテ
ィングがなされている。複屈折結晶棒体IIも複屈折結晶
棒体Iと同一なものを用意する。ファラデー回転素子結
晶棒体IIIは、ビスマス置換希土類鉄ガーネット角柱で
あり、複屈折結晶棒体IおよびIIと同一の長さをもち、
複屈折結晶棒体IおよびIIと貼り合わされる面は光学的
な鏡面研磨で仕上げられ、その表面に反射防止膜のコー
ティングがなされている。
【0029】工程(A)に示すとおり、上記で用意した
複屈折結晶棒体IおよびIIの非傾斜面1bおよび2b、
複屈折結晶棒体IおよびIIと貼り合わせ面に熱硬化型シ
リコーン樹脂を薄く塗り、複屈折結晶棒体I/ファラデ
ー回転素子結晶棒体III/複屈折結晶棒体IIの順に重ね
合わせ、加重しながら加熱して接着固定する。一体化し
た複屈折結晶棒体I/ファラデー回転素子結晶棒体III
/複屈折結晶棒体IIを、工程(A)に示すとおり、ダイ
アモンドカッタ8により順次切断してゆき、7個のチッ
プ1/3/2が得られる。このチップ1/3/2の1個
を、図3に示すように、筒状磁石5aの凹部6aに填め
て、別な半筒状磁石5bの凹部6bで覆って接着するこ
とにより、光アイソレータが完成する。
複屈折結晶棒体IおよびIIの非傾斜面1bおよび2b、
複屈折結晶棒体IおよびIIと貼り合わせ面に熱硬化型シ
リコーン樹脂を薄く塗り、複屈折結晶棒体I/ファラデ
ー回転素子結晶棒体III/複屈折結晶棒体IIの順に重ね
合わせ、加重しながら加熱して接着固定する。一体化し
た複屈折結晶棒体I/ファラデー回転素子結晶棒体III
/複屈折結晶棒体IIを、工程(A)に示すとおり、ダイ
アモンドカッタ8により順次切断してゆき、7個のチッ
プ1/3/2が得られる。このチップ1/3/2の1個
を、図3に示すように、筒状磁石5aの凹部6aに填め
て、別な半筒状磁石5bの凹部6bで覆って接着するこ
とにより、光アイソレータが完成する。
【0030】このような工程で一度に多数の光アイソレ
ータが製造できるので、複屈折結晶やファラデー回転素
子結晶の素材の無駄をなくして材料歩留まり向上を図
れ、さらに1個あたりの大幅な工数削減ができ、安価に
光アイソレータを製造できる。
ータが製造できるので、複屈折結晶やファラデー回転素
子結晶の素材の無駄をなくして材料歩留まり向上を図
れ、さらに1個あたりの大幅な工数削減ができ、安価に
光アイソレータを製造できる。
【0031】図4に示した2段光アイソレータ100の
光アイソレータ20を構成する第一複屈折クサビ板11
/ファラデー回転素子/第二複屈折クサビ板12のチッ
プを製造するには、第一複屈折クサビ板11の材料にす
る複屈折結晶棒体はクサビ等厚線方向Xが結晶軸1Cと
同一に、第二複屈折クサビ板12の材料にする複屈折結
晶棒体はクサビ等厚線方向Xが結晶軸と45°ずれるよ
うに切り出したものを使用する。
光アイソレータ20を構成する第一複屈折クサビ板11
/ファラデー回転素子/第二複屈折クサビ板12のチッ
プを製造するには、第一複屈折クサビ板11の材料にす
る複屈折結晶棒体はクサビ等厚線方向Xが結晶軸1Cと
同一に、第二複屈折クサビ板12の材料にする複屈折結
晶棒体はクサビ等厚線方向Xが結晶軸と45°ずれるよ
うに切り出したものを使用する。
【0032】図1に示した実施例の光アイソレータを試
作し、その性能を評価した例を以下に記載する。図6の
複屈折結晶棒体IおよびIIとして、ニオブ酸リチウム結
晶を、幅1.4mm、長さ20mm、厚さ600μmで、傾
斜角13°にし、傾斜面に1.55μm帯の対空気用A
Rコート、非傾斜面には1.55μm帯の対接着剤用A
Rコートを施した。ファラデー回転素子結晶棒体IIIと
してビスマス置換希土類鉄ガーネットを、幅1.4mm、
長さ20mm、厚み500μmにし、光学面両面に1.5
5μm帯の対接着剤用ARコートを施した。熱硬化型シ
リコーン樹脂で光学面同士を接着固定し、光アイソレー
タ用母材を作製する。これを1.4mm□に仕上げられる
ように切断し、12個のチップを得た。このチップの側
面と、半円形のSmCo系磁石5の凹部6とを、前述の
熱硬化型シリコーン樹脂で接着固定し、前記2個の半円
形の磁石同士を接着剤にて接着固定することで光アイソ
レータを得た。
作し、その性能を評価した例を以下に記載する。図6の
複屈折結晶棒体IおよびIIとして、ニオブ酸リチウム結
晶を、幅1.4mm、長さ20mm、厚さ600μmで、傾
斜角13°にし、傾斜面に1.55μm帯の対空気用A
Rコート、非傾斜面には1.55μm帯の対接着剤用A
Rコートを施した。ファラデー回転素子結晶棒体IIIと
してビスマス置換希土類鉄ガーネットを、幅1.4mm、
長さ20mm、厚み500μmにし、光学面両面に1.5
5μm帯の対接着剤用ARコートを施した。熱硬化型シ
リコーン樹脂で光学面同士を接着固定し、光アイソレー
タ用母材を作製する。これを1.4mm□に仕上げられる
ように切断し、12個のチップを得た。このチップの側
面と、半円形のSmCo系磁石5の凹部6とを、前述の
熱硬化型シリコーン樹脂で接着固定し、前記2個の半円
形の磁石同士を接着剤にて接着固定することで光アイソ
レータを得た。
【0033】この光アイソレータの光学特性の平均値
は、挿入損失が0.08dB以下、アイソレーションが
35dB以上、PDL(偏波依存損失)が0.05dB
以下であり、従来型の光アイソレータの光学特性と比較
して遜色がなかった。その一方で、一個あたりの製造コ
ストは、材料歩留まりと工数の低減が相俟って従来品の
6割に抑制することができた。
は、挿入損失が0.08dB以下、アイソレーションが
35dB以上、PDL(偏波依存損失)が0.05dB
以下であり、従来型の光アイソレータの光学特性と比較
して遜色がなかった。その一方で、一個あたりの製造コ
ストは、材料歩留まりと工数の低減が相俟って従来品の
6割に抑制することができた。
【0034】また多段光アイソレータ(図4参照)のう
ち、2段光アイソレータを試作し、その性能を評価した
例を以下に記載する。前記試作品と同一な仕様で、後部
末端に段差7が設けられている磁石5に組み込まれた光
アイソレータ10を試作した。また同じ様な方法で、光
アイソレータ20を試作した。2つの光アイソレータ1
0と20の段差7と17を連結し、前述の熱硬化型シリ
コーン樹脂で接着固定する。こうして得られた多段光ア
イソレータの光学特性の平均値は、挿入損失が0.20
dB以下、アイソレーションが48dB以上、PDLが
0.05dB以下であった。一個あたりの製造コスト
は、従来品に比べて大幅に抑制することができた。
ち、2段光アイソレータを試作し、その性能を評価した
例を以下に記載する。前記試作品と同一な仕様で、後部
末端に段差7が設けられている磁石5に組み込まれた光
アイソレータ10を試作した。また同じ様な方法で、光
アイソレータ20を試作した。2つの光アイソレータ1
0と20の段差7と17を連結し、前述の熱硬化型シリ
コーン樹脂で接着固定する。こうして得られた多段光ア
イソレータの光学特性の平均値は、挿入損失が0.20
dB以下、アイソレーションが48dB以上、PDLが
0.05dB以下であった。一個あたりの製造コスト
は、従来品に比べて大幅に抑制することができた。
【0035】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明を適
用する偏波無依存型光アイソレータおよびその製造方法
は、クサビ型という特殊形状の複屈折結晶を採用してア
イソレーション特性などの本質的な点での性能維持を図
ったものでありながら、量産性がよく、材料歩留まりの
向上と工数の低減が可能であるため、従来品に比べ大幅
な改善を実現できる。
用する偏波無依存型光アイソレータおよびその製造方法
は、クサビ型という特殊形状の複屈折結晶を採用してア
イソレーション特性などの本質的な点での性能維持を図
ったものでありながら、量産性がよく、材料歩留まりの
向上と工数の低減が可能であるため、従来品に比べ大幅
な改善を実現できる。
【図1】本発明を適用する偏波無依存型光アイソレータ
の実施例を示す一部切り欠き斜視図である。
の実施例を示す一部切り欠き斜視図である。
【図2】その実施例の正面図である。
【図3】本発明を適用する偏波無依存型光アイソレータ
の別な実施例を示す分解斜視図である。
の別な実施例を示す分解斜視図である。
【図4】本発明を適用する別な態様の偏波無依存型光ア
イソレータの実施例を示す分解斜視図である。
イソレータの実施例を示す分解斜視図である。
【図5】その実施例の分解正面図である。
【図6】本発明を適用する偏波無依存型光アイソレータ
の製造方法の実施例を示す斜視図である。
の製造方法の実施例を示す斜視図である。
1は第一複屈折クサビ板、2は第二複屈折クサビ板、1
a・2aは傾斜面、1b・2bは非傾斜面、1C・2C
・11C・12Cは結晶軸、3はファラデー回転素子、
5・15は筒状磁石、5a・5b・15a・15bは半
筒状磁石、6a・6bはL形凹部、7・17は段差、8
はダイアモンドカッタ、10・20は光アイソレータ、
I・IIは複屈折結晶棒体、IIIはファラデー回転素子結
晶棒体、100は多段光アイソレータ、Lは長さ、Oは
光線方向、X・Yはクサビ等厚線方向である。
a・2aは傾斜面、1b・2bは非傾斜面、1C・2C
・11C・12Cは結晶軸、3はファラデー回転素子、
5・15は筒状磁石、5a・5b・15a・15bは半
筒状磁石、6a・6bはL形凹部、7・17は段差、8
はダイアモンドカッタ、10・20は光アイソレータ、
I・IIは複屈折結晶棒体、IIIはファラデー回転素子結
晶棒体、100は多段光アイソレータ、Lは長さ、Oは
光線方向、X・Yはクサビ等厚線方向である。
Claims (7)
- 【請求項1】 傾斜面を光入射側へ向けた第一複屈折
クサビ板と、第一複屈折クサビ板のクサビ等厚線に平行
なクサビ等厚線の傾斜面を光出射側へ向けた第二複屈折
クサビ板との間に、ファラデー回転素子が配置され、第
一複屈折クサビ板の非傾斜面と該ファラデー回転素子の
入射面との間、および該ファラデー回転素子の出射面と
第二複屈折クサビ板の非傾斜面との間が各々接着剤で接
着固定され、筒状磁石の内部に配置されていることを特
徴とする偏波無依存型光アイソレータ。 - 【請求項2】 該筒状磁石が2つの半筒状磁石を接着
して筒状に形成されており、その2つの半筒の凹部に、
第一複屈折クサビ板、ファラデー回転素子、および第二
複屈折クサビ板が填め込まれて接着されていることを特
徴とする請求項1に記載の偏波無依存型光アイソレー
タ。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載した光アイソ
レータの偶数個を、互いに向かい合う複屈折クサビ板の
結晶軸方向を光線方向の中心軸について90度回転させ
て重ね合わせた多段光アイソレータであって、各光アイ
ソレータの対応する複屈折クサビ板どうしのクサビ等厚
線が所定の角度ずれ、一方の光アイソレータの筒状磁石
の端に設けられた段差と、別な光アイソレータの端に設
けられた筒状磁石の段差とが掛合して接着固定されてい
ることを特徴とする偏波無依存型光アイソレータ。 - 【請求項4】 前記所定の角度が67.5°であるこ
とを特徴とする請求項3に記載の偏波無依存型光アイソ
レータ。 - 【請求項5】 前記第一複屈折クサビ板および/また
は第二複屈折クサビ板がニオブ酸リチウム結晶で形成さ
れていることを特徴とする請求項1、2、3または4に
記載の偏波無依存型光アイソレータ。 - 【請求項6】 クサビ等厚線の方向に、複数個分の光
アイソレータに相当する光入出射面の長さを有し、一方
の該光入出射面が傾斜面で別な該光入出射面が非傾斜面
であるクサビ型の複屈折結晶棒体の二本の該非傾斜面に
より、該複屈折結晶棒体の光入出射面の長さに相当する
ファラデー回転素子結晶棒体の光入出射面を、挟んで接
着固定する工程、 前記工程で一体化した複屈折結晶棒体/ファラデー回転
素子結晶棒体/複屈折結晶棒体を光アイソレータの一個
分に相当する光入出射面の長さに切断して複屈折結晶/
ファラデー回転素子結晶/複屈折結晶にチップ化する工
程、 その複屈折結晶/ファラデー回転素子結晶/複屈折結晶
チップを筒状磁石の内部に組み込む工程を、有する偏波
無依存型光アイソレータの製造方法。 - 【請求項7】 複屈折結晶/ファラデー回転素子結晶
/複屈折結晶チップを筒状磁石の内部に組み込む前記工
程が、1つの半筒状磁石の凹部に該チップを填めて、別
な半筒状磁石の凹部で該チップを覆って接着することを
特徴とする請求項6に記載の偏波無依存型光アイソレー
タの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11120068A JP2000310749A (ja) | 1999-04-27 | 1999-04-27 | 偏波無依存型光アイソレータおよびその製造方法 |
US09/547,797 US6600601B1 (en) | 1999-04-12 | 2000-04-12 | Polarization-independent optical isolator and production method thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11120068A JP2000310749A (ja) | 1999-04-27 | 1999-04-27 | 偏波無依存型光アイソレータおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000310749A true JP2000310749A (ja) | 2000-11-07 |
Family
ID=14777105
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11120068A Pending JP2000310749A (ja) | 1999-04-12 | 1999-04-27 | 偏波無依存型光アイソレータおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000310749A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106094106A (zh) * | 2016-08-02 | 2016-11-09 | 福建中策光电股份公司 | 一种铌酸锂晶片的制作工艺 |
CN114243430A (zh) * | 2021-12-16 | 2022-03-25 | 苏州易锐光电科技有限公司 | 光传输装置、光放大器、光纤激光器和光学传感检测器 |
-
1999
- 1999-04-27 JP JP11120068A patent/JP2000310749A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106094106A (zh) * | 2016-08-02 | 2016-11-09 | 福建中策光电股份公司 | 一种铌酸锂晶片的制作工艺 |
CN114243430A (zh) * | 2021-12-16 | 2022-03-25 | 苏州易锐光电科技有限公司 | 光传输装置、光放大器、光纤激光器和光学传感检测器 |
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---|---|---|---|
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070306 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070807 |