JP2000309832A - アルミニウム溶湯滓からのアルミニウム分の回収方法 - Google Patents

アルミニウム溶湯滓からのアルミニウム分の回収方法

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JP2000309832A JP11650499A JP11650499A JP2000309832A JP 2000309832 A JP2000309832 A JP 2000309832A JP 11650499 A JP11650499 A JP 11650499A JP 11650499 A JP11650499 A JP 11650499A JP 2000309832 A JP2000309832 A JP 2000309832A
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良治 長野
Joji Masuda
穣司 益田
Kenji Osumi
研治 大隅
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 滓を高温のまま処理する方法の、前記基本
的な利点は損なわずに、滓とAl分との分離効率を維持乃
至高めた、Al溶湯滓からAl分を回収する方法を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 溶解炉中のアルミニウム溶湯から分離
および排出された滓を、炉外にて攪拌処理し、滓からア
ルミニウム分を分離および回収するための方法であっ
て、前記排出された滓を容器内に収容し、フラックスの
添加によって滓を加熱するとともに滓の攪拌を行って、
アルミニウム分と滓とを分離することを含み、前記フラ
ックスが、KNO3:20 〜30wt% 、AlF3:20 〜30wt% を含有
し、残部がKCl からなることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムまた
はアルミニウム合金 (以下アルミニウムを単にAlと言
い、AlまたはAl合金を含めてAl合金と言う) の溶湯滓か
らアルミニウム分を回収する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、板材、形材などのAl合金の
展伸材製品は、所定の成分に鋳造されたAl合金鋳塊を、
圧延 (熱間圧延、冷間圧延) 、押出、鍛造などの塑性加
工を行って製造される。
【0003】そして、このAl合金鋳塊は、溶解炉におい
てAl原料 (Al地金やAl合金材のスクラップなど) を溶解
後成分調整を行い、Al溶湯の精錬を行う。このAl溶湯の
精錬とは、溶湯中に塩素ガスなどのハロゲンガスを吹き
込む、あるいは塩化物系などのハロゲン化物フラックス
を不活性ガスをキャリアガスとして吹き込み、溶湯中の
水素などのガス成分の脱ガスおよび不純物(Na)や介在物
の滓化を行い、Al溶湯表面から、これら不純物や介在物
およびAlや合金成分の酸化物や窒化物を含む滓を除去す
る除滓を行うなどの溶湯を清浄化処理する工程である。
そして、これら精錬後のAl溶湯は、溶解炉から保持炉を
経由してまたは経由しないで、各々移湯樋を介して鋳型
に供給されるが、移湯樋を流下する際に、鋳型直前の移
湯樋に設けられたフィルターにより介在物が更に除去さ
れるなどして、鋳型に供給され、Al合金の鋳塊に鋳造さ
れる。
【0004】前記溶解および精錬工程の除滓により、炉
外に排出されたAl溶湯の滓には、依然多くのAl分 (メタ
ル分) が含まれている。したがって、この滓からAl分を
回収して、溶解用の原料として再利用することが、前記
溶解工程の原料コストの低減や歩留りの向上のために非
常に重要となる。
【0005】従来より、Al溶湯滓からAl分を回収する方
法には、大きく分けて、2 通りの方法がある。その一つ
は、炉外に排出された滓を、一旦冷却用キルンで冷却
し、その後大きなメタル塊のみを分離し、これを再加熱
して溶解し、溶解原料用の形状に鋳こむ方法である。
【0006】また、もう一つは、炉外に排出された滓
を、高温の内にドロス (滓) 絞り機と称する容器内に収
容して、これを容器に設けた攪拌機によって攪拌し、容
器内の滓とAl分とを、前記攪拌による滓の絞り効果と比
重差により分離して、その後、Al分 (溶湯) を容器下部
から取り出し、Alの溶解原料用の形状に鋳こむ方法であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来技
術の内、前記冷却キルン方式では、冷却滓に対し、一回
あるいはそれ以上の加熱冷却操作を繰り返す必要があ
り、加熱に際しては、加熱設備および多大のエネルギー
を必要とするとともに、冷却操作に際しても、一定の時
間を要するため、工程としての効率も悪い。また、溶解
原料用の形状に鋳こむための、再加熱および溶解時に、
折角回収したAl分の酸化が生じ、酸化ロスが必然的に発
生するという問題もある。
【0008】このため、滓を、高温のまま前記滓絞り機
により処理する方法の方が、前記冷却キルン方式に比し
て、基本的に効率が優れる。この方法であれば、加熱冷
却操作を繰り返す必要がなく、また、Al分の酸化ロスが
少ない点で、基本的に有利である。しかし、この方法に
も、主工程である溶解工程の条件によっては、炉外に排
出された滓の温度が低下乃至変動しやすく、炉外に排出
された滓の温度が極端に低下した場合には、前記滓絞り
機での滓とAl分との分離効率が著しく低下するという問
題を有する。
【0009】これに対処するために、炉外に排出された
滓の温度が極端に低下した場合に、滓を加熱してやれ
ば、前記滓とAl分との分離効率の低下の問題は解決され
る。しかし、通常の燃料ガスや油等の熱源による加熱で
は、加熱に際し、加熱設備や多大のエネルギーを必要と
することとなり、滓を高温のまま処理するという前記基
本的な利点が損なわれてしまう。
【0010】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、滓を高温のまま処理する方
法の、前記基本的な利点は損なわずに、滓とAl分との分
離効率を維持乃至高めた、Al溶湯滓からAl分を回収する
方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の要旨は、溶解炉中のアルミニウム溶湯から
分離および排出された滓を、炉外にて攪拌処理し、滓か
らアルミニウム分を分離および回収するための方法であ
って、前記排出された滓を容器内に収容してフラックス
を添加し、フラックスの発熱によって滓を加熱するとと
もに滓の攪拌を行ってアルミニウム分と滓とを分離する
ことを含み、前記フラックスが、KNO3:20 〜30wt% 、Al
F3:20 〜30wt% を含有し、残部がKCl からなることであ
る。
【0012】本発明方法では、Al溶湯から分離および排
出された滓にフラックスを添加し、このフラックス中の
成分の発熱によってのみ、滓を加熱するとともに、フラ
ックス中の成分によって、滓が比較的低温であっても、
滓とAl分との分離効率を高めることを特徴とする。そし
て、これによって、例え、処理される滓の温度が、Al溶
湯温度以下、著しい場合には、700 ℃以下に低下してい
ても、Al分と滓との分離効率を維持することが可能とな
る。
【0013】なお、本技術分野において、Al溶湯から分
離および排出された滓にフラックスを添加して発熱させ
る乃至滓とAl分との分離効率を高める技術は未だ無い。
しかし、前記Alの溶解および精錬工程において、Al溶湯
から除滓する際に、Al溶湯と滓との分離効率を高めるた
めの除滓フラックスは公知である。
【0014】このAl溶湯の除滓用のフラックスとして、
例えば、特開昭61−243136号公報には、KCl などの塩化
物とAlF3などのフッ化物を主体とし、硫酸カリウムなど
の硫酸塩や炭酸塩、あるいは硝酸塩を発熱用の助燃剤と
して20〜50重量部加えた混合系のフラックスなどが開示
されている。また、特開平01−123035号公報には、KCl
を主体とし、これに硫酸カリウムと硝酸カリウムおよび
Alアトマイズ粉を発熱用の助燃剤として加えた混合系の
フラックスなどが開示されている。
【0015】これらの除滓用のフラックスにおいて、KC
l はAlF3などのフッ化物の融点を下げ、フラックスの反
応性を高める役割を果たし、AlF3などのフッ化物は発熱
反応により、滓中のAl分を溶解して分離する役割を果た
し、更に、硫酸カリウムなどの硫酸塩や炭酸塩、あるい
は硝酸塩は、酸化剤として、発熱反応を促進する役割を
有する。
【0016】しかし、これらAl溶湯の除滓の場合、溶解
炉の雰囲気等の、除滓用のフラックスの使用環境は、元
々、例えば、1000〜1200℃、 Al 溶湯の温度としても70
0 ℃以上の高温に保持されている。即ち、Al溶湯の除滓
の場合、除滓用のフラックスの使用環境は、最低でも、
Al溶湯温度以上である。これに対し、本発明における炉
外に排出された滓の場合には、溶解条件によって温度が
低下乃至変動しやすく、また、強制的あるいは積極的な
外部からの加熱手段を持たないために、炉外に排出され
た滓の温度は自然冷却によって低下し、依然高温のまま
ではあるものの、多くの場合Al溶湯温度以下、著しい場
合には700 ℃以下の低温となっている。このため、本発
明で使用するフラックスの使用環境は、最高でも、Al溶
湯温度以下の比較的低温の範囲となる。したがって、両
者のフラックスには、その使用温度条件に大きな相違が
ある。
【0017】この結果、本発明で使用するフラックスに
は、Al溶湯温度以下の比較的低温の滓の温度を上げるた
めの滓の加熱乃至発熱性と、この発熱性には、処理操作
の安全面からしても必然的に限界があるため、例え、処
理される滓の温度が、Al溶湯温度以下の低温であって
も、Al分と滓との分離効率を高める反応性の2 つの特性
をもつことが要求される。
【0018】この内、本発明で使用するフラックスに要
求される、滓の前記加熱乃至発熱性は、発熱量として見
ても、前記Al溶湯の除滓用フラックスに要求される場合
に比べて、格段に大きい。このため、前記各公報に例示
されるフラックス組成では、炉外に排出された滓が、Al
溶湯温度以下の低温となった場合には、いずれも、必要
熱量を確保することができなくなる。したがって、前記
各公報に例示されるフラックス組成では、前記滓絞り機
での滓とAl分との分離効率を高める乃至維持することが
できない。
【0019】また、本発明で使用するフラックスに要求
される滓との低温反応性は、前記Al溶湯の除滓用フラッ
クスに要求される滓との高温反応性に比べて、格段に異
なる活性度が要求される。このため、前記各公報に例示
されるフラックス組成では、炉外に排出された滓が、Al
溶湯温度以下の低温となった場合には、いずれも、必要
な反応性を確保することができなくなる。したがって、
前記各公報に例示されるフラックス組成では、この作用
の面からも、前記滓絞り機での滓とAl分との分離効率を
高める乃至維持することができないことになる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明における各要件の意義につ
いて、以下に説明する。
【0021】(フラックス組成)本発明で使用するフラッ
クス組成は、KNO3:20 〜30wt% 、AlF3:20 〜30wt% を含
有し、残部がKCl からなる、複数成分の混合系のフラッ
クスとする。
【0022】(KCl)本発明では、まず、フラックスの主
成分として、塩化物の内から、KCl のみを選択する。フ
ラックスの主成分としてKCl を選択することにより、後
述するAlF3の融点を下げ、フラックスの反応性を向上さ
せ、滓中のAl分を滓と分離する効果を高める。そして、
KCl は、他の塩化物よりも安価であり、NaClなどのNa系
などに比しても、回収されるAl分にNa分が混入して、溶
解原料として用いられた場合に、このNa分がAl溶湯を汚
染して、溶湯品質を低下させることがない。この他の塩
化物系では、前記比較的低温となった炉外排出滓におけ
る前記フラックスの反応性の向上効果が低い。
【0023】(AlF3) 次に、フラックスの添加成分とし
て、種々のフッ化物の内から、AlF3のみを選択する。Al
F3自体は単体フッ化物であるが、比較的低温となった炉
外排出滓において、他の複合フッ化物や単体フッ化物に
比して、滓中のAl分と滓との分離を促進する効果が高
い。この他のフッ化物では、前記比較的低温となった、
炉外排出滓中のAl分を分離する効果が低い。
【0024】AlF3が20wt% 未満では、特に比較的低温と
なった炉外排出滓に対し、これらの効果が無く、一方、
30wt% を越えても効果はあまり上がらず、不経済であ
る。したがって、AlF3の添加量は20〜30wt% の範囲とす
る。
【0025】(KNO3)更に、フラックスの添加成分とし
て、酸化剤としては、種々の硝酸塩や硫酸塩の内から、
KNO3のみを特定する。KNO3は酸化剤として、発熱反応に
より、前記比較的低温となった、炉外排出滓の温度を上
げ、前記KCl やAlF3の作用を高めるとともに、炉外排出
滓中のAl分を分離する効果を促進する。他の硫酸カリウ
ムなどの硫酸塩や炭酸塩、あるいは硝酸塩等の発熱用の
助燃剤では、前記比較的低温となった、炉外排出滓の加
熱に必要な熱量を確保することができない。
【0026】また、KNO3が20wt% 未満では、特に比較的
低温となった炉外排出滓に対し、これらの効果が無く、
一方、30wt% を越えると酸素供給過多となり、滓絞り機
中で、攪拌により、滓中に均一に分散されるまでに発熱
が生じる可能性があるとともに、滓全般に渡って加熱す
ることができなくなり、結果として、フラックス添加の
効果を弱める。したがって、KNO3の添加量は20〜30wt%
の範囲とする。
【0027】以上説明したように、本発明で使用するフ
ラックス組成は、基本的に、KNO3、AlF3、KCl からなる
が、この3 成分のみに限定する必要は無く、本発明で目
的とする効果を阻害しない範囲で、この他に、前記公知
のAl溶湯の除滓用のフラックス成分としての、塩化物や
フッ化物、あるいは硫酸塩や炭酸塩などを含むことを許
容する。
【0028】(フラックスの使用態様)これら、本発明の
フラックスの使用態様としては、まず、前記Al溶湯の除
滓により、炉外に排出された滓を、高温のまま (自然冷
却は有る) 、滓 (ドロス) 絞り機と称される容器に収容
する。この容器自体は、滓絞り機と称される、上方に攪
拌機および下方にAl溶湯の取り出し口を設けた容器でな
くても、攪拌および滓と分離後のAl溶湯の取り出しがで
きる耐熱容器であれは、形式は問わない。
【0029】そして、この滓を攪拌しつつ、前記フラッ
クスを滓中に散布乃至投入する。この際の滓の攪拌 (絞
り) は必須であって、前記したAl溶湯温度以下の比較的
低温の滓にあっては、攪拌しないと、滓絞り機中で、フ
ラックスが滓中に均一に混合分散されず、また、フラッ
クスと滓との反応性を高めることができず、効率の良
い、滓とAlとの分離が促進できない。また、分離したAl
の滓絞り機下方への集約も効率良く図れない。攪拌の開
始は、フラックス添加前からであっても、フラックス添
加と同時であっても、フラックス添加直後であっても良
いが、要はフラックスの添加効果や攪拌自体の効果を損
なわないように行う。
【0030】これら攪拌とフラックスの作用により、滓
とAlとの分離が十分なされた場合、比重差により、滓は
滓絞り機の上方およびAl分は滓絞り機の下方へ分離され
る。この滓絞り機下方のAl分 (溶湯) を容器下部から取
り出し、溶解原料用の適宜の形状に鋳こむことにより、
溶解用原料として再利用することが可能である。滓絞り
の (攪拌の) 手段自体は、容器なり滓の容量にもよる
が、機械的乃至ガス等による周知の方法で可能である
が、通常の回転羽根付きの攪拌機で機械的に攪拌する方
法が最も簡便である。
【0031】なお、フラックスの滓中への添加は、通常
滓の容器への収容後とするが、収容直前でも、収容前後
で分割添加しても良い。また、フラックスの滓中への添
加 (散布乃至投入) の仕方は、滓前記攪拌との関係で、
フラックスが滓中に均一に混合分散される方式であれ
ば、通常の方法で良い。更に、フラックスの滓への添加
量は、前記フラックスの組成選定との関係で、排出され
た滓の温度や滓の必要加熱温度、或いは滓の組成 (滓の
組成により発熱状態も異なるので必要加熱温度も相違す
る) に応じて、滓に対して0.1 〜10wt% の範囲の目安で
適宜決定する。勿論、条件によっては、これ以外の添加
量でも良い。
【0032】また、本発明が対象とする滓の種類、即
ち、溶解されるAlおよびAl合金の種類は特に限定されな
い。例えば、JIS 乃至 AA 1000系の純Alから、2000系、
3000系、4000系、5000系、6000系、7000系などのAl合金
にまで広く適用することが可能である。
【0033】
【実施例】次に、本発明方法の実施例を説明する。JIS
6063 Al 合金を、20トン反射炉(重油炊き) において、7
20 ℃の溶解温度で溶解し、塩素ガスにて精錬を行った
後に、除滓した。この除滓された滓 (炉外に排出された
滓) を、前記温度が下がり、低温化した滓を想定して適
宜自然冷却した後、615 ℃で滓絞り機に収容した。そし
て、直ちに、この滓を通常の羽根付きの攪拌機で機械的
に攪拌しつつ、フラックスを滓100kg 当たり1kg 滓中に
散布して (但し、後述する比較例No.5のみはフラックス
を添加せず) 、一定時間攪拌し、その後、Al分を滓絞り
機下部から分離し、分離できたAl重量(A) と滓絞り機に
収容した滓の重量(B) とから、Al分の回収率[(A/B)×10
0]を求めた。これを、表1 に示す組成の各々のフラック
スについて、できるだけ同じ条件となるようにして試験
した。これらの試験結果を表1に示す。
【0034】表1 から明らかな通り、本発明で規定する
組成のフラックスを用いた発明例No.1、2 は、低温化し
た滓であっても、52〜55% と比較的高い回収率でAl分を
回収できる。したがって、本発明方法で用いるフラック
スの効果が裏付けられる。しかも、この効果が比較的少
ないフラックス添加量 (滓に対し約1%) で達成すること
ができることが分かる。但し、KNO3やAlF3の含有量が下
限近くの発明例No.3、4 は、発明例No.1、2 に比較する
と、40〜44% とAl分の回収率が若干低くなっている。
【0035】これに対し、フラックスを用いない比較例
No.5、また、本発明のフラックスを用いているものの、
KNO3やAlF3の含有量が下限未満の比較例No.6、7 、更
に、本発明のKNO3やAlF3の代わりに、Al溶湯除滓用フラ
ックス成分であるK2SO4 やK2AlF6を規定範囲内の含有量
とした比較例No.8、9 は、発明例に比較すると、いずれ
もAl分の回収率が、著しく低くなっている。なお、本発
明のフラックスを用いたが、攪拌を行わなかった場合に
は、Al分の回収自体ができなかった。したがって、これ
らの事実から、本発明方法で用いるフラックス組成の臨
界的意義や、KNO3やAlF3を選定したこと自体の意義が明
らかである。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
Al溶湯からの排出滓をAl溶湯温度以下の温度で処理する
方法の、基本的な利点は損なわずに、滓とAl分との分離
効率を維持乃至高めた、Al溶湯滓からAl分を回収する方
法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大隅 研治 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 4K001 AA02 BA12 EA04 EA07 EA13 KA08 KA09 KA13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解炉中のアルミニウム溶湯から分離お
    よび排出された滓を、炉外にて攪拌処理し、滓からアル
    ミニウム分を分離および回収するための方法であって、
    前記排出された滓を容器内に収容してフラックスを添加
    し、フラックスの発熱によって滓を加熱するとともに滓
    の攪拌を行ってアルミニウム分と滓とを分離することを
    含み、前記フラックスが、KNO3:20 〜30wt% 、AlF3:20
    〜30wt% を含有し、残部がKCl からなることを特徴とす
    るアルミニウム溶湯滓からのアルミニウム分の回収方
    法。
  2. 【請求項2】 前記フラックスが添加される滓の温度が
    700 ℃以下である請求項1に記載のアルミニウム溶湯滓
    からのアルミニウム分の回収方法。
JP11650499A 1999-04-23 1999-04-23 アルミニウム溶湯滓からのアルミニウム分の回収方法 Pending JP2000309832A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100338241C (zh) * 2006-04-18 2007-09-19 云南新美铝铝箔有限公司 用铸轧坯料生产超薄铝箔工艺中的铝液清洁技术
CN100338242C (zh) * 2006-04-18 2007-09-19 云南新美铝铝箔有限公司 用铸轧坯料生产超薄铝箔工艺中的合金成分窄幅控制技术
CN105154675A (zh) * 2015-07-29 2015-12-16 河南中孚实业股份有限公司 一种高效节能环保铝灰的分离及回收方法

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