JPH0377262B2 - - Google Patents
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- JPH0377262B2 JPH0377262B2 JP28075687A JP28075687A JPH0377262B2 JP H0377262 B2 JPH0377262 B2 JP H0377262B2 JP 28075687 A JP28075687 A JP 28075687A JP 28075687 A JP28075687 A JP 28075687A JP H0377262 B2 JPH0377262 B2 JP H0377262B2
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Landscapes
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、アルミニウムまたはアルミニムウ合
金溶融用フラツクスとそのフラツクスを用いた除
滓法に関する。 [従来技術] 従来より、アルミニウムおよびアルミニウム合
金溶湯においては、鋳造に先だち溶湯の清浄化等
の品質保証を目的として、ハロゲンガスまたはハ
ロゲン化合物を含むフラツクスを吹込み精練を行
つている。 このとき、溶湯中に混在し、精練により浮上し
た介在物は、通常、滓(スラグ)と称されてい
る。この滓の組成物は、溶湯であるメタル分と酸
化物あるいは窒化物との混合体である。 上記の滓は除滓工程により炉外に取り出される
が、この場合、原料コスト低減を目的として滓中
のメタル分回収が行なわれている。 上記の滓中のメタル分回収の方法としては以下
の2通りの方法が一般的となつている。 すなわち、 除去すべき滓を炉外に引き出した後、冷却用
キルンで冷却し、大きなメタル塊のみを引き出
して、それを再加熱溶解し、再び炉の装入しや
すい形状の鋳型に凝固させて再利用するための
原料とする。 あるいは、 滓を再加熱、溶解、撹拌する滓絞り機によ
り、メタル分を絞り取り、炉へ装入しやすい形
状の鋳型に凝固させて再利用するための原料と
している。 または、上記、の併用を行なつている。 上記のように、滓中のメタル分を利用する場
合、炉から取り出された滓中のメタル分は80〜90
%であり、キルン処理、再溶解処理、滓絞りの処
理する量は量的にかなり多い。 従つて、従来の方法で冷却された滓からメタル
分を分離し、再利用するためには、冷却滓に対し
て1回あるいはそれ以上の加熱冷却を繰り返す必
要があり、加熱に際して多大のエネルギーを必要
とし、また再加熱・溶解時にはメタル分回収時に
酸化ロスに発生したり、滓中のメタル分が多く滓
処理量が多いなどの問題点がある。 [発明が解決しようとする問題] 以上説明したように、本発明は、従来のフラツ
クスでは滓の溶湯との分離性は悪く、その結果、
滓中のメタル分残存量が高率であるという問題点
を解決するフラツクスを提供し、かつ、このフラ
ツクスを用いて効率的な除滓を行なう方法を提供
するものである。 [問題点を解決するための手段] 本発明は、 Alアトマイズ粉:2〜10wt%、KNO3:5〜
10wt%、K2SO4:8〜20wt%を含有し、残部が
実質的にKClであることを特徴とするアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金溶湯用フラツクスに第
1の要旨が存在し、 Alアトマイズ粉:2〜10wt%、KNO3:5〜
10wt%、K2SO4:8〜20wt%、K3AlF6:4〜
8wt%を含有し、残部が実質的にKClであること
を特徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合
金溶湯用フラツクスに第2の要旨が存在する。 さらに、Alアトマイズ粉:2〜10wt%、
KNO3:5〜10wt%、K2SO4:8〜20wt%を含
有し、残部がKClであるフラツクスを、アルミニ
ウムまたはアルミニウム合金溶湯表面に散布し、
当該溶湯表面に存在する滓と前記フラツクスと
を、撹拌手段を用いて撹拌し、前記溶湯と滓との
反応を促進させ、除滓することを特徴とするアル
ミニウムまたはアルミニウム合金溶湯の除滓法に
第3の要旨が存在する。 [作用] 本発明は、溶湯表面の滓に、低温溶湯用すなわ
ち本第2発明の塩化物−フツ化物−酸化剤−Al
粉、もしくは、高温多湯用すなわち本第1発明の
塩化物−酸化剤−Al粉よりなるフラツクスを散
布し、滓とフラツクスを十分撹拌することによ
り、滓中のメタル分と介在物との分離性を向上さ
せ除滓性を促進するものである。 すなわち、Alと酸素との発熱反応により、フ
ツ化物、塩化物の融体ができる。この融体は、こ
の滓との濡れ性は良いが、メタルとの濡れ性は悪
いことから、メタルと滓との分離性を向上させて
いる。 従来のフラツクスは、フラツクスを溶湯中へ吹
込むことにより、脱ガスおよび脱介在物するため
の清浄化や、副産物としてCl2を発生させメタル
と滓との分離性を向上させるものであつた。 しかしながら、本発明では、フラツクスはメタ
ルと滓との分離性向上を主目的として作製した、
メタルと滓の分離剤である。 また、従来の溶湯清浄化フラツクスはキヤリア
ガスと共に溶湯中へ吹込んでおり、撹拌としては
キヤリアガスのバブリングのみであり、フラツク
スを滓と積極的に反応させる方法はとられていな
かつた。 上記の従来例に対し、本発明は、別途に溶湯清
浄化処理を行なつた後に、フラツクスを滓表面に
散布し、積極的に滓と反応させるために機械的に
撹拌しようとするものである。 以下に、本発明のフラツクス成分についての限
定理由を記載する。 Alアトマイズ粉は2〜10wt%とする。 着火源の役目をはたす金属粉末として、コス
ト、安全性の面からアルミニウムとし、さらに粒
度は爆発等の危険の無い100〜200メツシユのアト
マイズ粉とした。また、滓との反応性の点から、
2wt%未満では反応性が悪く、10%を越えると爆
発の危険性があるため2〜10wt%とした。なお、
安全上2〜6wt%とすればより好ましい。 KNO3は5〜10wt%とする。 酸素供給源として必須の成分であり、5wt%未
満では酸化剤として効果的ではない。また、
10wt%を越えて含有すると、KNO3は爆薬の原
料であるので危険性がある。従つて、含有料は5
〜10wt%とする。なお、より好ましくは5wt%と
する。 K2SO4は8〜20wt%とする。 K2SO4は、KNO3で不足する酸素量を供給する
ものであり、含有量が8%未満では不十分であ
る。また、含有量が20%を越えると、酸素供給過
多となり、発熱反応が激しくなるため、K2SO4の
含有量は8〜20wt%とした。 KClは残部とする。 塩化物としてKClはフツ化物(K2AlF6)の融
点を下げ、フラツクスの反応性を向上させ、か
つ、フラツクス内でのAlアトマイズ粒とO2との
反応を緩慢にさせ、爆発的な反応を防止する働き
がある。また、KClと滓は濡れ性を持ち、滓の吸
着作用が大きくなり、メタルと滓との分離性を高
める。 さらに、他の塩化物と比較して、コストも安価
であり、非Na系であるために、Al−Mg系に対
して熱間割れ源となることもない。 KCl自身の吸湿性が小さく、フラツクスよりの
H2ガス吸収を防止できるために、KClを残部と
した。 K3AlF6は4〜8wt%とする。 本発明の第2発明に必須の成分である。 溶湯温度が低い場合、滓温度も700℃以下と低
いため、第1発明フラツクスでは発熱量が不足す
る場合がある。 上記問題点を解決する手段としては、酸素供給
源の増加、反応開始温度の低下、Al粒配分量の
アツプが考えられるが、安全上反応開始温度を下
げる手段が最適であるため、この方法を用いた。 上記のフラツクスの分解温度を低下させるため
に、溶湯に害を及ぼさず、コストが安く、安全上
の問題を考慮してフツ化物としてK3AlF6を用い
た。すなわち、KClとK3AlF6を混合することに
より共晶とし融点を降下させた。 K3AlF6の含有量が4wt%未満であると滓との
反応性が悪く、8wt%を越えると反応性が激しす
ぎるため、含有量は4〜8wt%とした。 [実施例] 以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明す
る。 低温溶湯を以下の条件で用意し、フラツクスを
添加したものと、フラツクスを添加しないものに
おける滓発生率(%)を調べた。 品種:JIS 6063 溶解条件:15T反射炉重油焚 溶解温度:720℃ 滓温度:680℃ 精練条件:Cl2ガス吹込み 除滓条件:本第2発明構成の低温用フラツクスを
溶湯量の0.1wt%添加し撹拌除滓 なお、フラツクスを添加したものには、第1図
に示すような撹拌機を使用した。 第1図において、1は溶湯であり、2は滓であ
る。この滓2上にフラツクス3を配し、撹拌機4
により撹拌を行なう。 上記手段での撹拌は、例えば25m2の溶湯表面に
おいて5〜10分の撹拌が必要である。 以上を実施した結果、第1表に示すようにフラ
ツクスを添加した本発明実施例においては滓発生
率が1.5%であり、フラツクスを添加しなかつた
比較例では滓発生率が2.6%であつた。 なお、滓発生率は下記の式で表わされる。 滓発生率=(滓発生量/原料装入量)×100 以上の結果から、本発明によりフラツクスを添
加した実施例においては、滓発生率が低下したこ
とがわかる。すなわち、滓中のメタル(Al)分
はフラツクスを添加しなかつた場合85〜95%であ
つたものが、フラツクスを添加したことにより60
〜75%としたのである。 これは、従来の滓処理によつて得られたメタル
(Al)分の約60%を炉外へ出さずにそのまま炉内
溶湯中へ回収でき、滓処理に要するエネルギーコ
ストの低減となつたからである。 実施例 2 高温溶湯を以下の条件で用意し実施例1と同様
にして滓発生率(%)を調べた。 品種:JIS 3003 溶解条件:15T反射炉重油焚 溶解温度:750℃ 滓温度:720℃ 精練条件:Cl2ガス吹込み 除滓条件:本第1発明構成の高温溶湯用フラツク
スを溶湯量の0.1wt%添加し撹拌除滓 なお、フラツクスを添加したものは実施例1と
同様な撹拌機を使用した。 上記を実施した結果、フラツクスを添加した場
合の滓発生率は2.0%、フラツクスを添加しなか
つた場合の滓発生率は2.7%となり、実施例1と
同様の結果となつた。 [発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、アルミ
ニウムまたはアルミニウム合金の低温溶湯および
高温溶湯の精練後発生する滓中のメタル分を、フ
ラツクスを使つて炉内へ回収することができ、従
来に比較して、エネルギーコスト、再加熱による
酸化ロス、処理コストが低減し、かつ、除滓作業
性が向上した。 【表】
金溶融用フラツクスとそのフラツクスを用いた除
滓法に関する。 [従来技術] 従来より、アルミニウムおよびアルミニウム合
金溶湯においては、鋳造に先だち溶湯の清浄化等
の品質保証を目的として、ハロゲンガスまたはハ
ロゲン化合物を含むフラツクスを吹込み精練を行
つている。 このとき、溶湯中に混在し、精練により浮上し
た介在物は、通常、滓(スラグ)と称されてい
る。この滓の組成物は、溶湯であるメタル分と酸
化物あるいは窒化物との混合体である。 上記の滓は除滓工程により炉外に取り出される
が、この場合、原料コスト低減を目的として滓中
のメタル分回収が行なわれている。 上記の滓中のメタル分回収の方法としては以下
の2通りの方法が一般的となつている。 すなわち、 除去すべき滓を炉外に引き出した後、冷却用
キルンで冷却し、大きなメタル塊のみを引き出
して、それを再加熱溶解し、再び炉の装入しや
すい形状の鋳型に凝固させて再利用するための
原料とする。 あるいは、 滓を再加熱、溶解、撹拌する滓絞り機によ
り、メタル分を絞り取り、炉へ装入しやすい形
状の鋳型に凝固させて再利用するための原料と
している。 または、上記、の併用を行なつている。 上記のように、滓中のメタル分を利用する場
合、炉から取り出された滓中のメタル分は80〜90
%であり、キルン処理、再溶解処理、滓絞りの処
理する量は量的にかなり多い。 従つて、従来の方法で冷却された滓からメタル
分を分離し、再利用するためには、冷却滓に対し
て1回あるいはそれ以上の加熱冷却を繰り返す必
要があり、加熱に際して多大のエネルギーを必要
とし、また再加熱・溶解時にはメタル分回収時に
酸化ロスに発生したり、滓中のメタル分が多く滓
処理量が多いなどの問題点がある。 [発明が解決しようとする問題] 以上説明したように、本発明は、従来のフラツ
クスでは滓の溶湯との分離性は悪く、その結果、
滓中のメタル分残存量が高率であるという問題点
を解決するフラツクスを提供し、かつ、このフラ
ツクスを用いて効率的な除滓を行なう方法を提供
するものである。 [問題点を解決するための手段] 本発明は、 Alアトマイズ粉:2〜10wt%、KNO3:5〜
10wt%、K2SO4:8〜20wt%を含有し、残部が
実質的にKClであることを特徴とするアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金溶湯用フラツクスに第
1の要旨が存在し、 Alアトマイズ粉:2〜10wt%、KNO3:5〜
10wt%、K2SO4:8〜20wt%、K3AlF6:4〜
8wt%を含有し、残部が実質的にKClであること
を特徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合
金溶湯用フラツクスに第2の要旨が存在する。 さらに、Alアトマイズ粉:2〜10wt%、
KNO3:5〜10wt%、K2SO4:8〜20wt%を含
有し、残部がKClであるフラツクスを、アルミニ
ウムまたはアルミニウム合金溶湯表面に散布し、
当該溶湯表面に存在する滓と前記フラツクスと
を、撹拌手段を用いて撹拌し、前記溶湯と滓との
反応を促進させ、除滓することを特徴とするアル
ミニウムまたはアルミニウム合金溶湯の除滓法に
第3の要旨が存在する。 [作用] 本発明は、溶湯表面の滓に、低温溶湯用すなわ
ち本第2発明の塩化物−フツ化物−酸化剤−Al
粉、もしくは、高温多湯用すなわち本第1発明の
塩化物−酸化剤−Al粉よりなるフラツクスを散
布し、滓とフラツクスを十分撹拌することによ
り、滓中のメタル分と介在物との分離性を向上さ
せ除滓性を促進するものである。 すなわち、Alと酸素との発熱反応により、フ
ツ化物、塩化物の融体ができる。この融体は、こ
の滓との濡れ性は良いが、メタルとの濡れ性は悪
いことから、メタルと滓との分離性を向上させて
いる。 従来のフラツクスは、フラツクスを溶湯中へ吹
込むことにより、脱ガスおよび脱介在物するため
の清浄化や、副産物としてCl2を発生させメタル
と滓との分離性を向上させるものであつた。 しかしながら、本発明では、フラツクスはメタ
ルと滓との分離性向上を主目的として作製した、
メタルと滓の分離剤である。 また、従来の溶湯清浄化フラツクスはキヤリア
ガスと共に溶湯中へ吹込んでおり、撹拌としては
キヤリアガスのバブリングのみであり、フラツク
スを滓と積極的に反応させる方法はとられていな
かつた。 上記の従来例に対し、本発明は、別途に溶湯清
浄化処理を行なつた後に、フラツクスを滓表面に
散布し、積極的に滓と反応させるために機械的に
撹拌しようとするものである。 以下に、本発明のフラツクス成分についての限
定理由を記載する。 Alアトマイズ粉は2〜10wt%とする。 着火源の役目をはたす金属粉末として、コス
ト、安全性の面からアルミニウムとし、さらに粒
度は爆発等の危険の無い100〜200メツシユのアト
マイズ粉とした。また、滓との反応性の点から、
2wt%未満では反応性が悪く、10%を越えると爆
発の危険性があるため2〜10wt%とした。なお、
安全上2〜6wt%とすればより好ましい。 KNO3は5〜10wt%とする。 酸素供給源として必須の成分であり、5wt%未
満では酸化剤として効果的ではない。また、
10wt%を越えて含有すると、KNO3は爆薬の原
料であるので危険性がある。従つて、含有料は5
〜10wt%とする。なお、より好ましくは5wt%と
する。 K2SO4は8〜20wt%とする。 K2SO4は、KNO3で不足する酸素量を供給する
ものであり、含有量が8%未満では不十分であ
る。また、含有量が20%を越えると、酸素供給過
多となり、発熱反応が激しくなるため、K2SO4の
含有量は8〜20wt%とした。 KClは残部とする。 塩化物としてKClはフツ化物(K2AlF6)の融
点を下げ、フラツクスの反応性を向上させ、か
つ、フラツクス内でのAlアトマイズ粒とO2との
反応を緩慢にさせ、爆発的な反応を防止する働き
がある。また、KClと滓は濡れ性を持ち、滓の吸
着作用が大きくなり、メタルと滓との分離性を高
める。 さらに、他の塩化物と比較して、コストも安価
であり、非Na系であるために、Al−Mg系に対
して熱間割れ源となることもない。 KCl自身の吸湿性が小さく、フラツクスよりの
H2ガス吸収を防止できるために、KClを残部と
した。 K3AlF6は4〜8wt%とする。 本発明の第2発明に必須の成分である。 溶湯温度が低い場合、滓温度も700℃以下と低
いため、第1発明フラツクスでは発熱量が不足す
る場合がある。 上記問題点を解決する手段としては、酸素供給
源の増加、反応開始温度の低下、Al粒配分量の
アツプが考えられるが、安全上反応開始温度を下
げる手段が最適であるため、この方法を用いた。 上記のフラツクスの分解温度を低下させるため
に、溶湯に害を及ぼさず、コストが安く、安全上
の問題を考慮してフツ化物としてK3AlF6を用い
た。すなわち、KClとK3AlF6を混合することに
より共晶とし融点を降下させた。 K3AlF6の含有量が4wt%未満であると滓との
反応性が悪く、8wt%を越えると反応性が激しす
ぎるため、含有量は4〜8wt%とした。 [実施例] 以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明す
る。 低温溶湯を以下の条件で用意し、フラツクスを
添加したものと、フラツクスを添加しないものに
おける滓発生率(%)を調べた。 品種:JIS 6063 溶解条件:15T反射炉重油焚 溶解温度:720℃ 滓温度:680℃ 精練条件:Cl2ガス吹込み 除滓条件:本第2発明構成の低温用フラツクスを
溶湯量の0.1wt%添加し撹拌除滓 なお、フラツクスを添加したものには、第1図
に示すような撹拌機を使用した。 第1図において、1は溶湯であり、2は滓であ
る。この滓2上にフラツクス3を配し、撹拌機4
により撹拌を行なう。 上記手段での撹拌は、例えば25m2の溶湯表面に
おいて5〜10分の撹拌が必要である。 以上を実施した結果、第1表に示すようにフラ
ツクスを添加した本発明実施例においては滓発生
率が1.5%であり、フラツクスを添加しなかつた
比較例では滓発生率が2.6%であつた。 なお、滓発生率は下記の式で表わされる。 滓発生率=(滓発生量/原料装入量)×100 以上の結果から、本発明によりフラツクスを添
加した実施例においては、滓発生率が低下したこ
とがわかる。すなわち、滓中のメタル(Al)分
はフラツクスを添加しなかつた場合85〜95%であ
つたものが、フラツクスを添加したことにより60
〜75%としたのである。 これは、従来の滓処理によつて得られたメタル
(Al)分の約60%を炉外へ出さずにそのまま炉内
溶湯中へ回収でき、滓処理に要するエネルギーコ
ストの低減となつたからである。 実施例 2 高温溶湯を以下の条件で用意し実施例1と同様
にして滓発生率(%)を調べた。 品種:JIS 3003 溶解条件:15T反射炉重油焚 溶解温度:750℃ 滓温度:720℃ 精練条件:Cl2ガス吹込み 除滓条件:本第1発明構成の高温溶湯用フラツク
スを溶湯量の0.1wt%添加し撹拌除滓 なお、フラツクスを添加したものは実施例1と
同様な撹拌機を使用した。 上記を実施した結果、フラツクスを添加した場
合の滓発生率は2.0%、フラツクスを添加しなか
つた場合の滓発生率は2.7%となり、実施例1と
同様の結果となつた。 [発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、アルミ
ニウムまたはアルミニウム合金の低温溶湯および
高温溶湯の精練後発生する滓中のメタル分を、フ
ラツクスを使つて炉内へ回収することができ、従
来に比較して、エネルギーコスト、再加熱による
酸化ロス、処理コストが低減し、かつ、除滓作業
性が向上した。 【表】
第1図は、撹拌装置の概略図である。
1……溶湯、2……滓、3……フラツクス、4
……撹拌機。
……撹拌機。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Alアトマイズ粉:2〜10wt%、KNO3:5
〜10wt%、K2SO4:8〜20wt%を含有し、残部
は実質的にKClであることを特徴とするアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金溶湯用フラツクス。 2 Alアトマイズ粉:2〜10wt%、KNO3:5
〜10wt%、K2SO4:8〜20wt%、K3AlF6:4〜
8wt%を含有し、残部は実質的にKClであること
を特徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合
金溶湯用フラツクス。 3 Alアトマイズ粉:2〜10wt%、KNO3:5
〜10wt%、K2SO4:8〜20wt%を含有し、残部
がKClであるフラツクスを、アルミニウムまたは
アルミニウム合金溶湯表面に散布し、当該溶湯表
面に存在する滓と、前記フラツクスとを撹拌手段
を用いて撹拌し、前記溶湯と滓との反応を促進さ
せ、除滓することを特徴とするアルミニウムまた
はアルミニウム合金溶湯の除滓法。 4 フラツクス成分として、Alアトマイズ粉:
2〜10wt%、KNO3:5〜10wt%、K2SO4:8
〜20wt%、K3AlF6:4〜8wt%を含有し、残部
がKClである特許請求の範囲第3項に記載のアル
ミニウムまたはアルミニウム合金溶湯の除滓法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62280756A JPH01123035A (ja) | 1987-11-06 | 1987-11-06 | アルミニウムまたはアルミニウム合金溶湯用フラックスとそのフラックスを用いた除滓法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62280756A JPH01123035A (ja) | 1987-11-06 | 1987-11-06 | アルミニウムまたはアルミニウム合金溶湯用フラックスとそのフラックスを用いた除滓法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01123035A JPH01123035A (ja) | 1989-05-16 |
JPH0377262B2 true JPH0377262B2 (ja) | 1991-12-10 |
Family
ID=17629513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62280756A Granted JPH01123035A (ja) | 1987-11-06 | 1987-11-06 | アルミニウムまたはアルミニウム合金溶湯用フラックスとそのフラックスを用いた除滓法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH01123035A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE4028868A1 (de) * | 1990-09-12 | 1992-03-19 | W & W Schenk Gmbh & Co Kg Leic | Sandgussform zur herstellung von zylinderkoepfen aus aluminium |
JPH05331568A (ja) * | 1992-05-29 | 1993-12-14 | Kobe Steel Ltd | AlまたはAl合金低温溶解用フラックスとそのフラックスを用いた溶解法 |
JP3668081B2 (ja) | 1998-12-25 | 2005-07-06 | 株式会社神戸製鋼所 | アルミニウム合金溶湯の精錬方法およびアルミニウム合金溶湯精錬用フラックス |
-
1987
- 1987-11-06 JP JP62280756A patent/JPH01123035A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01123035A (ja) | 1989-05-16 |
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