JP2000309027A - 遠心成型によるベルトの製造方法及びその製造装置 - Google Patents

遠心成型によるベルトの製造方法及びその製造装置

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JP2000309027A
JP2000309027A JP11121650A JP12165099A JP2000309027A JP 2000309027 A JP2000309027 A JP 2000309027A JP 11121650 A JP11121650 A JP 11121650A JP 12165099 A JP12165099 A JP 12165099A JP 2000309027 A JP2000309027 A JP 2000309027A
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cavity
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vacuum
opening
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Hiroshi Okawa
博司 大川
Satoshi Ito
智 伊藤
Junichi Muto
順一 武藤
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠心力と真空を組み合わせて、ベルト中に気
泡を十分に抜き取ることができるベルトの製造方法及び
その製造装置を提供する。 【解決手段】 回転自在で、かつ真空引き可能な容器に
構成し、金型組み立て体A内に形成されたキャビティ1
8に、液状プレポリマーを前記金型の上方の回転中心の
前記キャビティ18に至る開口部17から注入し、前記
キャビティ18の下方から遠心力によって充填し、これ
と前後して前記開口部17から前記金型内を減圧する。
キャビティ18内に液状プレポリマーが充填されたの
ち、引き続き、金型内の真空引きを継続し、かつ金型を
回転させながら、100〜120℃で30分程度架橋す
ることにより、例えば1mmHg程度の強減圧と高い遠
心力の両方が作用し、気泡のないベルトを得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイミングベル
ト、プロファイルベルト、リブベルト、平ベルト等の伝
動用ベルトをポリウレタン等の原料樹脂液を遠心成型に
注入して成型する遠心成型によるベルトの製造方法及び
その製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、遠心成型法による伝動用ベルトの
製造は、特開平8−48410号公報に開示されている
ように、回転自在なターンテーブル上で、内金型と外金
型を組み立てて、内金型と外金型との間にできる空間を
キャビティとし、中央部に注型口を設けた上蓋にて前記
キャビティを閉塞し、前記ターンテーブル上に金型組み
立て体を載せて固定した後、金型組み立て体を回転さ
せ、上蓋の注型口から液状プレポリマーを落とし込み遠
心力にて外金型外壁に当たった後、キャビティ内を上昇
し、キャビティを充填して硬化させることによりなされ
ていた。
【0003】また、特開昭53−66981号公報で
は、真空室内に、回転自在な鋳型マンドレルと鋳型殻と
で環状空洞が画成されており、前記真空室の上方の回転
中心から偏心した位置より、液状プレポリマーが回転し
ている鋳型マンドレルに向かい注入される。注入された
液状プレポリマーは、遠心力により前記鋳型殻に押しや
られ、前記環状空洞部の上部側より充填され、ベルトが
作製されている。そして、前記真空室内の真空排気は液
状プレポリマーの注入口の他方側、すなわち、真空室の
下方側から行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平8−48410
号公報に開示されている方法では、液状プレポリマー中
の気泡は遠心力により、下方から上方に向かって移動
し、上方より抜け出るが、遠心力だけでは脱気が十分で
はなく、ベルト中に気泡が残ることがあった。そのた
め、液状プレポリマーを注型する前に予め真空槽内で、
脱泡を行い、工程をひとつ増やさねばならなかった。
【0005】また、(1)ベルト径がφ50mm以下の
もの、(2)心線を巻き付けたときの内金型がフラット
なもの、(3)製品厚みが厚いもの、などは遠心力だけ
で注型した場合、気泡の発生が多発していた。
【0006】一方、特開昭53−66981号公報に開
示されている方法は、前述したように、遠心力と真空引
きの組み合わせであるものの、回転する鋳型マンドレル
と鋳型殻とで形成される環状空洞の真空引きは、鋳型マ
ンドレルと鋳型殻を回転可能に収容する真空室を介して
行われるため、加熱室を兼ねる真空室で決まる真空まで
しか引くことが出来ない。そのため、真空の程度を高め
ることができず、気泡の脱泡が不十分になるという問題
点があった。
【0007】そこで、本発明は、これらの問題点を鑑み
なされたものであり、遠心力と真空を組み合わせて、ベ
ルト中に気泡を十分に抜き取ることができる遠心成型に
よるベルトの製造方法及びその製造装置を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の請求項1の発明は、金型内に形成されたキャ
ビティに液状プレポリマーを注入する工程と、前記キャ
ビティ内を減圧する工程と、前記金型を回転させる工程
と、前記キャビティ内に充填された前記液状プレポリマ
ーを加熱硬化させる工程とを含んでなる遠心成型による
ベルトの製造方法において、前記金型を真空引き可能な
容器に形成し、前記金型の回転中心に前記キャビティに
至る開口部を設け、前記開口部から前記液状プレポリマ
ーを注入し、前記注入と前後して前記開口部から前記金
型内を減圧することを特徴とする遠心成型によるベルト
の製造方法である。
【0009】液状プレポリマーは、金型上方の回転中心
に位置する開口部より注入されるため、遠心力により均
等に分散される。また、液状プレポリマーが注入される
開口部から、真空排気することにより、金型内に形成さ
れたキャビティを直接真空状態とすることができる。そ
のため、高強度で密封性の高い金型で決まる高真空、例
えば10mmHg以下の強減圧を行うことができる。こ
こで、金型の回転は、キャビティに液状プレポリマーを
充填する前、液状プレポリマーを注入した後、液状プレ
ポリマーを充填後に減圧処理を行った後、のいずれの段
階でも開始することができる。この回転開始時期は、使
用する樹脂等によって、適宜選択することが好ましい。
また、金型内の減圧処理は、液状プレポリマーの充填途
中若しくは充填後のいずれの段階からでも開始すること
ができる。
【0010】また、請求項2の発明は、前記キャビティ
の下方から前記液状プレポリマーを遠心力により充填
し、前記キャビティの上方から真空引きする請求項1記
載の遠心成型によるベルトの製造方法である。
【0011】液状プレポリマーをキャビティの下方から
充填し、キャビティの上方から真空引きすることによ
り、気泡の抜けが効果的に行われる。
【0012】また、請求項3の発明は、前記金型は、キ
ャビティを形成する外金型及び内金型に、前記キャビテ
ィを閉塞する上蓋が押し当てられる組み立て構造であ
り、前記開口部は前記上蓋に設けられ、前記開口部に取
り付けられる回動自在な連結手段を前記キャビティ方向
に押圧することにより、前記金型を真空引き可能な容器
に形成する請求項1又は2記載の遠心成型によるベルト
の製造方法である。
【0013】外金型及び内金型に上蓋を押し当てるだけ
で金型を真空に耐える容器に構成でき、上蓋の開口部へ
の回転自在な連結手段を介して金型内を高真空に引くこ
とが出来る。また、上蓋の開口部への連結手段の押圧を
解放すると、上蓋が外れ、外金型及び内金型を簡単に分
解して、キャビティ内のベルトを取り出すことができ
る。さらに、金型の上下の両方を軸支するため、金型の
回転時の振れも少なく出来る。
【0014】また、請求項4の発明は、キャビティを形
成する外金型及び内金型と前記キャビティを閉塞する上
蓋とを有する金型組み立て体と、前記金型組み立て体を
支持して回転させる回転手段と、前記上蓋の回転中心に
設けられ、前記キャビティに至る開口部と、前記開口部
に対して押圧自在な回転継ぎ手構造の連結手段と、前記
連結手段に接続される減圧手段と、前記金型組み立て体
を外部から加熱する加熱室とを備え、前記金型組み立て
体は、分割可能且つ回転中心方向の押圧により真空引き
可能な密閉容器構造になっており、前記キャビティを直
接的に真空引きできるようにした遠心成型によるベルト
の製造装置である。
【0015】上蓋の開口部からの液状プレポリマーの注
入と前後して真空引き可能な構造であるため、真空容器
として構成される部分が必要最小限となり、また、キャ
ビティを直接真空引きすることができる構造であるた
め、キャビティ内に充填される液状プレポリマーからの
ガスを効率よく排気することができる。
【0016】また、請求項5の発明は、前記金型組み立
て体の回転中心の両端は、前記回転手段に於いて軸支さ
れるとともに、前記回転継ぎ手構造に於いて軸支される
請求項4記載の遠心成型によるベルトの製造装置であ
る。
【0017】金型組み立て体の回転中心の両端を軸支す
る構造であることから、金型組み立て体の回転中の芯振
れが抑制される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の実施の形態を説明する。図1は本発明に係る遠心成型
によるベルトの製造装置の断面概略図、図2は本発明に
係る遠心成型によるベルトの製造装置において、キャビ
ティ内に液状プレポリマーが充填された状態を示す断面
概略図、図3乃至図6は本発明おける金型組み立て体内
の各工程における液状プレポリマーの充填状態を示す図
である。
【0019】本発明に係る遠心成型によるベルトの製造
装置は、キャビティ18を形成する外金型12及び内金
型11と前記キャビティ18を閉塞する上蓋13とから
なる金型組み立て体Aと、前記金型組み立て体Aを支持
して回転させる回転手段Bと、前記上蓋13の回転中心
に設けられ前記キャビティ18に至る開口部17と、前
記開口部17に対して押圧自在な回転継ぎ手構造の連結
手段Cと、前記連結手段Cに接続される減圧手段30
と、前記金型組み立て体Aを外部から加熱する加熱室5
0と、から構成されている。
【0020】金型組み立て体Aは、外金型底部14と、
外金型筒体12と、内金型11と、前記外金型筒体12
と内金型11とで形成するキャビティ18を閉塞する上
蓋13とからなり、各部分の合わせ面の密着により内部
の真空引きが可能な容器となっている。
【0021】ここで、外金型底部14は、一方の底部の
中心に凹部14aを有し、他方側の円周には外金型筒体
12を載置する際の図示されない複数本のガイド棒が設
けられている。回転中心に対して同心に外金型筒体12
を設置できるとともに、合わせ面の密着も可能である。
【0022】また、内金型11は、その外径が外金型筒
体12の内径よりも小径であり、内径には貫通孔22が
設けられている。この貫通孔22は、まっすぐな貫通孔
であっても、末広がり状のものであっても良い。好まし
いのは末広がり状のものである。また、内金型11も回
転中心に対して同心に外金型筒体12を設置できるとと
もに、合わせ面の密着も可能である。
【0023】外金型底部14上への外金型筒体12と内
金型11の同心状の組み込みにより、両者の間にキャビ
ティ18が形成される。このキャビティ18は、上蓋1
3により閉塞される。上蓋13と外金型筒体12との合
わせ面も密封可能な程度に密着できる。このような構造
の金型組み立て体Aは、回転手段Bであるターンテーブ
ル19に載置され、加熱室50の略中央に設置される。
【0024】回転手段Bは、前記金型組み立て体Aを載
置するターンテーブル19と、回転軸25と、回転軸2
5の軸受部25aなどから構成されている。ターンテー
ブル19は、回転中心に外金型底部14の凹部14aと
の嵌合用に凸部19aが設けられており、その他方側に
回転軸25が設けられている。金型組み立て体Aと回転
手段Bとの前記凹凸嵌合により、回転手段Bの回転中心
と金型組み立て体Aの回転中心との同心が保持される。
回転軸25は、加熱室50から加熱室50の外部にまで
延びており、その一端にはプーリー26が設けられてい
る。そして、図示していないモーター等の駆動手段とチ
ェーン若しくはベルト等の伝動手段により接続されてい
る。
【0025】連結手段Cは、内径の中心に貫通孔35を
有する固定のシャフト31と、このシャフト31を収納
する回転自在なハウジング32と、シャフト31とハウ
ジング32との間の空間部に位置する軸受34とから構
成される回転自在な継手構造になっている。シャフト3
1は、昇降手段Dに連結され、その貫通孔35の上方に
はフランジ38を介して真空排気用ホース37が接続可
能であるとともに、原料注入用ホース36も接続可能に
されている。そして、このシャフト31を収納している
ハウジング32は、軸受34により回転自在な継手構造
になっている。
【0026】昇降手段Dは、連結手段Cの固定のシャフ
ト31が取り付けられる支持部40と、支持部40の両
端の昇降支持棒42を昇降自在に支持するガイド部56
と、支持部40の両端に連結されるエアシリンダー41
などからなっている。エアシリンダー41及びガイド部
56は、加熱室50を囲む本体フレーム57の上部フレ
ーム57aに支持されている。本体フレーム57は、上
部フレーム57aと、側面フレーム57bと、下側フレ
ーム57cとからなる。昇降手段Dによる下方への押圧
力は、連結手段C→金型組み立て体A→回転手段Bへと
伝達され、下側フレーム57cに取り付けられた軸受部
25aで受けられる。加熱室50は、上下に回転軸25
と回転するハウジング32が貫通する孔を有し、本体フ
レーム57に支持される。加熱室50の内部には、ヒー
ター51が配設され、金型組み立て体Aを周囲から加熱
できる。また、加熱室50の一面は開閉可能な扉が設け
られ、扉を開けると金型組み立て体Aが出し入れが簡単
にできる。
【0027】金型組み立て体Aと連結手段Cとの間に
は、開口部17が設けられている。この開口部17は、
その外径にO−リング、パッキン等のシール材を使用す
るか、若しくは真空グリス等を塗布して金型組み立て体
Aの上蓋13に嵌合されている。この開口部17によっ
て、金型組み立て体Aのキャビティ18に至る空間が、
連結手段Cに対して密封可能に接続される。なお、開口
部17は上蓋13と一体に形成されていてもよい。
【0028】減圧手段30は、フランジ38と、フレキ
シブルな真空排気用ホース37と、真空ポンプ55など
から構成され、連結手段Cのシャフト31に対して接続
自在である。なお、減圧手段30を外すと、連結手段C
の貫通孔35に対して、原料注入用ホースを配置可能又
は接続可能になる。また、原料注入用ホース36と真空
排気用ホース37とを切換弁を介してシャフト31に接
続すると、切換弁の操作により真空排気又は原料注入に
自動的に切り換えられる。
【0029】本発明における遠心成型によるベルトの製
造装置は以上のような構成となっている。次に、この装
置を使用してのベルトの製造方法について説明する。
【0030】(製造方法1)加熱室50内のターンテー
ブル19上に、金型組み立て体Aを、外金型底部14の
底部中心の凹部14aとターンテーブル19の中心の凸
部19aとが嵌合するようにして設置する。この金型組
み立て体Aは、外金型底部14上に、内径に貫通孔22
を有する内金型11が載置され、外金型底部14に設け
られた図略の複数本のガイド棒を通して外金型筒体12
が設置され、この内金型11と外金型筒体12の上に上
蓋13が載せられ、開口部17が嵌入されて構成され、
加熱室50内で組み立ておいたものを使用する。金型組
み立て体Aの合わせ面は押圧により密封状態が保たれる
ように形成されているため、開口部17及び連結手段C
及び昇降手段Dにより、金型組み立て体Aを回転手段B
のターンテーブル19上に押圧すると、これら内金型1
1と外金型筒体12により形成されたキャビティ18が
真空可能に閉塞される。また、金型組み立て体Aは、そ
の下側がターンテーブル19及び回転軸25を介して軸
受部25aで軸支され、その上側が連結手段Cの軸受3
4で軸支される。これにより、金型組み立て体は、上下
で回転自在に支持され、芯振れの発生を抑制することが
できる。
【0031】次に、加熱室50の外部にある図略のモー
ター等の駆動手段によって、金型組み立て体Aを所定の
回転数で回転させる。そして、原料となる液状プレポリ
マーは、原料注入ホース36により、固定のシャフト3
1の貫通孔35を通り、金型組み立て体A内に注入され
る。このとき、原料の液状プレポリマーがシャフト31
の貫通孔35の側壁に付着しないように上部に行くほど
開口部が広くなるような貫通孔35とすることが好まし
い。原料注入が終わると、減圧手段30をシャフト31
に接続すると、金型組み立て体A内を真空に引くことが
可能になる。
【0032】ここで、液状プレポリマーとしては、ポリ
ウレタン、シリコン、カルボキシル基末端ポリブタジエ
ン等の各種炭化水素系合成ゴム等の熱硬化性液状ゴム等
が例示できる。その中で、最も好ましいのはポリウレタ
ンである。
【0033】このポリウレタンとは、活性水素末端線状
重合体とモル過剰の有機ポリイソシアネートとを反応さ
せて得られる末端にポリイソシアネート基を有するプレ
ポリマーにグリコール類、アミン類、ヒドラジド類、あ
るいはアミノアルコール類等を反応させて得られた高度
に弾性を有する重合体である。
【0034】前記の活性水素末端線状重合体としては、
完全に線状、または僅かに分岐した分子構造を有する分
子量250〜5000のポリエーテルポリオール、ポリ
エステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリエ
ーテルエステルポリオール、ポリ炭化水素ポリオールか
ら適当に選択されるが、反応性、作業性においてはポリ
エーテルポリオールが好ましい。
【0035】有機ポリイソシアネートとしては、2.4
−トルエンジイソシアネート、2.6−トルエンジイソ
シアネート、1.5−ナフタレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、4.4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート(ピュアーMDI)、ポリメリ
ックMDI(クルードMDI)等があり、通常4、4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を変性
して液状としたものが使用される。
【0036】図3乃至図5には、本発明における金型組
み立て体A内の各工程における液状プレポリマーの充填
状態を示している。図3は、原料Lである液状プレポリ
マーを一定量注入した直後の状態を示している。この状
態で、図示していない真空ポンプを運転し、金型内の真
空引きを開始する。そして、10mmHg以下、真空度
1mmHg程度まで減圧する。
【0037】ここで、金型内の真空引きは、前記のよう
に原料Lを一定量注入直後の、図3の状態から開始する
ことが好ましいが、原料注入用ホース36及び真空排気
用ホース37をシャフト31に対して切換弁を介して接
続すること、若しくは原料注入量及び真空排気量を適宜
調整することによって、原料注入と同時又は原料注入前
から金型内の真空引きを開始することも可能である。
【0038】原料Lは、所定回転数の回転による遠心力
によって、図4に示すように、内金型11の下部ゲート
15を通り、キャビティ18内を上方に向かい充填され
ていく。この際、金型内は、真空度1mmHg程度に維
持されているため、原料L中の気泡は、遠心力及び上方
からの真空排気の作用をうけて、上方に移動し、上部ゲ
ート16から効率的に排気される。
【0039】そして、原料Lは、真空の状態で回転され
ている状態で、100〜120℃で約30分間の条件で
架橋される。これによって、図5に示すように、気泡の
ない均一な厚みのゴム層が形成される。
【0040】(製造方法2)前述した製造方法1と異な
る点は、金型組み立て体Aの各工程での回転数が異なる
ところである。具体的には次に示す通りである。金型組
み立て体Aを低速で回転させながら、原料注入ホース3
6から、液状プレポリマーを投入する。金型組み立て体
Aの回転数が低速であるため、十分な遠心力が得られな
いため、この段階では図4に示すように、キャビティ内
を液状プレポリマーが充填されず、上部側に若干空間が
残る。この状態で、真空排気用ホース37により真空引
きを開始し、脱泡処理を行う。キャビティ上部に空間が
残っているため、効率よく脱泡を行うことができる。所
定時間経過後、真空引きをやめて金型内を大気圧に戻し
た後に、金型組み立て体Aの回転数を徐々に上昇させ、
高速回転させて遠心力により図5に示すように液状プレ
ポリマーをキャビティ内に均等に充填させる。そして、
製造方法1と同様に加熱して均一な厚みのゴム層を形成
させる。
【0041】(製造方法3)製造方法1及び2と異な
り、まず、金型組み立て体Aが静止している状態で、原
料注入ホース36から、液状プレポリマーを投入する。
そして、金型組み立て体Aを静止させた状態で、真空排
気用ホース37により真空引きを開始し、脱泡処理を行
う。そして、所定時間経過後、真空引きをやめて金型内
を大気圧に戻した後に、金型組み立て体Aの回転数を徐
々に上昇させ、高速回転させて遠心力によって図5に示
すように液状プレポリマーをキャビティ内に均等に充填
させる。若しくは、金型組み立て体Aを高速回転させて
遠心力によって図5に示すように液状プレポリマーをキ
ャビティ内に均等に充填させた後に、真空引きをやめて
金型内を大気圧に戻しても構わない。そして、製造方法
1と同様に加熱して均一な厚みのゴム層を形成させる。
【0042】なお、本発明は、前述した製造方法に限定
されるものではない。また、本発明では、以上に説明し
てきたような1層ベルトのみでなく、2層以上の多層ベ
ルトの製造をすることも可能である。
【0043】多層ベルト、例えば2層ベルトの場合は、
図6に示すように、前述してきた方法のいずれかの方法
で、第1層ゴム20を形成させ、この第1層ゴムを半硬
化させた状態で、図7に示すように、第2層ゴムとなる
原料Rを、同様に原料注入ホース36より投入して、第
2層ゴムを形成させることができる。ここで、第1層ゴ
ム20は、ベルトの背面、即ち搬送面となるため、柔ら
かめのゴムとなるように、例えばポリウレタンの場合で
は、イソシアネートの含有量を調整する。また、第2層
ゴムは、ベルトの歯面、即ち駆動面側となるため、第1
層ゴムに比べて硬めのゴムとなるようにすることが通常
好ましい。なお、1層目と2層目の組み合わせは上記に
限らず、同じ硬度であっても、1層目と2層目の色を変
更する場合や、1層目の硬度を2層目の硬度よりも高く
する場合も含まれる。
【0044】均一なゴム層を形成後は、図2に示すよう
に、減圧手段30、連結手段C及び支持部40をエアシ
リンダー41により上昇させ、連結手段Cと金型組み立
て体Aとのとの密封連結を解放する。そして、金型組み
立て体Aを加熱室50から取り出し、上蓋13と底部1
4を外し、内金型11と外金型筒体12とを軸方向に分
解することで、ベルトスリーブを取り出すことができ
る。このベルトスリーブを任意の幅に切断することによ
って、所定幅のベルトを得ることができる。
【0045】以上述べたように、金型組み立て体Aを上
から押圧するだけで、金型組み立て体Aの内部を真空に
引くことが出来るため、真空度1mmHg程度の強減圧
が可能である。そのため、原料Lの気泡の脱気が強力に
行われる。また、金型組み立て体Aの上下が軸支された
状態で回転するため、高速回転が可能になり、遠心脱気
も強力に行われる。そのため、強減圧と高速回転の相乗
作用で、優れた脱気を確保でき、気泡のない高品質のベ
ルトを得ることが出来る。また、金型組み立て体Aの上
下を軸支して回転するため、回転時の振れも殆ど無くな
り、得られるベルトの寸法精度を高くなる。
【0046】なお、ベルトの抗張体として心線を埋設し
たベルトを製造する際には心線となるロープを内金型1
1に巻きつけることにより、前述した方法と同様の製造
方法によって、心線を埋設したベルトを得ることができ
る。
【0047】
【発明の効果】請求項1の発明によると、金型を真空引
き可能な容器に形成するため、金型を真空引き可能な容
器内に入れ、容器内を真空にして金型内を真空にする場
合に比較して、キャビティ内を高真空、例えば1mmH
g程度まで引くことができ、高真空と遠心力により気泡
が殆どないベルトを製造することができる。
【0048】また、請求項2の発明によると、キャビテ
ィ内に充填される液状プレポリマー内の気泡は上方に抜
けようとするため、液状プレポリマーをキャビティの下
方から充填し、キャビティの上方から真空引きすること
により、気泡の抜けが効果的に行われる。特に、2層構
造のベルトを作製する場合は、第1のベルト層が均一な
厚みになるとともに脱気も確実となり、第2層の厚みも
均一となるので、2層構造のベルトの作製に非常に有効
となる。
【0049】また、請求項3の発明によると、外金型及
び内金型に上蓋を押し当てるだけで金型を真空に耐える
容器に構成でき、上蓋の開口部への連結手段の押圧を解
放すると、金型組み立て体を素早く加熱室外に取り出
し、外金型及び内金型を分解し、キャビティ内のベルト
を素早く取り出すことができる。この結果、ベルト成型
のサイクルタイムを短縮することができる。また、金型
組み立て体の上下を軸支するため、高速回転による遠心
力を高めることができるとともに、高速回転時の振れを
無くすことで厚み程度の高いベルトを得ることができ
る。
【0050】また、請求項4の発明によると、上蓋の開
口部からの液状プレポリマーの注入と前後して真空引き
可能な構造であるため、真空容器として構成される部分
が必要最小限となり、また、キャビティを直接真空引き
することができる構造であるため、キャビティ内に充填
される液状プレポリマーからのガスを効率よく排気する
ことができる。これによって、内部に気泡が殆どないベ
ルトを小型な装置で製造することができる。
【0051】また、請求項5の発明によると、金型組み
立て体の回転中心が上下両端で軸支される構造であるこ
とから、金型組み立て体の回転中の芯振れが抑制され
る。これによって、均一な厚みのベルトを作製すること
が可能となる。特に、2層構造のベルトを作製する場合
は、1層目の厚みが均一となり、厚み精度が上昇し、効
果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遠心成型によるベルトの製造装置
の断面概略図である。
【図2】本発明に係る遠心成型によるベルトの製造装置
において、キャビティ内にベルトが充填された状態を示
す断面概略図である。
【図3】本発明おける金型組み立て体内の液状プレポリ
マーの充填状態を示す図である。
【図4】本発明おける金型組み立て体内の液状プレポリ
マーの充填状態を示す図である。
【図5】本発明おける金型組み立て体内の液状プレポリ
マーの充填状態を示す図である。
【図6】本発明おける金型組み立て体内の液状プレポリ
マーの充填状態を示す図である。
【図7】本発明おける金型組み立て体内の液状プレポリ
マーの充填状態を示す図である。
【符号の説明】
A 金型組み立て体 B 回転手段 C 連結手段 D 昇降手段 11 内金型 12 外金型筒体 13 上蓋 14 外金型底部 14a 凹部 15 ゲート 16 ゲート 17 開口部 18 キャビティ 19 ターンテーブル 19a 凸部 20 第1層ゴム 21 第2層ゴム 22 貫通孔 25 回転軸 25a 軸受 26 プーリー 30 減圧手段 31 シャフト 32 ハウジング 33 空間部 34 軸受 35 貫通孔 36 原料注入用ホース 37 真空排気用ホース 38 フランジ 40 支持部 41 エアーシリンダー 42 昇降支持棒 50 加熱室 51 ヒーター 55 真空ポンプ 56 ガイド部 57 本体フレーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武藤 順一 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内 Fターム(参考) 4F205 AA31 AC05 AG16 AM28 AM32 GA02 GB01 GC04 GF01 GF23 GF27 GF30 GN01 GN04 GN13 GN28 4F213 AA31 AC05 AG16 AM28 AM32 WA03 WA56 WA83 WA87 WB01 WC03 WF01 WF23 WF27 WK02 WK03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内に形成されたキャビティに液状プ
    レポリマーを注入する工程と、前記キャビティ内を減圧
    する工程と、前記金型を回転させる工程と、前記キャビ
    ティ内に充填された前記液状プレポリマーを加熱硬化さ
    せる工程とを含んでなる遠心成型によるベルトの製造方
    法において、前記金型を真空引き可能な容器に形成し、
    前記金型の回転中心に前記キャビティに至る開口部を設
    け、前記開口部から前記液状プレポリマーを注入し、前
    記注入と前後して前記開口部から前記金型内を減圧する
    ことを特徴とする遠心成型によるベルトの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記キャビティの下方から前記液状プレ
    ポリマーを遠心力により充填し、前記キャビティの上方
    から真空引きする請求項1記載の遠心成型によるベルト
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金型は、キャビティを形成する外金
    型及び内金型に、前記キャビティを閉塞する上蓋が押し
    当てられる組み立て構造であり、前記開口部は前記上蓋
    に設けられ、前記開口部に取り付けられる回動自在な連
    結手段を前記キャビティ方向に押圧することにより、前
    記金型を真空引き可能な容器に形成する請求項1又は2
    記載の遠心成型によるベルトの製造方法。
  4. 【請求項4】 キャビティを形成する外金型及び内金型
    と前記キャビティを閉塞する上蓋とを有する金型組み立
    て体と、 前記金型組み立て体を支持して回転させる回転手段と、 前記上蓋の回転中心に設けられ、前記キャビティに至る
    開口部と、 前記開口部に対して押圧自在な回転継ぎ手構造の連結手
    段と、 前記連結手段に接続される減圧手段と、 前記金型組み立て体を外部から加熱する加熱室とを備
    え、 前記金型組み立て体は、分割可能且つ回転中心方向の押
    圧により真空引き可能な密閉容器構造になっており、前
    記キャビティを直接的に真空引きできるようにした遠心
    成型によるベルトの製造装置。
  5. 【請求項5】 前記金型組み立て体の回転中心の両端
    は、前記回転手段に於いて軸支されるとともに、前記回
    転継ぎ手構造に於いて軸支される請求項4記載の遠心成
    型によるベルトの製造装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101089221B1 (ko) 2011-03-08 2011-12-02 주식회사 유니크 원심 주조기
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KR101904849B1 (ko) * 2017-07-11 2018-10-05 (주)신영유니크 원심주조장치의 탄성체에 의한 상부금형 가압 밀착 회전 구조
KR20190126215A (ko) * 2018-05-01 2019-11-11 백승민 자동 원심주조용 금형들뜸방지장치

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