JP2000307383A - アンテナ共用器 - Google Patents

アンテナ共用器

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JP2000307383A
JP2000307383A JP11204799A JP11204799A JP2000307383A JP 2000307383 A JP2000307383 A JP 2000307383A JP 11204799 A JP11204799 A JP 11204799A JP 11204799 A JP11204799 A JP 11204799A JP 2000307383 A JP2000307383 A JP 2000307383A
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JP
Japan
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acoustic wave
surface acoustic
phase
wave filter
antenna duplexer
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Pending
Application number
JP11204799A
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English (en)
Inventor
Katsuya Fujii
勝也 藤井
Ichiro Kameyama
一郎 亀山
Toru Sakuragawa
徹 櫻川
Kazufumi Nishida
和史 西田
Yuji Fujinaka
祐司 藤中
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化したアンテナ共用器を提供することを
目的とする。 【解決手段】 アンテナ端子15、送、受信端子16,
17及び接地端子19a〜19mを有するパッケージ1
4と、このパッケージ14内に収納した送信用弾性表面
波フィルタ11と、この送信用弾性表面波フィルタ11
に電気的に接続した位相基板13と、この位相基板13
に電気的に接続した受信用弾性表面波フィルタ12とを
備え、前記送、受信用弾性表面波フィルタ11,12は
それぞれ周波数の異なる通過帯域を有しお互い他方の通
過帯域を減衰させるものであり、前記位相基板13は少
なくとも受信用弾性表面波フィルタ12の送信帯域の位
相を回転させる機能を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は移動体通信機器に用
いられるアンテナ共用器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のアンテナ共用器は、図11のごと
く基板100上に別々のパッケージ内に収納された送信
用弾性表面波フィルタ101aと、受信用弾性表面波フ
ィルタ101bと、位相回路を構成するインダクタンス
素子102とキャパシタンス素子103a,103bと
を電気的に接続して実装したものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この構成によると、位
相回路を形成するために、インダクタンス素子102と
キャパシタンス素子103a,103bとを別々に実装
しており、また送、受信用弾性表面波フィルタ101
a,101bをそれぞれ別のパッケージに封入している
ため、小型化するのが非常に困難であるという問題点を
有していた。
【0004】そこで本発明は、小型軽量化したアンテナ
共用器を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のアンテナ共用器は、信号端子及び接地端子を
有するパッケージと、このパッケージ内に収納した送信
用弾性表面波フィルタと、この送信用弾性表面波フィル
タに電気的に接続した位相基板と、この位相基板に電気
的に接続した受信用弾性表面波フィルタとを備え、前記
送、受信用弾性表面波フィルタはそれぞれ周波数の異な
る通過帯域を有しお互い他方の通過帯域を減衰させるも
のであり、前記位相基板は少なくとも受信用弾性表面波
フイルタの送信帯域の位相を回転させる機能を有するも
のであり、位相回路を一つに基板で形成した上、送、受
信弾性表面波フィルタ及び位相基板を一つのパッケージ
内に収納したので、小型軽量化を達成することができ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、信号端子及び接地端子を有するパッケージと、この
パッケージ内に収納した送信用弾性表面波フィルタと、
この送信用弾性表面波フィルタに電気的に接続した位相
基板と、この位相基板に電気的に接続した受信用弾性表
面波フィルタとを備え、前記送、受信用弾性表面波フィ
ルタはそれぞれ周波数の異なる通過帯域を有しお互い他
方の通過帯域を減衰させるものであり、前記位相基板は
少なくとも受信用弾性表面波フィルタの送信帯域の位相
を回転させる機能を有するものであるアンテナ共用器で
あり、小型軽量化することができる。
【0007】請求項2に記載の発明は、送、受信用弾性
表面波フィルタと位相基板の表面高さを略一致させた請
求項1に記載のアンテナ共用器であり、送、受信用弾性
表面波フィルタと位相基板間を接続するボンディングワ
イヤの長さを短くでき、弾性表面波フィルタの特性劣化
を抑制することができる。
【0008】請求項3に記載の発明は、位相基板は送信
用弾性表面波フィルタと受信用弾性表面波フィルタ間に
配置した請求項1または請求項2に記載のアンテナ共用
器であり、送、受信用弾性表面波フィルタ間のアイソレ
ーションを確保することができる。
【0009】請求項4に記載の発明は、信号端子の近傍
に接地端子を配した請求項1または請求項2に記載のア
ンテナ共用器であり、送、受信用弾性表面波フィルタの
接地を強化して特性劣化を抑制することができる。
【0010】請求項5に記載の発明は、パッケージの内
部に少なくとも二つ以上の接地端子が接続された共通接
地パターンを設けた請求項1から請求項4のいずれか一
つに記載のアンテナ共用器であり、パッケージ内の接地
状態を一定にし、かつ接地面とのインダクタを削減する
ことで送、受信用弾性表面波フィルタの特性劣化を抑制
することができる。
【0011】請求項6に記載の発明は、位相基板は内部
に位相線路となる電極パターンを形成したものである請
求項1から請求項5のいずれか一つに記載のアンテナ共
用器であり、従来ディスクリート部品で構成していた位
相回路を位相基板内部に構成することで、小型化でき
る。
【0012】請求項7に記載の発明は、位相線路となる
電極パターンを二つ以上形成し、この電極パターン間を
電気的に接続して位相線路の特性インピーダンスを高く
した請求項6に記載のアンテナ共用器であり、同一イン
ピーダンスの位相線路であれば位相線路幅を広くするこ
とができ、位相線路での損失を抑制することができる。
【0013】請求項8に記載の発明は、位相基板は表面
にインダクタ機能を有する電極パターンを形成した請求
項6または請求項7に記載のアンテナ共用器であり、位
相線路以外に必要なマッチング回路も位相基板に設ける
ことで小型化ができる。
【0014】請求項9に記載の発明は、位相基板は位相
線路の入、出力端子とインダクタ機能を有する電極パタ
ーンの入、出力端子とを同一平面上に形成したものとし
たものである請求項8に記載のアンテナ共用器であり、
位相基板に形成された各素子の取出しを同一表面上で行
うことでその構成を容易にすることができる。
【0015】請求項10に記載の発明は、位相基板にお
いて、少なくとも一つの電極パターンの厚みが他の電極
パターンの厚みに比べて厚くした請求項7から請求項9
のいずれか一つに記載のアンテナ共用器であり、電極パ
ターンにおける損失を抑制することができる。
【0016】請求項11の記載の発明は、位相基板にお
いて少なくとも一つの電極パターン厚みが他の電極パタ
ーン厚みの1.2倍以上10倍以下とした請求項7から
請求項9のいずれか一つに記載のアンテナ共用器であ
り、デラミネーションが発生しないように電極パターン
を厚くすることができ、これによって電極パターンでの
損失を抑制することができる。
【0017】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図10を用いて説明する。
【0018】(実施の形態1)図1は本実施の形態のア
ンテナ共用器の斜視図であり、パッケージ14内には圧
電性基板上に櫛形電極等を形成した送信用弾性表面波フ
ィルタ11及び受信用弾性表面波フィルタ12と、位相
基板13とを収納してある。パッケージ14の外周には
アンテナ端子15、送信端子16、受信端子17、接地
端子19a〜19mを、内部には接続パット18a〜1
8cを有し、接続パット18aはアンテナ端子15に、
接続パット18bは送信端子16に、接続パット18c
は受信端子17にそれぞれパッケージ14内で接続され
ている。
【0019】また、送信用弾性表面波フィルタ11、受
信用弾性表面波フィルタ12、位相基板13はそれぞれ
二つの接続端子を有し、送信用弾性表面波フィルタ11
の一方の端子と接続パット18bがボンディングワイヤ
20aで、送信用弾性表面波フィルタ11の他方の端子
と接続パット18aがボンディングワイヤ20bで接続
され、受信用弾性表面波フィルタ12の一方の端子と接
続パット18cがボンディングワイヤ20eで、受信用
弾性表面波フィルタ12の他方の端子と位相基板13の
一方の端子がボンディングワイヤ20dで、位相基板1
3の他方の端子と接続パット18aがボンディングワイ
ヤ20cで接続されている。
【0020】送信用弾性表面波フィルタ11、受信用弾
性表面波フィルタ12の構成によっては、パッケージ1
4の内部で接地端子19a〜19mと接続するための接
続パットが必要となる場合もある。
【0021】図2は図1におけるアンテナ共用器の回路
図であり、図1に示した構成要素と同じ役割を果たす部
分には同一の番号を付加している。
【0022】ここで送、受信用弾性表面波フィルタ1
1,12はそれぞれ周波数の異なる通過帯域を有し、か
つお互い他方の通過帯域を減衰させるものである。また
位相基板13は、少なくとも受信用弾性表面波フィルタ
12の送信帯域の位相を回転させるものである。
【0023】以上の構成によれば送信用弾性表面波フィ
ルタ11、受信用弾性表面波フィルタ12、位相基板1
3が同一パッケージ14内に実装できるため、アンテナ
共用器を小型化できるのである。
【0024】また、図1のごとくパッケージ14内にお
いて、送信用弾性表面波フィルタ11と受信用弾性表面
波フィルタ12の間に位相基板13を配置することによ
って送信用弾性表面波フィルタ11と受信用弾性表面波
フィルタ12間の距離が離れるため、結果として送信端
子16と受信端子17のアイソレーションが確保でき、
アンテナ共用器としての特性を劣化させることなく小型
化が実現できるのである。このとき、送信端子16と受
信端子17もできるだけ離れた位置に形成することが好
ましく、本実施の形態においてはパッケージ14の最も
間隔の大きな対向面に設けている。
【0025】(実施の形態2)図3(a),(b)は本
実施の形態2におけるアンテナ共用器の断面図であり、
図1のアンテナ共用器において送信端子16と受信端子
17を結ぶ直線でパッケージ14を切断した際の断面図
である。図1と同じ構成要素には同一の番号を付加して
いる。
【0026】通常、送信用弾性表面波フィルタ11及び
受信用弾性表面波フィルタ12と位相基板13の表面高
さは、ほぼ一致させることが好ましく、送信用弾性表面
波フィルタ11及び受信用弾性表面波フィルタ12と位
相基板13の厚みが異なる場合には、図3(b)のごと
くパッケージ14の底面厚みを変えて略一致させること
が望ましい。これはアンテナ共用器を製造する際、ボン
ディングワイヤ20a〜20eの諸条件が固定しやす
く、結果として容易に製造できるようになるからであ
る。
【0027】しかしながら図3(a)のごとく、パッケ
ージ14の内部底面が平坦面で、送信用弾性表面波フィ
ルタ11及び受信用弾性表面波フィルタ12と位相基板
13の表面高さが異なる場合には、位相基板13の表面
と受信用弾性表面波フィルタ12表面には段差が生じ、
ボンディングワイヤ20fが長くなり、それに起因する
インダクタ成分が無視できなくなるため、受信用弾性表
面波フィルタ12の特性を劣化させることとなる。この
特性劣化の例を図4から図6を用いて簡単に説明する。
【0028】図4は、弾性表面波フィルタを形成する弾
性表面波共振器21の等価回路図である。
【0029】アンテナ共用器に用いられる弾性表面波フ
ィルタは、弾性表面波共振器21をラダー形に接続した
弾性表面波フィルタがよく用いられる。この弾性表面波
共振器21は、図4のごとくキャパシタンス素子21a
とインダクタンス素子21bを直列に接続したものと、
キャパシタンス素子21cとを並列に接続したものであ
り、直列共振点と並列共振点を各一つずつ持つ周波数特
性を有する。
【0030】ここで図5に示すように、弾性表面波共振
器21の一方の端子を入力端子24と出力端子25間に
電気的に接続し、弾性表面波共振器21の他方の端子を
ボンディングワイヤを用いて接地面23に接続すると、
弾性表面波共振器21と設置面23間にボンディングワ
イヤに起因するインダクタンス22が生じる。
【0031】この時の弾性表面波共振器21の直列共振
用周波数をfs1とし、キャパシタンス素子21aの値
をC1、インダクタンス素子21bの値をL1、インダ
クタンス22の値をL2、入力端子24と出力端子25
間の直列共振周波数をfs2とすると、fs1,fs2
は(数1),(数2)で表される。
【0032】
【数1】
【0033】
【数2】
【0034】また、(数1),(数2)に対応する入力
端子24と出力端子25間の通過特性は、それぞれ図6
のfs1通過特性26とfs2通過特性27となる。
【0035】ここでインダクタンス素子21bの値L1
とインダクタンス22の値L2はどちらも正の値である
ので、直列共振周波数fs2はfs1より低くなるが、
弾性表面波共振器21の並列共振周波数は変化しないた
め、結果として通過帯域近傍の減衰量が劣化することと
なるのである。
【0036】そのため、位相基板13の高さが受信用弾
性表面波フィルタ12より高い場合は、図3(b)に示
すごとく、パッケージ14の内底面の位相基板13の実
装部14aのパッケージ14の厚みを薄くして、位相基
板13と受信用弾性表面波フィルタ12の表面の高さを
略一致させればボンディングワイヤ20gは、図3
(a)のボンディングワイヤ20fより短くすることが
でき、ボンディングワイヤ20gに起因するインダクタ
ンス22を減少させることができ、通過帯域近傍の減衰
量を確保することができるのである。
【0037】従って上記構成によれば、受信用弾性表面
波フィルタ12の特性劣化を抑制することができる。
【0038】位相基板13と受信用弾性表面波フィルタ
12の間のボンディングワイヤ20f,20gについて
説明したが、送信用弾性表面波フィルタ11、受信用弾
性表面波フィルタ12、位相基板13とパッケージ14
内の接続パット18a〜18cについてもボンディング
ワイヤで接続する場合は、その表面高さをほぼ一致させ
ることにより、ボンディングワイヤに起因するインダク
タンスの影響をできるだけ小さくし、特性劣化を抑制す
ることができる。
【0039】例えば、受信用弾性表面波フィルタ12の
表面とパッケージ14内の接続パット18d,18eと
の高さが図7(a)のように異なると、ボンディングワ
イヤ20k,20hが長くなってしまうが、図7(b)
のごとく受信用弾性表面波フィルタ12を実装する部分
のパッケージ14底面を厚くして、受信用弾性表面波フ
ィルタ12の表面高さと接続パット18d,18eの高
さとをほぼ一致させることにより、ボンディングワイヤ
20i,20jの長さを短くすることができ、ボンディ
ングワイヤ20i,20jに起因するインダクタンスを
小さくすることができるのである。
【0040】さらに、インダクタンス22はボンディン
グワイヤだけでなく、各接続パット18a〜18cから
パッケージ14の外部の端子への接続方法によってもそ
の値が変化する。
【0041】そこで図8に示すようにパッケージ14の
底部を三層構造とし、上層14bの表面に、送、受信用
弾性表面波フィルタ11,12及び位相基板13を実装
し、二層目に共通接地層14cを形成し、下層14dは
端子形成部とし、接続パット18a〜18cと接地端子
19a〜19mとの間に共通接地層14cを接続するこ
とで、接続パッドと接地端子の接続が1対1ではなく複
数経路による接続となるため、仮に全ての経路が同じで
あったなら、結果としてインダクタンス22は複数経路
分の1に減少させることができるのである。
【0042】この共通接地層14cは、インダクタンス
22をできるだけ小さくするために、二層目全体すなわ
ちパッケージ14の底面積と同等の大きさとする事が望
ましい。また、共通接地層14cには、送、受信用弾性
表面波フィルタ11,12の設計によっては必ずしもパ
ッケージ14の外部の全ての接地端子19a〜19mを
接続する必要はない。
【0043】さらに、図8のごとく、アンテナ端子15
の両側には設置端子19b,19cを、送信端子16の
両側には接地端子19l,19mを、受信端子17の両
側には接地端子19e,19fを配置することで、信号
端子近傍でパッケージ14の内部の接地ができることと
なり、結果としてインダクタンス22を減少させること
ができる。これらの接地端子19a〜19mは、各信号
端子近傍であるならば、片側、両側を問わず、また複数
配置してもかまわない。
【0044】(実施の形態3)図9は本実施の形態3に
用いる位相基板13の分解斜視図である。
【0045】位相基板13は五層構造で、各層は比誘電
率εr=7のアルミナ50wt%、ホウケイ酸ガラス5
0wt%で構成されたガラスセラミック基板上にスクリ
ーン印刷法によって、電極パターンを形成し、電極とガ
ラスセラミックを同時焼成することによって作製したも
のである。
【0046】この位相基板13の各層について説明す
る。
【0047】一層目はガラスセラミック基板13aの上
面に電極パターンによりインダクタンスパターン32を
形成すると共に、位相線路入力端子28及び位相線路出
力端子29を形成したものである。
【0048】二層目は、ガラスセラミック基板13bの
上面全体に接地層50aを形成すると共に、一層目の位
相線路入力端子28と三層目の位相回路30aとを電気
的に接続するためのスルーホール(図示せず)と、一層
目の位相線路出力端子29と四層目の位相回路30bと
を電気的に接続するためのスルーホール(図示せず)を
設けたものである。
【0049】三層目は、ガラスセラミック基板13cの
上面に電極パターンにより位相回路30aを形成すると
共に、一層目の位相線路出力端子29と四層目の位相回
路30bとを電気的に接続するためのスルーホール31
を形成したものである。このスルーホール31は、各層
を積層したときに二層目のスルーホールと重なり合うよ
うに形成されている。また三層目の位相回路30aと四
層目の位相回路30bとを電気的に接続するためのスル
ーホール(図示せず)を設けている。
【0050】四層目は、ガラスセラミック基板13dの
上面に電極パターンにより位相回路30bを形成したも
のである。
【0051】五層目は、ガラスセラミック基板13eの
上面全体に接地層50bを設けたものである。
【0052】このような構成とすることにより、各スル
ーホールを介して位相線路入力端子28、位相線路30
aの入力側、位相線路30aの出力側、位相回路30b
の入力側、位相回路30bの出力側、位相線路出力端子
29の順番で電気的に接続されている。この位相線路全
体を位相基板13の位相線路30とする。
【0053】また、電磁界が外部へ漏れないよう位相線
路30aの上面に接地層50a、位相線路30bの下面
に接地層50bを設けているのである。
【0054】なお、位相線路30は受信用弾性表面波フ
ィルタ12とアンテナ端子15の間に接続され、受信用
弾性表面波フィルタ12の送信帯域の位相を回転させ、
ハイインピーダンスにする機能を有し、インダクタンス
パターン32はここでは送信用弾性表面波フィルタ11
のインピーダンスマッチング回路として使用している
が、位相線路30の回転角やインダクタンスパターン3
2の使用の有無は各送、受信用弾性表面波フィルタ1
1,12の設計による。その際、位相線路30の回転角
が小さい場合は、位相線路を形成したガラスセラミック
基板を一層にしてもかまわないし、回転角の大きい場合
は二層以上にしてもかまわない。
【0055】上記構成とした場合、位相線路30で位相
角90°において通過ロス0.40dB、リターンロス
25dBとディスクリート部品で構成した場合とほぼ同
等の特性が得られ、図11の従来構成と比較しても特性
劣化なくアンテナ共用器を小型化できる。
【0056】また、位相線路30の特性インピーダンス
は、位相線路30a,30bの幅と厚み及び接地層50
a,50bと位相線路30a,30bとの距離で決まる
が、図9のようにガラスセラミック基板を介して対向す
る位相線路30aと30b間で結合容量を生じさせる
と、この位相線路30の等価回路は図10(a)のごと
く位相線路入力端子28と位相線路出力端子29間に位
相線路30と結合容量33とが並列に接続された構成と
なる。
【0057】ここで、位相線路30をディスクリート部
品で書き換えるとすると、図10(b)のごとく、位相
線路入力端子28と位相線路出力端子29間の直列腕に
インダクタンス素子30eと結合容量33とが並列に接
続された回路(以降並列回路とする)が接続されると共
に、位相線路入力端子28と並列回路間及び並列回路と
位相線路出力端子29間に、位相線路入力端子28と位
相線路出力端子29間の並列腕となるように一端を接地
したキャパシタンス素子30c,30dを接続した構成
となる。キャパシタンス素子30c,30dの値CLと
インダクタンス素子30eの値LLは、この位相回路3
0の使用周波数をf0、特性インピーダンスをZ0、位
相角をθであるとすると、(数3),(数4)で表され
る。
【0058】
【数3】
【0059】
【数4】
【0060】ここで結合容量33の値をCCとするとイ
ンダクタンス素子30eの値LLが見かけ上LL2に変
化する。また、LL2は(数5)で表される。
【0061】
【数5】
【0062】一般に位相線路30の幅を広くすると電極
の断面積が大きくなるため、損失は良くなるが特性イン
ピーダンスが小さくなってしまう。しかし(数3),
(数5)から結合容量33の値を電極パターン形状で調
整することによってインダクタンス素子30eの値を大
きくすることができ、結果として位相線路30の見かけ
上のインピーダンスを大きくすることができる。
【0063】また、位相線路30の電極厚みは上記と同
じ考え方から厚くすることで損失を抑えることができる
ことから、少なくとも一つの位相線路を形成する電極パ
ターンの厚みを、他の電極パターンの厚みの1.2から
10倍とすることが望ましい。これは1.2倍以下では
損失抑制の効果があまり見られず、10倍を越えると厚
すぎてデラミネーションが発生するからである。
【0064】なお、位相線路入力端子28、位相線路出
力端子29はガラスセラミック基板13a上に自由形成
することができるため、ボンディングワイヤを短くでき
るように配置することで、ボンディングワイヤによる損
失とインダクタンスを抑えることができる。
【0065】また、位相線路30の長さを自由に決める
ことができるので、従来ディスクリート部品だけでは不
可能であった位相角の微調整が可能である。
【0066】さらに、電極パターンは高導電率であるA
gまたはCuを用いて形成することが好ましい。Cuを
用いる場合は、酸化して電極パターンとしての役割を果
たさなくならないように、低酸素雰囲気で焼成する必要
がある。Agを用いる場合は、空気中でも低酸素雰囲気
中で焼成しても構わない。
【0067】位相基板材料はガラスセラミックに限定す
ることはなく、Ba−Ti−O+ガラス系、Bi−Nb
−O系など焼結温度が電極パターンの融点より低く、高
周波領域で誘電損失の小さい誘電体セラミックを用いて
も良い。
【0068】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、位相回路
を一つに基板で形成した上、送、受信弾性表面波フィル
タ及び位相基板を一つにパッケージ内に収納したので、
小型化したアンテナ共用器を提供することができる。従
ってこのアンテナ共用器を用いることにより、移動体通
信機器の小型化にも大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるアンテナ共用器
の斜視図
【図2】同アンテナ共用器の回路図
【図3】(a)本発明の実施の形態2におけるアンテナ
共用器の断面図 (b)同断面図
【図4】弾性表面波共振器の等価回路図
【図5】図4に示す弾性表面波共振器にインダクタンス
が接続された場合の等価回路図
【図6】同等価回路の通過帯域特性曲線図
【図7】(a)本発明の実施の形態2におけるアンテナ
共用器の断面図 (b)本発明の実施の形態2におけるアンテナ共用器の
断面図
【図8】本発明の実施の形態におけるアンテナ共用器の
一部分解斜視図
【図9】本発明の実施の形態3における位相基板の分解
斜視図
【図10】(a)同位相基板の位相線路の等価回路図 (b)同位相基板にボンディングワイヤによるインダン
クタンスが接続されたときの位相線路の等価回路図
【図11】従来のアンテナ共用器の構成を示す斜視図
【符号の説明】
11 送信用弾性表面波フィルタ 12 受信用弾性表面波フィルタ 13 位相基板 13a ガラスセラミック基板 13b ガラスセラミック基板 13c ガラスセラミック基板 13d ガラスセラミック基板 13e ガラスセラミック基板 14 パッケージ 14a 実装部 14b 上層 14c 共通接地層 14d 下層 15 アンテナ端子 16 送信端子 17 受信端子 18a 接続パット 18b 接続パット 18c 接続パット 18d 接続パット 18e 接続パット 19a 接地端子 19b 接地端子 19c 接地端子 19d 接地端子 19e 接地端子 19f 接地端子 19g 接地端子 19h 接地端子 19i 接地端子 19j 接地端子 19k 接地端子 19l 接地端子 19m 接地端子 20a ボンディングワイヤ 20b ボンディングワイヤ 20c ボンディングワイヤ 20d ボンディングワイヤ 20e ボンディングワイヤ 20f ボンディングワイヤ 20g ボンディングワイヤ 20h ボンディングワイヤ 20i ボンディングワイヤ 20j ボンディングワイヤ 20k ボンディングワイヤ 21 弾性表面波共振器 21a キャパシタンス素子 21b インダクタンス素子 21c キャパシタンス素子 22 インダクタ 23 接地面 24 入力端子 25 出力端子 26 fs1通過特性 27 fs2通過特性 28 位相線路入力端子 29 位相線路出力端子 30 位相線路 30a 位相線路 30b 位相線路 30c キャパシタンス素子 30d キャパシタンス素子 30e キャパシタンス素子 31 スルーホール 32 インダクタンス素子 33 結合容量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 櫻川 徹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 西田 和史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 藤中 祐司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5J097 AA29 BB15 HA03 HA04 JJ01 KK10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号端子及び接地端子を有するパッケー
    ジと、このパッケージ内に収納した送信用弾性表面波フ
    ィルタと、この送信用弾性表面波フィルタに電気的に接
    続した位相基板と、この位相基板に電気的に接続した受
    信用弾性表面波フィルタとを備え、前記送、受信用弾性
    表面波フィルタはそれぞれ周波数の異なる通過帯域を有
    しお互い他方の通過帯域を減衰させるものであり、前記
    位相基板は少なくとも受信用弾性表面波フィルタの送信
    帯域の位相を回転させる機能を有するものとしたアンテ
    ナ共用器。
  2. 【請求項2】 送、受信用弾性表面波フィルタと位相基
    板の表面高さを略一致させた請求項1に記載のアンテナ
    共用器。
  3. 【請求項3】 位相基板は送信用弾性表面波フィルタと
    受信用弾性表面波フィルタ間に配置した請求項1または
    請求項2に記載のアンテナ共用器。
  4. 【請求項4】 信号端子の近傍に接地端子を配した請求
    項1または請求項2に記載のアンテナ共用器。
  5. 【請求項5】 パッケージの内部に少なくとも二つ以上
    の接地端子が接続された共通接地パターンを設けた請求
    項1から請求項4のいずれか一つに記載のアンテナ共用
    器。
  6. 【請求項6】 位相基板は内部に位相線路となる電極パ
    ターンを形成したものである請求項1から請求項5のい
    ずれか一つに記載のアンテナ共用器。
  7. 【請求項7】 位相線路となる電極パターンを二つ以上
    形成し、この電極パターン間を電気的に接続して位相線
    路の特性インピーダンスを高くした請求項6に記載のア
    ンテナ共用器。
  8. 【請求項8】 位相基板は表面にインダクタンス機能を
    有する電極パターンを形成したものとした請求項6また
    は請求項7に記載のアンテナ共用器。
  9. 【請求項9】 位相基板は位相線路の入、出力端子とイ
    ンダクタ機能を有する電極パターンの入、出力端子とを
    同一平面上に形成したものとした請求項8に記載のアン
    テナ共用器。
  10. 【請求項10】 位相基板において、少なくとも一つの
    電極パターンの厚みが他の電極パターンの厚みに比べて
    厚くした請求項7から請求項9のいずれか一つに記載の
    アンテナ共用器。
  11. 【請求項11】 位相基板において、少なくとも一つの
    電極パターン厚みが他の電極パターン厚みの1.2倍以
    上10倍以下とした請求項7から請求項9のいずれか一
    つに記載のアンテナ共用器。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7180387B2 (en) 2003-11-27 2007-02-20 Sanyo Electric Co., Ltd. Antenna duplexer
JP2007180665A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Epson Toyocom Corp Sawデバイス用パッケージおよびsawデバイス
US7369012B2 (en) 2003-11-27 2008-05-06 Sanyo Electric Co., Ltd. Antenna duplexer
CN100405596C (zh) * 2003-06-30 2008-07-23 因芬尼昂技术股份公司 用来在一个封装内的电路单元之间进行无线数据交换的方法,和用来执行该方法的电路布置
US7781936B2 (en) 2007-03-16 2010-08-24 Panasonic Corporation Surface acoustic wave device having gap between surface acoustic wave filters covered by sealer

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