JP2000306895A - ドライエッチング方法 - Google Patents

ドライエッチング方法

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JP2000306895A JP11116354A JP11635499A JP2000306895A JP 2000306895 A JP2000306895 A JP 2000306895A JP 11116354 A JP11116354 A JP 11116354A JP 11635499 A JP11635499 A JP 11635499A JP 2000306895 A JP2000306895 A JP 2000306895A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 順テーパ状のアルミニウム配線を容易に形成
するためのドライエッチング方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム配線を順テーパ状にする工
程では、エッチングガスとして塩素のみを用いる。塩素
によるフォトレジストパターンのエッチングレートを、
アルミニウム膜のエッチングレートよりも高くすること
によって、フォトレジストパターンが後退することによ
って露出したアルミニウム膜の表面からもエッチングが
下方に向かって異方的に進行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はドライエッチング方
法に関し、特に、液晶表示装置に用いられる薄膜トラン
ジスタが形成されたアレイ基板において、その薄膜トラ
ンジスタなどの素子を電気的に接続するアルミニウムを
主成分とする配線を順テーパ状にするためのドライエッ
チング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置では大型化および高
精細化が求められている。そのような要求に対応するた
め、薄膜トランジスタなどの素子を電気的に接続する配
線としては、電気抵抗が比較的小さく、しかも安価なこ
とからアルミニウムまたはアルミニウム合金が広く適用
されている。アルミニウムを薄膜トランジスタのゲート
電極材料として用いる場合には、薄膜トランジスタやア
ルミニウム配線等を覆う絶縁膜の被覆性を高めるため
に、特にアルミニウム配線の形状を、順テーパ状に加工
することが要求される。
【0003】次に、そのようなアルミニウム配線を形成
するための従来の方法の一例について説明する。まず、
ガラス基板上に形成されたスイッチング素子としての薄
膜トランジスタを覆うように、アルミニウム層またはア
ルミニウム合金層が形成される。そのアルミニウム層上
にフォトレジスト膜が塗布形成される。塗布形成された
フォトレジスト膜に写真製版処理を施すことにより、所
定のフォトレジストパターンが形成される。
【0004】次に、フォトレジストパターンが形成され
た基板を所定のエッチング薬液に浸すことにより、アル
ミニウム層にウエットエッチングが施される。
【0005】このとき、フォトレジストパターンとフォ
トレジストパターンとの間に露出しているアルミニウム
の層の表面から内部に向かってエッチングが等方的に進
行する。これにより、エッチングされずに残ったアルミ
ニウム層の部分が順テーパ状となって、アルミニウム配
線が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たアルミニウム配線の形成方法では、次に示すような問
題点があった。ウエットエッチングでは、エッチングが
等方的であるために、基板に垂直な方向に加えて基板に
平行な方向にも同時にエッチングが進行する。そのた
め、アルミニウム配線のテーパ角度を制御するのが容易
でなく、適切なテーパ状のアルミニウム配線を形成する
ことが困難となっていた。また、基板の処理枚数が増え
るに従い、エッチング薬液の組成が徐々に変化すること
も、エッチングレートが変動することとなって、アルミ
ニウム配線のテーパ角度の制御を困難にしている要因と
なっていた。
【0007】一方、このようなウエットエッチングによ
る問題点を解消するために、ウエットエッチングに替え
てドライエッチングを適用しようとしても、ドライエッ
チングではエッチングが異方的に進むために、基板に平
行な方向に進行するエッチングの量が少なく、適切なテ
ーパ状のアルミニウム配線を形成することが困難であっ
た。以上説明したように、従来のエッチング方法では、
適切な順テーパ状のアルミニウム配線を容易に形成する
ことが困難であった。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、容易に順テーパ状のアルミニウム配
線を形成することができるドライエッチング方法を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のドライエッチン
グ方法は、基板上に形成されたアルミニウムを含む導電
層と、その導電層上に形成されたフォトレジストパター
ンとから配線層を形成するためのドライエッチング方法
である。そのドライエッチング方法は、塩素のみからな
る第1のエッチングガスを用いて、その第1のエッチン
グガスによるフォトレジストパターンのエッチングレー
トを、第1のエッチングガスによる導電層のエッチング
レートよりも高くすることにより、配線層を順テーパ状
にする配線テーパ化工程を備えている。
【0010】この方法によれば、第1のエッチングガス
によるフォトレジストパターンのエッチングが、導電層
のエッチングよりも速く進行する。そのため、フォトレ
ジストパターン間に当初露出していた導電層の表面から
下方に向かってエッチングが異方的に進行すると同時
に、フォトレジストパターンがエッチングによって徐々
に後退することによって新たに露出した導電層の表面か
らも下方に向かってエッチングが進行する。このときエ
ッチングの最初の方で露出した導電層の表面から進行す
るエッチングの方が、後の方で露出した導電層の表面か
ら進行するエッチングよりもより下方にまで異方的に進
行する。その結果、順テーパ状の配線層を容易に形成す
ることができる。しかも、第1のエッチングガスとして
は、塩素のみからなるため他のエッチングガスを必要と
せず、コスト低減も図ることができる。
【0011】好ましくは、配線テーパ化工程では、基板
の温度を10℃以上50℃以下に保持する。
【0012】基板の温度が50℃より高い場合では、配
線層を順テーパ状にすることがほとんどできず、一方、
基板の温度が50℃以下であれば配線層を順テーパ状に
できることが実験的に確認された。また、基板の温度を
10℃よりも低い温度に保持するためには、基板を冷却
するための冷却機構が大規模になるためコストが上昇す
る。このため、基板の温度を10℃以上に保持すること
が生産コストを抑える上で望ましい。以上より、基板の
温度としては10℃以上50℃以下であることが望まし
い。
【0013】また好ましくは、配線テーパ化工程の前
に、少なくとも塩素を含む第2のエッチングガスを用
い、その第2のエッチングガスによる導電層のエッチン
グレートが、第2のエッチングガスによるフォトレジス
トパターンのエッチングレートよりも高い前段エッチン
グ工程を備えている。
【0014】この場合、前段エッチング工程では、第2
のエッチングガスによる導電層のエッチングがフォトレ
ジストパターンのエッチングよりも速く進行するため、
実質的にフォトレジストパターンを後退させることな
く、フォトレジストパターンとフォトレジストパターン
との間に露出している導電層が異方的にエッチングされ
る。この前段エッチング工程を、たとえば基板の表面が
露出するまで行なった後に、配線テーパ化工程を行なう
ことで、当初から配線テーパ化工程のみで配線層を順テ
ーパ状にする場合よりも、基板当りの処理時間が短縮さ
れてスループットが向上する。
【0015】また、前段エッチング工程および配線テー
パ化工程においては、第1のエッチングガスや第2のエ
ッチングガスが励起されてエッチングに寄与するラジカ
ルがそれぞれ生成される。そのラジカルの量が多いほど
エッチングがより速く進行する。このことにより、配線
テーパ化工程では、第1のエッチングガスによるフォト
レジストパターンのエッチングレートを、導電層のエッ
チングレートよりも高くし、前段エッチング工程では、
第2のエッチングガスによる導電層のエッチングレート
をフォトレジストパターンのエッチングレートよりも高
くするためには、具体的に以下のような手法がある。
【0016】まず、ラジカルの供給源となる塩素の流量
として、配線テーパ化工程における塩素の流量を、前段
エッチング工程における塩素の流量よりも少なくする。
また、第1のエッチングガスや第2のエッチングガスを
励起させてラジカルを生成するためのエネルギーとし
て、配線テーパ化工程におけるエネルギーを、前段エッ
チング工程におけるエネルギーよりも小さくする。さら
に、配線テーパ化工程において、エネルギーを与えるス
テップとそのエネルギーを与えないステップとを交互に
繰返す。
【0017】さらに好ましくは、前段エッチング工程の
第2のエッチングガスは三塩化ホウ素を含んでいる。
【0018】この場合には、導電層の表面に形成されて
いる自然酸化膜が三塩化ホウ素(BCl3 )によって容
易に除去されて、基板面内のエッチングがほぼ均一に進
行する。
【0019】また好ましくは、前段エッチング工程の第
2のエッチングガスは塩素のみからなる。
【0020】この場合には、第2のエッチングガスとし
て塩素以外のエッチングガスを添加する必要がないた
め、コスト低減が可能になる。
【0021】さらに好ましくは、前段エッチング工程で
は、エッチングの当初に、第2のエッチングガスを励起
させてエッチングに寄与するラジカルを生成するための
エネルギーをより多く与えるステップを含んでいる。
【0022】この場合には、ラジカルがより多く生成さ
れることによって、三塩化ホウ素(BCl3 )などの付
加的なエッチングガスを添加することなく、導電層上に
形成された自然酸化膜が容易に除去されて、エッチング
が均一に進行する。
【0023】好ましくは、前段エッチング工程と配線テ
ーパ化工程との間に、第1のエッチングガスを励起させ
てエッチングに寄与するラジカルを生成するためのエネ
ルギーを与えないステップを含んでいる。
【0024】この場合、このエネルギーを与えないステ
ップでは、各エッチングガスと導電層などとが反応せ
ず、新たな反応生成物は生成されない。そしてこの間
に、前段エッチング工程において生成した反応生成物が
エッチング装置の外へ排出される。これにより、反応生
成物が導電層に付着することが抑制されて、より清浄な
表面状態で後の配線テーパ化工程におけるエッチングが
進行する。その結果、配線のテーパ面が平滑になる。
【0025】
【発明の実施の形態】まず最初に、各実施の形態におい
て用いたエッチング装置の構成について説明する。エッ
チング装置としては、平行平板型の反応性異方エッチン
グ装置(RIE)を用いた。図1および図2を参照し
て、エッチング装置のチャンバ15内に、上部電極14
と下部電極10とが対向するように配置されている。上
部電極14の大きさは、たとえば506×556mmで
あり、下部電極10の大きさは502×552mmであ
る。また、上部電極14と下部電極10との距離は、た
とえば160mmである。
【0026】その下部電極10上に、被エッチング膜が
形成されたガラス基板1が載置される。下部電極10に
は、冷却媒体としての、たとえばヘリウムガスを導入す
るための導入孔11が設けられている。導入孔11より
導入されたヘリウムガスは、ガラス基板11と下部電極
10との間に形成される間隙に封入される。封入された
ヘリウムガスによってガラス基板1が浮き上がらないよ
うに、ガラス基板1はクランプ13によって下部電極1
0に固定されている。下部電極10には高周波パワー1
6が印加される。また下部電極10は、絶縁板12を介
してチャンバ15の隔壁に配置されている。
【0027】次の動作について説明する。まず、下部電
極10に高周波パワー16が印加されることによって、
上部電極14と下部電極10との間で放電領域(図示せ
ず)が形成される。取入口(図示せず)よりチャンバ1
5に導入されたエッチングガスが、放電領域で励起され
てラジカルが生成する。放電領域が形成されると、上部
電極14側から正に帯電したイオンが下部電極10側に
向かって加速されてガラス基板1の表面にほぼ垂直に衝
突する。このとき、ラジカルの存在によってスパッタエ
ッチング効果と化学エッチング効果とが共存して、反応
性イオンエッチングが進行する。エッチング後のガス等
は、排気口17よりチャンバ15の外へ排出される。
【0028】以下、上述したエッチング装置を用いたド
ライエッチング方法の一例として、液晶表示装置のガラ
ス基板上に順テーパ状のアルミニウム配線を形成する種
々の方法について説明する。
【0029】実施の形態1 本発明の実施の形態1に係るドライエッチング方法につ
いて図を用いて説明する。まず図3を参照して、たとえ
ば大きさ370×470mmのガラス基板1上にアルミ
ニウム膜2を成膜する。なお、アルミニウム膜はアルミ
ニウム合金膜も含んでいる。そのアルミニウム膜2上に
フォトレジスト(図示せず)を塗布し、所定の写真製版
を施すことによりフォトレジストパターン3を形成す
る。なお、アルミニウム膜2の密着性等を向上するため
に、ガラス基板1とアルミニウム膜2との間にシリコン
窒化膜(図示せず)を形成してもよい。その後、温度1
40℃にて60分間ガラス基板1をベークして、フォト
レジストパターン3の耐熱性を向上する。
【0030】次に、図4を参照して、フォトレジストパ
ターン3が形成されたガラス基板1をチャンバ15内の
下部電極10上に載置して、エッチングガスとして塩素
30sccmのみを用い、下部電極の温度15℃、高周
波パワー1500W、圧力2Paの条件の下で、アルミ
ニウム膜2にエッチングを施す。下部電極10の温度は
ガラス基板1の温度とほぼ一致する。このとき、エッチ
ングガスとしての塩素の流量が比較的少ないために、塩
素を励起することによって生成されるラジカルの量も比
較的少なくなる。
【0031】ラジカルの量が少なければ、反応性イオン
エッチングの進行が遅れ、結果として、塩素によるフォ
トレジストパターン3のエッチングがアルミニウム膜2
のエッチングよりも速く進行することが実験的に確認さ
れた。また、ガラス基板1の温度が、比較的低い温度に
保持されていることも、フォトレジストパターン3のエ
ッチングを、アルミニウム膜2のエッチングよりも速く
進行させる要因となっていることが実験的に確認され
た。
【0032】このことによって、図3に示すフォトレジ
ストパターン3の間に露出しているアルミニウム膜2の
領域Aの表面から下方に向かってエッチングが異方的に
進行すると同時に、フォトレジストパターン3もエッチ
ングが進行してフォトレジストパターン3が点線の位置
から後退する。そして、図4に示すように、フォトレジ
ストパターン3が後退することによって新たに露出した
アルミニウム膜2の表面からも下方に向かってエッチン
グが進行する。
【0033】さらにエッチングが進行すると、図5に示
すように、当初から露出していたアルミニウム膜2の領
域Aの部分がすべて除去されて、ガラス基板1の表面が
露出する。フォトレジストパターン3が点線の位置から
後退することによって露出したアルミニウム膜2の表面
から進行するエッチングにおいては、一連のエッチング
の最初の方で露出したアルミニウム膜2の表面から進行
するエッチングの方が、エッチングの後の方で露出した
アルミニウム膜2の表面から進行するエッチングよりも
より下方にまで異方的に進行する。これにより、エッチ
ングされずに残ったアルミニウム膜は順テーパ状にな
る。
【0034】次に、残ったフォトレジストパターン3を
除去することにより、順テーパ状のアルミニウム配線2
aが形成される。この後、アルミニウム配線2aを覆う
ように層間絶縁膜等を形成することによって、液晶表示
表示装置の主要部分が完成する。
【0035】上述した方法では、特にエッチングガスと
しての塩素の流量を比較的少なく設定するとともに、ガ
ラス基板1の温度を比較的低い温度に保持していること
によって、エッチングに寄与するラジカルの量が低減し
て、フォトレジストパターン3のエッチングがアルミニ
ウム膜2のエッチングよりも速く進行する。その結果、
順テーパ状のアルミニウム配線を容易に形成することが
可能になる。また、エッチングガスとして塩素以外のガ
スを含まないため、コスト低減も図ることが可能にな
る。
【0036】なお、上述した方法では、下部電極10の
温度として15℃を例に挙げたが、50℃以下であれ
ば、順テーパ状のアルミニウム配線を有効に形成できる
ことが実験的に判明した。一方、下部電極の温度を10
℃よりも低い温度に保持するためには、下部電極を冷却
するための冷却機構の規模が大きくなるため、生産コス
ト低減の観点からは好ましくない。したがって、下部電
極の温度、つまりガラス基板の温度は10℃以上50℃
以下であることが望ましい。
【0037】また、圧力として2Pa、塩素の流量とし
て30sccm、高周波パワーとして1500Wをそれ
ぞれ例に挙げたが、圧力1Pa以上10Pa以下、塩素
の流量10sccm以上100sccm以下、高周波パ
ワー500W以上3000W以下であれば、順テーパ状
のアルミニウム配線を良好に形成できることが実験的に
判明した。
【0038】実施の形態2 実施の形態2に係るドライエッチング方法について説明
する。実施の形態1では、アルミニウム膜の一連のエッ
チングを通じて、塩素の流量を比較的低流量に設定して
いた。塩素の流量が少ないと、エッチングの進行が遅く
なって、ガラス基板1枚を処理するのに長時間を要する
ことになる。そこで、実施の形態2では、スループット
を向上するための2ステップエッチングについて説明す
る。
【0039】まず、図6は、塩素の流量と、フォトレジ
ストの塩素によるエッチングレートおよびアルミニウム
膜の塩素によるエッチングレートとの変化をそれぞれ示
したグラフである。図6に示されるように、塩素の流量
が比較的少ない場合、すなわちこの場合塩素の流量が約
170sccm以下であれば、塩素によるフォトレジス
トパターンのエッチングレートは、アルミニウム膜のエ
ッチングレートよりも高いことがわかる。一方、塩素の
流量が約170sccmを超えると、両者のエッチング
レートの関係が逆転して、アルミニウム膜のエッチング
レートがフォトレジストパターンのエッチングレートよ
りも高くなることがわかる。
【0040】言い換えれば、アルミニウム膜のエッチン
グレートに対するフォトレジストパターンのエッチング
レートの比(選択比)が、1より大きい場合にはフォト
レジストパターンのエッチングレートがアルミニウム膜
のエッチングレートよりも速く、選択比が1より小さい
場合には、アルミニウム膜のエッチングレートがフォト
レジストパターンのエッチングレートよりも高くなるこ
とが判明した。
【0041】本実施の形態2に係る2ステップエッチン
グは、この結果を利用するものである。まず、図7を参
照して、実施の形態1において説明した図3に示す工程
と同様に、ガラス基板1上にアルミニウム膜2を形成
し、さらに所定のフォトレジストパターン3を形成す
る。次に図8を参照して、まず1ステップ目のエッチン
グとして、塩素の流量を240sccmとし、フォトレ
ジストパターン3間に露出しているアルミニウム膜2の
領域Aにエッチングを施す。なお、圧力、高周波パワー
の値は実施の形態1で説明した条件と同様である。
【0042】この1ステップ目のエッチングでは、塩素
の流量が比較的多いために、ラジカルが比較的多く生成
されて、塩素によるアルミニウム膜のエッチングレート
がフォトレジストパターンのエッチングレートよりも高
くなる。これにより、フォトレジストパターン3があま
り後退することなく、当初から露出しているアルミニウ
ム膜2の領域Aの表面から下方に向かって異方的にエッ
チングが進行してガラス基板1の表面が露出する。
【0043】ガラス基板1の表面が露出した段階で、1
ステップ目のエッチングが終了し、引続いて図11に示
すように、高周波パワーを切ることなく2ステップ目の
エッチングに入る。図9を参照して、2ステップ目のエ
ッチングでは、実施の形態1の場合と同様に塩素の流量
を30sccm、下部電極10の温度を15℃に設定す
る。他の圧力や高周波パワーの値は1ステップ目の条件
と同様である。
【0044】この2ステップ目のエッチングでは、塩素
の流量が比較的少なく、塩素によるフォトレジストパタ
ーンのエッチングレートが、アルミニウム膜のエッチン
グレートよりも高くなる。これにより、実施の形態1に
おいて説明したように、フォトレジストパターン3の後
退とともに新たに露出したアルミニウム膜2の表面から
も下方に向かってエッチングが異方的に進行して、容易
に順テーパ状のアルミニウム配線2aが形成される。
【0045】以上説明した2ステップエッチングを用い
ることにより、スループットの向上を図ることが可能に
なる。その結果を、図10に示す。図10は、エッチン
グ時間とアルミニウム膜のエッチング膜厚との関係を示
したものである。実施の形態1に対応する、エッチング
を通じて塩素の流量を比較的低い流量に設定した1ステ
ップエッチングでは、1枚のガラス基板を処理するのに
要する時間は約400秒であった。
【0046】これに対して、本実施の形態2に係る2ス
テップエッチングでは、1ステップ目のエッチングにお
いて塩素の流量を比較的多い流量に設定することによ
り、アルミニウム膜のエッチングレートが2ステップ目
におけるエッチングレートよりも高くなり、1枚のガラ
ス基板を処理するのに要する時間は約150秒に短縮さ
れた。これにより、2ステップエッチングでは、1ステ
ップエッチングの場合に要する処理時間の半分以下とな
り、スループットを大幅に向上できることが判明した。
【0047】実施の形態3 実施の形態3に係るドライエッチング方法について説明
する。実施の形態2において説明した2ステップエッチ
ングでは、1ステップ目および2ステップ目のエッチン
グとも、エッチングガスとして塩素のみを用いた。本実
施の形態3では、特に1ステップ目では塩素に三塩化ホ
ウ素(BCl3 )を添加してエッチングを行う。2ステ
ップ目のエッチングでは、エッチングガスとして塩素の
みを用いてエッチングを行う。
【0048】1ステップ目のエッチングにおいて、三塩
化ホウ素を添加することによって、次に説明する効果が
得られる。露出しているアルミニウム膜2の表面には通
常自然酸化膜が存在する。自然酸化膜が存在している
と、その部分のエッチングの進行が遅れてしまい、ガラ
ス基板面内においてエッチングが均一に進行しないこと
になる。このため、ガラス基板1上のアルミニウム膜2
のエッチングを均一に進行させるためには、その自然酸
化膜を除去する必要がある。
【0049】実施の形態2では、その自然酸化膜を除去
するために、比較的高い高周波パワー(1000〜50
00W)を印加した。自然酸化膜を除去するための方法
としては、このように比較的高い高周波パワーを印加す
ることの他に、特に1ステップ目のエッチングにおい
て、三塩化ホウ素を添加することで自然酸化膜をより容
易に除去することができる。その結果、ガラス基板面内
のアルミニウム膜のエッチングが均一に進行し、アルミ
ニウム配線の仕上がり形状のばらつきがなくなって、寸
法精度の高い順テーパ状のアルミニウム配線を容易に形
成することができる。
【0050】実施の形態4 実施の形態4に係るドライエッチング方法について説明
する。実施の形態2および3において説明した1ステッ
プ目のエッチングでは、レジストパターン3間に露出し
ているアルミニウム膜2がすべて除去されてガラス基板
1の表面が露出するまでエッチングを行なっていた。本
実施の形態4では、1ステップ目のエッチングを、ガラ
ス基板1上のアルミニウム膜2がすべて除去される直前
で終了し、引続き2ステップ目のエッチングを行なう。
【0051】まず図12を参照して、実施の形態2また
は実施の形態3において説明した方法と同様の条件にて
1ステップ目のエッチングをアルミニウム膜2に施す。
そして、露出したアルミニウム膜2がすべて除去される
直前、すなわちガラス基板1上にアルミニウム膜2をわ
ずかに残した状態で1ステップ目のエッチングを終了す
る。なお、1ステップ目のエッチングの終点は、エンド
ポイントディテクタ(EPD)を用いてアルミニウムの
発光強度を検出し、その強度が最小になる直前とした。
【0052】次に図13を参照して、引続き実施の形態
2または3において説明した方法と同様の条件にて2ス
テップ目のエッチングをアルミニウム膜2に施す。以上
のようにして、順テーパ状のアルミニウム配線が形成さ
れる。
【0053】この方法では、次に説明するような効果が
得られる。ディスプレイ装置用のガラス基板は、比較的
大面積であるために、ガラス基板1上に形成されるアル
ミニウム膜1の面内膜厚分布にばらつきが生じやすかっ
たり、また、アルミニウム膜のエッチングが面内で均一
に進行しないおそれがある。そのため、1ステップ目の
エッチングにおいて露出しているアルミニウム膜2をす
べて除去するまでエッチングを行なうと、ガラス基板1
面に対して平行な方向にアルミニウム膜にエッチング
(サイドエッチング)が進行する。そのため、2ステッ
プ目のエッチングにおいて、テーパの形成のされ方にば
らつきが生じて、寸法精度の高いアルミニウム配線を容
易に形成することが困難になることがある。
【0054】本実施の形態4に係る方法では、1ステッ
プ目のエッチングをアルミニウム膜2がすべて除去され
る直前で終了させ、引続いて2ステップ目のエッチング
を行なうことで、アルミニウム膜2のサイドエッチング
の進行を抑制でき、より寸法精度の高い順テーパ状のア
ルミニウム配線を形成することができる。
【0055】実施の形態5 実施の形態5に係るドライエッチング方法について説明
する。実施の形態2〜4において説明した2ステップエ
ッチングでは、Heガスによる冷却機構を用いて1ステ
ップ目および2ステップ目のエッチングを通じて、下部
電極の温度を比較的低温度の15℃に設定していた。本
実施の形態5では、1ステップ目のエッチングではこの
冷却機構を使用せずに露出しているアルミニウム膜2に
エッチングを施し、2ステップ目のエッチングにおいて
この冷却機構を使用してエッチングを行なう。なお、2
ステップ目のエッチングの条件は、実施の形態2〜4に
おいて説明した条件と同様である。
【0056】現状のエッチング装置では、図1および図
2に示すように、He導入穴11に起因して、ガラス基
板1の周辺部が中央付近よりも冷却されやすいために、
ガラス基板1面内において温度のばらつきが生じやす
い。この温度のばらつきにより、1ステップ目のエッチ
ングでは、ガラス基板1の周辺部に位置するアルミニウ
ム膜のエッチングレートが中央付近に位置するアルミニ
ウム膜のエッチングレートよりも低くなり、ガラス基板
1面内におけるエッチングレートの均一性が悪化する。
その結果、特にガラス基板1の中央付近のアルミニウム
膜2にはサイドエッチングが進行して、ガラス基板1面
内で順テーパ状のアルミニウム配線の形状にばらつきが
生じることがある。
【0057】また、ガラス基板1の中央付近に位置する
アルミニウム膜のエッチングが、周辺部に位置するアル
ミニウム膜2のエッチングよりも速く進行することによ
って発生するチャージアップ放電によって、アルミニウ
ム配線のパターンに欠損が生じることがある。
【0058】このチャージアップ放電の原因は不明であ
るが次のように考えられている。ガラス基板1の中央付
近に位置するアルミニウム膜のエッチングが、周辺部に
位置するアルミニウム膜2のエッチングよりも速く進行
するために、ガラス基板1の中央付近に位置する露出し
たアルミニウム膜が除去されてアルミニウム配線のパタ
ーンが形成された時点では、周辺部に位置するアルミニ
ウム膜はまだエッチング中である。このため、エッチン
グ中に周辺部に位置するアルミニウム膜2には電荷が蓄
積されやすい傾向にある。
【0059】さらにエッチングが進み、周辺部に位置す
る露出したアルミニウム膜も除去されてアルミニウム配
線のパターンが形成される際には、そのアルミニウム配
線2には、中央付近に位置するアルミニウム配線よりも
高い電荷が蓄積されていることになる。その結果、高い
電荷が蓄積されたアルミニウム配線とより低い電荷が蓄
積されたアルミニウム配線との間で放電(チャージアッ
プ放電)が発生すると考えられている。
【0060】本実施の形態5では、1ステップ目のエッ
チングにおいて冷却機構を使用しないことによって、上
述したような冷却機構の構造に起因するガラス基板1面
内の温度のばらつきが抑えられる。その結果、1ステッ
プ目のエッチングにおけるアルミニウム膜のサイドエッ
チングの進行を抑制でき、ガラス基板1面内において寸
法精度の高い順テーパ状のアルミニウム配線を形成する
ことができる。また、チャージアップ放電現象が抑制さ
れて、アルミニウム配線のパターンに欠損が生じるのを
抑制することもできる。
【0061】実施の形態6 実施の形態6に係るドライエッチング方法について説明
する。実施の形態2〜4では、2ステップ目のエッチン
グに使用する塩素の流量を、1ステップ目のエッチング
に使用する塩素の流量よりも少なく設定した。本実施の
形態6では、2ステップ目のエッチングに使用する塩素
の流量を少なくすることなく、1ステップ目および2ス
テップ目のエッチングを通じて塩素の流量を同一の流量
に設定して順テーパ状のアルミニウム配線を形成する。
【0062】まず、露出しているアルミニウム膜に1ス
テップ目のエッチングを施し、ガラス基板1の表面が露
出した時点、または、露出する直前でそのエッチングを
終了する。1ステップ目のエッチングの条件は、実施の
形態2〜4の1ステップ目のエッチングの条件と同様で
ある。
【0063】引続いて2ステップ目のエッチングを行な
う。このとき、エッチングの条件として、特に高周波パ
ワーを1ステップ目のエッチングにおける高周波パワー
よりも小さい値、たとえば100Wに設定する。印加す
る高周波パワーを小さく設定することによって、エッチ
ングに寄与するラジカルの発生が抑制される。
【0064】これにより、塩素によるアルミニウム膜の
エッチングレートがフォトレジストパターンのエッチン
グレートよりも低くなり、実施の形態2〜4において説
明した比較的低流量の塩素による2ステップ目のエッチ
ングの場合と同様の条件が達成されることになる。その
結果、塩素の流量を変えることなく、2ステップ目にお
いて印加される高周波パワーを比較的低い値に設定する
ことによって、順テーパ状のアルミニウム配線を容易に
形成することができる。
【0065】実施の形態7 実施の形態7に係るドライエッチング方法について説明
する。実施の形態2では、図11に示すように、1ステ
ップ目のエッチングから2ステップ目のエッチングへは
高周波パワーを切ることなく連続して起こっている。本
実施の形態7では、図14に示すように、1ステップ目
のエッチングと2ステップ目のエッチングとの間に高周
波パワーを印加させない無放電時間t(ステップ)を設
定している。
【0066】この無放電時間中はラジカルは生成されな
いため、アルミニウム膜のエッチングは行なわれない。
この無放電時間を設定することによって、次の2つの効
果が得られる。1つ目の効果は次のとおりである。この
無放電時間の間に1ステップ目のエッチングにおいて生
成した反応生成物や塩素などがチャンバー15の外に排
気される。これにより、反応生成物等がアルミニウム膜
の表面に付着することが抑制されて、2ステップ目のエ
ッチングをより清浄なアルミニウム膜の表面から進行さ
せることができる。その結果、アルミニウム配線のテー
パ面がより平滑になる。
【0067】2つ目の効果は次のとおりである。この無
放電時間の間にガラス基板を低温に冷却することができ
る。これにより、低温に維持されたガラス基板に2ステ
ップ目のエッチングが施される。その結果、アルミニウ
ム配線のテーパ角の制御がより容易になる。
【0068】特に、実施の形態5で説明した場合のよう
に、2ステップ目のエッチングにのみ冷却機構を使用す
る場合には、その2ステップ目では、ガラス基板1の表
面近傍に温度勾配が発生して、アルミニウム膜の表面に
反応生成物等が付着しやすくなる。さらに、1ステップ
目のエッチングによりガラス基板1が高温になりやすく
なる。
【0069】このような場合に、本実施の形態7に係る
方法を適用することで反応生成物等のアルミニウム膜へ
の付着を効果的に抑制し、かつ、2ステップ目のエッチ
ングの始まる前にガラス基板1を低温に維持することが
可能になる。
【0070】実施の形態8 実施の形態8に係るドライエッチング方法について説明
する。実施の形態1〜6では、1ステップ目および2ス
テップ目のエッチングを通じて連続的に高周波パワーを
印加していた。本実施の形態8では、高周波パワーを断
続的に印加したパルス放電状態のもとでエッチングを行
なう。
【0071】特に、2ステップ目のエッチングをパルス
放電状態のもとで行うとによって、エッチングに寄与す
るラジカルが断続的に生成する。このため、時間平均的
にはラジカルの量が低減することになる。このことは、
比較的低流量の塩素を使用してエッチングを行う場合と
同様の条件が達成されたことになる。その結果、1ステ
ップ目から2ステップ目にかけて塩素の流量を低下する
ことなく、2ステップ目のエッチングをパルス放電状態
のもとで行なうことによって、順テーパ状のアルミニウ
ム配線を容易に形成することができる。
【0072】また、1ステップ目のエッチングもパルス
放電状態のもとで行うことによって、実施の形態5にお
いて説明したチャージアップ放電を抑制したり、また、
フォトレジストパターンのダメージを低減でき、順テー
パ形状のアルミニウム配線を精度よく形成することが可
能になる。
【0073】なお、上記各実施の形態において説明した
方法は、図1および図2に示す平行平板型のエッチング
装置(RIE)を用いて行なったが、この他に、たとえ
ば、高密度プラズマを生成することが可能な平行平板型
以外のエッチング装置にも適用することが可能である。
その場合にも、エッチングガスとして塩素のみを用い
て、その塩素によるフォトレジストパターンのエッチン
グレートを、アルミニウム膜のエッチングレートよりも
高くなるように、エッチングに寄与するラジカルの量を
制御することによって、順テーパ状のアルミニウム配線
を容易にしかも精度よく形成することができる。
【0074】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0075】
【発明の効果】本発明のドライエッチング方法によれ
ば、第1のエッチングガスによるフォトレジストパター
ンのエッチングが、導電層のエッチングよりも速く進行
するため、フォトレジストパターン間に当初露出してい
た導電層の表面から下方に向かってエッチングが異方的
に進行すると同時に、フォトレジストパターンがエッチ
ングによって徐々に後退することによって新たに露出し
た導電層の表面からも下方に向かってエッチングが進行
する。このときエッチングの最初の方で露出した導電層
の表面から進行するエッチングの方が、後の方で露出し
た導電層の表面から進行するエッチングよりもより下方
にまで異方的に進行する結果、順テーパ状の配線層を容
易に形成することができる。しかも、第1のエッチング
ガスとしては、塩素のみからなるため他のエッチングガ
スを必要とせず、コスト低減も図ることができる。
【0076】配線テーパ化工程では、基板の温度を10
℃以上50℃以下に保持することが好ましい。これは、
基板の温度が50℃より高い場合では、配線層を順テー
パ状にすることがほとんどできず、一方、基板の温度が
50℃以下であれば配線層を順テーパ状にできることが
実験的に確認されたからである。また、基板の温度を1
0℃以上に保持するのは、10℃よりも低い温度では基
板を冷却するための冷却機構が大規模になるためコスト
が上昇するからである。
【0077】また好ましくは、配線テーパ化工程の前
に、少なくとも塩素を含む第2のエッチングガスを用
い、その第2のエッチングガスによる導電層のエッチン
グレートが、第2のエッチングガスによるフォトレジス
トパターンのエッチングレートよりも高い前段エッチン
グ工程を備えていることにより、第2のエッチングガス
による導電層のエッチングがフォトレジストパターンの
エッチングよりも速く進行するため、当初から配線テー
パ化工程のみで配線層を順テーパ状にする場合よりも、
基板当りの処理時間が短縮されてスループットが向上す
る。
【0078】また、配線テーパ化工程では、第1のエッ
チングガスによるフォトレジストパターンのエッチング
レートを、導電層のエッチングレートよりも高くし、前
段エッチング工程では、第2のエッチングガスによる導
電層のエッチングレートをフォトレジストパターンのエ
ッチングレートよりも高くするための手法としては、具
体的に、配線テーパ化工程における塩素の流量を、前段
エッチング工程における塩素の流量よりも少なくするこ
と、ラジカルを生成するためのエネルギーとして、配線
テーパ化工程におけるエネルギーを、前段エッチング工
程におけるエネルギーよりも小さくすること、配線テー
パ化工程において、エネルギーを与えるステップとその
エネルギーを与えないステップとを交互に繰返すことが
挙げられる。
【0079】さらに好ましくは、前段エッチング工程の
第2のエッチングガスは三塩化ホウ素を含んでいること
によって、導電層の表面に形成されている自然酸化膜が
容易に除去されて、基板面内のエッチングがほぼ均一に
進行する。
【0080】また好ましくは、前段エッチング工程の第
2のエッチングガスは塩素のみからなることによって、
コスト低減が可能になる。
【0081】さらに好ましくは、前段エッチング工程で
は、エッチングの当初に、第2のエッチングガスを励起
させてエッチングに寄与するラジカルを生成するための
エネルギーをより多く与えるステップを含んでいること
によって、三塩化ホウ素(BCl3 )などの付加的なエ
ッチングガスを添加することなく、導電層上に形成され
た自然酸化膜が容易に除去されて、エッチングが均一に
進行する。
【0082】好ましくは、前段エッチング工程と配線テ
ーパ化工程との間に、第1のエッチングガスを励起させ
てエッチングに寄与するラジカルを生成するためのエネ
ルギーを与えないステップを含んでいることによって、
前段エッチング工程において生成した反応生成物が導電
層に付着することが抑制されて、より清浄な表面状態で
後の配線テーパ化工程におけるエッチングが進行し、配
線のテーパ面が平滑になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の各実施の形態において適用するエッ
チング装置の一断面図である。
【図2】 図1に示すエッチング装置の一平面図であ
る。
【図3】 本発明の実施の形態1に係るドライエッチン
グ方法の1工程を示す断面図である。
【図4】 同実施の形態において、図3に示す工程の後
に行なわれる工程を示す断面図である。
【図5】 同実施の形態において、図4に示す工程の後
に行なわれる工程を示す断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態2における塩素によるア
ルミニウム膜およびフォトレジストパターンのエッチン
グレートと塩素の流量との関係を示すグラフである。
【図7】 本発明の実施の形態2に係るドライエッチン
グ方法の1工程を示す断面図である。
【図8】 同実施の形態において、図7に示す工程の後
に行なわれる工程を示す断面図である。
【図9】 同実施の形態において、図8に示す工程の後
に行なわれる工程を示す断面図である。
【図10】 同実施の形態に係る2ステップエッチング
の効果を説明するためのグラフである。
【図11】 同実施の形態に係る2ステップエッチング
において、印加される高周波パワーの状態を示す図であ
る。
【図12】 本発明の実施の形態4に係るドライエッチ
ング方法の1工程を示す断面図である。
【図13】 同実施の形態において、図12に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図14】 本発明の実施の形態7に係るドライエッチ
ング方法において、印加される高周波パワーの状態を示
す図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板、2 アルミニウム膜、2a アルミニ
ウム配線、3 フォトレジストパターン、10 下部電
極、11 He導入孔、12 絶縁板、13クランプ、
14 上部電極、15 チャンバ、16 高周波電源、
17 排気口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河石 忠司 東京都国立市谷保992 株式会社プラズマ システム内 Fターム(参考) 5F004 AA00 BA04 BA09 BB11 BB18 BB21 CA01 DA04 DA11 DB09 DB16 DB26 DB27 EA28 EB02 5F033 GG04 HH08 HH09 MM19 QQ13 QQ15 QQ21 QQ34 WW03 XX02 XX34

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成されたアルミニウムを含む
    導電層と、該導電層上に形成されたフォトレジストパタ
    ーンとから配線層を形成するためのドライエッチング方
    法であって、 塩素のみからなる第1のエッチングガスを用いて、該第
    1のエッチングガスによる前記フォトレジストパターン
    のエッチングレートを、前記第1のエッチングガスによ
    る前記導電層のエッチングレートよりも高くすることに
    より、配線層を順テーパ状にする配線テーパ化工程を備
    えた、ドライエッチング方法。
  2. 【請求項2】 前記配線テーパ化工程では、前記基板の
    温度を10℃以上50℃以下に保持する、請求項1記載
    のドライエッチング方法。
  3. 【請求項3】 前記配線テーパ化工程の前に、 少なくとも塩素を含む第2のエッチングガスを用い、該
    第2のエッチングガスによる前記導電層のエッチングレ
    ートが、前記第2のエッチングガスによる前記フォトレ
    ジストパターンのエッチングレートよりも高い前段エッ
    チング工程を備えた、請求項1または2に記載のドライ
    エッチング方法。
  4. 【請求項4】 前記配線テーパ化工程における前記塩素
    の流量は、前記前段エッチング工程における前記塩素の
    流量よりも少ない、請求項3記載のドライエッチング方
    法。
  5. 【請求項5】 前記第1のエッチングガスを励起させて
    エッチングに寄与するラジカルを生成するためのエネル
    ギーが、前記第2のエッチングガスを励起させてエッチ
    ングに寄与するラジカルを生成するためのエネルギーよ
    りも小さい、請求項3記載のドライエッチング方法。
  6. 【請求項6】 前記配線テーパ化工程では、前記第1の
    エッチングガスを励起させてエッチングに寄与するラジ
    カルが生成するためのエネルギーを与えるステップと、
    該エネルギーを与えないステップとを交互に繰返す、請
    求項3記載のドライエッチング方法。
  7. 【請求項7】 前記前段エッチング工程の前記第2のエ
    ッチングガスは三塩化ホウ素を含む、請求項3〜6のい
    ずれかに記載のドライエッチング方法。
  8. 【請求項8】 前記前段エッチング工程の前記第2のエ
    ッチングガスは塩素のみからなる、請求項3〜6のいず
    れかに記載のドライエッチング方法。
  9. 【請求項9】 前記前段エッチング工程では、エッチン
    グの当初に、前記第2のエッチングガスを励起させてエ
    ッチングに寄与するラジカルを生成するためのエネルギ
    ーをより多く与えるステップを含む、請求項8記載のド
    ライエッチング方法。
  10. 【請求項10】 前記前段エッチング工程と前記配線テ
    ーパ化工程との間に、前記第1のエッチングガスを励起
    させてエッチングに寄与するラジカルを生成するための
    エネルギーを与えないステップを含む、請求項3〜9の
    いずれかに記載のドライエッチング方法。
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