JP2000306741A - 安定巻線を具備する変圧器 - Google Patents
安定巻線を具備する変圧器Info
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Abstract
し、自己の誘起電圧相当以上の絶縁強度を有する必要が
あり変圧器全体が大形化し、また安定巻線の一端は強制
的に接地(零電位)としているため、静電分圧比によ
り、低圧巻線の電位が各相にアンバランスとなり、零相
電圧が発生する問題がある。 【解決手段】 安定巻線3を非接地構成となし、且つこ
の安定巻線3を低圧巻線2と密着巻きとして静電結合を
密にすることで静電分圧比を改善し電位を安定させる。
Description
に、安定巻線を有する変圧器に関する。
された安定巻線が設けられる。この安定巻線は、一次、
二次の各巻線に誘起される電圧を正弦波に保ち、Y結線
された巻線の中性点に電位が生じないように安定させる
機能と、変圧器の零相インピーダンスを減少させ、系統
の所定の接地条件を満足させるとともに、系統事故時の
零相電流を還流させる機能を有する。
器の巻線配置の模式図で、4は鉄心脚、1は外側巻線、
2は内側巻線を示す。鉄心脚の外周の内側には一般的に
は低圧巻線が、外側には高圧巻線が配置されるので、以
下、1は高圧巻線、2は低圧巻線とした場合について説
明する。3は安定巻線で、該安定巻線3は、一般的には
誘起電圧を小さく設定し、鉄心脚4に最も近い最内層に
配置し、その外層に低圧巻線2、高圧巻線1が順次配置
されている。安定巻線3をこのように構成して配置する
ことにより、巻線全体の体格のコンパクト化が図れる。
2間および安定巻線3と鉄心脚4間は、安定巻線3の誘
起電圧に相当する所定の絶縁強度および他の巻線からの
電インパルス移行電圧に耐え得る絶縁強度を確保するた
め、大きな絶縁距離、即ち、図1に示す安定巻線3と鉄
心脚4間絶縁寸法d1および安定巻線3と低圧巻線間絶
縁寸法d2を設ける必要がある。
ないため、高圧・低圧巻線のように各相の端子引出しが
不要である。このため、各相の巻線を△結線とし、巻線
の電位を安定させる目的から、一端子を図7および図8
に示すように変圧器の内部または外部に引き出し接地し
て使用される。
で、(A)は回路で表わした場合、(B)は巻線を模式
的に表わした場合を示す。Tは変圧器のタンク,Eは接
地部を示し、安定巻線3はタンクTを介して接地され
る。
貫通ブッシング5を設け、このブッシング5を介してタ
ンクTの外部で接地される。
3は、巻線の電位を安定させる目的で一端子を接地して
いるが、この一端を接地すると、次のような問題が生ず
る。 (1)安定巻線には、他巻線(低圧又は高圧巻線)から
の移行電圧が発生し、自己の誘起電圧相当以上の絶縁強
度を有する必要があり、このため、安定巻線と対地間
(鉄心脚間)、安定巻線と低圧巻線間の絶縁寸法が大き
くなり、変圧器全体の寸法、質量が増加する。 (2)安定巻線は、高圧・低圧巻線とは独立構造のた
め、負荷供給を行うために設けられる三次巻線と同様
に、単独に一つの巻線を製作する必要があり、多大な製
作時間を要する。 (3)安定巻線の一端を強制的に接地(零電位)とする
ため、静電分圧比により図9に示すように、低圧巻線の
電位が各相によりアンバランスとなり、零相電圧が発生
する。
線の電圧ベクトルを示し、点線は安定巻線非接地時の電
圧ベクトル、実線は、安定巻線a−端接地時の電圧ベク
トルを示している。このように、安定巻線の一端を接地
することにより、低圧巻線の電圧ベクトル(Y実線)は
アンバランスとなり、零相電圧を発生する。
は変圧器巻線の模式図、(B)はその等価回路図で、高
圧巻線1と低圧巻線2間の静電容量をC1、安定巻線3
と低圧巻線2間の静電容量をC2、安定巻線誘起電圧を
EFとすると、零相電圧V0は、式1により算出される。
アンバランスとなり零相電圧が発生する。
全体が大形化したり、制作費がかかり、更には、一端を
接地することにより、静電分圧比により、他巻線の電位
が各相アンバランスとなり零相電圧が発生する、という
課題が発生する。本発明はこのような課題を解決するた
めになされたものである。
題を解決するための手段は、安定巻線を非接地構成とす
るとともに、非接地とすることによって不安定となる電
位を、内側巻線との静電結合を密にすることで安定化
し、非接地で且つ電位を安定させた変圧器とするもので
ある。
側巻線を巻装し、両巻線をY−Y結線し、更に、そのY
結線の中性点の安定化のための△結線による安定巻線を
具備する変圧器において、安定巻線を前記内側巻線又は
外側巻線と密着巻きとし、静電結合を良好とすることに
より電位的に安定させるとともに、当該安定巻線を非接
地としたことを特徴とする。
の巻線との分担電圧を低減させ、内側又は外側巻線との
密着巻きを電線被覆、又は絶縁紙等の絶縁により巻装す
る。
定巻線と鉄心脚および隣接巻線間の絶縁寸法が縮小され
る。
側巻線と密着巻きすることにより、静電結合を良好なも
のとして電位的に3相バランスさせ、前記巻線に零相電
圧の発生を防止する。
着巻きとし、内側巻線と外側巻線間のインピーダンス調
整を行い、高インピーダンス設計対応を可能とする。
によって説明する。図1は本発明の一実施の形態の模式
図で、図6と異なる点は、安定巻線の構成(配置)と、
安定巻線の接地の有無が相違する。よって、図6と同一
名称又は相当部分にはこれと同じ符号を付して説明を省
略し、相違部分について詳細に説明する。
巻線3を最内側に配置し、他巻線、例えば低圧巻線2と
静電結合が良くなるように密着巻きとし、該安定巻線3
は非接地としたものである。
で、静電結合が良好となり、非接地としても電位的に安
定する。
態で、図2はヘリカル巻線に適用した場合である。安定
巻線3を非接地とし、他巻線、例えば低圧巻線2の各タ
ーンの最内側に安定巻線3を電線被覆、または絶縁紙等
の絶縁で密着巻きとしたものである。
巻線との分担電圧は低減され、また電線被覆、または絶
縁紙の絶縁で密着巻きすることにより、安定巻線間の絶
縁寸法を縮小化することができる。
る。安定巻線3は、他巻線、例えば低圧巻線2の最内側
に電線被覆、または絶縁紙等の絶縁で密着巻きし、非接
地としたものである。
内側巻線、例えば、低圧巻線2の外周側へ密着巻きし、
非接地としたものである。
密着巻きすることにより、高圧−低圧巻線間のインピー
ダンス調整が可能になり、高インピーダンス化が実現で
きる。
うに高圧巻線1の巻幅をW1、低圧巻線2の巻幅をW2、
高圧−低圧巻線間の距離をd、巻線の高さをhとする
と、100分率インピーダンス%IZは式2で表わされ
る。
ることで、d寸法を大きくすることができ、高インピー
ダンス器が容易に製作可能となる。
低圧巻線2から雷インパルスLIが進入した場合の安定
巻線3への移行電圧を、安定巻線一端子接地の場合と、
非接地の場合との比較測定を行った。
(基準雷インパルス)に対するパーセントを示す。
地の場合は、非接地端子はマイナスの電位上昇を起こ
し、安定巻線3と低圧巻線間(n−b間等)には、印加
電圧を超える過大(130%)な電圧が発生するが、安
定巻線非接地の場合は、60%と低いことがわかる。
地とし、且つ安定巻線を非接地とすることにより生ずる
巻線の電位の不安定は、他巻線との静電結合を密にする
ことにより安定させるようにしたので、次の効果を奏す
る。 (1)安定巻線を非接地としたので、従来一端を強制接
地することによって発生した零相電圧は発生しなくな
る。 (2)安定巻線を密着巻きとすることで、非密着巻線
(例えば低圧巻線)間と同一の電位振動となるため、安
定巻線間との分担電圧が微小となる。従って、絶縁上は
電線被覆厚さで十分な強度を有し大きな絶縁距離を必要
とせず、寸法縮小が可能となる。巻線全体の小形化が可
能となり強いては、変圧器の窓寸法縮小から鉄心をも含
めた全体の体格縮小化が可能となる。 (3)安定巻線には、他巻線からの移行電圧が発生し、
特に、他巻線(低圧巻線)から雷インパルスが進入した
場合、従来のように安定巻線一端接地の場合は、非接地
端子はマイナスの電位上昇を起こし、安定巻線と低圧巻
線間には、印加電圧を超える過大な電圧を発生するが、
本発明では、安定巻線を非接地としてあるため、印加電
圧を超える電圧は発生しない。
巻線(例えば低圧巻線)と同時に製作可能で巻線製作工
程の簡素化、時間短縮が可能となる。 (4)第3の実施の形態のように、安定巻線を低圧巻線
の外周側へ配置することにより、高圧−低圧巻線間の間
隔d寸法を大きくすることができ、高インピーダンスの
変圧器が容易に製作できる。
模式図。
線の適用例の概念図。
の適用例の概念図。
模式図。
の模式図。
Claims (4)
- 【請求項1】 鉄心脚の外周に内側巻線と外側巻線を巻
装し、両巻線をY−Y結線し、更に、そのY結線の中性
点の安定化のための△結線による安定巻線を具備する変
圧器において、安定巻線を前記内側巻線又は外側巻線と
密着巻きとし、静電結合を良好とすることにより電位的
に安定させるとともに、当該安定巻線を非接地としたこ
とを特徴とする安定巻線を具備する変圧器。 - 【請求項2】 安定巻線を非接地とすることで他の巻線
との分担電圧を低減させ、内側又は外側巻線との密着巻
きを電線被覆、又は絶縁紙の絶縁により行うことを特徴
とする請求項1記載の安定巻線を具備する変圧器。 - 【請求項3】 安定巻線を非接地とし、内側又は外側巻
線と密着巻きすることにより、静電結合を良好なものと
して電位的に3相バランスさせ、前記巻線に零相電圧の
発生を防止するようにしたことを特徴とする請求項1又
は2記載の安定巻線を具備する変圧器。 - 【請求項4】 安定巻線を内側巻線の外周側に密着巻き
とし、内側巻線と外側巻線間のインピーダンス調整をし
て高インピーダンスとしたことを特徴とする請求項1な
いし3のいずれか1項に記載の安定巻線を具備する変圧
器。
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JP11037799A JP4085511B2 (ja) | 1999-04-19 | 1999-04-19 | 安定巻線を具備する変圧器 |
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Publication Number | Publication Date |
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- 1999-04-19 JP JP11037799A patent/JP4085511B2/ja not_active Expired - Fee Related
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