JP2000304713A - 表面分析の光軸調整用標準試料とそれを用いた光軸調整法 - Google Patents

表面分析の光軸調整用標準試料とそれを用いた光軸調整法

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JP2000304713A
JP2000304713A JP11113635A JP11363599A JP2000304713A JP 2000304713 A JP2000304713 A JP 2000304713A JP 11113635 A JP11113635 A JP 11113635A JP 11363599 A JP11363599 A JP 11363599A JP 2000304713 A JP2000304713 A JP 2000304713A
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Rie Ueno
理恵 上野
Hiroyuki Hashimoto
浩行 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明では、従来別々に行われていた、試
料の高さ調整用X線照射点の粗調整用X線照射点の
微調整用、と3つの標準試料の入れ替えを行うことなく
光軸調整を実施可能なXPSの光軸調整用の標準試料
と、その標準試料を用いた光軸調整法を提供することを
目的とする。 【解決手段】 本発明では、X線光電子分光分析装置
(XPS)の光軸調整に用いる標準試料であって、X線
または電子線を照射した場合に弾性散乱電子像または光
電子像を得ることができ(31)、かつ、収束したX線
を照射した場合に、蛍光を発する部分(32)とが同一
試料上に存在することを特徴とする表面分析の光軸調整
用標準試料を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面分析装置の光軸
調整に用いられる標準試料と、該標準試料を用いて行う
表面分析の光軸調整法に関するものである。より詳細に
は、XPSの光軸調整用の標準試料と、該標準試料を用
いて行う光軸調整法に関する。
【0002】
【従来の技術】X線光電子分光分析法(XPS)は試料
の最表面の組成および原子の結合状態を分析する手法で
ある。試料表面から放出される光電子は、X線のエネル
ギーにより試料原子との結合を切られて真空中に放出さ
れたものである。この結合エネルギーは原子の種類およ
び、その原子の化学結合状態により変化する。ところ
で、試料に照射したX線のエネルギーは既知(AlKα
線等)であるので、試料表面から放出された光電子のエ
ネルギーを知ることで、試料を構成する原子と、その化
学結合状態を知ることが出来る。また、光電子強度より
試料表面における注目原子の濃度を知ることが出来る。
【0003】試料に照射されるX線はミクロンオーダー
の深さまで試料内部に到達し、光電子を発生させるが、
試料の奥深くで発生した光電子は、試料表面から脱出で
きず、試料内部で吸収されてしまう。従って、XPSで
検出される光電子は、試料表面から数十Åまでの浅い領
域で発生し真空中に放出された光電子である。
【0004】2次イオン質量分析法(SIMS)、オー
ジェ電子分光分析法(AES)、電子線マイクロアナラ
イザ(EPMA)等の表面分析装置は元素分析しか行う
ことが出来ない。しかし、XPSはそれに加えて試料表
面における化学結合状態(表面の酸化状態、結合相手の
元素の種類等)を知ることができる点で特徴的であり、
不良解析で良く用いられている。しかし、XPSは収束
し難いX線ビームを用いているので、今まで、微小領域
を分析することは難しかった。
【0005】しかし、最近、より明るいX線源が採用さ
れたり、単色化用のモノクロメーターの高性能化等でX
線ビーム径を小さくすることが可能となった。このよう
な装置の進歩により、XPSは数十ミクロン程度の微小
部の分析とイメージングをおこなうことが可能となっ
た。
【0006】図2に投影型XPS装置の装置の概念図を
示す。以下この図を用いて、より具体的な装置の説明、
光軸調整法の説明を行う。
【0007】XPSは高真空チャンバー1と、このチャ
ンバーを高真空に保つための排気系16とエネルギー分
析器14とX線源11、12からなる。
【0008】なお、X線源11はAlやMgのターゲッ
ト(図示せず。)に熱電子を照射し、AlKα線等の特
性X線を発生する装置であり、X線は単色化されていな
い(以下 非モノクロX線源と記す。)。一方、X線源
12では、ターゲットとしてAlを用い、数eV〜数十
keVに加速し収束された電子線をターゲットに照射す
る。ターゲットから発生したAlKα線はターゲットを
含むローランド円上に配置されたSi等の分光用の湾曲
した単結晶に導かれ、Bragg反射により単色化と収束を
受ける(分光用の単結晶は図示せず。)。単色化され、
収束されたAlKα線は数百μm〜数mmのビーム径とな
っている。また、ターゲットに照射する電子線の径を予
め小さくしておくことで、数十μm程度のビーム径を有
するX線を得ることも可能である。このような、微小な
X線ビームは主にイメージングに用いられる。試料8は
試料ステージ9に固定され、X線が照射される。試料ス
テージ9は回転可能な試料台軸10に固定される。
【0009】なお、X線源11、12には、必要に応じ
て、妨害X線の除去や弾性散乱電子を取り除くためのア
ルミニウム箔、装置内の真空度を維持するための補助真
空排気装置が取り付けられる。また、図示していない
が、さらに、装置には絶縁物測定時にチャージアップを
補正するための中和用の電子銃や、イオンエッチング用
のイオン銃が取り付けられることもある。
【0010】XPSの原理を簡単に説明する。X線源1
1または12から照射されたX線を試料8に照射する
と、試料の最表面(一般的に数十Åよりも浅い領域)よ
り光電子が放出される。放出された光電子は、レンズ鏡
筒2に収められた静電レンズ3、4、5とアパチャー
6、7と入射スリット13を通過し半球型エネルギー分
析器14においてエネルギーにより分離され、検出器1
5で検出される。
【0011】検出された光電子のエネルギーと強度を解
析することで、試料表面の元素組成や、化学的な結合状
態に関する情報を得ることが出来る。
【0012】近年、半導体メモリに代表される電子デバ
イスの微小化、高集積化に伴い、微小部測定のニーズが
高まっている。
【0013】XPSで微小部の分析を行うためには、X
線ビーム径が小さいことはもちろんであるが、X線の照
射点(光電子の発生ポイント)と分析光学系の焦点を正
確に一致させる必要がある。また、絶縁物分析において
は電子銃から照射される電子線の焦点を、深さ方向分析
においてはイオン銃から照射されるイオンビームの焦点
を、それぞれ上述した焦点と一致させる必要がある。一
般に光軸調整は以下の手順で行われる。 試料の高さ調整 分析光学系の焦点に試料の高さを合わせることであり、
電子線または非モノクロX線を用いて弾性散乱電子像ま
たは、特定の運動エネルギーを持ち、一定以上の強度を
持つ光電子のイメージ像が最も鮮明となるように(ピン
トが合った状態となるように)試料の高さを調整する。 モノクロX線の照射点を分析光学系の焦点と合わせ
る。
【0014】−1 粗調整 標準試料としての蛍光体板にモノクロX線を照射するこ
とで得られる発光点を装置付属の光学顕微鏡で観察し、
前記分析光学系の焦点と、モノクロX線の照射点を一致
させるように調整を行う。
【0015】−2 微調整(分析器のエネルギー校正
とX線照射点の微調整) 分析器の微調整を行うためには、さらに、分析器のエネ
ルギーを校正する必要がある。そのためには、予めエネ
ルギーの知れた2種類の光電子が必要である。一つは、
この標準試料表面に薄く蒸着されたAgから放出される
光電子(例えば3d準位の光電子。)を用いる。もう一
方としては、環境に多量に存在するCの光電子が一般に
用いられる。これら、2種の光電子のエネルギー差が規
定の値となるように分析器のエネルギーの校正を行う。
【0016】その後、より、正確にX線の照射点と光学
系の焦点を一致させるために、モノクロX線を標準試料
面に照射し、Ag3d光電子による光電子像をCRT上
で観察しながら、X線の照射点を分析光学系の焦点に調
整する。
【0017】従来法では光学系の正確な調整のためには
試料の高さ調整用X線照射点の粗調整用X線照射
点の微調整用と、少なくとも3個の標準試料が必要であ
り、その都度標準試料を交換して、装置の真空引きを行
わねばならなかった。また、標準試料により高さが異な
る場合など、再び高さ調整も行わなくてはならないた
め、操作が非常に煩雑であり正確に光軸調整を行うため
には数時間を要した。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来、XPSの光軸調
整は、試料の高さ調整 X線照射点の粗調整 X
線照射点の微調整と3段階に別れ、各段階毎に専用の光
軸調整用の標準試料を必要であり、各段階毎に、標準試
料を入れ替えて、装置の真空引きを行わねばならなかっ
た。そのため、光軸調整に数時間が必要であった。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明では、X線光電子
分光分析装置(XPS)の光軸調整に用いる標準試料で
あって、X線または電子線を照射した場合に弾性散乱電
子または光電子を発生し(機能A)、収束したX線を照
射した場合に蛍光を発生する(機能B)ことを特徴とす
る表面分析の光軸調整用標準試料を提供する。
【0020】これにより、XPSの光軸調整に必要な3
種類の機能の2種類を統合することができ、光軸調整操
作に要する時間を短縮することが可能である。
【0021】この標準試料であるが、機能Aと機能Bを
同時に有する部分が表面分析の光軸調整で用いる側に存
在していてもよい。これは、機能Aと機能Bを兼ね備え
た一種類の物質を標準試料の部材として用いることを示
している。
【0022】機能Aと機能Bを同時に有する部分ととも
に、光電子のエネルギー校正用の材料からなる部分が該
標準試料に存在するとさらに好ましい。
【0023】光電子のエネルギー校正用の材料からなる
部分が付け加わることで、XPSの光軸調整に必要な3
種類の機能の全てが1個の標準試料で達成されることに
なり、光軸調整に要する時間をより一層短縮することが
可能となる。
【0024】本標準試料の構造であるが、機能Aと機能
をBを同時に有する部分と光電子のエネルギー校正用の
材料からなる部分が層構造をなしており、光電子のエネ
ルギー校正用の材料からなる部分が最上層に存在してい
てもよい。
【0025】この場合、光電子のエネルギー校正用の材
料からなる部分がなす層の膜厚には特に規定は無いが、
エネルギー校正用の光電子の強度が充分に強く、かつ、
X線を照射した際に、この層に覆われて存在している蛍
光層の発光を妨げない厚さであれば良い。
【0026】また、本標準試料では機能Aを有する部分
と機能Bを有する部分が、表面分析の光軸調整で用いる
側にそれぞれ別に存在していてもよい。これは、機能A
を有する物質と、機能Bを有する物質が異なり、それぞ
れが標準試料の部材であることを示している。この標準
試料の第一の構造としては、機能Aを有する部分と、機
能Bを有する部分とが層構造をなしていてもよい。さら
に、光電子のエネルギー校正用の材料からなる部分が前
記層構造の最上層に存在し、表面を覆うように成膜され
ていても良い。
【0027】光電子のエネルギー校正用の材料からなる
部分が付け加わることで、XPSの光軸調整に必要な3
種類の機能の全てが1個の標準試料で達成されることに
なり、光軸調整に要する時間をより一層短縮することが
可能となる。
【0028】光電子のエネルギー校正用の材料からなる
部分がなす層の膜厚には特に規定は無いが、エネルギー
校正用の光電子の強度が充分に強く、かつ、X線を照射
した際に、この層に覆われて存在している蛍光層の発光
を妨げない厚さであれば良い。
【0029】この標準試料の第二の構造としては、機能
Aを有する部分と機能Bを有する部分が、標準試料の光
軸調整に用いる側において、一平面をなす構造であって
もよい。
【0030】この場合、機能Aを有する部分と機能Bを
有する部分とともに光電子のエネルギー校正用の材料か
らなる部分とが標準試料の光軸調整に用いる側におい
て、一平面をなすような形状であってもよい。
【0031】光電子のエネルギー校正用の材料からなる
部分は、機能Aを有する部分と機能Bを有する部分がな
す一平面を覆うように成膜されていればより好ましい。
この場合、光電子のエネルギー校正用の材料からなる部
分がなす層の膜厚には特に規定は無いが、エネルギー校
正用の光電子の強度が充分に強く、かつ、X線を照射し
た際に、この層に覆われて存在している蛍光層の発光を
妨げない厚さであれば良い。
【0032】この表面分析の光軸調整用標準試料は、X
PSの光軸調整に好適に用いられる。
【0033】
【実施例】以下に、本発明で開発した標準試料と、該標
準試料を用いて行うXPSの光軸調整の実施例を示す。
【0034】(実施例1)本発明で得られたXPS光軸
調整用の標準試料の平面図(図1(a))と断面図(図
1(b))を示す。
【0035】通常、透過型電子顕微鏡の試料保持に用い
るCuメッシュ31上に約10μmほどの蛍光体32が
塗布されている((図1(b))。蛍光体32の材料と
しては、種々のものが用いられるが、ここではX線や、
電子線に対する蛍光の発生効率の良いZnSを用いてい
る。
【0036】蛍光体32のCuメッシュ31への塗布は
沈降法で行った。具体的には、蛍光体粉末を懸濁した水
溶液中にCuメッシュ31を一昼夜放置した。その後、
蛍光体が付着したCuメッシュ31を水中より取り出
し、加熱乾燥することで本実施例の標準試料を得た。
【0037】このように、Cuメッシュ31の金属部に
のみ蛍光体32を塗布すると、光軸調整時に蛍光発光す
る部分が明確となるために焦点調整を行いやすい利点が
ある。 最後に、蛍光体32が塗布されたメッシュ表面
に約50ÅのAg膜33を蒸着する。このAg膜33
は、X線焦点の微調整時に、光電子のエネルギーを校正
するとともに、X線照射点を分析光学系の焦点と一致さ
せる際に用いる。
【0038】また、本発明で用いたメッシュは直径3m
mである(図1(a))。このメッシュは100メッシ
ュと言う規格であり、Cuメッシュ格子21は幅3μm
のCu線であり、穴22の大きさは60μm2である。
XPSの光軸調整用としては、本実施例で用いた穴の大
きさの±10%以内の大きさのメッシュが有効である。
以下に、本発明である光軸調整用の標準試料を用いた
XPSの光軸調整法を示す。使用したXPSは市販の投
影機能を有する装置である。光軸調整の手順は以下の通
りである。 試料の高さ調整 この調整は、分析光学系の焦点と試料の高さを一致させ
ることを目的とする。試料表面に電子線もしくはX線を
照射して、試料表面から発生する弾性散乱電子像、(ま
たは、特定の光電子イメージ像)を見て、像が最も鮮明
に見えるところに試料の高さを調整する。
【0039】具体的には、正の電圧(500eV程度)
を印可した試料に電子線を照射する。この時の電子線照
射領域は約1mmφ程度である。電子線が照射されるこ
とにより標準試料の表面より弾性散乱電子が発生する。
この像は標準試料のメッシュの形状を反映したものであ
るので、この弾性散乱電子像をCRT上で観察しなが
ら、像が最も鮮明となるように(像のピントが合うよう
に)試料ステージ9の高さを調整する。この操作によ
り、分析器14から見た焦点に、試料の高さが確定され
たことになる。 モノクロX線の照射点を分析光学系の焦点と合わせ
る。
【0040】−1 粗調整 試料の高さ調整に引き続いて、試料表面に分光結晶で単
色化と収束を受けたモノクロX線を照射する(図2の左
側のX線ビームである。)。この時のモノクロX線のビ
ーム径は100μm〜1mmφ程度である。X線照射に
より、標準試料の表面の蛍光体(ZnS)が発光する。
この発光点をXPSに付属の光学顕微鏡で観察しなが
ら、操作で決定した「分析光学系の焦点」と蛍光の発
光点が重なるように分光結晶の角度の調整を行う。
【0041】この操作で、モノクロX線の照射点と、分
析光学系の焦点(光電子の発生点)をほぼ一致させる。
【0042】−2 微調整(分析器のエネルギー校正
とX線照射点の微調整) さらに、検出された光電子の正確なエネルギーを得るた
めに、分析器のエネルギー校正を行う必要がある。その
ためには、粗調整後、モノクロX線を試料に照射した状
態で、光電子の測定を行う。標準試料の表面にはAg膜
が蒸着されているので、Agの3d準位の光電子が強く
検出される。この光電子はモノクロAlKα線を用い、
装置関数を無視した場合、368.6eVの運動エネル
ギーを持っているので、このピークと、環境に多量に存
在するCの1s軌道の光電子ピークを用いて分析器のエ
ネルギーの校正を行う。さらに、このエネルギーで分析
器を固定し、Ag3d光電子像を観察し、分析光学系の
焦点と光電子像の中心が重なるように分光結晶を調整す
る。
【0043】以上でXPSの光軸調整は終了する。
【0044】従来は分析装置の焦点調整、モノクロX線
の焦点調整を行う際に最低でも2回の標準試料の入れ替
えを行う必要があり、光軸調整に数時間は必要であっ
た。ところが、本発明の光軸調整用標準試料を用いるこ
とにより、光軸調整中に試料の入れ替えを行う必要がな
くなり、調整に要する時間も30分となり、大幅に短縮
された。
【0045】また、光軸調整操作中に標準試料の高さが
ほぼ一定に保たれるので、より精度の高い調整が可能と
なった。また、試料の入れ替えが不要となったために、
チャンバー内の雰囲気が一定に保たれ、より精度の高い
調整が可能となった。
【0046】(実施例2)図3に、本発明で作製した標
準試料の第2の実施例を示す。メッシュの材質、用いた
蛍光体材料は実施例1と同様である。本実施例が実施例
1と異なるのはメッシュの穴の大きさである。一つのメ
ッシュ円盤中に、1μmの穴(44) 5μmの穴
(43) 10μmの穴(42) 60μmの穴
(41) と4種類の穴を有している。測定に必要な空
間分解能に応じて光軸調整を行う穴を変更することで、
より無駄の無い光軸調整が可能となった。
【0047】本メッシュの作製法は以下の通りである。
まず、それぞれの穴の大きさを持つ円盤状のメッシュを
マイクログラインダーで1/4にカットする。これら4
種類の穴の大きさの異なる1/4メッシュを接着剤で張
り合わせて図3のメッシュを作製した。
【0048】張り合わせメッシュが完成してから蛍光体
を塗布する操作は、実施例1と同様に沈降法を用いた。
【0049】具体的な光軸調整法は実施例1と同様であ
る。
【0050】(実施例3)図4(a)に本発明で作製し
た標準試料の第3の実施例の平面図を、図4(b)に断
面図を示す。
【0051】実施例1、2では、メッシュのCu格子上
に蛍光体を塗布したが、本実施例では、蛍光体をCu格
子52で囲まれた矩形51中に埋め込んでいる。
【0052】この標準試料は以下の操作によって作成さ
れた。蛍光体粉末をメッシュの上下よりプレスして、蛍
光体粉末を矩形51内に埋め込み、固定した。その後、
メッシュの表裏を研磨剤で研磨することで、本実施例の
標準試料を得た。
【0053】本標準試料の特徴は、光軸調整に用いる側
が一平面となっており、どの段階の光軸調整操作でも焦
点距離(分析器と試料表面との間隔)が等しいことであ
る。具体的な光軸調整操作は実施例1と同様である。た
だし、調整操作の最中に、試料の焦点距離が全く変わら
ないことより、実施例1以上に正確な光軸調整を行うこ
とができる。
【0054】今までに述べた実施例では標準試料の表面
に蒸着する分析器のエネルギー校正用の材料としてはA
gを用いているが、光電子のエネルギーが知られている
ものであれば材料はAgに限定されない。また、膜厚も
50Åに限られるものではなく、エネルギー校正用の光
電子が充分な強度で検出され、かつ、X線を照射した際
に、この層に覆われて存在している蛍光体の発光を妨げ
ない膜厚であればよい。具体的には、10〜1000
Å、より好ましくは20〜200Åである。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の表面分析用の標
準試料を用いることで、従来、数時間を要していたXP
Sの光軸調整時間を大幅に短縮できる。また、試料交換
を行うことなく、光軸調整を行うことが可能となり、よ
り正確な光軸調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)実施例1のXPS光軸調整用の標準試料
の平面図を示す。 (b)実施例1のXPS光軸調整用の標準試料の断面図
を示す。
【図2】XPS装置の構成を示す。
【図3】実施例2のXPS光軸調整用の標準試料の平面
図を示す。
【図4】(a)実施例3のXPS光軸調整用の標準試料
の平面図を示す。 (b)実施例3のXPS光軸調整用の標準試料の断面図
を示す。
【符号の説明】
1 高真空チャンバ 2 レンズ鏡筒 3、4,5静電レンズ 6、7 アパーチャー 8 試料 9 試料ステージ 10 5軸マニピュレータ 11 非モノクロX線源 12 単色X線源 13 入射スリット 14 半球型エネルギー分析器 15 検出器 16 排気部 21 実施例1で用いた標準試料のメッシュ 22 実施例1で用いた標準試料のメッシュ孔 31 Cu格子 32 蛍光体層 33 Ag層 41 実施例2で用いた標準試料のメッシュ孔(1μ
m□) 42 実施例2で用いた標準試料のメッシュ孔(5μ
m□) 43 実施例2で用いた標準試料のメッシュ孔(10
μm□) 44 実施例2で用いた標準試料のメッシュ孔(60
μm□) 51 実施例3で用いた標準試料の蛍光体部 52 実施例3で用いた標準試料のCu部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA01 AA03 BA04 BA08 BA14 CA03 EA01 EA09 FA02 FA30 GA08 GA13 HA03 JA02 JA05 JA20 KA01 MA05 NA04 NA12 NA17 PA05 PA14 PA30 RA01 RA03 RA10 RA20 SA10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線光電子分光分析装置(XPS)の光
    軸調整に用いる標準試料であって、X線または電子線を
    照射した場合に弾性散乱電子または光電子を発生し(機
    能A)、収束したX線を照射した場合に蛍光を発生する
    (機能B)ことを特徴とする表面分析の光軸調整用標準
    試料。
  2. 【請求項2】 前記機能Aと前記機能Bを同時に有する
    部分が表面分析の光軸調整で用いる側に存在しているこ
    とを特徴とする請求項1記載の表面分析の光軸調整用標
    準試料。
  3. 【請求項3】 光電子のエネルギー校正用の材料からな
    る部分が存在していることを特徴とする請求項2記載の
    表面分析の光軸調整用標準試料。
  4. 【請求項4】 前記、機能Aと機能をB同時に有する部
    分と前記光電子のエネルギー校正用の材料からなる部分
    が層構造をなしており、前記光電子のエネルギー校正用
    の材料からなる部分が最上層に存在することを特徴とす
    る請求項3記載の表面分析の光軸調整用標準試料。
  5. 【請求項5】 前記、機能Aを有する部分と機能Bを有
    する部分がそれぞれ別に表面分析の光軸調整に用いる側
    に存在することを特徴とする請求項1記載の表面分析の
    光軸調整用標準試料。
  6. 【請求項6】 前記機能Aを有する部分と、前記機能B
    を有する部分とが層構造をなしていることを特徴とする
    請求項5記載の表面分析の光軸調整用標準試料。
  7. 【請求項7】 光電子のエネルギー校正用の材料からな
    る部分が前記層構造の最上層に存在し、表面を覆うよう
    に成膜されることを特徴とする請求項6記載の表面分析
    の光軸調整用標準試料。
  8. 【請求項8】 前記、機能Aを有する部分と機能Bを有
    する部分が、標準試料の光軸調整に用いる側において、
    一平面をなす事を特徴とする請求項5記載の表面分析の
    光軸調整用標準試料。
  9. 【請求項9】 前記、機能Aを有する部分と機能Bを有
    する部分とともに前記光電子のエネルギー校正用の材料
    からなる部分が標準試料の光軸調整に用いる側におい
    て、一平面をなす事を特徴とする請求項8記載の表面分
    析の光軸調整用標準試料。
  10. 【請求項10】 前記光電子のエネルギー校正用の材料
    からなる部分が、前記一平面を覆うように成膜されてい
    る事を特徴とする請求項8記載の表面分析の光軸調整用
    標準試料。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか一項に記載
    された表面分析の光軸調整用の標準試料を用いて光軸調
    整を行うことを特徴とするXPSの光軸調整法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010186747A (ja) * 2009-02-11 2010-08-26 Commissariat A L'energie Atomique & Aux Energies Alternatives 電子放出顕微分光撮像での非点収差を補正するための方法
WO2017148668A3 (en) * 2016-03-04 2017-10-12 Vg Systems Limited Xps and raman sample analysis system and method

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