JP2000304611A - 紫外線感知発色素子およびその製造方法 - Google Patents

紫外線感知発色素子およびその製造方法

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JP2000304611A
JP2000304611A JP11238699A JP11238699A JP2000304611A JP 2000304611 A JP2000304611 A JP 2000304611A JP 11238699 A JP11238699 A JP 11238699A JP 11238699 A JP11238699 A JP 11238699A JP 2000304611 A JP2000304611 A JP 2000304611A
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ultraviolet
layer
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color
forming
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JP11238699A
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English (en)
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Ichiro Tanahashi
一郎 棚橋
Hiroshi Sugano
浩 菅野
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紫外線照射によって不可逆的に発色する信頼性
の高い紫外線感知発色材料を提供する。 【解決手段】ゾル−ゲル法により、Au微粒子がマトリッ
クスに対し1wt%になるようにAuイオン1を含んだ厚さ約
0.2μmの無機物層3を基体4の厚さ50μmのステンレス鋼
製の薄板に塗布形成し、無機物層の表面にポリエチレン
テレフタレートシートを置き、エポキシ系接着剤を用い
て鋼板とシート部分を貼り付け、湿度保護層5を形成
し、さらに紫外線を防止するためアルミ箔6で素子全面
を被覆した紫外線感知発色素子11を作製する。この素子
を気温20℃、相対湿度20%RH,40%RH,60%RH,80%RHの雰囲
気中に設置し、アルミ箔を取り外した後500Wのクセノン
ランプを用いて紫外線感知発色素子に光を照射すると、
約15分で赤紫色に発色する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線照射により
生成した金属微粒子の表面プラズモン吸収に基づく発色
を利用した紫外線感知発色素子に関するものであり、紫
外線の照射の有無や強度の測定を行うことが可能で、紫
外線検出装置単体としてだけでなく、紫外線を検出する
ことにより皮膚ガン等の紫外線に起因するであろう病気
の予防装置や紫外線が照射されることが好まれない分野
へのセンサーとして応用できる。
【0002】
【従来の技術】金属微粒子の表面プラズモン吸収を利用
した紫外線感知発色素子としては、特開平10−111
174号公報に提案されている。この技術は、図4
(a)〜(b)に示すように、マトリックス23中に金
属イオン21を分散した構造からなり、紫外線照射によ
り金属イオンが光還元されて金属原子となり、更にマト
リックス中を拡散・凝集することにより金属微粒子22
となる反応を応用している。例えば、塩化金酸の光還元
反応による金微粒子の生成過程では、紫外線照射前に
は、マトリックス中の金イオンは黄色を呈している。一
方、紫外線照射後には、金属微粒子の形成により赤紫色
に発色する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の紫外線感知発色素子では、次のような課題がある。す
なわち、前記公知例に記載の従来の紫外線感知発色素子
では、マトリックス中の水分量が金属微粒子の拡散・凝
集反応に影響し、含まれる水分量により金属微粒子の成
長速度が異なる。従って、マトリックス中の水分量を一
定に保持しないと素子間で特性のばらつきが見られるよ
うになる。また、紫外線感知発色素子を外気の湿度から
守ることにより、素子の信頼性を高めることができる。
このように、従来の紫外線感知発色素子では、使用する
季節等の違いによる外気の影響を受けやすいという事態
が生じてしまう。また、使用する前に誤って紫外線に暴
露されると信頼性が著しく悪くなる。
【0004】そこで、本発明は不可逆的に紫外線照射に
より発色し、紫外線暴露履歴の有無を判別できる信頼性
の高い紫外線感知発色素子を提供することを主な目的と
するものである。すなわち、紫外線光源の強度の測定や
太陽光の紫外線強度を誤りなく容易にしかも迅速に知る
ことができる紫外線感知発色素子およびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の紫外線感知発色素子は、紫外線照射により
金属イオンから不可逆的に微小金属微粒子に成長する発
色材料を含む紫外線感知発色材料層を有する紫外線感知
発色素子であって、前記紫外線感知発色材料層の外側に
湿度から保護する保護層を形成したことを特徴とする。
【0006】前記構成においては、紫外線照射により不
可逆的に成長する金属イオンを分散した無機体、上記の
金属イオンを分散した無機−有機複合体、または上記の
金属イオンを分散した樹脂を湿度から保護する層を設け
たことが好ましい。この構成により、湿度の影響を受け
ない信頼性の高い紫外線感知発色素子を提供することが
できる。また、本発明の紫外線感知発色素子は、紫外線
照射により不可逆的に成長する金属イオンを分散した無
機体、上記の金属イオンを分散した無機−有機複合体、
または上記の金属イオンを分散した樹脂を湿度から保護
する層と取り外し可能な紫外線防止層を設けたことが好
ましい。この構成により、湿度の影響と使用前の紫外線
の影響を受けない信頼性の高い紫外線感知発色素子を提
供することができる。
【0007】また本発明の紫外線感知発色素子において
は、外部の湿度の影響を受けずに紫外線照射によっての
み不可逆的に無機物体中の金属イオンが金属微粒子へと
成長することにより無機体が発色するものであり、さら
に金属イオンが分散された紫外線感知発色層を湿度から
保護する層を設けることが好ましい。
【0008】また本発明の紫外線感知発色素子において
は、外部の湿度の影響を受けずに紫外線照射によっての
み不可逆的に無機−有機複合体中の金属イオンが金属微
粒子へと成長することにより無機−有機複合体が発色
し、さらに金属イオンが分散された紫外線感知発色層を
湿度から保護する層を設けることが好ましい。
【0009】また本発明の紫外線感知発色素子において
は、外部の湿度の影響を受けずに紫外線照射によっての
み不可逆的に樹脂体中の金属イオンが成長することによ
り樹脂体が発色し、さらに金属イオンが分散された紫外
線感知発色層を湿度から保護する層を設けることが好ま
しい。
【0010】また本発明の紫外線感知発色素子において
は、外部の湿度の影響を受けずに紫外線照射によっての
み不可逆的に無機物体中の金属イオンが金属微粒子へと
成長することにより無機体が発色し、さらに金属イオン
が分散された紫外線感知発色層を湿度から保護する層と
取り外し可能な紫外線防止層を設けることが好ましい。
【0011】また本発明の紫外線感知発色素子において
は、外部の湿度の影響を受けずに紫外線照射によっての
み不可逆的に無機−有機複合体中の金属イオンが金属微
粒子へと成長することにより無機−有機複合体が発色
し、さらに金属イオンが分散された紫外線感知発色層を
湿度から保護する層と取り外し可能な紫外線防止層を設
けることが好ましい。
【0012】また本発明の紫外線感知発色素子において
は、外部の湿度の影響を受けずに紫外線照射によっての
み不可逆的に樹脂体中の金属イオンが成長することによ
り樹脂体が発色し、さらに金属イオンが分散された紫外
線感知発色層を湿度から保護する層と取り外し可能な紫
外線防止層を設けることが好ましい。
【0013】また本発明の紫外線感知発色素子において
は、金属イオンの分散濃度により紫外線感知感度を制御
することが好ましい。金属イオンの分散濃度は、微小金
属微粒子がマトリックス中に0.01〜20重量%の範
囲になることが好ましい。また、微粒子の分散濃度が高
いと感度が良くなり、分散濃度が低いと感度が悪くな
る。
【0014】また本発明の紫外線感知発色素子は、紫外
線照射強度により紫外線感知発色の色調を変化させるこ
とが好ましい。
【0015】また紫外線感知発色素子は、紫外線感知発
色層を金属フィルム、プラスチックフィルム、布、紙、
ガラスから選ばれる少なくとも一つの基体上に形成する
ことが好ましい。
【0016】また本発明の紫外線感知発色素子は、無機
物体を構成する無機物として酸化珪素、酸化アルミニウ
ムおよび酸化チタンから選ばれる少なくとも1つを用い
ることが好ましい。
【0017】また本発明の紫外線感知発色素子は、無機
−有機複合体を構成する無機物として酸化珪素、酸化ア
ルミニウム、酸化チタンから選ばれる少なくとも1つで
あり、有機物としてポリアクリル酸、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリエチレンオキシドから選ばれる少なくとも
1つを用いることが好ましい。
【0018】また本発明の紫外線感知発色素子は、樹脂
層として、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポ
リビニルブチラール、ポリスチレン、アクリロニトリル
/スチレン共重合ポリマー、フッ素樹脂から選ばれる少
なくとも1つを用いることが好ましい。
【0019】また本発明の紫外線感知発色素子は、微小
金属微粒子として、金、白金、銀、銅、錫、ロジウム、
パラジウムまたはイリジウムから選ばれる少なくとも1
つを用いることが好ましい。
【0020】また本発明の紫外線感知発色素子は、微小
金属微粒子の重量平均粒子径が1〜50nmの範囲であ
ることが好ましい。
【0021】また本発明の紫外線感知発色素子は、微小
金属微粒子がマトリックス中に0.01〜20重量%の
範囲添加されていることが好ましい。
【0022】また本発明の紫外線感知発色素子は、湿度
から紫外線感知発色層を保護する層が膜状またはテープ
状の撥水性樹脂膜、低透湿度樹脂、またはガラス、セラ
ミックス、樹脂−無機物複合材料から選ばれる少なくと
も1つを用いることが好ましい。
【0023】また本発明の紫外線感知発色素子は、紫外
線から紫外線感知発色材料層を保護する層が金属箔、
紙、プラスチックス、紫外線防止フェイルムから選ばれ
る少なくとも1つを用いることが好ましい。
【0024】上記のような紫外線感知発色素子を形成す
るに際し、本発明は、下記のような製造方法を採用する
ものである。
【0025】まず本発明の第1番目の製造方法は、紫外
線とアルコールにより還元されて微小金属微粒子となる
金属イオンを含有した金属アルコキシドと水とアルコー
ルを有するゾルを加水分解反応により無機物体とし、さ
らに、無機物体を湿度から保護する層を設ける。
【0026】次に本発明の第2番目の製造方法は、紫外
線とアルコールにより還元されて微小金属微粒子となる
金属イオンを含有した金属アルコキシドと有機物の混合
体を水とアルコールを有する混合溶媒に溶かし、加水分
解反応または加水分解反応と重合反応により無機−有機
複合体とし、さらに、無機−有機複合体を湿度から保護
する層を設ける。
【0027】次に本発明の第3番目の製造方法は、紫外
線とアルコールにより還元されて微小金属微粒子となる
金属イオンと樹脂を水とアルコールを有する混合溶媒に
溶かし、混合溶液から樹脂体を形成し、さらに、樹脂体
を湿度から保護する層を設ける。
【0028】次に本発明の第4番目の製造方法は、紫外
線とアルコールにより還元されて微小金属微粒子となる
金属イオンを含有した金属アルコキシドと水とアルコー
ルを有するゾルを加水分解反応により基体表面に無機物
層を形成し、さらに、無機物層を湿度から保護する層を
設ける。
【0029】次に本発明の第5番目の製造方法は、紫外
線とアルコールにより還元されて微小金属微粒子となる
金属イオンを含有した金属アルコキシドと有機物の混合
体を水とアルコールを有する混合溶媒に溶かし、加水分
解反応または加水分解反応と重合反応により基体表面に
無機−有機複合体層を形成し、さらに、無機−有機複合
体を湿度から保護する層を設ける。
【0030】次に本発明の第6番目の製造方法は、紫外
線とアルコールにより還元されて微小金属微粒子となる
金属イオンと樹脂を水とアルコールを有する混合溶媒に
溶かし、混合溶液から基体表面に樹脂層を形成し、さら
に、樹脂層を湿度から保護する層を設ける構成を備えた
ものである。
【0031】前記本発明の第1〜6番目の製造方法にお
いては、基体の少なくとも片面に接着剤層を有した担体
に紫外線感知発色材料を担持させることが好ましい。
【0032】また前記本発明の第1〜6番目の製造方法
においては、保護層の表面に、さらに取り外し可能な紫
外線防止層を設けることが好ましい。
【0033】また前記本発明の第1〜6番目の製造方法
においては、無機物層、無機/有機複合体層または樹脂
層を、浸漬法、塗布法およびスピンコート法から選ばれ
る少なくとも1つの方法を用いて、基体表面に形成また
は担持することが好ましい。
【0034】また前記本発明の第1〜6番目の製造方法
においては、紫外線感知発色層を湿度から保護する保護
層を、塗布法またはスピンコート法から選ばれる少なく
とも1つの方法を用いて形成することが好ましい。
【0035】本発明によれば、紫外線照射により金属イ
オンから不可逆的に微小金属微粒子に分散して成長する
発色材料を含む紫外線感知発色材料層を有する紫外線感
知発色素子であって、前記紫外線感知発色材料層の外側
に湿度から保護する保護層を形成したことにより、紫外
線光源の強度の測定や太陽光の紫外線強度を誤りなく容
易にしかも迅速に知ることができる紫外線感知発色素子
およびその製造方法を実現できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
る紫外線感知発色素子を用いることにより、紫外線光源
の強度の測定や太陽光に含まれる紫外線強度を信頼性高
く容易に迅速に知ることができる。以下、本発明の実施
の形態について、図1を用いて説明する。
【0037】図1(a)〜(b)は作製した紫外線感知
発色材料を基体上に形成した場合の構成を示す断面図で
あり、1は金属イオン、2は金属微粒子、3はマトリッ
クスである無機物層、無機−有機複合体層または樹脂
層、4は基体、そして、5は外部の湿度から金属イオン
が分散されているマトリックス3を保護する層を示して
いる。保護層5は、紫外線感知発色材料のない部分にま
で拡大して形成すると、基体4と保護層5の間からの透
湿性が小さくなりより好ましい。なお、図1において
(a)は本実施の形態における紫外線感知発色素子10
の紫外線照射前の状態での断面図、(b)は本実施の形
態における紫外線感知発色素子10の紫外線照射後の断
面図を示したものである。
【0038】以上のように構成された紫外線感知発色素
子は、図1(a)に示すように、紫外線照射前では金属
イオンの色を呈している(塩化金酸の場合には黄色)。
一方、太陽光等の紫外線照射後には、図1(b)に示す
ように金属微粒子が不可逆的に成長して金属微粒子の表
面プラズモン吸収に基づく発色が顕著に見られるように
なる(金微粒子の場合には赤紫色)。なお、基体として
は金属フィルム、プラスチックフィルム、布、紙、ガラ
スが好ましい。
【0039】また、マトリックス中の金属微粒子の分散
量は、特に限定するものではないが、粒径制御の容易
な、また、微粒子の凝集等が生じ難い、0.01〜20
wt%程度、好ましくは0.05〜10wt%程度がよ
い。もし凝集が生じると、層の一部分だけが濃く色変化
を起こすことになるため、紫外線が確実に照射されたか
どうかを確認することが困難になる可能性がある。
【0040】また、成長後の金属微粒子の平均粒径は、
種類により異なるが、例えば通常重量平均粒子径:1n
m〜50nmの範囲が好ましく、特に粒径の分布を小さ
くして均一な着色のためには3nm〜30nmの範囲が
より好ましい。
【0041】また、金属微粒子が、金、白金、銀、銅、
錫、ロジウム、パラジウムまたはイリジウムから選ばれ
る少なくとも1つであるという本発明の好ましい例によ
れば、これらの金属は、表面プラズモン吸収に基づく発
色を示し、他の金属に比べて酸素やその他の不純物によ
る影響を受け難く、比較的純粋な金属微粒子を析出させ
ることができるので、優れた紫外線感知発色特性を示す
材料を実現することが可能となる。
【0042】また、本発明の紫外線感知発色素子に用い
られるマトリックスとして、ゾルーゲル法を用いて作製
された無機物体を用いる場合、無機物としては、化学的
に安定でありかつ光学的に広い波長範囲で透明な酸化珪
素、酸化アルミニウム、酸化チタンが好ましい。また、
マトリックスとして無機−有機複合体を用いる場合、無
機物としては、化学的に安定でありかつ光学的に広い波
長範囲で透明なシリカゲル、アルミナゲル、チタニアゲ
ルが好ましく、有機物としては、ゾルーゲル法で用いる
金属アルコキシドと安定に存在し、透明で均一な複合体
が得られるポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、
ポリエチレンオキシドが好ましい。なお、無機−有機複
合体において、その混合比は特に限定するものではない
が、有機物を無機物に比べて重量比で50%以下である
こと好ましい。
【0043】上記ゾルーゲル法とは、ゾル状の金属の低
級アルコキシドを加水分解し、ゲル化させ、加熱するこ
とによりガラスまたはセラミックス状に形成する方法で
ある。代表的な金属アルコキシドの具体例をあげると、
シリコンのメトキシドやエトキシド等のシリコンの低級
アルコキシド類、アルミニウムのメトキシドやエトキシ
ド等のアルミニウムの低級アルコキシド、またはチタン
のメトキシドやエトキシド等のチタンの低級アルコキシ
ド類類があげられる。また、ゾルの分散媒としては水お
よび/またはメタノール、エタノール、プロパノールま
たは二価アルコールのエチレングリコール、プロピレン
グリコールを用い、通常触媒として塩酸やアンモニアを
加えて加水分解する。
【0044】また、無機物体や無機−有機複合体の乾燥
時に生ずる亀裂の発生や発泡を防止する乾燥抑制剤とし
てフォルムアミドやジメチルフォルムアミドを用いるこ
とが好ましい。
【0045】また、マトリックスとして樹脂を用いる場
合、化学的に安定であり、アルコールや水分を含有する
ことが可能で、均一に大きな面積の被覆層を形成できる
ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルブ
チラール、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン
共重合ポリマー、フッ素樹脂を用いることが好ましい。
【0046】また、無機物体、無機−有機複合体または
樹脂中に分散して紫外線とアルコールとにより、微小金
属微粒子になる金属の塩としては、HAuCl4 、Na
AuCl4 、H2PtCl6 、AgClO4 、CuCl2
、SnCl2 、IrCl3、RhCl3 、PdCl2
好ましい。
【0047】また、保護層に用いる撥水性樹脂や低透湿
度の樹脂としては、ポリ4フッ化エチレン、ポリ3フッ
化エチレン、ポリフッ化ビニルなどのフッ素系樹脂、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニリデン−塩化ビ
ニル共重合物(Saran樹脂)、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体(エバール樹脂)、ブチラール樹脂または
ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0048】また、紫外線保護層に用いる層が紫外線を
完全に遮断する金属箔、紙、プラスチックス、紫外線防
止フェイルムから選ばれ、しかも素子を使用時に容易に
取り外せるっものが好ましい。
【0049】図2(a)〜(b)は作製した紫外線感知
発色材料を基体上に形成した別の実施例の構成を示す断
面図であり、1は金属イオン、2は金属微粒子、3はマ
トリックスである無機物層、無機−有機複合体層または
樹脂層、4は基体、そして、5は外部の湿度から、また
6は外部の紫外線から使用前の金属イオンが分散されて
いるマトリックス3を保護する層を示している。保護層
5,6は、紫外線感知発色材料のない部分にまで拡大し
て形成すると、基体と保護層の間からの透湿性が小さく
なりより好ましい。なお、図2において(a)は本実施
の形態における紫外線感知発色素子11の紫外線照射前
の状態での断面図、(b)は本実施の形態における紫外
線感知発色素子11の紫外線照射後の断面図を示したも
のである。
【0050】図3(a)〜(b)は、本実施の形態にお
いて作製した紫外線感知発色素子の他の構成を示す断面
図であり、1は金属イオン、2は金属微粒子、3は担体
に担持されたマトリックスである無機物層、無機−有機
複合体層または樹脂層、5は外部の湿度から微小金属微
粒子2を分散しているマトリックス3を保護する層、7
は接着剤層(例えばアクリル系樹脂)を示している。な
お、図2において(a)は本実施の形態における紫外線
感知発色素子12の紫外線照射前の状態での断面図、
(b)は本実施の形態における紫外線感知発色素子12
の紫外線照射後の断面図を示したものである。
【0051】以上のように構成された紫外線感知発色素
子は、図3(a)に示すように、紫外線照射前では金属
イオンの色を呈している(塩化金酸の場合には黄色)。
一方、太陽光等の紫外線照射後には、図3(b)に示す
ように金属微粒子が不可逆的に成長して金属微粒子の表
面プラズモン吸収に基づく発色が顕著に見られるように
なる(金微粒子の場合には赤紫色)。なお、担体として
は表面に凹凸のある金属フィルム、プラスチックフィル
ム、または布、紙、ガラスが好ましい。
【0052】
【実施例】以下本発明の具体的な実施例について説明す
る。
【0053】
【実施例1】下記の表1に示した組成の金属アルコキシ
ド混合溶液にHAuCl4をSi(OC25)4から最終
的に形成されるSiO2に対してAuが1wt%になる
ように添加後撹拌して、3日間室温で乾燥後、60℃の
温度で24時間乾燥して厚さ200μmの無機物体を得
た。
【0054】
【表1】
【0055】この無機物体は透明な薄い黄色であった。
図1は作製した紫外線感知発色材料を基体上に形成した
場合の構成を示す断面図であり、図1(a)、(b)に
おいて、1は金属イオン、2は金属微粒子、3はマトリ
ックスである無機物層、無機−有機複合体層または樹脂
層、4は基体、そして5は外部の湿度から金属イオンが
分散されているマトリックス3を保護する層を示してい
る。保護層は、紫外線感知発色材料のない部分にまで拡
大して形成すると、基体と保護層の間からの透湿性が小
さくなりより好ましい。なお、図1において(a)は本
実施の形態における紫外線感知発色素子の紫外線照射前
の状態での断面図、(b)は本実施の形態における紫外
線感知発色材料の紫外線照射後の断面図を示したもので
ある。
【0056】以上のように構成された紫外線感知発色素
子は、図1(a)に示すように、紫外線照射前では金属
イオンの色を呈している(塩化金酸の場合には黄色)。
一方、太陽光等の紫外線照射後には、図1(b)に示す
ように金属微粒子が不可逆的に成長して金属微粒子の表
面プラズモン吸収に基づく発色が顕著に見られるように
なる(金微粒子の場合には赤紫色)。なお、基体として
は金属フィルム、プラスチックフィルム、布、紙、ガラ
スが好ましい。
【0057】上記無機物体の表面に、ポリ3フッ化エチ
レンをスプレー塗布し、外部の水分が無機物体に侵入し
ないように保護層を形成した紫外線感知発色素子を作製
した。この紫外線感知発色素子を25℃、80%RHの
暗所に2カ月保存しても変化しなかった。
【0058】一方、直径6mmの円形に加工した紫外線
感知発色素子をエポキシ系接着剤で箱の側面に接着し
た。この箱を気温20℃、相対湿度20%RH、40%
RH、60%RH、80%RHの雰囲気中に設置し、5
00Wのクセノンランプを用いて紫外線感知発色素子に
光を照射した。その結果、いずれの雰囲気条件に置いた
素子も約10分で赤紫色に発色することがわかった。こ
の試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の表面プラズモ
ン吸収に基づく535nmにピークが見られた。
【0059】また比較例として、保護層を設けない素子
では、気温20℃、20%RHの紫外線照射により、約
12分、40%RHでは約10分、60%RHでは約7
分、80%RHでは約5分で発色が見られ湿度の影響を
うけていることがわかった。
【0060】このようなHAuCl4の光還元反応は、
エチレングリコールが存在しない場合にはまったく起こ
らなかった。
【0061】上記工程においてHAuCl4の替わりに
NaAuCl4を用いてもAu微粒子の生成が確認され
た。
【0062】また、(表1)に示した組成の金属アルコ
キシド混合溶液にHAuCl4をSiO2に対してAuが
それぞれ0.1、1、10wt%になるように添加後撹
拌して、前記と同様な方法により、厚さ200μmの無
機物体を得た。このようにして作製した無機物体の表面
にポリ3フッ化エチレンをスプレー塗布し、外部の水分
が無機物体に侵入しないように保護層を形成した紫外線
感知発色素子を作製した。この素子を直径6mmの円形
に加工し、エポキシ系接着剤で箱の側面に接着した。こ
の箱を気温20℃、相対湿度60%RHの雰囲気中に設
置し、500Wのクセノンランプを用いて紫外線感知発
色素子に光を照射した。その結果、Auが0.1の素子
では25分、1wt%の素子では10分、10wt%の
素子では3分で赤紫色に発色することがわかった。この
試料の吸収スペクトルには、Au微粒子の表面プラズモ
ン吸収に基づく535〜550nmにピークが見られ
た。このように、Auの含有量の違いにより紫外線感知
の感度を制御することができる。
【0063】また、(表1)に示した組成のゾルを用い
て、同様な方法により、Auが1wt%の、厚さ200
μmの無機物体を得た。その後、この無機物体の表面に
ポリ3フッ化エチレンをスプレー塗布し、外部の水分が
無機物体に侵入しないように保護層を形成した紫外線感
知発色素子を作製した。この素子を直径6mmの円形に
加工し、エポキシ系接着剤で箱の側面に接着した。この
箱を気温20℃、相対湿度60%RHの雰囲気中に設置
し、500Wのクセノンランプとフィルターを用いて紫
外線感知発色素子に強度の異なる光を照射した。その結
果、紫外線強度が5mW/cm2では10分で赤紫色に
なったの対し、20mW/cm2では5分で茶色がかっ
た紫色に、また、40mW/cm2では1分で茶色の発
色が明瞭に見られることがわかった。このように、同一
雰囲気条件下でも照射する紫外線強度の違いにより、発
色の色調を変化させることが可能である。
【0064】また、(表1)のゾル溶液の中でSi(O
254をAl(OC253にした場合には、上記と
同様な方法で厚さ200μmの薄い黄色を呈したゲル化
した薄板を得た。その後、この無機物体の表面にポリ3
フッ化エチレンをスプレー塗布し、外部の水分が無機物
体に侵入しないように保護層を形成し紫外線感知発色素
子を作製した。この紫外線感知発色素子を25℃、80
%RHの暗所に2カ月保存しても変化しなかった。
【0065】一方、直径6mmの円形に加工した紫外線
感知発色素子をエポキシ系接着剤で箱の側面に接着し
た。この箱を気温20℃、相対湿度20%RH、40%
RH、60%RH、80%RHの雰囲気中に設置し、5
00Wのクセノンランプを用いて紫外線感知発色素子に
光を照射した。その結果、いずれの雰囲気条件に置いた
素子も約10分で赤紫色に発色することがわかった。こ
の試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の表面プラズモ
ン吸収に基づく560nmにピークが見られた。
【0066】また、比較例として、保護層を設けない素
子では、気温20℃、20%RHでの紫外線照射によ
り、約13分、40%RHでは約10分、60%RHで
は約8分、80%RHでは約4分で発色が見られ湿度の
影響をうけていることがわかった。
【0067】このようなHAuCl4の光還元反応は、
エチレングリコールが存在しない場合にはまったく起こ
らなかった。
【0068】上記工程においてHAuCl4の替わりに
NaAuCl4を用いてもAu微粒子の生成が確認され
た。
【0069】また、(表1)のゾル溶液の中でSi(O
254をTi(OC254にした場合にも上記とほ
ぼ同様な特性を示す素子を作製することができた。
【0070】また、(表1)のゾル溶液の中で表1のゾ
ル溶液の中でHAuCl4の替わりに、H2PtCl6
AgClO4、CuCl2、SnCl2、IrCl3、Rh
Cl 3、PdCl2を用いても、上記と同様な方法で厚さ
200μmの無機物体を得た。このような種々の金属イ
オンを含む無機物体の表面にポリ3フッ化エチレンをス
プレー塗布し、外部の水分が無機物体に侵入しないよう
に保護層を形成した紫外線感知発色素子を作製した。こ
れらの素子を25℃、80%RHの暗所に2カ月保存し
ても変化しなかった。
【0071】一方、直径6mmの円形に加工した紫外線
感知発色素子をエポキシ系接着剤で箱の側面に接着し
た。この箱を気温20℃、相対湿度20%RH、80%
RHの雰囲気中に設置し、500Wのクセノンランプを
用いて紫外線感知発色素子に光を照射した。その結果、
それぞれの金属微粒子の表面プラズモン吸収に基づく発
色が約10分で見られた。
【0072】
【実施例2】下記の表に示した組成の金属アルコキシド
混合溶液にHAuCl4をSiO2に対してAuが1wt
%になるように添加後撹拌して、3日間室温で乾燥後、
60℃の温度で24時間さらに乾燥して厚さ200μm
の無機−有機複合体を得た。
【0073】
【表2】
【0074】この無機−有機複合体は透明な薄い黄色で
あった。この無機−有機複合体の表面に厚さ40μmの
塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合物(Saran樹脂)シ
ートを貼り付け、外部の水分が無機−有機複合体に侵入
しないように保護層を形成した紫外線感知発色素子を作
製した。この素子を25℃、80%RHの暗所に2カ月
保存しても変化しなかった。
【0075】一方、直径6mmの円形に加工したこの紫
外線感知発色素子をエポキシ系接着剤で箱の側面に接着
した。この箱を気温20℃、相対湿度20%RH、40
%RH、60%RH、80%RHの雰囲気中に設置し、
500Wのクセノンランプを用いて紫外線感知発色素子
に光を照射した。その結果、いずれの雰囲気条件に置い
た素子も約15分で赤紫色に発色することがわかった。
この試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の表面プラズ
モン吸収に基づく540nmにピークが見られた。
【0076】また、比較例として、保護層を設けない素
子では、気温20℃、20%RHの紫外線照射により、
約13分、40%RHでは約15分、60%RHでは約
14分、80%RHでは約7分で発色が見られ湿度の影
響をうけていることがわかった。
【0077】このようなHAuCl4の光還元反応は、
エチレングリコールが存在しない場合にはまったく起こ
らなかった。
【0078】上記工程においてHAuCl4の替わりに
NaAuCl4を用いてもAu微粒子の生成が確認され
た。
【0079】
【実施例3】下記の表に示した組成の混合溶液にHAu
Cl4を樹脂に対してAuが1wt%になるように添加
後撹拌して、80℃の温度で2時間乾燥して厚さ200
μmの樹脂体を得た。
【0080】
【表3】
【0081】この樹脂体は透明な薄い黄色であった。そ
の後、この樹脂体の表面に厚さ100μmのポリエチレ
ンテレフタレートシートをエポキシ系接着剤を用いて貼
り付け、外部の水分が樹脂体に侵入しないように保護層
を形成した紫外線感知発色素子を作製した。この素子を
25℃、80%RHの暗所に2カ月保存しても変化しな
かった。
【0082】一方、直径6mmの円形に加工した紫外線
感知発色素子をエポキシ系接着剤で箱の側面に接着し
た。この箱を気温20℃、相対湿度20%RH、40%
RH、60%RH、80%RHの雰囲気中に設置し、5
00Wのクセノンランプを用いて紫外線感知発色素子に
光を照射した。その結果、いずれの雰囲気条件に置いた
素子も約13分で赤紫色に発色することがわかった。こ
の試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の表面プラズモ
ン吸収に基づく530nmにピークが見られた。
【0083】また、比較例として、保護層を設けない素
子では、気温20℃、20%RHでは約10分、40%
RHでは約13分、60%RHでは約8分、80%RH
では約7分で発色が見られ湿度の影響をうけていること
がわかった。
【0084】このようなHAuCl4の光還元反応は、
エチレングリコールが存在しない場合にはまったく起こ
らなかった。
【0085】上記工程においてHAuCl4の替わりに
NaAuCl4を用いてもAu微粒子の生成が確認され
た。
【0086】また、(表3)の混合溶液の中で、ポリビ
ニルアルコール以外の樹脂として、ポリビニルブチラー
ル、ポリスチレン、ポリアクリル酸、アクリロニトリル
/スチレン共重合ポリマー、フッ素樹脂にした場合に
も、上記と同様な方法で厚さ200μmの薄い黄色を呈
したゲル化した薄板を得た。その後、この樹脂体の表面
に厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートシート
をエポキシ系接着剤を用いて貼り付け、外部の水分が樹
脂体に侵入しないように保護層を形成した紫外線感知発
色素子を作製した。この素子を25℃、80%RHの暗
所に2カ月保存しても変化しなかった。
【0087】一方、直径6mmの円形に加工した紫外線
感知発色素子をエポキシ系接着剤で箱の側面に接着し
た。この箱を気温20℃、相対湿度20%RH、40%
RH、60%RH、80%RHの雰囲気中に設置し、5
00Wのクセノンランプを用いて紫外線感知発色素子に
光を照射した。その結果、いずれの雰囲気条件に置いた
素子も約12分で赤紫色に発色することがわかった。こ
の試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の表面プラズモ
ン吸収に基づく530nmにピークが見られた。
【0088】また、比較例として、保護層を設けない素
子では、紫外線照射により、気温20℃、20%RHで
は約15分、40%RHでは約12分、60%RHでは
約12分、80%RHでは約7分で発色が見られ湿度の
影響をうけていることがわかった。また、用いた樹脂の
なかで特にフッ素樹脂は均一で透明なかつ機械的強度と
耐湿性に優れた樹脂体を作製することができた。
【0089】
【実施例4】実施例1の(表1)に示した組成の金属ア
ルコキシド混合溶液にHAuCl4をSiO2 に対して
Auが1wt%になるように添加後撹拌して、室温で撹
拌し、基体である厚さ50μmのステンレス鋼製の薄板
に塗布し、室温で5分間乾燥後、60℃の温度で30分
乾燥する塗布、乾燥工程を2回繰り返すことにより厚さ
約0.2μmの無機物層を薄板の表面に形成した。その
後、この無機物層の表面に厚さ100μmのポリエチレ
ンテレフタレートシートを置き、エポキシ系接着剤を用
いて鋼板とシート部分を貼り付け、外部の水分が無機物
層に侵入しないように保護層を形成した紫外線感知発色
素子を作製した。この素子を25℃、80%RHの暗所
に2カ月保存しても変化しなかった。
【0090】一方、直径6mmの円形に加工した紫外線
感知発色素子をエポキシ系接着剤で箱の側面に接着し
た。この箱を気温20℃、相対湿度20%RH、40%
RH、60%RH、80%RHの雰囲気中に設置し、5
00Wのクセノンランプを用いて紫外線感知発色素子に
光を照射した。その結果、いずれの雰囲気条件に置いた
素子も約15分で赤紫色に発色することがわかった。こ
の試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の表面プラズモ
ン吸収に基づく530nmにピークが見られた。
【0091】また、比較例として、保護層を設けない素
子では、気温20℃、20%RHでは約15分、40%
RHでは約15分、60%RHでは約14分、80%R
Hでは約11分で発色が見られ湿度の影響をうけている
ことがわかった。
【0092】
【実施例5】実施例2の(表2)に示した組成の金属ア
ルコキシド混合溶液にHAuCl4をSiO2 に対して
Auが1wt%になるように添加後、室温で撹拌し、基
体である厚さ50μmのスライドガラスに塗布し、室温
で5分間乾燥後、60℃の温度で30分乾燥する塗布、
乾燥工程を2回繰り返すことにより厚さ約0.5μmの
無機−有機複合体層をスライドガラスの表面に形成し
た。この無機−有機複合体層は透明な薄い黄色であっ
た。その後、この無機物層の表面に厚さ100μmのポ
リエチレンテレフタレートシートを置き、エポキシ系接
着剤を用いてガラスとシート部分を貼り付け、外部の水
分が無機物層に侵入しないように保護層を形成した。こ
のようにして作製した紫外線感知発色素子をを25℃、
80%RHの暗所に2カ月保存しても変化しなかった。
【0093】一方、直径6mmの円形に加工した紫外線
感知発色素子をエポキシ系接着剤で箱の側面に接着し
た。この箱を気温20℃、相対湿度20%RH、40%
RH、60%RH、80%RHの雰囲気中に設置し、5
00Wのクセノンランプを用いて紫外線感知発色素子に
光を照射した。その結果、いずれの雰囲気条件に置いた
素子も約13分で赤紫色に発色することがわかった。こ
の試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の表面プラズモ
ン吸収に基づく530nmにピークが見られた。
【0094】また、(表2)のゾル溶液の中でポリアク
リル酸をポリアクリル酸エステルまたは、ポリエチレン
オキシドにした場合には、上記と同様な方法で透明な厚
さ0.2μmの薄い黄色を呈したゲル化した無機−有機
複合体層をスライドガラスの表面に形成することができ
た。この無機−有機複合体層は透明な薄い黄色であっ
た。その後、この無機物層の表面に厚さ100μmのポ
リエチレンテレフタレートシートを置き、エポキシ系接
着剤を用いてガラスとシート部分を貼り付け、外部の水
分が無機物層に侵入しないように保護層を形成した。こ
のようにして作製した紫外線感知発色素子を25℃、8
0%RHの暗所に2カ月保存しても変化しなかった。
【0095】一方、直径6mmの円形に加工した紫外線
感知発色素子をエポキシ系接着剤で箱の側面に接着し
た。この箱を気温20℃、相対湿度20%RH、40%
RH、60%RH、80%RHの雰囲気中に設置し、5
00Wのクセノンランプを用いて紫外線感知発色素子に
光を照射した。その結果、いずれの雰囲気条件に置いた
素子も約15分で赤紫色に発色することがわかった。こ
の試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の表面プラズモ
ン吸収に基づく530nmにピークが見られた。
【0096】
【実施例6】実施例1の(表1)に示した組成の金属ア
ルコキシド混合溶液にHAuCl4をSiO2 に対して
Auが1wt%になるように添加後撹拌して、室温で撹
拌し、基体である厚さ50μmのステンレス鋼製の薄板
に塗布し、室温で5分間乾燥後、60℃の温度で30分
乾燥する塗布、乾燥工程を2回繰り返すことにより厚さ
約0.2μmの無機物層を薄板の表面に形成した。その
後、この無機物層の表面に厚さ100μmのポリエチレ
ンテレフタレートシートを置き、エポキシ系接着剤を用
いて鋼板とシート部分を貼り付け、外部の水分が無機物
層に侵入しないように保護層を形成し、さらに紫外線を
防止するためアルミ箔で素子全面を被覆した紫外線感知
発色素子を作製した。この素子を25℃、80%RHの
室内に2カ月保存しても変化しなかった。
【0097】一方、直径6mmの円形に加工した紫外線
感知発色素子をエポキシ系接着剤で箱の側面に接着し
た。この箱を気温20℃、相対湿度20%RH、40%
RH、60%RH、80%RHの雰囲気中に設置し、ア
ルミ箔を取り外した後500Wのクセノンランプを用い
て紫外線感知発色素子に光を照射した。その結果、いず
れの雰囲気条件に置いた素子も約15分で赤紫色に発色
することがわかった。この試料の吸収スペクトルにはA
u微粒子の表面プラズモン吸収に基づく530nmにピ
ークが見られた。
【0098】また、比較例として、保護層を設けない素
子では、気温20℃、20%RHでは約15分、40%
RHでは約15分、60%RHでは約15分、80%R
Hでは約11分で発色が見られ湿度の影響をうけている
ことがわかった。
【0099】また、比較例として、紫外線保護層を設け
ない素子では、気温20℃、80%RHの室内に2カ月
保存してたところ100個中2個の素子にわずかな発色
が見られた。
【0100】
【実施例7】実施例2の(表2)に示した組成の金属ア
ルコキシド混合溶液にHAuCl4をSiO2に対してA
uが1wt%になるように添加後、室温で撹拌し、基体
である厚さ50μmのスライドガラスに塗布し、室温で
5分間乾燥後、60℃の温度で30分乾燥する塗布、乾
燥工程を2回繰り返すことにより厚さ約0.5μmの無
機−有機複合体層をスライドガラスの表面に形成した。
この無機−有機複合体層は透明な薄い黄色であった。そ
の後、この無機物層の表面に厚さ100μmのポリエチ
レンテレフタレートシートを置き、エポキシ系接着剤を
用いてガラスとシート部分を貼り付け、外部の水分が無
機物層に侵入しないように保護層を形成し、さらに紫外
線を防止するため紫外線防止フィルムで素子全面を被覆
した紫外線感知発色素子を作製した。この素子を25
℃、80%RHの室内に2カ月保存しても変化しなかっ
た。
【0101】一方、この素子をエポキシ系接着剤で箱の
側面に接着した。この箱を気温20℃、相対湿度20%
RH、40%RH、60%RH、80%RHの雰囲気中
に設置し、紫外線防止フィルムを取り外した後500W
のクセノンランプを用いて紫外線感知発色素子に光を照
射した。その結果、いずれの雰囲気条件に置いた素子も
約15分で赤紫色に発色することがわかった。この試料
の吸収スペクトルにはAu微粒子の表面プラズモン吸収
に基づく530nmにピークが見られた。
【0102】また、比較例として、保護層を設けない素
子では、気温20℃、20%RHでは約15分、40%
RHでは約15分、60%RHでは約15分、80%R
Hでは約11分で発色が見られ湿度の影響をうけている
ことがわかった。
【0103】また、比較例として、紫外線保護層を設け
ない素子では、気温20℃、80%RHの室内に2カ月
保存したところ100個中4個の素子にわずかな発色が
見られた。
【0104】
【実施例8】実施例3の(表3)に示した組成の混合溶
液にHAuCl4を樹脂に対してAuが1.5wt%に
なるように添加後、室温で撹拌し、基体である厚さ50
μmのスライドガラスに塗布し、室温で5分間乾燥後、
60℃の温度で30分乾燥する塗布、乾燥工程を2回繰
り返すことにより厚さ約0.5μmの無機−有機複合体
層をスライドガラスの表面に形成した。この樹脂層は透
明な薄い黄色であった。その後、この樹脂層の表面に厚
さ100μmのポリエチレンテレフタレートシートを置
き、エポキシ系接着剤を用いてガラスとシート部分を貼
り付け、外部の水分が無機物層に侵入しないように保護
層を形成し、さらに紫外線を防止するため厚み1mmの
紙で素子全面を被覆した紫外線感知発色素子を作製し
た。この素子を25℃、80%RHの室内に2カ月保存
しても変化しなかった。
【0105】一方、この素子をエポキシ系接着剤で箱の
側面に接着した。この箱を気温20℃、相対湿度20%
RH、40%RH、60%RH、80%RHの雰囲気中
に設置し、紙を取り外した後500Wのクセノンランプ
を用いて紫外線感知発色素子に光を照射した。その結
果、いずれの雰囲気条件に置いた素子も約15分で赤紫
色に発色することがわかった。この試料の吸収スペクト
ルにはAu微粒子の表面プラズモン吸収に基づく530
nmにピークが見られた。
【0106】また、比較例として、保護層を設けない素
子では、気温20℃、20%RHでは約15分、40%
RHでは約15分、60%RHでは約15分、80%R
Hでは約9分で発色が見られ湿度の影響をうけているこ
とがわかった。
【0107】また、比較例として、紫外線保護層を設け
ない素子では、気温20℃、80%RHの室内に2カ月
保存してたところ100個中3個の素子にわずかな発色
が見られた。
【0108】
【実施例9】実施例1の(表1)に示した組成の金属ア
ルコキシド混合溶液にHAuCl4をSiO2 に対して
Auが1wt%になるように添加後、室温で撹拌し、担
体である濾紙に塗布し、室温で5分間乾燥後、60℃の
温度で30分乾燥することにより濾紙に無機物を担持し
た。この時濾紙は薄い黄色を呈していた。その後、この
濾紙を透明な厚さ100μmのポリエチレンテレフタレ
ートシート2枚で挟み込み、エポキシ系接着剤で上下の
シートをはりあわせ、外部の水分が無機物層に侵入しな
いように保護層を形成した。このようにして作製した紫
外線感知発色素子を25℃、80%RHの暗所に2カ月
保存しても変化しなかった。
【0109】一方、直径6mmの円形に加工した紫外線
感知発色素子をエポキシ系接着剤で箱の側面に接着し
た。この箱を気温20℃、相対湿度20%RH、40%
RH、60%RH、80%RHの雰囲気中に設置し、5
00Wのクセノンランプを用いて紫外線感知発色素子に
光を照射した。その結果、いずれの雰囲気条件に置いた
素子も約13分で赤紫色に発色することがわかった。こ
の試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の表面プラズモ
ン吸収に基づく530nmにピークが見られた。
【0110】
【実施例10】実施例1の(表1)に示した組成の金属
アルコキシド混合溶液にHAuCl4をSiO2 に対し
てAuが1wt%になるように添加後、室温で撹拌し、
担体であるすりガラス(片面に接着剤層を有した厚さ1
00μmのすりガラス)に塗布し、室温で5分間乾燥
後、60℃の温度で30分乾燥することにより、すりガ
ラスに無機物を担持した。この時すりガラスは薄い黄色
を呈していた。その後、このすりガラスの接着剤層が形
成されている面とは反対の面に透明な厚さ100μmの
ポリエチレンテレフタレートシートをエポキシ系接着剤
でガラスとはりあわせ、外部の水分が無機物層に侵入し
ないように保護層を形成した。このようにして作製した
紫外線感知発色素子を25℃、80%RHの暗所に2カ
月保存しても変化しなかった。
【0111】一方、この素子をエポキシ系接着剤で箱の
側面に接着した。この箱を気温20℃、相対湿度20%
RH、40%RH、60%RH、80%RHの雰囲気中
に設置し、500Wのクセノンランプを用いて紫外線感
知発色素子に光を照射した。その結果、いずれの雰囲気
条件に置いた素子も約10分で赤紫色に発色することが
わかった。この試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の
表面プラズモン吸収に基づく530nmにピークが見ら
れた。
【0112】
【実施例11】実施例2の(表2)に示した組成の金属
アルコキシド混合溶液にHAuCl4をSiO2 に対し
てAuが1wt%になるように添加後、室温で撹拌し、
担体である白いガラステープ(片面に接着剤層を有した
厚さ100μmのガラス繊維布からなるテープ)に塗布
し、室温で5分間乾燥後、60℃の温度で30分乾燥し
て無機−有機複合体を白いガラステープ表面に担持し
た。この時、ガラステープは透明な薄い黄色となった。
その後、このガラステープの接着剤層が形成されている
面とは反対の面に透明な厚さ100μmのポリエチレン
テレフタレートシートをエポキシ系接着剤でガラステー
プとはりあわせ、外部の水分が無機−有機複合体に無機
物層に侵入しないように保護層を形成した。このように
して作製した紫外線感知発色素子を25℃、80%RH
の暗所に2カ月保存しても変化しなかった。
【0113】一方、この素子をエポキシ系接着剤で箱の
側面に接着した。この箱を気温20℃、相対湿度20%
RH、40%RH、60%RH、80%RHの雰囲気中
に設置し、500Wのクセノンランプを用いて紫外線感
知発色素子に光を照射した。その結果、いずれの雰囲気
条件に置いた素子も約13分で赤紫色に発色することが
わかった。
【0114】
【実施例12】実施例3の(表3)に示した組成の混合
溶液にAuHCl4を樹脂に対してAuが2wt%にな
るように添加後、室温で撹拌し、担体である濾紙に塗布
し、室温で5分間乾燥後、60℃の温度で30分乾燥す
ることにより、濾紙に樹脂物を担持した。この時濾紙は
薄い黄色を呈していた。その後、この濾紙を透明な厚さ
100μmのポリエチレンテレフタレートシート2枚で
挟み込み、エポキシ系接着剤で上下のシートをはりあわ
せ、外部の水分が濾紙に侵入しないように保護層を形成
した。このようにして作製した紫外線感知発色素子を2
5℃、80%RHの暗所に2カ月保存しても変化しなか
った。
【0115】一方、直径6mmの円形に加工した紫外線
感知発色素子をエポキシ系接着剤で箱の側面に接着し
た。この箱を気温20℃、相対湿度20%RH、40%
RH、60%RH、80%RHの雰囲気中に設置し、5
00Wのクセノンランプを用いて紫外線感知発色素子に
光を照射した。その結果、いずれの雰囲気条件に置いた
素子も約16分で赤紫色に発色することがわかった。こ
の試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の表面プラズモ
ン吸収に基づく530nmにピークが見られた。
【0116】
【実施例13】実施例3の(表3)に示した組成の混合
溶液にAuHCl4 を樹脂に対してAuが2wt%にな
るように添加後、室温で撹拌し、担体である濾紙に塗布
し、室温で5分間乾燥後、60℃の温度で30分乾燥す
ることにより、濾紙に樹脂物を担持した。この時濾紙は
薄い黄色を呈していた。その後、この濾紙を透明な厚さ
500μmのポリエチレンテレフタレートシートとポリ
エチレン(50μm)/アルミ薄膜(10オングストロ
ーム)/ブチラール樹脂の多層構造からなるシートで挟
み込み、感熱材料の周囲にのみ短時間熱圧着し上下のシ
ートをはりあわせ、外部の水分が濾紙に侵入しないよう
に保護層を形成した。このようにして作製した紫外線感
知発色素子を25℃、80%RHの暗所に2カ月保存し
ても変化しなかった。
【0117】一方、直径6mmの円形に加工した紫外線
感知発色素子をエポキシ系接着剤で箱の側面に接着し
た。この箱を気温20℃、相対湿度20%RH、40%
RH、60%RH、80%RHの雰囲気中に設置し、5
00Wのクセノンランプを用いて紫外線感知発色素子に
光を照射した。その結果、いずれの雰囲気条件に置いた
素子も約15分で赤紫色に発色することがわかった。こ
の試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の表面プラズモ
ン吸収に基づく530nmにピークが見られた。
【0118】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、紫
外線照射により不可逆的に成長する微小金属微粒子を無
機物層、無機−有機複合体層または樹脂層中に分散させ
て紫外線感知発色層とし、この紫外線感知発色層を湿度
から保護する層を形成しているため、外部の湿度の影響
を受けずに紫外線によって不可逆的に微小金属微粒子が
成長することにより紫外線感知発色層が発色し、紫外線
照射の有無や強度を知ることができる。また、本発明に
よれば、紫外線照射により不可逆的に成長する微小金属
微粒子を無機物層、無機−有機複合体層または樹脂層中
に分散させて紫外線感知発色層とし、この紫外線感知発
色層を湿度および保存時の紫外線から保護する層を形成
しているため、外部の湿度や紫外線の影響を受けずに使
用時に紫外線によってのみ不可逆的に微小金属微粒子が
成長することにより紫外線感知発色層が発色し、紫外線
照射の有無や強度を知ることができる。
【0119】なお、無機物層を構成する無機物として酸
化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタンから選ばれる少
なくとも1つである好ましい例によれば、このような無
機物は、物理的、化学的に安定であり、しかも広い波長
領域において光学的に透明であるため、よりコントラス
トの高い安定な紫外線感知発色素子を提供することがで
きる。
【0120】また、無機−有機複合体を構成する無機物
として酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタンから選
ばれる少なくとも1つであり、有機物としてポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリエチレンオキシド
から選ばれる少なくとも1つである好ましい例によれ
ば、このような無機−有機複合体は、物理的、化学的に
安定であり、しかも広い波長領域において光学的に透明
であるため、よりコントラストの高い安定な紫外線感知
発色素子を提供することができる。
【0121】さらに、樹脂体が、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ポリスチ
レン、アクリロニトリル/スチレン共重合ポリマー、フ
ッ素樹脂から選ばれる少なくとも1つである好ましい例
によれば、このような樹脂は、化学的に安定であり、均
一な紫外線感知発色素子を提供することができる。
【0122】また、微小金属微粒子が、金、白金、銀、
銅、錫、ロジウム、パラジウムまたはイリジウムから選
ばれる少なくとも1つである好ましい例によれば、この
ような金属は、他の金属に比べて容易に微粒子化するこ
とが可能で、また、酸化されにくく安定であり、また、
表面プラズモン吸収に基づく顕著な発色を示すので、よ
りコントラストの高い安定な紫外線感知発色素子を提供
することができる。
【0123】また、保護層に用いる撥水性樹脂や低透湿
度の樹脂としては、ポリ4フッ化エチレン、ポリ3フッ
化エチレン、ポリフッ化ビニルなどのフッ素系樹脂、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニリデン−塩化ビ
ニル共重合物(Saran樹脂)、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体(エバール樹脂)、またはポリエチレンテ
レフタレートを用いると耐湿性に優れた信頼性の高い紫
外線感知発色素子を提供することができる。
【0124】また、紫外線保護層に用いる層が紫外線を
完全に遮断する金属箔、紙、プラスチックス、紫外線防
止フェイルムを用いると保存性に優れた信頼性の高い紫
外線感知発色素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(b)は本発明の一実施の形態におけ
る感熱発色素子の概略断面説明図。
【図2】(a)〜(b)は本発明の別の実施の形態にお
ける感熱発色素子の概略断面説明図。
【図3】(a)〜(b)は本発明のさらに別の実施の形
態における感熱発色素子の概略断面説明図。
【図4】(a)〜(b)は従来の感熱発色材料の断面説
明図。
【符号の説明】
1 金属イオン 2 金属微粒子 3 マトリックス材料 4 基体 5 保護層(湿度) 6 保護層(紫外線) 7 接着剤層 10,11,12 感熱発色素子 21 金属イオン 22 金属微粒子 23 マトリックス材料

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線照射により金属イオンから不可逆
    的に微小金属微粒子に成長する発色材料を含む紫外線感
    知発色材料層を有する紫外線感知発色素子であって、前
    記紫外線感知発色材料層の外側に湿度から保護する保護
    層を形成したことを特徴とする紫外線感知発色素子。
  2. 【請求項2】 紫外線感知発色材料層にさらにマトリッ
    クス物質を含み、前記マトリックス物質が、無機物、無
    機−有機複合体および樹脂から選ばれる少なくとも一つ
    の物質である請求項1に記載の紫外線感知発色素子。
  3. 【請求項3】 湿度から保護する保護層のさらにその表
    面に取り外し可能な紫外線防止層を形成した請求項1ま
    たは2に記載の紫外線感知発色素子。
  4. 【請求項4】 微小金属微粒子の分散濃度により紫外線
    感知感度を制御する請求項1〜3のいずれかに記載の紫
    外線感知発色素子。
  5. 【請求項5】 紫外線強度により紫外線感知発色材料層
    の色調を変化させる請求項1〜3のいずれかに記載の紫
    外線感知発色素子。
  6. 【請求項6】 紫外線感知発色材料層が基体上に形成さ
    れ、前記基体が、金属フィルム、プラスチックフィル
    ム、布、紙およびガラスから選ばれる少なくとも一つで
    ある請求項1〜5のいずれかに記載の紫外線感知発色材
    料感熱発色素子。
  7. 【請求項7】 紫外線感知発色材料層が片面に接着剤層
    を有した担体に担持され、前記担体が、金属フィルム、
    プラスチックフィルム、布、紙およびガラスから選ばれ
    る少なくとも一つである請求項1〜5のいずれかに記載
    の紫外線感知発色素子。
  8. 【請求項8】 紫外線感知発色材料層の無機物が、酸化
    珪素、酸化アルミニウムおよび酸化チタンから選ばれる
    少なくとも一つである請求項2に記載の紫外線感知発色
    素子。
  9. 【請求項9】 無機−有機複合体層の無機物が、酸化珪
    素、酸化アルミニウム、酸化チタンから選ばれる少なく
    とも一つであり、有機物がポリアクリル酸、ポリアクリ
    ル酸エステルおよびポリエチレンオキシドから選ばれる
    少なくとも一つである請求項2に記載の紫外線感知発色
    素子。
  10. 【請求項10】 樹脂層が、ポリビニルアルコール、ポ
    リビニルブチラール、ポリスチレン、ポリアクリル酸、
    アクリロニトリル−スチレン共重合ポリマーおよびフッ
    素樹脂ら選ばれる少なくとも一つのポリマーである請求
    項2に記載の紫外線感知発色素子。
  11. 【請求項11】 微小金属微粒子が、金、白金、銀、
    銅、錫、ロジウム、パラジウムおよびイリジウムから選
    ばれる少なくとも一つの粒子である請求項1に記載の紫
    外線感知発色素子。
  12. 【請求項12】 微小金属微粒子の重量平均粒子径が1
    〜50nmの範囲である請求項1に記載の紫外線感知発
    色素子。
  13. 【請求項13】 微小金属微粒子がマトリックス中に
    0.01〜20重量%の範囲添加されている請求項2に
    記載の紫外線感知発色素子。
  14. 【請求項14】 湿度から紫外線感知発色材料を保護す
    る層が、膜状またはテープ状の撥水性樹脂、低透湿度樹
    脂、ガラス、セラミックスおよび樹脂−無機物複合材料
    から選ばれる少なくとも一つの層である請求項1に記載
    の感熱発色素子。
  15. 【請求項15】 紫外線から紫外線感知発色材料層を保
    護する層が金属箔、紙、プラスチックスおよび紫外線防
    止フィルムから選ばれる少なくとも一つの層である請求
    項3に記載の感熱発色素子。
  16. 【請求項16】 紫外線照射により金属イオンから不可
    逆的に微小金属微粒子に成長する発色材料を含む紫外線
    感知発色材料層を有する紫外線感知発色素子の製造方法
    であって、紫外線とアルコールにより還元されて微小金
    属微粒子となる金属イオンを含有した金属アルコキシド
    と、水とアルコールからなるゾルを加水分解反応により
    無機物とし、さらに前記無機物の表面に湿度から保護す
    る保護層を設けることを特徴とする紫外線感知発色素子
    の製造方法。
  17. 【請求項17】 紫外線照射により金属イオンから不可
    逆的に微小金属微粒子に成長する発色材料と、マトリッ
    クス物質を含む紫外線感知発色材料層を有する紫外線感
    知発色素子の製造方法であって、紫外線とアルコールに
    より還元されて微小金属微粒子となる金属イオンを含有
    した金属アルコキシドと有機物の混合体を水とアルコー
    ルからなる混合溶媒に溶かし、加水分解反応または加水
    分解反応と重合反応により無機−有機複合体とし、さら
    に前記無機−有機複合体の表面に湿度から保護する保護
    層を設けることを特徴とする紫外線感知発色素子の製造
    方法。
  18. 【請求項18】 紫外線照射により金属イオンから不可
    逆的に微小金属微粒子に成長する発色材料と、マトリッ
    クス物質を含む紫外線感知発色材料層を有する紫外線感
    知発色素子の製造方法であって、紫外線とアルコールに
    より還元されて微小金属微粒子となる金属イオンと樹脂
    を水とアルコールからなる混合溶媒に溶かし、混合溶液
    から樹脂体を形成し、さらに前記樹脂体を湿度から保護
    する保護層を設けることを特徴とする紫外線感知発色素
    子の製造方法。
  19. 【請求項19】 紫外線照射により金属イオンから不可
    逆的に微小金属微粒子に成長する発色材料を含む紫外線
    感知発色材料層を有する紫外線感知発色素子の製造方法
    であって、紫外線とアルコールにより還元されて微小金
    属微粒子となる金属イオンを含有した金属アルコキシド
    と水とアルコールからなるゾルを加水分解反応により基
    体表面に無機物層を形成し、さらに無機物層を湿度から
    保護する保護層を設けることを特徴とする紫外線感知発
    色素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 紫外線照射により金属イオンから不可
    逆的に微小金属微粒子に成長する発色材料と、マトリッ
    クス物質を含む紫外線感知発色材料層を有する紫外線感
    知発色素子の製造方法であって、紫外線とアルコールに
    より還元されて微小金属微粒子となる金属イオンを含有
    した金属アルコキシドと有機物の混合体を水とアルコー
    ルからなる混合溶媒に溶かし、加水分解反応または加水
    分解反応と重合反応により基体表面に無機/有機複合体
    層を形成し、さらに前記無機/有機複合体層を湿度から
    保護する保護層を設けることを特徴とする紫外線感知発
    色素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 紫外線照射により金属イオンから不可
    逆的に微小金属微粒子に成長する発色材料と、マトリッ
    クス物質を含む紫外線感知発色材料層を有する紫外線感
    知発色素子の製造方法であって、紫外線とアルコールに
    より還元されて微小金属微粒子となる金属イオンと樹脂
    を水とアルコールからなる混合溶媒に溶かし、混合溶液
    から基体表面に樹脂層を形成し、さらに前記樹脂層を湿
    度から保護する保護層を設けることを特徴とする紫外線
    感知発色素子の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項16〜21のいずれかに記載の
    製造方法であって、基体の少なくとも片面に接着剤層を
    有した担体に紫外線感知発色材料を担持させる紫外線感
    知発色素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項16〜21のいずれかに記載の
    製造方法であって、保護層の表面に、さらに取り外し可
    能な紫外線防止層を設ける紫外線感知発色素子の製造方
    法。
  24. 【請求項24】 無機物層、無機/有機複合体層または
    樹脂層を、浸漬法、塗布法およびスピンコート法から選
    ばれる少なくとも1つの方法を用いて、基体表面に形成
    または担持する請求項16〜22のいずれかに記載の紫
    外線感知発色素子の製造方法。
  25. 【請求項25】 紫外線感知発色層を湿度から保護する
    保護層を、塗布法またはスピンコート法から選ばれる少
    なくとも1つの方法を用いて形成する請求項16〜22
    のいずれかに記載の紫外線感知発色素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011057203A (ja) * 2009-08-14 2011-03-24 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
EP2548912A1 (en) * 2010-03-19 2013-01-23 Nippon Steel Chemical Co., Ltd. Metal microparticle composite

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