JPH10111174A - 紫外線感知発色材料およびその製造方法 - Google Patents

紫外線感知発色材料およびその製造方法

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JPH10111174A
JPH10111174A JP26428396A JP26428396A JPH10111174A JP H10111174 A JPH10111174 A JP H10111174A JP 26428396 A JP26428396 A JP 26428396A JP 26428396 A JP26428396 A JP 26428396A JP H10111174 A JPH10111174 A JP H10111174A
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ultraviolet
fine particles
metal
alcohol
inorganic
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JP26428396A
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English (en)
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Ichiro Tanahashi
一郎 棚橋
Takao Toda
隆夫 任田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線照射により不可逆的に発色する紫外線
感知発色材料を提供することを目的とする。 【解決手段】 ゾルーゲル法により、0.8wt%のA
uとエチレングリコールを含んだ厚さ100μmの無機
物体を作製し、この無機物体を基体3に接着剤4を用い
て接着させ、太陽光に1時間曝した。太陽光中の紫外線
により、Au微粒子の成長による表面プラズモン吸収に
基づく茶色の発色が見られ、この反応は不可逆反応であ
った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属微粒子の表面
プラズモン吸収による発色を利用した紫外線感知発色材
料に関するものであり、紫外線の照射の有無や強度の測
定に用いるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紫外線検出装置としては、例えば
特開昭59−67428号公報に開示されているものが
ある。この技術は、第1の基板に一定の間隔で対向配置
された第2の基板を設け、第1または第2のいずれかの
基板に遷移金属酸化物の層を形成し、両基板間に電解液
を注入して構成されている。
【0003】また、他の例としては、実開平5−203
7号公報に開示されているものがある。この紫外線検出
カードはシートの上に、紫外線により色が変化する所定
のパターンを有する塗布膜を有し、この塗布膜が粉末状
の無機フォトクロミック材料とバインダーから構成され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
紫外線検出装置では、次のような課題がある。
【0005】すなわち、紫外線感知発色材料が発色する
ためには、強い紫外線(具体的には直射日光等)照射が
必要である。また、材料に電解液を使用しているため漏
液があり高い信頼性が得られない。さらに、無機フォト
クロミック材料とバインダーから構成されている塗布膜
では、明瞭な発色特性を得るために多量の無機フォトク
ロミック材料が必要である(通常フォトクロミック材料
には重金属が含有されているため、環境面を考えると、
多量のフォトクロミック材料を用いることは望ましくな
い)ばかりでなく、膜の付着強度も十分でない。また種
々の形状を有する基材に膜を形成することも困難であ
る。
【0006】さらに、同じ紫外線感知発色材料を用いて
紫外線強度の違いにより、発色の色調を変化させること
ができない。
【0007】そこで本発明は、上記の問題点を解決すべ
く、わずかな紫外線によっても発色する信頼性の高い紫
外線感知発色材料を提供することを主な目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の紫外線感知発色材料は、紫外線照射によ
り不可逆的に無機物体、無機/有機複合体または樹脂体
に含有した金属イオンから金属微粒子が成長することに
より、基体に接着した無機物体、無機/有機複合体また
は樹脂体が発色する構成となっている。
【0009】なお、上記の無機物体を構成する無機物と
して酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタンから選ば
れる少なくとも1つであることが好ましい。また、無機
/有機複合体を構成する無機物として酸化珪素、酸化ア
ルミニウム、酸化チタンから選ばれる少なくとも1つで
あり、有機物としてポリアクリル酸、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリエチレンオキシドから選ばれる少なくとも
1つであることが好ましい。さらに、樹脂が、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、
アクリロニトリル/スチレン共重合ポリマー、フッ素樹
脂から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
【0010】また、本発明の紫外線感知発色材料におい
て、金属微粒子が、金、白金、銀、銅、錫、ロジウム、
パラジウムまたはイリジウムから選ばれる少なくとも1
つであることが好ましい。さらに、本発明の紫外線感知
発色材料において、基体が金属フィルム、プラスチック
フェルム、布、紙、ガラスから選ばれる少なくとも一つ
であることが好ましい。
【0011】次に本発明の紫外線感知発色材料の製造方
法は、例えば、紫外線とアルコールにより還元されて金
属微粒子となる金属イオンを含有した金属アルコキシド
を水とアルコールとを有する混合溶媒に溶かし、加水分
解反応により前記金属イオンとアルコールを含有した無
機物体とし、その後、前記無機物体を基体に接着する構
成を備えたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
る紫外線感知発色材料ついて、図1を参照しながら説明
する。
【0013】図1は、本発明の実施の形態における紫外
線感知発色材料の構成を示す断面図であり、図1
(a)、(b)において、1は金属微粒子、2はマトリ
ックスである無機物体、無機/有機複合体体あるいは樹
脂体、3は基体、4はアクリル系樹脂等の接着剤であ
る。そして、図1(a)は、本発明の実施の形態におけ
る紫外線感知発色材料が紫外線に曝されていない状態を
示したものであり、図1(b)は、紫外線感知発色材料
が紫外線に曝された後の状態を示したものである。
【0014】以上のように構成された紫外線感知発色材
料は、図1(a)に示すように、紫外線に曝されていな
い状態では金属微粒子がまったく生成していないため金
属イオンの吸収に基づくわずかな着色(塩化金酸イオン
では薄い黄色)が見られる。一方、紫外線に曝される
と、図1(b)に示すように金属微粒子1が不可逆的に
生成して金属微粒子の表面プラズモン吸収に基づく発色
が(金属微粒子が金イオンの場合は濃い紫色〜茶色)顕
著に見られる。本発明のように金属微粒子がイオンの状
態で分散されていると、紫外線により容易にイオン状態
でない金属微粒子になりその後金属微粒子が成長するた
め、感度よく紫外線を感知することができる。なお、上
記の基体3としては金属フィルム、プラスチックフェル
ム、布、紙、ガラス等を用いることが好ましい。
【0015】次に、図2は、基体に直接紫外線感知発色
材料層を形成した本発明の他の構成を示す断面図であ
り、図2(a)、(b)において、1は金属微粒子、2
はマトリックスである無機物体、無機/有機複合体体あ
るいは樹脂体、3は基体である。図2においても、上記
の図1の場合と同様に、図2(a)が本実施の形態にお
ける紫外線感知発色材料が紫外線に曝されていない状態
を示したもの、一方、図2(b)が紫外線感知発色材料
が紫外線に曝された後の状態を示したものである。
【0016】以上のように、本実施の形態によれば、金
属微粒子の表面プラズモン吸収を利用して、金属微粒子
を不可逆的に生成させて発色させることにより、容易に
紫外線の検出を行うことができる。
【0017】なお、マトリックス中の金属微粒子の含有
量は、特に限定するものではないが、粒径制御の容易
な、また、微粒子の凝集等が生じ難い、0.01〜20
wt%程度、好ましくは0.05〜10wt%程度がよ
い。これは、もし凝集が生じると、感熱体の一部分だけ
が濃く色変化を起こすことになるため、紫外線に曝され
たかどうかを正確に確認することができなくなることを
配慮したものである。
【0018】また、成長後の金属微粒子の平均粒径は、
種類により異なるが、例えば通常1nm〜50nmの範
囲が好ましく、特に粒径の分布を小さくして均一な着色
のためには3nm〜30nmの範囲がより好ましい。
【0019】さらに、金属微粒子が、金、白金、銀、
銅、錫、ロジウム、パラジウムまたはイリジウムから選
ばれる少なくとも1つであるという本発明の好ましい例
によれば、これらの金属は、表面プラズモン吸収に基づ
く発色を示し、他の金属に比べて酸素やその他の不純物
による影響を受け難く、比較的純粋な金属微粒子を析出
させることができるので、優れた紫外線感知発色特性を
示す材料を実現することが可能となる。
【0020】また、本発明の紫外線感知発色材料に用い
られるマトリックスとして、ゾルーゲル法を用いて作製
された無機物体を用いる場合、無機物体としては、化学
的に安定でありかつ光学的に広い波長範囲で透明なシリ
カゲル、アルミナゲル、チタニアゲルが好ましい。ま
た、マトリックスとしてゾルーゲル法を用いて作製され
た無機/有機複合体の無機物としては、化学的に安定で
ありかつ光学的に広い波長範囲で透明なシリカゲル、ア
ルミナゲル、チタニアゲルが好ましい。また、有機物と
しては、ゾルーゲル法で用いる金属アルコキシドと安定
に存在し、透明で均一な複合体が得られるポリアクリル
酸、ポリアクリル酸エステル、ポリエチレンオキシドが
好ましい。無機/有機複合体において、その混合比は特
に限定するものではないが、有機物を無機物に比べて重
量比で50%以下であることが好ましい。
【0021】前記ゾルーゲル法とは、ゾル状の金属の低
級アルコキシドを加水分解し、ゲル化させ、加熱するこ
とによりガラスあるいはセラミックス状にする方法であ
る。
【0022】上記した金属アルコキシドの代表的な具体
例をあげると、シリコンのメトキシドやエトキシド等の
シリコンの低級アルコキシド類、アルミニウムのメトキ
シドやエトキシド等のアルミニウムの低級アルコキシ
ド、あるいはチタンのメトキシドやエトキシド等のチタ
ンの低級アルコキシド類類があげられる。また、ゾルの
分散媒としては水および/またはメタノール、エタノー
ル、プロパノールあるいは二価アルコールのエチレング
リコール、プロピレングリコールを用い、通常触媒とし
て塩酸やアンモニアを加えて加水分解する。
【0023】さらに、上記無機物体あるいは無機/有機
複合体の乾燥時に生ずる亀裂の発生や発泡を防止する乾
燥抑制剤としてフォルムアミドやジメチルフォルムアミ
ドを用いることが好ましい。
【0024】また、樹脂体や樹脂層が、化学的に安定で
あり、アルコールや水分を含有することが可能で、均一
に大きな面積の被覆層を形成できるポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、アクリロニ
トリル/スチレン共重合ポリマー、フッ素樹脂を用いる
ことが好ましい。
【0025】さらに、無機物体、無機/有機複合体や樹
脂体中に分散して紫外線とアルコールとにより、金属微
粒子になる金属の塩としては、HAuCl4、NaAu
Cl4、H2PtCl6、AgClO4、CuCl2、Sn
Cl2、IrCl3、RhCl3、PdCl2が好ましい。
【0026】以下本発明の具体的な実施例について説明
する。 (実施例1)下記の表に示した組成の金属アルコキシド
混合溶液にHAuCl4をSiO2に対してAuが0.8
wt%になるように添加後撹拌して、2日間室温で乾燥
後、60℃の温度で48時間さらに乾燥して厚さ100
μmの無機ゲル体を得た。
【0027】
【表1】
【0028】この無機ゲル体は透明な薄い黄色であっ
た。そして、エチレン−酢酸ビニルコポリマー樹脂シー
ト/アルミニウム箔/ポリエチレンシートの3層構造か
らなるシートを用いてビール瓶の一部を覆い、このシー
トの外側表面に直径6mmの円形に加工した上記の無機
ゲル体を5個エポキシ系接着剤を用いて直列に並べて接
着した。このビール瓶を屋外の太陽光の当たる場所に1
時間放置した(この時気温は29℃であった)。する
と、数分で発色(茶色がかった紫色)が始まり45分後
には鮮明な茶色になった。これは太陽光中の紫外線によ
り、塩化金酸イオンが還元され、時間とともにAu微粒
子が成長したことにより微粒子の表面プラズモン吸収が
明瞭になったためである。また、一度着色したAu微粒
子/シリカゲルからなる紫外線感知発色部分の色は再度
暗所に放置して紫外線を遮断しても消えることはなかっ
た。従って、ビールが輸送時あるいは保存時に紫外線に
曝されていないかどうかを確認することが可能で、ビー
ル等の輸送、保存状態を知ることができる。
【0029】このようなHAuCl4の光還元反応は、
エチレングリコールが存在しない場合にはまったく起こ
らなかった。また、室温で生成したAu微粒子の平均粒
径は5〜10nmであり粒径分布も小さいことがわかっ
た。また、この試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の
表面プラズモン吸収に基づく525nmにピークが見ら
れた。なお、無機ゲル体にシリカを用いると、複合体は
安定性に優れており、またコスト的にも非常に有利であ
る。また、上記工程においてHAuCl4の替わりにN
aAuCl4を用いてもAu微粒子の生成が確認され
た。
【0030】また、(表1)に示した組成の金属アルコ
キシド混合溶液にHAuCl4をSiO2に対してAuが
0.1、3、10wt%になるように添加後撹拌して、
上記と同様な方法により、厚さ100μmの無機ゲル体
を得た。このようにして作製した無機ゲル体を上記と同
様、ビール瓶に被覆したシートの外側表面に張り付け
た。そして、このビール瓶を太陽光の下に3時間放置し
た。すると、Auが0.1wt%の試料では、約1.5
時間後に茶色の発色が明瞭に見られたのに対して、Au
が3wt%の試料では、20分で、また、10wt%の
試料では、5分で発色が明瞭に見られた。このように、
Auの分散量濃度の違いにより紫外線感知感度を制御す
ることができる。
【0031】また、(表1)に示した組成のゾルを用い
て、同様な方法により、Auが0.8wt%、厚さ10
0μmの無機ゲル体を得た。このようにして作製した無
機ゲル体を上記と同様、ビール瓶に被覆したシートの外
側表面に張り付けた。そして、このビール瓶を太陽光の
下に10時間(25℃)放置では、茶色であったの対
し、屋外の日陰に10時間(25℃)放置では紫色に、
また、室内の直射日光が当たらないところに10時間
(25℃)放置では、赤紫色の発色が明瞭に見られた。
このように、紫外線強度の違いにより、発色の色調を変
化させることが可能である。
【0032】また、(表1)のゾル溶液の中でSi(O
C2H5)4をAl(OC2H5)3にした場合には、上記と
同様な方法で厚さ100μmの薄い黄色を呈したアルミ
ナを含むゲル体を得た。そして、エチレン−酢酸ビニル
コポリマー樹脂シート/アルミニウム箔/ポリエチレン
シートの3層構造からなるシートでビール瓶の一部を覆
い、このシートの外側表面に直径6mmの円形に加工し
た無機ゲル体を5個エポキシ系接着剤を用いて直列に並
べて接着した。このビール瓶を屋外の太陽光の当たる場
所に1時間放置した(この時気温は29℃であった)。
すると、数分で発色(茶色がかった紫色)が始まり40
分後には鮮明な茶色になった。これは太陽光中の紫外線
により、塩化金酸イオンが還元され、時間とともにAu
微粒子が成長したことにより微粒子の表面プラズモン吸
収が明瞭になったためである。また、一度着色したAu
微粒子/アルミナゲルからなる紫外線感知発色部分の色
は再度暗所に放置して紫外線を遮断しても消えることは
なかった。従って、ビールが輸送時あるいは保存時に紫
外線に曝されていないかどうかを確認することが可能
で、ビール等の輸送、保存状態を知ることができる。
【0033】また、(表1)のゾル溶液の中でSi(O
C2H5)4をTi(OC2H5)4にした場合には、上記と
同様な方法で厚さ100μmの薄い黄色を呈したチタニ
アを含むゲル体を得た。そして、エチレン−酢酸ビニル
コポリマー樹脂シート/アルミニウム箔/ポリエチレン
シートの3層構造からなるシートでビール瓶の一部を覆
い、このシートの外側表面に直径6mmの円形に加工し
た無機ゲル体を5個エポキシ系接着剤を用いて直列に並
べて接着した。このビール瓶を屋外の太陽光の当たる場
所に1時間放置した(この時気温は29℃であった)。
すると、数分で発色(茶色がかった紫色)が始まり50
分後には鮮明な茶色になった。これは太陽光中の紫外線
により、塩化金酸イオンが還元され、時間とともにAu
微粒子が成長したことにより微粒子の表面プラズモン吸
収が明瞭になったためである。また、一度着色したAu
微粒子/チタニアゲルからなる紫外線感知発色部分の色
は再度暗所に放置して紫外線を遮断しても消えることは
なかった。従って、ビールが輸送時あるいは保存時に紫
外線に曝されていないかどうかを確認することが可能
で、ビール等の輸送、保存状態を知ることができる。
【0034】また、(表1)のゾル溶液の中で表1のゾ
ル溶液の中でHAuCl4の替わりに、H2PtCl6、
AgClO4、CuCl2、SnCl2、IrCl3、Rh
Cl3、PdCl2を用いても、上記と同様な方法で厚さ
100μmの無機ゲル体を得た。そして、エチレン−酢
酸ビニルコポリマー樹脂シート/アルミニウム箔/ポリ
エチレンシートの3層構造からなるシートでビール瓶の
一部を覆い、このシートの外側表面に直径6mmの円形
に加工した無機ゲル体を5個エポキシ系接着剤を用いて
直列に並べて接着した。このビール瓶を屋外の太陽光の
当たる場所に1時間放置した(この時気温は29℃であ
った)。すると、数分で発色(茶色がかった紫色)が始
まり50分後には鮮明な茶色になった。これは太陽光中
の紫外線により、塩化金酸イオンが還元され、時間とと
もにAu微粒子が成長したことにより微粒子の表面プラ
ズモン吸収が明瞭になったためである。また、一度着色
したAu微粒子/チタニアゲルからなる紫外線感知発色
部分の色は再度暗所に放置して紫外線を遮断しても消え
ることはなかった。従って、ビールが輸送時あるいは保
存時に紫外線に曝されていないかどうかを確認すること
が可能で、ビール等の輸送、保存状態を知ることができ
る。種々の金属微粒子の中では、Au微粒子を用いた紫
外線感知発色材料による発色が最もコントラストが高く
鮮明であった。
【0035】(実施例2)下記の表に示した組成の金属
アルコキシド混合溶液にHAuCl4をSiO2に対して
Auが0.8wt%になるように添加後撹拌して、2日
間室温で乾燥後、60℃の温度で48時間さらに乾燥し
て厚さ100μmの無機/有機複合体を得た。
【0036】
【表2】
【0037】そして、エチレン−酢酸ビニルコポリマー
樹脂シート/アルミニウム箔/ポリエチレンシートの3
層構造からなるシートを用いてビール瓶の一部を覆い、
このシートの外側表面に直径6mmの円形に加工した無
機/有機複合体を5個エポキシ系接着剤を用いて直列に
並べて接着した。このビール瓶を屋外の太陽光の当たる
場所に1時間放置した(この時気温は29℃であっ
た)。すると、数分で発色(茶色がかった紫色)が始ま
り30分後には鮮明な茶色になった。これは太陽光中の
紫外線により、塩化金酸イオンが還元され、時間ととも
にAu微粒子が成長したことにより微粒子の表面プラズ
モン吸収が明瞭になったためである。また、一度着色し
たAu微粒子/(無機/有機複合体)からなる紫外線感
知発色部分の色は再度暗所に放置して紫外線を遮断して
も消えることはなかった。従って、ビールが輸送時ある
いは保存時に紫外線に曝されていないかどうかを確認す
ることが可能で、ビール等の輸送、保存状態を知ること
ができる。
【0038】このようなHAuCl4の光還元反応は、
エチレングリコールが存在しない場合にはまったく起こ
らなかった。また、室温で生成したAu微粒子の平均粒
径は7〜10nmであり粒径分布も小さいことがわかっ
た。また、この試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の
表面プラズモン吸収に基づく535nmにピークが見ら
れた。なお、無機/有機複合体の無機材料にシリカを用
いると、複合体は安定性に優れており、またコスト的に
も非常に有利である。また、上記工程においてHAuC
l4の替わりにNaAuCl4を用いてもAu微粒子の生
成が確認された。
【0039】また、(表2)に示した組成の金属アルコ
キシド混合溶液にHAuCl4をSiO2に対してAuが
0.1、3、10wt%になるように添加後撹拌して、
前記と同様な方法により、厚さ100μmの無機/有機
複合体を得た。このようにして作製した無機/有機複合
体を上記と同様、ビール瓶に被覆したシートの外側表面
に張り付けた。そして、このビール瓶を太陽光の下に2
時間放置した。すると、Auが0.1wt%の試料で
は、約1時間後に茶色の発色が明瞭に見られたのに対し
て、Auが3wt%の試料では、15分で、また、10
wt%の試料では、2分で発色が明瞭に見られた。この
ように、Auの分散量濃度の違いにより紫外線感知感度
を制御することができる。
【0040】また、(表2)に示した組成のゾルを用い
て、同様な方法により、Auが0.8wt%、厚さ10
0μmの無機/有機複合体を得た。このようにして作製
した無機/有機複合体を上記と同様、ビール瓶に被覆し
たシートの外側表面に張り付けた。そして、このビール
瓶を太陽光の下に8時間(25℃)放置では、茶色であ
ったの対し、屋外の日陰に8時間(25℃)放置では紫
色に、また、室内の直射日光が当たらないところに8時
間(25℃)放置では、赤紫色の発色が明瞭に見られ
た。このように、紫外線強度の違いにより、発色の色調
を変化させることが可能である。
【0041】(実施例3)下記の表に示した組成の混合
溶液にHAuCl4を樹脂に対してAuが0.8wt%
になるように添加後撹拌して、80℃の温度で2時間乾
燥して厚さ100μmの樹脂体を得た。
【0042】
【表3】
【0043】この樹脂体は透明な薄い黄色であった。そ
して、エチレン−酢酸ビニルコポリマー樹脂シート/ア
ルミニウム箔/ポリエチレンシートの3層構造からなる
シートを用いてビール瓶の一部を覆い、このシートの外
側表面に直径6mmの円形に加工した樹脂体を5個エポ
キシ系接着剤を用いて直列に並べて接着した。このビー
ル瓶を屋外の太陽光の当たる場所に1時間放置した(こ
の時気温は29℃であった)。すると、数分で発色(茶
色がかった紫色)が始まり20分後には鮮明な茶色にな
った。これは太陽光中の紫外線により、塩化金酸イオン
が還元され、時間とともにAu微粒子が成長したことに
より微粒子の表面プラズモン吸収が明瞭になったためで
ある。また、一度着色したAu微粒子/樹脂体からなる
紫外線感知発色部分の色は再度暗所に放置して紫外線を
遮断しても消えることはなかった。従って、ビールが輸
送時あるいは保存時に紫外線に曝されていないかどうか
を確認することが可能で、ビール等の輸送、保存状態を
知ることができる。
【0044】また、室温で生成したAu微粒子の平均粒
径は7〜10nmであり粒径分布も小さいことがわかっ
た。また、この試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の
表面プラズモン吸収に基づく540nmにピークが見ら
れた。なお、樹脂体にポリビニルアルコールを用いる
と、複合体は均一で透明性に優れており、またコスト的
にも非常に有利である。また、上記工程においてHAu
Cl4の替わりにNaAuCl4を用いてもAu微粒子の
生成が確認された。
【0045】また、(表3)に示した組成の金属アルコ
キシド混合溶液にHAuCl4をSiO2に対してAuが
0.1、3、10wt%になるように添加後撹拌して、
前記と同様な方法により、厚さ100μmの樹脂体を得
た。このようにして作製した樹脂体を上記と同様、ビー
ル瓶に被覆したシートの外側表面に張り付けた。そし
て、このビール瓶を太陽光の下に2時間放置した。する
と、Auが0.1wt%の試料では、約45分後に茶色
の発色が明瞭に見られたのに対して、Auが3wt%の
試料では、10分で、また、10wt%の試料では、1
分で発色が明瞭に見られた。このように、Auの分散量
濃度の違いにより紫外線感知感度を制御することができ
る。
【0046】また、(表3)に示した組成のゾルを用い
て、同様な方法により、Auが0.8wt%、厚さ10
0μmの樹脂体を得た。このようにして作製した樹脂体
を上記と同様、ビール瓶に被覆したシートの外側表面に
張り付けた。そして、このビール瓶を太陽光の下に5時
間(25℃)放置では、茶色であったの対し、屋外の日
陰に5時間(25℃)放置では紫色に、また、室内の直
射日光が当たらないところに5時間(25℃)放置で
は、赤紫色の発色が明瞭に見られた。このように、紫外
線強度の違いにより、発色の色調を変化させることが可
能である。
【0047】また、(表3)の混合溶液の中で、ポリビ
ニルアルコール以外の樹脂として、ポリビニルブチラー
ル、ポリスチレン、アクリロニトリル/スチレン共重合
ポリマー、フッ素樹脂にした場合にも、上記と同様な方
法で厚さ100μmの薄い黄色を呈した樹脂体を得た。
そして、エチレン−酢酸ビニルコポリマー樹脂シート/
アルミニウム箔/ポリエチレンシートの3層構造からな
るシートを用いてビール瓶の一部を覆い、このシートの
外側表面に直径6mmの円形に加工した樹脂体を5個エ
ポキシ系接着剤を用いて直列に並べて接着した。このビ
ール瓶を屋外の太陽光の当たる場所に1時間放置した
(この時気温は29℃であった)。すると、数分で発色
(茶色がかった紫色)が始まり20分後には鮮明な茶色
になった。この試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の
表面プラズモン吸収に基づく540nmにピークが見ら
れた。なお、用いた樹脂のなかで特にフッ素樹脂は均一
で透明なかつ機械的強度に優れた樹脂体を作製すること
ができた。
【0048】また、(表3)の混合溶液の中でHAuC
l4の替わりに、H2PtCl6、AgClO4、CuCl
2、SnCl2、IrCl3、RhCl3、PdCl2を用
いても、上記と同様な方法で厚さ100μmの樹脂体を
得た。そして、エチレン−酢酸ビニルコポリマー樹脂シ
ート/アルミニウム箔/ポリエチレンシートの3層構造
からなるシートを用いてビール瓶の一部を覆い、このシ
ートの外側表面に直径6mmの円形に加工した樹脂体を
5個エポキシ系接着剤を用いて直列に並べて接着した。
このビール瓶を屋外の太陽光の当たる場所に1時間放置
した(この時気温は29℃であった)。すると、数分で
発色(茶色がかった紫色)が始まり20分後には鮮明な
茶色になった。この試料の吸収スペクトルにはAu微粒
子の表面プラズモン吸収に基づく540nmにピークが
見られた。なお、種々の金属微粒子の中では、Au微粒
子を用いた感熱発色材料による発色が最もコントラスト
が高く鮮明であった。
【0049】(実施例4)実施例3の(表3)に示した
組成の混合溶液にHAuCl4を樹脂に対してAuが
0.8wt%になるように添加後撹拌して、80℃の温
度で2時間乾燥して厚さ300μmの袋状の樹脂体を得
た。この袋状の樹脂体は透明な薄い黄色であった。そし
て、この袋を太陽光の当たる場所に1時間放置した(こ
の時気温は29℃であった)。すると、数分で発色(茶
色がかった紫色)が始まり20分後には鮮明な茶色にな
った。この試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の表面
プラズモン吸収に基づく540nmにピークが見られ
た。また、この樹脂からなる袋を加工成形する時にスト
ライプ状にHAuCl4を樹脂に対してAuが0.8w
t%になるように含有したものを作製した。この袋はH
AuCl4を含有している部分のみストライプ状に薄い
黄色に着色していた。そして、この袋を太陽光の当たる
場所に1時間放置した(この時気温は29℃であっ
た)。すると、HAuCl4を含有している部分のみス
トライプ状に数分で発色(茶色がかった紫色)し、20
分後には鮮明な茶色になった。この試料の吸収スペクト
ルにはAu微粒子の表面プラズモン吸収に基づく540
nmにピークが見られた。なお、樹脂体にポリビニルア
ルコールを用いると、均一で透明性に優れており、また
コスト的にも非常に有利である。また、上記工程におい
てHAuCl4の替わりにNaAuCl4を用いてもAu
微粒子の生成が確認された。
【0050】また、(表3)の混合溶液の中で、ポリビ
ニルアルコール以外の樹脂として、ポリビニルブチラー
ル、ポリスチレン、アクリロニトリル/スチレン共重合
ポリマー、フッ素樹脂にした場合にも、上記と同様な方
法で厚さ300μmの袋状の樹脂体を得た。そして、こ
の袋を太陽光の当たる場所に1時間放置した(この時気
温は29℃であった)。すると、数分で発色(茶色がか
った紫色)が始まり20分後には鮮明な茶色になった。
この試料の吸収スペクトルにはAu微粒子の表面プラズ
モン吸収に基づく540nmにピークが見られた。用い
た樹脂の中で特にフッ素樹脂は均一で透明なかつ機械的
強度に優れた樹脂体を作製することができた。
【0051】本実施例のように、金属微粒子を分散させ
る母体が樹脂の場合、感熱発色材料のみで袋状のものを
形成することができる。
【0052】(実施例5)下記の表に示した組成の混合
溶液にHAuCl4を樹脂に対してAuが0.8wt%
になるように添加後撹拌して、80℃の温度で2時間乾
燥して厚さ100μmの樹脂体を得た。
【0053】
【表4】
【0054】この樹脂体は透明な薄い黄色であった。そ
して、エチレン−酢酸ビニルコポリマー樹脂シート/ア
ルミニウム箔/ポリエチレンシートの3層構造からなる
シートを用いてビール瓶の一部を覆い、このシートの外
側表面に直径6mmの円形に加工した樹脂体を5個エポ
キシ系接着剤を用いて直列に並べて接着した。このビー
ル瓶を屋外の太陽光の当たる場所に1時間放置した(こ
の時気温は29℃であった)。すると、数分で発色(茶
色がかった紫色)が始まり20分後には鮮明な茶色にな
った。これは太陽光中の紫外線により、塩化金酸イオン
が還元され、時間とともにAu微粒子が成長したことに
より微粒子の表面プラズモン吸収が明瞭になったためで
ある。また、一度着色したAu微粒子/樹脂体からなる
紫外線感知発色部分の色は再度暗所に放置して紫外線を
遮断しても消えることはなかった。従って、ビールが輸
送時あるいは保存時に紫外線に曝されていないかどうか
を確認することが可能で、ビール等の輸送、保存状態を
知ることができる。樹脂体中に、Au微粒子の安定性を
高める効果のあるポリビニルピロリドンを添加すると、
実施例3で示した樹脂体よりも、発色が樹脂体全体にわ
たり均一なものとなった。
【0055】(実施例6)実施例1の(表1)に示した
組成の金属アルコキシド混合溶液にAuHCl4を無機
ゲル体に対してAuが1wt%になるように添加後、室
温で撹拌し、エチレン−酢酸ビニルコポリマー樹脂シー
ト/アルミニウム箔/ポリエチレンシートの3層構造か
らなるシートに直接塗布し、室温で5分間乾燥後、60
℃の温度で30分乾燥する塗布、乾燥工程を2回繰り返
すことにより厚さ約0.1μmの無機ゲル層をシートの
表面に形成した。このシートを屋外の太陽光の当たる場
所に1時間放置した(この時気温は29℃であった)。
すると、数分で発色(茶色がかった紫色)が始まり40
分後には鮮明な茶色になった。これは太陽光中の紫外線
により、塩化金酸イオンが還元され、時間とともにAu
微粒子が成長したことにより微粒子の表面プラズモン吸
収が明瞭になったためである。また、一度着色したAu
微粒子/樹脂体からなる紫外線感知発色部分の色は再度
暗所に放置して紫外線を遮断しても消えることはなかっ
た。また、上記3層構造を有するシートの替わりにレー
ヨン製の布を基体に用いても上記とほぼ同様な特性を有
する感熱発色特性を得ることができた。
【0056】(実施例7)実施例1の(表1)に示した
組成の金属アルコキシド混合溶液にAuHCl4をSi
O2に1wt%になるように添加後、室温で撹拌し、ク
ラフト紙に直接塗布し、室温で30分乾燥して厚さ約
0.1μmの無機ゲル層をシートの表面に形成した。こ
のシートを屋外の太陽光の当たる場所に1時間放置し
た。気温は26℃であった。すると、数分で発色(茶色
がかった紫色)が始まり20分後には鮮明な茶色になっ
た。これは太陽光中の紫外線により、塩化金酸イオンが
還元され、時間とともにAu微粒子が成長したことによ
り微粒子の表面プラズモン吸収が明瞭になったためであ
る。また、一度着色したAu微粒子/樹脂体からなる紫
外線感知発色部分の色は再度暗所に放置して紫外線を遮
断しても消えることはなかった。
【0057】(実施例8)実施例1の(表1)に示した
組成の金属アルコキシド混合溶液にAuHCl4をSi
O2に1wt%になるように添加後、室温で撹拌し、ビ
ール瓶の表面の一部に直接塗布し、室温で30分乾燥し
て厚さ約0.1μmの無機ゲル層をビール瓶の表面に形
成した。このビール瓶を屋外の太陽光の当たる場所に1
時間放置した(この時気温は29℃であった)。する
と、数分で発色(茶色がかった紫色)が始まり50分後
には鮮明な茶色になった。これは太陽光中の紫外線によ
り、塩化金酸イオンが還元され、時間とともにAu微粒
子が成長したことにより微粒子の表面プラズモン吸収が
明瞭になったためである。また、一度着色した紫外線感
知発色部分の色は再度暗所に放置して紫外線を遮断して
も消えることはなかった。従って、ビールが輸送時ある
いは保存時に紫外線に曝されていないかどうかを確認す
ることが可能で、ビール等の輸送、保存状態を知ること
ができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の紫外線感知
発色材料によれば、紫外線照射により、基体上に形成し
た不可逆的に無機物体、無機/有機複合体、または樹脂
体中の金属微粒子が成長することにより無機物体、無機
/有機複合体、または樹脂体が発色し、紫外線の照射の
有無や強度を感知する紫外線感知発色材料を提供するこ
とができる。
【0059】また、本発明の紫外線感知発色材料におい
て、無機物体として酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化
チタンから選ばれる少なくとも1つである好ましい例に
よれば、このような無機物は、物理的、化学的に安定で
あり、しかも広い波長領域において光学的に透明である
ため、よりコントラストの高い安定な紫外線感知発色材
料を提供することができる。
【0060】また、本発明の感熱発色機能付き包装材料
において、無機/有機複合体を構成する無機物として酸
化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタンから選ばれる少
なくとも1つであり、有機物としてポリアクリル酸、ポ
リアクリル酸エステル、ポリエチレンオキシドから選ば
れる少なくとも1つである好ましい例によれば、このよ
うな無機/有機複合体は、物理的、化学的に安定であ
り、しかも広い波長領域において光学的に透明であるた
め、よりコントラストの高い安定な紫外線感知発色材料
を提供することができる。
【0061】また、樹脂体が、ポリビニルアルコール、
ポリビニルブチラール、ポリスチレン、アクリロニトリ
ル/スチレン共重合ポリマー、フッ素樹脂から選ばれる
少なくとも1つであるという本発明の好ましい例によれ
ば、このような樹脂は化学的に安定であり、均一な紫外
線感知発色材料を提供することができる。
【0062】また、微小金属微粒子が、金、白金、銀、
銅、錫、ロジウム、パラジウムまたはイリジウムから選
ばれる少なくとも1つであるという本発明の好ましい例
によれば、このような金属微粒子は、他の金属に比べて
容易に微粒子化させることが可能で、また、酸化されに
くく安定であり、また、表面プラズモン吸収に基づく顕
著な発色を示すので、よりコントラストの高い安定な紫
外線感知発色材料を提供することがでる。
【0063】また、基体が金属フィルム、プラスチック
フェルム、布、紙、ガラスから選ばれる少なくとも一つ
であるという本発明の好ましい例によれば、種々の形態
を有する紫外線感知発色材料を提供することができる。
【0064】次に本発明の紫外線感知発色材料の製造方
法は、例えば紫外線とアルコールにより還元されて金属
微粒子となる金属イオンを含有した金属アルコキシドを
水とアルコールからなる混合溶媒に溶かし、加水分解反
応により、前記金属イオンとアルコールを含有した無機
物体とし、紫外線照射により、無機物体中に金属微粒子
を分散することが可能で、紫外線照射の有無や強度を感
知できる。応用としては、ビール等の紫外線により劣化
する食品が輸送時あるいは保存時に紫外線に曝されてい
ないかどうかを確認することが可能で、輸送、保存状態
を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における紫外線感知発色材
料の断面図
【図2】本発明の実施の形態における紫外線感知発色材
料の断面図
【符号の説明】
1 金属微粒子 2 マトリックス材料 3 基体 4 接着剤

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機物層と、前記無機物層中に含有された
    紫外線照射により不可逆的に成長して金属微粒子となる
    金属イオンとを有する紫外線感知発色材料。
  2. 【請求項2】無機/有機複合体層と、前記無機/有機複
    合体層中に含有された紫外線照射により不可逆的に成長
    して金属微粒子となる金属イオンを有する紫外線感知発
    色材料。
  3. 【請求項3】樹脂層と、前記樹脂層中に含有された紫外
    線照射により不可逆的に成長して金属微粒子となる金属
    イオンを有する紫外線感知発色材料。
  4. 【請求項4】紫外線照射により不可逆的に成長して金属
    微粒子となる金属イオンの含有濃度により、紫外線感知
    感度を制御することを特徴とする請求項1〜3いずれか
    に記載の紫外線感知発色材料。
  5. 【請求項5】紫外線の照射強度により、紫外線を感知し
    て発色する発色の色調を変化させることを特徴とする請
    求項1〜3いずれかに記載の紫外線感知発色材料。
  6. 【請求項6】紫外線照射により不可逆的に成長して金属
    微粒子となる金属イオンを含む紫外線感知発色層が基体
    上に形成され、前記基体が、金属フィルム、プラスチッ
    クフィルム、布、紙、ガラスから選ばれる少なくとも一
    つであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載
    の紫外線感知発色材料。
  7. 【請求項7】無機物層の無機物として酸化珪素、酸化ア
    ルミニウム、酸化チタンから選ばれる少なくとも1つを
    用いることを特徴とする請求項1に記載の紫外線感知発
    色材料。
  8. 【請求項8】無機/有機複合体層が、無機物として酸化
    珪素、酸化アルミニウム、酸化チタンから選ばれる少な
    くとも1つを用い、有機物としてポリアクリル酸、ポリ
    アクリル酸エステル、ポリエチレンオキシドから選ばれ
    る少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項2に
    記載の紫外線感知発色材料。
  9. 【請求項9】樹脂層が、ポリビニルアルコール、ポリビ
    ニルブチラール、ポリスチレン、アクリロニトリル/ス
    チレン共重合ポリマー、フッ素樹脂ら選ばれる少なくと
    も1つを用いることを特徴とする請求項3に記載の紫外
    線感知発色材料。
  10. 【請求項10】金属微粒子が、金、白金、銀、銅、錫、
    ロジウム、パラジウムまたはイリジウムから選ばれる少
    なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜3に記
    載の紫外線感知発色材料。
  11. 【請求項11】紫外線とアルコールにより還元されて金
    属微粒子となる金属イオンを含有した金属アルコキシド
    を水とアルコールとを有する混合溶媒に溶かし、加水分
    解反応により、前記金属イオンとアルコールを含有した
    無機物体とし、その後、前記無機物体を基体に接着する
    ことを特徴とする紫外線感知発色材料の製造方法。
  12. 【請求項12】紫外線とアルコールにより還元されて金
    属微粒子となる金属イオンを含有した金属アルコキシド
    と有機物の混合体を水とアルコールとを有する混合溶媒
    に溶かし、加水分解反応あるいは加水分解反応と重合反
    応により、前記金属イオンとアルコールを含有した無機
    /有機複合体とし、その後、前記無機/有機複合体を基
    体に接着することを特徴とする紫外線感知発色材料の製
    造方法。
  13. 【請求項13】紫外線とアルコールにより還元されて金
    属微粒子となる金属イオンと樹脂を水とアルコールとを
    有する混合溶媒に溶かし、混合溶液から、前記金属イオ
    ンとアルコールを含有した樹脂体を形成し、その後、前
    記樹脂体を基体に接着することを特徴とする紫外線感知
    発色材料の製造方法。
  14. 【請求項14】紫外線とアルコールにより還元されて金
    属微粒子となる金属イオンと樹脂を水とアルコールとを
    有する混合溶媒に溶かし、混合溶液から樹脂体を形成
    し、その後、前記金属イオンとアルコールを含有した前
    記樹脂体を基体の一部あるいは全部に用いることを特徴
    とする紫外線感知発色材料の製造方法。
  15. 【請求項15】紫外線とアルコールにより還元されて金
    属微粒子となる金属イオンと樹脂と溶媒、および金属微
    粒子の安定化剤であるポリビニルピロリドンを含有した
    混合溶液から樹脂体を形成し、その後、前記樹脂体を基
    体に接着することを特徴とする紫外線感知発色材料の製
    造方法。
  16. 【請求項16】紫外線とアルコールにより還元されて金
    属微粒子となる金属イオンと樹脂と溶媒、および金属微
    粒子の安定化剤であるポリビニルピロリドンを含有した
    混合溶液から樹脂体を形成し、その後、前記樹脂体を基
    体の一部あるいは全部に用いることを特徴とする紫外線
    感知発色材料の製造方法。
  17. 【請求項17】紫外線とアルコールにより還元されて金
    属微粒子となる金属イオンを含有した金属アルコキシド
    を加水分解反応により基体表面に形成させ、前記金属イ
    オンとアルコールを含有した無機物層とすることを特徴
    とする紫外線感知発色材料の製造方法。
  18. 【請求項18】紫外線とアルコールにより還元されて金
    属微粒子となる金属イオンを含有した金属アルコキシド
    と有機物の混合体を加水分解反応あるいは加水分解反応
    と重合反応により基体表面に形成させ、前記金属イオン
    とアルコールを含有した無機/有機複合体層とすること
    を特徴とする紫外線感知発色材料の製造方法。
  19. 【請求項19】紫外線とアルコールにより還元されて金
    属微粒子となる金属イオンと樹脂および溶媒とを有する
    混合溶液から前記金属イオンとアルコールを含有した樹
    脂層を基体表面に形成することを特徴とする紫外線感知
    発色材料の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6120850A (en) * 1997-03-14 2000-09-19 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. Colored film forming composition and method of manufacturing colored film coated glass product
US20220142116A1 (en) * 2019-10-16 2022-05-12 Daiki Co., Ltd. Toilet

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6120850A (en) * 1997-03-14 2000-09-19 Nippon Sheet Glass Co., Ltd. Colored film forming composition and method of manufacturing colored film coated glass product
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