JP2000304032A - 帯電部材 - Google Patents

帯電部材

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JP2000304032A
JP2000304032A JP11115035A JP11503599A JP2000304032A JP 2000304032 A JP2000304032 A JP 2000304032A JP 11115035 A JP11115035 A JP 11115035A JP 11503599 A JP11503599 A JP 11503599A JP 2000304032 A JP2000304032 A JP 2000304032A
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Japan
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charging member
elastic layer
protective layer
charging
thermoplastic elastomer
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JP11115035A
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English (en)
Inventor
Norihiko Yasuse
徳彦 安瀬
Noriyuki Ito
伯志 伊藤
Koji Kamiya
公二 神谷
Yutaka Narita
豊 成田
Hiroyuki Kitano
浩之 北野
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複写機、ファクシミリ、レーザープリンター
等に用いられている感光体に当接して設けられている帯
電ローラであって、その表面には、イオン導電剤のブリ
ードがなく、しかも、この帯電ローラ支持体に形成され
ている弾性体層材がリサイクル化が可能である帯電ロー
ラ等の帯電部材に関する。 【解決手段】 電子写真式画像形成装置において感光体
に対向当接して用いられる帯電部材であって、前記帯電
部材が、導電性支持体上11に、イオン導電剤を分散し
た熱可塑性エラストマーからなる半導電性弾性体層12
を有し、前記半導電性弾性体層表面に形成される保護層
13のポリアミド樹脂が、ナイロン12を主成分とする
共重合体であり、且つ前記共重合体が、アルコール可溶
性である帯電部材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式画像形
成装置に用いる帯電部材に関し、より詳細には、複写
機、ファクシミリ、レーザープリンター等に用いられて
いる感光体に当接して設けられている帯電ローラであっ
て、しかも、この帯電ローラ支持体に形成されている弾
性体層がリサイクルが可能な部材である帯電ローラ等の
帯電部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特に、大量に廃棄される各種の産
業廃棄物が、その処分地を確保することの困難さを含め
て、その廃棄物がもたらす各種の環境破壊等が大きな社
会問題になっている。このように廃棄される産業廃棄物
は多岐にわたり、その業種にもよるが、その多くは、使
い古した中古品として廃棄されるか、また、生産工場か
ら不良品として排出される使用不可能なものである。こ
のような状況下に、近年、複写機、ファクシミリ、レー
ザープリンター等の電子写真式画像形成装置が急速に普
及し、その使用分野も多岐に及んでいる。従来から、こ
れらの装置には、ドラム型又はベルト型等の感光体に対
向当接するようにして帯電ローラ等の帯電部材や、現像
ローラ、転写ローラ、定着ローラ、加圧ローラ等が装着
されている。
【0003】通常、ローラ方式が一般的である帯電部材
にも、上記する他の部材と同様に、適材適所の観点か
ら、各種の有機樹脂等の有機系材料が使用されている。
従って、これらの中古品や不良品等の廃棄に際しては、
上述するようにこれらの有機系材料に係わって、特に、
近年、環境ホルモン等の生態系への懸念も取り沙汰され
ていることから、回収・再利用化(リサイクル化)する
ことが重要な課題となっている。これまでのように、単
に廃棄処分するだけでは済まされなくなり、それぞれの
企業で、可能な限り、回収・再利用化を進めなければな
らないのである。
【0004】そこで、電子写真式画像形成において、こ
の帯電部材である帯電ローラは、静電潜像が形成される
感光体ドラム面に対向当接(接触)して、この感光体ド
ラムの表面を一様に高電位に帯電させる役目をする部材
である。すなわち、帯電処理された感光体ドラム面に画
像光(露光)が照射されると、照射された部分は電位が
低下する。この画像光は画像の黒/白に応じた光量の分
布であるため、画像光の照射によって感光体ドラム面に
記録画像に対応する電位分布、すなわち静電潜像が形成
される。次いで、現像ローラを通過する際に、静電潜像
が形成された部分が、その電位の高低に応じてトナーが
付着されて、静電潜像が可視像化されたトナー像に形成
される。
【0005】そこで、この帯電ローラによる、感光体ド
ラム表面への帯電メカニズムは、帯電ローラと感光体ド
ラムの微小空間におけるパッシェンの法則に基づく放電
効果によるもであることが知られている。通常、接触型
の帯電ローラは、導電性金属基体からなる感光体ドラム
に所定の押圧で当接され、感光体ドラムの回転に伴い当
接しながら回転する。そのため帯電ローラが、充分な柔
軟性を持って従当接回転しないと、表面の僅かなくぼみ
において感光体ドラム間に浮きが発生して、帯電不良を
生じることになる。
【0006】そのため、帯電ローラには、図2に示す如
く、導電性支持体11上に半導電性の弾性体層12を設
けることにより、図1に示す感光体ドラム1の外周面に
対して、浮き(隙間)防止をするように当接しているの
である。この半導電性弾性体層には、従来からエチレン
−プロピレン−ジェンゴムやウレタンゴム、シリコーン
ゴム、エピクロルヒドリンゴム等の加硫ゴム材料が一般
的に用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、既に上
述する如く、産業廃棄物による環境破壊問題に対し、産
業界のリサイクル化の技術認識は、極めて重視されるも
のであり、しかも、重要な課題として一般的になってい
るものである。すなわち、これらの部材は、その使用目
的を十分に果たす機能を有し、且つこれらの部材を製造
する際のエネルギー消費量が低減され(CO2 低減によ
る温暖化防止)、しかも、その使用済み部材等が不要物
として廃棄処分されずに、回収・再利用(リサイクル
化)が可能な材料でなければならないのである。
【0008】既に上述する半導電性弾性体層に使用され
ている加硫ゴム材料は、製造時の加硫工程においては、
エネルギー消費が高く、しかも、このような加硫化され
た材料は再成形によるリサイクル化が不可能である。従
って、リサイクル可能な代替材料が強く求められている
のが実状である。
【0009】そこで、このような代替材料として熱可塑
性エラストマー材料を弾性体層に用いることが知られて
いる。この熱可塑性エラストマーは、常温でゴム状弾性
体であるが、熱可塑性プラスチックと同様に、高温では
成形加工が可能であることから、従来のゴム弾性体とは
異なり、加硫工程レスで、リサイクル化される代替材料
として満足される材料なのである。例えば、特開平7−
121006号公報には、この熱可塑性エラストマーを
帯電部材に使用するため、カーボンブラック等の導電性
顔料を分散させた熱可塑性エラストマーを用いた帯電部
材が記載されている。
【0010】しかしながら、この公報に記載する導電性
顔料を用いた提案では、帯電部材を半導電性領域(電気
抵抗値が、105 〜109 Ωcm範囲)に設定しようと
すると、その抵抗値のバラツキが大きく、部分的に帯電
不良等による画像欠陥を発生させる。これは、導電性顔
料を熱可塑性エラストマー中に均一に分散させること
が、技術的に困難であって、その導電剤の分散不良に起
因するものである。
【0011】また、この提案とは別に、イオン導電材料
を分散したエラストマーが知られている。このタイプで
は、上述する導電性顔料分散タイプに比べれば、その抵
抗値のバラツキは小さく、部分的な帯電不良に起因する
画像品質低下は生じない。しかしながら、イオン導電材
料を分散させるタイプにあっては、その機能はそれ自体
のブリード性によることから、このタイプの帯電部材で
は、感光体ドラムとの対向当接等の使用時や、長期間の
不使用期間にも、イオン導電剤が表面上にブリードアウ
トする傾向がある。
【0012】このようなブリードアウトは、感光体ドラ
ム面を汚染させて感光体ドラムを変質させ、画像不良を
おこす原因となる。また、このブリードした異物は、逆
に帯電部材上へのトナー付着をも生じさせて、トナーの
堆積による帯電不良の原因にもなるものである。
【0013】このような状況下で、本発明の目的は、帯
電部材の弾性体層が、従来のゴム弾性体に代替する熱可
塑性エラストマー材であって、しかも、このエラストマ
ー材に分散されているイオン導電剤が、帯電部材の表面
上にブリードすることを防止叉は著しく抑制されて、感
光体ドラムへの汚染、トナー付着による画像不良のない
帯電部材を提供することである。また、このように用い
る弾性体が、従来のゴム弾性体に比べてその製造工程で
のエネルギー消費が低減され、しかも、容易にリサイク
ルが可能な材料からなるものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑みて、鋭意検討した結果、半導電性熱可塑性エラス
トマーの弾性体層からの導電剤のブリードアウトを効果
的に抑制叉は防止でき且つその半導電性弾性体層として
の機能を阻害させることのない保護層を設けられること
を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0015】すなわち、本発明は、電子写真式画像形成
装置において感光体に対向当接して用いられる帯電部材
であって、前記帯電部材が、導電性支持体上に、イオン
導電剤を分散した熱可塑性エラストマーからなる半導電
性弾性体層を有し、前記半導電性弾性体層表面に形成さ
れる保護層のポリアミド樹脂が、ナイロン12を主成分
とする共重合体であり、且つ前記共重合体が、アルコー
ル可溶性であることを特徴とする帯電部材を提供する。
【0016】本発明のナイロン12を主成分とする共重
合体ナイロンは、共重合することで、結晶化度が下が
り、アルコール可溶性となる。これによりアルコールに
より塗料化が、容易になり、スプレー等により容易に薄
膜形成が可能となる。このナイロン共重合体は反応基を
有していないことから、塗布しただけでは、下地弾性体
層との接着性は弱いが、塗布後に比較的低温度での乾燥
・焼成によりアルコール分が蒸発して、下地層の弾性体
層に密着した薄膜を形成させる。
【0017】このような薄膜を保護層とする本発明によ
る帯電部材によれば、図2に示す保護層13は、構成す
る樹脂主成分の特性としてアルコール可溶性であること
が、後述する実施例の事実によく符合して、帯電部材の
ゴム状体の弾性機能を阻害することなく、従来からの課
題であった熱可塑性エラストマー材を半導電性弾性体層
12にするために分散させているイオン導電剤を、この
保護層表面からブリードすることを効果的に防止叉は抑
制させられるものである。その結果、図1に示す如く、
この帯電部材のローラ2の外周面は、対向当接する感光
体ドラム1の外周面に、一様に当接するに足る十分な弾
性を有し、且つ帯電時に感光体ドラム1の表面に対して
は、従来のようなローラ2からブリードする付着異物に
よる上述する諸問題を起こすこともなくなる。
【0018】
【発明の実施の形態】ここで、既に上述する電子写真式
画像形成装置に装着されている帯電ローラ等の帯電部材
について、図1を参照して説明する。図1において、こ
の帯電部材である帯電ローラ2は、パワーパック5を介
して電圧が印加され、静電潜像を形成する感光体ドラム
1面に、対向当接して、一様に高電位を帯電させる。現
像ローラ4は、感光体ドラム1の静電潜像にトナーを付
着させる。また、転写ローラ6は、感光体ドラム1上の
トナー像を記録媒体の記録紙7に転写処理する。なお、
表面電位計8は、感光体ドラム1の表面電位を測定する
ものである。
【0019】このように帯電ローラ2を介して帯電処理
された後、感光体ドラム面にレーザー光3が画像光(露
光)として照射されると、照射された部分の電位が低下
する。この画像光は画像の黒/白に応じた光量の分布で
あるため、画像光の照射によって感光体ドラム面に記録
画像に対応する電位分布、すなわち静電潜像が形成させ
る。
【0020】このようにして、静電潜像が形成された部
分が、現像ローラを通過すると、その電位の高低に応じ
てトナーが付着し、静電潜像を可視像化したトナー像が
形成される。次いで、形成されたトナー像の部分に、所
定のタイミングでレジストローラ(図示せず)により記
録紙7が搬送され、上記トナー像に重なる。次いで、転
写ローラによって記録紙にこのトナー像が転写された
後、この記録紙は、感光体ドラムから搬送され、定着ユ
ニット(図示せず)に装着されている互いに当接してい
る、例えば加熱形定着ローラと加圧ローラ間に搬送され
る。
【0021】通常、この定着装置においては、現像ロー
ラーで現像され未だ未定着の静電トナー像を載せた転写
媒体の転写紙等が、所定の温度に加温されている定着ロ
ーラーと互いに対向する対の加圧ローラー間を加温−加
圧−搬送され、転写紙上等に載る未だ未定着のトナー像
が、溶融・加圧されて定着されるのである。また、上記
転写終了後、感光体ドラム1の表面は、クリーニング装
置8によりクリーニング処理され、更にクエンチングラ
ンプ(図示せず)により、残留電荷が消去され、次回の
作像処理に備えるのである。
【0022】そこで、以下に、このように電子写真式画
像形成装置に用いられている本発明による帯電部材につ
いて、その実施の形態を、更に、詳細に説明する。
【0023】本発明において、保護層に用いる樹脂被膜
としては、膜強度、耐薬品性、接着性に優れる樹脂であ
るフェノール樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができ
るが、これらは反面、柔軟性に欠け、膜としての靱性さ
が不足して脆いことから、弾性体層の変形に充分に追従
できず、保護層にひび割れを起こす場合もある
【0024】従って、本発明においては、この保護層と
しての被膜は、一般的な特性として、耐ストレスクラッ
ク性、耐摩耗性、耐オイル性に優れること等が必要であ
る。これらの特徴の中で、耐オイル性、耐ストレスクラ
ック性は本発明の保護層に必要な、イオン導電剤のブリ
ード防止、感光体ドラムとのつれまわりによる保護層の
損傷、磨耗防止に対して、著しい効果を発揮するのであ
る。
【0025】また、このような保護層を設けることによ
り、既に上述するようにこの保護層自体は、トナーや、
感光体との離型性にも優れることが必要である。ポリア
ミド樹脂は、これらの一般的特性を有し、さらに、これ
らとの離型性にも優れるものである。
【0026】また、本発明において、図2に示す帯電ロ
ーラ断面図において、イオン導電剤を分散した熱可塑性
エラストマーで形成されている半導電性弾性体層12の
外周面に被覆されている保護層13は、既に上述するよ
うに、構成するポリアミド樹脂の主成分が、ナイロン1
2を主成分とする共重合体であって、好ましくは、その
融点が、150℃未満であり、より好ましくは、130
℃以下であることが好適である。
【0027】すなわち、上述する半導電性弾性体層12
に用いられている熱可塑性エラストマーは、通常、その
成形物は常温でゴム状弾性体であって、しかも、少なく
とも150℃以上の高温で、通常の熱可塑性プラスチッ
クと同様に熱可塑性を呈して成形加工されるものであ
る。従って、この熱可塑性エラストマーからなる弾性体
層上に、熱硬化性のポリアミド樹脂からなる樹脂塗料を
被覆させるに当たっては、この樹脂の融点は、上記する
如く、より好ましくは、130℃以下であることによ
り、確実に、熱可塑性である弾性体層を熱変形させるこ
となく、充分に保護層を弾性体層上に固着させることが
できるのである。
【0028】また、本発明において、保護層を形成する
前記ポリアミド樹脂中に、必要に応じて、好ましくは、
導電性カーボンや、アルミニウム、金、銀、銅等の金属
粒子、または、酸化錫、酸化インジウム等の導電性金属
酸化物粒子を分散させることができる。これにより、電
気的に絶縁性である保護層を、少なくとも弾性体層と同
程度の半導電性に電気抵抗を下げることができる。
【0029】また、本発明において、このように導電性
粒子を分散させた保護層の抵抗値が、好ましくは、この
保護層の下地層である半導電性弾性体層の抵抗値よりも
大きいことが好適である。
【0030】すなわち、帯電部材としての帯電ローラ
は、感光体ドラムに対向当接しているのであるが、感光
体ドラムにピンホール、欠陥などが存在すると、帯電部
材の抵抗、特に表面の抵抗が低い場合、このピンホール
等への電流の集中リークが起き、その近傍で、帯電され
なくなってしまう。また、この集中が激しい場合には、
大電流が流れて、帯電部材、感光体ドラム等を破損させ
ることがあり、好ましくないのである。
【0031】このため、本発明の保護層の抵抗は、好ま
しくは、感光体ドラムに対する方向(図2において半径
方向)には帯電電流を流すが、円周方向及び回転軸方向
には帯電電流を流さないように、電気抵抗について異方
性を持っことが好適である。換言すれば、その抵抗特性
として、体積抵抗(膜厚方向の抵抗)が低く、表面抵抗
が高いような材料であることが好適である。
【0032】本発明において、保護層を形成する材料自
体には、上述するような抵抗特性はないが、例えば、保
護層の体積抵抗率を1010Ω・cm程度とし、この膜厚
を10μm程度にすることで、半径方向には充分に電流
を流すが、円周方向、軸方向へは流れ難くなるものであ
る。このような保護層を形成することにより、抵抗値に
異方性が付与されて、上述する感光体ドラムのピンホー
ルへの帯電電流の集中リークを効果的に防ぐことができ
るものである。
【0033】従って、本発明においては、上述するよう
な保護層を弾性体層上に、しかも膜厚10μm程度の薄
膜状に被覆形成させられる樹脂材料を適宜選択して使用
することが重要である。
【0034】また、本発明においては、上記する程度の
膜厚の薄膜を被覆形成させる方法としては、既に上述す
るようにアルコール可溶性のナイロン系樹脂塗料を選ぶ
ことにより、従来から公知の方法であるスプレー法、デ
ィッピング法、ブレードコーティング法、ローラーコー
ティング法等を適宜使用することができる。
【0035】なお、このような保護層の被膜形成に際し
ては、既に上述する如く、乾操及び焼成温度が、弾性体
層のエラストマー成形物を熱変形させない温度であるこ
と、流動開始温度以下〔又はガラス転移温度(Tg)以
下〕であること、塗料に使用する溶剤が、エラストマー
樹脂を溶解、変質させないこと、エラストマー中のイオ
ン導電剤、可塑剤等を抽出しないことが重要である。
【0036】また、このような保護層を設けた本発明の
帯電ローラ等の帯電部材のリサイクル化に際しては、特
に、本発明において、この保護層を形成する材料が、ア
ルコール可溶性である。これによって、通常、従来から
公知の方法である、溶剤により除去するか、又は研磨、
摺擦処理を組合わせることにより、容易にこの保護層を
除去することができるものである。その結果、例えば、
本発明の帯電ローラにおいて、弾性体層が熱可塑性エラ
ストマーであるため、少なくとも150℃に加熱するこ
とにより、イオン導電剤を含有して溶融されて容易に回
収され、再利用することができるのである。
【0037】また、本発明において、半導電性弾性体層
に用いられる熱可塑性エラストマーが、帯電ローラに必
要とする弾性が、感光体ドラムに従当接する柔軟性を有
するものであれば、特に限定されるものではないが、好
ましくは、その構成成分としてポリエーテル連鎖及び/
又はポリエステル連鎖を含有しているエラストマーであ
ることが好適である。このような連鎖を含有する熱可塑
性エラストマーとしては、ポリエステル系、ポリウレタ
ン系、ポリアミド系等を挙げることができ、これらのエ
ラストマーを使用することにより、半導電性にするため
に分散されているイオン導電剤のイオンの移動(ブリー
ド)が容易になり、より抵抗値のバラツキが小さく、安
定した導電性を示す帯電部材が得られる。
【0038】以上のような弾性体層を帯電ローラの導電
性支持体に被覆させるに際しては、押出成形機や射出成
形等の手段で、熱可塑性エラストマー材を使用すること
で、従来のゴム状弾性体に必要であった加硫化工程を経
ることなく、任意の形状に成形加工することができる。
【0039】また、熱可塑性エラストマーへのイオン導
電剤の分散は、二軸混練機、ニーダー等の手段を用いる
ことにより容易に行うことができる。また、本発明に用
いられるイオン導電剤としては、従来から公知のもので
あれば、特に限定することなく使用され、例えば、過酸
化リチウム等のアルカリ金属過酸化物、過塩素酸リチウ
ム等の過塩素酸塩、テトラブチルアンモニウム塩等の第
4級アンモニウム塩、燐酸エステル塩等が挙げられる。
これらのイオン導電剤の配合量は、抵抗値を所定の範囲
(105 〜109 Ωcm程度)に調整する必要があるこ
とから、エラストマー材100重量部当たり0.1〜1
0重量部の範囲で配合することが好ましい。
【0040】このイオン導電剤は、熱可塑性エラストマ
ー中の不対電子を有する原子と一種の配位結合をするた
め、エラストマー中に分子レベルで均一に分散される。
従って、従来のように導電性顔料を分散させたエラスト
マー材に見られるような分散不良に伴う抵抗値のバラツ
キが生ずることもなく、部分的帯電不良等による画像欠
陥が発生させることもなくなる。
【0041】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、さらに説明
するが、本発明は、これらにいささかも限定されるもの
ではない。
【0042】(実施例1)ステンレス製の芯軸(φ6m
m)上に、半導電性弾性体層として、ポリエステル成分
を含む熱可塑性エラストマー(東ソー社製のエラステー
ジES5000A)100重量部に過塩素酸リチウム
0.5重量部を配合した組成物を押出成形法で被覆させ
て、平均層厚が4mm厚の半導電性弾性体層を形成させ
た。このようにして得られた弾性体層のJIS−Aに準
拠する表面硬度は、500で、その抵抗は、4×108
Ωcmであった。次いで、この弾性体層上に、保護層と
して、ポリアミド樹脂(アルコール可溶、融点119
℃)中に、カーボンブラック(この保護層全固形分当た
り、10重量部)を添加したアルコールをビヒクルとす
る塗料を調製して、この塗料を約7μm膜厚に塗布させ
た。次いで、130℃×30分間の条件で焼付けさせて
本発明による保護層を施した帯電ローラを得た。なお、
この保護層の抵抗は、3×1010Ωcmであった。その
結果、表1に示すように、この保護層は膜柔軟性にも優
れ、下地の弾性体層との密着性も良好であり、この下地
層の弾性体層には全く熱変形が、認められなかった。
【0043】(比較例1)実施例1において、保護層を
施さなかった以外は実施例1で得られた弾性体層を有す
る帯電ローラである。
【0044】(比較例2)ステンレスからなる芯軸(φ
6mm)上に、半導電性弾性層としてオレフイン系熱可
塑性エラストマー(三井石油化学工業社製、ミラストマ
ー5030N)に導電性カーボンブラック(ケッチェン
ブラックインターナショナル社製、ケッチェンブラック
EC)を12重量部配合した組成物(表面硬度JIS−
A;60°、抵抗;4×107 Ωcm)を押出成形によ
り被覆し、平均層厚が4mm厚の半導電性弾性体層を有
する帯電ローラを得た。
【0045】(比較例3)比較例1と同様に作製した帯
電ローラの半導電性弾性層上に、保護層として、フェノ
ール樹脂(大日本インキ社製;フェノライト5010)
中に、カーボンブラック(この保護層全固形分当たり、
10重量部)を添加した組成物物(抵抗;3×1010Ω
cm)を約7μmの膜厚にコーティング後、150℃、
30分の焼成を行った。その結果、表1に示すように、
保護層の膜柔軟性が劣り、また、下地の弾性体層に熱変
形が確認された。
【0046】(比較例4)比較例1と同様に作製した帯
電ローラの半導電性弾性層上に、保護層として、アクリ
ル樹脂(日立化成社製ヒタロイド)中に、カーボンブラ
ック(この保護層全固形分当たり、10重量部)を添加
した組成物物(抵抗;3×1010Ωcm)を約7μmの
膜厚にコーティング後、150℃、30分の焼成を行っ
た。その結果、表1に示すように、保護層の膜柔軟性が
劣り、また、下地の弾性体層に熱変形が確認された。
【0047】(比較例5)比較例1と同様に作製した帯
電ローラの半導電性弾性層上に、保護層として、ポリア
ミド樹脂(アルコール可溶、融点180℃)中に、カー
ボンブラック(この保護層全固形分当たり、10重量
部)を添加した組成物(抵抗;3×1010Ωcm)を約
7μmの膜厚にコーティング後、150℃、30分の焼
成を行った。その結果、表1に示すように、この保護層
は、下地の弾性体層との密着性が悪く、膜剥離を発生し
た。また下地の弾性体層には、熱変形が確認された。
【0048】次いで、実施例1及び比較例1〜5で得ら
れた帯電ローラについて、図1に示した画像形成装置を
使用して、画像評価を行った。なお、帯電ローラに印加
する電圧をDC1600Vとした。その評価結果をそれ
ぞれ表1に示した。
【0049】また、膜強度、密着性の評価については、
JISの評価法に準拠するXカットテストを実施した
(評価ランクを1〜10として、最良ランクを10とし
た)。また、膜の柔軟性については、約50μmのステ
ンレス板上に塗膜を形成後(塗膜膜厚20μm程度)、
それぞれの試検体を金属製円柱支持体に貼り付けた場合
に塗膜に割れが発生するか否かを、この円柱支持体の直
径をそれぞれ4mm、8mm、12mmにふった試検体
について評価した。 ランク1:直径4mmでも割れない。 ランク2:直径4mmで割れる。 ランク3:直径8mmで割れる。 ランク4:直径12mmで割れる。
【0050】また、感光体ピンホールへの電圧集中、異
常放電により生じる異常画像の評価については以下の評
価ランクで行った。 ランク1:画像上に異常放電による白抜けが起きない、
もしくは、さしわたしの径が2mm以内である。 ランク2:自抜けが2mm以上であるが、スジ状にはな
っていない。 ランク3:画像上にスジ状となって白抜けが起きる。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、半導電性弾性体層上
に、アルコール可溶性で、融点が130℃以下のポリア
ミド樹脂膜を被覆することにより、下地の弾性体層には
熱変形を与えず、その弾性追従性を阻害することなく強
固に密着させられる。しかも、この被覆は、従来からの
課題であった半導電性弾性体層のイオン導電剤のブリー
ドを効果的に防止する良好な保護層として形成され、こ
れにより、感光体ドラムへの汚染、トナー固着も防止さ
れて、帯電不良を起こし難い帯電部材が得られる。
【0053】また、イオン導電剤を分散した半導電性熱
可塑性エラストマーからなる弾性体層は、導電剤が分子
レベルで分散され、従来のゴム弾性体のような抵抗値の
バラツキによる部分的帯電不良及びそれに係わる画像欠
陥を発生することがない。しかも、従来のように加硫化
レスの材料であることから、この材料の製造工程でのエ
ネルギーの低減がなされる弾性体である。
【0054】また、半導電性弾性層を形成する熱可塑性
エラストマーの構成成分としてポリエーテル連鎖及び/
又はポリエステル連鎖が含まれているため、イオン導電
剤の移動(ブレード)性が容易に行えるので、より抵抗
値のバラツキが小さく、安定した導電性を示す帯電部材
が得られる。
【0055】また、保護層の抵抗値を半導電性弾性層の
抵抗値よりも大きくして、感光体ドラムに対する方向に
帯電電流を流すが、円周方向及び回転軸方向には帯電電
流を流さないように、電気抵抗について異方性を持たせ
て、その抵抗特性を体積抵抗(膜厚方向の抵抗)が低
く、表面抵抗が高いようにすることで、感光体ピンホー
ルへの電圧集中、異常放電を回避することができる。
【0056】また、保護層に使用するポリアミド樹脂を
アルコール可溶性で、融点が130℃以下であることに
より、安定且つ塗布性に優れた塗料となり、且つ回収・
再利用化に際して、保護層の除去が容易で、弾性体層の
熱可塑性エラストマー材の回収を容易にし、リサイクル
化を可能にする帯電部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電ローラを装着する電子写真式画像形成装置
の画像形成する概念図である。
【図2】本発明による帯電ローラ(帯電部材)の概念断
面図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 帯電ローラ 3 露光 4 現像ローラ 5 パワーパック 6 転写ローラ 7 記録紙 8 クリーニング装置 9 表面電位計 10 電子写真式画像形成装置 11 導電性支持体 12 弾性体層 13 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/06 G03G 15/02 101 G03G 15/02 101 C08L 101/00 (72)発明者 成田 豊 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 北野 浩之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H003 AA00 CC05 3J103 AA02 AA14 BA41 FA01 FA20 FA30 GA02 GA52 GA57 GA58 GA60 HA03 HA12 HA20 HA22 HA45 HA46 4J002 AA051 CL061 FD116 GQ02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真式画像形成装置において感光体
    に対向当接して用いられる帯電部材であって、前記帯電
    部材が、導電性支持体上に、イオン導電剤を分散した熱
    可塑性エラストマーからなる半導電性弾性体層を有し、
    前記半導電性弾性体層表面に形成される保護層のポリア
    ミド樹脂が、ナイロン12を主成分とする共重合体であ
    り、且つ前記共重合体が、アルコール可溶性であること
    を特徴とする帯電部材。
  2. 【請求項2】 前記共重合体の融点が、130℃以下で
    あることを特徴とする請求項1に記載の帯電部材。
  3. 【請求項3】 保護層を形成する前記ポリアミド樹脂中
    に、導電性粒子が分散されていることを特徴とする請求
    項1に記載の帯電部材。
  4. 【請求項4】 前記保護層の抵抗値が、前記半導電性弾
    性体層の抵抗値よりも大きいことを特徴とする請求項1
    に記載の帯電部材。
  5. 【請求項5】 前記保護層の抵抗特性が、体積抵抗が低
    く且つ表面抵抗が高いものであることを特徴とする請求
    項1に記載の帯電部材。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性エラストマーが、その構成
    成分としてポリエーテル連鎖及び/又はポリエステル連
    鎖を含有していることを特徴とする請求項1に記載の帯
    電部材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013171194A (ja) * 2012-02-21 2013-09-02 Fuji Xerox Co Ltd 転写ロール、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
CN111213094A (zh) * 2017-11-30 2020-05-29 住友理工株式会社 电子照相设备用带电构件

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