JP2000303844A - 筒内噴射式火花点火内燃機関 - Google Patents
筒内噴射式火花点火内燃機関Info
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- F02B23/08—Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition
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- F02F3/00—Pistons
- F02F3/26—Pistons having combustion chamber in piston head
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Abstract
(57)【要約】
【課題】 比較的厚さの薄い平らな扇状に燃料を噴射す
る燃料噴射弁を使用して、圧縮行程後半にピストン頂面
に形成されたキャビティ内に噴射された燃料をキャビテ
ィの底壁を進行させて対向側壁によって点火プラグ近傍
に導く筒内噴射式火花点火内燃機関において、キャビテ
ィ内に噴射された全ての燃料を可燃混合気として確実に
着火燃焼させることにより、良好な成層燃焼を実現す
る。 【解決手段】 キャビティ８は、底壁８ａと、燃料噴射
弁側側壁８ｂと、燃料噴射弁側側壁に対向する対向側壁
８ｃと、燃料噴射弁側側壁と対向側壁とを接続する両側
側壁８ｄとを有し、ピストン頂面のキャビティが存在し
ていない面積部分の少なくとも一部と気筒上部壁との間
の隙間によってスキッシュエリアが形成され、スキッシ
ュエリアによってもたらされるスキッシュ流を主にキャ
ビティ内の両側側壁近傍へ流入させるためのスキッシュ
流誘導手段２０が設けられている。
る燃料噴射弁を使用して、圧縮行程後半にピストン頂面
に形成されたキャビティ内に噴射された燃料をキャビテ
ィの底壁を進行させて対向側壁によって点火プラグ近傍
に導く筒内噴射式火花点火内燃機関において、キャビテ
ィ内に噴射された全ての燃料を可燃混合気として確実に
着火燃焼させることにより、良好な成層燃焼を実現す
る。 【解決手段】 キャビティ８は、底壁８ａと、燃料噴射
弁側側壁８ｂと、燃料噴射弁側側壁に対向する対向側壁
８ｃと、燃料噴射弁側側壁と対向側壁とを接続する両側
側壁８ｄとを有し、ピストン頂面のキャビティが存在し
ていない面積部分の少なくとも一部と気筒上部壁との間
の隙間によってスキッシュエリアが形成され、スキッシ
ュエリアによってもたらされるスキッシュ流を主にキャ
ビティ内の両側側壁近傍へ流入させるためのスキッシュ
流誘導手段２０が設けられている。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒内噴射式火花点
火内燃機関に関する。
火内燃機関に関する。
【０００２】
【従来の技術】気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴
射弁を具備する筒内噴射式火花点火内燃機関は、圧縮行
程末期にピストン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料
を噴射することにより、燃料を高温の空気とピストン熱
とを利用して気化させると共に点火プラグ近傍へ導き、
点火時点において、着火性の良好な可燃混合気を点火プ
ラグ近傍だけに形成し、気筒内全体としてリーンな混合
気を燃焼可能な成層燃焼を実現するものである。
射弁を具備する筒内噴射式火花点火内燃機関は、圧縮行
程末期にピストン頂面に形成されたキャビティ内へ燃料
を噴射することにより、燃料を高温の空気とピストン熱
とを利用して気化させると共に点火プラグ近傍へ導き、
点火時点において、着火性の良好な可燃混合気を点火プ
ラグ近傍だけに形成し、気筒内全体としてリーンな混合
気を燃焼可能な成層燃焼を実現するものである。
【０００３】特開平９−１５８７３６号公報に開示され
ている筒内噴射式火花点火内燃機関のように、一般的に
は、燃料噴射弁は気筒上部周囲の吸気ポート側に配置さ
れ、点火プラグは気筒上部略中心に配置されている。ま
た、ピストン頂面に形成されたキャビティは、吸気弁側
に偏在しており、燃料噴射弁から噴射された燃料が衝突
する底壁と、燃料噴射弁側側壁と、燃料噴射弁側側壁に
対向する対向側壁と、燃料噴射弁側側壁と対向側壁とを
接続する両側側壁とを有し、対向側壁によって、衝突後
に底壁に沿って進行する燃料を点火プラグ近傍に偏向す
るようになっている。
ている筒内噴射式火花点火内燃機関のように、一般的に
は、燃料噴射弁は気筒上部周囲の吸気ポート側に配置さ
れ、点火プラグは気筒上部略中心に配置されている。ま
た、ピストン頂面に形成されたキャビティは、吸気弁側
に偏在しており、燃料噴射弁から噴射された燃料が衝突
する底壁と、燃料噴射弁側側壁と、燃料噴射弁側側壁に
対向する対向側壁と、燃料噴射弁側側壁と対向側壁とを
接続する両側側壁とを有し、対向側壁によって、衝突後
に底壁に沿って進行する燃料を点火プラグ近傍に偏向す
るようになっている。
【０００４】前述の従来技術において、燃料噴射弁は、
燃料を比較的厚さの薄い平らな扇状に噴射するものであ
り、キャビティの底壁上を進行する燃料は、幅方向に拡
がって底壁の広範囲部分から熱吸収するために気化し易
い。キャビティの対向側壁は、平面視において円弧形状
を有しているために、幅方向における燃料の中央部分
は、底壁上を進行する速度ベクトルが対向側壁によって
上方向の速度ベクトルへ変換され、点火プラグ近傍に向
けられる。また、幅方向における燃料の両側部分は、対
向側壁に対してそれぞれ鋭角度に衝突することとなり、
底壁上を進行する速度ベクトルが対向側壁によって上方
向の速度ベクトルと中央方向の速度ベクトルとの合成速
度ベクトルに変換され、点火プラグ近傍に向けられる。
こうして、幅方向に拡がって良好に気化しつつある燃料
各部分を点火プラグ近傍に集合させ、点火プラグ近傍に
着火性の良好な可燃混合気を形成できるとしている。
燃料を比較的厚さの薄い平らな扇状に噴射するものであ
り、キャビティの底壁上を進行する燃料は、幅方向に拡
がって底壁の広範囲部分から熱吸収するために気化し易
い。キャビティの対向側壁は、平面視において円弧形状
を有しているために、幅方向における燃料の中央部分
は、底壁上を進行する速度ベクトルが対向側壁によって
上方向の速度ベクトルへ変換され、点火プラグ近傍に向
けられる。また、幅方向における燃料の両側部分は、対
向側壁に対してそれぞれ鋭角度に衝突することとなり、
底壁上を進行する速度ベクトルが対向側壁によって上方
向の速度ベクトルと中央方向の速度ベクトルとの合成速
度ベクトルに変換され、点火プラグ近傍に向けられる。
こうして、幅方向に拡がって良好に気化しつつある燃料
各部分を点火プラグ近傍に集合させ、点火プラグ近傍に
着火性の良好な可燃混合気を形成できるとしている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】確かに、キャビティの
底壁上を進行する際に気化した気化燃料を含めて、噴射
された燃料は、主には、前述のように挙動して点火プラ
グ近傍に可燃混合気を形成する。しかしながら、特に、
キャビティの底壁を進行する燃料の両側部分から気化し
た気化燃料の一部は、外側方向へ分散して、キャビティ
内の両側側壁近傍に希薄な混合気を形成する。
底壁上を進行する際に気化した気化燃料を含めて、噴射
された燃料は、主には、前述のように挙動して点火プラ
グ近傍に可燃混合気を形成する。しかしながら、特に、
キャビティの底壁を進行する燃料の両側部分から気化し
た気化燃料の一部は、外側方向へ分散して、キャビティ
内の両側側壁近傍に希薄な混合気を形成する。
【０００６】前述したように、ピストン頂面のキャビテ
ィは吸気弁側に偏在しており、すなわち、ピストン頂面
の排気弁側には比較的広い面積部分が存在する。一般的
には、圧縮行程末期において、この面積部分とシリンダ
ヘッドとによってキャビティ内へ流入するスキッシュ流
が形成される。このスキッシュ流は、主に、対向側壁中
央部からキャビティ内に侵入するために、キャビティの
両側側壁近傍に位置する希薄な混合気を特に移動させる
ことはない。
ィは吸気弁側に偏在しており、すなわち、ピストン頂面
の排気弁側には比較的広い面積部分が存在する。一般的
には、圧縮行程末期において、この面積部分とシリンダ
ヘッドとによってキャビティ内へ流入するスキッシュ流
が形成される。このスキッシュ流は、主に、対向側壁中
央部からキャビティ内に侵入するために、キャビティの
両側側壁近傍に位置する希薄な混合気を特に移動させる
ことはない。
【０００７】その後に、点火プラグ近傍の可燃混合気が
着火燃焼させられ、膨張行程となると、キャビティの周
囲部から急激に空気が流出する逆スキッシュ流が発生
し、キャビティの両側側壁近傍に位置する希薄な混合気
は燃焼することなく、逆スキッシュ流と共にキャビティ
外へ排出され、未燃燃料として排出される。こうして、
噴射された全ての燃料を燃焼させることができずに、意
図する機関出力が得られないだけでなく、未燃燃料の排
出量が増加することとなる。
着火燃焼させられ、膨張行程となると、キャビティの周
囲部から急激に空気が流出する逆スキッシュ流が発生
し、キャビティの両側側壁近傍に位置する希薄な混合気
は燃焼することなく、逆スキッシュ流と共にキャビティ
外へ排出され、未燃燃料として排出される。こうして、
噴射された全ての燃料を燃焼させることができずに、意
図する機関出力が得られないだけでなく、未燃燃料の排
出量が増加することとなる。
【０００８】従って、本発明の目的は、比較的厚さの薄
い平らな扇状に燃料を噴射する燃料噴射弁を使用して、
圧縮行程後半にピストン頂面に形成されたキャビティ内
に噴射された燃料をキャビティの底壁を進行させて対向
側壁によって点火プラグ近傍に導く筒内噴射式火花点火
内燃機関において、キャビティ内に噴射された全ての燃
料を可燃混合気として確実に着火燃焼させることによ
り、良好な成層燃焼を実現することである。
い平らな扇状に燃料を噴射する燃料噴射弁を使用して、
圧縮行程後半にピストン頂面に形成されたキャビティ内
に噴射された燃料をキャビティの底壁を進行させて対向
側壁によって点火プラグ近傍に導く筒内噴射式火花点火
内燃機関において、キャビティ内に噴射された全ての燃
料を可燃混合気として確実に着火燃焼させることによ
り、良好な成層燃焼を実現することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明による請求項１に
記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒上部壁に配
置された点火プラグと、気筒内へ直接的に燃料を噴射す
る燃料噴射弁と、ピストン頂面に偏在して形成されたキ
ャビティとを具備し、前記キャビティは、底壁と、燃料
噴射弁側側壁と、前記燃料噴射弁側側壁に対向する対向
側壁と、前記燃料噴射弁側側壁と前記対向側壁とを接続
する両側側壁とを有し、前記燃料噴射弁から圧縮行程後
半に前記キャビティ内に噴射された燃料を、前記キャビ
ティの前記底壁上を進行させた後に前記対向側壁によっ
て偏向して前記点火プラグ近傍に導く筒内噴射式火花点
火内燃機関において、前記燃料噴射弁は燃料を比較的厚
さの薄い扇状に噴射するものであり、前記ピストン頂面
の前記キャビティが存在していない面積部分の少なくと
も一部と前記気筒上部壁との間の隙間によってスキッシ
ュエリアが形成され、前記スキッシュエリアによっても
たらされるスキッシュ流を主に前記キャビティ内の前記
両側側壁近傍へ流入させるためのスキッシュ流誘導手段
が設けられていることを特徴とする。
記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒上部壁に配
置された点火プラグと、気筒内へ直接的に燃料を噴射す
る燃料噴射弁と、ピストン頂面に偏在して形成されたキ
ャビティとを具備し、前記キャビティは、底壁と、燃料
噴射弁側側壁と、前記燃料噴射弁側側壁に対向する対向
側壁と、前記燃料噴射弁側側壁と前記対向側壁とを接続
する両側側壁とを有し、前記燃料噴射弁から圧縮行程後
半に前記キャビティ内に噴射された燃料を、前記キャビ
ティの前記底壁上を進行させた後に前記対向側壁によっ
て偏向して前記点火プラグ近傍に導く筒内噴射式火花点
火内燃機関において、前記燃料噴射弁は燃料を比較的厚
さの薄い扇状に噴射するものであり、前記ピストン頂面
の前記キャビティが存在していない面積部分の少なくと
も一部と前記気筒上部壁との間の隙間によってスキッシ
ュエリアが形成され、前記スキッシュエリアによっても
たらされるスキッシュ流を主に前記キャビティ内の前記
両側側壁近傍へ流入させるためのスキッシュ流誘導手段
が設けられていることを特徴とする。
【００１０】また、本発明による請求項２に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関は、請求項１に記載の筒内噴射
式火花点火内燃機関において、前記スキッシュ流誘導手
段は、前記ピストン頂面に形成されたスキッシュ流誘導
壁であることを特徴とする。
噴射式火花点火内燃機関は、請求項１に記載の筒内噴射
式火花点火内燃機関において、前記スキッシュ流誘導手
段は、前記ピストン頂面に形成されたスキッシュ流誘導
壁であることを特徴とする。
【００１１】また、本発明による請求項３に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関は、請求項１に記載の筒内噴射
式火花点火内燃機関において、前記スキッシュエリア
は、前記キャビティの対向側壁中央部側からピストン周
囲側へ延在する領域であり、前記スキッシュエリアの前
記隙間は、前記対向側壁中央部側に比較して前記ピスト
ン周囲側が大きくされ、前記領域の両側が、前記スキッ
シュ流誘導手段を構成することを特徴とする。
噴射式火花点火内燃機関は、請求項１に記載の筒内噴射
式火花点火内燃機関において、前記スキッシュエリア
は、前記キャビティの対向側壁中央部側からピストン周
囲側へ延在する領域であり、前記スキッシュエリアの前
記隙間は、前記対向側壁中央部側に比較して前記ピスト
ン周囲側が大きくされ、前記領域の両側が、前記スキッ
シュ流誘導手段を構成することを特徴とする。
【００１２】また、本発明による請求項４に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関は、請求項１に記載の筒内噴射
式火花点火内燃機関において、前記スキッシュ流誘導手
段は、前記スキッシュエリアと前記キャビティの両側側
壁近傍とを連通する貫通穴であることを特徴とする。
噴射式火花点火内燃機関は、請求項１に記載の筒内噴射
式火花点火内燃機関において、前記スキッシュ流誘導手
段は、前記スキッシュエリアと前記キャビティの両側側
壁近傍とを連通する貫通穴であることを特徴とする。
【００１３】また、本発明による請求項５に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関は、請求項１から４のいずれか
に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関において、前記キ
ャビティの前記燃料噴射弁側側壁には、前記両側側壁近
傍に流入したスキッシュ流を前記キャビティ内の前記点
火プラグ下側へ向けて偏向する偏向手段が設けられてい
ることを特徴とする。
噴射式火花点火内燃機関は、請求項１から４のいずれか
に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関において、前記キ
ャビティの前記燃料噴射弁側側壁には、前記両側側壁近
傍に流入したスキッシュ流を前記キャビティ内の前記点
火プラグ下側へ向けて偏向する偏向手段が設けられてい
ることを特徴とする。
【００１４】
【発明の実施の形態】図１は、本発明による筒内噴射式
火花点火内燃機関の第一実施形態を示す概略縦断面図で
ある。図２は、図１のピストンの平面図である。これら
の図において、１は吸気ポート、２は排気ポートであ
る。吸気ポート１は吸気弁３を介して、排気ポート２は
排気弁４を介して、それぞれ気筒内へ通じている。本実
施形態における筒内噴射式火花点火内燃機関は、特に、
二つの吸気ポート１及び吸気弁３と、二つの排気ポート
２及び排気弁４とを有する吸排気二弁式であるが、これ
は、本発明を限定するものではない。５はピストンであ
り、その頂面には吸気弁３側に偏在して凹状のキャビテ
ィ８が形成されている。６は気筒上部略中心に配置され
た点火プラグであり、７は気筒上部周囲から気筒内へ直
接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁である。燃料噴
射弁７は、燃料のベーパを防止するために、気筒内にお
いて吸気流により比較的低温度となる吸気ポート１側に
配置されている。
火花点火内燃機関の第一実施形態を示す概略縦断面図で
ある。図２は、図１のピストンの平面図である。これら
の図において、１は吸気ポート、２は排気ポートであ
る。吸気ポート１は吸気弁３を介して、排気ポート２は
排気弁４を介して、それぞれ気筒内へ通じている。本実
施形態における筒内噴射式火花点火内燃機関は、特に、
二つの吸気ポート１及び吸気弁３と、二つの排気ポート
２及び排気弁４とを有する吸排気二弁式であるが、これ
は、本発明を限定するものではない。５はピストンであ
り、その頂面には吸気弁３側に偏在して凹状のキャビテ
ィ８が形成されている。６は気筒上部略中心に配置され
た点火プラグであり、７は気筒上部周囲から気筒内へ直
接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁である。燃料噴
射弁７は、燃料のベーパを防止するために、気筒内にお
いて吸気流により比較的低温度となる吸気ポート１側に
配置されている。
【００１５】また、燃料噴射弁７は、スリット状の噴孔
を有し、燃料を厚さの薄い扇状に噴射するものである。
成層燃焼を実施するためには、図１に示すように、圧縮
行程後半において燃料をピストン５の頂面に形成された
キャビティ８内へ噴射する。キャビティ８は、燃料噴射
弁７から噴射された燃料が衝突する底壁８ａと、燃料噴
射弁側側壁８ｂと、燃料噴射弁側側壁８ｂに対向する対
向側壁８ｃと、燃料噴射弁側側壁８ｂと対向側壁８ｃと
を接続する両側側壁８ｄとを有している。斜線で示す噴
射直後の燃料１０は液状であるが、キャビティ８の底壁
８ａに沿って進行して、キャビティ８の対向側壁８ｃに
よって点火プラグ６近傍へ導かれるまでに気化し、点火
時点において、ドットで示す着火性の良好な可燃混合気
となる。こうして、点火プラグ６近傍だけに可燃混合気
を形成して、気筒内全体としてはリーンな混合気を燃焼
可能とする成層燃焼を実現することが意図されている。
を有し、燃料を厚さの薄い扇状に噴射するものである。
成層燃焼を実施するためには、図１に示すように、圧縮
行程後半において燃料をピストン５の頂面に形成された
キャビティ８内へ噴射する。キャビティ８は、燃料噴射
弁７から噴射された燃料が衝突する底壁８ａと、燃料噴
射弁側側壁８ｂと、燃料噴射弁側側壁８ｂに対向する対
向側壁８ｃと、燃料噴射弁側側壁８ｂと対向側壁８ｃと
を接続する両側側壁８ｄとを有している。斜線で示す噴
射直後の燃料１０は液状であるが、キャビティ８の底壁
８ａに沿って進行して、キャビティ８の対向側壁８ｃに
よって点火プラグ６近傍へ導かれるまでに気化し、点火
時点において、ドットで示す着火性の良好な可燃混合気
となる。こうして、点火プラグ６近傍だけに可燃混合気
を形成して、気筒内全体としてはリーンな混合気を燃焼
可能とする成層燃焼を実現することが意図されている。
【００１６】厚さの薄い扇状の燃料噴霧は、キャビティ
８の底壁８ａに沿って進行する際に幅方向に拡がるため
に、キャビティ８の底壁８ａの広範囲部分から良好に熱
を吸収して容易に気化することができる。キャビティ８
の点火プラグ側側壁８ｂは、平面視において円弧形状を
有しているために、幅方向における燃料の中央部分は、
底壁８ａ上を進行する速度ベクトルが対向側壁８ｃによ
って上方向の速度ベクトルへ変換され、点火プラグ６近
傍に向かうことを可能とする。また、幅方向における燃
料の両側部分は、対向側壁８ｃに対してそれぞれ鋭角度
に衝突することとなり、底壁８ａ上を進行する速度ベク
トルが対向側壁８ｃによって上方向の速度ベクトルと中
央方向の速度ベクトルとの合成速度ベクトルに変換さ
れ、点火プラグ６近傍に向かうことを可能とする。
８の底壁８ａに沿って進行する際に幅方向に拡がるため
に、キャビティ８の底壁８ａの広範囲部分から良好に熱
を吸収して容易に気化することができる。キャビティ８
の点火プラグ側側壁８ｂは、平面視において円弧形状を
有しているために、幅方向における燃料の中央部分は、
底壁８ａ上を進行する速度ベクトルが対向側壁８ｃによ
って上方向の速度ベクトルへ変換され、点火プラグ６近
傍に向かうことを可能とする。また、幅方向における燃
料の両側部分は、対向側壁８ｃに対してそれぞれ鋭角度
に衝突することとなり、底壁８ａ上を進行する速度ベク
トルが対向側壁８ｃによって上方向の速度ベクトルと中
央方向の速度ベクトルとの合成速度ベクトルに変換さ
れ、点火プラグ６近傍に向かうことを可能とする。
【００１７】こうして噴射された燃料の大部分は、点火
プラグ６近傍に一塊の着火性の良好な可燃混合気とな
る。しかしながら、特に、キャビティ８の底壁８ａ上を
進行する燃料の両側部分から気化した気化燃料の一部
は、外側方向へ分散して、キャビティ８内の両側側壁８
ｄ近傍に希薄な混合気１００を形成する。
プラグ６近傍に一塊の着火性の良好な可燃混合気とな
る。しかしながら、特に、キャビティ８の底壁８ａ上を
進行する燃料の両側部分から気化した気化燃料の一部
は、外側方向へ分散して、キャビティ８内の両側側壁８
ｄ近傍に希薄な混合気１００を形成する。
【００１８】前述したように、ピストン頂面のキャビテ
ィ８は吸気弁３側に偏在しており、すなわち、ピストン
頂面の排気弁４側には比較的広い面積部分が存在する。
それにより、圧縮行程末期において、この面積部分と気
筒上部壁との間の隙間によってスキッシュエリアが形成
される。本実施形態において、ピストン５頂面には、キ
ャビティ８の対向側壁８ｃに沿って隆起部２０が設けら
れている。この隆起部２０は、実際的には、ピストン５
頂面のその他の部分が掘り下げられることにより形成さ
れている。こうして、圧縮行程末期において、スキッシ
ュエリアによってもたらされるスキッシュ流は、圧縮行
程末期におけるピストン５の平面図である図３に矢印で
示すように、対向側壁８ｃからではなく、両側側壁８ｄ
から二つの気流としてキャビティ８内へ流入する。本実
施形態の隆起部２０は、スキッシュ流を二つの気流に分
流し易くするために、キャビティ８の対向側壁８ｃ中央
部近傍に、ピストン５周囲方向へ先細となる楔形状部分
を有している。
ィ８は吸気弁３側に偏在しており、すなわち、ピストン
頂面の排気弁４側には比較的広い面積部分が存在する。
それにより、圧縮行程末期において、この面積部分と気
筒上部壁との間の隙間によってスキッシュエリアが形成
される。本実施形態において、ピストン５頂面には、キ
ャビティ８の対向側壁８ｃに沿って隆起部２０が設けら
れている。この隆起部２０は、実際的には、ピストン５
頂面のその他の部分が掘り下げられることにより形成さ
れている。こうして、圧縮行程末期において、スキッシ
ュエリアによってもたらされるスキッシュ流は、圧縮行
程末期におけるピストン５の平面図である図３に矢印で
示すように、対向側壁８ｃからではなく、両側側壁８ｄ
から二つの気流としてキャビティ８内へ流入する。本実
施形態の隆起部２０は、スキッシュ流を二つの気流に分
流し易くするために、キャビティ８の対向側壁８ｃ中央
部近傍に、ピストン５周囲方向へ先細となる楔形状部分
を有している。
【００１９】二つの気流はキャビティ８内において互い
に合流して点火プラグ６下側へ向けて進行する。本実施
形態においては、キャビティ８の燃料噴射弁側側壁８ｂ
の中央部に点火プラグ６下側方向に突出する突出部８ｅ
が設けられ、この突出部８ｅが燃料噴射弁側側壁８ｂと
滑らかに接続されている。それにより、二つの気流は、
突出部８ｅによって、合流によるエネルギ損失が小さく
され、点火プラグ６下側方向に進行し易くなっている。
に合流して点火プラグ６下側へ向けて進行する。本実施
形態においては、キャビティ８の燃料噴射弁側側壁８ｂ
の中央部に点火プラグ６下側方向に突出する突出部８ｅ
が設けられ、この突出部８ｅが燃料噴射弁側側壁８ｂと
滑らかに接続されている。それにより、二つの気流は、
突出部８ｅによって、合流によるエネルギ損失が小さく
され、点火プラグ６下側方向に進行し易くなっている。
【００２０】二つの気流がキャビティ８内へ流入した直
後に、点火時期となって点火プラグ６近傍に形成された
可燃混合気が燃焼を開始する。キャビティ８内の両側側
壁８ｄ近傍それぞれに形成された希薄な混合気１００
は、そのままでは膨張行程初期にキャビティ８の周囲部
から急激に空気が流出する逆スキッシュ流によってキャ
ビティ外へ排出され、燃焼せずに未燃燃料として排出さ
れることとなるが、本実施形態によれば、前述の気流に
よって点火プラグ６下側へ移動させられ、可燃混合気と
一体化するために、良好に燃焼可能となる。こうして、
本実施形態によれば、噴射された全ての燃料を燃焼させ
る良好な成層燃焼が実現され、意図する機関出力が得ら
れるだけでなく、未燃燃料の排出量を低減することがで
きる。
後に、点火時期となって点火プラグ６近傍に形成された
可燃混合気が燃焼を開始する。キャビティ８内の両側側
壁８ｄ近傍それぞれに形成された希薄な混合気１００
は、そのままでは膨張行程初期にキャビティ８の周囲部
から急激に空気が流出する逆スキッシュ流によってキャ
ビティ外へ排出され、燃焼せずに未燃燃料として排出さ
れることとなるが、本実施形態によれば、前述の気流に
よって点火プラグ６下側へ移動させられ、可燃混合気と
一体化するために、良好に燃焼可能となる。こうして、
本実施形態によれば、噴射された全ての燃料を燃焼させ
る良好な成層燃焼が実現され、意図する機関出力が得ら
れるだけでなく、未燃燃料の排出量を低減することがで
きる。
【００２１】図４は、本発明による筒内噴射式火花点火
内燃機関の第二実施形態を示すピストンの平面図であ
り、図５及び図６は、それぞれ、図４のＡ−Ａ断面図と
Ｂ−Ｂ断面図である。第一実施形態との違いについての
み以下に説明する。
内燃機関の第二実施形態を示すピストンの平面図であ
り、図５及び図６は、それぞれ、図４のＡ−Ａ断面図と
Ｂ−Ｂ断面図である。第一実施形態との違いについての
み以下に説明する。
【００２２】本実施形態において、ピストン５頂面の面
積部分には、第一実施形態とは異なる隆起部２１が設け
られている。この隆起部２１は、キャビティ８の対向側
壁８ｃ中央部側からピストン５周囲側へ延在しており、
気筒上部壁との間にスキッシュエリアを形成する。特
に、このスキッシュエリアの隙間は、図５に示すよう
に、対向側壁８ｃ中央部側に比較してピストン５周囲側
が大きくされている。それにより、圧縮行程末期におい
て、このスキッシュエリアにより対向側壁８中央部側か
らピストン５周囲側へのスキッシュ流が発生する。この
スキッシュ流は、図４に矢印で示すように、シリンダボ
アによって二つの気流に分流し、それぞれが隆起部２１
の両側を通り、対向側壁８ｃの両側部分からキャビティ
８内へ流入する。ピストン５頂面における隆起部２１の
両側における気筒上部壁との間の隙間は、図６に示すよ
うに、対向側壁８ｃ側に比較してピストン５周囲側が小
さくされているために、この隙間は隆起部２１の両側を
通過する気流を強めるように機能する。
積部分には、第一実施形態とは異なる隆起部２１が設け
られている。この隆起部２１は、キャビティ８の対向側
壁８ｃ中央部側からピストン５周囲側へ延在しており、
気筒上部壁との間にスキッシュエリアを形成する。特
に、このスキッシュエリアの隙間は、図５に示すよう
に、対向側壁８ｃ中央部側に比較してピストン５周囲側
が大きくされている。それにより、圧縮行程末期におい
て、このスキッシュエリアにより対向側壁８中央部側か
らピストン５周囲側へのスキッシュ流が発生する。この
スキッシュ流は、図４に矢印で示すように、シリンダボ
アによって二つの気流に分流し、それぞれが隆起部２１
の両側を通り、対向側壁８ｃの両側部分からキャビティ
８内へ流入する。ピストン５頂面における隆起部２１の
両側における気筒上部壁との間の隙間は、図６に示すよ
うに、対向側壁８ｃ側に比較してピストン５周囲側が小
さくされているために、この隙間は隆起部２１の両側を
通過する気流を強めるように機能する。
【００２３】その後、二つの気流は、キャビティ８の両
側側壁８ｄ近傍を通過して燃料噴射弁側側壁８ｂによっ
て偏向され、燃料噴射弁側側壁８ｂの突出部８ｅによっ
て容易に合流して点火プラグ６下側へ進行する。こうし
て、本実施形態の構成によっても、キャビティ８内の両
側側壁８ｄ近傍それぞれに形成された希薄な混合気１０
０は、気流によって点火プラグ６下側へ移動させられ、
可燃混合気と一体化するために、良好に燃焼可能とな
る。
側側壁８ｄ近傍を通過して燃料噴射弁側側壁８ｂによっ
て偏向され、燃料噴射弁側側壁８ｂの突出部８ｅによっ
て容易に合流して点火プラグ６下側へ進行する。こうし
て、本実施形態の構成によっても、キャビティ８内の両
側側壁８ｄ近傍それぞれに形成された希薄な混合気１０
０は、気流によって点火プラグ６下側へ移動させられ、
可燃混合気と一体化するために、良好に燃焼可能とな
る。
【００２４】第一実施形態においては、ピストン５頂面
に形成された隆起部２０が、スキッシュ流をキャビティ
８内の両側側壁８ｄ近傍に流入させるスキッシュ流誘導
手段として機能するが、本実施形態においては、ピスト
ン頂面５に形成された隆起部２１の両側が、スキッシュ
流をキャビティ８内の両側側壁８ｄ近傍に流入させるス
キッシュ流誘手段として機能する。また、本実施形態に
おいて、ピストン５側に隆起部２１を形成したが、同様
な隆起部をピストン５側ではなく気筒上部壁側に形成す
るようにしても良い。
に形成された隆起部２０が、スキッシュ流をキャビティ
８内の両側側壁８ｄ近傍に流入させるスキッシュ流誘導
手段として機能するが、本実施形態においては、ピスト
ン頂面５に形成された隆起部２１の両側が、スキッシュ
流をキャビティ８内の両側側壁８ｄ近傍に流入させるス
キッシュ流誘手段として機能する。また、本実施形態に
おいて、ピストン５側に隆起部２１を形成したが、同様
な隆起部をピストン５側ではなく気筒上部壁側に形成す
るようにしても良い。
【００２５】図７は、本発明による筒内噴射式火花点火
内燃機関の第三実施形態を示すピストンの平面図であ
る。第一実施形態との違いについてのみ以下に説明す
る。
内燃機関の第三実施形態を示すピストンの平面図であ
る。第一実施形態との違いについてのみ以下に説明す
る。
【００２６】本実施形態において、ピストン５頂面には
隆起部が設けられていない。その代わりに、ピストン５
頂面の面積部分からキャビティ８の対向側壁８ｃ両側部
における底壁８ａ近傍へ通じる二つの貫通穴２２が形成
されている。それにより、ピストン５頂面の面積部分と
気筒上部壁との間に形成されるスキッシュエリアによっ
て圧縮行程末期においてもたらされるスキッシュ流は、
主に、図７に矢印で示すように、二つの貫通穴２２を通
ってキャビティ８内へ流入し、キャビティ８の両側側壁
８ｄ近傍を通過して燃料噴射弁側側壁８ｂによって偏向
され、燃料噴射弁側側壁８ｂの突出部８ｅによって容易
に合流して点火プラグ６下側へ進行する。こうして、本
実施形態の構成によっても、キャビティ８内の両側側壁
８ｄ近傍それぞれに形成された希薄な混合気１００は、
気流によって点火プラグ６下側へ移動させられ、可燃混
合気と一体化するために、良好に燃焼可能となる。
隆起部が設けられていない。その代わりに、ピストン５
頂面の面積部分からキャビティ８の対向側壁８ｃ両側部
における底壁８ａ近傍へ通じる二つの貫通穴２２が形成
されている。それにより、ピストン５頂面の面積部分と
気筒上部壁との間に形成されるスキッシュエリアによっ
て圧縮行程末期においてもたらされるスキッシュ流は、
主に、図７に矢印で示すように、二つの貫通穴２２を通
ってキャビティ８内へ流入し、キャビティ８の両側側壁
８ｄ近傍を通過して燃料噴射弁側側壁８ｂによって偏向
され、燃料噴射弁側側壁８ｂの突出部８ｅによって容易
に合流して点火プラグ６下側へ進行する。こうして、本
実施形態の構成によっても、キャビティ８内の両側側壁
８ｄ近傍それぞれに形成された希薄な混合気１００は、
気流によって点火プラグ６下側へ移動させられ、可燃混
合気と一体化するために、良好に燃焼可能となる。
【００２７】本実施形態においては、スキッシュエリア
とキャビティ８の両側側壁８ｄ近傍とを連通する貫通穴
２２が、スキッシュ流をキャビティ８内の両側側壁８ｄ
近傍に流入させるスキッシュ流誘導手段として機能す
る。前述した全ての実施形態において、キャビティ８の
燃料噴射弁側側壁８ｂには、キャビティ８内へ流入する
気流を点火プラグ６の下側へ向けるための突出部８ｅが
設けられている。しかしながら、この突出部８ｅは本発
明を限定するものではない。このような突出部８ｅが設
けられていなくても、二つの気流は、合流することによ
りキャビティ８の中央部へ向かうことは明らかであり、
キャビティ８内の両側側壁８ｄ近傍に形成された希薄な
混合気は、この気流によってキャビティ８の周囲部から
移動させられ、膨張行程初期において、逆スキッシュ流
によってキャビティ８外へ排出されることはなく、キャ
ビティ８内に位置するために、従来に比較して点火プラ
グ６近傍の可燃混合気の火炎が伝播し易くすることがで
きる。
とキャビティ８の両側側壁８ｄ近傍とを連通する貫通穴
２２が、スキッシュ流をキャビティ８内の両側側壁８ｄ
近傍に流入させるスキッシュ流誘導手段として機能す
る。前述した全ての実施形態において、キャビティ８の
燃料噴射弁側側壁８ｂには、キャビティ８内へ流入する
気流を点火プラグ６の下側へ向けるための突出部８ｅが
設けられている。しかしながら、この突出部８ｅは本発
明を限定するものではない。このような突出部８ｅが設
けられていなくても、二つの気流は、合流することによ
りキャビティ８の中央部へ向かうことは明らかであり、
キャビティ８内の両側側壁８ｄ近傍に形成された希薄な
混合気は、この気流によってキャビティ８の周囲部から
移動させられ、膨張行程初期において、逆スキッシュ流
によってキャビティ８外へ排出されることはなく、キャ
ビティ８内に位置するために、従来に比較して点火プラ
グ６近傍の可燃混合気の火炎が伝播し易くすることがで
きる。
【００２８】前述した全ての実施形態において、ピスト
ン５頂面のキャビティ８は、燃料が衝突する底壁８ａ
と、燃料噴射弁側側壁８ｂと、底壁８ａ上を進行する燃
料を点火プラグ近傍に導く対向側壁８ｃとを形状的に区
別可能なものである。しかしながら、これは、本発明を
限定するものではない。例えば、キャビティが略半球形
状である場合のように、底壁と燃料噴射弁側側壁と対向
側壁とが形状的には区別できなくても、本発明は、燃料
が衝突する部分をキャビティを底壁として、また、この
底壁上を進行する燃料を点火プラグ近傍に導く部分をキ
ャビティの対向側壁として、また、対向側壁に対向する
部分を燃料噴射弁側側壁として意図していることは明ら
かである。
ン５頂面のキャビティ８は、燃料が衝突する底壁８ａ
と、燃料噴射弁側側壁８ｂと、底壁８ａ上を進行する燃
料を点火プラグ近傍に導く対向側壁８ｃとを形状的に区
別可能なものである。しかしながら、これは、本発明を
限定するものではない。例えば、キャビティが略半球形
状である場合のように、底壁と燃料噴射弁側側壁と対向
側壁とが形状的には区別できなくても、本発明は、燃料
が衝突する部分をキャビティを底壁として、また、この
底壁上を進行する燃料を点火プラグ近傍に導く部分をキ
ャビティの対向側壁として、また、対向側壁に対向する
部分を燃料噴射弁側側壁として意図していることは明ら
かである。
【００２９】
【発明の効果】このように、本発明による筒内噴射式火
花点火内燃機関によれば、気筒上部壁に配置された点火
プラグと、気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁
と、ピストン頂面に偏在して形成されたキャビティとを
具備し、キャビティは、底壁と、燃料噴射弁側側壁と、
燃料噴射弁側側壁に対向する対向側壁と、燃料噴射弁側
側壁と対向側壁とを接続する両側側壁とを有し、燃料噴
射弁から圧縮行程後半にキャビティ内に噴射された燃料
を、キャビティの底壁上を進行させた後に対向側壁によ
って偏向して点火プラグ近傍に導く筒内噴射式火花点火
内燃機関において、燃料噴射弁は燃料を比較的厚さの薄
い扇状に噴射するものであり、ピストン頂面のキャビテ
ィが存在していない面積部分の少なくとも一部と気筒上
部壁との間の隙間によってスキッシュエリアが形成さ
れ、スキッシュエリアによってもたらされるスキッシュ
流を主にキャビティ内の両側側壁近傍へ流入させるため
のスキッシュ流誘導手段が設けられている。こうしてキ
ャビティの両側側壁近傍へ流入した二つの気流は、互い
に合流して最終的にはキャビティの中央部へ向かう。
花点火内燃機関によれば、気筒上部壁に配置された点火
プラグと、気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁
と、ピストン頂面に偏在して形成されたキャビティとを
具備し、キャビティは、底壁と、燃料噴射弁側側壁と、
燃料噴射弁側側壁に対向する対向側壁と、燃料噴射弁側
側壁と対向側壁とを接続する両側側壁とを有し、燃料噴
射弁から圧縮行程後半にキャビティ内に噴射された燃料
を、キャビティの底壁上を進行させた後に対向側壁によ
って偏向して点火プラグ近傍に導く筒内噴射式火花点火
内燃機関において、燃料噴射弁は燃料を比較的厚さの薄
い扇状に噴射するものであり、ピストン頂面のキャビテ
ィが存在していない面積部分の少なくとも一部と気筒上
部壁との間の隙間によってスキッシュエリアが形成さ
れ、スキッシュエリアによってもたらされるスキッシュ
流を主にキャビティ内の両側側壁近傍へ流入させるため
のスキッシュ流誘導手段が設けられている。こうしてキ
ャビティの両側側壁近傍へ流入した二つの気流は、互い
に合流して最終的にはキャビティの中央部へ向かう。
【００３０】それにより、キャビティの底壁を進行する
燃料の両側部分から気化した気化燃料の一部は、外側方
向へ分散して、キャビティ内の両側側壁近傍に希薄な混
合気を形成するが、この希薄な混合気は、キャビティ内
の両側側壁近傍へ流入する二つの気流によってキャビテ
ィの中央部へ移動させられ、膨張行程初期において、キ
ャビティの周囲部から急激に空気が流出する逆スキッシ
ュ流によってキャビティ外へ排出されることがなく、キ
ャビティ内に位置するために、点火プラグ近傍に形成さ
れた可燃混合気の燃焼時における火炎がキャビティ内の
混合気に容易に伝播し、噴射された全ての燃料を燃焼さ
せる良好な成層燃焼が実現可能なり、意図する機関出力
が得られるだけでなく、未燃燃料の排出量を低減するこ
とができる。
燃料の両側部分から気化した気化燃料の一部は、外側方
向へ分散して、キャビティ内の両側側壁近傍に希薄な混
合気を形成するが、この希薄な混合気は、キャビティ内
の両側側壁近傍へ流入する二つの気流によってキャビテ
ィの中央部へ移動させられ、膨張行程初期において、キ
ャビティの周囲部から急激に空気が流出する逆スキッシ
ュ流によってキャビティ外へ排出されることがなく、キ
ャビティ内に位置するために、点火プラグ近傍に形成さ
れた可燃混合気の燃焼時における火炎がキャビティ内の
混合気に容易に伝播し、噴射された全ての燃料を燃焼さ
せる良好な成層燃焼が実現可能なり、意図する機関出力
が得られるだけでなく、未燃燃料の排出量を低減するこ
とができる。
【図１】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第
一実施形態を示す概略縦断面図である。
一実施形態を示す概略縦断面図である。
【図２】図１のピストンの平面図である。
【図３】圧縮行程末期における図１のピストンの平面図
である。
である。
【図４】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第
二実施形態を示すピストンの平面図である。
二実施形態を示すピストンの平面図である。
【図５】図４のＡ−Ａ断面図である。
【図６】図４のＢ−Ｂ断面図である。
【図７】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第
三実施形態を示すピストンの平面図である。
三実施形態を示すピストンの平面図である。
１…吸気ポート ２…排気ポート ３…吸気弁 ４…排気弁 ５…ピストン ６…点火プラグ ７…燃料噴射弁 ８…キャビティ ８ａ…底壁 ８ｂ…燃料噴射弁側側壁 ８ｃ…対向側壁 ８ｄ…両側側壁 ８ｅ…突出部 ２０…隆起部 ２１…隆起部 ２２…貫通穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3G023 AA04 AB03 AC05 AD02 AD08 AD09 AD12 AG01 3G066 AA02 AA05 AB02 AD12 BA26 CC34 CC48 CD04
Claims (5)
- 【請求項１】 気筒上部壁に配置された点火プラグと、
気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁と、ピスト
ン頂面に偏在して形成されたキャビティとを具備し、前
記キャビティは、底壁と、燃料噴射弁側側壁と、前記燃
料噴射弁側側壁に対向する対向側壁と、前記燃料噴射弁
側側壁と前記対向側壁とを接続する両側側壁とを有し、
前記燃料噴射弁から圧縮行程後半に前記キャビティ内に
噴射された燃料を、前記キャビティの前記底壁上を進行
させた後に前記対向側壁によって偏向して前記点火プラ
グ近傍に導く筒内噴射式火花点火内燃機関において、前
記燃料噴射弁は燃料を比較的厚さの薄い扇状に噴射する
ものであり、前記ピストン頂面の前記キャビティが存在
していない面積部分の少なくとも一部と前記気筒上部壁
との間の隙間によってスキッシュエリアが形成され、前
記スキッシュエリアによってもたらされるスキッシュ流
を主に前記キャビティ内の前記両側側壁近傍へ流入させ
るためのスキッシュ流誘導手段が設けられていることを
特徴とする筒内噴射式火花点火内燃機関。 - 【請求項２】 前記スキッシュ流誘導手段は、前記ピス
トン頂面に形成されたスキッシュ流誘導壁であることを
特徴とする請求項１に記載の筒内噴射式火花点火内燃機
関。 - 【請求項３】 前記スキッシュエリアは、前記キャビテ
ィの対向側壁中央部側からピストン周囲側へ延在する領
域であり、前記スキッシュエリアの前記隙間は、前記対
向側壁中央部側に比較して前記ピストン周囲側が大きく
され、前記領域の両側が、前記スキッシュ流誘導手段を
構成することを特徴とする請求項１に記載の筒内噴射式
火花点火内燃機関。 - 【請求項４】 前記スキッシュ流誘導手段は、前記スキ
ッシュエリアと前記キャビティの両側側壁近傍とを連通
する貫通穴であることを特徴とする請求項１に記載の筒
内噴射式火花点火内燃機関。 - 【請求項５】 前記キャビティの前記燃料噴射弁側側壁
には、前記両側側壁近傍に流入したスキッシュ流を前記
キャビティ内の前記点火プラグ下側へ向けて偏向する偏
向手段が設けられていることを特徴とする請求項１から
４のいずれかに記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11113576A JP2000303844A (ja) | 1999-04-21 | 1999-04-21 | 筒内噴射式火花点火内燃機関 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11113576A JP2000303844A (ja) | 1999-04-21 | 1999-04-21 | 筒内噴射式火花点火内燃機関 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000303844A true JP2000303844A (ja) | 2000-10-31 |
Family
ID=14615752
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11113576A Pending JP2000303844A (ja) | 1999-04-21 | 1999-04-21 | 筒内噴射式火花点火内燃機関 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000303844A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6651612B2 (en) | 2001-08-24 | 2003-11-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | In-cylinder injection type spark-ignition internal combustion engine |
| JP2011220118A (ja) * | 2010-04-02 | 2011-11-04 | Toyota Motor Corp | 内燃機関、シリンダヘッドおよびピストン |
-
1999
- 1999-04-21 JP JP11113576A patent/JP2000303844A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6651612B2 (en) | 2001-08-24 | 2003-11-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | In-cylinder injection type spark-ignition internal combustion engine |
| JP2011220118A (ja) * | 2010-04-02 | 2011-11-04 | Toyota Motor Corp | 内燃機関、シリンダヘッドおよびピストン |
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