JP2000300922A - 多孔質プラスチックフィルタ - Google Patents

多孔質プラスチックフィルタ

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JP2000300922A
JP2000300922A JP11154247A JP15424799A JP2000300922A JP 2000300922 A JP2000300922 A JP 2000300922A JP 11154247 A JP11154247 A JP 11154247A JP 15424799 A JP15424799 A JP 15424799A JP 2000300922 A JP2000300922 A JP 2000300922A
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filter
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sintering
porous
porous plastic
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JP11154247A
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Yosuke Egawa
洋介 江川
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Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、液体や気体等の流体中に含まれる
微粒子を分離濾過するための多孔質プラスチックフィル
タを提供する。 【解決手段】 熱可塑性プラスチック材料の粒子を焼結
成形して得られる多孔質プラスチックフィルタにおい
て、多孔質プラスチックフィルタは嵩密度0.4〜0.
55g/cmでありかつ安息角が25〜40゜の粉体
粒子を焼結成形して得られることを特徴とする多孔質プ
ラスチックフィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体や気体等の流
体中に含まれる微粒子を分離濾過するための多孔質プラ
スチックフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、液体や気体などの流体中に含
まれる塵芥等の微粒子を分離濾過するための多孔質プラ
スチックフィルタは多数知られている。その中でも粘度
平均分子量が100万以上のいわゆる超高分子量ポリエ
チエン粒子を焼結成形して得られる多孔質プラスチック
フィルタは、(1)自立性があり、リテナーが不要であ
る(2)布製フィルターのような毛羽立ちがなく、コン
タミを起こさない、などの理由から、粉体回収用のフィ
ルタや除塵用のフィルタとして広く用いられている。
【0003】また、一般的に製品回収用のフィルタや除
塵用のフィルタでは、フィルタ面で捕集された粉体や塵
をそのまま放置しておくと、圧力損失が大きくなるた
め、粉体等の処理量の低下を招くことになる。したがっ
てかかる問題に対して、定期的にパルスエアで逆洗を行
うなどして、捕集した粉体等の払い落としを行ってい
る。ここでパルスエアは通常4〜6kg/cm程度の
高圧エアを用いるため、フィルタはかかる圧力に耐える
だけの強度を有している必要がある。またフィルタは年
単位の長期間で使用する場合が常であり、かかる長期の
使用に対する耐久性も要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
フィルタでは、フィルタの強度が十分でないため、使用
後数ヶ月で、パルスエアの圧力に耐えられず逆洗時に破
損してしまう場合が多く、また年単位の使用では、使用
中にフィルタが破損する場合もあり、そのため長期間の
使用に耐えうる十分な強度を有するフィルタが求められ
ていた。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明者は上記のような問
題点に鑑み、鋭意検討した結果、多孔質プラスチックフ
ィルタを焼結成形するための粉体粒子の嵩密度や安息角
を特定することで、上記の課題を解決できることを見い
だしたものであり、その要旨は、(1)熱可塑性プラス
チック材料の粒子を焼結成形して得られる多孔質プラス
チックフィルタにおいて、多孔質プラスチックフィルタ
は、嵩密度0.40〜0.55g/cmでありかつ安
息角が25〜40゜の粒子を焼結成形して得られること
を特徴とする多孔質プラスチックフィルタであり、好ま
しくは(2)該粒子が超高分子量ポリエチレンであるこ
とを特徴とする(1)記載の多孔質プラスチックフィル
タにある。
【0006】本発明の多孔質プラスチックフィルタを構
成するプラスチック材料としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル等、焼結により多孔質体を
得られる熱可塑性樹脂であれば特に限定されるものでは
ない。しかし焼結成形時の流動性・溶融特性や、フィル
タ表面に付着した微粒子を容易に剥離・除去するという
使用態様、および環境性を考慮すると、プラスチック材
料としては超高分子量ポリエチレンが好ましく、また、
当該プラスチック材料においては、焼結成形するために
用いられるプラスチック材料の粒子の嵩密度は0.40
〜0.55g/cmであるとともに、安息角が25〜
40゜であることが必要とされる。
【0007】本発明において、焼結成形するために用い
られるプラスチック材料の粒子の嵩密度は0.40〜
0.55g/cmの範囲にあればよく、好ましくは
0.47〜0.52g/cmのものを使用することに
より好結果が得られる。嵩密度が0.40g/cm
満の場合は、多孔質体の気孔率が大きくなりすぎて、焼
結成形した際に粉体粒子同士の融着点数が少なくなり、
その結果長期間の使用に耐えうる十分な強度を有したフ
ィルタを得ることが出来ない。一方、嵩密度が0.55
g/cmを越えるものでは、長期間の使用に耐えうる
強度を有したフィルタは得られるものの、多孔質体の気
孔率が低下してしまうため、焼結成形した際にフィルタ
の圧力損失が大きくなり、フィルタとしての機能を果た
さなくなる。
【0008】加えて、該粒子の安息角は25〜40゜の
範囲であればよく、好ましくは30〜35°のものを使
用することにより好結果が得られる。安息角が25゜未
満の場合は、焼結成形時に金型へ充填する際の粉体粒子
の流動性が過剰に良好となる。その結果多孔質体の気孔
率が小さくなり圧力損失が大きくなり、フィルタとして
の機能を果たさなくなる。一方、安息角が40゜を越え
ると粉体粒子の流動性が極端に悪くなり、多孔質体の気
孔率が大きくなりすぎて、焼結成形した際に粉体粒子同
士の融着点数が少なくなり、結果長期間の使用に耐えう
る十分な強度を有したフィルタを得ることが出来ない。
加えて焼結成形時に金型への充填性が悪いため、ピンホ
ール不良の製品不良が増加する等、製造上の問題が発生
する。
【0009】従って、プラスチック材料の粒子の嵩密度
は0.40〜0.55g/cmでありかつ安息角が2
5〜40゜であることが必要とされ、かかる数値範囲を
外れるものについては、本発明の効果を得ることはでき
ない。
【0010】熱可塑性プラスチック材料の形態として
は、粉末状のものが好ましく、その平均粒径は50〜7
00μmの範囲であればよく、好ましくは60〜500
μmのものが好結果をもたらす。すなわち、平均粒径が
50μm以下では、ろ過精度は向上するものの、粒体が
通過する時の圧力損失が高くなるため好ましくない。ま
た、平均粒径が700μm以上では、満足するろ過精度
を発現できず、これまた好ましくない。
【0011】また、本発明の多孔質フィルタの焼結成形
方法には、特に制限はなく、通常は、いわゆる型内焼結
法による。すなわち,筒状等の内表面形状を有する外型
とその内部に挿入した同様の外表面形状を有する内型と
からなる成形金型を用い、外型内表面と内型外表面の間
隙部に形成されるキャビティ内に、熱可塑性プラスチッ
クを充填した後、成形金型共々これを加熱する静的成形
法が、本発明の多孔質フィルタ成形方法として好まし
い。場合によっては、シリンダ内にピストンを内蔵した
ラム式押出機を用いて行うラム押出法、シリンダ内にス
クリュを内蔵した押出成形機を用いて行う押出成形法に
よっても連続的にプラスチックフィルタが成形できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明する
が、本発明は以下の実施例によりその範囲が限定される
ものではない。以下の内容にて各フィルタを製造し、フ
ィルタとしての性能を下記に示した方法により評価し、
その結果を表1に記載した、
【0013】「嵩密度」……粉体粒子をパウダテスタP
T−N型(ホソカワミクロン社製)を用いて測定した数
値。
【0014】「安息角」……粉体粒子をパウダテスタP
T−N型(ホソカワミクロン社製)を用いて測定した数
値。
【0015】「引張強度」……JIS K−6251記
載のダンベル状3号形試験片をフィルタより採取し、室
温で引張強度5mm/minにて測定した数値。
【0016】「気孔率」……プラスチック材料の真密
度、プラスチックフィルタの見かけ密度より、次の式
を用いて算出される。
【数1】
【0017】 気孔率(%)=(ρ−ρ)/ρ×100・・・ (ただしρはプラスチックフィルタを構成する熱可塑
性プラスチック材料の真密度(g/cm)であり、ρ
はプラスチックフィルタの見かけ密度(g/cm
である。)
【0018】また、式で用いる見かけ密度ρ(g/
cm)は、次の式にて算出される。
【0019】
【数2】ρ=W/V・・・ (ただしWはプラスチックフィルタの質量(g)、Vは
プラスチックフィルタの体積(cm)である。)
【0020】「圧力損失」……中空円筒体のプラスチッ
クフィルタを、その中空円筒体の一方の開口にマノメー
タを装着し、他方の開口に真空ポンプを装着し、その真
空ポンプで、フィルタの外表面積(1m)当たり所定
流量(1m/min:温度23℃、圧力1気圧)の空
気になるように吸引し、その時の圧力差を測定し、圧力
損失(mmAq)とした。
【0021】「逆洗耐久性評価」……フィルタを集塵機
内にセットし、6kg/cmのエアをパルス的にフィ
ルタ内部に供給し、逆洗回数:100万回(約6年間の
使用に相当)の耐久性試験を行い、目視によりフィルタ
の亀裂・破損の有無を確認した。判定は亀裂・破損が無
ければ「亀裂・破損無し」とし、亀裂・破損が発生した
場合、その時の逆洗回数を記録した。
【0022】[実施例1]平均粒径が62μm、分子
量:175万で粉体粒子の嵩密度が0.50g/c
、安息角が32゜の超高分子量ポリエチレン樹脂を
肉厚3mmになるような筒状金型内に振動充填し、これ
を200℃の温度で30分加熱して、多孔質フィルタを
得た。
【0023】[実施例2]平均粒径が73μm、分子
量:400万で粉体粒子の嵩密度が0.46g/c
、安息角が35°の超高分子量ポリエチレン樹脂を
肉厚3mmになるような筒状金型内に振動充填し、これ
を200℃の温度で30分加熱して、多孔質フィルタを
得た。
【0024】[比較例1]平均粒径が65μm、分子
量:400万で粉体粒子の嵩密度が0.37g/c
、安息角が42゜の超高分子量ポリエチレン樹脂を
肉厚3mmになるような筒状金型内に振動充填し、これ
を200℃の温度で30分加熱して、多孔質フィルタを
得た。
【0025】[比較例2]平均粒径が70μm、分子
量:200万で粉体粒子の嵩密度が0.57g/c
、安息角が26°の超高分子量ポリエチレン樹脂を
肉厚3mmになるような筒状金型内に振動充填し、これ
を200℃の温度で30分加熱して、多孔質フィルタを
得た。
【0026】[比較例3]平均粒径が60μm、分子
量:200万で粉体粒子の嵩密度が0.50g/c
、安息角が45°の超高分子量ポリエチレン樹脂を
肉厚3mmになるような筒状金型内に振動充填し、これ
を200℃の温度で30分加熱して、多孔質フィルタを
得た。
【表1】
【0027】表1に示したように、実施例1,2におい
ては、逆洗耐久性も問題なく、また通気抵抗の値も実用
上問題のないレベルであった。一方比較例1、3では引
張強度が小さく、結果逆洗耐久性も40〜45万回程度
の逆洗でフィルタが破損し、長期的な耐久性に問題があ
った。また比較例2においては、圧力抵抗値が大きく、
これも実用上問題があった。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明品の多孔質
プラスチックフィルタは、嵩密度0.4〜0.55g/
cmでありかつ安息角が25〜40゜の粒子を焼結成
形しているため、長期間の使用に耐えうる十分な強度を
有するフィルタを提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性プラスチック材料の粒子を焼結
    成形して得られる多孔質プラスチックフィルタにおい
    て、前記粒子は嵩密度0.40〜0.55g/cm
    ありかつ安息角が25〜40゜の粒子であることを特徴
    とする多孔質プラスチックフィルタ。
  2. 【請求項2】 該粒子が超高分子量ポリエチレンである
    ことを特徴とする請求項1記載の多孔質プラスチックフ
    ィルタ。
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