JP2000300261A - PML−RARAキメラmRNA検出用試薬 - Google Patents

PML−RARAキメラmRNA検出用試薬

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JP2000300261A
JP2000300261A JP11106867A JP10686799A JP2000300261A JP 2000300261 A JP2000300261 A JP 2000300261A JP 11106867 A JP11106867 A JP 11106867A JP 10686799 A JP10686799 A JP 10686799A JP 2000300261 A JP2000300261 A JP 2000300261A
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rna
dna
rara
sequence
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JP11106867A
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Motohiro Kondo
元宏 近藤
Masaya Segawa
昌也 瀬川
Satoko Yoshiga
聡子 吉賀
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のt(15;17)転座の臨床検査方法の
問題点を解決し、NASBAにより、簡便、迅速、特異
的且つ高感度にPML−RARAキメラmRNAの検出
を可能とする。 【解決手段】配列表・配列番号1〜4のいずれかに記載
の配列のうち少なくとも連続した15塩基からなる核酸
配列を含むことを特徴とするPML−RARAキメラm
RNA検出用オリゴヌクレオチド及びこれらを用いたP
ML−RARAキメラmRNAの検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PML−RARA
キメラmRNAを簡便かつ迅速に検出するPML−RA
RAキメラmRNA検出用のプライマーと検出/捕捉用
プローブ及びその利用法に関する。
【0002】
【従来の技術】急性前骨髄球性白血病(APL)は、急
性骨髄球性白血病(AML)の一亜腫で、FAB分類上
M3に属し、細胞形態的に多数の粗大顆粒と異形成の強
い核を有する前骨髄球が増加する。骨髄系細胞分化にお
いて、前骨髄球レベルで分化の停止した腫瘍と考えるこ
とが出来る。この、APL患者の約70〜80%におい
て、t(15;17)転座が見出されており、APL以
外の白血病では認められないため、t(15;17)転
座の有無を確認することはAPLの診断を確定する上で
極めて重要である。
【0003】t(15;17)転座は、第15染色体長
腕(15q22)に座位する転写制御因子であるPML
遺伝子と、第17染色体長腕(17q11)に座位する
レチノイン酸レセプターα(RARA)遺伝子の相互転
座によりPML−RARAキメラmRNAを生成する。
この転座の17番染色体上の切断点はRARα遺伝子の
イントロン2に集中している。また、15番染色体上の
PML遺伝子では、bcr1、bcr2、bcr3の3
つの部位に集中している。また、PML−RARAキメ
ラmRNAには、PML遺伝子内の切断の多様性とスプ
ライシングの多様性のために症例ごとに、また、同一症
例でも様々のアイソフォームが存在している(EMBO Jou
rnal 第11巻、第4号、第1397〜1407頁,1
992年)。
【0004】該t(15;17)転座は、サザン法で転
座に伴う遺伝子の再構成が証明できる。高島ら(日本臨
床 第50巻、第6号、第1363頁、1992年)は
3種のDNAプローブを用いサザン法を実施し、16例
のAPL患者のうち15例でRARAの再構成を認めて
いる。
【0005】また、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT
−PCR)を用いた検出方法も知られている(Cancer.
Genet.Cytogenet 第84巻、第91〜94頁、198
4年)。RT−PCR法では、切断点を挟んで、RAR
α遺伝子側にリバースプライマー、PML遺伝子側にフ
ォワードプライマーを設定し、逆転写反応後PCRを実
施する。増幅産物をアガロースゲル中で確認することに
より、t(15;17)転座の有無が判別できる。
【0006】さらに近年、蛍光in situハイブリダイゼ
ーション法(FISH法)による検出方法も開発されて
いる(臨床病理 第44巻、第8号、第736頁、19
96年)。転座切断領域を挟んで、RARα遺伝子側に
赤色ないし緑色の蛍光標識したプローブ、PML遺伝子
側に前者と異なる標識がされた蛍光標識されたプローブ
を設定し、ハイブリダイゼーションを行う。赤色と緑色
の蛍光が重なり黄色を呈した場合、転座であると認知で
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のt(15;1
7)転座の検出法としては、上述したように、サザン
法、RT−PCR法、FISH法などが挙げられる。し
かしながら、サザン法では感度不足が懸念され、RT−
PCR法ではPCRを実施知る前に逆転写反応を行わね
ばならず作業が繁雑となる。FISH法では、シグナル
が偶然重なった場合、偽陽性と判定される問題点がある
とともに、作業に熟練を要するという技術的に問題点も
ある。
【0008】近年、RNAを特異的に増幅するRNAポ
リメラーゼを用いる増幅法として、NASBA(Nucleic
Acid Sequence Based Amplification)が注目されてき
た。NASBAは基本的にRNAのみから一定温度で簡
便に増幅出来る。また、t(15;17)転座により生
じるPML−RARAキメラ遺伝子から転写されるPM
L−RARAキメラmRNAは、DNAに比較し大量に
存在するので、高感度に検出可能である。従って、t
(15;17)転座を簡便に区別出来るNASBAに対
応できるプライマーの構築は重要である。
【0009】本発明の目的は、NASBAで簡便、迅
速、特異的且つ高感度にPML−RARAキメラmRN
Aを検出可能なオリゴヌクレオチドを提供することにあ
る。詳細には、従来のt(15;17)転座の臨床検査
方法の問題点を解決すべく、NASBAに適したプライ
マーと、該プライマーにより得られる増幅産物の判定を
行うためのプローブを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らはPML−R
ARAキメラmRNAの遺伝子に関する種々の検討を重
ねた結果、NASBAを用いて、PML−RARAキメ
ラmRNAから簡便、迅速、特異的かつ高感度に増幅で
きる配列を有するプライマーと検出/捕捉プローブを用
いた検出方法を確立し、本発明を完成させるに至った。
【0011】すなわち、本発明は以下のような構成から
なる (1)配列表・配列番号1記載の配列のうち少なくとも
連続した15塩基からなる塩基配列を含むことを特徴と
するPML−RARAキメラmRNA検出用オリゴヌク
レオチド。 (2)配列表・配列番号2記載の配列のうち少なくとも
連続した15残基からなる塩基配列を含むことを特徴と
するPML−RARAキメラmRNA検出用オリゴヌク
レオチド。 (3)配列表・配列番号3記載の配列のうち少なくとも
連続した15残基からなる塩基配列を含むことを特徴と
するPML−RARAキメラmRNA検出用オリゴヌク
レオチド。 (4)配列表・配列番号4記載の配列のうち少なくとも
連続した15残基からなる塩基配列を含むことを特徴と
するPML−RARAキメラmRNA検出用オリゴヌク
レオチド。 (5)(1),(2),(3)及び(4)に記載のPM
L−RARAキメラmRNA検出用オリゴヌクレオチド
からなるPML−RARAキメラmRNA検出用プライ
マー群であって、かつ該プライマー群を構成するオリゴ
ヌクレオチドのうちの少なくとも1つがその5’末端に
DNA依存RNAポリメラーゼのプロモーター配列が結
合していることを特徴とするPML−RARAキメラm
RNA検出用プライマー群。 (6)5’末端にDNA依存RNAポリメラーゼのプロ
モーター配列が結合している(1)記載のPML−RA
RAキメラmRNA検出用オリゴヌクレオチド含む
(5)記載のPML−RARAキメラmRNA検出用プ
ライマー群。 (7)下記(a)〜(h)の成分を含むことを特徴とするPM
L−RARAキメラmRNAを検出するための試薬キッ
ト。 (a)5’末端にDNA依存RNAポリメラーゼのプロモ
ーター配列が結合している(1)記載のPML−RAR
AキメラmRNA検出用オリゴヌクレオチドからなる第
1プライマー、(b) (2)、(3)及び(4)記載のP
ML−RARAキメラmRNA検出用オリゴヌクレオチ
ドからなる第2プライマー群、(c)リボヌクレアーゼH
活性を有する物質、(d)DNA依存RNAポリメラーゼ
活性を有する物質、(e)RNA依存DNAポリメラーゼ
活性を有する物質、(f)DNA依存DNAポリメラーゼ
活性を有する物質、(g)リボヌクレオシドトリフォスフ
ェート、及び(h)デオキシリボヌクレオシドトリフォス
フェート (8)第2プライマー群を構成するPML−RARAキ
メラmRNA検出用オリゴヌクレオチドのうちの少なく
とも一つが5’末端にDNA依存RNAポリメラーゼの
プロモーター配列が結合している(7)記載のPML−
RARAキメラmRNAを検出するための試薬キット。 (9)下記工程〜を含むことを特徴とするPML−
RARAキメラmRNAに相補的なアンチセンスRNA
(−)を大量に得る方法。 PML−RARAキメラmRNAを鋳型として、
(7)記載の第1プライマーをハイブリダイズさせ、R
NA依存DNAポリメラーゼ活性を有する物質の作用に
より伸長させて、RNA/DNAハイブリッド伸長生成
物を得、 RNA/DNAハイブリッド伸長生成物のRNAのみ
を特異的に分解するリボヌクレアーゼH活性を有する物
質の作用により、RNA/DNAハイブリッド伸長生成
物からRNAを分解して、一本鎖DNAを得、 該一本鎖DNAを鋳型として、(7)記載の第2プラ
イマー群のうちの少なくとも1つのオリゴヌクレオチド
をハイブリダイズさせ、DNA依存DNAポリメラーゼ
活性を有する物質の作用によりDNA伸長反応を行っ
て、5‘末端に上流に機能可能なプロモーター配列を有
する2本鎖DNA中間体を生成させ、 該2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター配列を
認識できるDNA依存RNAポリメラーゼ活性を有する
物質の作用により、PML−RARAキメラmRNAと
相補的な配列を有する一本鎖RNA(−)のコピー数を
増加させ、 上記工程で得られた一本鎖RNA(−)を鋳型とし
て、請求項7記載の第2プライマー群のうちの少なくと
も1つのオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせ、R
NA依存DNAポリメラーゼ活性を有する物質の作用に
よりDNA伸長反応を行って、RNA/DNAハイブリ
ッド伸長生成物を得、 RNA/DNAハイブリッド伸長生成物のRNAのみ
を特異的に分解するリボヌクレアーゼH活性を有する物
質の作用により、RNA/DNAハイブリッド伸長生成
物からRNAを分解して一本鎖DNAを得、 該一本鎖DNAを鋳型として、(7)記載の第1プラ
イマーをハイブリダイズさせ、DNA依存DNAポリメ
ラーゼ活性を有する物質の作用により伸長させて、5
‘末端に上流に機能可能なプロモーター配列を有する2
本鎖DNA中間体を生成させ、 該2本鎖DNA中間体から、前記プロモーター配列を
認識できるDNA依存RNAポリメラーゼ活性を有する
物質の作用により、PML−RARAキメラmRNAと
相補的な配列を有する一本鎖RNA(−)のコピー数を
増加させる (10)得られた一本鎖RNA(−)を鋳型として、前
記〜を複数回繰り返す(9)記載のPML−RAR
AキメラmRNAに相補的なアンチセンスRNA(−)
を大量に得る方法。 (11)配列表・配列番号5及び/又は6記載の塩基配
列または相補的な塩基配列のうち、少なくとも連続した
15残基からなる塩基配列もしくは該塩基配列が修飾さ
れたオリゴヌクレオチドからなることを特徴とするPM
L−RARAキメラmRNA検出用及び/又は捕捉用プ
ローブ。 (12)(11)記載のPML−RARAキメラmRN
A検出用及び/又は捕捉用プローブを含むことを特徴と
するPML−RARAキメラmRNAを検出するための
試薬キット。 (13)(12)記載のPML−RARAキメラmRN
A検出用及び/又は捕捉用プローブを含む(7)又は
(8)に記載のPML−RARAキメラmRNAを検出
するための試薬キット。 (14)(9)記載のPML−RARAキメラmRNA
に相補的なアンチセンスRNA(−)を大量に得る方法
により取得したアンチセンスRNA(−)のコピーを、
(11)記載のPML−RARAキメラmRNA検出用
及び/又は捕捉用プローブを用いて検出することを特徴
とするPML−RARAキメラmRNAの検出方法。 (15)(9)記載のPML−RARAキメラmRNA
に相補的なアンチセンスRNA(−)を大量に得る方法
により取得したアンチセンスRNA(−)のコピーを、
固相担体に吸着または結合した配列表・配列番号5及び
/又は6記載の塩基配列のうち少なくとも連続した15
残基からなる捕捉プローブ、及び配列表・配列番号5及
び/又は6記載の塩基配列のうち少なくとも連続した1
5残基からなる塩基配列が標識で修飾された検出用プロ
ーブをハイブリダイズさせ、未反応の検出用プローブを
分離し、捕捉用プローブ、アンチセンスRNA(−)の
コピー及び検出用プローブの複合体の標識を測定する
(14)記載のPML−RARAキメラmRNAの検出
方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明において使用される
用語について説明する。「プロモーター」とは、DNA
依存RNAポリメラーゼが特異的に結合する配列であ
る。DNA依存RNAポリメラーゼはこのプロモーター
配列に特異的に結合し、プロモーター配列よりも下流の
DNA配列と相同なRNAを合成する。
【0013】「NASBA」は、標的RNAと相補的な
配列を有しかつRNAポリメラーゼのプロモーターを
5’末端に付加した第1プライマーと、標的RNAと同
じ配列を有する第2プライマーとを組合せて使用し、逆
転写酵素、RNaseH、DNAポリメラーゼおよびR
NAポリメラーゼを作用させて、第1プライマーと第2
プライマー(群)の間の核酸配列を有するRNAを増幅
する技術である。該方法で増幅される核酸は、標的RN
Aと相補的な配列を有するRNAである。一段階の酵素
反応でRNAを増幅することが可能なNASBA法の導
入により、核酸増幅工程は操作上、極めて簡素化され
る。この方法によれば、DNA依存RNAポリメラーゼ
により、一分子の二本鎖核酸から数十から数千分子のR
NAを転写でき、PCR法に比べ1サイクルあたりの増
幅効率が高い。また、PCR法の際には必要であった温
度サイクルが不要であり、より簡便に増幅が可能であ
る。
【0014】「修飾」とは、オリゴヌクレオチドの配列
部分に他のヌクレオチドを付加または置換することを意
味する。付加とはビオチン、リンカーアーム、蛍光物質
等を有するヌクレオチド、オリゴdGTP、オリゴdA
TP、オリゴdTTP、オリゴdCTP等をオリゴヌク
レオチド配列の5’末端または3’末端に結合すること
である。置換とはビオチン、リンカーアーム、蛍光物質
等を有するヌクレオチドをオリゴヌクレオチド配列中の
ヌクレオチドの替わりに導入することである。また、合
成後に放射性物質や酵素、蛍光物質など公知のオリゴヌ
クレオチドの標識物を導入することも含まれる。
【0015】「標識する」とは、放射性物質、酵素また
は蛍光物質など、検出可能な物質を結合することをい
う。
【0016】以下、本発明の詳細を説明する。本発明の
標的核酸が高次構造を有しているような場合は、予め加
熱、酸、アルカリ等の変性処理により一本鎖として増幅
反応に供するのが好ましい。標的核酸がタンパク質、脂
質や糖質等の混合物中または生体試料中に存在する場
合、常法に従い標的核酸を抽出後、本発明に供すること
ができる。具体的な抽出方法としては、プロテイナーゼ
や界面活性剤等を含む溶液を加え約30分間のインキュ
ベート後、得られる溶液をフェノールやクロロホルム等
で抽出しエタノール沈殿して核酸を得ればよい。また別
の方法として、Boomらの方法(J. Clin. Microbio
l. 第28巻、第495〜503頁)を用いても良い。
【0017】本発明のプライマーとプローブは配列表・
配列番号1〜6の核酸配列で示されている。使用する第
1プライマーは標的核酸配列に対して十分に相補的な核
酸配列およびその5’末端側にプロモーター配列を有す
る。第2プライマーの3’末端は相補的鎖上の第1プラ
イマーの3’末端に向けられている。プローブは第一プ
ライマーと第二プライマーのいかなる組合せにおける増
幅産物ともハイブリダイゼーション出来るように設定さ
れている。
【0018】本発明のプライマーはデオキシリボ核酸
(DNA)でよく、化学合成により調製できる。例え
ば、パーキン・エルマー社のDNAシンセサイザー39
1型を用いてホスホアミダイト法により合成できる。各
種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で実施す
る。精製はFPLCで逆相カラムにて実施しても良い。
他の合成方法としてリン酸トリエステル法、H−ホスホ
ネート法、チオホスファイト法等がある。また、標的核
酸配列に変異がある場合や他の増幅領域や他の近縁ウイ
ルスとの共通増幅を目的とする場合、プライマー中に欠
失、挿入あるいは置換といった点突然変異があってもよ
い。本発明のプライマーは合成物であるから、容易、大
量且つ安価に一定品質のオリゴヌクレオチドを得ること
が可能である。
【0019】本発明において使用する第1プライマー
は、標的核酸配列に対して十分に相補的な塩基配列およ
びその5’末端側にプロモーター配列を有することが好
ましい。プロモーター配列は特に制限はされないが、D
NA依存RNAポリメラーゼが作用するように機能する
必要がある。このようなプロモーター配列として、例え
ば、T7RNAポリメラーゼならば5'-AATTCTAATACGACT
CACTATAGGG-3'が知られている。
【0020】一般的にプロモーター配列にはその後に続
く複製開始点までのスペーサーを含んでいても良い。例
えば、5'-AGGAGAG-3'が知られており、必要によりその
一部分をプロモーター配列の3’末端に結合しても良
い。増幅領域によっては、スペーサー配列を挿入するこ
とで増幅効率の向上が可能である。その他のプロモータ
ー配列として以下のものがある。T3RNAポリメラー
ゼならば5'-ATTAACCCTCACTAAAG-3'、SP6RNAポリ
メラーゼならば5'-ATTTAGGTGACACTATA-3' が挙げられ
る。
【0021】本発明に用いるDNA依存RNAポリメラ
ーゼと付随するプロモーター配列は上記の3種が好まし
いが限定はされない。T7RNAポリメラーゼとそのプ
ロモーター配列を使用するのが特に好ましい。
【0022】また本発明における第2プライマーは、第
1プライマー伸長物の核酸配列に対して相補的な核酸配
列を有し、標的核酸配列に対して十分に相同である。第
2プライマーは第1プライマー伸長物の核酸配列に対し
て相補的な核酸配列に加えて、必要によりその5’末端
側にプロモーター配列を有していても良い。第2プライ
マーがプロモーター配列を有している場合、第1プライ
マーのプロモーター配列と異なっていても同一であって
も良い。異なる場合には、それぞれのプロモーターに作
用するDNA依存性RNAポリメラーゼを必要により複
数用いる。例えば、第2プライマーのプロモーター配列
にT7プロモーターを用いる場合にはT7RNAポリメ
ラーゼを、T3プロモーターを用いる場合にはT3RN
Aポリメラーゼを、SP6プロモーターを用いる場合に
はSP6RNAポリメラーゼを用いる。
【0023】用いるDNA依存RNAポリメラーゼと付
随するプロモーター配列は上記の3種が好ましいが、特
に限定はされない。T7RNAポリメラーゼとそのプロ
モーター配列を使用するのが特に好ましい。さらに好ま
しくは、第2プライマーがプロモーター配列を有してい
る場合、第1プライマーも第2プライマーもT7RNA
ポリメラーゼのプロモーター配列を結合せしめ、T7R
NAポリメラーゼを用いてコピー数を増加させるのがよ
い。第1プライマーと第2プライマーの標的核酸配列、
相補配列又はそれぞれのプライマーの伸長物とハイブリ
ダイズする領域は、配列表に示す配列の連続した少なく
とも15塩基からなる塩基配列が必要である。
【0024】Fahyらの報告によれば(PCR methods and
Applications 第1巻、第25〜33頁、1991
年)、NASBA法と同等の技術である3SR法では1
5塩基から30塩基が好ましいとの報告がある。従っ
て、本発明においても標的核酸配列の調製法やRNAポ
リメラーゼを用いる増幅法の実施条件により、最適配列
及び最適配列長が異なるため各条件に適した配列や配列
長を選択する必要がある。好ましくは3’末端側の配列
が配列表に示す配列の連続した少なくとも15塩基から
なる塩基配列であることが望ましい。ハイブリダイズす
る領域の理想的な長さは15塩基から配列表に示した全
配列長が好ましく、さらに好ましくは全配列長である。
【0025】またPML−RARAキメラmRNAに
は、PML遺伝子内の切断の多様性とスプライシングの
多様性のために、症例ごとにあるいは同一症例でも様々
のアイソフォームが存在している。そのため複数の第2
プライマー(本発明においては「第2プライマー群」と
いう)が必要となる。また本発明において、第1プライ
マー及び第2プライマー群からなる組合せを「プライマ
ー群」という。本発明において、鋭意検討の結果、配列
表・配列番号2記載の配列のうち少なくとも連続した1
5残基からなる塩基配列を含むことを特徴とするPML
−RARAキメラmRNA検出用オリゴヌクレオチド
(第2プライマー(1))と、配列表・配列番号3記載の
配列のうち少なくとも連続した15残基からなる塩基配
列を含むことを特徴とするPML−RARAキメラmR
NA検出用オリゴヌクレオチド(第2プライマー(2))
と、配列表・配列番号4記載の配列のうち少なくとも連
続した15残基からなる塩基配列を含むことを特徴とす
るPML−RARAキメラmRNA検出用オリゴヌクレ
オチド(第2プライマー(3))を混合し、第2プライマ
ー群として用るのが特に好ましいことが見出された。
【0026】その混合比率は、所望する条件に合わせ
0.01μM〜1μM程度の範囲内で検討し、最適な条
件を見出せばよい。プライマーが少なすぎると増幅能が
低下するが、プライマー量が多すぎても非特異的反応が
進行するため増幅能が低下を招く。好ましくは、第2プ
ライマー(1):第2プライマー(2):第2プライマー(3)
=0.8μM:0.067μM:0.4μMである。
【0027】本発明を用いてNASBA法を行う場合
は、公知文献(例えば、J. Virol. Methods 第35巻、
第273〜286頁)を参考に実施すればよい。すなわ
ち、25μlの反応系において酵素添加後の最終濃度が
40mM Tris(pH8.5);20mMMgCl2; 40
mMKCl;5mMDTT; 15%DMSO;1mMdN
TP;4.1mMrNTP;0.2μM第1プライマー;
0.8μM第2プライマー(1);0.067μM第2プ
ライマー(2);0.4μM第2プライマー(3)になるよう
設定し、抽出RNAと混ぜて65℃で5分間加熱する。
続いて、2.5μgBSA、12URNA Guard、20
UT7RNAポリメラーゼ、4UAMV逆転写酵素、
0.2U大腸菌由来RNaseHを添加して25μlと
し、3時間インキュベートすればよい。この増幅条件に
おいて、標的核酸配列の抽出方法や抽出時の条件等によ
り、プライマーの配列を変更する必要が生じる場合があ
る。その場合には、上記条件中のDMSO濃度やrNT
P濃度等を最適化すればよい。
【0028】本発明で使用される検出用及び/又は捕捉
用プローブは配列表・配列番号5及び/又は6に示す配
列の連続した少なくとも15塩基、好ましくは少なくと
も18塩基からなる塩基配列が必要がある。検出用及び
/又は捕捉用プローブはプライマーと同じくDNAでよ
く、化学合成により調製できる。例えば、パーキン・エ
ルマー社のDNAシンセサイザー391型を用いてホス
ホアミダイト法により合成できる。脱保護はアンモニア
水で実施する。精製はFPLCでMONO−Qカラムや
逆相カラムにて実施しても良い。他の合成方法としてリ
ン酸トリエステル法、H−ホスホネート法、チオホスフ
ァイト法等がある。
【0029】また、合成時にビオチン、リンカーアー
ム、蛍光物質等を有するヌクレオチドまたはオリゴdG
TP、オリゴdATP、オリゴdTTP、オリゴdCT
P等を5’末端または3’末端に付加し修飾基を導入し
ても良い。あるいはビオチン、リンカーアーム、蛍光物
質等を有するヌクレオチドをオリゴヌクレオチド配列中
のヌクレオチドの替わりに置換して合成し修飾基を導入
しても良い。あるいは合成したヌクレオチドに後から放
射性物質や酵素、蛍光物質など公知のオリゴヌクレオチ
ドの標識物を導入しても良い。
【0030】例を挙げると、オリゴヌクレオチドを酵素
標識する場合、特表昭60−500717号公報に開示
された合成法によりリンカーアームを有するヌクレオチ
ドをデオキシウリジンから化学合成し、オリゴヌクレオ
チド配列の一員として置換または付加し、Nucleic Acid
s Research 第14巻、第6115頁(1986年)に
記載される方法に従って、アルカリホスファターゼやパ
ーオキシダーゼを結合させればよい。また標的核酸配列
や増幅産物に変異がある場合、プローブ中に欠失、挿入
あるいは置換といった点突然変異があってもよい。
【0031】本発明の検出用プローブは、前記の方法で
酵素、ビオチン、蛍光物質、放射性物質等により修飾を
受けている必要がある。そして、それぞれの修飾物の特
性を利用して検出操作を実施すればよい。詳細には、増
幅産物をアガロースゲル電気泳動後、サザンブロット法
により核酸を膜に固定し、検出用プローブとハイブリダ
イゼーションを行い修飾物の性質に応じた既知の検出操
作を行えば良い。また、増幅産物を膜上にそのまま固定
し、アルカリ変性後、上記の方法で検出操作を行っても
良い。
【0032】また、別の検出法として、検出用プローブ
と捕捉用プローブを使用したサンドイッチ検出法があ
る。検出用プローブは前述のように酵素、ビオチン、蛍
光物質、放射性物質等により修飾を受けている必要があ
る。そして、捕捉用プローブは、担体に吸着されれば未
修飾のままでも構わないが、担体の性質に合わせてビオ
チン、リンカーアーム、蛍光物質等を有するヌクレオチ
ドを付加・置換またはオリゴdGTP、オリゴdAT
P、オリゴdTTP、オリゴdCTP等を付加すればよ
い。
【0033】実際の方法としては、液相で検出用プロー
ブと捕捉可能な修飾を施した捕捉用プローブを反応させ
た後、担体に結合した捕捉剤で当該捕捉用修飾オリゴヌ
クレオチドを捕捉する液相サンドイッチ法(特開昭61
−195699号公報、特開昭61−274699号公
報、特開昭62−229068号公報、特開平1−10
4200号公報、特表平1−501399号公報等);
担体に直接結合した捕捉用オリゴヌクレオチドと検出用
修飾オリゴヌクレオチドを用いる固相サンドイッチ法
(特開昭60−188100号公報、特開昭60−18
8397号公報、特開昭61−264240号公報、特
開昭62−81564号公報等)等を用いてもよい。特
に好ましくは、特開平6−329694号公報記載のポ
リヌクレオチド固定化法を用いて、リンカーアームを含
有した捕捉プローブを固相に固定化し、増幅産物と検出
用プローブをハイブリダイゼーションさせることで検出
を行えばよい。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。なお、本発明は実施例により特に限定されるも
のではない。
【0035】(検体からRNAの調製)Boomらの手
法(J. Clin. Microbiol. 第28巻、第495〜503
頁)に基づき、APL患者より採取した全血からRNA
を調製した。なお本培養細胞は、PML遺伝子のエクソ
ン3の下流にRARα遺伝子のエクソン3遺伝子が結合
したPML−RARAキメラmRNAを発現している培
養細胞と、PML遺伝子のエクソン4の下流にRARα
遺伝子のエクソン3遺伝子が結合したPML−RARA
キメラmRNAを発現している培養細胞を用いた。培養
細胞液を、TritonX-100とグアニジウムチオシアネート
(GuSCN)を含む溶解用緩衝液中で処理後、シリカ
を添加しmRNAを吸着させた。mRNA吸着シリカを
GuSCNを含む洗浄用緩衝液で2〜3回洗浄後、アセ
トンでGnSCNを除去し乾燥させた。溶出はRNas
eやDNaseを含まない蒸留水で行った。溶出液は、
同蒸留水で段階希釈した。
【0036】(in vitroRNAの調製)PML遺伝子の
エクソン6の下流にRARα遺伝子のエクソン3遺伝子
が結合したPML−RARAキメラin vitroRNA得る
ために、fusion PCRを実施した。
【0037】PML遺伝子のエクソン6の3’末端側に
リバースプライマー、また、T7RNAポリメラーゼの
プロモーター配列を有するフォワードプライマーをリバ
ースプライマーの位置より上流に設定しPCRを実施し
た。別途、RARα遺伝子のエクソン3遺伝子の5’末
端側にフォワードプライマー、また、リバースプライマ
ーをフォワードプライマーの位置より下流に設定しPC
Rを実施した。なお、PML遺伝子のエクソン6の3’
末端側にリバースプライマーと、RARα遺伝子のエク
ソン3遺伝子の5’末端側にフォワードプライマーの、
それぞれ5’末端にfusionPCR出来るような配列を付
与しておいた。
【0038】続いて、両者のPCR産物を用いてfusion
PCRを行い、T7RNAポリメラーゼのプロモーター
配列を有するPCR産物を得た。このPCR産物を鋳型
に、T7RNAポリメラーゼを用いてin vitro RNA
を合成し、精製を行った。その吸光度と分子量からコピ
ー数を算出し、検討用のPML−RARAキメラin vit
roRNAとした。
【0039】(プライマーの合成)ABI社DNAシン
セサイザー391型を用いて、ホスホアミダイト法にて
配列表に示される配列、すなわち、T7RNAポリメラ
ーゼのプロモーター配列(AAT TCTAATACGACTCACTATAGGG
AGGAGA)を5’末端に結合したPML−RARAキメラ
mRNAに相補的な配列を有する第1プライマー(配列
番号1:AATTCT AATACGACTCACTATAGGGAGGAGAGGCGGAAGAA
GCCCTTGCAGCCCTCACA)と、PML−RARAキメラmR
NAに相同な配列を有する第2プライマー(1)(配列番
号2:GGACCTCAGCTCTTGCATCA)、第2プライマー(2)
(配列番号3:CCTATT GACGTTGACCTGCCA)、第2プライ
マー(3)(配列番号4:AGGAGCCCCGTCATAGGA)を合成し
た。具体的な手法はABI社マニュアルに従い、0.2
Mスケールで実施した。各種オリゴヌクレオチドの脱保
護はアンモニア水で55℃で一夜実施した。精製はファ
ルマシア社製FPLCで逆相カラムにて実施した。
【0040】(検出用プローブの調製) (1)リンカーアームを有するPML−RARAキメラ
mRNA検出用オリゴヌクレオチドの合成 ABI社DNAシンセサイザー391型を用いて、ホス
ホアミダイト法にて配列表に示される配列、すなわち、
検出用プローブ(配列番号5: TTGAGACCCAGAGCA GCAGTT
C)を合成した。この際、特表昭60−500717号
公報に掲載された合成法によりデオキシウリジンから化
学合成した、5位にリンカーアームを有するウリジンを
上記オリゴヌクレオチドに導入した。このウリジンはオ
リゴヌクレオチド内に任意のTと置換しうるが、本実施
例においては5'末端に結合した。合成されたリンカー
オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃で
一夜実施した。精製はファルマシア社製FPLCで逆相
カラムにて実施した。
【0041】(2)リンカーオリゴヌクレオチドのアル
カリホスファターゼによる標識化 上記リンカーオリゴヌクレオチドのアルカリホスファタ
ーゼを介して、アルカリホスファターゼをNucleic Acid
s Research 第14巻、第6114頁(1986)に記
載の方法に従って結合した。リンカーオリゴヌクレオチ
ド1.5 A260を0.2MNaHCO312.5μlに溶解
し、ここへ10mgスベリン酸スクシニミジル(DS
S)25μlを加えて、室温で2分間反応させた。反応
液を1mMCH3COONa(pH5.0)で平衡化したS
ephadex G-25カラムでゲル濾過して過剰のDSSを除去
した。末端のアミノ基が活性化されたリンカーオリゴヌ
クレオチドを、さらにモル比で2倍量のアルカリホスフ
ァターゼ(100mMNaHCO3,3MHClに溶解し
たもの)と室温で16時間反応させることによりアルカ
リホスファターゼ標識プローブを得た。得られた標識プ
ローブはファルマシア製FPLCで陰イオン交換カラム
を用いて精製した標識プローブを含む画分を集め、セン
トリコン30K(アミコン社製)を用いて限外濾過法に
より濃縮した。
【0042】(捕捉用プローブの合成)ABI社DNA
シンセサイザー391型を用いて、ホスホアミダイト法
にて配列表に示される配列、すなわち捕捉用プローブ
(配列番号6;GAAGAGATAGTGCCC AGCCCTC)を合成した。
この際、特表昭60−500717号公報に掲載された
合成法により、デオキシウリジンから化学合成した5位
にリンカーアームを有するウリジンを上記オリゴヌクレ
オチドに導入した。このウリジンはオリゴヌクレオチド
内に任意のTと置換しうるが、この実施例においては
5'末端に結合した。合成されたリンカーオリゴヌクレ
オチドの脱保護はアンモニア水で55℃で一夜実施し
た。精製はファルマシア社製FPLCで逆相カラムにて
実施した。
【0043】(捕捉プローブの固相担体への結合)固相
担体として、ポリスチレン性のマイクロタイタープレー
ト(マイクロライト2、ダイナテック社)を用いた。捕
捉用プローブを50mMホウ酸緩衝液で10pmole/ml
に希釈した。その溶液をマイクロタイタープレートのウ
ェルの100μlずつ分注し室温で一夜インキュベート
した。得られたプレートから捕捉プローブ溶液をアスピ
レーターで除き、ブロッキングバッファーを各ウエルに
150μlずつ分注し、室温で2時間放置しブロックし
た。
【0044】(増幅反応)増幅反応はJ. Virol. Method
s 第35巻、第273〜286頁に基づき実施した。2
5μlの反応系において酵素添加後の終濃度が40mM
Tris(pH8.5);20mM MgCl2; 40mMKC
l; 5mMDTT; 15%DMSO; 1mMdNTP;
4.1mMrNTP; 0.2μM第1プライマー; 0.
8μM第2プライマー(1);0.067μM第2プライ
マー(2);0.4μM第2プライマー(3)になるよう設定
し抽出RNAと混ぜて65℃で5分間加熱した。2.5
μgBSA、12URNA Guard、20UT7RNAポ
リメラーゼ、4UAMV逆転写酵素、0.2URNas
eHを添加して25μlとし、3時間インキュベートし
た。
【0045】(サンドイッチハイブリダイゼーション法
による検出)得られた増幅産物を等量の0.6NNaO
Hを加え室温で1分変性させた。捕捉プローブ結合プレ
ートよりブロックバッファーを除き、変性させた試料1
0μlを添加した。次にハイブリダイゼーション緩衝液
を100μl加え、50℃で60分間ハイブリダイゼー
ションを行った。液をウェルからから除き、洗浄液1
(2xSSC、1%ラウリル硫酸ナトリウム)を200
μl加えて、50℃で5分間洗浄した。続いて洗浄液1
を除き、200μlの1xSSCでウェル内をすすぎ、
アルカリ性ホスファターゼ標識プローブ溶液100μl
を加え、50℃で60分間ハイブリダイゼーションを行
った。
【0046】プローブ溶液をウェルから除き、洗浄液1
を200μl加えて、50℃で10分間洗浄し、次に洗
浄液2(1xSSC,0.5%Triton X-100)を200
μl加え室温で10分間洗浄した。最後に1xSSCを
200μl加えてウェル内をすすいだ後、アルカリ性フ
ォスファターゼの基質である化学発光物質、Lumiphos48
0(和光純薬工業)を100μl加え、37℃、暗所で1
5分間発光反応を行った。発光量はマイクロライト10
00(ダイナテック社)で測定した。
【0047】
【表1】
【0048】(結果)PML−RARAキメラmRNA
は、PML遺伝子内の切断の多様性とスプライシングの
多様性のために様々なアイソフォームが存在している。
本発明により、表1に示されるように、NASBAを用
いて様々なアイソフォームが一度に検出出来るようにな
った。NASBAを用いているのでRT−PCRのよう
に逆転写反応を必要とせず、また数値として検出できる
ためFISH法等で問題となるような誤認が生じない。
本発明により、簡便、迅速、特異的且つ高感度にPML
−RARAキメラmRNAを検出可能となった。
【0049】
【発明の効果】上述したように、本発明のNASBAに
適したプライマーと、該プライマーにより得られる増幅
産物の判定を行うためのプローブを用いれば、従来のt
(15;17)転座の臨床検査方法の問題点を解決出
来、簡便、迅速、特異的且つ高感度にPML−RARA
キメラmRNAを検出可能となる。
【0050】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: GGCGGAAGAA GCCCTTGCAG CCCTCACA 28
【0051】 配列番号:2 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: GGACCTCAGC TCTTGCATCA 20
【0052】 配列番号:3 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: CCTATTGACG TTGACCTGCC A 21
【0053】 配列番号:4 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: AGGAGCCCCG TCATAGGA 18
【0054】 配列番号:5 配列の長さ: 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列:22 TTGAGACCCA GAGCAGCAGT TC 22
【0055】 配列番号:6 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 配列: GAAGAGATAG TGCCCAGCCC TC 22
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA12 CA09 CA10 HA13 4B063 QA01 QA19 QQ02 QQ53 QR08 QR13 QR32 QR56 QR62 QR63 QR82 QS03 QS25 QS34 QS35

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表・配列番号1記載の配列のうち少
    なくとも連続した15塩基からなる塩基配列を含むこと
    を特徴とするPML−RARAキメラmRNA検出用オ
    リゴヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 配列表・配列番号2記載の配列のうち少
    なくとも連続した15残基からなる塩基配列を含むこと
    を特徴とするPML−RARAキメラmRNA検出用オ
    リゴヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 配列表・配列番号3記載の配列のうち少
    なくとも連続した15残基からなる塩基配列を含むこと
    を特徴とするPML−RARAキメラmRNA検出用オ
    リゴヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 配列表・配列番号4記載の配列のうち少
    なくとも連続した15残基からなる塩基配列を含むこと
    を特徴とするPML−RARAキメラmRNA検出用オ
    リゴヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3及び4に記載のPML
    −RARAキメラmRNA検出用オリゴヌクレオチドか
    らなるPML−RARAキメラmRNA検出用プライマ
    ー群であって、かつ該プライマー群を構成するオリゴヌ
    クレオチドのうちの少なくとも1つがその5’末端にD
    NA依存RNAポリメラーゼのプロモーター配列が結合
    していることを特徴とするPML−RARAキメラmR
    NA検出用プライマー群。
  6. 【請求項6】 5’末端にDNA依存RNAポリメラー
    ゼのプロモーター配列が結合している請求項1記載のP
    ML−RARAキメラmRNA検出用オリゴヌクレオチ
    ド含む請求項5記載のPML−RARAキメラmRNA
    検出用プライマー群。
  7. 【請求項7】 下記(a)〜(h)の成分を含むことを特徴と
    するPML−RARAキメラmRNAを検出するための
    試薬キット。(a)5’末端にDNA依存RNAポリメラ
    ーゼのプロモーター配列が結合している請求項1記載の
    PML−RARAキメラmRNA検出用オリゴヌクレオ
    チドからなる第1プライマー、(b) 請求項2、3及び4
    記載のPML−RARAキメラmRNA検出用オリゴヌ
    クレオチドからなる第2プライマー群、(c)リボヌクレ
    アーゼH活性を有する物質、(d)DNA依存RNAポリ
    メラーゼ活性を有する物質、(e)RNA依存DNAポリ
    メラーゼ活性を有する物質、(f)DNA依存DNAポリ
    メラーゼ活性を有する物質、(g)リボヌクレオシドトリ
    フォスフェート、及び(h)デオキシリボヌクレオシドト
    リフォスフェート
  8. 【請求項8】 第2プライマー群を構成するPML−R
    ARAキメラmRNA検出用オリゴヌクレオチドのうち
    の少なくとも一つが5’末端にDNA依存RNAポリメ
    ラーゼのプロモーター配列が結合している請求項7記載
    のPML−RARAキメラmRNAを検出するための試
    薬キット。
  9. 【請求項9】 下記工程(1)〜(8)を含むことを特
    徴とするPML−RARAキメラmRNAに相補的なア
    ンチセンスRNA(−)を大量に得る方法。(1)PM
    L−RARAキメラmRNAを鋳型として、請求項7記
    載の第1プライマーをハイブリダイズさせ、RNA依存
    DNAポリメラーゼ活性を有する物質の作用により伸長
    させて、RNA/DNAハイブリッド伸長生成物を得、
    (2)RNA/DNAハイブリッド伸長生成物のRNA
    のみを特異的に分解するリボヌクレアーゼH活性を有す
    る物質の作用により、RNA/DNAハイブリッド伸長
    生成物からRNAを分解して、一本鎖DNAを得、
    (3)該一本鎖DNAを鋳型として、請求項7記載の第
    2プライマー群のうちの少なくとも1つのオリゴヌクレ
    オチドをハイブリダイズさせ、DNA依存DNAポリメ
    ラーゼ活性を有する物質の作用によりDNA伸長反応を
    行って、5‘末端に上流に機能可能なプロモーター配列
    を有する2本鎖DNA中間体を生成させ、(4)該2本
    鎖DNA中間体から、前記プロモーター配列を認識でき
    るDNA依存RNAポリメラーゼ活性を有する物質の作
    用により、PML−RARAキメラmRNAと相補的な
    配列を有する一本鎖RNA(−)のコピー数を増加さ
    せ、(5)上記工程で得られた一本鎖RNA(−)を鋳
    型として、請求項7記載の第2プライマー群のうちの少
    なくとも1つのオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさ
    せ、RNA依存DNAポリメラーゼ活性を有する物質の
    作用によりDNA伸長反応を行って、RNA/DNAハ
    イブリッド伸長生成物を得、(6)RNA/DNAハイ
    ブリッド伸長生成物のRNAのみを特異的に分解するリ
    ボヌクレアーゼH活性を有する物質の作用により、RN
    A/DNAハイブリッド伸長生成物からRNAを分解し
    て一本鎖DNAを得、(7)該一本鎖DNAを鋳型とし
    て、請求項7記載の第1プライマーをハイブリダイズさ
    せ、DNA依存DNAポリメラーゼ活性を有する物質の
    作用により伸長させて、5‘末端に上流に機能可能なプ
    ロモーター配列を有する2本鎖DNA中間体を生成さ
    せ、(8)該2本鎖DNA中間体から、前記プロモータ
    ー配列を認識できるDNA依存RNAポリメラーゼ活性
    を有する物質の作用により、PML−RARAキメラm
    RNAと相補的な配列を有する一本鎖RNA(−)のコ
    ピー数を増加させる
  10. 【請求項10】 得られた一本鎖RNA(−)を鋳型と
    して、前記(5)〜(8)を複数回繰り返す請求項9記
    載のPML−RARAキメラmRNAに相補的なアンチ
    センスRNA(−)を大量に得る方法。
  11. 【請求項11】 配列表・配列番号5及び/又は6記載
    の塩基配列または相補的な塩基配列のうち、少なくとも
    連続した15残基からなる塩基配列もしくは該塩基配列
    が修飾されたオリゴヌクレオチドからなることを特徴と
    するPML−RARAキメラmRNA検出用及び/又は
    捕捉用プローブ。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のPML−RARAキ
    メラmRNA検出用及び/又は捕捉用プローブを含むこ
    とを特徴とするPML−RARAキメラmRNAを検出
    するための試薬キット。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のPML−RARAキ
    メラmRNA検出用及び/又は捕捉用プローブを含む請
    求項7又は8に記載のPML−RARAキメラmRNA
    を検出するための試薬キット。
  14. 【請求項14】 請求項9記載のPML−RARAキメ
    ラmRNAに相補的なアンチセンスRNA(−)を大量
    に得る方法により取得したアンチセンスRNA(−)の
    コピーを、請求項11記載のPML−RARAキメラm
    RNA検出用及び/又は捕捉用プローブを用いて検出す
    ることを特徴とするPML−RARAキメラmRNAの
    検出方法。
  15. 【請求項15】 請求項9記載のPML−RARAキメ
    ラmRNAに相補的なアンチセンスRNA(−)を大量
    に得る方法により取得したアンチセンスRNA(−)の
    コピーを、固相担体に吸着または結合した配列表・配列
    番号5及び/又は6記載の塩基配列のうち少なくとも連
    続した15残基からなる捕捉プローブ、及び配列表・配
    列番号5及び/又は6記載の塩基配列のうち少なくとも
    連続した15残基からなる塩基配列が標識で修飾された
    検出用プローブをハイブリダイズさせ、未反応の検出用
    プローブを分離し、捕捉用プローブ、アンチセンスRN
    A(−)のコピー及び検出用プローブの複合体の標識を
    測定する請求項14記載のPML−RARAキメラmR
    NAの検出方法。
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CN102925558A (zh) * 2012-09-29 2013-02-13 童永清 一种检测PML-RARa融合基因mRNA表达量的试剂盒
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