JP2000299927A - 電力供給系 - Google Patents

電力供給系

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JP2000299927A
JP2000299927A JP2000035798A JP2000035798A JP2000299927A JP 2000299927 A JP2000299927 A JP 2000299927A JP 2000035798 A JP2000035798 A JP 2000035798A JP 2000035798 A JP2000035798 A JP 2000035798A JP 2000299927 A JP2000299927 A JP 2000299927A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性の高い電力供給系を提供する。 【解決手段】 順方向に並列配置された2個の第1半導
体能動ヒューズ201,203と、この2個の第1半導
体能動ヒューズ201,203のそれぞれの入力端子T
Dに接続された第1配線Wと、2個の第1半導体能動
ヒューズ201,203のそれぞれの出力端子Tに、
それぞれの一端が接続された2本の中間配線W1,W2
と、2本の中間配線W1,W2の他端にそれぞれ出力端
子Tを接続され、逆方向に並列配置された2個の第2
半導体能動ヒューズ202,204と、2個の第2半導
体能動ヒューズ202,204のそれぞれの入力端子T
Dに接続された第2配線Woとから少なくとも構成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両搭載のバッテ
リから車両の各部に電力を供給する車両用電力供給系等
に好適な電力供給系に係わる。特に電源線の異常電流を
検出し、必要に応じて遮断出来る半導体能動ヒューズを
有した電力供給系に関する。
【0002】
【従来の技術】図15は、自動車においてバッテリから
の電源を選択的に各負荷に供給して、負荷への電力供給
を温度センサ内蔵トランジスタQFにより制御する場合
の過電流制御回路を有した従来の電源線である。図15
に示す従来の過電流制御回路は、出力電圧VBを供給す
る電源101からの電源線がシャント抵抗RSの一端に
接続され、その他端に温度センサ内蔵トランジスタQF
のドレイン端子Dが接続されている。更に、温度センサ
内蔵トランジスタQFのソース端子Sには、負荷102
が接続されている。ここで、負荷102としては、自動
車のヘッドライトやパワーウィンドウの駆動モータ等々
該当する。図15に示す電源線に用いられている過電流
制御回路は、更に、シャント抵抗RSを流れる電流を検
出して、温度センサ内蔵トランジスタQFの駆動を制御
するドライバ701と、ドライバ701でモニタした電
流値に基づいて温度センサ内蔵トランジスタQFの駆動
信号をオン/オフ制御するA/D変換器702及びマイ
コン(CPU)703とを備えている。温度センサ内蔵
トランジスタQFは、トランジスタQFの接合温度が規
定以上の温度まで上昇した場合には、この温度上昇を内
蔵する温度センサが検知し、所定のゲート遮断回路によ
ってトランジスタQFのゲート電位を”L”レベルに
し、強制的にトランジスタQFをターンオフする過熱遮
断機能を備えている。
【0003】図15において、ZD1は温度センサ内蔵
トランジスタQFのゲート端子Gとソース端子S間を1
2Vに保って、パワーデバイスQMの真のゲートTGに
過電圧が印加されようとした場合にこれをバイパスさせ
るツェナーダイオードである。ドライバ701は、電流
モニタ回路としての差動増幅器711,713と、電流
制限回路としての差動増幅器712と、チャージポンプ
回路715と、マイコン703からのオン/オフ制御信
号及び電流制限回路からの過電流判定結果に基づき、内
部抵抗RGを介して温度センサ内蔵トランジスタQFの
真のゲートTGを駆動する駆動回路714を備えて構成
されている。シャント抵抗RSの電圧降下に基づき差動
増幅器712を介して、電流が判定値(上限)を超えた
として過電流が検出された場合には、駆動回路714に
よって温度センサ内蔵トランジスタQFをオフ動作と
し、その後電流が低下して判定値(下限)を下回ったら
温度センサ内蔵トランジスタQFをオン動作させる。一
方、マイコン703は、電流モニタ回路(差動増幅器7
11,713)を介して電流を常時モニタしており、正
常値を上回る異常電流が流れていれば、温度センサ内蔵
トランジスタQFの駆動信号をオフすることにより温度
センサ内蔵トランジスタQFをターンオフする。なお、
マイコン703からオフ制御の駆動信号が出力される前
に、温度センサ内蔵トランジスタQFの温度が規定値を
超えていれば、温度センサからの信号により、所定の過
熱遮断機能が動作し、温度センサ内蔵トランジスタQF
はターンオフする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
過電流制御回路を有した電源線にあっては、電流検出を
行うために電力の供給経路に直列接続されるシャント抵
抗RSを必要とした構成であり、近年の負荷の大電流化
により、シャント抵抗の熱損失が無視出来ないため電源
線の導通損失が大きいという問題があった。特に大電流
を流す電源線においては、過電流制御回路部に冷却装置
を設ける必要があった。
【0005】又、上述の過熱遮断機能や過電流制御回路
を有した電源線は、負荷102や電源線にほぼ完全な短
絡状態が発生して大電流が流れる場合には機能するが、
ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡などのレアショー
トを発生して小さい短絡電流が電源線に流れた場合には
機能しない欠点があった。このため、電源線を流れる電
流をモニタ回路を介してマイコン703により異常電流
を検出し、これにより温度センサ内蔵トランジスタQF
をオフ制御するしかなく、このような異常電流に対する
マイコン制御による応答性が悪いという事情もあった。
【0006】又、シャント抵抗RSやA/D変換器70
2、マイコン703等が必要であるため、大きな実装ス
ペースが必要であり、又これらの比較的高価な物品によ
り装置コストが高くなってしまうという問題点もある。
【0007】本発明の目的は、上記従来の問題点や事情
を解決することにあり、ある程度の短絡抵抗を持つ不完
全短絡などのレアショートが発生した場合においても高
速応答出来、信頼性及び安全性を高めた電力供給系を提
供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、複数本の中間配線を
用いて、その内の一部に短絡箇所が発生すれば、直ちに
その中間配線を切り離し、他の中間配線や負荷への影響
を回避出来る電力供給系を提供することにある。
【0009】本発明の更に他の目的は、一部に断線等の
故障が発生しても他の中間配線でカバー出来、信頼性及
び安全性を高めるのが容易な電力供給系を提供すること
にある。
【0010】本発明の更に他の目的は、安価且つ簡単に
電源を2系統確保することの出来る電力供給系を提供す
ることである。
【0011】本発明の更に他の目的は、電源線を流れる
異常電流の検出を行うためのシャント抵抗を不要とし
て、導通損失の低く、高効率な電力供給系を提供するこ
とである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、m本(m≧2)の分岐を有する第1配線
と、この第1配線のそれぞれの分岐に接続されるm個の
第1半導体能動ヒューズと、m個の第1半導体能動ヒュ
ーズのそれぞれに、それぞれの一端を接続したm本の中
間配線と、m本の中間配線の他端に、それぞれ接続され
るm個の第2半導体能動ヒューズと、このm個の第2半
導体能動ヒューズに、それぞれm本の分岐が接続される
第2配線とから構成される電力供給系であることであ
る。
【0013】ここで、m個の第1半導体能動ヒューズの
それぞれは、第1主半導体素子、第1基準半導体素子、
第1比較器及び第1駆動回路とを少なくとも具備する。
第1主半導体素子は、第1配線に接続された第1主電
極、第1主電極に対向した第2主電極、第1及び第2主
電極を流れる主電流を制御する第1制御電極とを有す
る。更に、第1主半導体素子の第1主電極にカソード領
域を、第2主電極にアノード領域が接続された第1寄生
ダイオードが、第1主半導体素子中に内在する。又、第
1基準半導体素子は、第1主電極、第1制御電極にそれ
ぞれ接続された第3主電極、第2制御電極と、第4主電
極とを有する。そして、第1比較器は、第2及び第4主
電極間の電圧を比較する。
【0014】一方、m個の第2半導体能動ヒューズのそ
れぞれは、第2主半導体素子、第2基準半導体素子、第
2比較器及び第2駆動回路とを少なくとも具備する。第
2主半導体素子は、中間配線の他端に接続される第5主
電極、第5主電極に対向した第6主電極、第5及び第6
主電極を流れる主電流を制御する第3制御電極とを有
し、第5主電極にアノード領域を、第6主電極にカソー
ド領域が接続された第2寄生ダイオードを内在する。第
2基準半導体素子は、第7主電極、第8主電極及び第4
制御電極とを有する。ここで、第8主電極及び第4制御
電極は、第6主電極及び第3制御電極にそれぞれ接続さ
れている。そして、第2比較器は、第5及び第7主電極
間の電圧を比較する。
【0015】そして、m個の第1主半導体素子の第1主
電極は、第1配線のそれぞれの分岐に接続される。m個
の第1半導体能動ヒューズのそれぞれの第2主電極に
は、m本の中間配線がそれぞれ接続される。又、第2主
半導体素子の第5主電極は、中間配線の他端に接続され
る。そして、m個の第2半導体能動ヒューズの第6主電
極に、第2配線のm本の分岐が、それぞれ接続される。
【0016】本発明の電源線に用いる第1半導体能動ヒ
ューズは、第1比較器により、第1主半導体素子と第1
基準半導体素子の電圧、即ち、第2及び第4主電極間の
電圧を比較し、第1駆動回路は、第1比較器の出力を用
いて、異常電流発生時には第1主半導体素子をオン/オ
フ制御して電流振動を生成する。そして、この電流振動
の回数を数える、若しく電流振動による半導体チップの
温度上昇を検知等の手法により、第1主半導体素子を遮
断する。同様に、第2半導体能動ヒューズは、第2比較
器により、第2主半導体素子と第2基準半導体素子の電
圧、即ち、第5及び第7主電極間の電圧を比較する。第
2駆動回路は、第2比較器の出力を用いて、異常電流発
生時には第2主半導体素子をオン/オフ制御して電流振
動を生成する。そして、この電流振動を利用して、第2
主半導体素子を遮断する。
【0017】第1及び第2主半導体素子(半導体パワー
デバイス)としては、例えば、DMOS構造、VMOS
構造、或いはUMOS構造のパワーMOSトランジスタ
やこれらと類似な構造のMOS静電誘導型トランジスタ
(SIT)が使用可能である。又、エミッタスイッチド
・サイリスタ(EST)、MOS制御サイリスタ(MC
T)等のMOS複合型デバイスや絶縁ゲート型バイポー
ラトランジスタ(IGBT)等の他の絶縁ゲート型パワ
ーデバイスが使用可能である。更に、常にゲートを逆バ
イアスで使うのであれば、接合型MOSトランジスタ、
接合型SITやSIサイリスタ等も使用可能である。そ
して、この主半導体素子(半導体パワーデバイス)は、
逆導通型が好ましい。逆導通型半導体パワーデバイスで
あれば、この逆導通型半導体パワーデバイスに構造的に
内在する寄生pn接合ダイオードを、第2半導体能動ヒ
ューズ中を流れる順方向の電流通路として利用出来るか
らである。第1及び第2基準半導体素子は、第1及び第
2主半導体素子と同一のユニット素子を有し、そのユニ
ット素子数が少ない半導体素子を用いれば良い。
【0018】第1主半導体素子の第1及び第2主電極
は、それぞれ第1主半導体素子を構成するパワーデバイ
スの第1及び第2主電極領域に接続されている。「第1
主電極領域」とは、IGBTにおいてエミッタ領域又は
コレクタ領域のいずれか一方、パワーMOSトランジス
タやパワーMOSSIT等のIGT(パワーIGT)に
おいてはソース領域又はドレイン領域のいずれか一方を
意味する。「第2主電極領域」とは、IGBTにおいて
は上記第1主電極領域とはならないエミッタ領域又はコ
レクタ領域のいずれか一方、パワーIGTにおいては上
記第1主電極領域とはならないソース領域又はドレイン
領域のいずれか一方を意味する。即ち、第1主電極領域
が、エミッタ領域であれば、第2主電極領域はコレクタ
領域であり、第1主電極領域がソース領域であれば、第
2主電極領域はドレイン領域である。又、「第1制御電
極」とはIGBT及びパワーIGTのゲート電極を意味
することは勿論である。第1主半導体素子QA1と同様
な電流電圧特性を有する第1基準半導体素子QB1につ
いても、同様に「第3及び第4主電極」及び「第2制御
電極」が定義される。
【0019】一方、第2主半導体素子及び第2基準半導
体素子は、第1主半導体素子及び第1基準半導体素子の
上下を逆さに回路接続をしている点が異なるが、同様に
定義される。即ち、第2主半導体素子の第5、第6主電
極及び第3制御電極は、それぞれ、第1主半導体素子の
第2、第1主電極及び第1制御電極に対応する。又、第
2基準半導体素子の第7、第8主電極及び第4制御電極
は、それぞれ、第1基準半導体素子の第4、第3主電極
及び第2制御電極に対応する。
【0020】本発明の電力供給系は、複数本(m本)の
中間配線を並列配置して構成されているので、その内の
一部に接地等の故障が発生し、それに伴う異常電流が流
れた場合に、故障の発生した中間配線の両端の第1及び
第2半導体能動ヒューズが、直ちにその中間配線を切り
離す。このため、他の正常な中間配線に故障の影響が及
ぶのを回避出来る。このとき、正常な中間配線の数が減
るので、電力供給系全体の電流供給容量(最大供給可能
電流値)は、減ることとなる。しかし、負荷電流が故障
発生後の最大供給可能電流値以内であれば、故障発生前
と同じように負荷に電力を供給出来る。これは電力供給
系に重複性(redundancy)をもたらすことになり、これ
により、電力供給系の信頼を大幅に高めることが出来
る。
【0021】一方、負荷に供給する最大電流値をI
maxとし、中間配線には電流が均等に流れると仮定す
ると、中間配線1本当たりの最大電流値はImax/m
となる。故障判定電流値を、例えば最大電流値の2倍に
設定すると、配線1本からなる電力供給系の場合、故障
判定電流値は、2×Imaxとなるが、m本の中間配線
を並列配置した電力供給系の場合、故障判定電流値は、
2×Imax/mとなる。即ち、故障判定電流値を1/
mに設定出来るので、短絡接地等の異常状態を精度良く
判定出来る。なお、前述したように、第2半導体能動ヒ
ューズの電流通路として、構造的に内在する寄生pn接
合ダイオードを利用している。この寄生素子は、大面積
に形成されているので、オン抵抗が低い。従って、2つ
の半導体能動ヒューズを対向接続しても、全体としての
導通損失は大きくならない。しかも、寄生素子(寄生p
n接合ダイオード)を利用することにより、過電流制御
回路部の構成部品数を減らし、装置全体を小型化出来る
利点を有する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下の図面の記載において、同一
又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との
関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なること
に留意すべきである。従って、具体的な厚みや寸法は以
下の説明を参酌して判断すべきものである。又図面相互
間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含
まれていることは勿論である。先ず、本発明の実施の形
態の説明をする前に、本発明の電源線に用いる半導体能
動ヒューズの代表的な構造及びその基本的な動作につい
て説明する。
【0023】(電源線の基本構造と半導体能動ヒュー
ズ)本発明の電力供給系は、図10に示すように、第1
配線Wと、この第1配線Wに接続される複数の(m
個の)第1半導体能動ヒューズ201,203,・・・
・・と、この第1半導体能動ヒューズ201,203,
・・・・・に一端を接続したm本の中間配線W1,W
2,・・・・・と、この中間配線W1,W2,・・・・
・の他端に接続されるm個の第2半導体能動ヒューズ2
02,204,・・・・・と、第2半導体能動ヒューズ
202,204,・・・・・に接続される第2配線W
とからなる構成を基本としている。そこで先ず第1半導
体能動ヒューズ201、203及び第2半導体能動ヒュ
ーズ202,204について、図1及び2を用いて説明
する。
【0024】第1半導体能動ヒューズ201、203
は、図1に示すように、第1主半導体素子QA1、第1
基準半導体素子QB1、第1比較器CMP1及び第1駆
動回路111とを少なくとも具備する。図1において
は、第1主半導体素子QA1及び第1基準半導体素子Q
B1は、nMOSトランジスタである。第1主半導体素
子QA1は、第1配線Wに接続された第1主電極(ド
レイン電極)D1、第1主電極D1に対向した第2主電
極(ソース電極)SA1、第1及び第2主電極を流れる
主電流を制御する第1制御電極GA1とを有する。第1
主電極D1は、第1配線Wを介して、電源101に接
続される。更に、第1主半導体素子QA1の第1主電極
D1にカソード領域を、第2主電極SA1にアノード領
域が接続された第1寄生ダイオードDが、第1主半導
体素子QA1中に内在する。又、第1基準半導体素子Q
B1は、第1主電極D1、第1制御電極GA1にそれぞ
れ接続された第3主電極(ドレイン電極)D1、第2制
御電極GB1と、第4主電極(ソース電極)SB1とを
有する。そして、第1比較器CMP1は、第2主電極S
A1及び第4主電極SB1間の電圧を比較する。第1比
較器CMP1及び第1駆動回路111は、この第1主半
導体素子QA1の異常電流を検知して、異常電流発生時
には第1主半導体素子QA1をオン/オフ制御して電流
振動を生成する制御回路を構成している。即ち、第1半
導体能動ヒューズ201、203は、第1主半導体素子
(パワーデバイス)QA1と、この主半導体素子QA1
を制御する制御回路とは、同一基板上に集積化されたパ
ワーICの構成である。基板としてセラミック、ガラス
エポキシ等の絶縁性基板や絶縁金属基板等を用いたハイ
ブリッドICの形態でも良いが、より好ましくは、同一
半導体チップ110上にモノリシックに集積化したパワ
ーICとすれば良い。
【0025】本発明の第1半導体能動ヒューズ201,
203は、更に、図1に示すように、抵抗R1、R2,
R5,R8、RG,ツェナーダイオードZD1、ダイオ
ードD1等を有している。駆動回路111には、コレク
タ側が電位VPに接続されたソーストランジスタQ5
と、エミッタ側が接地電位(GND)に接続されたシン
クトランジスタQ6とを直列接続して備え、所定の切換
え信号に基づき、ソーストランジスタQ5及びシンクト
ランジスタQ6をオン・オフ制御して、第1主半導体素
子QA1及び第1基準半導体素子QB1の制御電極にこ
れらを駆動制御する信号を出力する。図1に示すバイポ
ーラトランジスタ(BJT)の代わりにMOSトランジ
スタで駆動回路111を構成しても良い。例えば、CM
OSで、駆動回路111を構成することも可能である。
MOSトランジスタで駆動回路111を構成すれば、簡
単なMOSトランジスタの製造プロセスで本発明のパワ
ーIC(半導体能動ヒューズ)を製造することが可能と
なる。又、BJTで駆動回路111を構成すれば、BI
MOS製造プロセスで本発明のパワーICを製造するこ
とが出来る。電源101の出力電圧VBは、例えば12
Vで、チャージポンプの出力電圧VPは、例えばVB+
10Vである。
【0026】更に、第1基準半導体素子QB1の第2主
電極(ソース電極)には基準抵抗Rrが接続されてい
る。なお、基準抵抗Rrは必ずしもモノリシックに集積
化されている必要はなく、本発明の半導体能動ヒューズ
の外部抵抗として、外部端子を介して接続しても良い。
基準抵抗Rrの抵抗値は、第1基準半導体素子QB1と
第1主半導体素子QA1のチャネル幅Wの比に応じて選
定すれば良い。第1基準半導体素子QB1と第1主半導
体素子QA1のチャネル幅Wの比をN2:N1=1:1
000とした場合は、負荷102の過負荷状態の抵抗値
の1000倍の値となるように設定しておけば良い。こ
の基準抵抗Rrの設定により、第1主半導体素子QA1
に異常動作の過負荷電流が流れたときと同じドレイン−
ソース間電圧VDSを第1基準半導体素子QB1に発生
させることが出来る。
【0027】第1主半導体素子QA1の第1主電極(ド
レイン電極)と第2主電極(ソース電極)間には抵抗R
1と抵抗R2との直列回路が接続されている。この抵抗
R1と抵抗R2との接続点と第1主半導体素子QA1の
第2主電極(ソース電極)間には、端子Tを介して、
外部抵抗として可変抵抗RVが外部端子を介して接続さ
れている。可変抵抗RVの抵抗値を変えることにより抵
抗R2の抵抗値を等価的に可変設定出来る。これによ
り、1種類の半導体チップ110で複数の仕様をカバー
することが可能となる。
【0028】図1に示す比較器CMP1の“+”入力端
子には、第1主半導体素子QA1の主電極間電圧(ドレ
インD1−ソースS間電圧)VDSを抵抗R1と抵抗R
2及び可変抵抗RVの並列抵抗(R2‖RV)とで分圧
した電圧が抵抗R5を介して供給されている。又、比較
器CMP1の“−”入力端子には、第1基準半導体素子
QB1のソース電圧VSBが供給されている。“+”入
力端子の信号レベルV >“−”入力端子の信号レベル
のとき、比較器CMP1の出力は“H”レベルとな
り、駆動回路111は、ゲート電極に電圧を供給する。
逆の場合は、比較器CMP1の出力は“L”レベルとな
り、駆動回路111は、ゲート駆動をオフする。なお、
後述のように、比較器CMP1は一定のヒステリシス特
性を持っている。
【0029】この結果、異常電流発生時には第1主半導
体素子QA1をオン/オフ制御して電流振動を生成す
る。そして、この電流振動を利用して、第1主半導体素
子QA1が遮断される。
【0030】一方、第2半導体能動ヒューズ202,2
04は、第1半導体能動ヒューズ201、203と基本
的に同一の構造で、上下関係が逆である。即ち、図2に
示すように、第2半導体能動ヒューズ202,204
は、第2主半導体素子QA2、第2基準半導体素子QB
2、第2比較器CMP1及び第2駆動回路111とを少
なくとも具備する。図2において、第2主半導体素子Q
A2及び第2基準半導体素子QB2は、第1半導体能動
ヒューズ201、203と同じnMOSトランジスタで
ある。しかし、nMOSトランジスタのソース・ドレイ
ン電極が反対である。即ち、第2半導体能動ヒューズ2
02,204は、中間配線W1,W2,…の他端には、
第5主電極(ソース電極)SA2が接続されている。そ
して、第5主電極SA2に対向した第6主電極(ドレイ
ン電極)D2、第5及び第6主電極を流れる主電流を制
御する第3制御電極GA2とを有し、第5主電極SA2
にアノード領域を、第6主電極D2にカソード領域が接
続された第2寄生ダイオードDを内在する。この結
果、第1半導体能動ヒューズ201、203とは、第2
寄生ダイオードDの極性が反対である。第2基準半導
体素子QB2は、第7主電極(ソース電極)SB2、第
8主電極(ドレイン電極)D2及び第4制御電極GB2
とを有する。そして、第8主電極D2及び第4制御電極
GB2は、それぞれ、第6主電極D2及び第3制御電極
GA2に接続されている。そして、第2比較器CMP1
は、第5及び第7主電極間の電圧を比較する。2比較器
CMP1及び第2駆動回路111は、この第2主半導体
素子QA2の異常電流を検知して、異常電流発生時には
第2主半導体素子QA2をオン/オフ制御して電流振動
を生成する制御回路を構成している。そして、この電流
振動を利用して、第2主半導体素子QA2が遮断され
る。第2主半導体素子(パワーデバイス)QA2と、こ
の主半導体素子(パワーデバイス)QA2を制御する制
御回路も、同一基板上に集積化されたパワーICの構成
である。
【0031】図3は、第1主半導体素子QA1の具体的
構造の一例として、DMOS構造のnMOSトランジス
タのユニット素子の一部を示す断面図である。第2主半
導体素子QA2も、デバイス構造としては同じである。
実際には、このユニット素子を、半導体チップ上に複数
個(例えば、ユニット素子数N1=1000個)並列配
置することにより、所望の定格電流容量を実現してい
る。図3に示すnMOSトランジスタQA1,QA2
は、ドレイン領域となるn領域908の上に、エピタ
キシャル成長したドリフト領域となるn領域907を
配置し、このドリフト領域907の表面に、見かけ上2
つのpボディ領域906を島状に対向して配置してい
る。図3において、断面図として、見かけ上2つのpボ
ディ領域906が示されているが、紙面の奥で連続して
いてかまわない。即ち、平面パターン上は、円形若しく
は矩形のリング形状(ドーナツ型)で、連続したpボデ
ィ領域906を構成してかまわない。pボディ領域90
6の表面には、ソース領域となるn領域905が形成
されている。ソース領域となるn領域905も、円形
若しくは矩形のリング形状(ドーナツ型)で、連続した
拡散領域として構成してかまわない。pボディ領域90
6の上部及びpボディ領域906に挟まれたドリフト領
域907の上部にはゲート絶縁膜904が配置され、更
にゲート絶縁膜904の上部に、ゲート電極903が配
置されている。ゲート電極903の上部には層間絶縁膜
902が配置され、この層間絶縁膜902中に開口され
たコンタクトホールを介して、pボディ領域906とソ
ース領域905を短絡するように、ソース電極901が
配置されている。ドレイン領域908の裏面には、ドレ
イン電極909が形成されている。図3に示すDMOS
構造は、pボディ領域906とnドレイン領域908
との間に、pn接合構造の寄生ダイオードDを内在し
ている。従って、DMOSが動作するバイアス条件とは
逆にして、ドレイン電極909を負、ソース電極901
を正とするバイアス条件とすれば、この寄生ダイオード
が導通し、いわゆる逆導通が生じる。本発明におい
ては、この寄生ダイオードDを積極的に電流経路とし
て用いる。これらの寄生ダイオードDは、図3から明
らかなように、半導体チップの底面全面に、大面積に形
成されているので、オン抵抗が低く、全体としての導通
損失は大きくならない。
【0032】図4は、図1に示した第1半導体能動ヒュ
ーズ201、203の回路構成をモノリシックに集積化
する場合の一例を示す断面図である。第2半導体能動ヒ
ューズ202,204の場合も、回路的に逆さまに接続
されているだけであり、構造は全く同一である。従っ
て、重複を避けるため、以下の説明では、本発明の第1
半導体能動ヒューズ201,203に着目して説明する
が、第2半導体能動ヒューズ202,204の場合も、
全く同様である。
【0033】図4に示すように、本発明の第1半導体能
動ヒューズ201,203は、第1主半導体素子QA
1,QA2を制御する制御回路側の下部のみにSOI酸
化膜(埋め込み絶縁膜)811,821を設け、部分的
にSOI構造を構成している。そして、この部分的なS
OI構造を利用した絶縁分離構造で、第1主半導体素子
QA1及び第1基準半導体素子QB1を制御する制御回
路の各素子を分離している。一方、主なるスイッチング
動作をする第1主半導体素子QA1側には、SOI構造
は構成せず、半導体チップの表面から裏面に電子が流れ
る縦型のパワーデバイスの構造を達成している。上述し
たように、第1主半導体素子QA1は、N1個のユニッ
ト素子を並列配置しており、同一のユニット素子をN2
=1個のみ有する第1基準半導体素子QB1も、同様
に、縦型のデバイス構造であり、こちらにもSOI酸化
膜はない。即ち、第1主半導体素子QA1は、既に、図
3を用いて説明したように、半導体チップの底面全面に
形成されたnドレイン領域908の上に、nドリフ
ト領域907を配置して形成されている(第1主半導体
素子QA1の構造は、図3の説明と重複するので、ここ
での説明を省略する。)。
【0034】図4においては、半導体チップの底面全面
に形成されたnドレイン領域908、及びnドリフ
ト領域907を共通として、第1基準半導体素子QB1
が形成されている。即ち、第1基準半導体素子QB1
は、nドリフト領域907の表面に、pボディ領域8
06が島状に配置して構成されている。pボディ領域8
06の表面には、ソース領域となるn領域825が形
成されている。pボディ領域806の上部及びpボディ
領域806に挟まれたドリフト領域907の上部にはゲ
ート絶縁膜904が配置され、更にゲート絶縁膜904
の上部に、ゲート電極803が配置されている。ゲート
電極803は、第1主半導体素子QA1のゲート電極9
03と連続している。ゲート電極803の上部には層間
絶縁膜902が配置され、この層間絶縁膜902中に開
口されたコンタクトホールを介して、pボディ領域80
6とソース領域825を短絡するように、ソース電極9
13が配置されている。ソース電極913は図1に示す
ように、半導体チップの表面に設けられたポリシリコン
からなる基準抵抗Rrに接続されている。ドレイン領域
908の裏面の全面には、第1主半導体素子QA1及び
第1基準半導体素子QB1に共通のドレイン電極909
が形成されている。
【0035】第1主半導体素子QA1と第1基準半導体
素子QB1の間には、図4に示すように素子分離領域が
形成されている。素子分離領域は、pボディ領域80
6、906を貫通するまで深く形成されたトレンチを用
いて形成されている。即ち、このトレンチの側壁に形成
されたトレンチ側壁絶縁膜801と、更にトレンチ側壁
絶縁膜801に挟まれた半絶縁性ポリシリコン(SIP
OS)802から構成されている。同様に、制御回路側
においては、SOI酸化膜(埋め込み絶縁膜)811,
821を貫通するまで深く形成されたトレンチを用い
て、素子分離領域が形成されている。
【0036】制御回路側には、pウェル822に形成さ
れたnMOSトランジスタ及びn埋め込みコレクタ領
域812の上部に形成されたnpn型バイポーラトラン
ジスタを模式的に示した。即ち、SOI酸化膜812の
上部にpウェル822が形成され、このpウェル822
中に、nソース領域823,nドレイン領域824
が形成されている。そして、nソース領域823及び
ドレイン領域824に挟まれたpウェル822上部
にはゲート絶縁膜904が配置され、更にゲート絶縁膜
904の上部に、ゲート電極827が配置されている。
ソース領域823及びnドレイン領域824に
は、層間絶縁膜902中に開口されたコンタクトホール
を介して、それぞれ、ソース電極915,ドレイン電極
914が接続されている。一方、SOI酸化膜811の
上部にn埋め込みコレクタ領域812が形成され、こ
のn埋め込みコレクタ領域812の上部に、nドリ
フト領域813が形成され、nドリフト領域813の
表面にpベース領域814が形成されている。pベース
領域814中には、nエミッタ領域815が、n
リフト領域813の表面のpベース領域814とは離間
した位置には、nコレクタコンタクト領域816が形
成されている。nエミッタ領域815、pベース領域
814及びnコレクタコンタクト領域816には、層
間絶縁膜902中に開口されたコンタクトホールを介し
て、それぞれ、エミッタ電極918、ベース電極917
及びコレクタ電極916が接続されている。
【0037】そして、エミッタ電極918、ベース電極
917、コレクタ電極916、ソース電極915,ドレ
イン電極914、ソース電極913及びソース電極90
1の上には、パッシベーション膜912が堆積されてい
る。そして、パッシベーション膜912を貫通して、ソ
ース電極901に到達するバイア・ホールが設けられて
いる。バイア・ホール中にはスタブ金属910が埋め込
まれている。スタブ金属910を介して、パッシベーシ
ョン膜912の上に全面に形成された外部接続用ソース
電極911とソース電極901とが電気的に接続されて
いる。この結果、図4においては、半導体チップの底面
全面にはドレイン電極909が、半導体チップの表面全
面には外部接続用ソース電極911が形成されている。
【0038】このドレイン電極909を、図5(a)に
示すように、半田304を用いてプラグ端子311に半
田付けされ、ケーブルコネクタ(プラグ)が構成され
る。更に、半田303を用いて外部接続用ソース電極9
11は、リード314のインナーリードに半田付けされ
ている。プラグ端子311の半導体チップ110側、半
導体チップ110,リード314のインナーリードは、
周知のトランスファモールド方法によって樹脂封止体3
15により封止されている。樹脂封止体315の外部に
露出した部分が、リード314のアウターリードとな
る。プラグ端子311及びリード314は、例えばアル
ミニウム(Al)、銅(Cu)、Cu−Fe,Cu−C
r,Cu−Ni−Si,Cu−Sn等の銅合金、Ni−
Fe、Fe−Ni−Co等のニッケル・鉄合金、或いは
銅とステンレスの複合材料等を用いることが可能であ
る。更に、これらの金属にニッケル(Ni)メッキや金
(Au)メッキ等を施したものなどから構成しても良
い。そして、図5(a)に示すように、電源線を構成す
る中心導体301とリード314のアウターリードと
は、半田305を用いて電気的に接続される。中心導体
301は絶縁体302により被覆されている。プラグ端
子311は絶縁体312を介して、樹脂封止体315を
収納する金属ケース313に接続されている。
【0039】プラグ端子311は、図5(b)に示した
ジャック端子323に差し込まれる。ジャック端子32
3は、半田306を用いて、電源線を構成する中心導体
301と電気的に接続される。ジャックの金属ケース3
21は、絶縁体322により、ジャック端子323から
絶縁されている。図5(a)及び(b)に示すようなケ
ーブルコネクタを用いることにより、図1に示すパワー
ICは、電源線を介して、出力電圧VBを供給する電源
101に、入力端子TD1,TD2としてのドレイン電
極909が接続される。同様に、電源線を介して、出力
端子TS1,T S2としての外部接続用ソース電極91
1が負荷102に接続される。
【0040】図1に示すように、第1主半導体素子QA
1のゲート電極GA1は、半導体チップ110の温度上
昇を検知し、所定の温度以上になった場合は、導通状態
を遮断する過熱遮断回路120に接続されている。同様
に、図2に示すように、第2主半導体素子QA2のゲー
ト電極GA2には、過熱遮断回路120が接続されてい
る。過熱遮断回路120としては、例えば、図6に示し
た回路構成を用いれば良い。以下の説明では、第1主半
導体素子QA1に着目して説明するが、第2主半導体素
子QA2の場合も、全く同様である。
【0041】即ち、この過熱遮断回路120は、第1主
半導体素子QA1のゲート電極に接続された過熱遮断用
MOSトランジスタQSと、この過熱遮断用MOSトラ
ンジスタQSのゲート電極に信号を入力するラッチ回路
122と、ラッチ回路122の状態を制御する温度セン
サ121等から構成されている。つまり、半導体チップ
110の表面温度が規定以上の温度まで上昇したことが
温度センサ121によって検出された場合には、温度セ
ンサ121からの検出情報により、ラッチ回路122の
状態が遷移し、この状態がラッチ回路122に保持され
る。この結果、過熱遮断用MOSトランジスタQSがオ
ン動作となり、第1主半導体素子QA1の真のゲートT
Gと第2主電極(ソース電極)SA1間を短絡し、第1
主半導体素子QA1を強制的にオフ制御する。
【0042】ここで、温度センサ121はポリシリコン
等で構成した4個のダイオードが直列接続されてなり、
温度センサ121は第1主半導体素子QA1の近傍に集
積化されている。第1主半導体素子QA1の接合温度が
上昇するにつれて、半導体チップの表面温度が上昇し、
温度センサ121の4個のダイオードの順方向降下電圧
が次第に低下する。そして、4個のダイオードの順方向
降下電圧の総和が、nMOSトランジスタQ51のゲー
ト電位が“L”レベルとされる電位まで下がると、nM
OSトランジスタQ51がオン状態からターンオフす
る。これにより、nMOSトランジスタQ54のゲート
電位が、第1主半導体素子QA1のゲート制御端子Gの
電位にプルアップされ、nMOSトランジスタQ54が
ターンオンする。このため、nMOSトランジスタQ5
3がターンオフし、nMOSトランジスタQ52がオフ
状態からターンオンして、ラッチ回路122に“1”が
ラッチされることとなる。このとき、ラッチ回路122
の出力が“H”レベルとなって、過熱遮断用素子QSが
オフ状態からターンオンする。この結果、第1主半導体
素子QA1の真のゲートTGと第2主電極(ソース電
極)SA1間が短絡されて、第1主半導体素子QA1が
オン状態からターンオフして、過熱遮断されることとな
る。なお、電流振動の振動の回数を計測する方式を採用
すれば、過熱遮断回路120は必須ではない。
【0043】第1主半導体素子QA1は、例えば、複数
個のユニットセル(単位セル)が並列接続されたマルチ
・チャネル構造のパワーデバイスを採用すれば良い。そ
して、この第1主半導体素子QA1に並列接続されるよ
うに、第1基準半導体素子としてのMOSトランジスタ
QB1が、第1主半導体素子QA1に隣接する位置に配
置されている。第1基準半導体素子(基準MOSトラン
ジスタ)QB1が、第1主半導体素子(主MOSトラン
ジスタ)QA1と同一プロセスで、隣接位置に配置され
ているので、温度ドリフトやロット間の不均一性の影響
による互いの電気的特性のバラツキを除去(削減)でき
る。第1基準半導体素子QB1の電流容量が第1主半導
体素子QA1の電流容量よりも小さくなるように、それ
ぞれのMOSトランジスタを構成する並列接続のユニッ
トセル数を調整している。例えば、第1基準半導体素子
QB1のユニットセル数N2=1に対して、第1主半導
体素子QA1のユニットセル数をN1=1000となる
ように構成することにより、第1基準半導体素子QB1
と第1主半導体素子QA1のチャネル幅Wの比をN2:
N1=1:1000としている。又、温度センサ121
は、第1基準半導体素子QB1及び第1主半導体素子Q
A1の上部に形成された層間絶縁膜の上部に堆積された
ポリシリコン薄膜等で構成した複数個のダイオードが直
列接続により構成され、温度センサ121を第1主半導
体素子QA1のチャネル領域の近傍の位置に集積化して
いる。
【0044】図8は、本発明の電源線に用いるパワーI
Cに用いる第1主半導体素子QA1に着目した、概念的
な等価回路図である。第1主半導体素子QA1の等価回
路を、等価電流源g・v、ドレイン抵抗rd、ゲー
ト・ソース間容量CGS、ゲート・ドレイン間容量C
GD及びドレイン・ソース間容量CDSを用いて簡略化
して示している。ここで、gは、第1主半導体素子Q
A1の伝達コンダクタンスである。この第1主半導体素
子QA1の等価回路を使用した場合、電源101から負
荷102への電力供給経路は、図8に示すような回路と
して表される。負荷102には電力供給経路の配線イン
ダクタンスL0と配線抵抗R0とが含まれる。
【0045】図7には、このような電力供給経路の一部
を成す第1主半導体素子QA1のドレイン−ソース間電
圧VDSのオフ状態からオン状態へ遷移する際の立ち下
がり電圧特性を、負荷102若しくは第1主半導体素子
QA1と負荷102間の配線が短絡の場合、基準負荷
(通常動作)の場合、負荷102が抵抗1KΩの場合に
ついて示す過渡応答カーブである。立ち下がり特性は、
本発明の実施の形態に係る電力供給経路全体のインピー
ダンス、例えば、電源線が持つ配線インダクタンス、配
線抵抗に応じた過渡応答をする。
【0046】先ず、図7の負荷102の抵抗が1KΩの
ときのドレイン−ソース間電圧V の変化について、
次のように考察出来る。つまり、この測定で用いた第1
主半導体素子QA1の特性により、例えば、ドレイン電
流I=12mA(電源電圧12V、負荷抵抗1KΩの
とき)において、真のゲート−ソース間電圧V
TGSは、ほぼしきい値電圧Vth=1.6Vと仮定す
る。そして、図1の駆動回路111による第1主半導体
素子QA1の真のゲートTGへの充電は継続されるか
ら、このまま行くと真のゲート−ソース間電圧VTGS
は上昇して行ってしまう。しかし、ドレイン−ソース間
電圧VDSが低下して、真のゲート−ドレイン間の容量
値CGDを増大させるので、真のゲート−ソース間電圧
TGSに達する電荷を吸収する。即ち、ドレイン−ソ
ース間電圧VDSは真のゲート−ソース間電圧VTGS
に達した電荷が電位上昇を生じさせないだけの容量を発
生させ、真のゲート−ソース間電圧VTGSは約1.6
V(=Vth)に維持される。つまり、第1主半導体素子
QA1がオン状態に遷移した後の各経過時点で、駆動回
路111によってゲートGに送られる充電電荷を吸収
し、真のゲートTGの電圧VTGSを一定に保つような
ドレイン−ソース間電圧VDSとなる。
【0047】ここで、負荷抵抗が1KΩより小さい負荷
Rに対応するドレイン−ソース間電圧VDSの図7の負
荷抵抗=1KΩの時の曲線からの差をΔVDSとする。
そして、その時点tにおける負荷Rに対応した真のゲー
ト−ソース間電圧をVTGS とする。即ち、 QGD=ΔVDS×CGD+(VTGSR−Vth)×CGS ・・・・・(1) 分の電荷に相当する電圧を、真のゲート−ソース間電圧
TGSRから引き去れば、真のゲート−ソース間電圧
TGSRは、ほぼしきい値電圧Vth=1.6Vになる
ことを意味する。換言すれば、真のゲート−ソース間電
圧VTGSRは、しきい値電圧Vth=1.6Vからこの
電荷QGD分に相当した電圧だけ電位が上昇しているこ
とを意味する。このことを式で示せば次式となる。
【0048】 (VTGSR−Vth)×CGS+((VTGSR−Vth)−ΔVDS)×CGD =(ΔVDS−(VTGSR−Vth))×CGD ・・・・・(2) VTGSR−Vth=ΔVDS×2CGD/(CGS+2CGD) ・・・・・(3) ∴ΔVDS=(VTGSR−Vth)・((CGS/2CGD)+1)・・・・・(4) 即ち、ΔVDSは(VTGSR−Vth)に比例する。な
お、ドレイン電流Iがゼロの時は真のゲートを充電す
る回路及びミラー容量だけでドレイン−ソース間電圧V
DSの曲線は決まるが、ドレイン電流Iが流れると、
回路全体のインダクタンスLにより逆起電力が発生
し、負荷抵抗が増大したのと同じ効果を与える。従っ
て、ドレイン電流Iが変化しているときは、インダク
タンス等価抵抗が発生し、デッドショートのように、負
荷の純抵抗値が非常に小さくなっても、負荷の等価イン
ピーダンスは、回路全体のインダクタンスLで決まる
一定値以下には下がらない。このため、ドレイン電流I
の立ち上り勾配は一定値に収れんし、真のゲート−ソ
ース間電圧VTGSの曲線も収れんすることとなる。
【0049】本発明の半導体装置(パワーIC)の第1
基準半導体素子QB1と第1主半導体素子QA1のチャ
ネル幅Wの比をN2:N1(n=N1/N2=100
0)としてカレントミラー回路を構成する場合は、第1
主半導体素子QA1のソース電圧VSAと第1基準半導
体素子QB1のソース電圧VSBが一致するとき、(主
半導体素子のドレイン電流IDQA)=1000×(基
準半導体素子のドレイン電流IDQB)となる。従っ
て、第1主半導体素子QA1のドレイン電流としてI
DQA=5A、第1基準半導体素子QB1のドレイン電
流としてIDQB=5mAがそれぞれ流れているとき
は、第1主半導体素子QA1及び第1基準半導体素子Q
B1のそれぞれのドレイン−ソース間電圧VDSは一致
し、従って、真のゲート−ソース間電圧VTGSも一致
する。即ち、VDSA=VDSB、VTG SA=V
TGSBとなる。ここで、VDSA,VDSBはそれぞ
れ第1主半導体素子QA1,第1基準半導体素子QB1
のドレイン−ソース間電圧であり、V GSA,V
TGSBはそれぞれ第1主半導体素子QA1,第1基準
半導体素子QB1の真のゲート−ソース間電圧である。
【0050】従って、第1基準半導体素子QB1が完全
にオン状態に遷移しているときは、基準抵抗Rrの両端
にほぼ電源電圧VBが印加されると近似出来る。このた
め、第1主半導体素子QA1に接続する5Aの負荷に等
価な第1基準半導体素子QB1の負荷として、基準抵抗
Rrの抵抗値は、Rr=12V/5mA=2.4KΩと
して決定される。
【0051】次に、MOSトランジスタのドレイン飽和
領域(5極管特性領域)における本発明の電源線に用い
る半導体装置(パワーIC)の動作について説明する。
第1主半導体素子QA1がオン状態に遷移すると、ドレ
イン電流IDQAは回路抵抗で決まる最終負荷電流値を
目指して立ち上がって行く。又、第1主半導体素子QA
1の真のゲート−ソース間電圧VTGSAは、ドレイン
電流IDQAで決まる値を取り、ドレイン−ソース間電
圧VDSAの低下によるコンデンサ容量CGDのミラー
効果でブレーキをかけられながら、これも立ち上がって
行く。更に、第1基準半導体素子QB1は、第1主半導
体素子QA1の決めるゲート電圧に従って、基準抵抗R
rを負荷抵抗とするソースフォロアとして動作する。
【0052】又、第1主半導体素子QA1の真のゲート
−ソース間電圧VTGSAは、ドレイン電流IDQA
増加に応じて大きくなって行く。
【0053】 VDSA=VTGSA+VTGD ・・・・・(5) VDSB=VTGSB+VTGD ・・・・・(6) の関係があるから、 VDSA−VDSB=VTGSA−VTGSB =(IDQA−n×IDQB)/gm ・・・・・(7) となる。但し、gは第1主半導体素子QA1の伝達コ
ンダクタンス、n=N1/N2は第1主半導体素子QA
1と第1基準半導体素子QB1とのチャネル幅の比であ
る。従って、ドレイン−ソース間電圧の差VDSA−V
DSBを検出することにより、ドレイン電流の差(I
DQA−n×IDQB)を得ることが出来る。
【0054】第1基準半導体素子QB1のドレイン−ソ
ース間電圧VDSBは、比較器CMP1の“−”入力端
子に入力される。又、第1主半導体素子QA1のドレイ
ン−ソース間電圧VDSAはR1と抵抗R2で分圧した
値Vが、抵抗R5を介して、比較器CMP1の“+”
入力端子に入力される。即ち、 V+=VDSA×R1/(R1+R2) ・・・・・(8) が比較器CMP1の“+”入力端子に入力されることに
なる。負荷側が正常状態の場合は、(Rr/n)<Rと
なって、V<VDSBとなり、第1主半導体素子QA
1は、オン状態を維持する。ここで、Rは負荷抵抗の値
である。負荷側が過負荷になると、(Rr/n)>Rと
なり、更に、V>VDSBとなると、3極管特性領域
で、第1主半導体素子QA1がターン・オフする。第1
主半導体素子QA1及び第1基準半導体素子QB1のそ
れぞれのソース電位をVSA、V とすると、第1主
半導体素子QA1がオフ後、ソース電位VSA、VSB
は、GNDに向かって低下して行くので、VDSA,V
DSBとも増加する。ソース電位VSA、VSBが、G
ND電位に至る前に、V<VDSBの条件が成立し
て、再び第1主半導体素子QA1がターン・オンする。
第1主半導体素子QA1は、オン状態に遷移した直後
は、5極管特性領域(ピンチオフ領域)にあり、その後
3極管特性領域に向かってオン状態を続けて行き、V
>VDSBになるとターンオフする。これが、オン/オ
フ動作の1サイクルである。一旦ターンオフすると、オ
フ状態を維持し、逆に、一旦ターンオンすると、オン状
態を維持するのは、負荷回路のインダクタンスによる。
負荷回路のインダクタンスは、電流が変化するときは、
抵抗と等価な働きをする。電流が減少しているときは、
インダクタンス等価抵抗の符号はマイナスとなって、負
荷側抵抗を減少させる。一方、電流が増加するときは、
インダクタンス等価抵抗の符号がプラスとなって、負荷
側抵抗を増大させる。このために、第1主半導体素子Q
A1が、一旦ターンオフすると、オフ状態を維持し、タ
ーンオンすると、オン状態を維持することになる。第1
基準半導体素子QB1側は、基準抵抗Rrが負荷抵抗R
よりn=N1/N2倍大きいので、インダクタンス効果
は無視出来るほど小さい。このため、第1基準半導体素
子QB1側は、純抵抗回路として動作すると考えて良
い。
【0055】なお、比較器CMP1では、ダイオードD
1と抵抗R5でヒステリシスが形成されている。第1主
半導体素子QA1がオフ状態に遷移したとき、駆動回路
111のシンクトランジスタによりゲート電位は接地さ
れ、ダイオードD1のカソード側電位は、VSA−0.
7V(ツェナーダイオードZD1の順方向電圧)になる
ので、ダイオードD1が導通する。この結果、抵抗R1
→抵抗R5→ダイオードD1の経路で電流が流れ、比較
器CMP1の“+”入力端子の信号レベルVは、駆動
回路111がオン制御しているときの上述の(8)式の
値より大きくなる。従って、オフ状態に遷移する直前よ
り小さい、特定のドレイン−ソース間電圧の差VDSA
−VDSBまで第1主半導体素子QA1はオフ状態を維
持するが、その後、更にVDSAが大きくなることによ
り、比較器CMP1の“+”入力端子の信号レベルV
が、VDSBより小さくなり、比較器CMP1の出力は
“L”レベルから“H”レベルに変化する。従って、第
1主半導体素子QA1は再びオン状態に遷移させられる
こととなる。なお、ヒステリシス特性の付け方にはいろ
いろな方法があるが、これはその一例である。
【0056】第1主半導体素子QA1がオフ状態に遷移
するときのドレイン−ソース間電圧VDSAをしきい値
DSAthとすると、次式が成立する。つまり、 VDSAth−VDSB=R2/R1×VDSB ・・・・・(9) となる。(9)式は、過電流判定値を示し、3極管特性
領域(オーミック特性領域)及び5極管特性領域(ドレ
イン飽和領域)において成立する。
【0057】次に、3極管特性領域における動作につい
て説明する。電源線が正常な状態で、第1主半導体素子
QA1がオン状態に遷移すると、第1主半導体素子QA
1は連続的にオン状態を維持することとなる。このた
め、真のゲート−ソース間電圧VTGSA、VTGSB
がピンチオフ電圧に達した後は、第1主半導体素子QA
1及び第1基準半導体素子QB1は、3極管特性領域で
動作する。本発明の電源線に用いる半導体装置において
は、第1基準半導体素子QB1と第1主半導体素子QA
1のチャネル幅Wの比を1:nとしてカレントミラー回
路を構成しているので、第1基準半導体素子QB1のオ
ン抵抗RDS(ON)Bは、第1主半導体素子QA1の
オン抵抗RDS(ON)Aのn倍である(R
DS(ON)B=n・RDS(ON)A)。一方、第1
基準半導体素子QB1のソース電位と第1主半導体素子
QA1のソース電位とが等しければ、第1基準半導体素
子QB1のドレイン電流IDQBは、第1主半導体素子
QA1のドレイン電流IDQAの1/n倍である(I
DQB=(1/n)・IDQA)。5Aクラスの半導体
素子の代表的なオン抵抗RDS(ON)を参考にすれ
ば、例えば、第1主半導体素子QA1のオン抵抗R
DS(ON)Aを、ゲート−ソース間電圧VGS=10
Vのとき、RDS(ON)A=30mΩであると仮定出
来る。n=N1/N2=1000とし、電源電圧VB=
12V、基準抵抗Rr=2.4KΩとすれば、 VDSB=IDQB×(n・RDS(ON)A)=5[mA]×30[Ω] =0.15[V]・・・・・(10) VDSA=IDQA×30[mΩ] ・・・・・(11) VDSA−VDSB=30[mΩ]×(IDQA−5[A]) ・・・・・(12) となる。
【0058】又、負荷に異常が発生して、ドレイン電流
DQAが増加すると(12)式の値が大きくなり、過
電流判定値を超えると第1主半導体素子QA1をオフ状
態に遷移させる。この場合、ピンチオフ点を経由して、
上記の5極管特性領域での動作状態を経て、オフ状態へ
遷移する。そして、図1に示したダイオードD1と抵抗
R5とによるヒステリシスにより、一定時間経過後に、
比較器CMP1の“+”入力端子の信号レベルVがV
DSBより小さくなり、比較器CMP1の出力は“L”
レベルから“H”レベルに変化して、第1主半導体素子
QA1を再びオン状態に遷移させることとなる。こうし
て、第1主半導体素子QA1はオン状態及びオフ状態へ
の遷移を繰り返して、最終的に、過熱遮断回路120が
動作し、過熱遮断に至る。なお、過熱遮断に至る前に、
電源線が正常に復帰すれば(間欠的短絡故障の例)、第
1主半導体素子QA1は連続的にオン状態を維持するよ
うになる。
【0059】図9(a)は本発明の電源線に用いる半導
体装置(パワーIC)のドレイン電流Iを、図9
(b)は、対応するドレイン−ソース間電圧VDSをそ
れぞれ示す。図中、は過負荷の場合、は通常動作の
場合である。過負荷状態が発生している場合(図中)
には、上述のように第1主半導体素子QA1のオン/オ
フ制御を繰り返しを行って、ドレイン電流Iを大きく
変動させ、第1主半導体素子QA1の周期的な発熱作用
によって、第1主半導体素子QA1の過熱遮断を速めて
いる。
【0060】以上の説明では、第1半導体能動ヒューズ
201,203若しくは、第1主半導体素子QA1に着
目して説明したが、第2半導体能動ヒューズ202,2
04及び第2主半導体素子QA2の場合も、基本的に同
様であることは容易に理解出来るであろう。以上の説明
をふまえて、次に、図面を参照して、本発明の実施の形
態としての電力供給系を説明する。
【0061】(第1の実施の形態)図10は本発明の第
1の実施の形態に係る電力供給系の構成を示す模式的な
ブロック図である。図10に示すように、本発明の第1
の実施の形態に係る電力供給系は、順方向に並列配置さ
れた2個の第1半導体能動ヒューズ201,203(以
下において、「第1能動ヒューズ201,203」と略
記する。)と、この2個の第1能動ヒューズ201,2
03のそれぞれの入力端子TDに接続された第1配線W
と、2個の第1能動ヒューズ201,203のそれぞ
れの出力端子Tに、それぞれの一端が接続された2本
の中間配線W1,W2と、2本の中間配線W1,W2の
他端にそれぞれ出力端子Tを接続され、逆方向に並列
配置された2個の第2半導体能動ヒューズ202,20
4(以下において、「第2能動ヒューズ202,20
4」と略記する。)と、2個の第2能動ヒューズ20
2,204のそれぞれの入力端子TDに接続された第2
配線Wとから少なくとも構成されている。ここで、
「第1能動ヒューズ201,203」は、図1に示した
ような回路構成であり、「第2能動ヒューズ202,2
04」は、図2に示したような回路構成のパワーICで
ある。更に、図10に示すように、第1配線Wには正
電位の主電源101が接続され、第2配線Wには負荷
L1,L2,L3がそれぞれ、半導体能動ヒューズ20
7,208,209(以下において、「能動ヒューズ2
07,208,209」と略記する。)を介して接続さ
れている。「主電源」とは主電源の意であり、車両にお
いては、エンジンルームに配置されたバッテリ等が該当
する。
【0062】本発明の第1の実施の形態に係る電力供給
系は、図10に示すように、複数本(2本)の活線とな
る中間配線W1,W2から構成されているので、その内
の一部の活線に短絡箇所が発生すれば、直ちにその活線
を切り離し、他の中間配線や負荷への影響を回避出来
る。又、一部に断線等の故障が発生しても他の活線(中
間配線)でカバー出来る。このため、活線となる電源線
W1,W2の信頼性及び安全性を高めるのが容易である
という利点を有する。
【0063】本発明の第1の実施の形態に係る電力供給
系は、負荷L1,L2,L3に供給する最大電流値をI
maxとし、中間配線W1,W2には電流が均等に流れ
ると仮定すると、中間配線W1,W2の1本当たりの最
大電流値はImax/2となる。故障判定電流値を、例
えば最大電流値の2倍に設定すると、配線1本からなる
電力供給系の場合、故障判定電流値は、2×Imax
ある。一方、2本の中間配線W1,W2を並列配置した
電力供給系の場合、故障判定電流値は、2×I max
2となる。即ち、故障判定電流値を1/2に設定出来る
ので、短絡接地等の異常状態を精度良く判定出来る。そ
して、中間配線W1,W2,・・・・がm本であれば、
故障判定電流値は、2×Imax/mとなり、故障判定
電流値を1/mに設定出来る。
【0064】本発明の第1の実施の形態に係る電力供給
系には、過電流検出を行うために電源線に直列接続され
るシャント抵抗は不要であり、系全体としての熱損失や
導通損失を低く出来る。又、完全短絡による過電流のみ
ならず、ある程度の短絡抵抗を持つ不完全短絡などのレ
アショートが負荷側に発生した場合の異常電流をも、簡
単に且つ高速に検出可能である。更に、本発明の第1の
実施の形態に係る電力供給系の過電流の検出・制御にマ
イコンは不要であるため、過電流検出・制御部の実装ス
ペースを縮小出来るとともに、電力供給系の系全体とし
てのコストを大幅に削減可能である。
【0065】図11は、本発明の第1の実施の形態の変
形例に係る電力供給系の構成を示す模式的なブロック図
である。図10と異なり、第1配線Wに、負荷L1,
L2,L3がそれぞれ、能動ヒューズ227,228,
229を介して接続されている。
【0066】一方、第2配線Wには負電位の主電源1
12が接続される。他は、図10と同様である。従っ
て、図11に示す構成においても、複数本(2本)の活
線となる中間配線W1,W2を有しているので、その内
の一部の活線に短絡箇所が発生すれば、直ちにその活線
を切り離し、他の中間配線や負荷への影響を回避出来
る。このため、活線となる電源線W1,W2の信頼性及
び安全性を高めるのが容易であるという利点を有する。
図11に示す構成においても、過電流検出を行うために
電源線に直列接続されるシャント抵抗は不要であり、系
全体としての熱損失や導通損失を低く出来る。又、完全
短絡による過電流のみならず、ある程度の短絡抵抗を持
つ不完全短絡などのレアショートが負荷側に発生した場
合の異常電流をも、簡単に且つ高速に検出可能である。
更に、マイコンは不要であるため、過電流検出・制御部
の実装スペースを縮小出来、電力供給系の系全体として
のコストを大幅に削減可能である。
【0067】(第2の実施の形態)図12は、本発明の
第2の実施の形態に係る電力供給系の構成を示す模式的
な系統図である。図12に示すように、本発明の第2の
実施の形態に係る電力供給系は、順方向に並列配置され
た2個の第1能動ヒューズ201,203と、この2個
の第1能動ヒューズ201,203のそれぞれの入力端
子TDに接続された第1配線Wと、2個の第1能動ヒ
ューズ201,203のそれぞれの出力端子Tに、そ
れぞれの一端が接続された2本の中間配線W1,W2
と、2本の中間配線W1,W2の他端にそれぞれ出力端
子Tを接続され、逆方向に並列配置された2個の第2
能動ヒューズ202,204と、2個の第2能動ヒュー
ズ202,204のそれぞれの入力端子TDに接続され
た第2配線Wと、第1配線Wに入力端子TDを接続
した第1の補助半導体能動ヒューズ205(以下におい
て、「第1の補助ヒューズ205」という。)と、この
第1の補助ヒューズ205の出力端子Tに接続した補
助配線Wと、補助配線Wの他端に出力端子Tを接
続した第2の補助半導体能動ヒューズ206(以下にお
いて、「第2の補助ヒューズ206」という。)とから
構成されている。
【0068】ここで、第1の補助ヒューズ205は、図
1に示した構成のパワーICであり、第2の補助ヒュー
ズ206は、図2に示した構成のパワーICである。即
ち、第1の補助ヒューズ205は、第3主半導体素子Q
A1、第3基準半導体素子QB1,第3比較器CMP1
及び第3駆動回路111等を有する。そして、第3主半
導体素子QA1は、第1配線Wに接続された第9主電
極(ドレイン電極)D1、第9主電極D1に対向した第
10主電極(ソース電極)SA1、第9及び第10主電
極を流れる主電流を制御する第5制御電極GA1とを有
する。更に、第3主半導体素子QA1は、第9主電極D
1にカソード領域を、第10主電極SA1にアノード領
域が接続される第3寄生ダイオードDを内在する。第
3基準半導体素子QB1は、第9主電極D1、第5制御
電極GA1にそれぞれ接続された第11主電極(ドレイ
ン電極)D1、第6制御電極GB1と、第12主電極
(ソース電極)SB1とを有する。第3比較器CMP1
は、第10主電極SA1及び第12主電極SB1間の電
圧を比較する。第3駆動回路111は、第3比較器CM
P1の出力に応じて、第5制御電極GA1に印加する信
号を生成する。
【0069】一方、第2の補助ヒューズ206は、図2
に示したように、第4主半導体素子QA2、第4基準半
導体素子QB2,第4比較器CMP1及び第4駆動回路
111等から構成されている。第4主半導体素子QA2
は、補助配線Wの他端に接続されるに第13主電極
(ソース電極)SA2、第13主電極SA2に対向した
第14主電極(ドレイン電極)D2、第13及び第14
主電極を流れる主電流を制御する第7制御電極GA2と
を有し、第13主電極SA2にアノード領域を、第14
主電極D2にカソード領域が接続される第4寄生ダイオ
ードDを内在する。第4基準半導体素子QB2は,第
15主電極(ソース電極)SB2、第16主電極(ドレ
イン電極)D2及び第8制御電極GB2を有する。第1
6主電極D2及び第8制御電極GB2は、それぞれ、第
14主電極D2及び第7制御電極GAに接続されてい
る。第4比較器CMP1は、第13主電極SA2と第1
5主電極SB2間の電圧を比較し、この第4比較器CM
P1の出力に応じて、第4駆動回路111は、第7制御
電極GA2に印加する信号を生成する。
【0070】このように、「能動ヒューズ201〜21
0」は、それぞれ、図1若しくは2に示した構成のパワ
ーICである。そして、本発明の第2の実施の形態に係
る電力供給系は、図12に示すように、第1配線W
は正電位の主電源101が接続され、第2の補助ヒュー
ズ206の入力端子Tには接続した正電位の補助電源
103が接続され、第2配線Wには負荷L1,L2,
L3がそれぞれ、能動ヒューズ207,208,209
を介して接続されている。「主電源」とは、車両におい
ては、エンジンルームに配置されたバッテリ等が該当す
る。そして、「補助電源」とは、車両においては、トラ
ンクルームに配置された補助バッテリ等が該当する。
【0071】本発明の「能動ヒューズ」の第1乃至第4
主半導体素子QA1,QA2は、図3に示したような寄
生pn接合ダイオードDが内在しているので、DMO
Sが動作するバイアス条件とは逆にして、ドレイン電極
909を負、ソース電極901を正とするバイアス条件
とすればこの寄生pn接合ダイオードDが導通する。
本発明の第2の実施の形態に係る電力供給系において
は、図12に示すように、この寄生pn接合ダイオード
を積極的に第2能動ヒューズ202,204及び第
1の補助ヒューズ206の電流経路として用いている。
この寄生pn接合ダイオードDは、図3から明らかな
ように、DMOSの底面全面に、大面積に形成されてい
るので、オン抵抗が低い。従って、図12に示すように
2つの能動ヒューズを対向接続(逆直列接続)しても、
全体としての導通損失は大きくならない。
【0072】本発明の第2の実施の形態に係る電力供給
系は、図12に示すように、複数本(2本)の活線とな
る中間配線W1,W2から構成されているので、その内
の一部の活線に短絡箇所が発生すれば、直ちにその活線
を切り離し、他の活線や負荷への影響を回避出来る。
又、一部に断線等の故障が発生しても他の活線(中間配
線)でカバー出来る。このため、活線W1,W2の信頼
性及び安全性を高めるのが容易であるという利点を有す
る。更に、主電源系の電源線が遮断されても、補助電源
系の電源線を利用して、負荷を駆動出来る。
【0073】本発明の第2の実施の形態に係る電力供給
系には、第1の実施の形態と同様に、過電流検出を行う
ために電源線に直列接続されるシャント抵抗は不要であ
り、系全体としての熱損失や導通損失を低く出来る。
又、完全短絡による過電流のみならず、ある程度の短絡
抵抗を持つ不完全短絡などのレアショートが負荷側に発
生した場合の異常電流をも、簡単に且つ高速に検出可能
である。更に、本発明の第2の実施の形態に係る電力供
給系の過電流の検出・制御にマイコンは不要であるた
め、過電流検出・制御部の実装スペースを縮小出来ると
ともに、電力供給系の系全体としてのコストを大幅に削
減可能である。
【0074】図13は、本発明の第2の実施の形態の変
形例に係る電力供給系の構成を示す模式的なブロック図
である。図12と異なり、第1配線Wに、負荷L1,
L2,L3がそれぞれ、能動ヒューズ227,228,
229を介して接続されている。そして、第2配線W
には、第1の補助ヒューズ205の端子Tが接続され
ている。この第1の補助ヒューズ205の出力端子T
には、補助配線Wが接続され、補助配線Wの他端に
は、第2の補助ヒューズ206の出力端子Tが接続さ
れている。そして、第2の補助ヒューズ206の入力端
子Tには、負電位の主電源113が接続されている。
図12と同様に、複数本(2本)の活線となる中間配線
W1,W2を有しているので、その内の一部の活線に短
絡箇所が発生すれば、直ちにその活線を切り離し、他の
活線や負荷への影響を回避出来る。更に、主電源系の電
源線が遮断されても、補助電源系の電源線を利用して、
負荷を駆動出来る。そして、図12と同様に、過電流検
出を行うために電源線に直列接続されるシャント抵抗は
不要であり、系全体としての熱損失や導通損失を低く出
来る。又、完全短絡による過電流のみならず、ある程度
の短絡抵抗を持つ不完全短絡などのレアショートが負荷
側に発生した場合の異常電流をも、簡単に且つ高速に検
出可能である。更に、マイコンは不要であるため、過電
流検出・制御部の実装スペースを縮小出来るとともに、
電力供給系の系全体としてのコストを大幅に削減可能で
ある。
【0075】(その他の実施の形態)上記のように、本
発明は第1及び第2の実施の形態によって記載したが、
この開示の一部を成す論述及び図面はこの発明を限定す
るものであると理解すべきではない。この開示から当業
者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明
らかとなろう。
【0076】例えば、本発明の「半導体能動ヒューズ」
に集積化する第1及び第2主半導体素子子としては、図
3及び図4に示したDMOS構造以外にも、例えば、V
MOS構造、或いはUMOS構造のパワーMOSトラン
ジスタやこれらと類似な構造のMOSSITが使用可能
である。又、EST、MCT等のMOS複合型デバイス
やIGBT等の他の絶縁ゲート型パワーデバイスが使用
可能である。更に、常にゲートを逆バイアスで使うので
あれば、接合型MOSトランジスタ、接合型SITやS
Iサイリスタ等も使用可能である。この第1及び第2主
半導体素子はnチャネル型でもpチャネル型でもかまわ
ない。即ち、本発明の第1半導体能動ヒューズ201,
203は、nチャネル型及びpチャネル型の両方が存在
する。pチャネル型の第1半導体能動ヒューズ201,
203においては、図1の表示と極性が逆になり、ドレ
イン電極Dに接続される端子Tが出力端子となり、ソ
ース電極Sに接続される端子Tが入力端子となる。
【0077】但し、第2半導体能動ヒューズの電流通路
として、半導体能動ヒューズの寄生素子(構造的に内在
する寄生pn接合ダイオード)を利用するのが好ましい
ので、逆導通型の半導体パワーデバイスが好ましい。逆
導通型の半導体パワーデバイスでない場合は、専用のダ
イオードを別途集積化すれば良い。
【0078】図14は、図1に示した第1主半導体素子
QA1の他の具体的構造として、コレクタショート型の
IGBTのユニット素子の一部を示す断面図である。実
際には、このユニット素子は、半導体チップ上に複数個
並列配置され、大電流化を実現している。図14に示す
コレクタショート型IGBTは、コレクタ電極929の
上部にコレクタ領域となるp領域928とnショー
ト領域937,938,・・・・・が隣接して、交互に
配置し、コレクタショート構造を形成している。p
域928とnショート領域937,938,・・・・
・との繰り返しのピッチは電子の拡散長を考慮して決め
ればよい。従って、図14では、1個のp領域928
と2個のnショート領域937,938がユニット素
子の断面図上に配置された場合が例示されているが、2
個以上のp領域928,・・・・・と3個以上のn
ショート領域937,938,・・・・・が、ユニット
素子に繰り返し配置されていてもかまわない。これら複
数のp領域928、nショート領域937,93
8,・・・・・はストライプ状若しくは格子状、蜂の巣
状等に配置可能である。格子状の場合は、p領域92
8をnショート領域937,938,・・・・・が取
り囲む配置でも、それぞれのnショート領域937,
938,・・・・・を複数のp領域928、・・・・
・が取り囲む形態でも良い。
【0079】このコレクタ領域928とnショート領
域937,938,・・・・・の上に、ドリフト領域と
なるn領域907を配置し、このドリフト領域907
の表面に2つのpベース領域926を島状に対向して配
置している。図3と同様に、図14においても、断面図
として、見かけ上2つのpベース領域926が示されて
いるが、紙面の奥で連続していてかまわない。即ち、平
面パターン上は、円形若しくは矩形のリング形状(ドー
ナツ型)で、連続したpベース領域926を構成してか
まわない。それぞれのpベース領域926の表面には、
エミッタ領域となるn領域925が形成されている。
エミッタ領域となるn領域925も、円形若しくは矩
形のリング形状(ドーナツ型)で、連続した拡散領域と
して構成してかまわない。pベース領域926の上部及
びpベース領域926に挟まれたドリフト領域領域90
7の上部にはゲート絶縁膜904が配置され、更にゲー
ト絶縁膜904の上部にゲート電極903が配置されて
いる。ゲート電極903の上部には層間絶縁膜902が
配置され、この層間絶縁膜902中に開口されたコンタ
クトホールを介して、pベース領域926とエミッタ領
域925を短絡するようにエミッタ電極921が配置さ
れている。IGBTにおいては、ターンオン時にコレク
タ領域前面のドリフト領域907に電子が蓄積され、こ
の蓄積された電子がpコレクタ領域928からの正孔
(ホール)の注入を促進し、ドリフト領域907には電
子と正孔の2種類のキャリアが存在して、電導度変調を
生じる。従って、ドリフト領域907を厚くしても、オ
ン抵抗は低く出来るので、高耐圧、低オン抵抗のデバイ
スとして用いられている。しかし、周知のように、IG
BTにおいては、ターンオフ時にコレクタ領域前面のド
リフト領域907に蓄積された電子が再結合により消滅
するまで、テール電流が流れ続け、高速のターンオフを
妨げている。図14に示すコレクタショート型構造を採
用することにより、IGBTのコレクタ領域前面のドリ
フト領域907に蓄積された電子は、nショート領域
937,938,・・・・・を介して引き抜くことが出
来るようになるので、ターンオフ時のテール電流を抑制
し、高速動作が可能となる。
【0080】このようなコレクタショート型IGBTに
おいては、図3に示したDMOSと同様に、pベース領
域926とnドリフト領域907との間に、pn接合
構造の寄生ダイオードDが内在している。従って、コ
レクタショート型IGBTが動作するバイアス条件とは
逆バイアスにして、コレクタ電極929を負、エミッタ
電極921を正とするバイアス条件とすればこの寄生ダ
イオードDが導通し、いわゆる逆導通が生じる。これ
らの寄生ダイオードDを積極的に電流経路として用い
ることにより、高電圧を高速に遮断出来る。
【0081】このように、本発明はここでは記載してい
ない様々な実施の形態や実施例等を含むことは勿論であ
る。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当
な請求項記載に係る発明特定事項によってのみ定められ
るものである。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、複数本(n本)の個別
配線を用いているので、その内の一部に短絡箇所が発生
すれば、直ちにその個別配線を切り離し、他の個別配線
や負荷への影響を回避出来る。又、一部に断線等の故障
が発生しても他の個別配線でカバー出来るので、電力供
給系の信頼性及び安全性を高めるのが容易である。
【0083】本発明によれば、故障判定電流値を1/m
に設定出来るので、短絡接地等の異常状態を精度良く判
定出来る。
【0084】本発明によれば、電源を2系統確保する構
造も、安価且つ簡単に実現出来るので、電源供給の信頼
性を更に高めることが可能となる。
【0085】本発明によれば、電力供給系を流れる異常
電流の検出を行うためのシャント抵抗を不要として、導
通損失の低い電力供給系を提供することが出来る。
【0086】本発明によれば、不完全短絡などのレアシ
ョートが発生した場合においても高速遮断が出来、信頼
性及び安全性を高めた電力供給系を提供することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電力供給系に用いる第1半導体能動ヒ
ューズの回路構成図である。
【図2】本発明の電力供給系に用いる第2半導体能動ヒ
ューズの回路構成図である。
【図3】本発明の能動ヒューズに用いるDMOSのユニ
ットセルの一部の模式断面図である。
【図4】本発明の能動ヒューズとしてのパワーICの構
造の一部を示す模式断面図である。
【図5】図5(a)は、図4に示したパワーICを搭載
したケーブルコネクタ(プラグ)の模式断面図で、図5
(b)は、図5(a)に示したプラグに接続されるジャ
ックの模式断面図である。
【図6】パワーICに搭載され、半導体チップの温度上
昇を検知して、主半導体素子を遮断する過熱遮断回路の
回路構成図である。
【図7】本発明の電力供給系に用いる能動ヒューズの動
作原理を説明する説明図であり、ターン・オン時のドレ
イン−ソース間電圧の立ち下がり特性の説明図である。
【図8】本発明の電力供給系に用いる能動ヒューズの主
半導体素子に着目した概念的等価回路図である。
【図9】図9(a)は、本発明の電力供給系に用いる能
動ヒューズにおける主半導体素子のドレイン電流の過渡
応答特性を示す説明図で、図9(b)は、図9(a)に
対応するドレイン−ソース間電圧の過渡応答特性を示す
説明図である。
【図10】本発明の第1の実施例に係る電力供給系の構
成を示す模式的なブロック図である。
【図11】本発明の第1の実施例の変形例に係る電力供
給系の構成を示す模式的なブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施例に係る電力供給系の構
成を示す模式的な系統図である。
【図13】本発明の第2の実施例の変形例に係る電力供
給系の構成を示す模式的なブロック図である。
【図14】本発明の能動ヒューズに用いるコレクタショ
ート型のIGBTのユニットセルの一部を示す断面図で
ある。
【図15】従来の過電流制御回路の回路構成図である。
【符号の説明】
101、112 電源(主電源) 102 負荷 103、113 補助電源 106 過熱遮断促進回路 110 半導体チップ 111 駆動回路 120 過熱遮断回路 121 温度センサ 122 ラッチ回路 201〜210,220,227,228,229 半
導体能動ヒューズ 301 中心導体 302,312,322 絶縁体 303〜306 半田 311 プラグ端子 313,321 金属ケース 314 リード 315 樹脂封止体 323 ジャック端子 801 トレンチ側壁絶縁膜 802 半絶縁性ポリシリコン(SIPOS) 811,821 SOI酸化膜(埋め込み絶縁膜) 812 埋め込みコレクタ領域 822 pウェル 901,913,915 ソース電極 902 層間絶縁膜 803,827,903 ゲート電極 904 ゲート絶縁膜 823,825,905 ソース領域 806,906 pボディ領域 813,907 ドリフト領域 824,908 ドレイン領域 909,914 ドレイン電極 910 スタブ金属 911 外部接続用ソース電極 912 、パッシベーション膜 917 ベース電極 921,918 エミッタ電極 815,925 エミッタ領域 814,926 pベース領域 928 コレクタ領域 929,916 コレクタ電極 938 nショート領域 CMP1 比較器 D1 ダイオード QA,主半導体素子(第1の半導体素子) RG 内部抵抗 R1,R2,R5,R8、R10 抵抗 T 入力端子 T出力端子 ZD1 ツェナーダイオード

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 m本(m≧2)の分岐を有する第1配線
    と、 前記第1配線のそれぞれの分岐に接続されるm個の第1
    半導体能動ヒューズと、 前記m個の第1半導体能動ヒ
    ューズのそれぞれに一端を接続したm本の中間配線と、 前記m本の中間配線の他端に、それぞれ接続されるm個
    の第2半導体能動ヒューズと、 前記m個の第2半導体能動ヒューズのそれぞれにm本の
    分岐が接続される第2配線とからなり、 前記m個の第1半導体能動ヒューズは、それぞれ、 前記第1配線のそれぞれの分岐に接続される第1主電
    極、前記第1主電極に対向した第2主電極、前記第1及
    び第2主電極を流れる主電流を制御する第1制御電極と
    を有し、前記第1主電極にカソード領域を、前記第2主
    電極にアノード領域が接続される第1寄生ダイオードを
    内在する第1主半導体素子と、 前記第1主電極、第1制御電極にそれぞれ接続された第
    3主電極、第2制御電極と、第4主電極とを有する第1
    基準半導体素子と、 前記第2及び第4主電極間に入力端子を接続した第1比
    較器と、 前記第1比較器の出力に応じて、前記第1制御電極に印
    加する信号を生成する第1駆動回路とを少なくとも具備
    し、前記m個の第2半導体能動ヒューズは、それぞれ、 前記中間配線の他端に接続される第5主電極、前記第5
    主電極に対向した第6主電極、前記第5及び第6主電極
    を流れる主電流を制御する第3制御電極とを有し、前記
    第5主電極にアノード領域を、前記第6主電極にカソー
    ド領域が接続される第2寄生ダイオードを内在する第2
    主半導体素子と、 第7主電極、前記第6主電極及び前記第3制御電極にそ
    れぞれ接続された第8主電極及び第4制御電極とを有す
    る第2基準半導体素子と、 前記第5及び第7主電極間に入力端子を接続した第2比
    較器と前記第2比較器の出力に応じて、前記第3制御電
    極に印加する信号を 生成する第2駆動回路とを少
    なくとも具備することを特徴とする電力供給系。
  2. 【請求項2】前記第1配線には正電位の主電源が接続さ
    れ、前記第2配線には負荷が接続されていることを特徴
    とする請求項1記載の電力供給系。
  3. 【請求項3】前記第1配線には負荷が接続され、前記第
    2配線には負電位の主電源が接続されていることを特徴
    とする請求項1記載の電力供給系。
  4. 【請求項4】前記第1配線に接続された第1補助半導体
    能動ヒューズと、 前記第1補助半導体能動ヒューズに一端を接続した補助
    配線と、 前記補助配線の他端に接続される第2補助半導体能動ヒ
    ューズと、 前記第2補助半導体能動ヒューズに接続される正電位の
    補助電源とを更に有し、前記第1補助半導体能動ヒュー
    ズは、 前記第1配線に接続される第9主電極、前記第9主電極
    に対向した第10主電極、前記第9及び第10主電極を
    流れる主電流を制御する第5制御電極とを有し、前記第
    9主電極にカソード領域を、前記第10主電極にアノー
    ド領域が接続される第3寄生ダイオードを内在する第3
    主半導体素子と,前記第9主電極、第5制御電極にそれ
    ぞれ接続された第11主電極、第6制御電極と、第12
    主電極とを有する第3基準半導体素子と、 前記第10及び第12主電極間に入力端子を接続した第
    3比較器と、 前記第3比較器の出力に応じて、前記第5制御電極に印
    加する信号を生成する第3駆動回路とを少なくとも具備
    し、前記第2補助半導体能動ヒューズは、 前記補助配線の他端に接続されるに第13主電極、前記
    第13主電極に対向した第14主電極、前記第13及び
    第14主電極を流れる主電流を制御する第7制御電極と
    を有し、前記第13主電極にアノード領域を、前記第1
    4主電極にカソード領域が接続される第4寄生ダイオー
    ドを内在する第4主半導体素子と、 第15主電極、前記第14主電極及び第7制御電極にそ
    れぞれ接続された第16主電極及び第8制御電極とを有
    する第4基準半導体素子と、 前記第13及び第15主電極間に入力端子を接続した第
    4比較器と、 前記第4比較器の出力に応じて、前記第7制御電極に印
    加する信号を生成する第4駆動回路とを少なくとも具備
    することを特徴とする請求項1又は2記載の電力供給
    系。
  5. 【請求項5】前記第2配線に接続された第1補助半導体
    能動ヒューズと、 前記第1補助半導体能動ヒューズに一端を接続した補助
    配線と、 前記補助配線の他端に接続される第2補助半導体能動ヒ
    ューズと、 前記第2補助半導体能動ヒューズに接続される負電位の
    補助電源とを更に有し、前記第1補助半導体能動ヒュー
    ズは、 前記第2配線に接続される第9主電極、前記第9主電極
    に対向した第10主電極、前記第9及び第10主電極を
    流れる主電流を制御する第5制御電極とを有し、前記第
    9主電極にカソード領域を、前記第10主電極にアノー
    ド領域が接続される第3寄生ダイオードを内在する第3
    主半導体素子と,前記第9主電極、第5制御電極にそれ
    ぞれ接続された第11主電極、第6制御電極と、第12
    主電極とを有する第3基準半導体素子と、 前記第10及び第12主電極間に入力端子を接続した第
    3比較器と、 前記第3比較器の出力に応じて、前記第5制御電極に印
    加する信号を生成する第3駆動回路とを少なくとも具備
    し、前記第2補助半導体能動ヒューズは、 前記補助配線の他端に接続されるに第13主電極、前記
    第13主電極に対向した第14主電極、前記第13及び
    第14主電極を流れる主電流を制御する第7制御電極と
    を有し、前記第13主電極にアノード領域を、前記第1
    4主電極にカソード領域が接続される第4寄生ダイオー
    ドを内在する第4主半導体素子と、 第15主電極、前記第14主電極及び前記第7制御電極
    にそれぞれ接続された第16主電極及び第8制御電極と
    を有する第4基準半導体素子と、 前記第13及び第15主電極間に入力端子を接続した第
    4比較器と、 前記第4比較器の出力に応じて、前記第7制御電極に印
    加する信号を生成する第4駆動回路とを少なくとも具備
    することを特徴とする請求項1又は3記載の電力供給
    系。
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